JP3133129B2 - 車両懸架装置 - Google Patents

車両懸架装置

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JP3133129B2
JP3133129B2 JP2933992A JP2933992A JP3133129B2 JP 3133129 B2 JP3133129 B2 JP 3133129B2 JP 2933992 A JP2933992 A JP 2933992A JP 2933992 A JP2933992 A JP 2933992A JP 3133129 B2 JP3133129 B2 JP 3133129B2
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史之 山岡
忍 柿崎
光雄 佐々木
哲 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ショックアブソーバの
減衰特性を、走行状態に応じてソフト(低減衰係数)特
性やハード(高減衰係数)特性に最適制御する車両の懸
架装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ショックアブソーバの減衰特性制
御を行う車両懸架装置としては、例えば、特開昭61−
163011号公報に記載されたものが知られている。
【0003】この従来の車両懸架装置は、各ショックア
ブソーバの位置に設けられた上下加速度センサおよび荷
重センサにより4輪独立に検出されたばね上上下速度お
よびばね上−ばね下間相対速度に基づき、両者が同符号
の時には、減衰特性をハード特性とし、両者が異符号の
時には、減衰特性をソフト特性にするといった減衰特性
制御を4輪独立に行なうようにしたものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来装置にあっては、上述のような構成となっていたた
め、路面からの入力に対して車体への伝達力の低減には
有効であるが、操作時のロールや急加減速時のピッチン
グ等、車体の慣性モーメントに対しては、減衰力(制御
力)が不足する可能性があり、十分な操縦安定性が得ら
れないおそれがあるという問題点があった。
【0005】また、上下加速度センサと荷重センサを、
各ショックアブソーバ毎にそれぞれ設ける必要があるこ
とから、部品点数が多くなって、重量増となるしシステ
ムコストが高くつくという問題点があった。
【0006】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、慣性モーメントに対しても十分な制振
性が得られて操縦安定性を向上できると共に、部品点数
の削減による重量およびシステムコストの低減が可能な
車両懸架装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、2個の上下
速度検出手段を車両の前後方向および幅方向にそれぞれ
所定の距離を置いて配設して上述の課題を解決すること
とした。
【0008】すなわち、本発明の車両懸架装置は、図1
のクレーム対応図に示すように、車体側と各車輪側の間
に介在されていて減衰特性変更手段aにより減衰特性を
変更可能なショックアブソーバbと、車両の前後方向お
よび幅方向にそれぞれ所定の距離を有して車体に配設さ
上下速度を検出する2個の上下速度検出手段c,c
と、直進状態か旋回状態かを検出するステアリングセン
サfとを含む検出手段dと、前記2個の上下速度検出手
段c,cが検出する両上下速度の平均値から得られるバ
ウンス成分に基づいてバウンスレートを求め、ステアリ
ングセンサfが直進状態を検出しているときには両上下
速度の差をピッチ成分としてピッチレート求め、ステア
リングセンサfが旋回状態を検出しているときには両上
下速度の差をロール成分としてロールレートを求め、前
記バウンスレート,ピッチレートおよびロールレートに
基づいて求めた制御信号に基づき各ショックアブソーバ
bの減衰特性を制御する減衰特性制御手段eとを設け
た。
【0009】
【0010】また、前記減衰特性制御手段eには、ばね
上共振周波数を含む周波数帯の信号を通過させる第1の
バンドパスフィルタgと、ピッチ共振周波数を含む周波
数帯の信号を通過させる第2のバンドパスフィルタh
と、ロール共振周波数を含む周波数帯の信号を通過させ
る第3のバンドパスフィルタjとが設けられ、前記制御
信号を求めるにあたって、バウンスレートは、第1のバ
ンドパスフィルタgを通過して得られた上下速度を用い
て求め、ピッチレートは、第2のバンドパスフィルタh
を通過して得られた上下速度を用いて求め、ロールレー
トは、第3のバンドパスフィルタjを通過して得られた
上下速度を用いて求めてもよい。
【0011】前記減衰特性制御手段eは、バウンスレー
トを求めるにあたってバウンス成分に掛ける第1の比例
定数と、ピッチレートを求めるにあたってピッチ成分に
掛ける第2の比例定数と、ロールレートを求めるにあた
ってロール成分に掛ける第3の比例定数とを、それぞれ
独立に設定し、前記第1の比例定数を車両の上下方向ば
ね定数に応じた数値とし、第2の比例定数を車両のピッ
チ剛性に応じた数値とし、第3の比例定数を車両のロー
ル剛性に応じた数値としてもよい。
【0012】
【作用】走行時には、減衰特性制御手段dでは、前後方
向および左右方向に所定の距離を有して配設された2個
の上下速度検出手段c,cで検出された上下速度および
両上下速度の差から制御信号を求め、この制御信号に基
づいて、各ショックアブソーバbの減衰特性の制御を行
う。
【0013】前記制御信号を求めるにあたり、両上下速
度の平均値から得られるバウンス成分に基づいてバウン
スレートを求め、直進状態では両上下速度の差をピッチ
成分としてピッチレートを求め、旋回状態では両上下速
度の差をロール成分としてロールレートを求め、前記バ
ウンスレート,ピッチレートおよびロールレートに基づ
いて、制御信号を求める。したがって、上下速度検出手
段が2個しか設けられていない安価な構成であっても、
バウンスレート,ピッチレートおよびロールレートを的
確に検出することができ、これに応じた最適の減衰特性
に制御することができる。
【0014】請求項記載の装置では、バウンスレート
は、ばね上共振周波数を含む第1のバンドパスフィルタ
gを通過した上下速度を用いて求め、ピッチレートは、
ピッチ共振周波数を含む第2のバンドパスフィルタhを
通過した上下速度を用いて求め、ロールレートは、ロー
ル共振周波数を含む第3のバンドパスフィルタjを通過
した上下速度を用いて求める。
【0015】請求項記載の装置では、バウンスレート
は、バウンス成分に上下方向ばね定数に応じた第1の比
例定数を掛けて求め、ピッチレートは、ピッチ成分にピ
ッチ剛性に応じた第2の比例定数を掛けて求め、ロール
レートは、ロール成分にロール剛性に応じた第3の比例
定数を掛けて求める。
【0016】このように、本発明では、車両の前後方向
および幅方向にそれぞれ所定の距離を有した位置におけ
る上下速度の差から、車両の前後方向および幅方向への
慣性モーメントを考慮した制御を行なうことができるの
で、慣性モーメントに対しても十分な制振性が得られて
操縦安定性を向上させることができる。
【0017】
【実施例】本発明実施例を図面に基づいて説明する。ま
ず、構成について説明する。図2は、本発明実施例の車
両懸架装置を示す構成説明図であり、車体と4つの車輪
との間に介在されて、4つのショックアブソーバSA
1 ,SA2 ,SA3 ,SA4 (なお、ショックアブソー
バを説明するにあたり、これら4つをまとめて指す場
合、およびこれらの共通の構成を説明するときにはただ
単にSAと表示する)が設けられ、また、ステアリング
STには、操舵角を検出するステアリングセンサ2が設
けられている。そして、図17にもその詳細を示すよう
に、車体には、車両の前後方向および幅方向に所定の距
離LW ,LT を置いて2個の上下加速度センサ(以後、
上下Gセンサという)11 ,12 が設けられていて、前
記幅方向の距離LT は車両のトレッドと同一に設定され
るが、前後方向の距離LW は車両のホイルベースよりは
短く設定されている。また、運転席の近傍位置には、各
センサ11 ,12 ,2からの信号を入力して、各ショッ
クアブソーバSAのパルスモータ3に駆動制御信号を出
力するコントロールユニット4が設けられている。
【0018】図3は、上記構成を示すシステムブロック
図であって、コントロールユニット4は、インタフェー
ス回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備え、前記イ
ンタフェース回路4aには、上述の各上下Gセンサ1
1 ,12 およびステアリングセンサ2からの信号が入力
される。
【0019】また、前記インタフェース回路4a内に
は、図14に示す5つのフィルタ回路が各上下Gセンサ
1 ,12 毎に設けられている。すなわち、LPF1
は、上下Gセンサ11 (12 )から送られる信号の中か
ら高周波域(30Hz以上)のノイズを除去するためのロー
パスフィルタ回路である。LPF2は、ローパスフィル
タ回路LPF1を通過した加速度を示す信号を積分して
ばね上上下速度に変換するためのローパスフィルタ回路
である。BPF1は、ばね上共振周波数を含む周波数域
の信号を通過させてバウンス成分信号v(v1 ,v2
なお、1,2 の数字は各上下Gセンサ11 ,12 の位置に
対応している。以下も同様である。)を形成するバンド
パスフィルタ回路である。BPF2は、ピッチ共振周波
数を含む周波数域の信号を通過させてピッチ成分信号
v’(v1 ’,v2 ’)を形成するバンドパスフィルタ
回路である。BPF3は、ロール共振周波数を含む周波
数域の信号を通過させてロール成分信号v”(v1 ”,
2 ”)を形成するバンドパスフィルタ回路である。
【0020】したがって、この実施例では、前記各上下
Gセンサ11 ,12 とLPF2とで請求範囲の上下速度
検出手段(c)を構成している。
【0021】ちなみに、本実施例では、ばね上共振,ピ
ッチ共振,ロール共振各周波数が、異なる場合を例にと
っているが、これらの共振周波数が近似している場合に
は、バンドパスフィルタはBPF1のみでよい。
【0022】次に、図4は、ショックアブソーバSAの
構成を示す断面図であって、このショックアブソーバS
Aは、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部
室Bとに画成したピストン31と、シリンダ30の外周
にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室Bとリ
ザーバ室32とを画成したベース34と、ピストン31
に連結されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイ
ド部材35と、外筒33と車体との間に介在されたサス
ペンションスプリング36と、バンパラバー37とを備
えている。
【0023】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する圧側減
衰バルブ20および伸側減衰バルブ12が設けられてい
る。また、ピストン31を貫通しているピストンロッド
7の軸心部には、貫通孔31a,31bをバイパスして
上部室Aと下部室Bとを連通する流路(後述の伸側第2
流路E,伸側第3流路F,バイパス流路G,圧側第2流
路J)を形成するための連通孔39が形成されていて、
この連通孔39内には前記流路の流路断面積を変更する
ための調整子40が回動自在に設けられている。また、
ピストンロッド7の外周側には、流体の流通方向に応じ
て前記連通孔39で形成される流路側の流通を許容・遮
断する伸側チェックバルブ17と圧側チェックバルブ2
2とが設けられている。なお、この調整子40は、前記
パルスモータ3により回転されるようになっている(図
4参照)。また、ピストンロッド7には、上から順に第
1ポート21,第2ポート13,第3ポート18,第4
ポート14,第5ポート16が形成されている。
【0024】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れると共に、内外を連通する第1横孔24および第2横
孔25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成さ
れている。
【0025】したがって、前記上部室Aと下部室Bとの
間には、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔
31bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部
室Bに至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝2
3,第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外
周側を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2
ポート13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側
チェックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3
流路Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19
を経由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路
がある。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、
貫通孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側
第1流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート
21を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室
Aに至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔2
5,第3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス
流路Gとの3つの流路がある。
【0026】すなわち、ショックアブソーバSAは、調
整子40を回動させることにより、伸側・圧側のいずれ
とも図6に示すような特性で減衰特性を多段階に変更可
能に構成されている。つまり、図7に示すように、伸側
・圧側いずれもソフトとした状態(以後、ソフト領域S
Sという)から調整子40を反時計方向に回動させる
と、伸側のみ減衰特性を多段階に変更可能で圧側が低減
衰特性に固定の領域(以後、伸側ハード領域HSとい
う)となり、逆に、調整子40を時計方向に回動させる
と、圧側のみ減衰特性を多段階に変更可能で伸側が低減
衰特性に固定の領域(以後、圧側ハード領域SHとい
う)となる構造となっている。
【0027】ちなみに、図7において、調整子40を
,,のポジションに配置した時の、図5における
K−K断面,M−M断面,N−N断面を、それぞれ、図
8,図9,図10に示し、また、各ポジションの減衰力
特性を図11,12,13に示している。
【0028】次に、パルスモータ3の駆動を制御するコ
ントロールユニット4の作動について、図15のフロー
チャートに基づき説明する。なお、この制御は、各ショ
ックアブソーバSA毎に別個に行う。
【0029】ステップ101は、各上下Gセンサ11
2 から得られる上下加速度をそれぞれ各フィルタ回路
LPF1,LPF2,BPF1,BPF2,BPF3で
処理してバウンス成分信号v,ピッチ成分信号v’,ロ
ール成分信号v”を求める処理を各輪毎に行うステップ
である。
【0030】ステップ102は、ステアリングセンサ2
から得られる操舵角ωが所定のしきい値ω0 を越えたか
否か、すなわち、操舵状態であるか直進状態であるかを
判定するステップで、しきい値ω0 を越えている時は、
操舵状態であるとしてステップ103へ進み、しきい値
を越えていない時は、直進状態であるとしてステップ1
04へ進む。
【0031】ステップ103は、下記の数式1を用い、
バウンス成分信号vとロール成分信号v”に基づき各シ
ョックアブソーバSAに対応した制御信号V(V1 ,V
2 ,V3 ,V4 )を演算するステップである。
【0032】
【数1】 また、ステップ104は、下記の数式2を用い、バウン
ス成分信号vとピッチ成分信号v’に基づいて各輪の位
置の制御信号V(V1 ,V2 ,V3 ,V4 )を演算する
ステップである。
【0033】
【数2】 なお、αf ,βf ,γf は、前輪の各比例定数 αr ,βr ,γr は、後輪の各比例定数 v1 ,v1 ’,v1 ”:左前輪側のばね上上下方向速度
信号 v2 ,v2 ’,v2 ”:右後輪側のばね上上下方向速度
信号 また、各式において、最初のαf ,αr でくくっている
部分がバウンスレートであり、βf ,βr でくくってい
る部分がピッチレートであり、γf ,γr でくくってい
る部分がロールレートである。
【0034】ステップ105は、制御信号Vが、所定の
しきい値δT 以上であるか否かを判定するステップであ
り、YESでステップ106に進み、NOでステップ1
07に進む。
【0035】ステップ106は、ショックアブソーバS
Aを伸側ハード領域HSに制御するステップである。
【0036】ステップ107は、制御信号Vが所定のし
きい値δT としきい値−δC との間の値であるか否かを
判定するステップであり、YESでステップ108に進
み、NOでステップ109に進む。
【0037】ステップ108は、ショックアブソーバS
Aをソフト領域SSに制御するステップである。
【0038】ステップ109は、便宜上表示しているス
テップであり、ステップ105およびステップ107で
NOと判定した場合には、制御信号Vは、所定のしきい
値−δC 以下であり、この場合、ステップ110に進
む。
【0039】ステップ110は、ショックアブソーバS
Aを圧側ハード領域SHに制御するステップである。
【0040】次に、実施例装置の作動を図16のタイム
チャートにより説明する。
【0041】ばね上上下速度の変化により制御信号Vが
図示のように変化した場合、制御信号Vが所定のしきい
値δT ,−δC の間の値であるときには、ショックアブ
ソーバSAをソフト領域SSに制御する。
【0042】また、制御信号Vがしきい値δT 以上とな
ると、伸側ハード領域HSに制御して、圧側を低減衰特
性に固定する一方、伸側の減衰特性を制御信号Vに比例
させて変更する。このとき、減衰特性Cは、C=k・V
となるように制御する。
【0043】また、制御信号Vがしきい値−δC 以下と
なると、圧側ハード領域SHに制御して、伸側を低減衰
特性に固定する一方、圧側の減衰特性を制御信号Vに比
例させて変更する。このときも、減衰特性Cは、C=k
・Vとなるように制御するものである。
【0044】以上説明した実施例にあっては、以下に列
挙する効果が得られる。
【0045】 バウンスのみでなくロール,ピッチに
対しても十分な制御力を発生することができることか
ら、乗り心地と操縦安定性に優れた車両用懸架装置を提
供することができる。
【0046】 上記のような制御を行うにあたり、
バウンス,ピッチ,ロールを検出する手段としては2個
の上下Gセンサ11 ,12 とステアリングセンサ2のみ
しか用いないため、部品点数を少なくして低コスト化を
図れると共に、組付の手間,組付スペース,重量を少な
くできる。
【0047】 バウンスレート,ピッチレート,ロー
ルレートを求めるにあたり、それぞれ異なる定数α,
β,γを用いているため、車両において、ばね上共振周
波数,ピッチ共振周波数,ロール共振周波数がそれぞれ
異なっていても、ばね上上下速度に基づいて、各レート
を的確に検出することができる。
【0048】 両上下Gセンサ11 ,12 の前後方向
の距離を車両のホイルベースより短く設定したため、初
期ロール時における前後輪の位相差に基づいて発生する
ロールレートの立ち上がりの遅れを少なくすることがで
きる。
【0049】以上、実施例について説明してきたが具体
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明
に含まれる。
【0050】例えば、実施例では、伸側ハード領域HS
と、ソフト領域SSと、圧側ハード領域SHとを有する
ショックアブソーバを用いて、しきい値制御を行なう場
合を例にとったが、比例制御を行なうこともできるし、
伸側と圧側の減衰特性が同時に変化するショックアブソ
ーバを用いて比例制御またはしきい値制御を行なうこと
もできる。
【0051】また、両上下Gセンサの前後および幅方向
の距離は任意であり、特に幅方向の距離は車両のトレッ
ド以下に設定することもできる。
【0052】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の車両懸
架装置では、車両の前後方向および幅方向にそれぞれ所
定の距離を有して車体に設けられた上下速度を検出する
2個の上下速度検出手段と、両上下速度検出手段で検出
された両上下速度および両上下速度の差から求めた制御
信号に基づき各ショックアブソーバの減衰特性を制御す
る減衰特性制御手段とを備えた構成としたため、バウン
スやピッチやロール等の車両の状態を検出するための
下速度検出手段としては2個のみを設けただけの構成
で、車両の前後方向および幅方向への慣性モーメントを
考慮した制御を行なうことができ、これにより、部品点
数を少なくして重量およびシステムコストを低減しなが
ら、慣性モーメントに対しても十分な制振性が得られて
操縦安定性を向上できるという効果が得られる。しか
も、ステアリングセンサからの信号に基づいて、2個の
上下速度検出手段で得られる上下速度の差を、ピッチ成
分とロール成分とに区別するようにしているため、簡単
な構成で車両挙動に的確に適応した減衰特性制御を行う
ことができる。
【0053】
【0054】請求項記載の装置では、上下速度検出手
段からの信号を、それぞれ、ばね上共振周波数,ピッチ
共振周波数,ロール共振周波数を含む周波数帯の信号を
通過させる第1・第2・第3のバンドパスフィルタを設
け、各バンドパスフィルタを通過した信号を用いて、バ
ウンスレート,ピッチレート,ロールレートを求めるよ
うにしているため、より一層制御精度が高くなるという
効果が得られる。
【0055】請求項記載の装置では、各レートを求め
る際に各成分の信号に掛ける比例定数を、それぞれ、車
両特性に応じた数値としたため、さらに、制御精度が高
くなるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両懸架装置を示すクレーム対応図で
ある。
【図2】本発明実施例の車両懸架装置を示す構成説明図
である。
【図3】実施例の車両懸架装置を示すシステムブロック
図である。
【図4】実施例装置に適用したショックアブソーバを示
す断面図である。
【図5】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
【図6】前記ショックアブソーバのピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
【図7】前記ショックアブソーバのパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰特性特性図である。
【図8】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のK
−K断面図である。
【図9】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のM
−M断面図である。
【図10】前記ショックアブソーバの要部を示す図5の
N−N断面図である。
【図11】前記ショックアブソーバの伸側ハード時の減
衰力特性図である。
【図12】前記ショックアブソーバの伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
【図13】前記ショックアブソーバの圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
【図14】実施例のコントロールユニットの要部を示す
ブロック図である。
【図15】実施例装置のコントロールユニットの制御作
動を示すフローチャートである。
【図16】実施例装置の作動を示すタイムチャートであ
る。
【図17】実施例装置における上下Gセンサの取付位置
関係を示す平面図である。
【符号の説明】
a 減衰特性変更手段 b ショックアブソーバ c 上下速度検出手段 d 減衰特性制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 哲 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社 アツギユニシア内 (72)発明者 木村 誠 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社 アツギユニシア内 (56)参考文献 特開 平3−220012(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 17/015 F16F 9/50

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側と各車輪側の間に介在されていて
    減衰特性変更手段により減衰特性を変更可能なショック
    アブソーバと、 車両の前後方向および幅方向にそれぞれ所定の距離を有
    して車体に配設され上下速度を検出する2個の上下速
    度検出手段と、直進状態か旋回状態かを検出するステア
    リングセンサとを含む検出手段と、前記2個の上下速度検出手段が検出する両上下速度の平
    均値から得られるバウンス成分に基づいてバウンスレー
    トを求め、ステアリングセンサが直進状態を検出してい
    るときには両上下速度の差をピッチ成分としてピッチレ
    ート求め、ステアリングセンサが旋回状態を検出してい
    るときには両上下速度の差をロール成分としてロールレ
    ートを求め、前記バウンスレート,ピッチレートおよび
    ロールレートに基づいて 求めた制御信号に基づき各ショ
    ックアブソーバの減衰特性を制御する減衰特性制御手段
    と、 を備えていることを特徴とする車両懸架装置。
  2. 【請求項2】 前記減衰特性制御手段には、ばね上共振
    周波数を含む周波数帯の信号を通過させる第1のバンド
    パスフィルタと、ピッチ共振周波数を含む周波数帯の信
    号を通過させる第2のバンドパスフィルタと、ロール共
    振周波数を含む周波数帯の信号を通過させる第3のバン
    ドパスフィルタとが設けられ、前記制御信号を求めるに
    あたって、バウンスレートは、第1のバンドパスフィル
    タを通過して得られた上下速度を用いて求め、ピッチレ
    ートは、第2のバンドパスフィルタを通過して得られた
    上下速度を用いて求め、ロールレートは、第3のバンド
    パスフィルタを通過して得られた上下速度を用いて求め
    るようにしたことを特徴とする請求項1記載の車両懸架
    装置。
  3. 【請求項3】 前記減衰特性制御手段は、バウンスレー
    トを求めるにあたってバウンス成分に掛ける第1の比例
    定数と、ピッチレートを求めるにあたってピッチ成分に
    掛ける第2の比例定数と、ロールレートを求めるにあた
    ってロール成分に掛ける第3の比例定数とをそれぞれ独
    立に設定し、 前記第1の比例定数を車両の上下方向ばね定数に応じた
    数値とし、第2の比例定数を車両のピッチ剛性に応じた
    数値とし、第3の比例定数を車両のロール剛性 に応じた
    数値としたことを特徴とする請求項1または 請求項2記
    載の車両懸架装置。
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