JP4018832B2 - エッチング廃液の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ブラウン管用シャドーマスクや半導体用リードフレーム等をエッチング処理後に発生する塩化鉄を主成分として含むエッチング廃液の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シャドーマスク等の製造工程では、鉄−ニッケル合金等からなる金属薄板をエッチング液に浸して金属薄板のレジスト膜でマスク処理されていない部分を溶解し、所望の微細なパターンとなるように加工している。このような鉄−ニッケル合金等の金属の溶解が進行するのに伴い、エッチング液中の第2鉄イオンが第1鉄イオンに還元されると共に、ニッケルイオンの濃度が次第に上昇し、エッチング能力が限度を超えて低下してエッチング廃液としてエッチング工場から排出されている。
従来、このようなエッチング廃液を再生処理する場合には、エッチング廃液をエッチング工場からタンクローリ車等を用いて搬出し、エッチング廃液を収集、管理する廃液処理センターに搬入して、そこで、エッチング処理により溶出した鉄以外の金属、例えばニッケル、銅、クロム、コバルト等の非鉄金属を還元除去し、減少した第2鉄イオンを所定濃度に回復して、これをエッチング液としてエッチング工場に輸送するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のエッチング廃液の処理方法を用いて得られるエッチング液は、エッチング液が新鮮でエッチング能力が充分にある場合には、反応速度が速くなりすぎるためにエッチング対象物の寸法精度を低下させたり、レジスト膜の端部に溶出量の差に基づく凹凸等を生じさせたりして加工品質を良好に維持させることが困難であるという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、エッチング処理における加工品質を良好に維持してエッチング効率を高めたエッチング液を製造することのできるエッチング廃液の処理方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係るエッチング廃液の処理方法は、エッチング工場より排出されるエッチング廃液の一部を取り出して鉄粉を添加し、酸化還元電位ORPを還元処理の最適効率が得られる範囲である−350〜+100mVに調整し、含まれる第2鉄イオンを第1鉄イオンに還元する第1工程と、第1工程で得られる処理液を更に鉄粉と接触させて、酸化還元電位ORPを非鉄金属イオンの還元効率が高くなる範囲である−550〜−350mVに調整し、含まれる非鉄金属イオンを除去して精製液を得る第2工程とを有しているので、第2工程では第2鉄イオンの存在によって非鉄金属イオンの還元反応が阻害されることがなく、全体として非鉄金属イオンの還元効率を向上させることができる。こうして、非金属イオンが除去され、第1鉄イオンが富化された精製液にエッチング廃液の残部の一部又は全部を混合した後、塩素ガスを吹き込んで液中の第2鉄イオンが富化されたエッチング液を得る第3工程を有するので、エッチング液に所定レベルのエッチング能力を付加させることができる。さらに、第3工程で混合される精製液及びエッチング廃液の投入量を制御して、エッチング液の非鉄金属イオン濃度を調整し、エッチング対象物に適応した反応速度を有するエッチング液を製造するので、エッチング処理の際に、エッチング速度の過剰によって、エッチング面がえぐられるように溶出して凹凸を生じたり、あるいは、反応速度の制御が困難になって加工寸法精度を損なったりする等のトラブルの発生を防止することができると共に、エッチング処理の効率を所定レベルに維持させることができる。
【0005】
この第1工程における処理液の酸化還元電位が−350mVより低くなると、還元反応が過剰に進みやすくなるために、第2鉄イオンから第1鉄イオンへの還元反応のみならず、以降の第2工程で還元分離させたい非鉄金属イオンが還元されて、非鉄金属イオンの還元分離操作を効率的に行うことが困難になる。
逆に、酸化還元電位が+100mVを超えると、第2鉄イオンの還元が不十分となって、以降の非鉄金属イオンの還元分離操作が困難となるので好ましくない。
さらに第2工程における処理液の酸化還元電位を−550mVより低くしようとすると、過剰な鉄粉が必要となり、さらにはこれに連動して、水素イオン濃度pHが上がり易くなり、これによって水酸化物が発生し易くなる。一方、酸化還元電位が−350mVを超えるような、即ちゼロ側に近くなると、非鉄金属イオンの還元が不十分になるので好ましくない。
【0006】
さらに、前記第2工程で処理される処理液の水素イオン濃度指数pHを、第2工程における非鉄金属イオンの還元反応を過不足なく行うことのできる特定範囲である1.5〜3.0に設定して処理を行うこともできる。これによって、最終的に得られる精製液の生産効率を適正範囲に維持させることができる。
この第2工程における水素イオン濃度指数を1.5より低くすると、フリーとなる酸が増加して、この酸と鉄粉とが反応し、非鉄金属イオンの還元反応が阻害される。また、水素イオン濃度指数が3.0を超えると、水酸化物等の不溶性分が発生し易くなる。
【0007】
また、非鉄金属にはニッケルが含まれ、エッチング液のニッケルイオン濃度を特定範囲にして、エッチング処理の際、エッチング速度が過剰になるのを抑制して、加工不良の発生を抑えてエッチング加工の効率をさらに向上させることも可能である。
この非鉄金属イオンがニッケルイオンである場合には、再生されるエッチング液のニッケルイオン濃度を10〜25g/リットル、好ましくは15〜20g/リットルの範囲とすることが以下の理由から好ましい。即ち、ニッケルイオン濃度が10g/リットルより少ないと、エッチング反応の速度が速くなりすぎて製品の加工不良を起こしやすくなる。逆に、ニッケルイオン濃度が25g/リットルを超えると、エッチング反応の速度が大きく低下してエッチング効率を悪化させるためである。
【0008】
銅を含む半導体用リードフレームを加工する場合のように、非鉄金属に銅が含まれるときには、エッチング液の銅イオン濃度を特定範囲、すなわち5〜100g/リットルに調整して、エッチング加工の際の加工不良の発生を抑制することもできる。
このエッチング液の銅イオン濃度が5g/リットルより少ないと、エッチング反応の速度を緩和させ、エッチング対象物の局部的な過剰溶出を効果的に防止することができない。逆に、銅イオン濃度が100g/リットルを超えると、エッチング反応が大きく阻害されて支障が生じるようになるためである。
【0009】
そして、エッチング廃液の処理が、エッチング加工を行う敷地内又は、敷地に近接した場所にある廃液処理設備で行われ、エッチング加工を行う敷地内の廃液槽と廃液処理設備とを配管を用いて接続してもよい。これによって、タンクローリ車等を用いてエッチング廃液を輸送するような場合に比べて、輸送コストを削減できると共に、廃液処理を含むエッチング設備を効率的に運営することができる。
さらに、廃液槽と廃液処理設備とのヘッド差又はポンプによる圧送手段を用いて、エッチング廃液を廃液処理設備に配管を介して供給することもできる。こうして、ヘッド差を用いる場合には電気エネルギー等を使用することなく経済的に、またポンプを用いる場合には廃液槽内の保持液と廃液処理設備間の高低差に依存することなく効率的にエッチング廃液を供給することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに図1は本発明の一実施の形態に係るエッチング廃液の処理方法を適用するエッチング設備の説明図、図2は同エッチング設備における鉄粉撹拌槽の説明図、図3は同エッチング設備における流動床槽の説明図、図4はエッチング速度とエッチング液中のニッケルイオン濃度との関係を模式的に示す説明図、図5は還元装置及び脱ニッケル装置に適用する装置の変形例を示す説明図である。
【0011】
図1に示すように本発明の一実施の形態に係るエッチング廃液の処理方法を適用するエッチング設備10は、エッチング対象物のエッチング処理を行うエッチング工場11とこの敷地に隣接した場所に配置され配管12を介して排出されるエッチング廃液の処理を行うための廃液処理設備13とを有する。
エッチング工場11で加工されるエッチング対象物は、鉄を主成分としてニッケル(非鉄金属の一例)を約36重量パーセント含む鉄−ニッケル合金からなるシャドーマスク用の金属材料である。
【0012】
エッチング工場11は、エッチング液を用いてエッチング対象物を所定形状パターンにエッチング加工するためのエッチング装置14と、エッチング処理後のエッチング廃液を一時的に貯めておくための廃液槽15とを有している。
さらに、エッチング工場11には廃液槽15から取り出されるエッチング廃液の全部又は一部と、第2鉄イオンを200〜350g/リットル含む補充液及び廃液処理設備13で処理された精製液とを所定比率で混合するための混合タンク16が設けられている。これによって、混合液中のニッケル、銅、コバルト、クロム等を含む非鉄金属イオンや、第1鉄及び第2鉄イオンの濃度を所定の範囲内に設定することができる。
なお、廃液槽15から取り出されるエッチング廃液は、混合タンク16や廃液処理設備13と廃液槽15との間のヘッド差や配管12に設けられた図示しないポンプによる圧送手段を用いて輸送されるようになっていて、バルブ操作等によって適宜、エッチング廃液の所定量が効率的に輸送できるようになっている。
また、エッチング工場11には混合タンク16で混合された混合液中の第1鉄イオンを第2鉄イオンに酸化するための塩素ガス吹き込み装置17と、塩素ガスで処理された液中の固形不溶分(SS)を珪藻土フィルターを用いて除去するための濾過装置18とが付加されている。これらの装置によって、液中の第2鉄イオン濃度及び非鉄金属イオン濃度をエッチング処理に必要な範囲に調整して、清浄化され再生されたエッチング液が得られるようになっている。
【0013】
廃液処理設備13は、エッチング廃液中の第2鉄イオンを主として還元するための還元装置19と、還元装置19で処理された処理液のニッケルイオンを主として還元除去するための脱ニッケル装置(脱Ni装置)20及び、脱ニッケル装置20で得られた液中の固形分を分離、精製するための精製装置21とを備えている。
図2に示すように還元装置19は鉄粉撹拌槽22を有している。この鉄粉撹拌槽22は、内部に所定量の鉄粉を保持させるための略円筒状の底付き容器23を備え、容器23の略中央部に鉄粉と装入されるエッチング廃液とを撹拌するための撹拌羽根24が設けられている。この撹拌羽根24を図示しないモータを用いて回転駆動させ、エッチング廃液を流動状態で鉄粉と接触させ、鉄の溶出、即ち鉄のイオン化によって、液中の第2鉄イオンを第1鉄イオンに還元することができる。なお、鉄粉撹拌槽22には、処理液中の酸化還元電位及び水素イオン濃度を測定するためのセンサ25が設けられていて、常時液中の状態を監視して、測定される酸化還元電位及び水素イオン濃度が所定範囲を外れる場合には、希釈水やエッチング廃液を添加したり、撹拌羽根24の回転速度等を調整したりして所定範囲に維持させることができるようになっている。
【0014】
脱ニッケル装置20は、図3に示すような構造の流動床槽26を備えている。なお、ここで使用する流動床槽26に代えて前記鉄粉撹拌槽22と同様の構成のものを用いても差し支えない。
流動床槽26は、例えば、それぞれの水平断面積が上から下に異なる第1区画部27〜第5区画部31の5つの部分に分割された略円筒形の反応容器であり、流動床槽26内のエッチング廃液中に鉄粉の浮遊する流動床を形成させるためのポンプ32と、ポンプ32に接続する循環用配管33とを備えている。ここで、第1、第3及び第5区画部27、29、31はそれぞれの水平断面積が一定のゾーンであり、第2、第4区画部は下方に向かって縮径した側面を有して水平断面積が減少するようになっている。これによって、各区画部で処理される液の密度等の特性値を段階的に区別して、所望の特性を有する処理液を必要に応じて各区画部を選択することによって取り出すことができる。また、なお、流動床槽26には、前記鉄粉撹拌槽22と同様に処理する液の酸化還元電位及び水素イオン濃度を測定するためのセンサ25aが設けられている。
【0015】
精製装置21は、遠心分離作用を用いて固形分と液とを分離する通称デカンターと呼ばれる遠心分離器や、固形分を沈降させ上澄み液を抽出する沈降槽、及びフィルターを用いる濾過装置等を備えた装置であり、必要に応じて、これらを単独であるいは複数組み合わせて使用することができる。なお、精製装置21には、この精製処理後に残存する少量の固形分を塩酸を用いて溶解させる塩酸溶解槽等も含まれている。
【0016】
続いて、前記エッチング設備10に適用するエッチング廃液の処理方法について説明する。
ここで、図4は、所定範囲の第2鉄イオン濃度、例えば150〜300g/リットルのエッチング液を用いて鉄−ニッケル合金からなるエッチング対象物を溶出加工する際のエッチング速度と、エッチング液中のニッケルイオン濃度との関係を模式的に示した説明図である。図4に示すシャープゾーンではエッチング速度が過剰になるために、エッチング加工面に鋭角的な突起状部が生じ易く、エッチング処理されたエッチング対象物の形状品質が規定外となることを示している。最適ゾーンではエッチング液中のニッケルイオン濃度が適正範囲となっているので、エッチング加工面が滑らかであり、かつエッチング速度もエッチング処理の精密な制御が可能な範囲にあることを示している。ウェストゾーンでは、エッチング速度が低下して実用的なエッチング処理を行えないレベルになることを示している。
従って、同図を見れば明らかなように、再生されるエッチング液中のニッケルイオン濃度を10〜25g/リットルの範囲、好ましくは15〜20g/リットルに調整することによって、エッチング対象物に適応した反応速度を有するエッチング液とすることができることが分かる。なお、エッチング対象物の種類に応じて、ニッケル以外の非鉄金属、例えば銅やコバルト等についても、このようなエッチング速度とイオン濃度との関係を実験的に測定して、各イオン濃度を規定するための最適ゾーン(例えば、銅イオン濃度が5〜100g/リットル)を個別に設定することができる。
本実施の形態においては、このように定めた最適ゾーンとなるように、各処理工程における反応条件や混合液量の比率を調整して、最終的に得られるエッチング液のニッケルイオン濃度を設定している。
【0017】
以下に、得られるエッチング液の第2鉄イオン濃度及びニッケルイオン濃度を、エッチング処理が良好に行える範囲に設定するエッチング廃液の処理方法を具体的に説明する。
第1工程においては、廃液槽15から配管12を介して取り出されるエッチング廃液の一部例えば、平均30容量パーセント(範囲:20〜60容量パーセント)分のエッチング廃液を還元装置19に供給して、液中の第2鉄イオンを第1鉄イオンに還元する操作を行う。
即ち、還元装置19に設けられた鉄粉撹拌槽22にエッチング廃液の所定量を投入して、撹拌羽根24を回転させて、鉄粉とエッチング廃液とを所定時間混合する。この際、センサ25を用いて測定される酸化還元電位ORPを、希釈水や追加投入するエッチング廃液の量を調整して所定範囲(−350〜+100mV)となるように保持させる。これによって、第1鉄イオンの富化された処理液を効率的に得ることができる。
なお、エッチング廃液に、ニッケルイオンの他に銅イオンが含まれるような場合には、第1工程で銅イオンの一部又は全部を還元し、同時に第2鉄イオンの還元を行って、次の第2工程で残ったニッケルイオンの還元を行うようにして、銅とニッケルとを第1及び第2工程でそれぞれ分離することもできる。
【0018】
次の第2工程においては、まず、脱ニッケル装置20に備えられた流動床槽26の上端開口部から所定量の鉄粉を供給した後、循環用配管33の中途又は、第5区画部31の底部に処理液を供給して、流動床槽26内を所定量の処理液で満たす。次に、流動床槽26上部の第1区画部27及び又は第2区画部28から処理液の一部を取り出して、この処理液をポンプ32を介して最下部の第5区画部31に供給して、流動床槽26内に鉄粉が流動浮遊する流動床を形成させる。
こうして所定の時間、流動床内で脱ニッケル反応を行わせた後、第1区画部27及び/又は第2区画部28からニッケルイオンが還元除去された処理液(以下還元処理液という)を取り出して、これを次の工程に送ることができる。なお、ポンプ32によって形成させた流動床中で鉄粉と処理液とを効率的に接触させると共に、新たに供給する処理液を第5区画部31の底部に連続供給して、第1区画部27及び/又は第2区画部28からオーバーフローする還元処理液を連続的に取り出すこともできる。
【0019】
このように還元装置19で第1鉄イオンが富化された処理液をさらに鉄粉を用いて還元して、液中の非鉄金属イオンを非鉄金属に還元する操作を行う。
即ち、脱ニッケル装置20の流動床槽26に第2工程で処理された液を循環供給して、流動状態で鉄粉と接触させる。この際、センサ25aを用いて測定される酸化還元電位ORP及び水素イオン濃度係数pHを、処理液の循環量や滞留時間等を調整して所定範囲(−550〜−350mV、1.5〜3.0)となるように保持させる。これによって、非鉄金属イオンの所定量が除かれあるいは除去された還元処理液を得ることができる。
次に、この還元処理液を精製装置21に供給して、液中の固形不溶分を除去し、なお残存する微細な粒子を塩酸を用いて溶解させ、第1鉄イオン、第2鉄イオン、非金属イオンがそれぞれ所定濃度、例えば200〜330g/リットル、10g/リットル以下、3g/リットル以下の範囲で含まれる精製液を得て第2工程を終了する。
【0020】
続く第3工程においては、まず、混合タンク16を用いて精製液と、塩化第2鉄を含む補充液及び前記エッチング廃液の残部である約70容量パーセント分の液とを所定割合で混合して、所定のニッケルイオン濃度、例えば15〜20g/リットルの濃度の範囲に設定することができる。
なお、ここで使用する補充液は、エッチングにより溶出した非鉄金属のイオンを実質的に含まず、塩化第2鉄の構成成分である第2鉄イオンを主成分として含むエッチング能力の高い液(新液)を用いるが、予め規定の濃度よりも低く設定しておくこともできる。この場合には塩素ガス吹き込み装置17における塩素ガスの吸収量及び吸収効率を高めて、副次的に生成する塩素ガスの利用効率を向上させることも可能になる。
そして、塩素ガス吹き込み装置17で、精製液、補充液及び残りのエッチング廃液を混合した混合液に塩素ガスを吹き込んで残存する第1鉄イオンの一部又は全部を第2鉄イオンに酸化する操作を行う。
このような混合タンク16における混合操作と、塩素ガス吹き込み装置17における酸化操作とを含む第3工程によって、最終的に所定の第2鉄イオン濃度と、ニッケルイオン濃度とを有するエッチング液を得ることができる。
なお、本実施の形態においては、第3工程の後に、エッチング液を濾過装置18を用いて濾過して残存する固形不溶分を除去し、エッチング液としての商品価値を高めるようにしている。
【0021】
また、還元装置19及び脱ニッケル装置20には、鉄粉撹拌槽22や流動床槽26等の装置の他に、例えば図5に示すような流動床攪拌槽40を適用することもできる。
この流動床攪拌槽40は上下方向にそれぞれ水平断面積が異なるように構成された第1区画部41〜第3区画部43の3つの領域及び流動媒体供給部44からなる容器である。流動床攪拌槽40には、第2区画部42及び第3区画部43とで形成される鉄粉の流動床(図の斜線部)部分と、流動媒体供給部44とを分かつための仕切り盤46が備えられている。そして、処理液は流動媒体供給部44の底部及び側部に設けられた供給口47、48から供給されるようになっている。
仕切り盤46上には仕切り盤46の下方から供給される流動媒体となる処理液あるいは循環液を仕切り盤46上において水平方向に分散吐出するためのトワイヤーと呼ばれるノズル49が多数千鳥足状又は格子状に配置されている。
また、第1区画部41には流動床を形成させるのに必要な量の流動媒体を取り出すための取出口50と第1区画部から処理液を回収するための処理液排出口51とが設けられている。
さらに、処理液排出口51から取り出される循環液(流動媒体)を流動媒体供給部44に供給するためのポンプ52が設けられている。これによって、取り出された循環液がポンプ52を介して流動媒体供給部44の側面に設けられた循環流供給口53に供給され、槽内の鉄粉を流動化させるための循環流が形成されるようになっている。
【0022】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、本実施の形態においては、還元装置及び脱ニッケル装置に適用する鉄粉処理のための装置をそれぞれ特定の構成のものを用いる場合について述べたが、これを同一構成の装置としてもよいし、これらを複数組み合わせて使用することも可能である。また、非鉄金属としてニッケルを対象とする場合について説明したが、銅やクロムあるいはコバルト等の非鉄金属の場合についても本発明を同様に適用することも可能である。
【0023】
【発明の効果】
請求項1〜6記載のエッチング廃液の処理方法においては、エッチング工場より排出されるエッチング廃液の一部を取り出して鉄粉を添加し、酸化還元電位ORPを還元処理の最適効率が得られる範囲に調整し、含まれる第2鉄イオンを第1鉄イオンに還元する第1工程と、第1工程で得られる処理液を更に鉄粉と接触させて、酸化還元電位ORPを非鉄金属イオンの還元効率が高くなる範囲に調整し、含まれる非鉄金属イオンを除去して精製液を得る第2工程とを有しているので、第2工程では第2鉄イオンの存在によって非鉄金属イオンの還元反応が阻害されることがなく、全体として非鉄金属イオンの還元効率の向上が図られる。
こうして、非金属イオンが除去され、第1鉄イオンが富化された精製液にエッチング廃液の残部の一部又は全部を混合した後、塩素ガスを吹き込んで液中の第2鉄イオンが富化されたエッチング液を得る第3工程を有するので、エッチング液に所定レベルのエッチング能力を付加させることができる。さらに、第3工程で混合される精製液及びエッチング廃液の投入量を制御して、エッチング液の非鉄金属イオン濃度を調整し、エッチング対象物に適応した反応速度を有するエッチング液を製造するので、このエッチング液を用いてエッチング処理を行う際には、非金属イオンが介在されることによってエッチング速度が過剰になるのが防止され、エッチング対象物のエッチング面に凹凸を生じたり、寸法精度のばらつきによる加工不良の発生を効果的に抑制することができる。また、同時にエッチング速度を実用的なエッチング処理が行える範囲に保ち、加工品質を良好に維持させることができる。
【0024】
請求項2記載のエッチング廃液の処理方法においては、第2工程で処理される処理液の水素イオン濃度指数pHを特定範囲にしているので、第2工程における鉄粉の溶出量や処理液量を適正化して、最終的に得られる精製液の生産効率を適正範囲に維持させることができる。
請求項3記載のエッチング廃液の処理方法においては、非鉄金属にはニッケルが含まれ、エッチング液のニッケルイオン濃度を特定範囲にするので、エッチング処理の際、エッチング液中の第2鉄イオンの周囲に非鉄金属イオンを介在させて、エッチング速度が上昇して、加工面にえぐれを生じるのを防止して、加工不良の発生を抑制してエッチング加工の効率を向上させることができる。
請求項4記載のエッチング廃液の処理方法においては、非鉄金属には銅が含まれ、エッチング液の銅イオン濃度を特定範囲に調整するので、銅を含む半導体用リードフレームをエッチング加工する際のエッチング効率を加工不良の少なくなる範囲に維持させることができる。
請求項5記載のエッチング廃液の処理方法においては、エッチング廃液の処理が、エッチング工場の敷地内又は、該敷地に近接した場所にある廃液処理設備で行われ、エッチング工場に配置されたエッチング廃液を貯める廃液槽と前記廃液処理設備とが配管を用いて接続されているので、エッチング廃液と廃液処理設備で再生されたエッチング液とをタンクローリ車等の運搬手段を介することなく経済的に輸送することができる。
また、請求項6記載のエッチング廃液の処理方法においては、廃液槽と廃液処理設備とのヘッド差又はポンプによる圧送手段を用いて、エッチング廃液が廃液処理設備に配管を介して供給されるようにして、さらに効率的にエッチング廃液の処理を行うようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るエッチング廃液の処理方法を適用するエッチング設備の説明図である。
【図2】同エッチング設備における鉄粉撹拌槽の説明図である。
【図3】同エッチング設備における流動床槽の説明図である。
【図4】エッチング速度とエッチング液中のニッケルイオン濃度との関係を模式的に示す説明図である。
【図5】還元装置及び脱ニッケル装置に適用する装置の変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 エッチング設備 11 エッチング工場
12 配管 13 廃液処理設備
14 エッチング装置 15 廃液槽
16 混合タンク 17 塩素ガス吹き込み装置
18 濾過装置 19 還元装置
20 脱ニッケル装置 21 精製装置
22 鉄粉撹拌槽 23 容器
24 撹拌羽根 25 センサ
25a センサ 26 流動床槽
27 第1区画部 28 第2区画部
29 第3区画部 30 第4区画部
31 第5区画部 32 ポンプ
33 循環用配管 40 流動床撹拌槽
41 第1区画部 42 第2区画部
43 第3区画部 44 流動媒体供給部
46 仕切り盤 47 供給口
48 供給口 49 ノズル
50 取出口 51 処理液排出口
52 ポンプ 53 循環液供給口

Claims (6)

  1. 非鉄金属イオン、第1及び第2鉄イオンを含みエッチング工場より排出されるエッチング廃液の一部を取り出して鉄粉を添加し、酸化還元電位ORPを−350〜+100mVに調整し、含まれる前記第2鉄イオンを第1鉄イオンに還元する第1工程と、
    前記第1工程で得られる処理液を更に鉄粉と接触させて、酸化還元電位ORPを−550〜−350mVの範囲に調整し、含まれる非鉄金属イオンを除去して精製液を得る第2工程と、
    前記精製液に前記エッチング廃液の残部の一部又は全部を混合した後、塩素ガスを吹き込んで液中の第2鉄イオンを富化させたエッチング液を得る第3工程とを有し、
    前記第3工程で混合される前記精製液に対する前記エッチング廃液の投入量を制御して、前記エッチング液の非鉄金属イオン濃度を調整し、エッチング対象物に適応した反応速度を有する前記エッチング液を製造することを特徴とするエッチング廃液の処理方法。
  2. 請求項1記載のエッチング廃液の処理方法において、前記第2工程で処理される処理液の水素イオン濃度指数pHが1.5〜3.0の範囲であるエッチング廃液の処理方法。
  3. 請求項1又は2記載のエッチング廃液の処理方法において、非鉄金属にはニッケルが含まれ、前記エッチング液のニッケルイオン濃度が10〜25g/リットルの範囲であるエッチング廃液の処理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエッチング廃液の処理方法において、非鉄金属には銅が含まれ、前記エッチング液の銅イオン濃度が5〜100g/リットルの範囲であるエッチング廃液の処理方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエッチング廃液の処理方法において、前記エッチング廃液の処理が、エッチング加工を行う敷地内又は、該敷地に近接した場所にある廃液処理設備で行われ、該エッチング加工を行う敷地内の廃液槽と前記廃液処理設備とが配管を用いて接続されているエッチング廃液の処理方法。
  6. 請求項5記載のエッチング廃液の処理方法において、前記廃液槽と前記廃液処理設備とのヘッド差又はポンプによる圧送手段を用いて、前記エッチング廃液が前記廃液処理設備に前記配管を介して供給されるエッチング廃液の処理方法。
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