JPH06240418A - 熱間圧延用焼結ロールおよびその製造方法 - Google Patents

熱間圧延用焼結ロールおよびその製造方法

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JPH06240418A
JPH06240418A JP32150293A JP32150293A JPH06240418A JP H06240418 A JPH06240418 A JP H06240418A JP 32150293 A JP32150293 A JP 32150293A JP 32150293 A JP32150293 A JP 32150293A JP H06240418 A JPH06240418 A JP H06240418A
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JP
Japan
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less
roll
weq
hot rolling
powder
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JP32150293A
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English (en)
Inventor
Takeo Hisada
建男 久田
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粉末高速度工具鋼を材料とした熱間圧延用ロ
ールにおいて、高い靭性および耐摩耗性を維持して、耐
熱衝撃性を向上させる。 【構成】 C:1.2〜4.5%、Si:3.0%以
下、Mn:3.0%以下、Cr:3.0〜10.0%、
およびV:3.0〜15.0%を含有し、さらにW:1
5.0〜60.0%、Mo:30.0%以下、または
W:15.0〜60.0%以下+Mo:30.0%以下の
いずれかを、V%/Weq≧0.2(Weq=2Mo%
+W%)となるように含有して、残部が実質上Feから
なる合金の粉末をHIP加工してロールの胴を製造す
る。 Co:20.0%以下、Nb:15.0%以下の
一方または両方を添加した合金組成であってもよい。
ロール軸の部分は、強靱な鋼で溶製して、拡散接合など
の手法で一体化する。 鋼中の炭化物の円相当直径を1
〜10μmの範囲にコントロールすることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉末高速度工具を材料
とする熱間圧延用のロールと、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の熱間圧延に使用する圧延ロールが強
靭で耐摩耗性にすぐれていなければならないことは、い
うまでもない。 一般に粉末高速度工具鋼は、耐摩耗性
を発揮する炭化物が溶製材にくらべて微細かつ均一に析
出しているため、高合金化が可能であるという利点をも
つ。 高合金であっても靭性を高く得られることから、
粉末高速度鋼を材料に用いて熱間圧延用のロールを製造
することが行なわれている。
【0003】Cr,W,Moなどを含有する粉末高速度
工具鋼に対し、加工性と、工具にしたときの切削性とを
向上させる目的で、多量のVおよびCoを添加すること
が提案されている(特開平1−119645)。
【0004】粉末高速度工具鋼を材料として製作した工
具の性能は、合金組成のみならず、その中の炭化物の粒
径と含有量とによっても大きな影響を受けることが知ら
れている。 そこで、炭化物の粒径を調節して適切な大
きさとするために、高速度工具鋼粉末をHIP(熱間静
水圧プレス)処理などの手法で焼結したのち、さらに適
当な温度にある時間保持するソーキング処理を施すこと
が開示された(特開平2−175846)。 そのソー
キングは、炭化物の溶融開始温度(℃で表示)×0.9
5以上の温度、通常1150〜1250℃において、2
〜10時間にわたって加熱する処理である。
【0005】前記した、Cr,WやMoに加えてVおよ
びCoを含有する粉末高速度工具鋼は、金型や圧延ロー
ルに適用したときにすぐれた耐摩耗性を示すが、高負荷
の熱間加工用の圧延ロールにおいては、場合により靱性
や耐熱衝撃性が不足することが経験された。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、粉末
高速度工具鋼を材料とする熱間圧延用ロールにおいて、
靱性や耐熱衝撃性に関する改善の要求にこたえ、一方で
すぐれた耐摩耗性を保持した圧延ロールを提供すること
にある。 本発明の目的には、そのようなロールの製造
方法を提供することも含まれる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の熱間圧延用焼結
ロールは、基本的にはC:1.2〜4.5%(重量%、以
下、単に%であらわす)、Si:3.0%以下、Mn:
3.0%以下、Cr:3.0〜10.0%、V:3.0
〜15.0%、および、W:15.0〜60.0%、M
o:30.0%以下、またはW:15.0〜60.0%
以下+Mo:30.0%以下のいずれかを、Weq=2
Mo+Wとするとき、V%/Weq≧0.2となるよう
に含有し、残部が実質上Feからなる合金組成を有する
粉末高速度工具鋼をHIP加工により成形してなる胴を
もつ熱間圧延用焼結ロール。
【0008】上記の基本組成にCo:20.0%以下を
加えた合金組成を有する粉末高速度工具鋼をHIP加工
により成形してなる胴をもつ熱間圧延用焼結ロールもま
た、本発明に含まれる。
【0009】さらに、上記の基本組成にNb:15.0
%以下を加えた合金組成を有する粉末高速度工具鋼をH
IP加工により成形してなる胴をもつ熱間圧延用焼結ロ
ールもまた、本発明に含まれる。
【0010】Co:20.0%以下およびNb:15.
0%以下の両方を加えた合金組成を有する粉末高速度工
具鋼をHIP加工により成形してなる胴をもつ熱間圧延
用焼結ロールも本発明に含まれることは、もちろんであ
る。
【0011】上記のいずれの合金組成においても、We
q+V%+Nb%≧30.0である場合には、鋼粉末と
して、粒度が150μm以下の微細なものを使用するこ
とが好ましい。
【0012】粉末高速度工具鋼にとって鋼中の炭化物の
大きさが重要であることは前述のとおりであって、本発
明の圧延ロールにおいても、合金中に存在する炭化物の
平均円相当直径が1〜10μmの範囲であることが好ま
しい。 ここで円相当直径Dは、試料断面にあらわれた
炭化物の断面の面積をAとするとき、式D=2√(A/
π)であらわされる。
【0013】本発明の圧延ロールは、胴全体を粉末のH
IP成形品で製造し、それに軸をとりつけて構成しても
よいことはもちろんであるが、圧延胴の外側の部分だけ
粉末高速度工具鋼製とし、内側の部分は溶製金属で別途
に用意した芯材をHIP容器に入れ、粉末とともにHI
P加工して同時に起る拡散接合などの手段で外側と接合
一体化して製造することもできる。 芯材として適当な
材料は、SKD61,SCM440などの靭性の高い鋼
材である。
【0014】上記のような本発明の熱間圧延用焼結ロー
ルを製造する方法は、前記した基本的な合金組成または
変更態様の合金組成の粉末高速度工具鋼を、炭化物の溶
融開始温度(℃で表示)×0.95以上の温度において
HIP加工して熱間圧延用ロールまたはその素材の形状
に成形し、鋼中の炭化物のサイズを平均円相当直径にし
て1〜10μmの範囲としたものに、仕上げ加工を施す
ことからなる。 炭化物のサイズの調節にとって必要で
あれば、HIP加工に続いてソーキングを実施する。
【0015】本発明の製造方法は種々の態様が可能であ
って、たとえばHIP加工により得た熱間圧延用ロール
の素材に対し、鍛造を行なう工程を包含する製造方法な
どがそれである。
【0016】
【作用】本発明の熱間圧延用焼結ロールの材料となる粉
末高速度工具鋼合金組成を上記のように定めた理由は、
つぎのとおりである。
【0017】C:1.2〜4.5% ロールに必要な強度、硬さおよび耐摩耗性を確保するた
めに必要であって、この目的で1.2%以上を含有させ
る。 多量に過ぎると靭性と加工性が低下するので、
4.5%以下に止める。 好ましい範囲は、1.5〜4.
0%である。
【0018】Si:3.0%以下 基地を強化して降伏点を高め、高温における表面酸化を
防止するとともに疲労限を向上させるのに役立つ。 多
量の添加は熱伝導性を低下させ靭性を損い、その結果と
してロール寿命が短くなるので、3.0%以下の添加量
とする。0.2〜1.0%の範囲が好ましい。
【0019】Mn:3.0%以下 鋼の清浄度を高めるとともに、焼入性の向上にも寄与す
る。 しかし、被研削性や熱間加工性にとっては好まし
くないので、3.0%の上限を設けた。 好適なのは、
0.2〜1.0%である。
【0020】Cr:3.0〜10.0% Mo、W、VやNbとともに、Cと結合して複炭化物を
形成し、製品の強度とくに高温強度を高め、あわせて耐
摩耗性と耐熱衝撃性を向上させる。 この効果を確保す
るため、3.0%以上を添加したい。 一方、多量にな
るにつれて靭性や加工性が低下し、ロールの耐熱性にも
悪影響が生じるから、10%までの添加量とする。 一
般に、9%以下が適当である。
【0021】V:3.0〜15.0% やはりCと結合して複炭化物を形成し、また基地中に固
溶してこれを強化するはたらきを示す。 添加量の増大
は、粉末製造時の噴霧作業性の低下と靭性の低下を招く
とともに、粗大炭化物を増加させてロールに加工する際
の被研削性を悪くする。 そこで、3.0〜15.0%
の範囲内の添加量、好ましくは4.0〜15.0%の添
加量をえらぶ。
【0022】W:60.0%以下 これもCと結合して微細な複炭化物を形成し、また基地
中に固溶してこれを強化する結果、熱処理硬さを増し耐
摩耗性を高める。 添加量が過大になると、靭性が低下
するだけでなく粗大炭化物の量が多くなり、被研削性や
疲労特性に悪影響が出てくる。 これらを考慮して6
0.0%以下の添加量とした。 Moを含まない場合は
15.0〜40.0%の範囲が好ましく、Moを含む場
合はW:30.0%以下が好ましい。
【0023】Co:20.0%以下 基地を強化して製品圧延ロールの強度、耐衝撃性、耐ヒ
ートチェック性を高めるから、20.0%までの範囲で
添加量を決定する。 3〜15%の範囲が好適である。
【0024】Mo:30.0%以下 この上限は、Wの含有量の上限について述べたところと
同じ理由にもとづいて定めた。 Mo単独で使用する場
合はMo:5〜25%の範囲が適当であり、Wと併用す
る場合は、Mo:20%以下が適当である。
【0025】Weq=2Mo%+W% よく知られているように、炭化物の生成に関しては、M
oはWの約2倍の影響力をもつ。 そこで、MoとWの
合計量をWeqとし、まとめて取扱う。
【0026】Nb:15.0%以下 Cと結合して複炭化物を形成する。 Nbの存在は靱性
にとっては好ましいものであるが、過大になればやはり
低下するし、粗大炭化物の生成量を高め、焼結ロール製
造時の被研削性を悪くするので、上記の限界を設けた。
好ましい添加量の範囲は、0.5〜10.0%であ
る。
【0027】Weq+V%+Nb%≧30.0のとき粉
末粒度150μm以下 W,Mo,VおよびNbのような炭化物形成元素の添加
量を多くすると、これらがCrとともに形成する複炭化
物の量が多くなって、製品焼結ロールの耐摩耗性を高く
得ることができる。 この観点から、Weq+V+Nb
%の値が30.0以上であることが望ましい。 一方、
このような条件下では炭化物の巨大晶が発生することが
ある。 巨大晶は一般に粗大な粉末中に多く、微細な粉
末中には少ないので、(粉末形成時の溶鋼液滴の冷却速
度の大小により、この差が生じると考えられる)、微粉
末の使用が有利であって、150μm以下の微細粉末が
好ましい。
【0028】V%/Weq≧0.2 この条件を満たすことによって、鋼中の複炭化物の均一
な分布を維持したままでHIP加工やソーキングによる
そのサイズの増大をはかることができる。
【0029】炭化物の大きさは、圧延ロールの耐摩耗性
および耐熱衝撃性をともに良好に得る上で適切な範囲が
あり、前記のように平均円相当直径が1〜10μmがそ
の好適範囲である。
【0030】炭化物粒子のサイズは、HIP加工の条件
を選択することにより、またソーキングを行なうときは
その条件を選択することにより、コントロールすること
ができる。 上記した好適サイズすなわち平均円担当直
径1〜10μmを得るには、炭化物の溶融温度(℃で表
記)×0.95以上の温度でHIP加工を行なう。この
温度は、通常1150℃以上である。 HIP加工に要
する時間は通常1〜10時間であり、加える静水圧は1
000気圧前後である。 ソーキングは、HIP加工と
同様な温度で、圧力を加えず、任意の時間行なう。
【0031】HIP加工により、粉末高速度工具鋼マト
リクス中に析出している微細な炭化物の粒径が増大す
る。 粒径の増大は、圧延ロールの耐摩耗性および靭性
にとって望ましい。 平均円担当直径1μm以上の条件
は、この効果を確実にする上で実施すべきである。 し
かし、炭化物が巨大になりオーステナイト結晶も大きく
なると靭性が低下する。 上限10μmは、この見地か
ら定めた。 HIP加工、ソーキングともあまり高温で
の処理は避けた方がよく、1250℃止まりの温度が適
当である。 加熱時間が粒径増大にとって大きな影響を
もつこともまた、容易に理解されるとおりである。
【0032】
【実施例】
〔実施例1〕表1に示す組成の鋼を誘導炉で溶製し、N
2ガス噴霧法により粉末化した。この表において、C量
は下記の計算式に従って設定し、ΔCは0.1を目標と
した。(以下の例においても同様) ΔC=C−{0.06Cr+0.063Mo+0.033
W+0.2(V+Nb)} 1Aが本発明の実施例であり、1Bが、*を付した値に
おいて本発明の範囲外となる比較例である。
【0033】 表 1 No. C Si Mn Cr Mo W V Weq V/Weq 1A 1.92 0.25 0.26 8.02 3.52 8.03 5.65 15.07 0.38 1B 1.30 0.33 0.30 7.98 3.43 8.31 2.03 15.17 0.13* 2A 2.05 0.42 0.33 3.78 − 23.71 6.71 23.71 0.28 2B 1.84 0.38 0.39 3.96 − 24.65 3.94 24.65 0.17* 3A 2.09 0.26 0.42 6.03 10.14 − 5.96 20.28 0.29 3B 1.49 0.33 0.45 6.20 9.78 − 3.03 19.56 0.15* 42メッシュ通過の粉末を集め、直径100mm×長さ2
00mmの軟鋼製有底筒状の容器に充填し、真空脱気して
EB溶接により密封した。
【0034】続いて1000kg/cm2の静水圧下に、12
00℃×3時間の条件でHIP処理を行なった。 処理
後、870℃×2時間の加熱と徐冷による球状化焼鈍を
行なった。
【0035】得られた焼結体から直径10mm×長さ20
mmの試験片を切り出し、1190℃×3分間の加熱→油
冷の焼入れを行ない、560℃×1時間→空冷を3回繰
り返す焼戻しをした。
【0036】熱処理の後、試験片の表面を研摩した。
これに対して、400〜1000℃の種々の温度に30
分間保持→水中に投入する焼入れ、の条件で水焼入れを
施し、ワレの有無をしらべて耐熱衝撃性を評価した。
結果は表2のとおりである。
【0037】 表 2 No. ワレの有無、発生温度 No. ワレの有無、発生温度 実施例 1A 全温度でワレ発生なし。 比較例 1B 560℃でワレ発生。 2A 全温度でワレ発生なし。 2B 540℃でワレ発生。 3A 全温度でワレ発生なし。 3B 460℃でワレ発生。
【0038】〔実施例2〕表3に示す組成の鋼を溶製
し、実施例1と同様に粉末化およびフルイ分けを行なっ
た。 4A、5Aおよび6Aが本発明の実施例、4B、
5Bおよび6Bが範囲外の比較例である。
【0039】 表 3 No. C Si Mn Cr Mo W V Co Weq V/Weq 4A 2.55 0.19 0.45 4.96 − 39.21 9.22 12.52 39.21 0.24 4B 2.43 0.58 0.29 4.61 − 40.55 1.23 13.01 40.55 0.03* 5A 2.72 0.27 0.33 4.28 6.06 15.03 7.83 10.11 27.15 0.29 5B 2.20 0.31 0.32 4.52 5.98 14.97 3.21 11.03 26.93 0.12* 6A 1.23 0.37 0.29 5.26 2.61 − 3.27 1.64 5.22 0.63 6B 1.06 0.31 0.36 5.73 2.37 − 1.86* 1.58 4.74 0.39 実施例1と同様にHIP処理と球状化焼鈍を行なった。
得られた焼結体から試験片を切り出し、実施例1と同
じ条件で焼入れ焼戻しを行ない、表面を研摩ののち耐熱
衝撃性を評価した。 結果は表4のとおりである。
【0040】 表 4 No. ワレの有無、発生温度 No. ワレの有無、発生温度 実施例 4A 全温度でワレ発生なし。 比較例 4B 480℃でワレ発生。 5A 全温度でワレ発生なし。 5B 500℃でワレ発生。 6A 全温度でワレ発生なし。 6B 720℃でワレ発生。
【0041】〔実施例3〕表5に示す組成の鋼を溶製
し、実施例1と同様に粉末化およびフルイ分けを行なっ
た。
【0042】 表 5 No. C Si Mn Cr Mo W V Nb Co Weq V/Weq 7A 2.03 0.32 0.26 4.76 − 16.14 5.03 1.53 − 16.14 0.31 7B 1.62 0.33 0.25 4.62 − 16.08 2.26 1.56 − 16.08 0.14* 8A 2.07 0.29 0.25 4.82 3.82 − 5.31 3.03 − 7.64 0.70 8B 1.42 0.34 0.30 4.56 3.79 − 1.03 3.19 − 7.58 0.14* 9A 2.52 0.28 0.84 4.02 − 20.19 4.85 5.00 − 20.19 0.24 9B 2.44 0.29 0.41 4.11 − 19.87 3.38 5.13 − 19.87 0.17* 10A 2.12 0.50 0.18 4.19 2.78 − 9.32 0.58 9.22 5.56 1.68 10B 0.82 0.32 0.23 4.21 3.02 − 0.53 0.67 9.38 6.04 0.09* 42メッシュ通過の粉末を集め、直径50mm×長さ10
0mmの軟鋼製有底筒状の容器に充填し、真空脱気してE
B溶接により密封した。 続いて1000kgf/cm2の静
水圧下に1100℃×1時間の条件でHIP処理した。
処理後、870℃×2時間の加熱と徐冷にろる球状化
焼鈍を施した。 得られた焼結体から試験片を切り出
し、実施例1と同じ条件で焼入れ焼戻しを行ない、表面
を研磨ののち耐熱衝撃性を評価した。 結果は表6に示
すとおりである。
【0043】 表 6 No. ワレの有無、発生温度 No. ワレの有無、発生温度 実施例 7A 全温度でワレ発生なし。 比較例 7B 820℃でワレ発生。 8A 全温度でワレ発生なし。 8B 670℃でワレ発生。 9A 全温度でワレ発生なし。 9B 500℃でワレ発生。 10A 全温度でワレ発生なし。 10B 940℃でワレ発生。
【0044】〔実施例4〕表7に示す組成の合金を溶製
し、実施例1と同様に粉末化およびフルイ分けを行なっ
た。
【0045】 表 7 No. C Si Mn Cr Mo W V Co Weq V/Weq 11A 3.18 0.31 0.35 4.82 8.33 16.21 9.54 5.21 32.87 0.29 11B 2.01 0.44 0.26 4.53 8.56 17.01 2.26 5.01 34.13 0.07* 各粉末を、実施例1と同様に軟鋼製容器に入れ、真空下
に密封した。
【0046】それら密封体を表8に示す条件でHIP処
理し、一部はHIPに続いて圧力を解放して温度を若干
高めたソーキングを施した。 表8において、11A−
1および11A−2が本発明の実施例であり、11A−
3および12Bは比較例である。
【0047】 表 8 No. HIP ソーキング 11A−1 1180℃×3時間×1200kg/m2 − 11A−2 1100℃×3時間×1200kg/m2 1200℃×10時間 11A−3 1100℃×3時間×1200kg/m2 − 12B 1180℃×3時間×1200kg/m2 − 実施例1と同じ直径10mm×長さ20mmの熱衝撃試験片
とともに、直径10mm×長さ50mmの耐摩耗性試験片を
切り出した。 それらを、1200℃に3分間加熱→油
冷の焼入れ、および560℃×1時間→空冷(3回)の
焼戻しの条件で熱処理をし、研摩仕上げをして試験に供
した。 熱衝撃試験の条件は実施例1と同じであり、耐
摩耗性試験(大越式)の条件はつぎのとおりである。 相手材: SUJ2 摩擦速度: 1.96m/sec. 荷重 : 6kgf 摩擦距離: 200m 乾式 2種の試験の結果を、炭化物粒子の平均粒径とともに表
9に示す。
【0048】 表 9 No. 炭化物粒径μm 耐熱衝撃性 摩耗量 mm 2/kgf 11A−1 2.13 ワレ発生なし 12×10-8 11A−2 1.87 ワレ発生なし 15×10-8 11A−3 0.92 ワレ発生なし 32×10-8 12B 0.88 520℃でワレ 40×10-8 〔実施例5〕表10に示す組成の鋼を誘導路で溶製し、N
2ガス噴霧により粉末を製造した。
【0049】 表 10 No. C Si Mn Cr Mo W V Nb Co Weq+V+Nb 12 1.26 0.27 0.29 4.11 5.03 6.42 3.31 − − 19.61 13 3.58 0.26 0.42 4.09 5.05 6.62 9.97 5.01 − 31.70 14 2.89 0.22 0.34 4.67 8.03 19.92 7.72 − 12.05 43.70 得られた粉末のうち粒径が300μm程度のものを集め
て樹脂に埋め込み、断面組織を顕微鏡観察した。 N
o.12の粉末には巨大炭化物結晶は認められなかった
が、No.13および14の粉末には存在していた。
【0050】上記の粉末を、350μm以下、150μ
m以下および80μm以下に分級した。 各粉末を直径
50mm×長さ100mmの軟鋼製容器に充填し、真空脱気
してEB溶接により密封し、1150℃×1200kgf
/cm2×2時間の条件でHIP処理した。 続いて87
0℃に2時間保持後徐冷して、球状化焼鈍を行なった。
得られたHIP成形体から5×3×30mmの抗折試験片
を切り出した。 1180℃×3分間→油冷の焼入れ、
550℃×1時間→空冷(3回)の焼戻しを行なった。
熱処理後の試験片に対し、支点間距離20mmで抗折試
験を行なった。結果を下の表11に示す。
【0051】 表 11 No. 350μm以下 150μm以下 80μm以下 12 378 385 392kgf/mm2 13 119 248 253 14 131 265 278 この結果から明らかなように、鋼粉末中に巨大炭化物結
晶の存在しないNo.12の高速度工具鋼粉末粒度の大
小が抗折力にあまり影響しないのに対し、粉末中に巨大
炭化物結晶の存在するNo.13および14では、粉末
粒度を150μm以下の微粉にすることで抗折力が大き
く改善される。 さらに粒度を小さくすれば抗折力は改
善傾向を示すが、その効果は小さい。 粉末の歩留りは
使用する粉末粒径比例することから、製造コストを考慮
すれば150μm以下の粉末を使用するのが適当といえ
る。
【0052】〔実施例6〕表12に示す合金組成の鋼粉
末を製造した。 合金設計は実施例と同じ方針に従うも
のであり、粉末製造法も同様である。
【0053】 表 12 No. C Si Mn Cr Mo W V Nb Co Weq+V+Nb 15 2.41 0.31 0.27 4.21 5.11 5.98 5.27 3.2 − 24.67 16 4.42 0.26 0.42 4.09 5.05 6.62 9.97 10.01 − 36.70 17 4.23 0.41 0.37 4.51 5.22 6.81 3.55 14.41 2.13 35.21 18 3.10 0.36 0.21 4.98 9.02 23.51 8.36 − 10.49 49.91 これらの粉末を、350μm以下、150μm以下に分
級した。 HIP体製品を、実施例5と同様にして得、
試験片を切り出して熱処理した。 焼入れ温度をNo.
16,17は1150℃、No.15,18は1180
℃とし、各温度に3分間保持後、油冷した。 焼戻しは
560℃×1時間→AC(3回)行なった。抗折試験の
結果は、下の表13に示すとおりである。
【0054】表 13No. 350μm以下 150μm以下 15 232 235kgf/mm2 16 91 148 17 72 124 18 162 203 このデータから、Weq+V+Nbが30を超えるN
o.9〜11の場合、粉末粒度を150μm以下にする
ことで抗折力が大幅に改善できることがわかる。
【0055】
【発明の効果】本発明の熱間圧延用焼結ロールは、マト
リクス中に分散している炭化物の粒径が適度の範囲にあ
るため、高い靭性および耐摩耗性ともに、すぐれた耐熱
衝撃性を示す。 従って、使用できる熱間圧延条件の範
囲が従来より拡大する。
【0056】このようなロールは、本発明に従って合金
組成を決定し、かつ熱処理条件を選択して炭化物サイズ
をコントロールすることにより、容易に製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/24 38/30 38/36

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:1.2〜4.5%、Si:3.0%
    以下、Mn:3.0%以下、Cr:3.0〜10.0
    %、V:3.0〜15.0%、および、W:15.0〜
    60.0%、Mo:30.0%以下またはW:60.0
    %以下+Mo:30.0%以下のいずれかを、Weq=
    2Mo+WとするときV%/Weq≧0.2となるよう
    に含有し、残部が実質上Feからなる合金組成を有する
    粉末高速度工具鋼をHIP加工により成形してなる胴を
    もつ熱間圧延用焼結ロール。
  2. 【請求項2】 C:1.2〜4.5%、Si:3.0%
    以下、Mn:3.0%以下、Cr:3.0〜10.0
    %、V:3.0〜15.0%、Co:20.0%以下、
    および、W:15.0〜60.0%、Mo:30.0%
    以下またはW:60.0%以下+Mo:30.0%以下
    のいずれかを、Weq=2Mo+WとするときV%/W
    eq≧0.2となるように含有し、残部が実質上Feか
    らなる合金組成を有する粉末高速度工具鋼をHIP加工
    により成形してなる胴をもつ熱間圧延用焼結ロール。
  3. 【請求項3】 C:1.2〜4.5%、Si:3.0%
    以下、Mn:3.0%以下、Cr:3.0〜10.0
    %、V:3.0〜15.0%、Nb:15.0%以下、
    および、W:15.0〜60.0%、Mo:30.0%
    以下またはW:60.0%以下+Mo:30.0%以下
    を、Weq=2Mo+WとするときV%/Weq≧0.
    2となるように含有し、残部が実質上Feからなる合金
    組成を有する粉末高速度工具鋼をHIP加工により成形
    してなる胴をもつ熱間圧延用焼結ロール。
  4. 【請求項4】 C:1.2〜4.5%、Si:3.0%
    以下、Mn:3.0%以下、Cr:3.0〜10.0
    %、V:3.0〜15.0%、Co:20.0%以下、
    Nb:15.0%以下、および、W:15.0〜60.
    0%、Mo:30.0%以下またはW:60.0%以下
    +Mo:30.0%以下のいずれかを、Weq=2Mo
    +WとするときV%/Weq≧0.2となるように含有
    し、残部が実質上Feからなる合金組成を有する粉末高
    速度工具鋼をHIP加工により成形してなる胴をもつ熱
    間圧延用焼結ロール。
  5. 【請求項5】 Weq+V%+Nb%≧30.0であっ
    て、粉末粒度が150μm以下である粉末高速度工具鋼
    を使用した請求項1〜4のいずれかの焼結ロール。
  6. 【請求項6】 鋼中に存在する炭化物の平均円相当直径
    が1〜10μmの範囲である請求項1ないし4のいずれ
    かの焼結ロール。
  7. 【請求項7】 HIP加工による成形品が、粉末の焼結
    体に拡散接合により接合した溶製金属の芯材を有するも
    のである、請求項1ないし4のいずれかの熱間圧延用焼
    結ロール。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし4に記載の合金組成の粉
    末高速度工具鋼を、炭化物の溶融開始温度(℃で表示)
    ×0.95以上の温度においてHIP加工して熱間圧延
    用ロールまたはその素材の形状に成形し、鋼中の炭化物
    のサイズを平均円相当直径にして1〜10μmの範囲と
    したものに、仕上げ加工を施すことからなる熱間圧延用
    焼結ロールの製造方法。
  9. 【請求項9】 HIP加工に続いてソーキングを行なう
    工程を包合する請求項8の製造方法。
  10. 【請求項10】 HIP加工により得た熱間圧延用ロー
    ルの素材に対し鍛造を行なう工程を包含する請求項8の
    製造方法。
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