JPH06236152A - 多重映像表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、１つの表示器において複数のそれ
ぞれ独立した映像を表示し、複数の方向から見ることに
よって、それぞれの映像が単独で見ることができるよう
にした多重映像表示装置を提供することを目的とする。 【構成】画像表示器11の表示面には、水平方向に沿って
第１の画素群の多数の画素131 、132 、…および第２の
画素群の多数の画素141 、142 、…が交互に配列さる。
この表示面にはシリンドリカルレンズ121 、122 、…の
軸線が垂直方向に延びるようにしたレンティキュラーレ
ンズ12が対接され、各シリンドリカルレンズ121 、122
、…それぞれが、第１の画素群の画素131 、132 、…
と第２の画素群の画素141 、142 、…のそれぞれ１個づ
つの対の幅に対応して設定される。そして、表示面に対
して異なるＡ方向およびＢ方向から見たときに、第１の
画素群もしくは第２の画素群の一方の画素のみが見られ
るようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、表示面と視線とのな
す角度に対応して異なる映像を視認できるようにした、
マルチビジョンシステムを構成する多重映像表示装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】テレビジョンシステムにおいて、例えば
２種類の映像を同時に表示して、これをそれぞれ独立的
に視認できるようにした多重表示システムとしては、例
えば特開昭６２−６５５８０号公報に開示された方式が
知られている。ここで開示された方式は、１つの画像表
示器に対して時分割的に複数の映像を表示させるように
すると共に、この表示画像を視認するための例えば眼鏡
に対してシャッタ機構を設けるようにするもので、この
シャッタ機構を時分割表示される映像に同期して開閉制
御させるようにしている。そして、時分割表示される複
数の映像の中の任意の１つの映像のみが視認されるよう
にしている。

【０００３】しかし、この様なシャッタ機構を用いるよ
うな装置にあっては、表示映像の時分割周期に同期して
駆動されるシャタ機構が絶対的に必要であり、必然的に
装置が大型化するものであり、また眼鏡等の付属設備を
装着することが必要となるものであるため、非常に煩わ
しい。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この発明は上記のよう
な点に鑑みなされたもので、例えば眼鏡のような特別の
用具を使用することなく、表示面と視線とのなす角度が
異なることによって別個の映像がそれぞれ独立的に見る
ことができるようにした多重映像表示装置を提供しよう
とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明に係る多重映像
表示装置は、画像表示手段が第１の走査方向に沿って第
１の映像を表示するための多数の画素を配列した第１の
画素群、この第１の画素群の各画素のそれぞれ相互間に
配置された多数の画素からなる第２の画素群によって構
成されるようにすると共に、この画像表示手段の画像表
示面に前記第１の走査方向と直交する第２の走査方向に
それぞれ軸方向が延びるように設定された多数のシリン
ドリカルレンズの集合によって構成されたレンティキュ
ラーレンズが対接設定されるようにするもので、前記第
１の画素群および第２の画素群にそれぞれ対応した第１
および第２の映像信号に基づく映像を、それぞれ前記第
１の画素群および第２の画素群によって構成された表示
画面で表示させる。前記レンティキュラーレンズを構成
する前記各シリンドリカルレンズは、前記隣接して配置
されるようになる第１の画素群の画素と第２の画素群の
画素の１つの対にそれぞれ対応して設定されるようにし
ている。ここで、前記第１および第２の映像信号にそれ
ぞれ対応する第１および第２の音声信号が、適宜独立的
に発生されるようにしている。

【０００６】

【実施例】以下、図面を参照してこの発明の一実施例を
説明する。図１はその構成を示すもので、この実施例に
おいては画像表示器11の表示面に対して、ＡおよびＢの
２つの方向から見たときに、それぞれ異なる映像が見ら
れるようにしている。ここで、画像表示器11を構成する
表示デバイスとしては、単純マトリクス構造のＥＬ等が
用いられ、その他ＣＲＴ、ＬＣＤ、ＦＥＴ−ＬＣＤ、Ｐ
ＤＰ等の、複数の画素によって映像が表現されるデバイ
スが適宜使用される。

【０００７】この様な画像表示器11の表示面に対して
は、レンティキュラーレンズ板12が対接設定されてい
る。このレンティキュラーレンズ板12は、多数のシリン
ドリカルレンズ121 、122 、…を近接して並べて構成さ
れるもので、これらのシリンドリカルレンズ121 、122
、…は、それぞれその軸線が表示器11の線順次走査方
向と平行になるように配置設定される。さらに具体的に
述べれば、テレビジョン映像は水平方向に走査される線
走査が、垂直方向に順次行われて１つの映像が表現され
るもので、シリンドリカルレンズ121 、122 、…のそれ
ぞれの軸線は、この線順次の走査方向である垂直方向に
延びるように配置される。

【０００８】画像表示器11の表示面は、例えば１つの水
平走査線を構成する多数の画素が、第１の映像を表示す
るための第１の画素群と第２の映像を表示する第２の画
素群とによって構成されるもので、第１の画素群を構成
する多数の画素131 、132 、と、第２の画素群を構成す
る画素141 、142 、…とが交互に配置されるようにして
いる。

【０００９】第１の映像を表示する第１の画素群を構成
する画素131 、132 、…は、第１の桁ドライバ151 によ
ってそれぞれ駆動され、第２の映像を表示する第２の画
素群を構成する画素141 、142 、…は、第２の桁ドライ
バ152 によってそれぞれ駆動されるもので、さらに水平
走査線は行ドライバ16によって駆動される。

【００１０】行ドライバ16からは、各水平走査線に順次
行駆動信号が分配されると共に、第１および第２の桁ド
ライバ151 および152 から、各画素に対して順次映像表
示のための映像信号に対応した桁駆動信号が分配される
もので、この行駆動信号と桁駆動信号の交差した画素に
おいて、桁駆動信号に基づく画素表示が行われるように
なる。すなわち、画素131 、132 、…による第１の画素
群によって第１の映像が表示され、画素141 、142 、…
による第２の画素群によって第２の映像がそれぞれ表示
される。

【００１１】桁ドライバ151 、152 および行ドライバ16
は、第１および第２のコントローラ171 および172 と共
に表示制御回路を構成するもので、第１および第２のコ
ントローラ171 および172 に対しては、それぞれ画像メ
モリ181 および182 からの読み出し出力データが供給さ
れる。この第１および第２の画像メモリ181 、182 に
は、それぞれＡ方向およびＢ方向からそれぞれ見ること
ができるようにされる第１および第２の映像信号が格納
されている。

【００１２】線順次走査を行う行ドライバ16は、第１お
よび第２の映像信号を同時に表示させるもので、第１お
よび第２のコントローラ171 および172 の桁ドライバ15
1 および152 用の出力信号は同期をとる必要がある。こ
のため、同期回路19を設定し、この同期回路19からの同
期信号が第１および第２のコントローラ171 および172
に対して供給され、この第１および第２のコントローラ
171 および172 によって行ドライバ16の同期がとられる
ようにしている。

【００１３】同期回路19は、リセット信号および発振回
路を共用するもので、垂直同期信号および水平同期信号
と共に、データ信号の発生タイミング、さらにパルス幅
に関するコントローラ171 、172 の内部レジスタの設定
を同じにすることで実現できる。

【００１４】この様に構成される多重映像表示装置にお
いて、レンティキュラーレンズ板12を構成する多数のシ
リンドリカルレンズ121 、122 、…それぞれと、第１お
よび第２の画素群をそれぞれ構成する画素とは、特定さ
れる関係に設定されている。すなわち、各シリンドリカ
ルレンズ121 、122 、…それぞれの幅は、水平方向に並
ぶ２つの画素の幅に対応して設定されるもので、例えば
画素131 と141 、132と142 、…のように、第１および
第２の画素群を構成するそれぞれ１つの水平方向に並ぶ
画素が、１つのシリンドリカルレンズの幅範囲に設定さ
れるようにしている。

【００１５】これをさらに具体的に示せば、図２で示す
ようにＡ方向から見たときは第１の画素群を構成する画
素131 、132 、…が視認され、Ｂ方向から見たときには
第２の画素群を構成する画素141 、142 、…が視認され
るようにするもので、Ａ方向からは第１の映像信号によ
って駆動される第１の画素群によって構成された第１の
映像を見ることができ、Ｂ方向からは第２の映像信号に
よって駆動される第２の画素群によって構成される第２
の映像をみることができるようにしている。

【００１６】この様に構成される装置において、コント
ローラ171 は画像メモリ181 に書き込まれたデータを読
み込み、桁ドライバ151 に対してシリアルにＡ方向から
見られる第１の映像用の桁データおよびクロックを出力
する。桁ドライバ151 は供給されたシリアルデータおよ
びクロックに基づいてパラレルデータに変換し、第１の
映像を表示する第１の画素群の画素131 、132 、…に対
して表示信号を出力する。

【００１７】コントローラ172 は画像メモリ182 からの
データを読み込み、桁ドライバ152に対してＢ方向から
見られる第２の映像のシリアルデータおよびクロックを
供給し、パラレルデータに変換して第２の画素群を構成
する画素141 、142 、…に対して表示信号を供給する。
そして、画像表示器11において第１の映像および第２の
映像が、それぞれ第１の画素群および第２の画素群によ
って独立的に表示されるようになる。

【００１８】画像表示器11の第１の映像を表示する画素
131 、132 、…および第２の映像を表示する画素141 、
142 、…と、レンティキュラーレンズ板12の各シリンド
リカルレンズ121 、122 、…の相対位置関係、すなわち
観察者と表示面との距離、レンズと画素との距離、レン
ズの光軸と画素との距離、さらにシリンドリカルレンズ
121 、122 、…の焦点距離等を最適に調整することによ
って、図２で示したようにＡ方向映像を表示する画素13
1 、132 、…から出た光はレンティキュラーレンズ板12
の各シリンドリカルレンズ121 、122 、…を通してＡの
方向に集光される。またＢ方向映像を表示する画素141
、142 、…から出た光は、レンティキュラーレンズ板1
2の各シリンドリカルレンズ121 、122 、…を通してＢ
の方向に集光される。

【００１９】したがってこの多重映像表示装置にあって
は、Ａの方向から画素131 、132 、…による第１の映像
のみが見えるようになり、Ｂの方向からは画素141 、14
2 、…による第２の映像のみが見えるようになるもので
あり、表示器11に対する観察者の位置に応じて、第１も
しくは第２の画像がそれぞれ独立的に観察できるように
なる。

【００２０】したがって、この様な表示器11を例えば図
３で示すように自動車の運転席と助手席との間に設置す
るようにすれば、運転席からはＡ方向からの第１の映
像、例えばナビゲーション用の画像が見られるようにな
り、また助手席からは他の第２の映像、例えば野球中継
画面を見ることができるもので、車室内の複数台の表示
器をセットすることなく、運転席および助手席において
それぞれ目的とする画像が独立的に見られるようにな
る。

【００２１】この様に１つの表示器11において例えば２
種類の映像が表示され、異なる方向の観察者においてそ
れぞれ独立的に見ることができるようになると、表示さ
れた第１の映像と第２の映像にそれぞれ対応する音声
が、このそれぞれの映像の観察者においてそれぞれ独立
的に聴取できるようにすることが要求される。この様な
要求を満たすためには、例えばそれぞれの観察者におい
て別個の音声信号の供給されるヘッドホン等を着用すれ
ばよいものであるが、これでは煩わしさが大きくなっ
て、運転者が用いた場合には運転の障害となることがあ
る。

【００２２】この様な点を考慮すると、発生音声に指向
性を持たせることによって、表示器11で表示された第１
の映像に対応する第１の音声が、例えば運転席において
のみ聴取することができ、また第２の映像に対応した第
２の音声が、助手席においてのみ聴取できるようにした
音声再生システムが考えられる。

【００２３】この様な音声再生システムにおいては、表
示器11の映像のＡおよびＢのそれぞれ結像方向に対応す
る指向性を有する指向性スピーカを用いた音声出力シス
テムが用いられる。例えば、空間の非線形パラメトリッ
ク作用を利用して、音声信号を超音波によってＡＭ変調
して出力する超音波スピーカを用いる。

【００２４】図４はこの様な目的に使用される音声再生
装置の１つのチャンネル部を示すもので、音源回路31で
発生された表示映像に対応した音声信号ｆm は、超音波
発振器32からの超音波信号ｆo と共に変調器33に供給
し、超音波信号によってＡＭ変調した音声信号を得る。
そして、このＡＭ変調信号は増幅器34で増幅した後、指
向性スピーカ35に供給して発音するもので、このスピー
カ35の指向方向は、例えば自動車の運転席あるいは助手
席に向けて設定されている。

【００２５】スピーカ34における指向性は、例えば複数
個の超音波振動子を並べて配置することによって音声出
力ビームを絞り、且つ各振動子の向きを調整することに
よって実現できる。これらの振動子に対しては、超音波
信号でＡＭ変調された声信号が駆動信号として供給され
る。

【００２６】図１で示した実施例においては、１つのコ
ントローラと１つのメモリを１方向の映像信号専用に用
いるようにしたが、１つのコントローラによって２方向
の映像信号を処理するように構成することもできる。

【００２７】ただし、この様な構成とする場合には、コ
ントローラからシリアルに出力される桁データは、Ａ方
向の映像データとＢ方向の映像データとが混在するもの
であるため、この２種類の映像信号を選別するセレクタ
回路を介して、ＡおよびＢのそれぞれの方向の映像デー
タに振り分ける必要がある。しかし、その構成において
コントローラの数を少なくすることができるものである
ため、コストの低減化が可能とされる。また、テレビジ
ョン映像を再生するに際しては、画像メモリとコントロ
ーラの代わりに複合映像信号の再生回路を用いることも
できる。

【００２８】

【発明の効果】以上のようにこの発明に係る多重映像表
示装置によれば、表示画面を見る方向によってそれぞれ
独立した別個の映像を見ることができるものであり、こ
の際に目がね等の特別の用具を使用する必要がなく、非
常に簡便に応用できる。また、指向性を有する音声再生
システムを併用することによって、例えば自動車におい
て運転席と助手席で別個の映像を見ることができると共
に、ヘッドホン等の煩わしいシステムを使用することな
く、運転席および助手席においてそれぞれ見ている映像
にそれぞれ対応した音声を聴取することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例に係る多重映像表示装置を
説明するための構成図。

【図２】上記実施例の特に表示面部分を拡大して示した
説明図。

【図３】この様な表示装置の応用例を説明する図。

【図４】上記表示装置に組み合わされる音声再生システ
ムを説明する図。

【符号の説明】

11…画像表示器、12…レンティキュラーレンズ板、121
、122 、…シリンドリカルレンズ、131 、132 、…画
素（第１の画素群）、141 、142 、…画素（第２の画素
群）、151 、152 …桁ドライバ、16…行ドライバ、171
、172 …ロコントローラ、181 、182 …画像メモリ。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像を表示するための第１の走査方向に
   沿って第１の映像を表示するための多数の画素を配列し
   た第１の画素群、この第１の画素群の各画素のそれぞれ
   相互間に配置された多数の画素からなる第２の画素群に
   よって構成された画像表示手段と、 この画像表示手段の画像表示面に対接設定され、前記第
   １の走査方向と直交する第２の走査方向にそれぞれ軸方
   向が延びるように設定された多数のシリンドリカルレン
   ズの集合によって構成されたレンティキュラーレンズ
   と、 前記第１の画素群および第２の画素群にそれぞれ対応し
   た第１および第２の映像信号に基づく映像を、それぞれ
   前記第１の画素群および第２の画素群によって構成され
   た表示画面で表示させる画像表示制御手段とを具備し、 前記レンティキュラーレンズを構成する前記各シリンド
   リカルレンズは、前記隣接して配置されるようになる第
   １の画素群の画素と第２の画素群の画素の１つの対にそ
   れぞれ対応して設定し、観察位置および表示面と視線方
   向のなす角度により異なる映像が見られるようにしたこ
   とを特徴とする多重映像表示装置。
2. 【請求項２】 前記第１および第２の映像信号に対応す
   る第１および第２の音声信号を出力する音声出力手段を
   備え、この第１および第２の音声信号がそれぞれ独立し
   て発音制御されるようにした請求項１に記載の多重映像
   表示装置。
3. 【請求項３】 前記音声出力手段は、前記第１および第
   ２の音声信号をそれぞれ独立的に発音する指向性スピー
   カを含み構成されるようにした請求項２の多重映像表示
   装置。