JPH0624350U - 保安機構付放電型サージ吸収素子 - Google Patents

保安機構付放電型サージ吸収素子

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JPH0624350U
JPH0624350U JP5733692U JP5733692U JPH0624350U JP H0624350 U JPH0624350 U JP H0624350U JP 5733692 U JP5733692 U JP 5733692U JP 5733692 U JP5733692 U JP 5733692U JP H0624350 U JPH0624350 U JP H0624350U
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discharge
type surge
discharge type
resistor
safety mechanism
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良人 河西
吉朗 鈴木
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Okaya Electric Industry Co Ltd
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Okaya Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サージ印加終了後の続流発生を防止できると
共に、連続過電圧印加時の発煙・発火を回避できる保安
機構付放電型サージ吸収素子を実現する。 【構成】 第1の共通外部電極18、外囲部材26、第1の
外部電極28、第2の外部電極30によって放電ガスが充填
された第1の放電空間32と第2の放電空間34を形成し、
第1の放電空間32内に第1の電圧非直線抵抗体40の両端
に第1の放電電極42,42を接続して第1の放電間隙44を
形成したものを封入して第1の放電型サージ吸収素子64
を形成し、これに第1のバリスタ52と第1の正特性抵抗
体54を直接接続し、第2の放電空間34内に第2の電圧非
直線抵抗体46の両端に第2の放電電極48,48を接続して
第2の放電間隙50を形成したものを封入して第2の放電
型サージ吸収素子66を形成し、これに第2のバリスタ56
と第2の正特性抵抗体58を直接接続した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、放電間隙を放電ガスと共に気密外囲器内に封入した構造を少なく とも備え、該放電間隙における放電現象を利用してサージを吸収する放電型サー ジ吸収素子に係り、特に、サージ消滅後の続流を有効に防止できると共に、過電 圧が連続して印加された場合に、放電の持続に伴う発煙・発火等を有効に回避で きる保安機構付放電型サージ吸収素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子機器の電子回路に通じる電源線の線間、あるいは各線とアース間に 種々のサージ吸収素子を接続し、誘導雷等のサージから電子回路を保護すること が行われている。図6はその一例を示すものであり、一対の放電電極を所定の放 電間隙を隔てて相対向させ、これらを所定の放電ガスと共に気密外囲器内に封入 した構造の放電型サージ吸収素子a,aを、電源線L1−アース間、及び電源線 L2−アース間にそれぞれ接続してなる。しかして、上記電源線L1,L2に入力 側からサージが瞬間的に印加された場合には、上記放電型サージ吸収素子a,a の放電間隙にグロー放電を経てアーク放電が生成する。そして、このアーク放電 の大電流を通じてサージが吸収されるため、電子回路側には一定範囲の電圧が供 給される。
【0003】 また、図7は他の従来例を示すものであり、上記放電型サージ吸収素子a,a の代わりに、電圧非直線抵抗体の両端に一対の放電電極を所定の放電間隙を隔て て相対向するように接続し、これを所定の放電ガスと共に気密外囲器内に封入し た構造の放電型サージ吸収素子b,bを用いている。しかして、電源線L1,L2 に入力側からサージが瞬間的に印加されると、まず応答性に優れた電圧非直線抵 抗体が直ちに導通し、サージ吸収が開始される。そして、サージ電流量の増加に 伴い、電圧非直線抵抗体における電圧降下が上記放電電極間の放電開始電圧以上 となると、上記放電間隙にグロー放電を経てアーク放電が生成し、該アーク放電 の大電流を通じてサージが吸収される。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
このように、放電間隙を放電ガスと共に気密外囲器内に封入した構造を備えた 放電型サージ吸収素子を用いると、その放電間隙におけるアーク放電を通じてサ ージが吸収されるため、大きな電流耐量を実現できる利点がある。
【0005】 しかしながら、上記アーク放電によって、放電型サージ吸収素子の両端間の電 圧が電源電圧のピーク電圧値以下にまで急激に低下するため、サージが去った後 にも電源電圧によって持続放電が生じてしまう。このいわゆる続流現象は、回路 を駆動するために必要な電源電圧を吸収して、回路の正常な動作を妨げる原因と なる。したがって、バリスタや抵抗器等の電流制限機能を備えた素子を別途接続 して続流を防止する必要があり、これが回路構成の複雑化及び接続作業の煩雑化 の原因となっていた。
【0006】 また、電子機器をその定格電圧を上回る電源に誤接続した場合や、かかる事態 を想定した過電圧試験の実施等により、電源線L1,L2に上記放電型サージ吸収 素子の定格電圧以上の過電圧が連続して印加された場合には、放電間隙における アーク放電が持続状態となり、該アーク放電の高熱によって発煙・発火が生じる 危険性がある。したがって、かかる危険性を回避するため、電源線L1或いはL2 に過電流遮断手段としてのヒューズを接続する必要があり、これが回路構成の複 雑化及び接続作業の煩雑化を招いていた。また、連続した過電圧から放電型サー ジ吸収素子を保護するために、一旦ヒューズを溶断して電源線を開放すると、過 電圧の印加状態が解除された後も電源線は開放されたままであり、電子機器の使 用を再開するためには、新たなヒューズを接続し直す必要があり、その復旧作業 に手間がかかる点で問題であった。
【0007】 本考案は、上記した従来例の問題点に鑑みてなされたものであり、電流制限機 能を備えた素子を別個に接続することなく、続流の発生を有効に防止できると共 に、ヒューズなどの過電流遮断手段を用いることなく、放電型サージ吸収素子を 連続過電圧から有効に保護でき、したがってその復旧作業を不要とする保安機構 付放電型サージ吸収素子を実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案に係る保安機構付放電型サージ吸収素子は 、複数の放電電極を対向配置して該放電電極間に放電間隙を形成し、これらを放 電ガスと共に気密外囲器内に封入した構造を少なくとも備えてなる放電型サージ 吸収素子と、バリスタと、温度の上昇に伴ってその抵抗値が上昇する正特性抵抗 体とを、直列接続して一体化するよう構成した。上記放電型サージ吸収素子は、 電圧非直線抵抗体の両端に一対の放電電極を相対向するよう接続して該放電電極 間に放電間隙を形成し、これらを放電ガスと共に気密外囲器内に封入した構造を 備えたものであってもよい。
【0009】 上記正特性抵抗体は、電流の通電によって一定温度以上に発熱すると、その自 己の発熱によって抵抗値が急激に上昇する性質を有している。この正特性抵抗体 は、その抵抗値が上昇を開始する温度が、70゜C以上200゜C以下であるこ とが望ましく、また、その抵抗値が上昇を開始する前の初期抵抗値が、5Ω以下 であることが望ましい。
【0010】
【作用】
上記保安機構付放電型サージ吸収素子は、電子機器の電子回路に通じる電源線 の線間、或いは線−アース間に接続される。そして、該電源線にサージが瞬間的 に印加されると、上記放電間隙にグロー放電を経て主放電たるアーク放電が生成 してサージを吸収するため、電子回路側には一定範囲の電圧が供給される。この 際に、上記バリスタによって電圧降下が生じ、保安機構付放電型サージ吸収素子 の両端間の電圧が電源電圧のピーク値以下にまで低下することがない。したがっ て、サージ印加の終了後に続流が生じることを防止できる。
【0011】 また、電子機器を、その定格電圧を上回る電源に誤接続した場合、或いはこれ らの事態を想定した過電圧試験の実施等により、上記電源線に放電型サージ吸収 素子の定格電圧以上の過電圧が連続して印加された場合には、過電圧による過電 流の連続的な通電によって上記正特性抵抗体が発熱する。そして、該正特性抵抗 体が所定温度以上にまで発熱した時点で、その抵抗値が急激に上昇して電流を制 限するため、上記放電間隙におけるアーク放電が消失する。したがって、アーク 放電の持続に伴う高熱によって発煙・発火が生じることを防止できる。なお、過 電圧の印加状態が解除された場合には、上記正特性抵抗体の温度が次第に低下し 、その抵抗値も低下するために、元の状態に自動的に復帰する。
【0012】 なお、上記「放電型サージ吸収素子の定格電圧以上の過電圧が連続して印加さ れた場合」における「定格電圧」とは、上記放電型サージ吸収素子の動作電圧を 意味する。同じく、「連続して印加され」という表現は、「一定時間印加され」 という意味であり、「瞬間的に印加され」の対立概念である。したがって、連続 して印加される「過電圧」には、時間の経過とともに電圧値が変化する交流電圧 も当然に含まれるものである。以下においても同様である。
【0013】
【実施例】
以下に本考案を、図示の実施例に基づいて説明する。図1は本考案に係る保安 機構付放電型サージ吸収素子の一実施例を示す概略斜視図であり、図2はその内 部構成を示す概略断面図である。この第1の保安機構付放電型サージ吸収素子10 は、Fe,Ni,Fe・Ni等の導電材で形成され、第1のカップ部12と第2の カップ部14とを第1の連結部16を介して連結してなる第1の共通外部電極18と、 セラミック等の絶縁材で形成され、第1の円筒部20と第2の円筒部22とを第2の 連結部24を介して連結してなる外囲部材26とを有してなる。この第1の共通外部 電極18と外囲部材26とは、それぞれ第1のカップ部12と第1の円筒部20とが連通 すると共に、第2のカップ部14と第2の円筒部22とが連通するように位置決めさ れ、接着剤等によって気密に接続される。そして、第1の円筒部20の開口部を第 1の外部電極28で閉塞すると共に、第2の円筒部22の開口部を第2の外部電極30 で閉塞することにより、第1の放電空間32と第2の放電空間34が形成される。
【0014】 この第1の放電空間32及び第2の放電空間34の内部には、He,Ar,Ne, Xe等の希ガスや窒素ガス等の不活性ガスが充填される。また、第1の放電空間 32と第2の放電空間34とは、第1の連結部16と第2の連結部24との間に形成され た通気路36を介して連通される。さらに、第1の連結部16の外面には、第1の共 通外部端子38がハンダ等によって固着される。
【0015】 上記第1の放電空間32には、酸化亜鉛(ZnO)等によって形成された第1の 電圧非直線抵抗体40の両端に、一対の第1の放電電極42,42を接続し、この第1 の放電電極42,42間に第1の放電間隙44を形成したものが収納されており、第1 の放電電極42の一方は第1の外部電極28の内面に、また他方は第1のカップ部12 の内側底面にそれぞれ接続されている。上記第2の放電空間34にも、第2の電圧 非直線抵抗体46の両端に一対の第2の放電電極48,48を接続し、この第2の放電 電極48,48間に第2の放電間隙50を形成したものが収納されており、第2の放電 電極48,48の一方は第2の外部電極30の内面に、また他方は第2のカップ部14の 内側底面にそれぞれ接続されている。
【0016】 上記第1の外部電極28の外面には、酸化亜鉛(ZnO)や炭化ケイ素(SiC )によって形成された円盤状の第1のバリスタ52が、銀ペースト等を介して直接 接続されており、第1のバリスタ52の上面には、チタン酸バリウム(BaTiO 3 )に所定の希土類元素を混合した材料によって形成された円盤状の第1の正特 性抵抗体54が、銀ペースト等を介して直接接続されている。また、同様に、上記 第2の外部電極30の外面には第2のバリスタ56が直接接続されると共に、第2の バリスタ56の上面には第2の正特性抵抗体58が直接接続されている。さらに、上 記第1の正特性抵抗体54の上面には第1の外部端子60が、第2の正特性抵抗体58 の上面には第2の外部端子62が、それぞれハンダ等によって固着されている。
【0017】 以上の結果、第1の放電空間32内に形成された第1の放電型サージ吸収素子64 と、第2の放電空間34内に形成された第2の放電型サージ吸収素子66とを、共通 接続により一体化すると共に、この第1及び第2の放電型サージ吸収素子64,66 に、それぞれ第1及び第2のバリスタ52,56と第1及び第2の正特性抵抗体54, 58とを直接接続した第1の保安機構付放電型サージ吸収素子10が完成する。なお 、図示は省略したが、この第1の保安機構付放電型サージ吸収素子10に、樹脂モ ールド等の適当な絶縁外装を施すのが望ましい。
【0018】 図3に示すように、上記第1の外部端子60を電源線L1に接続すると共に、第 2の外部端子62を電源線L2に接続し、さらに第1の共通外部端子38を接地する ことにより、電源線L1−アース間に第1の放電型サージ吸収素子64が、また電 源線L2−アース間に第2の放電型サージ吸収素子66が挿入される。しかして、 電源線L1,L2にサージが瞬間的に印加されると、まず、第1及び第2の放電型 サージ吸収素子64,66内においては、応答性に優れた第1及び第2の電圧非直線 抵抗体40,46が導通してサージの吸収を開始する。そして、サージ電流量の増加 に従い、第1及び第2の電圧非直線抵抗体40,46における電圧降下が第1の放電 電極42,42間及び第2の放電電極48,48間の放電開始電圧以上となった時点で、 第1及び第2の放電間隙44,50にグロー放電を経て主放電たるアーク放電が生成 し、大きなサージが吸収される。この場合、第1及び第2のバリスタ52,56によ って電圧降下が生じるため、第1及び第2の放電型サージ吸収素子64,66の両端 間の電圧が電源電圧のピーク値以下にまで低下することがなく、したがって、サ ージ印加終了後の続流発生を防止できる。
【0019】 一方、電源誤接続や過電圧試験の実施等により、上記電源線L1,L2に過電圧 が連続して印加された場合には、過電圧による過電流の通電によって第1及び第 2の正特性抵抗体54,58が発熱し、その抵抗値が急激に上昇するため、第1及び 第2の放電間隙44,50におけるアーク放電が消失する。したがって、アーク放電 の持続による高熱に起因して発煙・発火が生じることを防止できる。
【0020】 なお、上記第1及び第2の正特性抵抗体54,58としては、その抵抗値が上昇を 開始する温度が70゜C以上200゜C以下であるものを用いる。これは、70 ゜C未満の温度で抵抗値が上昇を開始するよう設定されていると、環境温度の変 化によって第1及び第2の正特性抵抗体54,58が誤動作するおそれがあり、また 、200゜Cを超える温度となってもアーク放電が持続していると、その高熱に よって発煙・発火が生じる可能性があるからである。この第1及び第2の正特性 抵抗体54,58の抵抗値が上昇を開始する温度は、上記チタン酸バリウムに混合す る希土類元素の種類や割合を適宜調整することによって、所望の値に設定するこ とができる。
【0021】 また、上記第1及び第2の正特性抵抗体54,58の抵抗値が温度上昇に伴って上 昇を開始する前の初期抵抗値は、5Ω以下に設定するのが望ましく、0.2Ω以 下に抑えるのが理想的である。すなわち、第1及び第2の正特性抵抗体54,58の 初期抵抗値が高いと、サージの印加によって電流が流れた場合に、第1及び第2 の正特性抵抗体54,58における電圧降下が大きなものとなり、その分高い電圧が 被保護回路側に印加されることとなるからである。
【0022】 上記第1の保安機構付放電型サージ吸収素子10は、第1の放電型サージ吸収素 子64と第2の放電型サージ吸収素子66とを連結し、これらにそれぞれ第1及び第 2のバリスタ52,56と第1及び第2の正特性抵抗体54,58を直接接続して一体化 してなるため、全体としての小型化が実現でき、回路への組み込み作業も容易と なる。
【0023】 なお、上記のように、第1の放電空間32と第2の放電空間34が通気路36を介し て連通されているため、第1の放電間隙44と第2の放電間隙50は、同一空間内に 存在することとなる。したがって、いずれか一方の放電間隙で放電が発生すると 、その放電によるイオン及び電子のプライミング効果によって、他方の放電間隙 でもほとんど同時に放電が発生する。そのため、電源線L1,L2に略同位相同電 位のサージが印加される場合には、第1の放電型サージ吸収素子64及び第2の放 電型サージ吸収素子66が、ほとんど同時にアーク放電によるサージ吸収を開始す ることとなり、横サージが発生しない。この結果、略同位相同電位のサージのみ に対処する場合には、線間にサージ吸収素子を接続することを省略できる。
【0024】 図4は、本考案に係る保安機構付放電型サージ吸収素子の他の実施例を示す概 略断面図である。この第2の保安機構付放電型サージ吸収素子68は、円形に形成 された第2の共通外部電極70の左面に第1の円筒外囲部材72を接続すると共に、 右面に第2の円筒外囲部材74を接続し、第1の円筒外囲部材72の開口部を第3の 外部電極76で閉塞すると共に、第2の円筒外囲部材74の開口部を第4の外部電極 78で閉塞し、もって第3の放電空間80と第4の放電空間82とを形成してなる。第 2の共通外部電極70には、複数の貫通孔84,84が穿設されているため、第3の放 電空間80と第4の放電空間82とは連通されている。
【0025】 上記第3の放電空間80内には、一対の第3の放電電極86,86が対向配置されて おり、該第3の放電電極86,86間には第3の放電間隙88が形成されている。そし て、第3の放電電極86,86の一方は上記第3の外部電極76の内面に接続されると 共に、他方は第2の共通外部電極70の左面に接続されている。また、上記第4の 放電空間82内にも、一対の第4の放電電極89,89が対向配置されており、該第4 の放電電極89,89間には第4の放電間隙90が形成されている。そして、第4の放 電電極89,89の一方は上記第4の外部電極78の内面に接続されると共に、他方は 第2の共通外部電極70の右面に接続されている。さらに、第3の放電空間80及び 第4の放電空間82には、所定の放電ガスが充填されている。
【0026】 上記第3の外部電極76の外面には、円盤状の第3のバリスタ91が銀ペースト等 を介して直接接続されると共に、該第3のバリスタ91には第3の正特性抵抗体92 が銀ペースト等を介して直接接続されている。また、同様に、上記第4の外部電 極78の外面にも、円盤状の第4のバリスタ93が直接接続されると共に、第4のバ リスタ93には第4の正特性抵抗体94が直接接続されている。さらに、第3の正特 性抵抗体92には第3の外部端子95が、第4の正特性抵抗体94には第4の外部端子 96が、第2の共通外部電極70には第2の共通外部端子97がそれぞれハンダ等で固 着されている。
【0027】 以上の結果、第3の放電空間80内に形成された第3の放電型サージ吸収素子98 と、第4の放電空間82内に形成された第4の放電型サージ吸収素子99とを、共通 接続により一体化した第2の保安機構付放電型サージ吸収素子68が完成する。な お、図示は省略したが、この第2の保安機構付放電型サージ吸収素子68に、樹脂 モールド等の適当な絶縁外装を施すのが望ましい。
【0028】 図5に示すように、上記第3の外部端子95を電源線L1に接続すると共に、第 4の外部端子96を電源線L2に接続し、さらに第2の共通外部端子97を接地する ことにより、電源線L1−アース間に第3の放電型サージ吸収素子98が、また電 源線L2−アース間に第4の放電型サージ吸収素子99が挿入される。しかして、 電源線L1,L2にサージが瞬間的に印加されると、第3及び第4の放電間隙88, 90にグロー放電を経て主放電たるアーク放電が生成し、アーク放電の大電流を通 じてサージが吸収される。この場合、第3及び第4のバリスタ91,93によって電 圧降下が生じるため、第3及び第4の放電型サージ吸収素子98,99の両端間の電 圧が、電源電圧のピーク値以下にまで低下することがない。したがって、サージ 印加終了後の続流発生を防止できる。
【0029】 一方、電源誤接続や過電圧試験の実施等により、上記電源線L1,L2に過電圧 が連続して印加された場合には、過電圧による過電流の通電によって第3及び第 4の正特性抵抗体92,94が発熱し、その抵抗値が急激に上昇するため、第3及び 第4の放電間隙88,90におけるアーク放電が消失する。したがって、アーク放電 の持続による高熱に起因して発煙・発火が生じることを防止できる。
【0030】 なお、上記のように、第3の放電空間80と第4の放電空間82が貫通孔84,84を 介して連通されているため、第3の放電間隙88と第4の放電間隙90は、同一空間 内に存在することとなる。したがって、いずれか一方の放電間隙で放電が発生す ると、その放電によるイオン及び電子のプライミング効果によって、他方の放電 間隙でもほとんど同時に放電が発生する。そのため、電源線L1,L2に略同位相 同電位のサージが印加される場合には、第3の放電型サージ吸収素子98及び第4 の放電型サージ吸収素子99がほとんど同時にサージ吸収を開始することとなり、 横サージが発生しない。この結果、略同位相同電位のサージのみに対処する場合 には、線間にサージ吸収素子を接続することを省略できる。
【0031】 上記した各実施例においては、2つの放電型サージ吸収素子を一体化した例を 示したが、これに限られるものではなく、1つの放電型サージ吸収素子にバリス タと正特性抵抗体とを直接接続するよう構成してもよい。あるいは、3つ以上の 放電型サージ吸収素子を一体化すると共に、その中の一部或いは全部の放電型サ ージ吸収素子にバリスタと正特性抵抗体とを直接接続するよう構成してもよい。 また、放電型サージ吸収素子とバリスタ及び正特性抵抗体とは、必ずしも直接接 続する必要はなく、適当な接続手段を介して、これらを直列接続した状態で一体 化してもよい。さらに、放電型サージ吸収素子、バリスタ、正特性抵抗体の順番 で接続する必要もなく、例えば、放電型サージ吸収素子の一端にバリスタを接続 すると共に、他端に正特性抵抗体を接続するよう構成してもよい。
【0032】
【考案の効果】
本考案に係る保安機構付放電型サージ吸収素子は、放電型サージ吸収素子にバ リスタと正特性抵抗体とを直列接続してなるため、サージ印加終了後の続流を有 効に防止できると共に、連続過電圧の印加時には放電間隙に生成したアーク放電 を消失させて発煙・発火を有効に回避できる。しかも、連続過電圧の印加状態が 解除された場合には、自動的に正常状態に復帰するため、復旧作業が不要となる 。さらに、放電型サージ吸収素子、バリスタ及び正特性抵抗体が一体化されてい るため、全体の小型化及び回路への組み込み作業の容易化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係る第1の保安機構付放電
型サージ吸収素子を示す概略斜視図である。
【図2】第1の保安機構付放電型サージ吸収素子を示す
概略断面図である。
【図3】第1の保安機構付放電型サージ吸収素子の使用
例を示す回路図である。
【図4】本考案の他の実施例に係る第2の保安機構付放
電型サージ吸収素子を示す概略断面図である。
【図5】第2の保安機構付放電型サージ吸収素子の使用
例を示す回路図である。
【図6】従来例を示す回路図である。
【図7】他の従来例を示す回路図である。
【符号の説明】
10 第1の保安機構付放電型サージ吸収素子 18 第1の共通外部電極 26 外囲部材 40 第1の電圧非直線抵抗体 42 第1の放電電極 44 第1の放電間隙 46 第2の電圧非直線抵抗体 48 第2の放電電極 50 第2の放電間隙 52 第1のバリスタ 54 第1の正特性抵抗体 56 第2のバリスタ 58 第2の正特性抵抗体 64 第1の放電型サージ吸収素子 66 第2の放電型サージ吸収素子 68 第2の保安機構付放電型サージ吸収素子 72 第1の円筒外囲部材 74 第2の円筒外囲部材 86 第3の放電電極 88 第3の放電間隙 89 第4の放電電極 90 第4の放電間隙 91 第3のバリスタ 92 第3の正特性抵抗体 93 第4のバリスタ 94 第4の正特性抵抗体 98 第3の放電型サージ吸収素子 99 第4の放電型サージ吸収素子

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の放電電極を対向配置して該放電電
    極間に放電間隙を形成し、これらを放電ガスと共に気密
    外囲器内に封入した構造を少なくとも備えてなる放電型
    サージ吸収素子と、バリスタと、温度の上昇に伴ってそ
    の抵抗値が上昇する正特性抵抗体とを直列接続して一体
    化したことを特徴とする保安機構付放電型サージ吸収素
    子。
  2. 【請求項2】 上記放電型サージ吸収素子は、電圧非直
    線抵抗体の両端に一対の放電電極を相対向するよう接続
    して該放電電極間に放電間隙を形成し、これらを放電ガ
    スと共に気密外囲器内に封入した構造を備えてなること
    を特徴とする、請求項1に記載の保安機構付放電型サー
    ジ吸収素子。
  3. 【請求項3】 上記正特性抵抗体は、その抵抗値が上昇
    を開始する温度が70゜C以上200゜C以下であるこ
    とを特徴とする、請求項1または2に記載の保安機構付
    放電型サージ吸収素子。
  4. 【請求項4】 上記正特性抵抗体は、その抵抗値が上昇
    を開始する前の初期抵抗値が5Ω以下であることを特徴
    とする、請求項1乃至3の何れかに記載の保安機構付放
    電型サージ吸収素子。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5578480A (en) * 1978-12-06 1980-06-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd Arrester
JPS6352283B2 (ja) * 1984-03-29 1988-10-18 Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Kk
JP3124584B2 (ja) * 1991-09-19 2001-01-15 株式会社トーエネック 接続確認装置を備えた工事用低圧開閉器

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