JPH06238828A

JPH06238828A - 化粧シートの製造方法

Info

Publication number: JPH06238828A
Application number: JP5026580A
Authority: JP
Inventors: Yoshiaki Aota; 良明青田; Hiroshi Matsubara; 弘松原; Akiyoshi Tsukimori; 明美月森
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1993-02-16
Filing date: 1993-02-16
Publication date: 1994-08-30

Abstract

(57)【要約】【目的】絵柄印刷層の絵柄模様と、絵柄印刷層上に形
成されるべきエンボスフィルムの凹凸模様とを正確にマ
ッチングさせた化粧シートの製造方法を提供する。【構成】この化粧シートは、透明樹脂フィルム２と転
写フィルム４とを、熱プレス盤１２a,１２bと賦形型６
と金属板８とを備えた製造装置にバッチ作業で搬入し、
両フィルム２,４を相互に熱圧着させた後、圧着させた
状態でこれを冷却することにより形成される。この転写
フィルム４は、熱膨張係数の小さいポリエステル材料か
らなる離型フィルム４aと、これに積層された絵柄層４
b,４cとから形成されており、加熱圧着作業は、絵柄層
４b,４cと透明樹脂フィルム２とが離型フィルム４aに対
して位置決めされた状態で行なわれるため、透明樹脂フ
ィルム２に形成されるエンボス凹凸模様と、絵柄層４b,
４cの絵柄との位置ずれを最小限度に抑えることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、化粧シートの製造方法
に関し、詳しくは、包装紙、包装袋、壁紙、包装箱、建
材や家具等、種々の分野に利用できる化粧シートの製造
方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、所望の装飾パターンに対応し
て形成された絵柄印刷層を有してなる基材フィルムに透
明樹脂を塗布して透明樹脂層を形成した後、賦形型を用
いてこの透明樹脂層の表面にエンボス凹凸模様を形成し
てなる化粧シートの製造方法が知られている。この製造
方法によれば、絵柄印刷層形成工程と賦形工程とは独立
した別工程として行なわれ、絵柄印刷層が有する絵柄
と、透明樹脂層が有する凹凸模様との位置合わせは行な
われていなかった。この位置合わせは、技術的には、絵
柄印刷層形成工程と賦形工程とをインラインさせること
により行うことが可能であるが、仮に、両フィルムの位
置合わせを、予め、タイミングを取りながら正確に行え
たとしても、その賦型工程等における加工熱の影響を受
けて基材フィルム及び透明樹脂層が伸縮するため、絵柄
印刷層の絵柄模様と、透明樹脂層のエンボス凹凸模様と
の間に位置ずれが生じ、これによって、両模様が正確に
マッチングした化粧シートを製造することが極めて困難
であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の解決
すべき技術的課題は、絵柄印刷層の絵柄模様と、該絵柄
印刷層上に形成される透明樹脂層のエンボス凹凸模様と
が正確にマッチングした化粧シートの製造方法を提供す
ることである。

【０００４】

【課題を解決するための手段・作用・効果】上記技術的
課題を解決するために、本発明によれば、以下の化粧シ
ートの製造方法が提供される。

【０００５】すなわち、この化粧シートは、賦形型と透
明樹脂フィルムと転写フィルムであって、透明樹脂フィ
ルム側にエンボス凹凸面を備えた賦形型と、透明樹脂フ
ィルムと、離型フィルムと該離型フィルムの透明樹脂フ
ィルム側の面に積層された絵柄層とからなる転写フィル
ムとを、この順序で、熱プレス盤の間に配して熱圧着さ
せて転写フィルムの絵柄層を透明樹脂フィルムに熱転写
すると同時に、上記賦形型により透明樹脂フィルムの賦
形型側の面に賦形を施し、次いで、転写フィルムの絵柄
層から離型フィルムを剥離することによって、表面にエ
ンボス凹凸面を備えた透明樹脂フィルムと、該透明樹脂
フィルムの反エンボス凹凸面側に積層された絵柄層とか
らなる化粧シートが形成される。

【０００６】そして、この転写フィルムの絵柄層の絵柄
模様が賦形型の賦形パターンと同調するように、転写フ
ィルムは賦形型に対して位置決めされる。

【０００７】この製造方法において、転写フィルムが有
する絵柄層は、賦形型が有する装飾パターンに対応した
寸法構成の絵柄が印刷されており、透明樹脂フィルムと
転写フィルムとを賦形型と熱プレス盤との間に搬入する
毎に、透明樹脂フィルムに対して、賦形型のエンボス凹
凸面と、転写フィルムの絵柄層の絵柄模様との位置合わ
せが新たに行われることになる。このようなバッチ方式
を採用することにより、インライン方式における如く熱
伸縮誤差が一続きのフィルムに順次蓄積されないため、
絵柄層の絵柄模様と、透明樹脂フィルムに形成されたエ
ンボス凹凸模様とを正確にかつ各製品を通して均一な精
度でマッチングさせた化粧シートが提供される。

【０００８】上記製造方法において、上記離型フィルム
には、熱による伸縮が極めて小さい材料、たとえば、ポ
リエステルフィルム等が好適に使用される。これによ
り、上記絵柄層の絵柄模様と、透明樹脂フィルムのエン
ボス凹凸模様との上記マッチングをより確実に行うこと
ができる。

【０００９】

【実施例】以下に、本発明の一実施例を図１,２に従っ
て詳細に説明する。

【００１０】図１は、本実施例に係る化粧シートの製造
方法を説明図的に示したものである。図に示すように、
この製造方法に使用される製造装置は、熱プレス盤１２
a,１２bと、賦形型６と、化粧シートの片面を保持する
ための金属板８とを有しており、さらに、賦形型６と熱
プレス盤１２aとの間、及び、金属板８と熱プレス盤１
２bとの間には、夫々、一対のクッション材１０a,１０b
が配置されており、これによって各部材間における圧力
ムラを吸収するようにしている。

【００１１】このように構成された製造装置の賦形型６
と金属板８との間には、製造されるべき化粧シートの構
成材料となる透明樹脂フィルム２と転写フィルム４と
が、賦形型６側に透明樹脂フィルム２が配置されるよう
に搬入される。

【００１２】上記透明樹脂フィルム２には、膜厚が５０
〜２５０μのポリ塩化ビニル樹脂フィルムが使用される
一方、上記転写フィルム４には、図に示すように、離型
フィルム４aとして使用される厚さ１０〜５０μのポリ
エステルフィルムに、不透明な塩化ビニル系インキを塗
布してなる不透明インキ層４bを形成し、さらに、該不
透明インキ層４bに、所望の装飾模様に対応した絵柄印
刷層４cを積層したものが使用される。

【００１３】上記賦形型６は、この絵柄印刷層４cの装
飾模様に対応するように設けられた凸部６aを透明樹脂
フィルム２側に備えており、賦形型６と転写フィルム４
は、凸部６aと絵柄印刷層４cの絵柄模様が正確に対応・
同調するように製造装置内に配置される。

【００１４】本件に係る化粧シートにより、例えば、天
然木材が有するような木目を表現したい場合には、上記
凸部６aは、木目の導管部に対応する位置に設けられ
る。そして、その木目の背景部をライトブラウン系の着
色剤を使用した不透明インキ層４bで、また、その木目
が有する導管部をダークブラウン系の着色剤を使用した
絵柄印刷層４cにより表現することができる。なお、図
中、破線により、賦形型６の凸部６aと、絵柄印刷層４c
が有する絵柄との対応関係を示している。

【００１５】本件の化粧シートは、その構成材料である
上記透明樹脂フィルム２と転写フィルム４とから、以下
のような製造ステップを経て形成される。

【００１６】すなわち、先ず、図１に示すように、透明
樹脂フィルム２と転写フィルム４とを製造装置内に搬入
する。この製造準備段階において、熱プレス盤１２a,１
２bは約１３０°Ｃに加熱されている。

【００１７】次いで、熱プレス盤１２a,１２bをプレス
方向、つまり、相対的に近接する方向に移動させ、クッ
ション材１０a,１０b、賦形型６、金属板８、透明樹脂
フィルム２、転写フィルム４を、圧力約５０Ｋg／cm²で
相互に圧接する。

【００１８】このような状態で、透明樹脂フィルム２と
転写フィルム４とを、賦形型６と金属板８との間で所定
時間保持することによって、一方の熱プレス盤１２aの
熱はクッション材１０a、及び賦形型６を通して透明樹
脂フィルム２に伝えられる一方、他方の熱プレス盤１２
bの熱はクッション材１０b、金属板８を通して転写フィ
ルム４に伝えられる。これにより、透明樹脂フィルム２
と転写フィルム４とが軟化・熱圧着して転写フィルム４
の絵柄印刷層４cが透明樹脂フィルム２に熱転写され、
同時に、透明樹脂フィルム２の賦形型６側の面に賦形型
６の凸部６aによる賦形が行なわれて化粧シートが形成
される。

【００１９】次いで、熱プレス盤１２a,１２bの圧力を
解放してこの製造装置から化粧シートを取り外した後、
離型フィルム４aを不透明インキ層４bから剥離して完成
品を得る。図２は、このようにして製造された化粧シー
トの断面を説明図的に示している。

【００２０】図において、２'は上記透明樹脂フィルム
２から形成されたエンボスフィルムを、２'aは上記賦形
型６の凸部６aによって賦形・形成されたエンボス凹部
を、そして、破線はエンボス凹部２'aと絵柄印刷層４c
の絵柄との対応関係を夫々示している。上記製造方法に
よれば、この化粧シートは、予め準備された２枚のフィ
ルムをバッチ作業により熱圧着させたときに、一方のフ
ィルムが有する絵柄を他方のフィルムに転写しかつ絵柄
を備えていないフィルムの面に賦形を施してなるもので
あり、実質的に、各バッチ作業毎に、上記一方のフィル
ムが有する絵柄模様と、賦形型のエンボス凹凸模様との
位置合わせが行なわれるため、図に示す如く、両模様を
正確に同調させた化粧シートが製造される。

【００２１】上記の如く、本化粧シートが天然木目を表
現している場合には、その導管部は、不透明樹脂層４b
が有する上記ライトブラウン系の色調を背景とする、絵
柄印刷層４cが有する上記ダークブラウン系のカラーに
加えて、エンボスフィルム２'に形成されたエンボス凹
部２'aによってさらに暗く見えるため、天然木材の木目
と同様の立体感を表現できる。

【００２２】なお、表現しようとする装飾絵柄模様の色
彩に対応して、エンボスフィルム２'のエンボス凹部２'
aに所望の色インキをワイピングした後、さらに、エン
ボスフィルム２'の表面全面にトップコート層を設けて
も良く、これによって、さらに意匠的効果の優れた化粧
シートを形成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る化粧シートの製造方
法を示す図である。

【図２】図１の製造方法により製造された化粧シート
の断面を示す説明図である。

【符号の説明】

２透明樹脂フィルム２' エンボスフィルム２'a エンボス凹部４転写フィルム４a 離型フィルム４b 不透明インキ層４c 絵柄印刷層６賦形型６a 凸部８金属板１０a,１０b クッション材１２a,１２b 熱プレス盤

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】賦形型(６)と透明樹脂フィルム(２)と転
写フィルム(４)であって、透明樹脂フィルム(２)側にエ
ンボス凹凸面を備えた賦形型(６)と、透明樹脂フィルム
(２)と、離型フィルム(４a)と該離型フィルム(４a)の透
明樹脂フィルム(２)側の面に積層された絵柄層(４b,４
c)とからなる転写フィルム(４)とを、この順序で、熱プ
レス盤(１２a,１２b)の間に配して熱圧着させて転写フ
ィルム(４)の絵柄層(４b,４c)を透明樹脂フィルム(２)
に熱転写すると同時に、上記賦形型(６)により透明樹脂
フィルム(２)の賦形型(６)側の面に賦形を施し、次い
で、転写フィルム(４)の絵柄層(４b)から離型フィルム
(４a)を剥離することによって、表面にエンボス凹凸面
(２'a)を備えた透明樹脂フィルム(２')と、該フィルム
(２')の反エンボス凹凸面側に積層された絵柄層(４b,４
c)とからなる化粧シートを形成するための製造方法であ
って、転写フィルム(４)の絵柄層(４b,４c)の絵柄模様が賦形
型(６)の賦形パターンと同調するように、転写フィルム
(４)は賦形型(６)に対して位置決めされたことを特徴と
する化粧シートの製造方法。