JPH06243642A - テープカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録・再生上のドロップアウトの発生を防止
する。 【構成】 カセット蓋体９のレバー被押圧部の近傍に裏
側に突出するリブ１４を設け、このリブ１４およびカセ
ット蓋体９のレバー被押圧部に開放レバーＬの押圧方向
に対し同一の勾配をもって連続傾斜する第１レバー被押
圧面１５と第２レバー被押圧面１６を形成した。このた
め、開蓋時に第１レバー被押圧面１５と第２レバー被押
圧面１６に沿って開放レバーＬが相対的に押圧移動して
カセット蓋体９に回動力を付与することになるから、カ
セット蓋体９の回動角度を大きい角度に設定してテープ
Ｔの前面を覆うカセット蓋体９の裏側にテープＴの後面
を覆う他のカセット蓋体（後蓋）を追加することがで
き、テープＴの保護性能を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えばビデオテープレ
コーダ等の記録再生装置やその他各種の情報処理装置に
使用して好適なテープカセットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のテープカセットには、テ
ープ巻装用のリールを収納可能な空間部および磁気テー
プ（以下、単に「テープ」と称する。）が臨むテープ取
出入口を有するカセット筐体と、このカセット筐体に回
動自在に枢支され閉蓋状態において前記テープの前面を
覆うカセット蓋体とを備えたものが採用されている。

【０００３】このように構成されたテープカセットにお
いては、ビデオテープレコーダ本体内に装着されること
によりテープローディングが行われる。すなわち、ビデ
オテープレコーダ本体内にテープカセットを装着する
と、テープローディングガイドがテープ取出入口内にカ
セット筐体の下方から臨み、この後テープ取出入口外に
移動することによりテープをカセット筐体外に引き出し
てテープローディングが行われる。

【０００４】この場合、開放レバーがカセット蓋体を下
方から上方に向かって押圧することにより、このカセッ
ト蓋体に開蓋方向の回動力が付与される。

【０００５】ところで、近年におけるこの種のテープカ
セットにおいては、テープの保護性能を高める必要か
ら、テープの前面を覆う前蓋のみならずテープの後面を
覆う後蓋を備えた構造をもつものが提案されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来のテー
プカセット（後蓋が無いもの）においては、カセット蓋
体の開放角度が小さいものであってもテープローディン
グ領域を確保できることから、カセット蓋体の回動角度
が比較的小さい角度に設定されており、このためテープ
の前面を覆うカセット蓋体（前蓋）の裏側に現状の開放
角度のままでテープの後面を覆う他のカセット蓋体（後
蓋）を追加することができなかった。すなわち、前蓋の
開放角度が現状のまま後蓋を追加すると、この後蓋がテ
ープ取出入口内においてテープローディングガイド挿入
の障害となり、テープローディングを確実に行うことが
できなくなるからである。この結果、テープの保護性能
を高めることができず、記録・再生上のドロップアウト
が生じ易いという問題があった。

【０００７】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、テープ前面を覆うカセット蓋体の裏側にテープ
後面を覆う他のカセット蓋体を追加することができ、も
って記録・再生上のドロップアウトの発生を防止するこ
とができるテープカセットを提供するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明に係るテープカセ
ットは、カセット蓋体のレバー被押圧部近傍に蓋体裏側
に突出するリブを設け、このリブおよびレバー被押圧部
に開放レバーの押圧方向に対して同一の勾配をもって連
続傾斜する第１レバー被押圧面と第２レバー被押圧面を
形成したものである。

【０００９】

【作用】本発明においては、開蓋時に第１レバー被押圧
面と第２レバー被押圧面に沿って開放レバーが相対的に
押圧移動してカセット蓋体に回動力を付与することにな
る。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の構成等を図に示す実施例によ
って詳細に説明する。

【００１１】図１（Ａ）および（Ｂ）は本発明に係るテ
ープカセットを示す分解斜視図と下面図、図２は本発明
におけるテープカセットの要部を示す断面図である。

【００１２】同図において、符号１で示すものはテープ
Ｔの一部が臨むテープ出入口２を有するカセット筐体
で、各々が互いに嵌合された上下２つのハーフ３，４か
らなる角箱によって形成されている。

【００１３】このカセット筐体１の両ハーフ３，４のう
ち下ハーフ４は、左右方向に所定の間隔をもって並列す
る２つのテープガイド５ａ，５ｂを有する底板５と、こ
の底板５の後端縁および左右端縁に一体に突設され右側
方（カセット筐体の正面から見て）に開口する貫通孔６
ａを有する平面視略コ字状の壁板６とによって構成され
ている。

【００１４】一方、このカセット筐体１の上ハーフ３
は、内部確認用の透明窓７ａおよびスプリング係止用の
凹部７ｂを有する天井板７と、この天井板７の後端縁お
よび左右端縁に一体に突設され前記壁板６の上端面に対
応する下端面を有する平面視略コ字状の壁板８とによっ
て構成されている。また、この上ハーフ３の天井板７に
は、後述するリールを前記底板５に圧接するリール押え
ばね（図示せず）が取り付けられている。

【００１５】９は断面視略コ字状のカセット蓋体で、前
記取出入口２の前方部を開閉する略逆Ｌ字状の前面板９
ａおよびこの前面板９ａの両側縁に連設され各々が互い
に対向する２つの側壁板９ｂ，９ｃからなり、前記カセ
ット筐体１の両側前方端部に回動自在に設けられてい
る。このカセット蓋体９の前面板９ａの上端部には幅方
向に延在する干渉防止用の凹溝１０が形成されており、
両側壁板９ｂ，９ｃにはレバー押圧用の突子１１ａ，１
２ａを有する枢軸１１，１２が一体に設けられている。
また、このカセット蓋体９の左右両側壁板９ｂ，９ｃの
うち右側壁板９ｃには、表裏面に開口する係止孔１３が
設けられている。なお、このカセット蓋体９は、トーシ
ョンスプリングＳによって閉蓋方向に常時付勢されてい
る。

【００１６】そして、このカセット蓋体９の前面板９ａ
の下方端縁左側部には、ビデオテープレコーダ用の開放
レバーＬに対するレバー被押圧部から蓋体裏側に突出す
るリブ１４が一体に設けられている。このリブ１４の下
端面および前記前面板９ａの下端面には、前記開放レバ
ーＬの押圧方向Ｐに対して同一の勾配をもって連続傾斜
する第１レバー被押圧面１５と第２レバー被押圧面１６
が形成されている。このリブ１４の両レバー被押圧面１
５，１６の傾斜角度θは、前記前面板９ａの表面を延長
する面に対して反時計方向に１２０°の角度に設定され
ている。また、このリブ１４の全長は、最大開蓋時のカ
セットコンパートメント（図３に図示）の蓋体に対する
干渉を防止する必要から最大長Ｘ３．０ｍｍの寸法に設
定されていることが望ましい。

【００１７】１７および１８は左右方向に所定の間隔を
もって並列する２つのリールで、前記カセット筐体１内
に回転自在に設けられており、テープＴを巻装し得るよ
うに構成されている。

【００１８】１９は前記貫通孔６ａおよび前記係止孔１
３に挿通可能な爪部１９ａを有するカバーロックレバー
で、前記底板５の右側側縁前方端部に回動自在に設けら
れている。

【００１９】なお、２０はテープＴの後面を覆うカセッ
ト蓋体（後蓋）である。また、２１はテープ移動規制
片、２２および２３はテープガードである。

【００２０】このように構成されたテープカセットにお
いては、開放レバーＬがカセット蓋体９を押圧すること
により、このカセット蓋体９が回動してテープ取出入口
２が開放される。

【００２１】すなわち、図３（Ａ）に示すようにビデオ
テープレコーダ本体内のカセットコンパートメントＣに
よってカセット挿入位置からカセット装着位置に向かっ
てテープカセットを下方に移動操作すると、同図（Ｂ）
に示すように開放レバーＬが前面板９ａの先端部を押圧
して同図（Ｃ）に示すようにリブ１４の先端部に押圧す
るまでカセット蓋体９が矢印Ａで示す開蓋方向に枢支点
Ｏを中心にして回動する。この場合、図４（Ａ）および
（Ｂ）に示すように開放レバーＬが第２レバー被押圧面
１６および第１レバー被押圧面１５に沿って接触ポイン
トＸ₁から接触ポイントＸ₂へ相対的に直線移動するた
め、カセット蓋体９の回動角度θを大きい角度に設定す
ることができ、カセット蓋体９の最大開蓋高さ位置Ｈ
（初期位置を「０」とする。）に設定することができ
る。

【００２２】したがって、本実施例においては、テープ
Ｔの前面を覆うカセット蓋体９の裏側にテープＴの後面
を覆う他のカセット蓋体２０を追加することができるか
ら、テープＴの保護性能を高めることができる。

【００２３】また、本実施例において、リブ１４および
カセット蓋体９に同一の勾配をもって連続傾斜する第１
レバー被押圧面１５と第２レバー被押圧面１６を形成し
たことは、開蓋時にこれら両レバー被押圧面１５，１６
での開放レバーＬの移動を円滑に行うことができる。

【００２４】因に、本実施例におけるテープカセットの
閉蓋動作は、前述した開蓋動作と逆の動作が行われる。

【００２５】また、本実施例におけるテープカセットを
用いたテープローディングは、従来例と同様にして行わ
れる。

【００２６】なお、本実施例においては、ビデオテープ
レコーダ用のテープカセットに適用する例を示したが、
本発明はこれに限定適用されるものではなく、各種の情
報処理装置用のテープカセットにも実施例と同様に適用
可能である。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、カ
セット蓋体のレバー被押圧部近傍に蓋体裏側に突出する
リブを設け、このリブおよびレバー被押圧部に開放レバ
ーの押圧方向に対して同一の勾配をもって連続傾斜する
第１レバー被押圧面と第２レバー被押圧面を形成したの
で、開蓋時に第１レバー被押圧面と第２レバー被押圧面
に沿って開放レバーが相対的に押圧移動してカセット蓋
体に回動力を付与することになる。

【００２８】したがって、カセット蓋体の回動角度を大
きい角度に設定してテープの前面を覆うカセット蓋体の
裏側にテープの後面を覆う他のカセット蓋体を追加する
ことができるから、テープの保護性能を高めることがで
き、記録・再生上のドロップアウトの発生を防止するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）および（Ｂ）は本発明に係るテープカセ
ットを示す分解斜視図と下面図。

【図２】図２は本発明におけるテープカセットの要部を
示す断面図。

【図３】（Ａ）〜（Ｃ）は本発明におけるテープカセッ
トの開蓋動作を説明するために示す断面図。

【図４】（Ａ）および（Ｂ）は本発明におけるテープカ
セットのカセット蓋体に対する開放レバーの押圧動作を
説明するために示す断面図。

【符号の説明】

１…カセット筐体 ２…テープ取出入口 ９…カセット蓋体 ９ａ…前面板 １４…リブ １５…第１レバー被押圧面 １６…第２レバー被押圧面 Ｌ…開放レバー Ｔ…テープ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カセット筐体のテープ取出入口内に臨む
   テープの前面を覆うカセット蓋体を開放レバーが押圧す
   ることにより、このカセット蓋体が回動して前記テープ
   取出入口が開放されるテープカセットにおいて、前記カ
   セット蓋体のレバー被押圧部近傍に蓋体裏側に突出する
   リブを設け、このリブおよび前記レバー被押圧部に前記
   開放レバーの押圧方向に対して同一の勾配をもって連続
   傾斜する第１レバー被押圧面と第２レバー被押圧面を形
   成したことを特徴とするテープカセット。