JPH06239745A - 乾癬治療剤 - Google Patents

乾癬治療剤

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JPH06239745A
JPH06239745A JP32385393A JP32385393A JPH06239745A JP H06239745 A JPH06239745 A JP H06239745A JP 32385393 A JP32385393 A JP 32385393A JP 32385393 A JP32385393 A JP 32385393A JP H06239745 A JPH06239745 A JP H06239745A
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JP
Japan
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psoriasis
therapeutic agent
cyclohexyl
active ingredient
bond
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JP32385393A
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English (en)
Inventor
Ichiro Kurokawa
一郎 黒川
Toshiki Kitazawa
利記 北澤
Yoshio Kawamura
芳雄 河村
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 新規な乾癬治療剤を提供する。 【構成】 下記式 [式中Aは低級アルキレン基、Rはシクロアルキル基、
カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は1重結合ま
たは2重結合を示す]で示されるカルボスチリル誘導体
またはその塩、ことに6−[4−(1−シクロヘキシル
−1,2,3,4−テトラゾール−5−イル)ブトキ
シ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩を
有効成分とする乾癬治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乾癬治療剤、さらに詳し
くは、一般式(1)
【化2】 [式中、Aは低級アルキレン基、Rはシクロアルキル
基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は1重結
合または2重結合を示す]で示されるカルボスチリル誘
導体またはその塩、好ましくは、6−[4−(1−シクロ
ヘキシル−1,2,3,4−テトラゾール−5−イル)ブト
キシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩を
有効成分とする乾癬治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】上記
一般式(1)で示されるカルボスチリル誘導体およびその
製法は、特公昭63−20235号公報に記載されてお
り、それらが血小板凝集抑制剤として有用であることも
知られている。乾癬は、遺伝的要因のほか、環境等の多
様な因子が影響して発症すると考えられており、そのた
めその治療にもステロイド剤、非ステロイド系消炎剤、
ビタミン剤など多種の薬物が試みられ、若干の効果が認
められているが、なお効果が不充分であったり、副作用
の問題があって満足しうるものがないのが現状である。
例えば、ステロイド剤等が外用または経口投与で用いら
れているが、なお副作用の面で長期連用に問題があり、
またビタミンA酸の内服は妊婦では催奇形性の問題があ
り、子供には病的骨折等の副作用が生じる。さらにパパ
ベリンも乾癬に効果があることが知られているが、な
お、効果および副作用の両面で問題がある。したがっ
て、さらに優れた乾癬治療剤の開発が望まれている。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々研究
を重ねるうちに、前記一般式(1)で示されるカルボスチ
リル誘導体、なかんずく、6−[4−(1−シクロヘキシ
ル−1,2,3,4−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]
−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩がすぐ
れた乾癬抑制作用を示し、乾癬治療剤として有用である
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、前記一般式(1)で示されるカルボスチリ
ル誘導体、なかんずく、6−[4−(1−シクロヘキシル
−1,2,3,4−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−
3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩を有効成
分とする乾癬治療剤を提供するものであり、この薬剤
は、従来の乾癬治療剤よりも優れ、例えばステロイド剤
では効果がない乾癬にも有効であって、尋常性乾癬、滴
状乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、関節性乾癬など種
々の乾癬症に有効で、かつ副作用も少ないため、乾癬治
療剤としてきわめて有用である。
【0004】前記一般式(1)における低級アルキレン基
としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラ
メチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、2−メチ
ル−トリメチレンなどの炭素数1〜6のアルキレン基が
挙げられ、とくにテトラメチレンが好ましい。シクロア
ルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シ
クロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シク
ロオクチルなどの炭素数3〜8のシクロアルキル基が挙
げられ、とくにシクロヘキシルが好ましい。
【0005】本発明の乾癬治療剤は、前記一般式(1)で
示されるカルボスチリル誘導体またはその塩を一般的な
医薬製剤の形態に調製される。そのような製剤は通常使
用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表
面活性剤、滑沢剤などの希釈剤あるいは賦形剤を用いて
調製される。この医薬製剤としては各種の形態が治療目
的に応じて選択でき、その代表的なものとして錠剤、丸
剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、
坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)など、また吸入剤、外用
エアゾル剤など噴霧剤、さらに、液状塗布剤、ローショ
ン剤、リニメント剤、軟膏剤、クリーム剤、パップ剤等
の外用剤などが挙げられるが、本発明の活性化合物は内
服によって優れた効果を示すため、とくに経口投与形態
とするのが好ましい。
【0006】錠剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプ
ン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ
酸などの賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シ
ロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カル
ボキシメチルセルロース、セラミック、メチルセルロー
ス、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドンなどの結合
剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン
末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウ
ム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、
ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリ
ド、デンプン、乳糖などの崩壊剤、白糖、ステアリン、
カオバター、水素添加油などの崩壊抑制剤、第四級アン
モニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウムなどの吸収促進
剤、グリセリン、デンプンなどの保湿剤、デンプン、乳
糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸などの
吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホン酸末、ポリ
エチレングリコールなどの滑沢剤などが例示できる。さ
らに錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば
糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フイルムコーティ
ング剤あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
【0007】丸剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例え
ば、ブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物
油、カオリン、タルクなどの賦形剤、アラビアゴム末、
トラガント末、ゼラチン、エタノールなどの結合剤、ラ
ミナラン、カンテンなどの崩壊剤などが例示できる。坐
剤の形態に成形するに際しては、担体として従来公知の
ものを広く使用でき、例えばポリエチレングリコール、
カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル
類、ゼラチン、半合成グリセライドなどを挙げることが
できる。
【0008】注射剤として調製される場合には、液剤、
乳剤および懸濁剤の形態に調製され、通常滅菌処理され
るとともに血液と等張にするのが好ましい。これら液
剤、乳剤および懸濁剤の形態に成形するのに際しては、
希釈剤としてこの分野において慣用されているものをす
べて使用でき、例えば水、エチルアルコール、プロピレ
ングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、
ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル類などを挙げることが
できる。なお、血液と等張にするために、等張性の溶液
を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセ
リンを含有させる。また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無
痛化剤などを、更に必要に応じて着色剤、保存剤、香
料、風味剤、甘味剤などや他の医薬品を該治療剤中に含
有せしめてもよい。
【0009】噴霧剤の形態にする際には、分散剤および
噴射剤としてこの分野で公知のものを広く使用でき、分
散剤としては例えば大豆レシチン、卵黄レシチン等のレ
シチン類、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂
肪酸、ソルビタントリオレート、ソルビタンモノオレー
ト等のソルビタン類等が例示できる。また噴射剤として
例えばフレオン11、フレオン12、フレオン114等
の通常の不燃性液化ガス等が例示できる。
【0010】軟膏剤として用いる場合は、親油性基剤を
用いて調製され、用いられる親油性基剤としては以下の
ものが挙げられる。液体パラフィン、鉱油、白色ワセリ
ン、黄色ワセリン、ワセリンゼリー、パラフィン(ハー
ドパラフィン、パラフィンワックス)、微結晶性ワック
ス、ポリエチレン、スクワラン、スクワレン等の炭化水
素類;ジメチルポリシロキサン、ポリジメシルシロキサ
ン等のシリコン類;ミリスチルアルコール、ラウリルア
ルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、
セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アネ
トール、シトロネロール、オイゲノール等の高級アルコ
ール類;ラノリン、液状ラノリン、ラノリンワックス、
イソプロピルラノリン、アセチル化ラノリン、ラノリン
アルコール、コレステロール等のステロール類もしくは
ステロールエステル類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸
類;カルナウバロウ、ミツロウ、鯨ロウ、ポリエチレン
グリコールエステル、エチレングリコールエステル、グ
リセリンモノエステル、ソルビトールエステル、ソルビ
タンエステル、イソプロピルミリステイト、イソプロピ
ルパルミテイト、イソプロピルアジペイト等のエステル
類;アーモンド油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ
油、大豆油、ピーナッツ油、ヤシ油、分画ヤシ油、ゴマ
油等の植物油などが挙げられる。これらの基剤は単独で
使用してもよいし、2種以上混合して使用してもよい。
本発明の乾癬治療剤には、慣用の添加剤、例えば金属石
鹸、動物または植物抽出物、ビタミン剤、ホルモン剤、
アミノ酸等の薬効剤、界面活性剤、色素、染料、顔料、
香料、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、酸化防止剤、保
存剤、吸収促進剤、金属イオン封鎖剤、pH調整剤等を
必要に応じて適宜配合することができる。
【0011】本発明の乾癬治療剤中に含有されるべきカ
ルボスチリル誘導体(I)またはその塩の量はとくに限定
されず広範囲に選択されるが、経口剤、注射剤、噴霧剤
などでは通常、全組成物中0.01〜70重量%、好ま
しくは1〜50重量%であり、外用剤として用いる場合
は、通常、全組成物中0.001〜10重量%、好まし
くは0.1〜2重量%程度である。本発明の乾癬治療剤
の投与方法にはとくに制限はなく、各種製剤形態、患者
の年令、性別その他の条件、疾患の程度などに応じた方
法で投与される。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳
剤、顆粒剤およびカプセル剤の場合には経口投与され
る。また注射剤の場合には単独であるいはブドウ糖、ア
ミノ酸などの通常の補液と混合して静脈内投与され、さ
らには必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは
腹腔内投与される。坐剤の場合には直腸内投与される。
また、噴霧剤は口腔内または鼻腔内に噴霧して投与され
る。
【0012】本発明の乾癬治療剤の投与量は用法、患者
の年令、性別その他の条件、疾患の程度などにより適宜
選択されるが、通常カルボスチリル誘導体(I)またはそ
の塩の量の1日当り体重1kg当り0.6〜50mgとする
のがよい。また、投与単位形態中に有効成分を10〜1
000mg含有せしめるのがよい。本発明の乾癬治療剤を
外用形態で用いる場合は、これを患部全体に充分に行き
わたる量で1日1〜複数回、該患部に散布、塗布等によ
り適用することができる。
【0013】
【実施例】つぎに製剤例および薬理実験例を挙げて本発
明の乾癬治療剤をさらに具体的に説明する。
【0014】製剤例1 6−[4−(1−シクロヘキシル−1,2,3,4− テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4− ジヒドロカルボスチリル 150g アビセル(商品名,旭化成(株)製) 40g コーンスターチ 30g ステアリン酸マグネシウム 2g ヒドロキシプロピルメチルセルロース 10g ポリエチレングリコール−6000 3g ヒマシ油 40g メタノール 40g 本発明の活性化合物、アビセル、コーンスターチおよび
ステアリン酸マグネシウムを混合研磨後、糖衣R10mm
のキネで打錠する。得られた錠剤をヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ポリエチレングリコール−600
0、ヒマシ油およびメタノールからなるフイルムコーテ
ィング剤で被覆を行いフイルムコーティング錠を製造す
る。
【0015】製剤例2 6−[4−(1−シクロヘキシル−1,2,3,4− テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4− ジヒドロカルボスチリル 150g クエン酸 1.0g ラクトース 33.5g リン酸二カルシウム 70.0g プルロニックF−68 30.0g ラウリル硫酸ナトリウム 15.0g ポリビニルピロリドン 15.0g ポリエチレングリコール (カルボワックス1500) 4.5g ポリエチレングリコール (カルボワックス6000) 45.0g コーンスターチ 30.0g 乾燥ラウリル硫酸ナトリウム 3.0g 乾燥ステアリン酸マグネシウム 3.0g エタノール 適 量 本発明の活性化合物、クエン酸、ラクトース、リン酸二
カルシウム、プルロニックF−68およびラウリル硫酸
ナトリウムを混合する。上記混合物をNo.60スクリ
ーンでふるい、ポリビニルピロリドン、カルボワックス
1500および6000を含むアルコール性溶液で湿式
粒状化する。必要に応じてアルコールを添加して粉末を
ペースト状塊にする。コーンスターチを添加し、均一な
粒子が形成されるまで混合を続ける。No.10スクリ
ーンを通過させ、トレイに入れ100℃のオープンで1
2〜14時間乾燥する。乾燥粒子をNo.16スクリー
ンでふるい、乾燥ラウリル硫酸ナトリウムおよび乾燥ス
テアリン酸マグネシウムを加え混合し、打錠機で所望の
形状に圧縮する。上記の芯部をワニスで処理し、タルク
を散布し湿気の吸収を防止する。芯部の周囲に下塗り層
を被覆する。内服用のために十分な回数のワニス被覆を
行う。錠剤を完全に丸くかつ滑らかにするためにさらに
下塗層および平滑被覆が適用される。所望の色合が得ら
れるまで着色被覆を行う。乾燥後、被覆錠剤を磨いて均
一な光沢の錠剤にする。
【0016】製剤例3 6−[4−(1−シクロヘキシル−1,2,3,4− テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4− ジヒドロカルボスチリル 5g ポリエチレングリコール (分子量:4000) 0.3g 塩化ナトリウム 0.9g ポリオキシエチレンソルビタン モノオレエート 0.4g メタ重亜硫酸ナトリウム 0.1g メチル−パラベン 0.18g プロピル−パラベン 0.02g 注射用蒸留水 10.0ml 上記パラベン類、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび塩化ナ
トリウムを撹拌しながら80℃で上記の約半量の蒸留水
に溶解する。得られた溶液を40℃まで冷却し、本発明
の活性化合物、つぎにポリエチレングリコールおよびポ
リオキシエチレンソルビタンモノオレエートをその溶液
中に溶解した。次にその溶液に注射用蒸留水を加えて最
終の容量に調製し、適当なフィルターペーパーを用いて
滅菌濾過することにより滅菌して、注射剤を調製する。
【0017】製剤例4 6−[4−(1−シクロヘキシル−1,2,3,4− テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4− ジヒドロカルボスチリル 0.5% 豚脂 21.0% サラシミツロウ 7.0% 親油性モノステアリン酸グリセリン 2.0% 白色ワセリン 残分 合計 100.0% 上記成分を常法により混練して軟膏剤を調製する。
【0018】薬理試験1 シロスタゾール[6−[4−(1−シクロヘキシル−1,
2,3,4−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4
−ジヒドロカルボスチリルの一般名]のマウス耳介浮
腫、表皮肥厚に対する作用:乾癬の動物実験モデルとし
て12−o−テトラデカノイルホルボール−13−アセ
テート(以下、TPAという)を用い(Maibach & Lowe,
Models in Dermatology, vol. 1, 51−58頁, Ka
rger, Basel, 1985を参照)、7週令のICR系マ
ウスの耳介にTAP(アセトン溶液)4μg/earを塗布
し、その30分後にシロスタゾール(アセトン溶液)を
0.2mg/ear投与した。なお、陽性対象として桔草酸ベ
タメサゾン(ステロイド)を用いた。TPA投与4時間後
から24時間後まで、経時的に耳介厚をダイアルシック
ネスゲージを用いて測定した。TPA塗布4日後に耳介
を摘出し、ホルマリン固定後、病理組織標本を作製して
(HE染色)、標本上で表皮の厚さを測定した。それらの
結果を図1および図2に示し、図1に耳介厚に対するシ
ロスタゾールの作用を、図2に表皮厚に対する作用を示
した。シロスタゾール投与により、TPA塗布後24時
間目で有意(p<0.05)に耳介の浮腫を抑制した(抑制
率:約65%)。桔草酸ベタメサゾンはいずれの時間に
おいても有意に浮腫を抑制した。また、シロスタゾール
は表皮の肥厚を約45%抑制した。また、鏡検の所見で
は、シロスタゾール投与群における好中球の真皮内浸潤
はコントロール群に比べ著明に抑制されている。
【0019】薬理試験2 シロスタゾールのヒト正常表皮細胞の増殖に対する作
用:ヒト正常表皮細胞をMCDB−153培地中で1日
培養後、シロスタゾールを1〜10μMになるよう添加
した。表皮細胞の増殖促進因子として、2×10-7Mイ
ンスリン、0.5μg/mlのヒドロコーチゾン、10-4
エタノールアミンを添加した。さらにシロスタゾールの
作用はウシ視床下部抽出液(BHE:増殖促進因子)添加
および無添加条件で検討した。シロスタゾール添加5日
後に細胞数を測定した。その結果を図3に示す。BHE
添加、無添加のいずれの条件においても、シロスタゾー
ルは濃度依存的にヒト表皮細胞の増殖を抑制した。
【0020】薬理試験3 シロスタゾールの尋常性乾癬に対する臨床試験 (1)症例1 患者は全身の掻痒性皮疹を訴える72歳の男性で、数十
年前より全身に落屑性皮疹をみとめ、ステロイド剤を外
用していたが、皮疹が増悪して来ており、また下腿に境
界明瞭な落屑性紅斑をみとめた。この患者にシロスタゾ
ール製剤を100mg/日内服させたところ、3か月後
には皮疹はほぼ消退した。 (2)症例2 患者は頭部の掻痒性皮疹を訴える53歳の女性で約5年
前より、頭皮に落屑性の皮疹をみとめ、ステロイド剤を
外用していたが、皮疹が増悪して来ており、その頭皮に
落屑性紅斑をみとめた。この患者にシロスタゾール製剤
を100mg/日内服させたところ、2か月後にはその
皮疹が軽快した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明化合物の耳介浮腫に対する効果、とく
に耳介厚に対する作用を示すグラフである。
【図2】 本発明化合物の耳介浮腫に対する効果、とく
に耳介表皮厚に対する作用を示すグラフである。
【図3】 本発明化合物の表皮細胞の増殖に及ぼす影響
を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 [式中Aは低級アルキレン基、Rはシクロアルキル基、
    カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は1重結合ま
    たは2重結合を示す]で示されるカルボスチリル誘導体
    またはその塩を有効成分とする乾癬治療剤。
  2. 【請求項2】 有効成分が6−[4−(1−シクロヘキシ
    ル−1,2,3,4−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]
    −3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩である
    請求項1に記載の薬剤。
JP32385393A 1992-12-24 1993-12-22 乾癬治療剤 Pending JPH06239745A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006518732A (ja) * 2003-02-25 2006-08-17 大塚製薬株式会社 PTEN阻害剤またはMaxi−Kチャンネルオープナー

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006518732A (ja) * 2003-02-25 2006-08-17 大塚製薬株式会社 PTEN阻害剤またはMaxi−Kチャンネルオープナー

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