JPH06238285A - フッ素含有水の処理方法 - Google Patents

フッ素含有水の処理方法

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JPH06238285A
JPH06238285A JP2669793A JP2669793A JPH06238285A JP H06238285 A JPH06238285 A JP H06238285A JP 2669793 A JP2669793 A JP 2669793A JP 2669793 A JP2669793 A JP 2669793A JP H06238285 A JPH06238285 A JP H06238285A
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JP
Japan
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fluorine
water
contact layer
tower
containing water
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JP2669793A
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English (en)
Inventor
Shin Sato
伸 佐藤
Tadashi Takadoi
忠 高土居
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Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 フッ素含有水を炭酸カルシウム充填塔に通水
して含有されるフッ素をフッ化カルシウムとして除去、
回収する方法において、1塔の充填塔のみで、簡単な操
作により、フッ素濃度が放流可能な低濃度にまで低減さ
れた高水質処理水を安定かつ効率的に得ると共に、再利
用可能な高純度フッ化カルシウムを効率的に回収する。 【構成】 フッ素含有水を、内部に炭酸カルシウム粒子
を含む接触層が形成された処理塔4に通水して処理する
にあたり、処理塔として、内部が通水可能な支持板5で
上下方向に区画されることにより、複数段の接触層6が
形成された縦型処理塔を用い、該処理塔にフッ素含有水
を上向流にて通水する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフッ素含有水の処理方法
に係り、特に、フッ素含有水を炭酸カルシウム充填層に
通水してフッ素をフッ化カルシウムとして除去・回収す
る方法において、処理水水質の向上及び安定化を図ると
共に、高純度フッ化カルシウムの回収を可能とするフッ
素含有水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造分野やその関連分野、各種金
属材料、単結晶材料、光学系材料等の表面処理分野、或
いは、排煙ガス吸収装置などからは、フッ素を含む廃水
が排出される。
【0003】特に、半導体製造分野では、フッ化水素
(HF)或いはフッ化水素及びフッ化アンモニウム(N
4 F)を主成分とするエッチング剤が使用され、フッ
素を含む廃水が排出される。
【0004】即ち、フッ化水素を主成分とするエッチン
グ剤は、フッ素をHFとして0.9%程度含むエッチン
グ剤であって、大量に使用される。一方、フッ化水素及
びフッ化アンモニウムを含むエッチング剤(バッファー
ドフッ酸)は、その使用量は少ないものの、フッ素をH
Fとして7%程度含有するものであり、廃水系統へ移行
した際問題となる。即ち、廃水系統へは、これらのエッ
チング剤がそのまま流出し、高濃度フッ素含有廃液とな
る。
【0005】一方、エッチング途中や終了時にはこれら
のエッチング剤で処理された材料を大量の洗浄水で洗浄
するため、その洗浄工程からは、大量の低濃度フッ素含
有廃液が排出される。
【0006】従来、これらの高濃度フッ素含有廃液及び
低濃度フッ素含有廃液は、混合されて一括処理される
か、或いは、分別して処理されており、その処理方法と
しては、水酸化カルシウム(Ca(OH)2 )等のカル
シウム塩を添加してフッ化カルシウム(CaF2 )の不
溶物を生成させ、固液分離し、分離液を、アルミニウム
塩添加による凝集沈殿、濾過又はフッ素キレート樹脂等
による高度処理する方法が一般に用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の処理方法で
は、フッ素を含む汚泥が多量に生成するため、この汚泥
発生量の低減が課題となっていた。
【0008】従来、フッ素含有汚泥の低減策として、高
濃度フッ素含有廃液を分別し、これを炭酸カルシウム充
填塔に送液して、フッ素をフッ化カルシウムとして除
去、回収する方法があるが、この方法では、 高濃度フッ素含有廃液を処理するため、炭酸ガスが
発生する。 フッ化カルシウムへの転換率を高めるために、2塔
以上の充填塔を用いた固定床上向流接触としなければな
らないことから、装置設置面積が大きく必要となり、ま
た、操作が煩雑である。 充填塔排出液の処理や、別途排出される低濃度フッ
素含有廃液の処理が必要となり、この処理工程で新たに
フッ素含有汚泥が発生する。 という欠点がある。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決し、フッ
素含有水を炭酸カルシウム充填塔に通水して含有される
フッ素をフッ化カルシウムとして除去、回収する方法に
おいて、1塔の充填塔のみで、簡単な操作により、フッ
素濃度が放流可能な低濃度にまで低減された高水質処理
水を安定かつ効率的に得ると共に、再利用可能な高純度
フッ化カルシウムを効率的に回収することができるフッ
素含有水の処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のフッ素含有水の
処理方法は、フッ素含有水を、内部に炭酸カルシウム粒
子を含む接触層が形成された処理塔に通水して処理する
方法において、該処理塔として、内部が通水可能な支持
板で上下方向に区画されることにより、複数段の接触層
が形成された縦型処理塔を用い、該処理塔にフッ素含有
水を上向流にて通水することを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明の方法においては、内部に炭酸カルシウ
ム粒子の接触層が複数段形成された処理塔に、フッ素含
有水を上向流にて通水するため、1塔方式にて、2塔以
上の充填塔を用いる場合と同等の処理効率で処理するこ
とができる。即ち、処理塔内に導入されたフッ素含有水
は、最下段の接触層から、順次上段側の接触層を経て処
理された後、最終的に、最上段の最も処理能力の高い接
触層で処理され、良好な処理水として排出される。この
ため、小さい設置面積にて、また、容易な運転操作に
て、高水質処理水を安定に得ることができる。
【0012】また、高濃度フッ素含有廃液及び低濃度フ
ッ素含有廃液を混合して一括処理することができること
から、汚泥発生量の低減が図れ、また、最下段の接触層
の粒子を抜き出し、炭酸カルシウム粒子を塔上部から捕
集し、順次下段側の接触層に粒子を移送させるようにす
ることにより、高純度のフッ化カルシウムを回収するこ
とができる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て詳細に説明する。
【0014】図1は本発明のフッ素含有水の処理方法の
一実施例方法を示す系統図である。
【0015】図中、1は原水の貯槽、2は撹拌機2Aを
備える反応槽、3は凝集沈殿槽、4はフッ素吸着塔であ
り、P1 ,P2 はポンプ、Vはバルブ、11〜19の各
符号は配管を示す。
【0016】フッ素吸着塔4は、その内部が通水ノズル
5Aを有する仕切板5で上下方向に区画されることによ
り、炭酸カルシウム粒子で構成される接触層6(6A〜
6E)が複数段(本実施例では5段)形成された縦型処
理塔である。
【0017】本発明において、仕切板の通水ノズルは、
安息角ノズルとするのが好ましい。安息角ノズルは、接
触層を構成する炭酸カルシウム粒子の粒径より大きい孔
を有するが、水を下部に引き抜くときには後述のブリッ
ヂが破壊されて粒子を水と共に落下させるが、水が停止
したときには、粒子が安息角をもって山積みになる(ブ
リッヂを形成する)現象を利用してその孔に粒子を落下
させないノズルである。
【0018】炭酸カルシウム粒子の補充を行なうには、
配管17からの給水を停止すると共に、フッ素吸着塔4
の塔上部から新しい炭酸カルシウム粒子を補給する。抜
出配管19から塔4内の水を排水すると、各々上の段の
接触層の粒子の一部は水と一緒に安息角ノズルの中を通
ってその下の段の接触層に順次移動する。これにより、
最上段の接触層6Eに供給されて堆積した粒子の量が減
少すると共に、最下段の接触層6Aの粒子の一部は水と
一緒に安息角ノズルの中を通り、塔底に落下して、抜出
配管19より抜き出される。抜出配管19からの抜き出
しを停止すると、各接触層の粒子の移動は停止する。な
お、配管19からの抜き出しの停止のタイミングを選定
することにより、最上段から最下段の各段の接触層6A
〜6Eの粒子の量を均等なものにすることができる。
【0019】本実施例の方法にあっては、まず、原水で
あるフッ素含有水を配管11、貯槽1、ポンプP1 を備
える配管12を経て反応槽2に送給し、配管13から凝
集剤を添加して凝集処理する。凝集処理液は配管14よ
り凝集沈殿槽3に送給し、懸濁物質やリン化合物などを
含む汚泥を沈殿分離する。分離された汚泥は配管16よ
り抜き出され処分されるが、その一部を配管15より反
応槽2に返送しても良い。このように汚泥を返送するこ
とにより、濃縮性の良い汚泥を得ることができ、低含水
率のフッ素を含まない汚泥の減容化に有効である。
【0020】凝集沈殿槽3の上澄水(以下「凝集処理
水」と称す。)はポンプP2 を備える配管17よりフッ
素吸着塔4に送給されるが、このフッ素吸着処理に先立
って、必要に応じて濾過処理し、酸を添加する。この場
合、酸としてはH2 SO4 ,HCl,HNO3 ,CH3
COOH等を用いることができ、このような酸を凝集処
理水のフッ素濃度に対して1.0〜3.0当量倍程度添
加することにより、フッ素吸着塔4におけるフッ素除去
率を高めることができる。
【0021】フッ素吸着塔4の底部から導入された凝集
処理水は、各仕切板5の通水ノズル5Aを順次通過し
て、最下段の接触層6Aから最上段の接触層6Eに到る
間に、各接触層6A〜6Eの炭酸カルシウム粒子により
処理されてフッ素が除去され、処理水は塔上部の配管1
8より抜き出されて放流される。
【0022】このようなフッ素の吸着処理にあたり、最
下段の接触層6Aの炭酸カルシウム粒子は、そのフッ素
負荷が最も大きいため、フッ化カルシウムに転換し易
い。フッ素負荷は上段側の接触層ほど小さく、最上段の
接触層6Eでは未反応の炭酸カルシウムが多く存在す
る。
【0023】従って、通水を継続することにより、処理
水の水質が悪化した場合には、ポンプP2 を停止し、バ
ルブVを開として、配管19よりフッ素吸着塔4内の水
を粒子と共に引き抜く一方、塔上部より新しい炭酸カル
シウム粒子を補給することにより、前述の如く、各々上
の段の接触層の粒子の一部を下の段の接触層に順次移動
させると共に、最下段の接触層の一部の粒子を抜き出し
て回収する。これにより、最下段の接触層6Aの高純度
にフッ化カルシウムを含む粒子を効率的に回収すること
ができる。
【0024】そして、バルブVを閉として抜き出しを停
止して粒子の移動を停止させたら、再び、ポンプP2
作動させて運転を再開すれば良い。
【0025】ここで、塔下部から抜き出す粒子の量は、
フッ素の負荷量(フッ化カルシウム転換量)に応じて計
量設定され、その抜き出し量と等量容積の新しい炭酸カ
ルシウム粒子を塔上部から連続又は回分的に補充し、塔
内の粒子量は所定の量を保持する。
【0026】本発明において、フッ素吸着塔の段数、即
ち、形成する接触層の数は原水であるフッ素含有水のフ
ッ素濃度及びフッ素の形態により適宜決定される。例え
ば、通常の場合、原水のフッ素濃度が20〜200mg
/l程度であれば、6段程度で十分であるが、フッ素が
NH4 Fの形態でフッ素濃度が200mg/l以上の場
合には、6段以上が必要となる。なお、この段数は、前
処理として添加する酸の添加量の調整により低減するこ
とができる。
【0027】また、本発明において、フッ素吸着塔の上
向流速は、粒子が液流により流動状態となる程度であれ
ば良く、特に制限はないが、通常の場合5〜100m/
hr、好ましくは15〜30m/hrとするのが好まし
い。
【0028】以下に具体的な実施例及び比較例を挙げて
本発明をより詳細に説明する。
【0029】実施例1 内径100mmφ、高さ3500mmのカラムに、カラ
ム下部、中部(高さ1000mmの位置)、及び上部
(高さ2000mmの位置)に、前述の安息角を形成す
る内径12mmφのノズルを1個設置した仕切板を各々
設け、下部仕切板、中部仕切板及び上部仕切板の各々
に、静置充填層高さとして500mmとなるように、粒
径0.3mmφの破砕CaCO3 を各々3.9リットル
充填した。
【0030】このように3段に仕切って炭酸カルシウム
接触層を3段に形成したカラムの底部から、試薬HFと
NH4 OHを水で希釈して得た液(NH3 濃度:27m
g/l,F濃度:100mg/l)を原水として、16
0リットル/hrの流量で上向流通水した。
【0031】カラム上部から得られた処理水のフッ素濃
度の経時変化を表1に示す。
【0032】また、通水400時間後に、各接触層の粒
子を抜き出して分析した結果を表2に示す。
【0033】比較例1 カラムとして、内径100mmφ、高さ2000mmの
カラムに仕切板を設けることなく、実施例で用いたもの
と同様の炭酸カルシウム粒子を静置充填層高さが150
0mmとなるように11.7リットル充填したものを用
いたこと以外は実施例1と同様にして処理を行ない、得
られた処理水のフッ素濃度の経時変化を調べ、結果を表
1に示した。
【0034】また、通水400時間後に、接触層の各部
の粒子を抜き出して分析した結果を表2に示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表1より次のことが明らかである。即ち、
本発明法(実施例1)では、通水210時間までは、従
来法(比較例1)よりも低濃度の処理水が得られる。こ
れは、3段に形成した接触層により、原水のショートパ
ス等によるフッ素の流出が防止されるためである。この
ようなフッ素の高度除去により、接触層内のフッ素の保
持量が経時的に多くなり、この結果、通水350時間後
の処理水の水質は悪くなる。
【0038】しかしながら、このような水質の悪化は、
下部接触層の粒子を抜き出し、上部より炭酸カルシウム
粒子を補充する操作を行なうことにより防止することが
でき、処理水のフッ素濃度を常時6mg/l以下にする
ことが可能であった。
【0039】また、表2より明らかなように、最下部の
接触層の粒子は著しくフッ化カルシウム濃度が高く、従
って、この粒子を抜き出すことにより、再利用可能な高
純度フッ化カルシウムを回収することができる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のフッ素含有
水の処理方法によれば、フッ素含有水を炭酸カルシウム
充填層に通水してフッ素をフッ化カルシウムとして除去
・回収する方法において、 処理水水質の向上及び安定化を図れる。 再利用可能な高純度フッ化カルシウムを回収するこ
とができる。 一塔方式であり、運転操作が容易で、装置設置面積
が小さくて足りる。 汚泥発生量が低減する。 といった優れた効果が奏され、工業的に極めて有利であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフッ素含有水の処理方法の一実施例方
法を示す系統図である。
【符号の説明】
1 貯槽 2 反応槽 3 凝集沈殿槽 4 フッ素吸着塔 5 仕切板 5A 通水ノズル 6 接触層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素含有水を、内部に炭酸カルシウム
    粒子を含む接触層が形成された処理塔に通水して処理す
    る方法において、 該処理塔として、内部が通水可能な支持板で上下方向に
    区画されることにより、複数段の接触層が形成された縦
    型処理塔を用い、該処理塔にフッ素含有水を上向流にて
    通水することを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
JP2669793A 1993-02-16 1993-02-16 フッ素含有水の処理方法 Pending JPH06238285A (ja)

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