JPH06240182A - ブラウン管用導電塗料の製造方法 - Google Patents
ブラウン管用導電塗料の製造方法Info
- Publication number
- JPH06240182A JPH06240182A JP5498193A JP5498193A JPH06240182A JP H06240182 A JPH06240182 A JP H06240182A JP 5498193 A JP5498193 A JP 5498193A JP 5498193 A JP5498193 A JP 5498193A JP H06240182 A JPH06240182 A JP H06240182A
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- JP
- Japan
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- silicon carbide
- cathode ray
- ray tube
- coating
- carbide powder
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 アルカリに対して反応して水素ガスを発生す
ることのないブラウン管用導電塗料を製造する。 【構成】 珪酸塩および分散剤を含むアルカリ性の水中
に、黒鉛と炭化珪素の粒子を懸濁させた塗料を製造する
際に使用する炭化珪素粉末中の遊離Si含有量を0.0
1重量%以下に制限する。
ることのないブラウン管用導電塗料を製造する。 【構成】 珪酸塩および分散剤を含むアルカリ性の水中
に、黒鉛と炭化珪素の粒子を懸濁させた塗料を製造する
際に使用する炭化珪素粉末中の遊離Si含有量を0.0
1重量%以下に制限する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラーブラウン管の
ファネル内壁面に付与する導電性被膜を形成するための
ブラウン管用導電塗料の製造方法に関するものである。
更に、この発明は、塗料の調製時あるいはその後に、障
害となる水素ガスを発生することのない新規な導電塗料
の製造方法に関するものである。
ファネル内壁面に付与する導電性被膜を形成するための
ブラウン管用導電塗料の製造方法に関するものである。
更に、この発明は、塗料の調製時あるいはその後に、障
害となる水素ガスを発生することのない新規な導電塗料
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラーブラウン管のファネル内壁面に
は、高い電圧を印加して電子ビームを加速し、またシャ
ドーマスク等の電極から発生する二次電子を捕集して色
純度の劣化を防止するなどの目的を以て導電性被膜を設
ける。この導電性被膜は、結合剤としての珪酸塩(水ガ
ラス)および懸濁状態を良好に保つための分散剤として
のCMCや界面活性剤などを含む水性液中に、平均粒子
径が約1〜30μm程度の黒鉛粉末を懸濁させた塗料を
塗布し、更に熱処理を行なって形成する。
は、高い電圧を印加して電子ビームを加速し、またシャ
ドーマスク等の電極から発生する二次電子を捕集して色
純度の劣化を防止するなどの目的を以て導電性被膜を設
ける。この導電性被膜は、結合剤としての珪酸塩(水ガ
ラス)および懸濁状態を良好に保つための分散剤として
のCMCや界面活性剤などを含む水性液中に、平均粒子
径が約1〜30μm程度の黒鉛粉末を懸濁させた塗料を
塗布し、更に熱処理を行なって形成する。
【0003】導電性被膜は、剥離することがないよう
に、ブラウン管のファネルの内壁面に強固に付着し、か
つ真空中でガスを放出することがなく、またスパーク電
流を低くするために、被膜の電気抵抗値を所定の範囲内
に保つことが必要である。このような問題点を解決する
ために、特公昭61−20990号公報に開示されてい
るように、黒鉛や珪酸塩の他に炭化珪素を含む導電被膜
を形成する。
に、ブラウン管のファネルの内壁面に強固に付着し、か
つ真空中でガスを放出することがなく、またスパーク電
流を低くするために、被膜の電気抵抗値を所定の範囲内
に保つことが必要である。このような問題点を解決する
ために、特公昭61−20990号公報に開示されてい
るように、黒鉛や珪酸塩の他に炭化珪素を含む導電被膜
を形成する。
【0004】この塗料に用いる炭化珪素粉末としては、
いわゆるアチソン法によって合成したインゴットを粉砕
し、精製したものが使用されている。この製法では、珪
石および珪砂とコークス等を原料とし、アチソン型電気
炉を用いて合成炭化珪素のインゴットを作り、それを粉
砕し、分級によって粒度を調整する。更に、原料に含ま
れあるいは粉砕時に混入するFeやAlなどの不純物を
除去するために、塩酸等で酸洗いを行なって精製する。
その後フィルタプレス等で粉末を回収して乾燥し、更に
凝集した粉末を解砕することによって製造する。このよ
うにして調製した炭化珪素粉末の平均粒子径は通常50
μm以下である。
いわゆるアチソン法によって合成したインゴットを粉砕
し、精製したものが使用されている。この製法では、珪
石および珪砂とコークス等を原料とし、アチソン型電気
炉を用いて合成炭化珪素のインゴットを作り、それを粉
砕し、分級によって粒度を調整する。更に、原料に含ま
れあるいは粉砕時に混入するFeやAlなどの不純物を
除去するために、塩酸等で酸洗いを行なって精製する。
その後フィルタプレス等で粉末を回収して乾燥し、更に
凝集した粉末を解砕することによって製造する。このよ
うにして調製した炭化珪素粉末の平均粒子径は通常50
μm以下である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の炭化珪素粉末を
用いたアルカリ性の導電塗料は、調製後に塗料から長時
間にわたって水素ガスが発生するので、密封容器に保存
する場合にはその点に留意する必要がある。このガス発
生を伴う反応により、塗料の粘度や分散状態が変化する
ので、塗料の管理が繁雑であり、また塗膜に気泡が生じ
て塗布むらが発生することがある。更に、放電電流制御
率(ソフトフラッシュ率)の低下や塗膜剥離の増加など
が生じる懸念がある。このような障害の対策としては、
予め原料を高アルカリの水ガラスと共にボールミル等で
混合してガス出し処理を施すか、あるいは塗料を長時間
放置してガス出しを行なわなければならず、この操作は
製造工程を簡易化するための障害となっている。
用いたアルカリ性の導電塗料は、調製後に塗料から長時
間にわたって水素ガスが発生するので、密封容器に保存
する場合にはその点に留意する必要がある。このガス発
生を伴う反応により、塗料の粘度や分散状態が変化する
ので、塗料の管理が繁雑であり、また塗膜に気泡が生じ
て塗布むらが発生することがある。更に、放電電流制御
率(ソフトフラッシュ率)の低下や塗膜剥離の増加など
が生じる懸念がある。このような障害の対策としては、
予め原料を高アルカリの水ガラスと共にボールミル等で
混合してガス出し処理を施すか、あるいは塗料を長時間
放置してガス出しを行なわなければならず、この操作は
製造工程を簡易化するための障害となっている。
【0006】この発明は、上記のような水素ガスの発生
がなく、ガス出し処理を行なう必要のない良好な導電性
塗料を提供し、また塗料の調製、貯蔵等の管理および塗
布作業を容易にし、更に得られる導電性被膜の品質を向
上させることを目的とするものである。
がなく、ガス出し処理を行なう必要のない良好な導電性
塗料を提供し、また塗料の調製、貯蔵等の管理および塗
布作業を容易にし、更に得られる導電性被膜の品質を向
上させることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明者らはこの種の塗料について鋭意検討を行
なった結果、塗料に使用する炭化珪素粉末に含まれる遊
離Siの量を一定量以下に制限することによって、上記
のような水素ガスの発生を抑制し、従ってガス出しを行
なう必要をなくし、また塗料の粘度や分散状態が変化し
ないので塗料の管理が容易になり、かつ気泡による塗布
むらの発生を防止できることを見出し、本発明を完成し
たものである。
めに、本発明者らはこの種の塗料について鋭意検討を行
なった結果、塗料に使用する炭化珪素粉末に含まれる遊
離Siの量を一定量以下に制限することによって、上記
のような水素ガスの発生を抑制し、従ってガス出しを行
なう必要をなくし、また塗料の粘度や分散状態が変化し
ないので塗料の管理が容易になり、かつ気泡による塗布
むらの発生を防止できることを見出し、本発明を完成し
たものである。
【0008】すなわち、この発明のブラウン管用導電塗
料の製造方法は、珪酸塩および分散剤を含有するアルカ
リ性の水中に、黒鉛と炭化珪素の粒子を懸濁させる方法
において、使用する炭化珪素粉末の遊離Siの含有量を
一定量以下に制限することを特徴とするものである。
料の製造方法は、珪酸塩および分散剤を含有するアルカ
リ性の水中に、黒鉛と炭化珪素の粒子を懸濁させる方法
において、使用する炭化珪素粉末の遊離Siの含有量を
一定量以下に制限することを特徴とするものである。
【0009】本発明においては、炭化珪素中の遊離Si
の含有量を0.01重量%以下に限定することが必要で
ある。炭化珪素粉末中の遊離Siの含有量が0.01重
量%を越えると前記のような各種の障害が発生するので
好ましくない。このような炭化珪素粉末は、前述の従来
の炭化珪素粉末の製造手順にアルカリ洗浄工程を付加す
ることにより得ることができる。アルカリ洗浄は、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、また
はアンモニアなどの水溶液中に炭化珪素粉末を投入し、
所定時間反応させた後に、デカンテーションなど適宜の
方法によってアルカリ反応物と被処理物である炭化珪素
粉末とを分離することによって行なう。
の含有量を0.01重量%以下に限定することが必要で
ある。炭化珪素粉末中の遊離Siの含有量が0.01重
量%を越えると前記のような各種の障害が発生するので
好ましくない。このような炭化珪素粉末は、前述の従来
の炭化珪素粉末の製造手順にアルカリ洗浄工程を付加す
ることにより得ることができる。アルカリ洗浄は、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、また
はアンモニアなどの水溶液中に炭化珪素粉末を投入し、
所定時間反応させた後に、デカンテーションなど適宜の
方法によってアルカリ反応物と被処理物である炭化珪素
粉末とを分離することによって行なう。
【0010】ブラウン管用導電塗料の組成は、固形分と
しての比率で、通常、黒鉛が15〜60重量%、炭化珪
素が5〜55重量%および珪酸塩が30〜50重量%の
範囲である。黒鉛および炭化珪素は被膜の電気抵抗に関
連する。すなわち、黒鉛は電気抵抗を小さくし、炭化珪
素は電気抵抗を大きくする作用を有する。また、炭化珪
素の含有量が少なすぎると被膜強度が低下する。炭化珪
素粉末の粒子は細かいほど塗膜が緻密で表面が滑らかに
仕上がる。一方、炭化珪素粉末が粗い場合には塗膜が粗
になり、塗膜強度が低下するので、平均粒子径は50μ
m以下のものを用い、特に約0.1〜5μmの範囲の粒
子径のものが好ましい。
しての比率で、通常、黒鉛が15〜60重量%、炭化珪
素が5〜55重量%および珪酸塩が30〜50重量%の
範囲である。黒鉛および炭化珪素は被膜の電気抵抗に関
連する。すなわち、黒鉛は電気抵抗を小さくし、炭化珪
素は電気抵抗を大きくする作用を有する。また、炭化珪
素の含有量が少なすぎると被膜強度が低下する。炭化珪
素粉末の粒子は細かいほど塗膜が緻密で表面が滑らかに
仕上がる。一方、炭化珪素粉末が粗い場合には塗膜が粗
になり、塗膜強度が低下するので、平均粒子径は50μ
m以下のものを用い、特に約0.1〜5μmの範囲の粒
子径のものが好ましい。
【0011】珪酸塩は、含有量が少ないと被膜強度が不
十分となり、一方、含有量が多過ぎると、ブラウン管の
使用中にガス放出が増加し問題が生じる。導電塗料の調
製に当たっては、例えば、黒鉛30重量部、炭化珪素3
0重量部、珪酸カリウム40重量部および微量の分散剤
を120〜1,200重量部の脱イオン水に溶解し、あ
るいは懸濁させる。脱イオン水の量は上記の水性懸濁液
を所望の粘度にする量であればよく、また塗布方法に応
じてその量を選択することができる。
十分となり、一方、含有量が多過ぎると、ブラウン管の
使用中にガス放出が増加し問題が生じる。導電塗料の調
製に当たっては、例えば、黒鉛30重量部、炭化珪素3
0重量部、珪酸カリウム40重量部および微量の分散剤
を120〜1,200重量部の脱イオン水に溶解し、あ
るいは懸濁させる。脱イオン水の量は上記の水性懸濁液
を所望の粘度にする量であればよく、また塗布方法に応
じてその量を選択することができる。
【0012】
【作用】合成炭化珪素粉末中の不純物としては、SiO
2、Si、Fe、Al、C等が挙げられる。炭化珪素粉
末を含有するブラウン管用導電塗料から水素ガスが発生
する原因は、主として不純物の遊離Siであると考えら
れる。従来、一般的な炭化珪素粉末中の遊離Siの量は
0.06%程度であり、従って、100gの炭化珪素を
含むアルカリ性スリップは約90mlの水素ガスを発生
する。これに対し、本発明の製造方法のように、遊離S
i量が0.01重量%以下の炭化珪素粉末を用いると、
珪酸塩(水ガラス)を含むアルカリ性媒体を用いて塗料
を調製した場合に、遊離Siの反応が生ずることなく、
従って水素ガスの発生が認められなくなる。
2、Si、Fe、Al、C等が挙げられる。炭化珪素粉
末を含有するブラウン管用導電塗料から水素ガスが発生
する原因は、主として不純物の遊離Siであると考えら
れる。従来、一般的な炭化珪素粉末中の遊離Siの量は
0.06%程度であり、従って、100gの炭化珪素を
含むアルカリ性スリップは約90mlの水素ガスを発生
する。これに対し、本発明の製造方法のように、遊離S
i量が0.01重量%以下の炭化珪素粉末を用いると、
珪酸塩(水ガラス)を含むアルカリ性媒体を用いて塗料
を調製した場合に、遊離Siの反応が生ずることなく、
従って水素ガスの発生が認められなくなる。
【0013】
【実施例】以下に、この発明を実施例により更に説明す
る。従来の製法による炭化珪素粉末と、本発明の方法に
使用するアルカリ洗浄処理を施した炭化珪素粉末とを以
下のようにして調製した。
る。従来の製法による炭化珪素粉末と、本発明の方法に
使用するアルカリ洗浄処理を施した炭化珪素粉末とを以
下のようにして調製した。
【0014】従来法の炭化珪素(試料1)の調製:アチ
ソン法で合成した炭化珪素のインゴットを粉砕した後、
微粉末のみをバッグフィルタで捕集した。捕集した粉末
の平均粒子径は1μmである。捕集した粉末を9%の塩
酸溶液に投入して、温度60℃で30分間撹拌した。こ
れを放置して冷却した後、上澄み液を捨て、酢酸でpH
3.8に調整した水溶液で3回のデカンテーションを行
なった後、濾過し、乾燥した後解砕した。
ソン法で合成した炭化珪素のインゴットを粉砕した後、
微粉末のみをバッグフィルタで捕集した。捕集した粉末
の平均粒子径は1μmである。捕集した粉末を9%の塩
酸溶液に投入して、温度60℃で30分間撹拌した。こ
れを放置して冷却した後、上澄み液を捨て、酢酸でpH
3.8に調整した水溶液で3回のデカンテーションを行
なった後、濾過し、乾燥した後解砕した。
【0015】アルカリ洗浄処理を施した炭化珪素(試料
2)の調製:上記のバッグフィルタで捕集した炭化珪素
粉末を4%の水酸化カリウム水溶液に投入して24時間
撹拌した後、上澄み液を捨て、更に4%の水酸化カリウ
ム水溶液を補充して2回のデカンテーションを行った。
次いで4%の塩酸溶液を加えて、前記試料1と同様に酸
洗い処理を行い、濾過および乾燥後に解砕した。
2)の調製:上記のバッグフィルタで捕集した炭化珪素
粉末を4%の水酸化カリウム水溶液に投入して24時間
撹拌した後、上澄み液を捨て、更に4%の水酸化カリウ
ム水溶液を補充して2回のデカンテーションを行った。
次いで4%の塩酸溶液を加えて、前記試料1と同様に酸
洗い処理を行い、濾過および乾燥後に解砕した。
【0016】アルカリ洗浄処理を施した炭化珪素(試料
3)の調製:前記のバッグフィルタで補集した粉末を4
%の水酸化カリウム水溶液に投入して撹拌しながら昇温
し、10分間煮沸して室温まで冷却した後、上澄み液を
捨て、更に4%の水酸化カリウム水溶液を補充して2回
のデカンテーションを行った。次いで4%の塩酸溶液を
加えて、試料1と同様に酸洗い処理を行い、濾過および
乾燥後に解砕した。得られた各炭化珪素粉末の化学分析
の結果を表1に示す。
3)の調製:前記のバッグフィルタで補集した粉末を4
%の水酸化カリウム水溶液に投入して撹拌しながら昇温
し、10分間煮沸して室温まで冷却した後、上澄み液を
捨て、更に4%の水酸化カリウム水溶液を補充して2回
のデカンテーションを行った。次いで4%の塩酸溶液を
加えて、試料1と同様に酸洗い処理を行い、濾過および
乾燥後に解砕した。得られた各炭化珪素粉末の化学分析
の結果を表1に示す。
【0017】
【表1】 成分 SiC 全Fe 遊離Si 遊離SiO2 試料1 98.3% 0.06% 0.05% 0.8% 試料2 98.4% 0.06% 0.01% 0.7% 試料3 98.6% 0.05% 0.005% 0.5%
【0018】次に、これらの炭化珪素粉末25gと4%
水酸化カリウム水溶液100mlを夫々フラスコに入
れ、10分間煮沸した後、室温まで冷却し、その間に発
生するガス量を測定した。ガス量の測定は、フラスコか
ら放出されるガスを水冷してガラス管でビュレットの上
口に導く。一方、水準瓶からゴム管で導いた水を、ビュ
レットの下口側から入れてビュレットを満たし、ビュレ
ット内の水を押し退けたガスの体積を目盛りで読み取っ
た。ガスの発生量を次の表2に示す。
水酸化カリウム水溶液100mlを夫々フラスコに入
れ、10分間煮沸した後、室温まで冷却し、その間に発
生するガス量を測定した。ガス量の測定は、フラスコか
ら放出されるガスを水冷してガラス管でビュレットの上
口に導く。一方、水準瓶からゴム管で導いた水を、ビュ
レットの下口側から入れてビュレットを満たし、ビュレ
ット内の水を押し退けたガスの体積を目盛りで読み取っ
た。ガスの発生量を次の表2に示す。
【0019】
【表2】 試 料 試料1 試料2 試料3 ガス発生量 80ml 5ml なし
【0020】次に、試料1の炭化珪素粉末を用いて塗料
1を調製し、試料2の炭化珪素粉末を用いて塗料2を調
製し、更に試料3の炭化珪素粉末を用いて塗料3を調製
して、水素ガスの発生および塗膜の表面粗さを比較し
た。
1を調製し、試料2の炭化珪素粉末を用いて塗料2を調
製し、更に試料3の炭化珪素粉末を用いて塗料3を調製
して、水素ガスの発生および塗膜の表面粗さを比較し
た。
【0021】それぞれ、炭化珪素粉末10重量%、黒鉛
粉10重量%、珪酸カリウム(水ガラス)14重量%お
よびCMC5%を脱イオン水に混合し、ボールミルを用
いて分散処理して、上記の塗料1〜3を調製した。各塗
料を別々の容器に入れ、水の入ったU字管を容器の上口
に連結して、容器を密封状態にし、U字管内の水の動き
によってガス発生の有無を評価した。更に、これらの塗
料をガラス板に刷毛塗りし、440℃で30分間焼成し
て塗膜を形成した。塗膜の均一性は塗料2および塗料3
が優れていた。また、同様にガラス板に刷毛塗りと乾燥
を2回繰り返して行い、それらを焼成して、厚さ15μ
mの被膜を形成し、被膜の表面粗さ(Rmax)を測定し
た。上記の試験結果を表3にまとめて示す。
粉10重量%、珪酸カリウム(水ガラス)14重量%お
よびCMC5%を脱イオン水に混合し、ボールミルを用
いて分散処理して、上記の塗料1〜3を調製した。各塗
料を別々の容器に入れ、水の入ったU字管を容器の上口
に連結して、容器を密封状態にし、U字管内の水の動き
によってガス発生の有無を評価した。更に、これらの塗
料をガラス板に刷毛塗りし、440℃で30分間焼成し
て塗膜を形成した。塗膜の均一性は塗料2および塗料3
が優れていた。また、同様にガラス板に刷毛塗りと乾燥
を2回繰り返して行い、それらを焼成して、厚さ15μ
mの被膜を形成し、被膜の表面粗さ(Rmax)を測定し
た。上記の試験結果を表3にまとめて示す。
【0022】
【表3】 項目 ガス発生 塗膜均一性 表面粗さ(Rmax) 塗料1 有り 劣る 10μm 塗料2 無し 良好 7μm 塗料3 無し 良好 6μm
【0023】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明の方法
によって調製した導電性塗料は、使用する炭化珪素粉末
中にアルカリと反応する不純物を含まないので、塗料調
製後に水素ガスを発生することがなく、取扱いが安全で
あり、かつ良好な品質の塗膜を能率よく形成することが
可能である。
によって調製した導電性塗料は、使用する炭化珪素粉末
中にアルカリと反応する不純物を含まないので、塗料調
製後に水素ガスを発生することがなく、取扱いが安全で
あり、かつ良好な品質の塗膜を能率よく形成することが
可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川瀬 豊 愛知県稲沢市大矢町茨島30番地 ソニー稲 沢株式会社内 (72)発明者 市原 香二 愛知県稲沢市大矢町茨島30番地 ソニー稲 沢株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 珪酸塩および分散剤を含有するアルカリ
性の水中に、黒鉛と炭化珪素の粒子を懸濁させたブラウ
ン管用導電塗料の製造方法において、使用する炭化珪素
粉末の遊離Siの含有量を0.01重量%以下に制限す
ることを特徴とするブラウン管用導電塗料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05498193A JP3155853B2 (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | ブラウン管用導電塗料、カラーブラウン管およびカラー受像機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05498193A JP3155853B2 (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | ブラウン管用導電塗料、カラーブラウン管およびカラー受像機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06240182A true JPH06240182A (ja) | 1994-08-30 |
JP3155853B2 JP3155853B2 (ja) | 2001-04-16 |
Family
ID=12985831
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05498193A Expired - Fee Related JP3155853B2 (ja) | 1993-02-19 | 1993-02-19 | ブラウン管用導電塗料、カラーブラウン管およびカラー受像機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3155853B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5575953A (en) * | 1994-04-06 | 1996-11-19 | Hitachi Powdered Metals Co., Ltd. | Coating compositions for the inner wall of cathode-ray tube |
KR970008296A (ko) * | 1995-07-28 | 1997-02-24 | 구자홍 | 음극선관 도전성 피막액 |
-
1993
- 1993-02-19 JP JP05498193A patent/JP3155853B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5575953A (en) * | 1994-04-06 | 1996-11-19 | Hitachi Powdered Metals Co., Ltd. | Coating compositions for the inner wall of cathode-ray tube |
KR970008296A (ko) * | 1995-07-28 | 1997-02-24 | 구자홍 | 음극선관 도전성 피막액 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3155853B2 (ja) | 2001-04-16 |
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