JPH06240570A - 繊維品に抗菌性および抗かび性を付与する方法 - Google Patents

繊維品に抗菌性および抗かび性を付与する方法

Info

Publication number
JPH06240570A
JPH06240570A JP2817693A JP2817693A JPH06240570A JP H06240570 A JPH06240570 A JP H06240570A JP 2817693 A JP2817693 A JP 2817693A JP 2817693 A JP2817693 A JP 2817693A JP H06240570 A JPH06240570 A JP H06240570A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous solution
water
antibacterial
fiber product
bacteria
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2817693A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3273269B2 (ja
Inventor
Haruichiro Eguchi
晴一郎 江口
Takao Washimi
隆男 鷲見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Satosen Co Ltd
Original Assignee
Satosen Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Satosen Co Ltd filed Critical Satosen Co Ltd
Priority to JP02817693A priority Critical patent/JP3273269B2/ja
Publication of JPH06240570A publication Critical patent/JPH06240570A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3273269B2 publication Critical patent/JP3273269B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた抗菌性および抗かび性を備えた繊維製品
得る方法を提供することを主な目的とする。 【構成】1.繊維品を塩化錫(II)(SnCl2 ・2
2 0)5〜40g/lと濃塩酸5〜40ml/lとの
混合水溶液に浸漬し、水洗した後、硝酸銀の0.3〜1
0g/l水溶液に浸漬し、水洗し、乾燥することを特徴
とする繊維品に抗菌性および抗かび性を付与する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維品に抗菌性および
抗かび性を付与する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、耐性黄色ぶどう球菌(MRSA)
による合併症の発生問題が契機となって、病院、老人養
護施設、一般家庭、娯楽施設などにおける衣料、寝具衣
料、カ−テン、カ−ペット、絨毯などの繊維製品類、器
具類、装置類、有機物加工製品などに、細菌、かびなど
の微生物に対しての抗菌性や殺菌性を付与する必要性が
広く認識される様になってきた。
【0003】従来、衣料、寝具衣料、カ−テン、カ−ペ
ット、絨毯などの繊維製品および有機物加工製品の一種
である紙、不織布、織物などにおける無機系の微生物発
生および発育防止剤としては、銀ゼオライト(銀ケイ酸
アルミニウム塩)粉末が知られており、これは、比較的
良好な抗菌性および抗かび性を示す。しかしながら、こ
の粉末は、上記の製品に対して付着性をほとんど有しな
いので、製品完成前の段階で素材などへの混入などの前
加工処理を行なわなければならない。例えば、合成繊維
製品の場合には、合成繊維の原料である合成高分子材料
に予め銀ゼオライト粉末を練り混んでおき、これを紡糸
し、紡織して、抗菌性乃至殺菌性を付与した繊維を得る
必要がある。また、天然繊維の場合には、バインダーを
使用して繊維への付着による抗菌性乃至殺菌性の付与を
はかるか、或いは銀ゼオライト粉末を練り混んだ合成繊
維糸との混紡により抗菌性乃至殺菌性の付与をはかる必
要がある。この様な観点から、抗菌性乃至殺菌性の付与
加工前後の繊維品の化学的性質および物理的性質を考慮
すると、素材および形態の点で、抗菌性乃至殺菌性を付
与した繊維の商品化には大きな制限がある。
【0004】一方、繊維製品に抗菌性および抗かび性を
付与し得る材料として、有機化合物がある。有機化合物
は、加工性に優れているので、抗菌性および抗かび性を
付与すべき対象としての繊維の素材および形態に対する
制限は少ないが、処理された繊維製品の洗濯、大気中で
の長時間の放置などにより、抗菌性および抗かび性効果
を急速に失うので、耐久性に劣るという欠点を有してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
記の様な従来技術の問題点を解決乃至軽減し、優れた抗
菌性および抗かび性を備えた繊維製品を提供することを
主な目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
従来技術の現状に鑑みて研究を進めた結果、特定の2種
の化合物を順次使用する置換メッキの手法を繊維品に適
用する場合には、繊維品に優れた抗菌性および抗かび性
効果を付与し得ることを見出した。
【0007】即ち、本発明は、下記の方法を提供するも
のである; 1. 繊維品を塩化錫(II)(SnCl2 ・2H
2 0)5〜40g/lと濃塩酸5〜40ml/lとの混
合水溶液に浸漬し、水洗した後、硝酸銀の0.3〜10
g/l水溶液に浸漬し、水洗し、乾燥することを特徴と
する繊維品に抗菌性および抗かび性を付与する方法。
【0008】本発明でいう繊維品とは、素材としては、
パルプ、綿、麻、人絹、羊毛、絹などの天然繊維材料お
よび各種の高分子系合成繊維材料を包含する。また、そ
の形態としては、糸、紙、不織布、織布、編物などの全
ての繊維製品を包含する。これらの繊維材料は、糸の形
態で本発明方法により処理した後、不織布、織布、編物
などに加工しても良い。以下においては、特に必要でな
い限り、これらを繊維品と総称し、必要な場合にのみ、
個別的に示す。
【0009】本発明では、繊維品を塩化錫(II)と塩
酸との混合水溶液に浸漬した後、硝酸銀水溶液に浸漬す
ることにより、繊維品が銀の酸化物と考えられる化合物
で被覆される。これにより、繊維品に抗菌性および抗か
び性が付与される。この付与工程は、水溶液に対する繊
維品の浸漬という簡単な工程からなっておりながら、繊
維品に高度の抗菌性および抗かび性を与え、且つその効
果は長期的な持続性に優れている。
【0010】以下に本発明方法について、詳細に説明す
る。まず、前処理法として、繊維品が汚れている場合或
いは後述の処理を阻害するバインダーなどを含んでいる
場合には、これらを除去するために、水洗するか、或い
は洗濯用洗剤水溶液などにより洗浄し、水洗する。特に
油などによる汚れがひどい場合には、常法に従って、油
除去を行なえば良い。油の除去法は、特に限定されるも
のではないが、例えば、炭酸ナトリウム約10g/l
(またはほう酸ナトリウム約20g/l)、燐酸ナリウ
ム約20g/l、非イオン界面活性剤約1g/lの水溶
液に、温度40〜65℃に浸漬した後、水洗することに
より、行なうことができる。
【0011】なお、繊維品が紙からなる場合には、水に
浸漬すると、崩壊することがある。このため、最初の処
理液であるSnCl2 水溶液の浸透を妨げるバインダー
などが、紙の内部に存在しない場合(例えば、濾紙の場
合)には、直接SnCl2 水溶液への浸漬を行なっても
良い。但し、紙製品中にバインダーなどの阻害成分が存
在する場合には、最終的には繊維品表面には銀が付与さ
れるものの、内部にまでは銀は充分には付与されない。
また、これらの阻害成分が、SnCl2 水溶液に溶出し
て、処理液を劣化させるので、紙製品が破損しない様に
留意しつつ、水に0.5〜3時間程度浸しておくことが
好ましい。
【0012】次いで、繊維品は、上記の前処理を行なっ
た後(或いは必要がなければ行なうことなく)、SnC
2 ・2H2 0 5〜40g/lと36%塩酸5〜40
ml/lとの混合水溶液(第一処理液)に2〜5分間浸
漬する。浸漬に際しては、被処理物に空気に起因すると
考えられる気泡が付着する場合があるので、その付着を
防止し、均一な錫イオンの吸着を行なうために、被処理
物および/または第一処理液を動かすことが好ましい。
第一処理液中の塩化錫(II)(SnCl2 ・2H
2 O)の濃度は、5〜40g/lとする。錫イオンの吸
着量は、通常塩化錫(II)の濃度が15g/lを上回
っても特に増大せず、抗菌性および抗かび性の効果の改
善は期待できない。しかしながら、被処理物が、毛布、
厚みの大きい不織布などである場合には、多量の第一処
理液を吸収して、次工程への第一処理液の持出し量が多
くなるため、液の濃度管理が困難となるので、上限量を
40g/lとする。第一処理液の温度は、特に限定され
ないが、実用的な観点からは、常温(20℃近傍)で行
なうことが好ましい。液温度が50℃を超える場合に
は、液の耐久性が短くなる。この原因は、おそらくSn
2+イオンがSn4+イオンに酸化され易くなり、沈澱生成
物が生じやすくなるためと思われる。なお、塩酸は、塩
化錫(II)を溶解するために必要な成分であり、塩化
錫の濃度に応じて適当な濃度で使用すれば良い。第一処
理液による処理を終えた被処理物は、水洗され、過剰の
塩化錫(II)および塩酸を除去される。
【0013】次いで、上記の処理を終えた被処理物を硝
酸銀0.5〜10g/lの水溶液(第二処理液)に0.
5〜3分間程度浸漬する。この浸漬に際しても、被処理
物に細かい気泡が付着することがあるので、その付着を
防止し、銀イオンの均一な吸着を行なうために、被処理
物および/または第二処理液を動かすことが好ましい。
硝酸銀の濃度は、通常1〜2g/lを上回っても特に増
大せず、抗菌性および抗かび性の効果の改善は期待でき
ない。しかしながら、第一処理液の場合と同様に、毛
布、厚みの大きい不織布などの場合には、多量の液を吸
収して、溶液の持出し量が多くなるため、液の濃度管理
が困難となるので、硝酸銀の濃度の上限量を10g/l
とする。一方、硝酸銀の濃度が0.3g/l程度の液で
あっても、温度40〜60℃で2〜3分間浸漬する場合
には、0.5g/l以上の濃度の液と同様の抗菌性およ
び抗かび性を示す。しかしながら、建浴(初めに溶液を
つくる)時からこのような低濃度とする場合には、毛
布、厚さのある不織布などを処理する際に液の濃度管理
が困難となるために、硝酸銀濃度の下限を0.5g/l
とする。第二処理液の適切な温度は、吸着している錫イ
オにより銀イオンが還元される速度、置換された銀が成
長する速度などに大きく依存する。従って、硝酸銀濃
度、温度および浸漬時間を考慮して、(イ)硝酸銀濃度
0.5〜2g/l;温度20〜35℃;浸漬時間1.5
〜3分間、(ロ)硝酸銀濃度0.5〜2g/l;温度4
0〜60℃;浸漬時間0.5〜2分間、(ハ)硝酸銀濃
度3〜10g/l;温度20〜35℃;浸漬時間1〜
2.5分間、(ニ)硝酸銀濃度3〜10g/l;温度4
0〜60℃;浸漬時間0.5〜2分間などの組合わせを
採用することがより好ましい。このような処理条件にお
いては、特に優れた抗菌性および抗かび性効果が達成さ
れる。第二処理液による処理を終えた被処理物は、水洗
され、乾燥されて、抗菌性及び抗かび性を有する所望の
繊維品が得られる。
【0014】本発明により得られた繊維製品にどの程度
の量の銀が付与されているかは、紙および不織布におい
ては短繊維が絡みあつており、また織物についても繊維
がねん糸され、紡績されているため、単位面積当りの付
与量を明確に算出することはできない。このため、ポリ
エステルの単繊維について、本発明方法の各種の組成お
よび条件により銀を付与した後、硝酸に溶解させ、原子
吸光度分析法により定量分析したところ、平均約0.0
003mg/cm2 であつた。従って、この量以上の銀
が被覆さていれば、抗菌性および抗かび性の効果を示す
ことものと推測される。
【0015】また、繊維品に対する銀付与量を増加させ
て、さらに優れた抗菌性及び抗かび性効果を達成するた
めには、第一処理液および第二処理液による処理を複数
回繰返して行なえば良い。
【0016】例えば、上記の様にして被処理物に第1回
目の処理を行ない、十分に水洗した後、再度同様にして
第一処理液と第二処理液とによる処理を行ない、水洗
後、乾燥した。その結果、銀の付与量は、第1回目処理
後の1.5〜〜2倍であった。さらに、第3回目として
は、第2回目とおなじ処理工程を繰り返した場合には、
銀の付与量は、第1回目の2.3〜3.3倍に達してい
た。
【0017】なお、繊維製品に付与された銀の化学状態
および組成についての詳細は不明であるが、X線光電子
分光分析の結果では、銀は金属の状態ではなく酸化して
いる化学的状態と考えられる。理論的には、吸着した錫
イオンにより銀イオンが金属銀に還元されると考えられ
る。その場合の化学反応式は Sn2++2Ag+ → Sn4++Ag0 (金属) と考えられる。しかしながら、付与される銀の成長速度
が遅く、またその厚さが非常に薄いため、溶液中および
測定までの大気中での放置により、一旦析出した金属銀
が酸化しているものと推定される。なお、繊維製品を肉
眼で観察した限りでは、銀は灰黒色を呈していた。
【0018】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明らかにする。
【0019】なお、実施例で行なった抗菌性試験および
抗かび性試験は、以下の様にして行なった。
【0020】1 抗菌性試験 殺菌性を示す試験として、大腸菌、黄色ぶどう球菌およ
び緑膿菌を対象として行なった。
【0021】1−1.大腸菌および黄色ぶどう球菌 a.試験菌液の調製 大腸菌としては、エシェリヒア コリ菌(Escherichia
coli IFO3301) を用いた。
【0022】黄色ぶどう球菌としては、スタフィロコッ
カス アウレウス菌(Staphylococcus aureus IFO1273
2)を用いた。
【0023】供試菌を普通ブイヨン培地で35°Cで1
8時間、3回継代培養したものを滅菌リン酸緩衝液を用
いて適宜希釈し、試験菌液とした。
【0024】b.測定培地 標準寒天培地を使用した。
【0025】c.測定方法 抗菌加工を施した繊維製品(供試体)の細菌増殖抑制試
験法(日本防菌防黴学会抗菌加工検討委員会)を準用し
た。
【0026】試験結果は、繊維品0.2g当たりの生菌
数で表わした。
【0027】1−2.緑膿菌を主体とする雑菌 a.試験菌液の調製 菌液は、腐敗したエマルジョンタイプの切削油で、Pseu
domonas sp. ( 緑膿菌) を主とし、、Bacillus sp.( 枯
草菌) 及びFlavobacterium sp.を混合して含んでいた。
【0028】b.菌数 供試菌株の塗抹直前の菌数は、約105 個であった。
【0029】c.判定方法 バイオチェッカー(T.T.Cタイプ;三愛石油株式会
社製)を使用して判定した。即ち、菌数約105 個を有
する水溶液にバイオチェッカーを30秒間浸漬した後、
チェッカーの上に目的の試料を置き、温度25〜30℃
で24時間培養して試料の周りにオリゴジナミー(試料
の周りに菌が全く発育しない領域が、試料の形状にそっ
てコロナ的に形成される)が現れているか否かを目視お
よび写真撮影によって判定した。
【0030】2.抗かび性試験 以下の2種類の菌について、抗かび性試験を行なった。
【0031】a.供試菌数 アスペルギルス ニガー菌(Aspergillus niger IFO634
1 )とペニシリウムフニクロサム菌(Penicillium funi
culosum IFO6345 )とを用いた。
【0032】b.試験方法 各試料を5cm×5cmの大きさに裁断した後、「かび
抵抗性試験方法(JIS Z 2911−1981)」
の繊維製品の試験方法(湿式法)を準用して試験を行な
った。
【0033】c.判定 肉眼により観測し、発育の有無で判定した。
【0034】実施例1 1ー1 紙に対する加工 濾紙をSnCl2 ・2H2 0 15g/lと濃塩酸13
ml/lとの混合水溶液(温度21℃)に3分間浸漬し
た後、よく水洗し、次いでAgNO3 1g/lの水溶液
(温度52℃)に1.2分間浸漬し、よく水洗し、乾燥
した。
【0035】1−2 抗菌試験 a)大腸菌 菌数は300個以下であり、効果が優れていることが明
らかとなった。
【0036】b)黄色ぶどう球菌 菌数は400個であり、効果があることが明らかとなっ
た。
【0037】c)緑濃菌を含む雑菌 図1に示す様にバイオチェッカー上には、試料1と菌の
発育を示す赤色着色部5との間に菌の発生が認められな
い白色のオリゴジナミー3が見られ、抗菌性効果がある
ことがわかる。
【0038】なお、この緑濃菌を含む雑菌に対しては、
本発明による試料1に代えて、同寸法の銅板、亜鉛板
(クロメート処理を行っている)またはニッケル板を設
置した場合には、オリゴジナミーが全く形成されないこ
とから考えると、本発明により処理された繊維品が優れ
た効果を発揮することが明らかである。
【0039】1−3 かび抵抗試験 (−)であった。
【0040】実施例2 2ー1 紙に対する加工 図画用紙を水に2時間浸した後、SnCl2 2H2
20g/lと濃塩酸15ml/lのと混合水溶液(温度
23℃)に5分間浸漬し、十分に水洗し、次いでAgN
3 1.5g/lの水溶液(温度48℃)に1.5分間
浸漬し、十分に水洗し、乾燥した。
【0041】2−2 抗菌試験 a)大腸菌 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0042】b)黄色ぶどう球菌 菌数は500個であり、効果があることが明らかになっ
た。
【0043】c)緑濃菌を含む雑菌 図1の場合と同様にオリゴジナミーが見られ、効果があ
ることが明らかとなった。
【0044】なお、この緑濃菌を含む雑菌に対しては、
本発明による上記の試料に代えて、同寸法の銅板、亜鉛
板(クロメート処理を行っている)またはニッケル板を
設置した場合には、オリゴジナミーが全く形成されない
ことから考えると、本発明により処理された繊維品が優
れた効果を発揮することが明らかである。
【0045】2−3 かび抵抗試験 (−)であった。
【0046】実施例3 3ー1 不織布に対する加工 厚さ約2mmのアクリル樹脂系繊維不織布を炭酸ナトリ
ウム約10g/lと表面界面活性剤(商品名:ママロー
ヤル、ライオン(株)製)3ml/lとの混合水溶液
(温度約50℃)に時々ゆっくりと攪拌しつつ10分間
浸漬して、汚れを除去した後、よく水洗し、SnCl2
・2H2 0 20g/lと濃塩酸15ml/lとの混合
水溶液(温度約17℃)に3.5分間浸漬し、よく水洗
した。次いで、AgNO3 10g/lの水溶液(温度5
2℃)に1.5分間浸漬し、よく水洗した。
【0047】次いで、第2回目処理として、上記アクリ
ル樹脂系繊維不織布をSnCl2 ・2H2 0 20g/
lと濃HCl15ml/lとの混合水溶液(温度17
℃)に3.0分間浸漬した後、よく水洗し、さらにAg
NO3 1.0g/lの水溶液(温度52℃)に1.5分
間浸漬し、よく水洗し、乾燥した。
【0048】3−2 抗菌試験 a)大腸菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0049】b)黄色ぶどう球菌の場合 菌数は700個であり、効果があることが明らかになっ
た。
【0050】c)緑濃菌を含む雑菌の場合 図1の場合と同様にオリゴジナミーが見られ、効果があ
ることが明らかとなった。
【0051】なお、この緑濃菌を含む雑菌に対しては、
本発明による上記の試料に代えて、同寸法の銅板、亜鉛
板(クロメート処理を行っている)またはニッケル板を
設置した場合には、オリゴジナミーが全く形成されない
ことから考えると、本発明により処理された繊維品が優
れた効果を発揮することが明らかである。
【0052】3−3 かび抵抗試験 (−)であった。
【0053】実施例4 4ー1 織物に対する加工 ポリエステル繊維糸65%と綿繊維糸35%との混紡か
らなる厚さ約0.3mmの織物を洗濯用洗剤(商品名:
Hiトップ、ライオン(株)製)2g/lの水溶液(温
度50℃)に時々ゆっくりと攪拌しつつ10分間浸漬し
て汚れを除去した後、よく水洗した。次いで、この織物
をSnCl2 ・2H2 0 20g/lと濃塩酸15ml
/lのと混合水溶液(温度20℃)に3.5分間浸漬し
た後、よく水洗し、AgNO3 2.0g/lの水溶液
(温度52℃)に1.5分間浸漬し、よく水洗した。
【0054】さらに第2回目処理として、上記の織物を
SnCl2 ・2H2 0 15g/lと濃塩酸15ml/
lとの混合水溶液(温度20℃)に3分間浸漬した後、
よく水洗し、AgNO3 1.0g/lの水溶液(温度5
0℃)に1.5分間浸漬し、よく水洗した。
【0055】さらに第3回目処理として、上記の織物に
対し、第2回目処理と同じ処理を再度行なった後、よく
水洗し、乾燥した。
【0056】4−2 抗菌試験 a)大腸菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0057】b)黄色ぶどう球菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0058】c)緑濃菌を含む雑菌の場合 図1の場合と同様にオリゴジナミーが見られ、効果があ
ることが明らかとなった。
【0059】なお、この緑濃菌を含む雑菌に対しては、
本発明による上記の試料に代えて、同寸法の銅板、亜鉛
板(クロメート処理を行っている)またはニッケル板を
設置した場合には、オリゴジナミーが全く形成されない
ことから考えると、本発明により処理された繊維品が優
れた効果を発揮することが明らかである。
【0060】4−3 かび抵抗試験の場合 (−)であった。
【0061】実施例5 5ー1 織物に対する加工 綿繊維100%からなる厚さ0.3mmの織物を炭酸ナ
トリウム10g/lの水溶液(温度50℃)に時々ゆっ
くりと攪拌しつつ10分間浸漬して汚れを除去した後、
よく水洗し、SnCl2 ・2H2 0 20g/lと濃塩
酸15ml/lとの混合水溶液(温度22℃)に3.5
分間浸漬し、よく水洗した。
【0062】次いで、上記の織物をAgNO3 1.0g
/lの水溶液(温度51℃)に1.5分間浸漬した後、
よく水洗した。
【0063】さらに、第2回目処理として、上記の織物
をSnCl2 ・2H2 0 15g/lと濃塩酸15ml
/lとの混合水溶液(温度17℃)に3分間浸漬した
後、よく水洗し、AgNO3 1.0g/lの水溶液(温
度51℃)に1.5分間浸漬し、よく水洗した。
【0064】さらに、第3回目処理として、上記の織物
に対し第2回目処理と同じ処理を行なった後、よく水洗
し、乾燥した。
【0065】5−2 抗菌試験 a)大腸菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0066】b)黄色ぶどう球菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0067】c)緑濃菌を含む雑菌の場合 図1の場合と同様にオリゴジナミーが見られ、効果があ
ることが明らかとなった。
【0068】なお、この緑濃菌を含む雑菌に対しては、
本発明による上記の試料に代えて、同寸法の銅板、亜鉛
板(クロメート処理を行っている)またはニッケル板を
設置した場合には、オリゴジナミーが全く形成されない
ことから考えると、本発明により処理された繊維品が優
れた効果を発揮することが明らかである。
【0069】5−3 かび抵抗試験の場合 (−)であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法により処理された繊維品の抗菌性を
示す模式図である。
【符号の説明】
1…抗菌処理した試料 3…オリゴジミナー(菌の発生していない白色部分) 5…赤色着色部(菌が発育して赤色に着色した部分)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維品を塩化錫(II)(SnCl2 2H
    2 0)5〜40g/lと濃塩酸5〜40ml/lとの混
    合水溶液に浸漬し、水洗した後、硝酸銀の0.3〜10
    g/l水溶液に浸漬し、水洗し、乾燥することを特徴と
    する繊維品に抗菌性および抗かび性を付与する方法。
JP02817693A 1993-02-17 1993-02-17 繊維品に抗菌性および抗かび性を付与する方法 Expired - Fee Related JP3273269B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02817693A JP3273269B2 (ja) 1993-02-17 1993-02-17 繊維品に抗菌性および抗かび性を付与する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02817693A JP3273269B2 (ja) 1993-02-17 1993-02-17 繊維品に抗菌性および抗かび性を付与する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06240570A true JPH06240570A (ja) 1994-08-30
JP3273269B2 JP3273269B2 (ja) 2002-04-08

Family

ID=12241422

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02817693A Expired - Fee Related JP3273269B2 (ja) 1993-02-17 1993-02-17 繊維品に抗菌性および抗かび性を付与する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3273269B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL9500096A (nl) * 1994-01-19 1995-09-01 Satosen Co Werkwijze voor het bereiden van een schimmeldodend/bacteriedodend materiaal voor hydrocultuurtoepassing, aldus verkregen materiaal en werkwijze voor het beschermen van gewassen tegen schimmels en/of bacteriën bij hydrocultuur.
EP0783048A2 (en) * 1995-12-29 1997-07-09 Japan Exlan Company, Ltd. Fine metallic particles-containing fibers and method for producing same
WO1998053132A1 (fr) * 1997-05-23 1998-11-26 Kyorasha Co., Ltd. Fibres naturelles contenant de l'oxyde de titane et leur procede de production
US6376023B1 (en) 1997-05-23 2002-04-23 Kyorasha Co., Ltd. Titanium oxide-containing material and process for preparing the same
JP2003518201A (ja) * 1999-06-07 2003-06-03 ザ カプロン コーポレイション 抗細菌、抗真菌および抗酵母菌特性を有する衣料品物品ならびにそれに使用するための糸
JP2006508277A (ja) * 2002-11-29 2006-03-09 ミリケン・アンド・カンパニー 低下した変色傾向を示す部分的に適用された銀系仕上げ剤を有する布地
ES2310115A1 (es) * 2007-03-08 2008-12-16 Asociacion De Investigacion De La Industria Textil Procedimiento de obtencion de textiles con propiedades antibacterianas y antifungicas.
CN110881481A (zh) * 2019-10-30 2020-03-17 广州市浪奇实业股份有限公司 一种含有大麻叶提取物的抗菌组合物及其应用

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL9500096A (nl) * 1994-01-19 1995-09-01 Satosen Co Werkwijze voor het bereiden van een schimmeldodend/bacteriedodend materiaal voor hydrocultuurtoepassing, aldus verkregen materiaal en werkwijze voor het beschermen van gewassen tegen schimmels en/of bacteriën bij hydrocultuur.
EP0783048A2 (en) * 1995-12-29 1997-07-09 Japan Exlan Company, Ltd. Fine metallic particles-containing fibers and method for producing same
EP0783048B1 (en) * 1995-12-29 2004-11-10 Japan Exlan Company, Ltd. Method for producing fine metallic particles-containing fibers
WO1998053132A1 (fr) * 1997-05-23 1998-11-26 Kyorasha Co., Ltd. Fibres naturelles contenant de l'oxyde de titane et leur procede de production
US6265064B1 (en) 1997-05-23 2001-07-24 Kyorasha Co., Ltd. Natural fibers containing titanium oxide and process for producing the same
US6376023B1 (en) 1997-05-23 2002-04-23 Kyorasha Co., Ltd. Titanium oxide-containing material and process for preparing the same
JP2003518201A (ja) * 1999-06-07 2003-06-03 ザ カプロン コーポレイション 抗細菌、抗真菌および抗酵母菌特性を有する衣料品物品ならびにそれに使用するための糸
JP2006508277A (ja) * 2002-11-29 2006-03-09 ミリケン・アンド・カンパニー 低下した変色傾向を示す部分的に適用された銀系仕上げ剤を有する布地
ES2310115A1 (es) * 2007-03-08 2008-12-16 Asociacion De Investigacion De La Industria Textil Procedimiento de obtencion de textiles con propiedades antibacterianas y antifungicas.
CN110881481A (zh) * 2019-10-30 2020-03-17 广州市浪奇实业股份有限公司 一种含有大麻叶提取物的抗菌组合物及其应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP3273269B2 (ja) 2002-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1336952C (en) Method of making antimicrobially active surfaces
AU2011240856B2 (en) Antimicrobial treatment of synthetic nonwoven textiles
US10294608B2 (en) Fabric treatment method
EP2097556A1 (de) Verfahren zur metallisierung von polyester und metallisierter polyester
CN102337669A (zh) 一种抗菌羊毛纤维的加工方法
JP3273269B2 (ja) 繊維品に抗菌性および抗かび性を付与する方法
WO2003070004A1 (en) Anti-microbial utility and kitchen wipe utilizing metallic silver as an oligodynamic agent
KR20100012881A (ko) 적어도 부분적으로 금속화된 직물을 처리하는 방법, 처리된 직물 및 그 용도
Wallace Testing the Efficacy of Polyhexamethylene Biguanide as an Antimicrobial Treatment for Cotton Fabric.
JP3484520B2 (ja) 抗菌性繊維製品及びその製造法
JP2842564B2 (ja) 抗菌性ビスコースレーヨン及びその製造方法
JPH0913279A (ja) 抗菌性を有する繊維製品およびその製造方法
US20040258914A1 (en) Enhanced metal ion release rate for anti-microbial applications
JPH06246841A (ja) ポリウレタンフォームに抗菌性および抗かび性を付与する方法
JPH06346364A (ja) 繊維品およびポリウレタンフォームに抗菌性および抗かび性ならびに低温輻射機能性を付与する方法
JP3280135B2 (ja) 抗菌性繊維製品の製造方法
JPH073631A (ja) 銀被覆により抗菌性及び抗かび性を付与した繊維品およびポリウレタンフォームの脱色方法
US3542504A (en) Biocidal textile finishing
JPH0762150A (ja) 抗菌性および抗かび性を有するプラスチックスコンパウンドおよびプラスチックス充填剤の製造方法、ならびに抗菌性および抗かび性を有するプラスチックス製品の製造方法
CN110699802A (zh) 一种含锌面料的制备方法
KR960013471B1 (ko) 내세탁성이 우수한 항균섬유의 제조방법
Mickevičienė et al. Influence of raw composition of plain plated knits on their antimicrobial characteristics
JPH07215811A (ja) 繊維品またはポリウレタンフォームにメチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する抗菌性を付与する方法
CN115162008B (zh) 一种耐久抗菌亲水聚乳酸纤维及其制备方法
US3560243A (en) Process for imparting water repellence and products thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20011212

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090201

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090201

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100201

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110201

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110201

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120201

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120201

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130201

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees