JPH06243525A - 光情報記録再生方法 - Google Patents
光情報記録再生方法Info
- Publication number
- JPH06243525A JPH06243525A JP3076893A JP3076893A JPH06243525A JP H06243525 A JPH06243525 A JP H06243525A JP 3076893 A JP3076893 A JP 3076893A JP 3076893 A JP3076893 A JP 3076893A JP H06243525 A JPH06243525 A JP H06243525A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magneto
- layer
- wavelength
- light
- recording
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
(57)【要約】
【目的】 現行よりも波長の短い600nm以下の波長
の光を用いた高記録密度の光磁気記録システムを提供す
ることを目的とする。 【構成】 基板上に少なくとも、誘電体層、光磁気記録
層、Agを主成分とする反射層、トリアジンチオール系
化合物を含有する紫外線硬化樹脂からなる保護層を順次
有する光磁気記録媒体に、波長600nm以下のレーザ
光を用いて情報の記録再生を行うことを特徴とする光情
報記録再生方法
の光を用いた高記録密度の光磁気記録システムを提供す
ることを目的とする。 【構成】 基板上に少なくとも、誘電体層、光磁気記録
層、Agを主成分とする反射層、トリアジンチオール系
化合物を含有する紫外線硬化樹脂からなる保護層を順次
有する光磁気記録媒体に、波長600nm以下のレーザ
光を用いて情報の記録再生を行うことを特徴とする光情
報記録再生方法
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光情報記録再生方法に関
し、光磁気記録媒体を用いた情報の記録再生方法に関す
る。
し、光磁気記録媒体を用いた情報の記録再生方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、情報量の飛躍的な増大に伴い、情
報記録媒体に対する記録密度向上の要求が高まってい
る。光ディスクは記録密度が高い上に、ランダムアクセ
ス性、可搬性に優れている。特に光磁気ディスクは繰り
返し記録が可能で、信頼性にも優れるため、コンピュー
タ用外部記憶装置、録音装置の記録媒体として既に商品
化されている。
報記録媒体に対する記録密度向上の要求が高まってい
る。光ディスクは記録密度が高い上に、ランダムアクセ
ス性、可搬性に優れている。特に光磁気ディスクは繰り
返し記録が可能で、信頼性にも優れるため、コンピュー
タ用外部記憶装置、録音装置の記録媒体として既に商品
化されている。
【0003】現在商品化されている光磁気ディスクの記
録密度は直径5.25インチのディスク片面当り300
メガバイト(MByte)程度である。これを1ギガバ
イト(GByte)程度まで高めるために、トラックピ
ッチを短くすることや記録信号の変調方式を変更するこ
とが提案されており、実用化の目処が立ちつつある。し
かしながら、現行技術の範囲内で記録密度を更に向上さ
せるのは、記録密度が既に理論的な限界に近づいている
ことから不可能であると言わざるを得ない。光ディスク
における記録密度の理論的限界を決定するのは記録再生
に使われるレーザ光の集光スポットの大きさである。
録密度は直径5.25インチのディスク片面当り300
メガバイト(MByte)程度である。これを1ギガバ
イト(GByte)程度まで高めるために、トラックピ
ッチを短くすることや記録信号の変調方式を変更するこ
とが提案されており、実用化の目処が立ちつつある。し
かしながら、現行技術の範囲内で記録密度を更に向上さ
せるのは、記録密度が既に理論的な限界に近づいている
ことから不可能であると言わざるを得ない。光ディスク
における記録密度の理論的限界を決定するのは記録再生
に使われるレーザ光の集光スポットの大きさである。
【0004】従って更に記録密度を高めるためにはレー
ザ光のスポットをより小さく絞ることが不可欠である。
レーザ光のスポット径dは使用するレーザ光の波長λと
対物レンズの開口数NAにより次式で表される。ただ
し、kはレンズの開口形状、入射光束の強度分布によっ
て決まる定数である。 d=k・λ/NA ・・・(1) レーザ光のスポット径dを小さくするためには、波長λ
の短い光源を用いること、及び開口数NAの大きな対物
レンズを用いることが必要である。
ザ光のスポットをより小さく絞ることが不可欠である。
レーザ光のスポット径dは使用するレーザ光の波長λと
対物レンズの開口数NAにより次式で表される。ただ
し、kはレンズの開口形状、入射光束の強度分布によっ
て決まる定数である。 d=k・λ/NA ・・・(1) レーザ光のスポット径dを小さくするためには、波長λ
の短い光源を用いること、及び開口数NAの大きな対物
レンズを用いることが必要である。
【0005】レンズの開口数を大きくすると、焦点深度
が浅くなり、またディスクの傾きや基板の厚み斑に対す
る許容度が急激に低下してしまうため、光ヘッドのサー
ボ能力が低下してしまう。従って、レンズの開口数は現
行の0.55程度よりさほど大きくすることはできな
い。よって、レーザ光のスポット径を小さくして記録密
度を向上させるためには、光ヘッドの光源として現行の
825nm、780nmよりも短い波長の光源を使用す
ることが不可欠である。
が浅くなり、またディスクの傾きや基板の厚み斑に対す
る許容度が急激に低下してしまうため、光ヘッドのサー
ボ能力が低下してしまう。従って、レンズの開口数は現
行の0.55程度よりさほど大きくすることはできな
い。よって、レーザ光のスポット径を小さくして記録密
度を向上させるためには、光ヘッドの光源として現行の
825nm、780nmよりも短い波長の光源を使用す
ることが不可欠である。
【0006】光磁気ディスクの再生信号の品質を支配す
るのは反射率と磁気カー回転角であり、より具体的には
反射率の平方根と磁気カー回転角との積という形で表さ
れる。これを性能指数と呼ぶこととする。現在商品化さ
れている光磁気ディスクの記録層としては、TbFeC
oに代表される重希土類−遷移金属アモルファス合金が
使われている。
るのは反射率と磁気カー回転角であり、より具体的には
反射率の平方根と磁気カー回転角との積という形で表さ
れる。これを性能指数と呼ぶこととする。現在商品化さ
れている光磁気ディスクの記録層としては、TbFeC
oに代表される重希土類−遷移金属アモルファス合金が
使われている。
【0007】これら合金の性能係数は現行光磁気ディス
クドライブのレーザ光の波長800nm程度では比較的
大きな値を示すが、光の波長が短くなって600nm以
下になると急激に減少してしまう。またドライブの信号
検出に使われている光検出素子のフォトダイオードの検
出感度も、800nm付近では高いが600nm以下に
なると急激に低下してしまう。
クドライブのレーザ光の波長800nm程度では比較的
大きな値を示すが、光の波長が短くなって600nm以
下になると急激に減少してしまう。またドライブの信号
検出に使われている光検出素子のフォトダイオードの検
出感度も、800nm付近では高いが600nm以下に
なると急激に低下してしまう。
【0008】これらの事実は現行の技術では短波長側で
再生信号の強度が極端に低下してしまい、安定した記録
信号の再生が不可能になることを意味している。以上に
述べてきたように、記録密度の向上を狙った短波長光源
を用いた光磁気ディスクシステムを実現するには、短波
長側での再生信号強度の低下が問題となっている。
再生信号の強度が極端に低下してしまい、安定した記録
信号の再生が不可能になることを意味している。以上に
述べてきたように、記録密度の向上を狙った短波長光源
を用いた光磁気ディスクシステムを実現するには、短波
長側での再生信号強度の低下が問題となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】先に述べたように、大
きな再生信号を得るためには記録媒体の性能係数を大き
くすることと光検出素子の感度を向上させる事が重要で
ある。光磁気ディスクドライブで用いられている光検出
素子、フォトダイオードにおける光の検出は、光がpn
接合付近の電子を伝導帯に励起し、伝導帯の電子がpn
接合を移動し、フォトダイオードを電流が流れることに
よりなされる。
きな再生信号を得るためには記録媒体の性能係数を大き
くすることと光検出素子の感度を向上させる事が重要で
ある。光磁気ディスクドライブで用いられている光検出
素子、フォトダイオードにおける光の検出は、光がpn
接合付近の電子を伝導帯に励起し、伝導帯の電子がpn
接合を移動し、フォトダイオードを電流が流れることに
よりなされる。
【0010】フォトダイオードを構成するSi半導体の
光吸収係数は短波長側で大きくなるため、短波長の光は
フォトダイオード表面近傍で吸収されてしまい、pn接
合付近まで到達しにくくなる。その結果pn接合付近で
励起される電子の数が減少するため、光の検出感度が低
下してしまう。よって短波長側で光検出素子の検出感度
を向上させるのは理論的に困難であり、短波長側で大き
な再生信号を得るためには記録媒体の性能係数を大きく
することが重要である。
光吸収係数は短波長側で大きくなるため、短波長の光は
フォトダイオード表面近傍で吸収されてしまい、pn接
合付近まで到達しにくくなる。その結果pn接合付近で
励起される電子の数が減少するため、光の検出感度が低
下してしまう。よって短波長側で光検出素子の検出感度
を向上させるのは理論的に困難であり、短波長側で大き
な再生信号を得るためには記録媒体の性能係数を大きく
することが重要である。
【0011】光磁気ディスクは一般的には、透明基板上
に、光磁気記録層、光干渉層、光反射層、保護層等、複
数の層を設けることにより構成される。再生信号強度を
支配する性能係数はこれらの全ての層を総合して考慮し
なければならない。本発明は全ての層を構成する材料、
層厚、及び層構成を最適化し、光磁気ディスクの600
nm以下の波長での性能係数を高めて、600nm以下
の短波長光を用いた光磁気ディスクシステムを提供する
ことを目的とする。
に、光磁気記録層、光干渉層、光反射層、保護層等、複
数の層を設けることにより構成される。再生信号強度を
支配する性能係数はこれらの全ての層を総合して考慮し
なければならない。本発明は全ての層を構成する材料、
層厚、及び層構成を最適化し、光磁気ディスクの600
nm以下の波長での性能係数を高めて、600nm以下
の短波長光を用いた光磁気ディスクシステムを提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に少な
くとも、誘電体層、光磁気記録層、Agを主成分とする
反射層、トリアジンチオール系化合物を含有する紫外線
硬化樹脂からなる保護層を順次有する光磁気記録媒体
に、波長600nm以下のレーザ光を用いて情報の記録
再生を行うことを特徴とする光情報記録再生方法であ
る。
くとも、誘電体層、光磁気記録層、Agを主成分とする
反射層、トリアジンチオール系化合物を含有する紫外線
硬化樹脂からなる保護層を順次有する光磁気記録媒体
に、波長600nm以下のレーザ光を用いて情報の記録
再生を行うことを特徴とする光情報記録再生方法であ
る。
【0013】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
て用いられる光磁気記録媒体の基板としては、ガラス、
ポリカーボネート等のプラスチック、あるいはガラス上
に光ヘッド案内用の溝付き樹脂を形成した基板などが挙
げられる。溝の深さ、及び間隔は使用する波長に合わせ
て最適化、つまり波長が短くなるほど溝を浅くし、間隔
を細かくするのが好ましい。このような基板の複屈折
は、光磁気信号の品質を損なわないよう極力小さいこと
が望ましい。
て用いられる光磁気記録媒体の基板としては、ガラス、
ポリカーボネート等のプラスチック、あるいはガラス上
に光ヘッド案内用の溝付き樹脂を形成した基板などが挙
げられる。溝の深さ、及び間隔は使用する波長に合わせ
て最適化、つまり波長が短くなるほど溝を浅くし、間隔
を細かくするのが好ましい。このような基板の複屈折
は、光磁気信号の品質を損なわないよう極力小さいこと
が望ましい。
【0014】また基板の厚みは1〜2mm程度が一般的
である。誘電体層は光を干渉させる層であり、基板と光
磁気記録層との間に設けられ、基板と光磁気記録層との
間で光を多重反射させ、見かけ上の磁気カー回転角を増
大させる役割、干渉効果を担う。その厚みは使用する光
の波長に合わせて変化させなければ、充分な干渉効果が
得られない。
である。誘電体層は光を干渉させる層であり、基板と光
磁気記録層との間に設けられ、基板と光磁気記録層との
間で光を多重反射させ、見かけ上の磁気カー回転角を増
大させる役割、干渉効果を担う。その厚みは使用する光
の波長に合わせて変化させなければ、充分な干渉効果が
得られない。
【0015】波長が600nm程度の場合は、誘電体層
の厚みを40nm〜55nm程度(一次干渉点を利用す
る場合)あるいは180nm〜195nm程度(二次干
渉点を利用する場合)とするのが好ましく、波長が40
0nm程度の場合は、誘電体の厚みを25nm〜35n
m程度(一次干渉点を利用する場合)あるいは120n
m〜130nm程度(二次干渉点を利用する場合)とす
るのが好ましい。
の厚みを40nm〜55nm程度(一次干渉点を利用す
る場合)あるいは180nm〜195nm程度(二次干
渉点を利用する場合)とするのが好ましく、波長が40
0nm程度の場合は、誘電体の厚みを25nm〜35n
m程度(一次干渉点を利用する場合)あるいは120n
m〜130nm程度(二次干渉点を利用する場合)とす
るのが好ましい。
【0016】また、誘電体層は基板と光磁気記録層との
密着性を高める役割、光磁気記録層と基板を断熱する役
割、プラスチック基板を通して侵入してくる水分から光
磁気記録層を保護する役割等を合わせ持つ。誘電体層は
更に光磁気記録層と反射層の間にも設けることができ
る。これにより更に光の干渉効果を高め、磁気カー回転
角を増大させることが可能である。2つの誘電体層の厚
みは使用する光の波長に合わせてそれぞれ変化させなけ
れば、充分な干渉効果が得られない。
密着性を高める役割、光磁気記録層と基板を断熱する役
割、プラスチック基板を通して侵入してくる水分から光
磁気記録層を保護する役割等を合わせ持つ。誘電体層は
更に光磁気記録層と反射層の間にも設けることができ
る。これにより更に光の干渉効果を高め、磁気カー回転
角を増大させることが可能である。2つの誘電体層の厚
みは使用する光の波長に合わせてそれぞれ変化させなけ
れば、充分な干渉効果が得られない。
【0017】光磁気記録層と反射膜との間に設けられる
誘電体層は光を干渉させる役割の他に、光磁気記録層と
反射層を断熱する役割等を担う。誘電体層として用いら
れる材料としては窒化シリコン、酸化タンタル、酸化シ
リコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫化亜鉛等や
これらの混合物からなるアモルファス薄膜が一般的であ
る。
誘電体層は光を干渉させる役割の他に、光磁気記録層と
反射層を断熱する役割等を担う。誘電体層として用いら
れる材料としては窒化シリコン、酸化タンタル、酸化シ
リコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫化亜鉛等や
これらの混合物からなるアモルファス薄膜が一般的であ
る。
【0018】光磁気記録層はレーザ光を集光させて加熱
し、熱磁気記録を行う層である。記録が行われるために
は、磁化が膜面に対して垂直に向かなければならないの
で、光磁気記録層としては垂直磁気異方性の大きいこと
が望ましい。光の波長が短くなって集光スポット径が小
さくなると、単位面積当りの光のエネルギー密度が高く
なるため、再生光を照射したときの光磁気記録層の温度
は従来の800nm程度の波長の場合よりも高くなりや
すい。
し、熱磁気記録を行う層である。記録が行われるために
は、磁化が膜面に対して垂直に向かなければならないの
で、光磁気記録層としては垂直磁気異方性の大きいこと
が望ましい。光の波長が短くなって集光スポット径が小
さくなると、単位面積当りの光のエネルギー密度が高く
なるため、再生光を照射したときの光磁気記録層の温度
は従来の800nm程度の波長の場合よりも高くなりや
すい。
【0019】光磁気記録層の温度が高くなると磁気カー
回転角が減少し、再生信号の出力が低下するが、低下の
割合は光磁気記録層のキュリー温度が低いほど著しい。
よって600nm以下の波長の光を用いて記録再生を行
うための光磁気記録層の材料としては従来の800nm
程度の波長用の光磁気記録層のキュリー温度170〜2
00℃よりも高いキュリー温度を持つものを使うのが好
ましい。
回転角が減少し、再生信号の出力が低下するが、低下の
割合は光磁気記録層のキュリー温度が低いほど著しい。
よって600nm以下の波長の光を用いて記録再生を行
うための光磁気記録層の材料としては従来の800nm
程度の波長用の光磁気記録層のキュリー温度170〜2
00℃よりも高いキュリー温度を持つものを使うのが好
ましい。
【0020】また大きな再生信号を得るためには使用す
る光の波長でカー回転角が大きいことが好ましく、特に
は220℃〜280℃のキュリー温度であるのが好まし
い。以上のような条件を満たす光磁気記録層としてはT
b濃度15〜25原子%、Co濃度10〜50原子%の
TbFeCoアモルファス合金、Co濃度20〜50原
子%のNdTbFeCoアモルファス合金、Co/Pt
人工格子等が例として挙げられる。
る光の波長でカー回転角が大きいことが好ましく、特に
は220℃〜280℃のキュリー温度であるのが好まし
い。以上のような条件を満たす光磁気記録層としてはT
b濃度15〜25原子%、Co濃度10〜50原子%の
TbFeCoアモルファス合金、Co濃度20〜50原
子%のNdTbFeCoアモルファス合金、Co/Pt
人工格子等が例として挙げられる。
【0021】光磁気記録層の膜厚は、レーザ光のパワー
に対する記録感度、性能係数等を考慮して使用する波長
に合わせて決定するのが好ましく、通常10nm〜40
nm程度とされる。反射層は光磁気記録層を透過した光
を反射して再び光磁気記録層に戻す役割を担う。これに
より光の利用効率を高めると共に、反射率と磁気カー回
転角が増大し、性能係数が増大する。
に対する記録感度、性能係数等を考慮して使用する波長
に合わせて決定するのが好ましく、通常10nm〜40
nm程度とされる。反射層は光磁気記録層を透過した光
を反射して再び光磁気記録層に戻す役割を担う。これに
より光の利用効率を高めると共に、反射率と磁気カー回
転角が増大し、性能係数が増大する。
【0022】また、反射膜は光磁気記録媒体としての熱
伝導率に影響を与える。現在商品化されている800n
m程度の波長に対応する光磁気ディスクの反射層として
はアルミニウムあるいはアルミニウム合金が使用されて
いるのに対し、本発明ではAgを主体とする反射層が使
用されるのが特徴的である。反射層として、従来のアル
ミニウム、アルミニウム合金、あるいは金を用いると6
00nm以下の波長で充分な性能係数を得ることができ
ないが、Agを主体とする反射層を用いることによりは
じめて良好な性能係数を得ることが可能になった。Ag
単体では硫化ガスにより腐食されやすいため、腐食防止
効果を持つ元素、例えば、Au、Pt、Pd等をAgに
添加して反射層としてもよい。添加元素の添加量は0.
5〜15原子%程度である。反射層の厚みは200〜5
00Å程度が好ましい。
伝導率に影響を与える。現在商品化されている800n
m程度の波長に対応する光磁気ディスクの反射層として
はアルミニウムあるいはアルミニウム合金が使用されて
いるのに対し、本発明ではAgを主体とする反射層が使
用されるのが特徴的である。反射層として、従来のアル
ミニウム、アルミニウム合金、あるいは金を用いると6
00nm以下の波長で充分な性能係数を得ることができ
ないが、Agを主体とする反射層を用いることによりは
じめて良好な性能係数を得ることが可能になった。Ag
単体では硫化ガスにより腐食されやすいため、腐食防止
効果を持つ元素、例えば、Au、Pt、Pd等をAgに
添加して反射層としてもよい。添加元素の添加量は0.
5〜15原子%程度である。反射層の厚みは200〜5
00Å程度が好ましい。
【0023】保護層は外部環境、機械的損傷から媒体を
保護する役割を担う。特に、AgやAg合金等は比較的
腐食され易いため、保護層としてはAg合金等の腐食を
抑制する効果を持たなければならない。トリアジンチオ
ール系化合物を含有する紫外線硬化剤をAgを主体とす
る反射層の外側にコートし、紫外線照射により硬化させ
て保護層とすることにより、反射層の腐食が著しく抑え
られ、記録媒体としての信頼性が高まる。トリアジンチ
オール化合物としては、下記の一般式[1]で示される
化合物が特に好適である。
保護する役割を担う。特に、AgやAg合金等は比較的
腐食され易いため、保護層としてはAg合金等の腐食を
抑制する効果を持たなければならない。トリアジンチオ
ール系化合物を含有する紫外線硬化剤をAgを主体とす
る反射層の外側にコートし、紫外線照射により硬化させ
て保護層とすることにより、反射層の腐食が著しく抑え
られ、記録媒体としての信頼性が高まる。トリアジンチ
オール化合物としては、下記の一般式[1]で示される
化合物が特に好適である。
【0024】
【化1】 一般式[1]中の−Rは、−SR1、−NR2R3 を表
し、R1、R2、R3は水素原子または炭化水素基である
が、炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、
アリール基が好ましく挙げられる。紫外線硬化樹脂とし
ては、アクリル系の紫外線硬化樹脂を用いるのが好適で
あり、トリアジンチオール系化合物を通常0.001〜
0.05重量%、好ましくは0.01〜0.03重量%
の割合で溶かし込み、スピンコートやスクリーン印刷等
の手法によりコートされる。
し、R1、R2、R3は水素原子または炭化水素基である
が、炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、
アリール基が好ましく挙げられる。紫外線硬化樹脂とし
ては、アクリル系の紫外線硬化樹脂を用いるのが好適で
あり、トリアジンチオール系化合物を通常0.001〜
0.05重量%、好ましくは0.01〜0.03重量%
の割合で溶かし込み、スピンコートやスクリーン印刷等
の手法によりコートされる。
【0025】保護層の厚みは任意に設定できるが、2〜
20μm程度とするのが好適である。
20μm程度とするのが好適である。
【0026】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。 実施例1 基板として厚さ1.2mmのガラス基板を用いた。基板
上に誘電体層として、酸化タンタル薄膜を反応性スパッ
タリング法により形成した。
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。 実施例1 基板として厚さ1.2mmのガラス基板を用いた。基板
上に誘電体層として、酸化タンタル薄膜を反応性スパッ
タリング法により形成した。
【0027】その後、その表面を高周波プラズマで5分
間エッチングし、表面を平滑化した。エッチング後の酸
化タンタル層の厚みが約35nmとなるように初期の膜
厚を設定した。次にこの酸化タンタル層の上にTb20F
e64Co16(原子%)アモルファス合金、約20nmを
直流マグネトロンスパッタリング法により形成し、光磁
気記録層とした。
間エッチングし、表面を平滑化した。エッチング後の酸
化タンタル層の厚みが約35nmとなるように初期の膜
厚を設定した。次にこの酸化タンタル層の上にTb20F
e64Co16(原子%)アモルファス合金、約20nmを
直流マグネトロンスパッタリング法により形成し、光磁
気記録層とした。
【0028】その上にAg約50nmを直流マグネトロ
ンスパッタリング法により形成し、反射層とした。反射
膜の上に、下記構造式[2]で示されるトリアジンチオ
ール系化合物を0.02重量%の割合で紫外線硬化剤S
D−318(大日本インキ化学社製)に溶解させたもの
をスピン塗布し、紫外線を照射して硬化させ保護層とし
た。
ンスパッタリング法により形成し、反射層とした。反射
膜の上に、下記構造式[2]で示されるトリアジンチオ
ール系化合物を0.02重量%の割合で紫外線硬化剤S
D−318(大日本インキ化学社製)に溶解させたもの
をスピン塗布し、紫外線を照射して硬化させ保護層とし
た。
【0029】
【化2】 以上のようにして作製された光磁気記録媒体について6
00nm以下の波長での光磁気記録再生特性を調べた。
記録特性、及び再生特性は磁気カーヒステリシス曲線と
反射率を測定することにより確認した。
00nm以下の波長での光磁気記録再生特性を調べた。
記録特性、及び再生特性は磁気カーヒステリシス曲線と
反射率を測定することにより確認した。
【0030】即ち、ヒステリシス曲線の角型比が1で、
保磁力が大きければ、良好な記録特性を示すことが分か
り、反射率の平方根と磁気カー回転角との積が使用する
波長で大きければ良好な再生特性を示すことが分かる。
反射率の測定は、ディスクの鏡面部分で基板を通して行
った。まず入射角2度として分光光度計でアルミニウム
膜に対する相対反射率を測定し、予め測定したアルミニ
ウム膜の絶対反射率を用いて校正した。
保磁力が大きければ、良好な記録特性を示すことが分か
り、反射率の平方根と磁気カー回転角との積が使用する
波長で大きければ良好な再生特性を示すことが分かる。
反射率の測定は、ディスクの鏡面部分で基板を通して行
った。まず入射角2度として分光光度計でアルミニウム
膜に対する相対反射率を測定し、予め測定したアルミニ
ウム膜の絶対反射率を用いて校正した。
【0031】実際のドライブでは、基板表面で反射した
光は信号に寄与しないので、ガラス基板の光学定数から
基板表面で反射する光を計算し、測定値から差し引いて
反射率とした。磁気カーヒステリシス曲線の測定は偏光
面変調法により、反射率の場合と同様、ディスクの鏡面
部分で基板を通して行った。
光は信号に寄与しないので、ガラス基板の光学定数から
基板表面で反射する光を計算し、測定値から差し引いて
反射率とした。磁気カーヒステリシス曲線の測定は偏光
面変調法により、反射率の場合と同様、ディスクの鏡面
部分で基板を通して行った。
【0032】磁気カー回転角の決定は、ヒステリシス曲
線とグラントムソンプリズム検光子を単位角度回転させ
た場合の出力変化とを比較して行った。ただし、この場
合も基板表面で反射した偏光面の回転のない光を含んで
いるため、見かけ上実際よりも小さな回転角が得られ
る。そこで、得られた回転角に基板表面での反射光を考
慮して補正を加えることにより、実際の磁気カー回転角
を決定した。測定の波長は450nmを一例として選ん
だ。
線とグラントムソンプリズム検光子を単位角度回転させ
た場合の出力変化とを比較して行った。ただし、この場
合も基板表面で反射した偏光面の回転のない光を含んで
いるため、見かけ上実際よりも小さな回転角が得られ
る。そこで、得られた回転角に基板表面での反射光を考
慮して補正を加えることにより、実際の磁気カー回転角
を決定した。測定の波長は450nmを一例として選ん
だ。
【0033】ヒステリシス曲線の形状より角型比が1で
保磁力は800kA/m程度であることが分かった。こ
れは現在商品化されている800nm程度の波長用の光
磁気ディスクと同等のレベルであるから、良好な記録特
性を示していると言える。また、450nmでの反射率
は10.3%、磁気カー回転角は1.33度であり、反
射率の平方根と磁気カー回転角の積で与えられる性能係
数としては4.3という値が得られた。
保磁力は800kA/m程度であることが分かった。こ
れは現在商品化されている800nm程度の波長用の光
磁気ディスクと同等のレベルであるから、良好な記録特
性を示していると言える。また、450nmでの反射率
は10.3%、磁気カー回転角は1.33度であり、反
射率の平方根と磁気カー回転角の積で与えられる性能係
数としては4.3という値が得られた。
【0034】ちなみに現在商品化されている光磁気ディ
スクの800nmでの性能は反射率:23.1%、磁気
カー回転角:1.00、性能係数:4.8程度であるか
ら、優れた再生特性を示していると言える。信頼性を調
べるために、上記媒体を85℃、85%RHの条件で高
温高湿劣化加速試験を500時間行い、腐食が発生して
いるかどうかを観察した。加速試験による腐食の発生は
見られず、反射率にも有意の差は見られなかったことか
ら、信頼性に優れると言える。
スクの800nmでの性能は反射率:23.1%、磁気
カー回転角:1.00、性能係数:4.8程度であるか
ら、優れた再生特性を示していると言える。信頼性を調
べるために、上記媒体を85℃、85%RHの条件で高
温高湿劣化加速試験を500時間行い、腐食が発生して
いるかどうかを観察した。加速試験による腐食の発生は
見られず、反射率にも有意の差は見られなかったことか
ら、信頼性に優れると言える。
【0035】実施例2 紫外線硬化剤に溶解するトリアジンチオール系化合物を
構造式[3]で示される化合物とした以外は実施例1と
同様の方法でディスクを作製した。
構造式[3]で示される化合物とした以外は実施例1と
同様の方法でディスクを作製した。
【0036】
【化3】 実施例1と同じ方法で、記録特性、再生特性、信頼性を
評価したが、評価結果に実施例1と有意の差は見られ
ず、良好な特性を示した。 比較例1 反射層をアルミニウム約50nmとした以外は実施例1
と同様の方法でディスクを作製した。実施例1と同様の
方法で記録特性と再生特性を評価した。
評価したが、評価結果に実施例1と有意の差は見られ
ず、良好な特性を示した。 比較例1 反射層をアルミニウム約50nmとした以外は実施例1
と同様の方法でディスクを作製した。実施例1と同様の
方法で記録特性と再生特性を評価した。
【0037】角型比は1で、保磁力は800kA/m程
度であり、良好な記録特性を示す。しかし、450nm
での反射率は16.1%、磁気カー回転角は0.84度
であり、性能係数としては3.4という低い値しか得ら
れず、良好な再生特性を示さなかった。 比較例2 反射層を金約50nmとした以外は実施例1と同様の方
法でディスクを作製した。実施例1と同様の方法で記録
特性と再生特性を評価した。
度であり、良好な記録特性を示す。しかし、450nm
での反射率は16.1%、磁気カー回転角は0.84度
であり、性能係数としては3.4という低い値しか得ら
れず、良好な再生特性を示さなかった。 比較例2 反射層を金約50nmとした以外は実施例1と同様の方
法でディスクを作製した。実施例1と同様の方法で記録
特性と再生特性を評価した。
【0038】角型比は1で、保磁力は800kA/m程
度であり、良好な記録特性を示す。しかし、450nm
での反射率は11.3%、磁気カー回転角は1.03度
であり、性能係数としては3.5という低い値しか得ら
れず、良好な再生特性を示さなかった。 比較例3 保護層形成に使用する紫外線硬化剤SD−318をその
まま用いたこと以外は実施例1と同様の方法でディスク
を作製した。実施例1と同様の方法で記録特性、再生特
性、信頼性を評価した。
度であり、良好な記録特性を示す。しかし、450nm
での反射率は11.3%、磁気カー回転角は1.03度
であり、性能係数としては3.5という低い値しか得ら
れず、良好な再生特性を示さなかった。 比較例3 保護層形成に使用する紫外線硬化剤SD−318をその
まま用いたこと以外は実施例1と同様の方法でディスク
を作製した。実施例1と同様の方法で記録特性、再生特
性、信頼性を評価した。
【0039】記録特性、再生特性の評価結果については
実施例1と有意の差は見られず、良好な特性を示した。
しかしながら、実施例1と同じにして劣化加速試験を行
ったところ反射層に腐食が発生しており、信頼性に問題
があることが分かった。
実施例1と有意の差は見られず、良好な特性を示した。
しかしながら、実施例1と同じにして劣化加速試験を行
ったところ反射層に腐食が発生しており、信頼性に問題
があることが分かった。
【0040】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、現
行よりも波長の短い600nm以下の波長の光を用いた
高記録密度の光磁気記録システムが提供される。
行よりも波長の短い600nm以下の波長の光を用いた
高記録密度の光磁気記録システムが提供される。
Claims (1)
- 【請求項1】 基板上に少なくとも、誘電体層、光磁気
記録層、Agを主成分とする反射層、トリアジンチオー
ル系化合物を含有する紫外線硬化樹脂からなる保護層を
順次有する光磁気記録媒体に、波長600nm以下のレ
ーザ光を用いて情報の記録再生を行うことを特徴とする
光情報記録再生方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3076893A JPH06243525A (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | 光情報記録再生方法 |
DE69326525T DE69326525T2 (de) | 1992-11-17 | 1993-11-15 | Magnetooptischer Aufzeichnungträger und Verfahren zur Aufzeichnung und Wiedergabe von optischer Information |
EP93118467A EP0598377B1 (en) | 1992-11-17 | 1993-11-15 | Magneto-optical recording medium and optical information recording and reading-out method |
KR1019930024476A KR940012268A (ko) | 1992-11-17 | 1993-11-17 | 광 자기 기록매체와 광 기록 및 재생 방법 |
US08/768,867 US5853872A (en) | 1992-11-17 | 1996-12-17 | Magneto-optical recording medium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3076893A JPH06243525A (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | 光情報記録再生方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06243525A true JPH06243525A (ja) | 1994-09-02 |
Family
ID=12312869
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3076893A Pending JPH06243525A (ja) | 1992-11-17 | 1993-02-19 | 光情報記録再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06243525A (ja) |
-
1993
- 1993-02-19 JP JP3076893A patent/JPH06243525A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5853872A (en) | Magneto-optical recording medium | |
EP0387420B1 (en) | Magneto-optical recording medium | |
JP2960824B2 (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPS60209942A (ja) | 熱磁気記録媒体 | |
US5476713A (en) | Magneto-optical recording medium | |
JPH076427A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
US5643650A (en) | Magneto-optical recording medium | |
JPH06243525A (ja) | 光情報記録再生方法 | |
JPH06243526A (ja) | 光情報記録再生方法 | |
JPH02504196A (ja) | 三元的光学素子及び方法 | |
AU649818B2 (en) | Optical information recording medium in which a protective layer comprises a Ni-Cr alloy layer | |
JPH06162587A (ja) | 光記録再生方法 | |
JP2558011B2 (ja) | 磁気光学記憶媒体 | |
EP0516178A2 (en) | Optical information recording medium in which a protective layer comprises a mixture layer containing ZnS and SiO2 | |
JP2000067466A (ja) | 光記録媒体およびその製造方法 | |
JP2921590B2 (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPH076426A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPH06243520A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPH06243521A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPH076428A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JP2940176B2 (ja) | 光学記録媒体およびその記録再生方法 | |
JP3495751B2 (ja) | 光情報記録媒体 | |
KR100205403B1 (ko) | 광자기 기록매체의 구조 | |
US5835105A (en) | Method of optically turning a magneto-optic medium having in order a substrate two dielectric layers, and a thick magneto-optic recording layer, and medium turner by that method | |
JPH0628714A (ja) | 光情報記録媒体及びその製造方法 |