JPH0624226A - 車両懸架装置 - Google Patents

車両懸架装置

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JPH0624226A
JPH0624226A JP33674291A JP33674291A JPH0624226A JP H0624226 A JPH0624226 A JP H0624226A JP 33674291 A JP33674291 A JP 33674291A JP 33674291 A JP33674291 A JP 33674291A JP H0624226 A JPH0624226 A JP H0624226A
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JP
Japan
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coefficient
bounce
component
roll
damping
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Application number
JP33674291A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Sasaki
光雄 佐々木
Shinobu Kakizaki
忍 柿崎
Fumiyuki Yamaoka
史之 山岡
Satoru Takahashi
哲 高橋
Makoto Kimura
誠 木村
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車体の挙動に違和感がなく、減衰力不足が生
じることもなく、バウンス,ピッチングに対応した適切
な制御を行うことができるという効果を、あらゆる車速
域において得られるようにすること。 【構成】 減衰係数変更手段aにより減衰係数を変更可
能なショックアブソーバbと、バウンス成分検出手段c
と、ピッチ成分検出手段dと、ロール成分検出手段e
と、車速検出手段fと、バウンス成分にバウンス係数を
乗じ、ピッチ成分にピッチ係数を乗じ、ロール成分にロ
ール係数を乗じて求めた制御信号に基づき、各ショック
アブソーバbの減衰係数を制御する減衰係数制御手段g
と、この減衰係数制御手段gに設けられ、前記バウンス
係数を所定の車速まで所定の低係数とし、所定の車速を
越えてから前記所定の低係数よりも高めるバウンス係数
補正部hとを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ショックアブソーバの
減衰係数を最適制御する車両の懸架装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ショックアブソーバの減衰係数制
御を行う車両懸架装置としては、例えば、特開昭61−
163011号公報に記載されたものが知られている。
【0003】この従来の車両懸架装置は、ばね上上下速
度およびばね上−ばね下間の相対速度を検出し、両者が
同符号のときには、減衰係数をハードとし、両者が異符
号のときには減衰係数をソフトにするといった、スカイ
フック理論に基づいた減衰係数制御を4輪独立に行うも
のであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来装置
は、スカイフック理論に基づいて各輪のばね上の加振エ
ネルギを最小にする制御を行っているが、実際には、四
輪間でばね上が剛体となっているため、ばね上上下速度
がそれぞれ関連し合った動きをする。そのため、四輪を
独立で制御すると、四輪間の関連しあった動きのバラン
スがくずれて車体の挙動に違和感が生じるという問題
や、バウンス方向の運動適したハードの特性とした場
合、バウンスとピッチングとが連成した車体運動に対し
ては、ばね上マスに対し車体中央の重心まわりの車体慣
性モーメントが加わるため、減衰力(制御力)が不足し
て操縦安定性に劣るという問題があった。
【0005】そこで、この問題を解決するために、本願
出願人は、特願平3−287877号による車両懸架装
置(以下、先行技術という)を出願した。この先行技術
は、ショックアブソーバの減衰係数を、バウンス成分に
バウンス係数を乗じ、ピッチ成分にピッチ係数を乗じ、
ロール成分にロール係数を乗じて求めた制御信号に基づ
き制御するようにしたものであった。
【0006】しかしながら、この先行技術にあっても、
以下のような解決すべき課題を残していた。すなわち、
一般にばね上の挙動は、四輪が関連し合いバウンス,ピ
ッチング,ロールの動きが構成されたものとなってい
る。ところが、出願人は研究の結果、この3成分の割合
が車速と共に変化することを発見した。つまり、低速域
では、前後間の入力周期が長いためピッチングのモード
の占有率が高く、一方、高速になるにしたがって、入力
周期が短くなるためバウンス成分の占有率が高くなるの
である。それに対し、上記先行技術は、各係数を車速に
関連させていなかったため、低速で制御力が過剰となっ
て乗り心地が悪化したり、高速で十分な制御力が得られ
ないというように、あらゆる車速域において最大限の制
振効果を得たり違和感なくばね上を制振することが十分
に成されなかった。
【0007】本発明は、上述の問題点に着目してなされ
たもので、車体の挙動に違和感がなく、減衰力不足が生
じることもなく、バウンス,ピッチングに対応した適切
な制御を行うことができるという効果を、あらゆる車速
域において得られるようにした車両懸架装置を提供する
ことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、バ
ウンス係数を、所定の車速になるまで所定の低係数とし
て上記目的を達成するようにした。
【0009】すなわち本発明の車両懸架装置は、図1の
クレーム対応図に示すように、車体側と各車輪側の間に
介在され、減衰係数変更手段aにより減衰係数を変更可
能なショックアブソーバbと、車体のバウンス成分を検
出するバウンス成分検出手段cと、車体のピッチ成分を
検出するピッチ成分検出手段dと、車体のロール成分を
検出するロール成分検出手段eと、車速を検出する車速
検出手段fと、前記バウンス成分にバウンス係数を乗
じ、ピッチ成分にピッチ係数を乗じ、ロール成分にロー
ル係数を乗じて求めた制御信号に基づいて、各ショック
アブソーバの減衰係数を制御する減衰係数制御手段g
と、この減衰係数制御手段gに設けられ、前記バウンス
係数を所定の車速まで所定の低係数とし、所定の車速を
越えてから前記所定の低係数よりも高めるバウンス係数
補正部hとを備えていることを特徴とする。
【0010】なお、前記所定の低係数の値は0としても
よい。
【0011】また、前記減衰係数制御手段に、前記バウ
ンス係数補正部に加え、制御信号のゲインを車速に応じ
て変化させるゲイン補正部を設けてもよい。
【0012】
【作用】各バウンス成分検出手段,ピッチ成分検出手
段,ロール成分検出手段により、ばね上の上下移動(バ
ウンシング),ピッチング,ロールを検出したら、減衰
係数制御手段では、バウンス成分にバウンス係数を乗
じ、ピッチ成分にピッチ係数を乗じ、ロール成分にロー
ル係数を乗じて制御信号を求め、この制御信号に応じて
ショックアブソーバの減衰係数を制御する。
【0013】そして、バウンス成分の占有率が低くピッ
チング成分の占有率が高い所定の車速まで達しない低車
速時には、減衰係数制御手段のバウンス係数補正部が、
バウンス係数を0等の所定の低係数とする。したがっ
て、制御信号においてもバウンス成分の占有率が低くな
り、ピッチングおよびロールに対応した制御を行う。
【0014】一方、所定の車速を越えて、バウンス成分
の占有率が高くなりピッチング成分の占有率が低くなる
高車速時は、バウンス係数補正部がバウンス係数を高め
る。したがって、制御信号においてもバウンス成分の占
有率が高くなり、バウンスに対応した制御を行う。
【0015】以上のように、車速に応じて変化する路面
入力特性に対応して、四輪間で最適の減衰係数バランス
が得られ、あらゆる車速域において、最大限の制振効果
を得られると同時に、違和感なくばね上を制振すること
ができる。
【0016】また、請求項3記載の装置では、ゲイン補
正部が、制御信号のゲインを車速に応じて変化させる。
したがって、車速関連制御の精度をさらに向上させて、
制御力の向上や違和感の除去を図ることができるし、チ
ューニング自由度もさらに高まる。
【0017】
【実施例】本発明実施例を図面に基づいて説明する。 (第1実施例)まず、構成について説明する。
【0018】図2は、請求項1,2,3に記載の発明を
全て適用した実施例である第1実施例の車両懸架装置を
示す構成説明図であり、車体と4つの車輪との間に介在
されて、4つのショックアブソーバSA1 ,SA2 ,S
3 ,SA4 (なお、ショックアブソーバを説明するに
あたり、これら4つをまとめて指す場合、およびこれら
の共通の構成を説明するときにはただ単にSAと表示す
る。)が設けられている。そして、各ショックアブソー
バSAの近傍位置の車体には、上下方向の加速度を検出
する上下加速度センサ(以後、上下Gセンサという)1
が設けられ、図外パワートレーンに車速センサ5が設け
られている。また、運転席の近傍位置には、各センサ
1,5からの信号を入力して、ショックアブソーバSA
のパルスモータ3に駆動制御信号を出力するコントロー
ルユニット4が設けられている。
【0019】図3は、上記構成を示すシステムブロック
図であって、コントロールユニット4は、インタフェー
ス回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備え、前記イ
ンタフェース回路4aには、上述の各センサ1からの信
号が入力される。なお、前記インタフェース回路4a内
には、図14に示す5つで1組のフィルタ回路が各上下
Gセンサ1毎に設けられている。すなわち、LPF1
は、上下Gセンサ1から送られる信号の中から高周波域
(30Hz以上)のノイズを除去するためのローパスフィル
タ回路である。LPF2は、ローパスフィルタ回路LP
F1を通過した加速度を示す信号を積分してばね上上下
速度に変換するためのローパスフィルタ回路である。B
PF1は、ばね上共振周波数を含む周波数域を通過させ
てバウンス成分信号v(v1 ,v2 ,v3 ,v4
お、1,2,3,4 の数字は各ショックアブソーバSAの位置
に対応している。以下も同様である。)を形成するバン
ドパスフィルタ回路である。BPF2は、ピッチ共振周
波数を含む周波数域を通過させてピッチ成分信号v’
(v1 ’,v2 ’,v3 ’,v4 ’)を形成するバンド
パスフィルタ回路である。BPF3は、ロール共振周波
数を含む周波数域を通過させてロール成分信号v”(v
1 ”,v2 ”,v3 ”,v4 ”)を形成するバンドパス
フィルタ回路である。ちなみに、本実施例では、ばね上
共振,ピッチ共振,ロール共振各周波数が、異なる場合
を例にとっているが、これらの共振周波数が近似してい
る場合には、バンドパスフィルタはBPF1のみでよ
い。
【0020】次に、図4は、ショックアブソーバSAの
構成を示す断面図であって、このショックアブソーバS
Aは、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部
室Bとに画成したピストン31と、シリンダ30の外周
にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室Bとリ
ザーバ室32とを画成したベース34と、ピストン32
に連結されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイ
ド部材35と、外筒33と車体との間に介在されたサス
ペンションスプリング36と、バンパラバー37とを備
えている。
【0021】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する伸側減
衰バルブ12および圧側減衰バルブ20とが設けられて
いる。また、ピストンロッド7の先端に固定されて、ピ
ストン31を貫通しているスタッド38には、上部室A
と下部室Bとを連通する連通孔39が形成され、さら
に、この連通孔39の流路断面積を変更するための調整
子40と、流体の流通の方向に応じて流体の連通孔39
の流通を許容・遮断する伸側チェックバルブ17および
圧側チェックバルブ22とが設けられている。なお、こ
の調整子40は、前記パルスモータ3により回転される
ようになっている(図4参照)。また、スタッド38に
は、上から順に第1ポート21,第2ポート13,第3
ポート18,第4ポート14,第5ポート16が形成さ
れている。
【0022】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れると共に、内外を連通する第1横孔24および第2横
孔25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成さ
れている。
【0023】したがって、前記上部室Aと下部室Bとの
間には、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔
31bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部
室Bに至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝2
3,第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外
周側を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2
ポート13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側
チェックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3
流路Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19
を経由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路
がある。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、
貫通孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側
第1流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート
21を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室
Aに至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔2
5,第3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス
流路Gとの3つの流路がある。
【0024】すなわち、ショックアブソーバSAは、調
整子40を回動させることにより、伸側・圧側のいずれ
とも図6に示すような特性で減衰係数を多段階に変更可
能に構成されている。つまり、図7に示すように、伸側
・圧側いずれもソフトとした状態(以後、ソフト領域S
Sという)から調整子40を反時計方向に回動させる
と、伸側のみ減衰係数を多段階に変更可能で圧側が低減
衰係数に固定の領域(以後、伸側ハード領域HSとい
う)となり、逆に、調整子40を時計方向に回動させる
と、圧側のみ減衰係数を多段階に変更可能で伸側が低減
衰係数に固定の領域(以後、圧側ハード領域SHとい
う)となる構造となっている。
【0025】ちなみに、図7において、調整子40を
,,のポジションに配置した時の、図5における
K−K断面,M−M断面,N−N断面を、それぞれ、図
8,図9,図10に示し、また、各ポジションの減衰力
特性を図11,12,13に示している。
【0026】次に、パルスモータ3の駆動を制御するコ
ントロールユニット4の作動について、図15のフロー
チャートに基づき説明する。なお、この制御は、各ショ
ックアブソーバSA毎に別個に行う。
【0027】ステップ101は、各上下Gセンサ1,
1,1,1および車速センサ5から上下加速度ggおよ
び車速VVを読み込むステップである。
【0028】ステップ102は、図16,17,18に
示すマップに基づいて、車速VVに応じて、バウンス係
数α,ピッチ係数β,ロール係数γを設定するステップ
である。なお、各係数α,β,γに右下についている
f,r は、それぞれ前輪用のものと後輪用のものを示して
いる。図16に示しているように、バウンス係数αは、
所定の速度までの低速域では前後とも0であると共に、
所定の速度以上の速度域で車速に比例して高まるように
なっていて、かつ、αf >αr となるように設定されて
いる。このように、コントロールユニット4において車
速に応じてバウンス係数αの設定を行う部分が請求の範
囲のバウンス係数補正部に相当する。また、ピッチ係数
βは、図17に示すように、所定の速度までの低速域で
は0であると共に、所定の速度以上ではβf <βr とな
るように設定されている。また、ロール係数γは、図1
8に示すように、所定の速度までの低速域で0であると
共に、所定の速度以上の速度域では僅かにγf <γr
なるように設定されている。
【0029】ステップ103は、各上下Gセンサ1,
1,1,1から得られる上下加速度ggを各フィルタ回
路LPF1,LPF2,BPF1,BPF2,BPF3
で処理してバウンス成分信号v,ピッチ成分信号v’,
ロール成分信号v”を求める処理を行うステップであ
る。
【0030】ステップ104は、下記の数式1を用い、
各成分信号v,v’,v”にバウンス係数α,ピッチ係
数β,ロール係数γを乗じる演算を行って各輪の位置の
制御信号V(V1 ,V2 ,V3 ,V4 )を演算するステ
ップである。
【0031】
【数1】 1 ,v1 ’,v1 ”:前輪左のばね上上下方向速度信
号 v2 ,v2 ’,v2 ”:前輪右のばね上上下方向速度信
号 v3 ,v3 ’,v3 ”:後輪左のばね上上下方向速度信
号 v4 ,v4 ’,v4 ”:後輪右のばね上上下方向速度信
号である。 また、各式において、最初のαf ,αr でくくっている
部分がバウンスの程度を示すバウンスレートであり、β
f ,βr でくくっている部分がピッチの程度を示すピッ
チレートであり、γf ,γr でくくっている部分がロー
ルの程度を示すロールレートである。このように、上下
Gセンサ1からの信号を基にコントロールユニット4に
おいてバウンス成分v,ピッチ成分v’,ロール成分
v”を求めるようにしているから、上下Gセンサ1およ
びコントロールユニット4においてこれらを求める部分
が、請求の範囲のバウンス成分検出手段,ピッチ成分検
出手段,ロール成分検出手段を構成している。
【0032】ステップ105は、図19に示すマップに
基づいて、制御信号Vにおける比例範囲θT (伸側),
θC (圧側)を設定するステップである。なお、この比
例範囲θT ,θC は、伸側の比例範囲θT は、前輪側よ
りも後輪側の方が高めに設定され、一方、圧側の比例範
囲θC は、前輪側の方が高速になるにつれ早く低下する
が、高速域では、前輪側の方が高く設定されている。
【0033】ステップ106は、制御信号Vに基づいて
減衰係数(実際にはパルスモータ3の駆動ステップ数)
を設定するステップである。この場合、減衰係数を決定
するパルスモータ3のステップ数は、下記の数式2に示
す演算式により設定する。
【0034】
【数2】 なお、MaxSTEPは減衰係数が最大となるステップ(伸行
程の場合、図7のの位置である)を示している。ま
た、比例範囲θT ,θC は、図20に示しているよう
に、パルスモータ3がソフト特性SSの領域から最大減
衰係数となるまでの間のステップを、制御信号Vが0か
ら±のいずれの値まで比例させるかを決定するための範
囲であって、この比例範囲θT ,θC を広げると、パル
スモータ3のソフト特性(ステップ0)SSから最大減
衰係数となるまでのステップ変化率が小さくなって最大
減衰係数になり難くなり、制御信号Vのゲインが小さく
なることになる。一方、比例範囲θT ,θC を縮める
と、パルスモータ3のソフト特性(ステップ0)SSか
ら最大減衰係数となるまでの変化率が大きくなって最大
減衰係数になり易くなり、制御信号Vのゲインが大きく
なる。
【0035】次に、実施例装置の作動を図21のタイム
チャートにより説明する。
【0036】ばね上上下速度が、この図の制御信号Vに
示すように変化した場合、この制御信号Vに対応して、
伸側ハード特性HS,圧側ハード特性SHに特性を交互
に変化させながら減衰係数を制御するものである。
【0037】以上説明した第1実施例にあっては、以下
に列挙する効果が得られる。
【0038】 バウンスのみでなくロール,ピッチに
対しても十分な大きさであって、しかも、違和感が生じ
ない制御力を発生することができ、乗り心地と操縦安定
性に優れた車両用懸架装置を提供することができる。
【0039】 上記のようにバウンス,ピッチ,ロ
ール成分を検出するにあたり、車体の挙動を検出する手
段としては上下Gセンサ1のみしか用いないため、部品
点数を少なくして低コスト化を図れると共に、組付の手
間,組付スペース,重量を少なくできるという効果が得
られる。
【0040】 バウンス成分,ピッチ成分,ロール成
分から成る制御信号Vを求めるにあたり、それぞれ異な
る係数α,β,γを用い、かつ、各係数α,β,γを車
速VVに応じて変更しているために、ばね上共振周波
数,ピッチ共振周波数,ロール共振周波数がそれぞれ異
なっていても、ばね上上下速度に基づいて、各レートを
的確に検出することができる。特に、ピッチング成分の
占有率の高い低速域でバウンス係数αを0とし、バウン
ス成分の占有率の高い高速域でバウンス係数αを車速に
比例して高めるようにしているため、低速で必要以上に
制御力が発生することがなく、乗り心地を向上させるこ
とができるし、高速では十分な制御力が得られる。ま
た、路面入力特性が車速により変化するのに対応して、
あらゆる車速で最大の制振力を得ることができるし、車
両のチューニング自由度が向上して車速に対応した車両
の乗り味の変化を大きくできる。
【0041】 制御信号Vの比例範囲θを車速VVに
対応させて低速ほど広くすることにより、制御信号Vの
ゲインを低速ほど小さく高速ほど大きくしているため
に、に記載したような、最大の制振力を得ることがで
きる効果やチューニング自由度が向上する効果が、さら
に強まる。
【0042】 バウンス係数αおよびロール係数γを
前輪側αf ,γf よりも後輪側αr ,γr の方を小さく
設定しているため、アンダステア特性が得られ、高い操
縦安定性が得られる。
【0043】次に、他の実施例について説明するが、こ
れら実施例を説明するにあたり、第1実施例との相違点
のみを説明することにする。また、説明中の符号で第1
実施例と同じ符号は、同じ対象を示すものである。
【0044】(第2実施例)第2実施例は、コントロー
ルユニット4の一部が第1実施例と異なっていて、すな
わち、この第2実施例では、制御信号Vを求めるにあた
り、下記の数式3に示す演算式を用いる。
【0045】
【数3】 この第2実施例では、バウンス成分vを求める部分が異
なっていて、バウンス成分vは各ショックアブソーバS
Aの位置の成分のみを入力する。したがって、この第2
実施例は、第1実施例と比較して、各輪のバウンス成分
を強調した制御となって、ロールおよびピッチに対する
制振性は抑えた特性となる。
【0046】以上、実施例について説明してきたが具体
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明
に含まれる。
【0047】例えば、実施例において、ピッチレート
は、前後のばね上上下速度の差により求め、また、ロー
ルレートは、左右のばね上上下速度の差により求めるよ
うにしたが、ジャイロセンサのようにピッチ角度変化を
検出するセンサやロール角度変化を検出するセンサを用
いてもよい。
【0048】また、実施例では、ショックアブソーバと
して、伸側ハード特性HS,ソフト特性SS,圧側ハー
ド特性SHを有した特性のショックアブソーバを示した
が、図22に示すように伸側と圧側を同様に変化させる
周知構造のもの(例えば、実開昭63−112914号
公報に記載しているもの)を用いてもよい。
【0049】また、実施例では、バウンス係数を、所定
の低車速までは0とし、所定の低車速を越えたら車速に
比例して上昇させるようにしたが、所定の低車速の間、
0に近い低係数としてもよいし、所定の低車速を越えた
ら、所定の高係数に固定させたり、段階的に変化させる
ようにしたりしてもよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の車両懸
架装置は、バウンス成分にバウンス係数を乗じ、ピッチ
成分にピッチ係数を乗じ、ロール成分にロール係数を乗
じて求めた制御信号に基づいて、各ショックアブソーバ
の減衰係数を制御する減衰係数制御手段に、さらに、バ
ウンス係数を所定の車速まで所定の低係数とし、所定の
車速を越えてから前記所定の低係数よりも高めるバウン
ス係数補正部を設けた構成としたため、バウンス成分の
占有率の低い低車速では制御力が過剰となって乗り心地
が悪化しないようにできると共に、バウンス成分の占有
率が高い高車速では適切な制御力が得られるようにでき
るもので、すなわち、バウンス,ピッチ,ロールに対し
て四輪間で動きのバランスがとれた違和感のない最適・
最大限の制御力が、あらゆる車速域において得られ、こ
れによって、乗り心地と操縦安定性を向上させることが
できるという効果が得られる。
【0051】請求項3記載の装置では、さらに、車両の
チューニング自由度が向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両懸架装置を示すクレーム概念図で
ある。
【図2】本発明第1実施例の車両懸架装置を示す構成説
明図である。
【図3】第1実施例の車両懸架装置を示すシステムブロ
ック図である。
【図4】第1実施例装置に適用したショックアブソーバ
を示す断面図である。
【図5】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
【図6】前記ショックアブソーバのピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
【図7】前記ショックアブソーバのパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰係数特性図である。
【図8】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のK
−K断面図である。
【図9】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のM
−M断面図である。
【図10】前記ショックアブソーバの要部を示す図5の
N−N断面図である。
【図11】前記ショックアブソーバの伸側ハード時の減
衰力特性図である。
【図12】前記ショックアブソーバの伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
【図13】前記ショックアブソーバの圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
【図14】第1実施例のコントロールユニットの要部を
示すブロック図である。
【図15】第1実施例装置のコントロールユニットの制
御作動を示すフローチャートである。
【図16】コントロールユニット内に記憶されているバ
ンス係数αf ,αr 特性マップを示す図である。
【図17】コントロールユニット内に記憶されているピ
ッチ係数βf ,βr 特性マップを示す図である。
【図18】コントロールユニット内に記憶されているロ
ール係数γf ,γr 特性マップを示す図である。
【図19】コントロールユニット内に記憶されている比
例範囲θT ,θC 特性マップを示す図である。
【図20】比例範囲θT ,θC と減衰係数(ステップ)
制御の関係を説明する説明図である。
【図21】第1実施例装置の作動を示すタイムチャート
である。
【図22】他の実施例装置のショックアブソーバの減衰
係数特性図である。
【符号の説明】
a 減衰係数変更手段 b ショックアブソーバ c バウンス成分検出手段 d ピッチ成分検出手段 e ロール成分検出手段 f 車速検出手段 g 減衰係数制御手段 h バウンス係数補正部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する伸側減
衰バルブ12および圧側減衰バルブ20が設けられてい
る。また、ピストン31を貫通しているピストンロッド
7の先端部には、上部室Aと下部室Bとを連通する連通
孔39が形成され、さらに、この連通孔39の流路断面
積を変更するための調整子40と、流体の流通の方向に
応じて流体の連通孔39の流通を許容・遮断する伸側チ
ェックバルブ17および圧側チェックバルブ22が設け
られている。なお、この調整子40は、前記パルスモー
タ3により回転されるようになっている(図4参照)。
また、ピストンロッド7の先端部には、上から順に第1
ポート21,第2ポート13,第3ポート18,第4ポ
ート14,第5ポート16が形成されている。また、図
中38は圧側チェックバルブ22が着座するリテーナで
ある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】
【数1】 1 ,v1 ’,v1 ”:前輪右のばね上上下方向速度信
号 v2 ,v2 ’,v2 ”:前輪左のばね上上下方向速度信
号 v3 ,v3 ’,v3 ”:後輪右のばね上上下方向速度信
号 v4 ,v4 ’,v4 ”:後輪左のばね上上下方向速度信
号である。 また、各式において、最初のαf ,αr でくくっている
部分がバウンスの程度を示すバウンスレートであり、β
f ,βr でくくっている部分がピッチの程度を示すピッ
チレートであり、γf ,γr でくくっている部分がロー
ルの程度を示すロールレートである。このように、上下
Gセンサ1からの信号を基にコントロールユニット4に
おいてバウンス成分v,ピッチ成分v’,ロール成分
v”を求めるようにしているから、上下Gセンサ1およ
びコントロールユニット4においてこれらを求める部分
が、請求の範囲のバウンス成分検出手段,ピッチ成分検
出手段,ロール成分検出手段を構成している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
フロントページの続き (72)発明者 高橋 哲 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ア ツギユニシア内 (72)発明者 木村 誠 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ア ツギユニシア内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側と各車輪側の間に介在され、減衰
    係数変更手段により減衰係数を変更可能なショックアブ
    ソーバと、 車体のバウンス成分を検出するバウンス成分検出手段
    と、 車体のピッチ成分を検出するピッチ成分検出手段と、 車体のロール成分を検出するロール成分検出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 前記バウンス成分にバウンス係数を乗じ、ピッチ成分に
    ピッチ係数を乗じ、ロール成分にロール係数を乗じて求
    めた制御信号に基づいて、各ショックアブソーバの減衰
    係数を制御する減衰係数制御手段と、 この減衰係数制御手段に設けられ、前記バウンス係数を
    所定の車速まで所定の低係数とし、所定の車速を越えて
    から前記所定の低係数よりも高めるバウンス係数補正部
    と、を備えていることを特徴とする車両懸架装置。
  2. 【請求項2】 前記所定の低係数の値が0であることを
    特徴とする請求項1に記載の車両懸架装置。
  3. 【請求項3】 前記減衰係数制御手段に、前記バウンス
    係数補正部に加え、制御信号のゲインを車速に応じて変
    化させるゲイン補正部を設けたことを特徴とする請求項
    1または2に記載の車両懸架装置。
JP33674291A 1991-12-19 1991-12-19 車両懸架装置 Pending JPH0624226A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2419213A (en) * 2004-10-15 2006-04-19 Ford Global Tech Llc Determining the impact of vehicle loading on the roll dynamics of a vehicle
US11378791B2 (en) 2016-11-08 2022-07-05 Lumus Ltd. Light-guide device with optical cutoff edge and corresponding production methods

Cited By (3)

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