JPH06235944A - 光ビーム走査方法 - Google Patents

光ビーム走査方法

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JPH06235944A
JPH06235944A JP5044576A JP4457693A JPH06235944A JP H06235944 A JPH06235944 A JP H06235944A JP 5044576 A JP5044576 A JP 5044576A JP 4457693 A JP4457693 A JP 4457693A JP H06235944 A JPH06235944 A JP H06235944A
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JP
Japan
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light
control signal
scanning
signal
deflection
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Application number
JP5044576A
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English (en)
Inventor
Yuji Akagi
祐司 赤木
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光偏向器の回折効率の非線形性を正確に補正
する。 【構成】 所定の掃引信号VTと補正対象として取り敢
えず設定した掃引信号VMとをAOD270に、一定値
のアナログ変調制御信号VAをAOM131に各々印加
して、レーザービームLB5を走査し乾板1を焼き付け
る。そして乾板1に光を照射して透過度を測定し、透過
度データから掃引信号VMを補正する。この様な焼き付
け・透過度の測定・補正を、透過度の最大値と最小値と
の差が許容値以内となるまで繰り返し、最適な掃引信号
VMを決定する。この決定後の掃引信号VMを用いるこ
とにより、光量ムラを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光偏向素子を用いた
光ビーム走査方法に関するものであり、特に、光ビーム
を感光材上に走査することにより描画するレーザープロ
ッタ等の装置に利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】光偏向素子(以下、AODと言う。)
は、レーザービームを走査するためのキーデバイスとし
て広く用いられている。このAODは、周知の通り、音
響光学効果を利用した素子の一つであり、素子内に励振
された超音波により回折される光の回折方向が超音波の
周波数に依存して変化することに基づき、周波数変調に
より光の回折方向を制御するものである。この様なAO
Dを用いた走査光学系の従来例の概念図を、図46に示
す。
【0003】同図に示す通り、走査光学系200Bは、
AOD270BとアナログAOM(光変調素子)220
BとディジタルAOM240Bとを有している。尚、本
図では、説明の便宜上、レンズ等の他の光学系の記載を
省略している。
【0004】ここでアナログAOM220Bとは、一般
的には、回折光の強度が超音波の強度に依存することに
基づき、アナログ変調により光の強度を制御しようとす
る素子であるが、ここではアナログAOM220Bは、
レーザービームLB03の光量を乾板1B(感光材)の
感度に応じた最適な値に設定するための素子として用い
られている。即ち、アナログAOM220Bは、カメラ
の絞りと同じ様な役割を果たすことになる。従って、ア
ナログAOM220Bに印加される変調制御信号VAO
(以下、単に制御信号とも称す)は、一度設定されたな
らば、レーザービームLB03の走査中は変更されるこ
とは無い。即ち、制御信号VAOの電圧は常に一定値で
ある。これにより、アナログAOM220Bに入射した
レーザービームLB0は常に所定の光量に減衰され、レ
ーザービームLB01として出射される。
【0005】又、ディジタルAOM240Bとは、回折
光の強度が超音波の強度に依存することに基づき、ディ
ジタル変調により光の有無を制御しようとする素子であ
る。従って、ディジタルAOM240Bは、変調制御信
号VD0(以下、単に制御信号とも称す)に応じてON
/OFF動作を繰り返す。即ち、ディジタルAOM24
0Bは、カメラのシャッターと同じ様な役割を果たす。
これにより、ディジタルAOM240BがON動作時に
入射したレーザービームLB01はレーザービームLB
02として出射し、AOD270Bに入射する。
【0006】一方、AOD270Bの動作は、2つの偏
向制御信号VTO(以下、単に制御信号とも称す)、V
MOにより制御される。その制御信号の一つVTOはレ
ーザービームLB03の偏向角を制御する信号であり、
この制御信号VTOにより、乾板1B上の各描画点の位
置が制御される。この制御信号VTOとしては、例え
ば、鋸波の様な周波数が連続的に且つ周期的に変化する
信号が用いられる。もう一つの制御信号VMOは、レー
ザービームLB03の光量を制御する信号であり、この
制御信号VMOにより、各描画点に於ける光量が制御さ
れる。尚、各描画点での光量は、当該描画点に於ける焼
き付け濃度に対応する。
【0007】しかし、これらの制御信号VTO、VMO
によりレーザービームLB03の偏向角、光量(焼き付
け濃度)を高精度で制御するには、実際には、AOD2
70Bの非線形特性を考慮しなければならないという問
題がある。
【0008】即ち、AODの回折効率は、入力周波数に
応じて非線形に変化する。そのため、この様な回折効率
の非線形性を補正しないでレーザービームLB03を走
査させると、各描画点毎に光量が異なることとなり、露
光むらが発生することになる。以後、この現象を光量ム
ラと呼ぶことにする。従って、係る光量ムラを発生させ
ること無く画質の良い描画を行おうとするには、AOD
の非線形特性を補正するすることができる制御信号VM
Oを定めることが必要となる。
【0009】その様な制御信号VTO、VMOを最適化
する技術としては、例えば、特開昭59−16012
8号公報や(本願出願人の出願に係る)特開平3−2
21926号公報に開示されたものがある。ここで、
特開昭59−160128号公報に開示された技術は、
係る目的を達成するために、AODとその駆動回路との
間にフィルタを設け、そのフィルタ特性を随時変更可能
とすることによって、図31でいう制御信号VMOを最
適化しようとしたものである。
【0010】一方、特開平3−221926号公報に
開示された技術では、先ず、各描画点毎に制御信号VM
Oの値として適当な値を設定する。次に、これらの制御
信号VTO、VMOを実際にAOD270Bに印加し
て、レーザービームLB03を走査させる。そして、当
該走査と同時に、乾板1Bの位置と等価な位置に設置さ
れたCCDカメラ(図示せず)の受光面上に、シリンド
リカルレンズ(図示せず)を介してレーザービームLB
03を集光させ、各描画点に於けるレーザービームLB
03の光量を測定する。更に、これらの測定結果から、
各描画点に於けるレーザービームLB03の光量を一定
値とする様な補正データを作成し、この補正データを新
たな制御信号VMOとしてAOD270Bに印加するこ
とにより、再度レーザービームLB03を走査し、同様
にレーザービームLB03の光量を、シリンドリカルレ
ンズを介して再度CCDカメラにより測定する。そし
て、上記一連の動作を、各描画点に於けるレーザービー
ムLB03の光量差が許容値以内となるまで繰り返すこ
とにより、最適な制御信号VMOを決定するのである。
尚、制御信号VMOは、制御信号VTOと同期して変化
する。以上の通り、本技術では、上記一連のプロセスに
より求められた補正データを制御信号VMOとして用
い、制御信号VTOと共にこの制御信号VMOによりA
OD270Bを制御するので、光量ムラの発生を防止す
ることが可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術には、次の様な問題点があった。
【0012】 特開昭59−160128号公報の場
【0013】この場合には、AODの非線形特性に適合
したフィルタ特性を実現し、且つその特性を適宜変更可
能とできる設計を行う必要がある。勿論その際、環境条
件を加味したフィルタ特性の設計が必要となることは言
うまでもない。
【0014】しかし、その様なフィルタ特性の実現は極
めて困難であり、実現性に乏しいばかりでなく、調整時
間等を考慮すれば現実的でないことも明白である。従っ
て、本技術は常に正確にAODの非線形特性を補正する
ことができないものであると言える。
【0015】 特開平3−221926号公報の場合
【0016】この場合にはの様な問題点はなく、その
意味では実用的な技術であると言える。しかしながら、
この技術によっても、十分にAODの非線形特性を補
正することができない場合が生じていた。
【0017】即ち、本技術では、制御信号VMOの補
正に際してレーザービームLB03の光量をシリンドリ
カルレンズを介して直接CCDカメラにより測定してい
たが、実際にはシリンドリカルレンズのレンズ特性には
バラツキがあり、このバラツキのために正確に各描画点
毎の光量を検出することができない場合が多発してい
た。この様に描画点毎の光量データが不正確では、正確
な制御信号VMOを求めることができなくなる。
【0018】上記問題点をより明確に図示化したのが、
図47である。同図中、(a)は光学系の配置を模式的
に示しており、(b)は、CCDカメラ50により検出
される光量の一例として、第512番目の描画点P51
2の光量を示している。この場合、シリンドリカルレン
ズL10の特性が原理通り実現されていれば、シリンド
リカルレンズL10を透過したレーザービームLB03
はCCDカメラ50の受光面上の一点に集光され、
(b)に示す光量I1が検出される筈である。しかし、
シリンドリカルレンズL10の特性に誤差があるため、
上記本来の集光点のみならず、その両側近傍にもレーザ
ービームLB03が集光することとなり、3つの光量I
1、I2、I3を同時に検出してしまうこととなる。し
かも、レーザービームLB03は描画点P1から描画点
P1024まで走査されており、各描画点毎に上記3つ
の光量I1、I2、I3が発生することとなる。その結
果、CCDカメラ50から正確な各描画点の光量信号を
転送することが困難となっていた。
【0019】
【発明の目的】この発明は、上記問題点を克服すべく創
作されたものであり、その第1の目的は、光偏向素子に
印加される偏向制御信号の補正の際に必要となる各走査
位置毎の光量検出を正確に実行可能として、光量ムラの
発生を確実に防止することにある。
【0020】また本発明の第2の目的は、光変調素子に
印加される変調制御信号の補正をも正確に実行可能とす
ることにより、低速走査又は高速走査の如何に係わら
ず、一層確実に光量ムラの発生を防止することにある。
【0021】更に本発明の第3の目的は、光偏向素子に
印加される偏向制御信号の補正と光変調素子に印加され
る変調制御信号の補正両方を正確に実行可能とすること
により、低速走査又は高速走査の如何に係わらず、より
一層確実に光量ムラの発生を防止しようとすることにあ
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】
1) 請求項1に係る発明は、光ビームを光偏向素子に入
射することにより、光ビームを感光材上に走査する光ビ
ーム走査方法に関し、(a)周波数に応じてその電圧値
が変化する第1偏向制御信号を光偏向素子に印加し、光
ビームの走査により感光材を焼き付けるステップと、
(b)焼き付け完了後の感光材上の画像パターンから走
査範囲内の各走査位置に於ける光量を検出するステップ
と、(c)検出後の光量データから最大光量と最小光量
との光量差を求め、当該光量差が許容値以内にあるか否
かを判断するステップと、(d)ステップ(c)に於い
て許容値以内にないと判断した場合には、光量データに
基づき第1偏向制御信号を補正することにより新たな第
1偏向制御信号を作成し、当該新たな第1偏向制御信号
を用いてステップ(a)乃至(c)の各ステップを繰り
返すステップと、(e)ステップ(c)の最初の実行に
於いて許容値以内であると判断した場合には第1偏向制
御信号を、又はステップ(d)の2回目もしくはそれ以
後の実行に於いて許容値以内であると判断した場合には
新たな第1偏向制御信号を、それぞれ第2偏向制御信号
に決定するステップと、(f)光偏向素子に第2偏向制
御信号を印加することにより、光ビームを走査するステ
ップとを備えている。
【0023】2) 請求項2に係る発明は、光ビームを光
変調素子を介して光偏向素子に入射することにより、光
ビームを感光材上に走査する光ビーム走査方法に関し
て、(a)光偏向素子及び光変調素子にそれぞれ所定の
偏向制御信号及び当該偏向制御信号に同期した第1変調
制御信号を印加し、光ビームの走査により感光材を焼き
付けるステップと、(b)焼き付け完了後の感光材上の
画像パターンから走査範囲内の各走査位置に於ける光量
を検出するステップと、(c)検出後の光量データから
最大光量と最小光量との光量差を求め、当該光量差が許
容値以内にあるか否かを判断するステップと、(d)ス
テップ(c)に於いて許容値以内にないと判断した場合
には、光量データに基づき第1変調制御信号を補正する
ことにより新たな第1変調制御信号を作成し、当該新た
な第1変調制御信号を用いてステップ(a)乃至(c)
の各ステップを繰り返すステップと、(e)ステップ
(c)の最初の実行に於いて許容値以内であると判断し
た場合には第1変調制御信号を、又はステップ(d)の
2回目もしくはそれ以後の実行に於いて許容値以内であ
ると判断した場合には新たな第1変調制御信号を、それ
ぞれ第2変調制御信号に決定するステップと、(f)光
偏向素子に第2変調制御信号を印加することにより、光
ビームを走査するステップとを備えている。
【0024】3) 請求項3に係る発明は、光ビームを光
変調素子を介して光偏向素子に入射することにより、光
ビームを感光材上に走査する光ビーム走査方法に関し
て、(a)光変調素子及び光偏向素子にそれぞれ所定の
電圧値及び周波数に応じてその電圧値が変化する第1偏
向制御信号を印加し、光ビームの走査により感光材を焼
き付けるステップと、(b)ステップ(a)の焼き付け
完了後の感光材上の画像パターンから走査範囲内の各走
査位置に於ける光量を検出し、第1光量データを得るス
テップと、(c)第1光量データから最大光量と最小光
量との差に該当する第1光量差を求め、当該第1光量差
が第1許容値以内にあるか否かを判断するステップと、
(d)ステップ(c)に於いて第1許容値以内にないと
判断した場合には、第1光量データに基づき第1偏向制
御信号を補正することにより新たな第1偏向制御信号を
作成し、当該新たな第1偏向制御信号を用いてステップ
(a)乃至(c)の各ステップを繰り返すステップと、
(e)ステップ(c)の最初の実行に於いて第1許容値
以内であると判断した場合には第1偏向制御信号を、又
はステップ(d)の2回目もしくはそれ以後の実行に於
いて第1許容値以内であると判断した場合には新たな第
1偏向制御信号を、それぞれ第2偏向制御信号に決定す
るステップと、(f)光変調素子及び光偏向素子にそれ
ぞれ第2偏向制御信号に同期した第1変調制御信号及び
第2偏向制御信号を印加し、光ビームの走査により感光
材を焼き付けるステップと、(g)ステップ(f)の焼
き付け完了後の感光材上の画像パターンから走査範囲内
の各走査位置に於ける光量を検出し、第2光量データを
得るステップと、(h)第2光量データから最大光量と
最小光量との差に該当する第2光量差を求め、当該第2
光量差が第2許容値(第2許容値<第1許容値)内にあ
るか否かを判断するステップと、(i)ステップ(h)
に於いて第2許容値以内にないと判断した場合には、第
2光量データに基づき第1変調制御信号を補正すること
により新たな第1変調制御信号を作成し、当該新たな第
1変調制御信号を用いてステップ(f)乃至(h)の各
ステップを繰り返すステップと、(j)ステップ(h)
の最初の実行に於いて第2許容値以内であると判断した
場合には第1変調制御信号を、又はステップ(i)の2
回目もしくはそれ以後の実行に於いて第2許容値以内で
あると判断した場合には新たな第1変調制御信号を、そ
れぞれ第2変調制御信号に決定するステップと、(k)
光変調素子及び光偏向素子にそれぞれ第2変調制御信号
及び第2偏向制御信号を印加することにより、光ビーム
を走査するステップとを備えている。
【0025】
【作用】
1) 請求項1に係る発明
【0026】先ず光偏向素子に第1偏向制御信号を印加
すると、光偏向素子に入射した光ビームは第1偏向制御
信号に応じた偏向角で出射し、同時にその光量も第1偏
向制御信号に応じた値に変調される。そして、この光ビ
ームを用いて感光材を焼き付け、焼き付け完了後の感光
材上に生じた画像パターンから各走査位置の光量を検出
し、光量差が許容値以内にない場合に第1偏向制御信号
を光量データに基づき補正する。この様な補正を繰り返
す結果、光偏向素子は、感光材上の各走査位置に於ける
光ビームの光量が常に許容値以内となるように、入射し
た光ビームの光量を変調する。
【0027】2) 請求項2に係る発明
【0028】先ず光変調素子に第1変調制御信号を印加
すると、光変調素子は入射した光ビームの光量を第1変
調制御信号に応じた光量に変調する。この光量変調を受
けた光ビームが更に光偏向素子に入射する結果、光ビー
ムは、光偏向素子に印加される所定の偏向制御信号に応
じた偏向角で出射されると共に更に所定の光量変調を受
ける。そこで、この光ビームを用いて感光材を焼き付
け、焼き付け完了後の感光材上に生じた画像パターンか
ら各走査位置の光量を検出し、光量差が許容値以内にな
い場合に第1変調制御信号を光量データに基づき補正す
る。この様な補正を繰り返す結果、光変調素子は、感光
材上の各走査位置に於ける光ビームの光量が常に許容値
以内となるように、当該光変調素子に入射した光ビーム
の光量を変調する。
【0029】3) 請求項3に係る発明
【0030】 先ず光変調素子に所定の電圧値を印加
すると、光変調素子は入射した光ビームの光量を印加電
圧値に応じた光量へ減じる。更に光偏向素子に第1偏向
制御信号を印加しているので、光偏向素子は、入射した
光ビームを第1偏向制御信号に応じた偏向角で出射し、
同時にその光量をも第1偏向制御信号に応じた値に変調
する。そこで、この光ビームを用いて感光材を焼き付
け、焼き付け完了後の感光材上に生じた画像パターンか
ら各走査位置の光量を検出し、最大光量と最小光量との
差に該当する第1光量差が第1許容値以内にない場合に
第1変調制御信号を第1光量データに基づき補正する。
この様な補正を繰り返す結果、偏向制御信号として最適
な第2偏向制御信号が決定されることとなり、光変調素
子は、感光材上の各走査位置に於ける光ビームの光量が
常に第1許容値以内となるように、入射した光ビームの
光量を変調する。
【0031】 次に光変調素子に第1変調制御信号を
印加すると、光変調素子は入射した光ビームの光量を第
1変調制御信号に応じた光量に変調する。この光量変調
を受けた光ビームが更に光偏向素子に入射する結果、光
ビームは、光偏向素子に印加された第2偏向制御信号に
応じた偏向角で出射されると共に、更に第2偏向制御信
号に応じて定まる光量変調を受ける。そこで、上記2回
の光量変調を受けた光ビームを用いて感光材を再び焼き
付け、焼き付け完了後の感光材上に生じた画像パターン
から各走査位置の光量を検出し、第2光量差が第2許容
値以内にない場合に第1変調制御信号を第2光量データ
に基づき補正する。この様な補正を繰り返す結果、変調
制御信号として最適な第2変調制御信号が決定され、光
変調素子は、感光材上の各走査位置に於ける光ビームの
光量が常に第2許容値以内となるように、当該光変調素
子に入射した光ビームの光量を適切に変調する。
【0032】
【実施例】
〔1〕 実施例1
【0033】(A) 描画システムの全体構成とその概
略動作
【0034】(A−1) 機械的構成
【0035】図2は、この発明の一実施例である描画シ
ステム10の機械的構成を示した斜視図である。尚、本
図においては便宜上、後述される描画制御装置やデータ
処理部等の記載が省略されている。
【0036】同図に示す通り、描画システム10は、基
台15の上に、感材送り機構20と描画機構30とを備
えている。
【0037】ここに感材送り機構20は、吸引テーブル
21と水平Y方向に伸びる一対のガイド22とを有して
おり、この吸引テーブル21はガイド22上にスライド
自在に載置されている。更に、この吸引テーブル21上
には、ガラス乾板などの感材1(以後、乾板1と称す)
が吸着されている。又、吸引テーブル21は、モータ2
3によって回転するボールスクリュー(図示せず)によ
って、(±Y)方向に往復移動する。これにより、感材
1もまた(±Y)方向に往復移動することになる。
【0038】一方、描画機構30は、水平X方向に伸び
る一対のガイド31を有している。ただし、X方向はY
方向に垂直な方向である。そして、ガイド31上にはハ
ウジング32がスライド可能に載置されており、走査光
学系200がこのハウジング32内に収容されている。
尚、本図中の切欠き部に示された描画ヘッド33は、こ
の走査光学系200の一構成要素である。更にモータ3
4によってボールスクリュー35が回転すると、ハウジ
ング32、従って走査光学系200がX方向または(−
X)方向へ移動する。その結果、描画ヘッド33もま
た、X方向または(−X)方向へ移動する。
【0039】又、基台15の上面には、レーザ−発振器
40A(He−Neレーザ−等)が設けられている。こ
のレーザー発振器40Aからのレーザービーム41は、
ビームスプリッタ42〜45によって2本のレーザービ
ーム41X、41Yに分離される。ただし、ビームスプ
リッタ44、45は、描画ヘッド33に固定されてい
る。更に、吸引テーブル21のX方向端部および(−
Y)方向端部には、それぞれ平面ミラー46X、46Y
が立設されている。その結果、レーザービーム41X、
41Yはこれらのミラー46X、46Yによってそれぞ
れ反射され、ビームスプリッタ44、45の位置へ戻
る。そして、図示しない光干渉検出器によって、レーザ
ービーム41X、41Yそれぞれのミラー反射光路長が
検出される。これにより、描画ヘッド33に対する乾板
1の水平面内の相対位置が測定されることになる。以
後、レーザ−発振器40Aや図示しない光干渉検出器等
を含めて、これらの光学系をレーザ−測長器と総称する
ことにする。尚、図示はしないが、感材送り機構20の
全体は、開閉自在な遮光フードの中に収容されている。
【0040】(A−2) 電気的構成
【0041】図3は描画システム10の電気的構成を模
式的に示した構成図である。同図に示す通り、その電気
的構成は描画制御装置100を中心として構成される。
ここでレーザ−測長器40は、既述した乾板1の相対位
置に関する測定結果を、位置情報Sx(X方向)、Sy
(Y方向)として描画制御装置100に出力する。そし
て描画制御装置100は、位置情報信号Sx、Syに基
づき走査信号を作成するとともに、その走査信号に基づ
き制御信号VT、VM、VA、VDを作成する。これら
の制御信号VT、VM、VA、VDは、走査光学系20
0の各構成要素の動作を制御する信号である。
【0042】又、ワークステーション300内のCPU
310は、後述する各種の演算処理を行う他、メモリ
(図示せず)に格納されたデータDiを描画制御装置1
00へ送信する。
【0043】一方、描画制御装置100内のモータコン
トローラ180は、制御信号VC1、VC2をそれぞれ
モータ23及び34へ出力し、これらのモータ23、3
4の回転を制御している。更に、図形入力装置400よ
り画像データSVが、描画制御装置100に与えられ
る。
【0044】以上述べた描画制御装置100及びデータ
処理部300内に於ける一連の動作の詳細な説明につい
ては、後述する。
【0045】(A−3) 描画の基本的原理
【0046】図4は、描画システム10における描画の
基本的原理を示す説明図である。描画ヘッド33から
は、(±X)方向に周期的に偏向した2本のレーザービ
ームLB5a、LB5bが出射され、乾板1上に照射さ
れる。これらのレーザービームLB5a、LB5bは、
共に画像信号SVに基づく変調を受けている。そして、
乾板1を例えば(−Y)方向に移動させつつ、レーザー
ビームLB3a、LB3bによる露光を行なう。この場
合には、(±X)方向に延びた走査線LのY方向の配列
に沿って描画が行なわれる。又、乾板1の描画エリア2
は平行ストライプ2a、2b、・・・に概念的に分割さ
れており、描画は各ストライプ2a、2b、・・・ごと
に行なわれる。
【0047】(B) 走査光学系の構成
【0048】(B−1) 走査光学系の構成の概要
【0049】図1は、走査光学系200の主要な構成部
分を模式的に示した図である。本図に示す通り、レーザ
ー発振器210より発振したレーザービームLBは、先
ずアナログAOM220に入射する。このアナログAO
M220は、単にレーザービームLBの光量を乾板1の
感度に適した所定光量へ減衰するのみである。
【0050】次にレーザービームLB1はビームスプリ
ッタ230に導入され、2本のレーザービームLB2
a、LB2bに分波される。そしてこれらのレーザービ
ームLB2a、LB2bは、それぞれディジタルAOM
240、250に入射される。ここでディジタルAOM
240及び250は、既述した通り、ディジタル変調に
より回折光の有無を制御しようとする素子である。従っ
てディジタルAOM240及び250は、それぞれ描画
制御装置100より発せられるディジタル変調制御信号
VDa及びVDbに応じて、レーザービームLB2a、
LB2bをオン・オフする。しかもディジタル変調制御
信号VDa及びVDbは共に、画像入力装置400から
描画制御装置100に与えられた画像信号SVに基づき
作成された信号である。これらの点の詳細な説明につい
ては、後述する。
【0051】その結果、レーザービームLB2aは、デ
ィジタル変調制御信号VDaがHレベルにあるときにの
みディジタルAOM240内に励振された超音波によっ
て一定方向へ回折され、レーザービームLB3aとして
ディジタルAOM240より出射する。同じくレーザー
ビームLB2bもまた、ディジタル変調制御信号VDb
がHレベルにあるときにのみレーザービームLB3bと
してディジタルAOM240より出射する。
【0052】その後、両ビームLB3a、LB3bはビ
ームスプリッタ260に導入され、レーザービームLB
4に合成される。即ち、合成後のレーザービームLB4
は、所定の間隔だけ離れて進行する2本のレーザービー
ムLB4a、LB4bからなるビーム束である。従っ
て、ビームスプリッタ260以後は、再び一つの光学系
で走査光学系200が構成される。その様な光学系の詳
細な説明については、後述する。
【0053】次にレーザービームLB4は、AOD27
0に入力される。このAOD270は、描画制御装置1
00より発せられる掃引信号VT、VM(偏向制御信号
に該当)に応じて、AOD270内で回折されたレーザ
ービームLB5の偏向角を制御する。尚、レーザービー
ムLB5もまた、2つのレーザービームLB5a、LB
5bのビーム束であり、両ビームLB5a、LB5bを
総称する用語として用いられている。ここで、AOD2
70に於ける動作をより詳細に説明するならば、次の通
りとなる。
【0054】先ず掃引信号VTは、例えば鋸波の様に、
その周波数が連続的に且つ周期的に変化する信号であっ
て、予め定められた信号である。その結果、AOD27
0は、掃引信号VTの周波数の変化に応じてレーザービ
ームLB5の偏向角を変える。これにより、レーザービ
ームLB5は、乾板1上を±X方向へ走査される。
【0055】もう一方の掃引信号VMは、掃引信号VT
に同期し、且つ各描画点に於ける光量乃至は透過度が実
質的に一定となる様に後述する補正方法により最適化さ
れた信号である。その結果、AOD270内に励振され
る各超音波の強度は、掃引信号VMの電圧値(レベル)
に応じて変化することとなり、この変化によりAOD2
70の回折効率の非線形性が補正されることとなる。
【0056】尚、実際には、掃引信号VT及びVMは、
連続的にAOD270に印加されるのではなく、所定の
時間間隔でAOD270に印加される。従って、レーザ
ービームLB5は、少しずつ乾板1上を走査されること
となる。そして、この掃引信号VT及びVMに同期し
て、アナログ変調制御信号VAもアナログAOM220
に印加される。これらの点も、後述する説明で明らかと
なる。
【0057】(B−2) 走査光学系の具体的構成
【0058】図5〜図7は、走査光学系200の具体的
構成を明示した光学的構成図である。
【0059】先ず、Arイオンレーザー(波長:488
nm)等よりなるレーザー発振器210より出射したレ
ーザービームLBは、ミラーM1〜M3を介してアナロ
グAOM220に入射される。アナログAOM220の
動作は既述した通りである。そして出射レーザービーム
LB1は、ミラーM4で反射された後、ビームスプリッ
タ230に導入され、レーザービームLB2aとLB2
bとに分波される。
【0060】次にレーザービームLB2aは、ミラーM
4、集光用レンズL1aを介してディジタルAOM24
0に入射され、ディジタル変調される。そしてディジタ
ルAOM240のON時に出射したレーザービームLB
3aは、集光用レンズL2a、ミラーM6を介して無偏
光ビームスプリッタ260Aに入射される。一方、レー
ザービームLB2bは、集光用レンズL1bを介してデ
ィジタルAOM250に入射される。そして、ディジタ
ルAOM250のON時に出射したレーザービームLB
3aは、集光用レンズL2bを介して無偏光ビームスプ
リッタ260Aに入射される。無偏光ビームスプリッタ
260Aに入射した両レーザービームLB3a、LB3
bは、当該無偏光ビームスプリッタ260A及びその後
ミラーM7を介して入射される偏光ビームスプリッタ2
60Bによって合成される。
【0061】その後、レーザービームLB4a、LB4
bは、第1エキスパンダEP1によりビーム間隔が狭め
られた上で、AOD270に入射される(図7参照)。
AOD270における動作は既述した通りである。尚、
第1エキスパンダEP1を構成するロッドレンズL3及
びシリンドリカルレンズL4のレンズ間距離は、いわゆ
る「AODのシリンドリカル効果」を打ち消すために適
切に調整されている。この「AODのシリンドリカル効
果」とは、AODに平行ビームを入射した場合に、AO
Dの掃引信号の周波数が一定の場合には回折光も平行ビ
ームとなるのに対して、AODの掃引信号の周波数が変
化する場合には回折光は平行ビームとはならず、ある拡
がりを持つことになるという現象である。そこで、この
様な現象によるフォーカス位置の位置ズレ発生を未然に
防止する目的で、上記レンズ間距離を変えることにより
絞られ気味のレーザービームLB4a、LB4bをAO
D270に入射し、回折されたレーザービームLB5
a、LB5bそれぞれが平行に出射される様にしたもの
である。
【0062】一方、AOD270より出射されたレーザ
ービームLB5a、LB5bは、第2エキスパンダEP
2によりビーム間隔が拡げられた上で、スキャンレンズ
L7に入射される。即ち、レーザービームLB5a、L
B5bは、第2エキスパンダEP2のロッドレンズL6
を中心に角度θの拡がりを有しており、スキャンレンズ
L7を出射したレーザービームLB5a、LB5bは、
44μm程度のビーム間隔hを有する相互に平行なビー
ムとなる(図7)。
【0063】最後に、スキャンレンズL7より出射した
レーザービームLB5a、LB5bは、ミラーM8を介
して既述した描画ヘッド33に導かれる。即ち、レーザ
ービームLB5a、LB5bは、ペチャンプリズムP
Z、リレーレンズL8を介して対物レンズL9へ入射さ
れる。このときのレーザービームLB5a、LB5bの
ビーム間隔は22μm程度であり、各ビームLB5a、
LB5bのビーム径(直径)は20μmである。このビ
ーム間隔は、2本のビームが互いに干渉しないために必
要なビーム間隔20μmを満足するものである。その
後、両ビームLB5a、LB5bは、対物レンズL9に
設定されている所定の倍率に応じてビーム径が縮小され
た上で、乾板1へ照射される。尚、本実施例では、対物
レンズL9の倍率として3種類の倍率(2倍、5倍、1
0倍)が用意されている。ここで、対物レンズL9に入
射した際のレーザービームLB5a、LB5bのビーム
径は20μmであるので、倍率を2倍とした場合には各
ビームLB5a、LB5bのビーム径は10μmに縮小
される。同じく倍率をそれぞれ5倍、10倍とした場合
には、ビーム径はそれぞれ4μm、2μmとなる。尚、
以後の説明においては、走査光学系200に於ける倍率
は10倍(ビーム径2μm)であるものとして取り扱わ
れている。又、ビーム径とは、レーザービームのビーム
ウエストの直径を意味している。
【0064】又、描画ヘッド33内には、図6に例示す
る様に、対物レンズL9より出射したレーザービームL
B5a、LB5bを乾板1上に常にフォーカスするため
のオートフォーカス検出系(レーザーダイオードLD、
位置検出装置PSD)が備えられている。
【0065】(C) 描画制御装置の電気的構成
【0066】(C−1) 描画制御装置の全体構成
【0067】図8は、描画制御装置100の全体構成を
周辺装置と共に示したブロック図である。尚、本図に
は、アナログAOM220、ディジタルAOM240、
250及びAOD270のそれぞれのドライバとして、
アナログAOMドライバ221、ディジタルAOMドラ
イバ241、251及びAODドライバ271が記載さ
れているが、図1においては、これらのドライバの記載
は便宜上省略されていた。
【0068】同図に示す通り、描画制御装置100は、
クロック110、走査信号発生部120、アナログAO
M制御部130、ディジタルAOM制御部140、15
0、掃引信号発生部160、ラスター変換部170及び
モーターコントローラ180を有している。
【0069】先ずクロック110より発したシステムク
ロックSCLK(20MHz)は、走査信号発生部12
0に入力される。走査信号発生部120は、システムク
ロックSCLKに基づきデータスタート信号DST、デ
ータ読出信号DR及び走査開始信号STを作成し、デー
タ読出信号DRをアナログAOM制御部130及び掃引
信号発生部160へ出力するとともに、データスタート
信号DST及び走査開始信号STをディジタルAOM制
御部140、150へ出力する。又、システムクロック
SCLKは、ディジタルAOM制御部140及び150
にも入力される。
【0070】一方、CPU310は、CCDカメラ50
により測定された光量データVPに基づき掃引信号VM
用のデータを補正し(補正方法については後述す
る。)、その補正後のデータをデータバス350を介し
て掃引信号発生部160に送信する。又、CPU310
は、アナログAOM制御部130に対しても、データバ
ス350を介してアナログ変調制御信号VA用のデータ
(一定値)を送信する。
【0071】各部130、140、150、160の概
略動作は、次の通りである。先ず、アナログAOM制御
部130は、データ読出信号DRのタイミングに基づ
き、記憶するアナログ変調制御信号VA用のデータ(一
定値)を読み出し、アナログ変調制御信号VA(一定
値)を作成する。そして、アナログ変調制御信号VAを
アナログAOMドライバ221へ出力する。アナログA
OMドライバ221は、アナログ変調制御信号VAをド
ライブ信号として適したアナログ変調制御信号VA1
(一定値)に変換する。
【0072】又、ディジタルAOM制御部140は、走
査開始信号STに応じてスタンバイ状態となり、その
後、ラスター変換部170より送られてきたラスター信
号SVRa(アナログ信号)をデータスタート信号DS
Tのタイミングでドット信号DOT1(ディジタル信
号)に変換する。その後、ドット信号DOT1は、ディ
ジタルAOMドライバ241によりドライブ信号として
適したディジタル変調制御信号VDaに変換される。
尚、ディジタルAOM制御部150もまた、同様の動作
をする。これらのラスター信号SVRa、SVRbは、
ラスター変換部170により画像信号SVからラスター
変換されて作成された信号である。
【0073】又、掃引信号発生部160は、記憶する掃
引信号VT、VMに関するデータをデータスタート信号
DSTのタイミングで読み出し、掃引信号VT、VMを
作成するとともに、掃引信号VT、VMをAODドライ
バ271に出力する。AODドライバ271は、掃引信
号VT、VMをドライブ信号として適した掃引信号VS
に変換する。
【0074】各部の概略動作は、以上の通りである。以
下においては、各部の詳細な構成について説明する。
【0075】(C−2) クロック110
【0076】図9は、クロック110の構成を示したブ
ロック図である。同図に示す通り、クロック110は、
ECL発振器111と分周器112とから構成される。
ここでECL発振器111は、200MHzのECLク
ロックCLKを発振する発振器である。そしてECLク
ロックCLKは分周器112に入力され、20MHzの
システムクロックSCLKに分周される。尚、原振であ
るECLクロックCLKもまた、随時、クロック110
より取り出せる様に設定されている。
【0077】(C−3) 走査信号発生部120
【0078】図10は、走査信号発生部120の構成を
示したブロック図である。この走査信号発生部120
は、レーザー測長器40より送られて来る位置情報信号
Sy(位置パルス)から走査開始信号ST、データスタ
ート信号DST及びデータ読出信号DRを作成するため
のユニットである。
【0079】先ず、位置情報信号Syは測長パルス補正
回路121により所定の補正を受けた後、ALU(Arit
hmatic Logic Unit)122に入力される。このALU1
22は、レジスタ124に保持されている変換則RUL
に基づき、パルス単位系(時間)で表された補正済み位
置情報信号Sys から長さ(μm)の単位系で表される
信号に変換した上で、走査スタートパルスSPを走査信
号コントローラ123に出力する。
【0080】又、位置情報信号Syは、Y軸位置カウン
タ125にも送られる。このY軸位置カウンタ125
は、位置情報信号Syより描画ヘッド33のY方向に於
ける現在位置を検出しており、描画ヘッド33が予め定
められたY方向描画開始位置(走査原点)に達したこと
を検出したときに、1ストライプ走査のY方向スタート
パルスYSPを走査信号コントローラ123に出力す
る。
【0081】次に、走査信号コントローラ123は、Y
方向スタートパルスYSPがアサートされた時点で初め
て走査スタートパルスSPを出力できる状態となる。そ
して走査信号コントローラ123は、この時点より走査
信号用カウンタ126のカウントを開始し始め、システ
ムクロックSCLKのタイミングに同期してカウントア
ップしてゆく。ここで走査信号用カウンタ126のカウ
ント数は、アナログAOM制御部130が有するメモリ
(後述される。)のアドレス及び掃引信号発生部160
が有するメモリ(後述される。)のアドレスに対応して
いる。
【0082】そして走査信号用カウンタ126は、50
nsec.毎にそれらのメモリに格納されているデータ
を読み出すためのデータ読出信号DRを、システムクロ
ックSCLKのタイミングに同期してアナログAOM制
御部130及び掃引信号発生部160に出力する。又、
データ読出信号DRは、デコーダ127を介して走査信
号コントローラ123にフィードバックされる。
【0083】ここで、デコーダ127には、予め最初の
描画点P1に相当するカウント数S(後述する回折効率
補正用メモリ162のアドレスSに対応している。)が
与えられている。そして、データ読出信号DRが示すカ
ウント数が当該カウント数Sに等しくなった時点で、デ
コーダ127は、データスタート信号DSTをディジタ
ルAOM制御部140及び150へ出力する。尚、走査
信号コントローラ123は、走査スタートパルスSPを
走査開始信号STとしてディジタルAOM制御部14
0、150へ出力する。
【0084】(C−4) アナログAOM制御部130
【0085】図11は、アナログAOM制御部130の
電気的構成をデータ処理部300と共に模式的に示した
ブロック図である。ここでアナログAOM用メモリ13
1の1400個の各アドレスには、レーザービームLB
4の光量を乾板1の感度に応じた最適値に補正するため
のアナログ変調信号補正データVAD(一定値)が予め
格納されている。これらのデータ格納処理は、CPU3
10によるアドレス指定とメモリ320に格納されたア
ナログ変調信号補正データVADの出力により行われ
る。次に各構成要素の説明をする。
【0086】先ず、アナログAOM用メモリ131の各
アドレスに記憶されているアナログ変調信号補正データ
VADはデータ読出信号DRのタイミングで(50ns
ec.毎に)順次読み出され、D/A変換器132によ
りアナログ信号に変換された上でPGA(Programable
Gain Amp.)133に入力される。
【0087】ここで、PGA133のもう一方の入力端
に接続されているゲインレジスタ134には、アナログ
AOM220として利用される音響光学素子の様々な規
格の相違に対処できる様に、予め利得調整データがセッ
トされている。更に、同じくアナログAOM220の規
格の相違に対してPGA133のオフセットをコントロ
ールすることができる様に、予めオフセット補正データ
がオフセットレジスタ135に与えられており、アナロ
グ変調信号補正データVADは、D/A変換器136を
介してオフセット補正データにより補正される。
【0088】その後、アナログ変調信号補正データVA
Dは、ローパスフィルタ134に入力されて高調波成分
が濾波された上で、アナログ変調信号VAとしてアナロ
グAOMドライバ221ヘ出力される。この様にアナロ
グ変調信号VAは、システムクロックSCLKに同期し
た信号である(そのレベルは一定値、その周波数は20
MHz。)。
【0089】(C−5) ディジタルAOM制御部14
【0090】図12は、ディジタルAOM制御部140
の電気的構成を模式的に示したブロック図である。尚、
ディジタルAOM制御部150の構成もディジタルAO
M制御部140と同一であるため、それらの説明につい
ては割愛する。
【0091】ここでディジタルAOM制御部140は、
ラスター信号化された画像信号SVRaをシステムクロ
ックSCLKのタイミングでドット信号DOT1(ディ
ジタル信号)へ変換するユニットである。従って、画像
信号SVRaをシリアルに出力するために、画像信号S
VRaは先ずFIFOメモリに格納される。
【0092】次に、データ読出コントローラ141は、
走査開始信号STにより読出開始状態になる。
【0093】その後、データスタート信号DSTがデコ
ーダ127より発せられ、データ読出コントローラ14
1に入力されると、データ読出コントローラ141は、
データスタート信号DSTのタイミングに同期した画像
信号読出信号IRをFIFOメモリ142に出力する。
その結果、画像信号Raが、画像信号読出信号IRのタ
イミングでFIFOメモリ142より読出され、ドット
変換器143に送信される。
【0094】又、データ読出コントローラ141は、デ
ータスタート信号DSTに同期してドット数カウンタ1
44のカウントアップを行うとともに、画像信号読出信
号IRをドット変換器143に出力する。
【0095】その結果、ドット変換器143は、画像信
号読出信号IRのタイミングに同期してFIFOメモリ
142から順次出力される画像信号Ra(J)とRa
(J+1)との排他的論理和をとることにより、ON/
OFF信号であるドット信号DOT1を作成する。尚、
ドット変換器143自身は周知の技術を利用した装置で
あり、ここではその詳細な説明を省略する。
【0096】(C−6) 掃引信号発生部160
【0097】図13は、掃引信号発生部160の電気的
構成をデータ処理部300と共に模式的に示したブロッ
ク図である。同図に示す通り、掃引信号発生部160
は、掃引信号VTを作成する部分と掃引信号VMを作成
する部分とに大別される。
【0098】先ず、直線性補正用メモリ161には、予
め掃引信号VTに関する1400個の直線性補正データ
VTDが、出力インターフェース340を介してCPU
310により与えられている。これらの直線性補正デー
タVTDは、電圧制御発振器(VCO)166に於ける
制御電圧に対する周波数特性の非線形性を補正するため
の信号である。そして、直線性補正データVTDは、デ
ータ読出信号DRのタイミングに応じて、即ち、50n
sec.毎に直線性補正用メモリ161より順次読み出
され、D/A変換器163aによりアナログ信号に変換
された上でPGA164aに入力される。ここでPGA
164aもまた、アナログAOM制御部130のPGA
133と同様に、AOD270の規格に応じてそのゲイ
ン及びそのオフセットを補正するためのゲインレジスタ
167a及びオフセットレジスタ168aを有してい
る。
【0099】その後、PGA164aにより増幅された
直線性補正データVTDは、ローパスフィルタ165a
を介してVCO166に入力される。この直線性補正デ
ータVTDにより、VCO166の周波数特性はリニア
とされ、VCO166より掃引信号VTが発振される。
【0100】この様に掃引信号発生部160において
は、AOD270の一走査時間内に(70μse
c.)、1400個の直線性補正データVTDがシステ
ムクロックSCLKのタイミングで次々にD/A変換さ
れ、掃引信号VTが形成される。
【0101】一方、回折効率補正用メモリ162に関し
ても、掃引信号VMに関する1400個の回折効率補正
データVMDが、出力インターフェース340を介して
CPU310により与えられている。但し、当該回折効
率補正データVMDは、AOD270の回折効率の非線
形性を補正可能とするデータであり、後述する補正方法
により最適化されたものである。従って、補正中は、最
適化されていない回折効率補正データVMD0が回折効
率補正用メモリ162の各アドレスに格納されているこ
ととなる。
【0102】次に、回折効率補正データVMDもまた、
データ読出信号DRのタイミングに応じて、50nse
c.毎に回折効率補正用メモリ162より順次読み出さ
れ、D/A変換器163bによりアナログ信号に変換さ
れた上でPGA164bに入力される。ここでPGA1
64bもまた、同様の理由により、ゲインレジスト16
7b及びオフセットレジスト168bを有している。そ
して、PGA164bにより増幅された回折効率補正デ
ータVMDは、ローパスフィルタ165bを経て、掃引
信号VMとしてAODドライバ271に掃引信号VTと
共に出力される。
【0103】(D) 走査方法
【0104】図14は、描画システム10における走査
手順を示したフローチャートである。以下、各ステップ
毎に適宜構成図面を参照しつつその走査手順を説明す
る。
【0105】(D−1) ステップS1
【0106】本ステップは、次のステップS2をも含め
て、走査開始のための準備ステップに相当する。先ず、
走査に必要な各種データが設定される。即ち、直線性補
正データVTD及びアナログ変調信号補正データVAD
(一定値)が、それぞれ直線性補正用メモリ161及び
アナログAOM用メモリ131にCPU310より与え
られる。
【0107】(D−2) ステップS2
【0108】本ステップでは、AOD270の回折効率
の非線形性補正に最適な掃引信号(偏向制御信号)VM
が決定される。その決定方法を、図15〜図17に示
す。
【0109】 ステップS21
【0110】焼き付けに使用するテストパターンの準備
を行う。本実施例では、図19に例示される8μm幅の
ラインアンドスペースをテストパターンTPとして用い
る。尚、図19中、(a)は乾板1へ焼き付けた後の当
該テストパターンTPの全体を示した平面図であり、
(a)に於いて破線で囲まれた部分を拡大して当該テス
トパターンTPの詳細を示したのが(b)である。又、
図19のX方向及びY方向は、それぞれ図4のX方向及
びY方向に該当している。
【0111】従って、テストパターンTPを描画するた
めの画像信号SVTPは、図19(c)に示す様に、
“0”レベルと“1”レベルとを交互に繰り返す信号と
なる。この画像信号SVTPは、CPU310のコントロ
ールによって、画像入力装置400からラスター変換部
170に入力され、更にラスター変換された上で、画像
信号SVRa、SVRbとして、それぞれFIFOメモ
リ142、152に格納される。
【0112】 ステップS22
【0113】回折効率補正用メモリ162のアドレスI
と描画点Piとの関係を決定する。この関係決定によ
り、最初の描画点P1に対応する回折効率補正用メモリ
162のアドレスSを決定できることとなる。
【0114】ここで図26は、掃引信号VT、VMと描
画点Pi(走査点に該当)との関係を示した説明図であ
る。記述した通り、掃引信号VTは、直線性補正用メモ
リ161(アドレスI:1〜1400)に記憶されてい
る1400個の掃引信号データVTDにより、周波数の
値を1400回変化させる信号である。従って、AOD
270より出射されるレーザービームLB5は、本来、
1400個の偏向角を取り得ることができ、その結果、
1400個の描画点を形成することができることにな
る。
【0115】しかし、実際的には、X方向への一走査の
内、両端から数百点を除いた1024個の点が描画点P
i(i:1〜1024)として用いられる。従って、図
26に示す様に、描画点P1から描画点P1024まで
の間のみ、レーザービームLB5が走査される。そのた
め、掃引信号VMの補正に先立ち、回折効率補正用メモ
リ162のアドレスIと描画点Piとの関係付けを行う
必要があるわけである。これは、図18に示した一連の
手順により決定される。
【0116】1) ステップS221〜S222
【0117】先ず、図22(a)に示す様に、回折効率
補正用メモリ162のアドレスI(I:1〜1400)
の内、アドレスHからアドレスKまでの各アドレスに一
定値Aを設定し、他のアドレスには一定値B(B<A)
を設定する(ステップS221)。当該設定もまた、C
PU310を介して行われる。
【0118】次に、この状態でレーザービームLB5を
走査することにより、テストパターンTPを乾板1上に
焼き付ける(ステップS222)。尚、掃引信号VT
は、ステップS21に於いて、既に設定済みである。
【0119】2) ステップS223
【0120】テストパターンTPを焼き付けた乾板1の
透過度測定を行う。この測定は、図20に例示する様
に、焼き付け面に対面した面下方から光(光源350よ
り出射した光)を乾板1へ照射し、乾板1を透過した光
を焼き付け面上方に配置した顕微鏡360で拡大した
上、当該顕微鏡360に具備されたCCDカメラ50で
検出することにより行われる。CCDカメラ50により
読み取られた透過光の光量、即ち乾板1の画像情報は、
2次元の2値データ信号VPとして、ワークステーショ
ン300内に取り込まれ、CRTディスプレイ370上
に表示される。
【0121】3) ステップS224〜S226
【0122】ステップS224〜S226は、CPU3
10内に於ける演算処理に相当している。
【0123】先ず、取り込んだ2値データ信号VPをX
軸方向へ射像し、1次元のデータ信号へ変換する。この
射像は、X軸上の走査ライン毎に、当該ライン上のY軸
方向の透過度データを平均化する方法により実現され
る。次に、作成された1次元データ信号から走査ライン
毎の透過度のピーク値を求め、各ピーク値間を補間する
ことにより連続的な透過度曲線を算出する(ステップS
224)。その様な平均化処理により得られる透過度曲
線の一例を、図21(b)に示す。尚、同図(a)は、
テストパターンTPを示している。
【0124】ステップS221により回折効率補正用メ
モリ162内に設定された掃引信号データに対応する透
過度曲線は、図22(b)に示す曲線となる。同図に於
いて横軸は描画点Piを示しており、特に描画点PHは
設定値Aの影響を受けだした位置を、描画点PJは設定
値Aの影響が最大値となる位置を、描画点PKは設定値
Aの影響が無くなった位置を、それぞれ示している。
【0125】上記結果から、描画点PJに対応する回折
効率補正用メモリ162のアドレスJを決定する(ステ
ップS225)。即ち、アドレスJは、H+(PJ−P
H)より容易に算出される。
【0126】更に、アドレスJと描画点PJの各データ
から、最初の描画点P1に対応する回折効率補正用メモ
リ162のアドレスSを算出する(ステップS22
6)。
【0127】 ステップS23
【0128】回折効率補正用メモリ162の設定値を所
定の範囲内で変化させて、当該設定値とレーザービーム
LB5の光量(焼き付け濃度)との関係を測定する。こ
の測定においても又、上記テストパターンTPの焼き付
け・透過光の光量測定を利用する。即ち、設定値VMI
から設定値VMEまでの範囲に属する1400個の各設
定値を、その値が小さいものから順に回折効率補正用メ
モリ162の各アドレスIに設定し(CPU310によ
り行う)、レーザービームLB5を走査して乾板1の焼
き付けを行う。その後、ステップS223、S224で
述べた方法により1次元データとしての透過度データを
算出する。
【0129】以上の手順により求められた透過度データ
を、図23(a)に示す。乾板1上の各描画点Piに於
けるレーザービームLB5のビーム光量の大小は、透過
度の大小と丁度逆の関係にある。即ち、ビーム光量の少
ない部分では透過度が大きくなり、ビーム光量の多い部
分では透過度が少なくなる。従って、ビーム光量は、図
23(b)に示す通りとなる。
【0130】同図(a)、(b)より明白な通り、設定
値VMIから設定値Mまでの範囲では、掃引周波数が比
較的低周波数領域にあるため、AOD270に印加する
電圧値、即ち掃引信号VMのレベルを大きくしていって
も当該回折効率補正用メモリ162の設定値と透過度乃
至はビーム光量との関係は線形関係に保たれる。しか
し、設定値Mを越えると掃引周波数が比較的高周波数と
なるため、AOD270の線形性が崩れる結果、設定値
と透過度乃至はビーム光量との関係は非線形となり、設
定値Pに於いて透過度乃至はビーム光量に極値が発生す
ることとなる。従って、掃引周波数が比較的高周波数と
なる場合に於いてもなお線形性を保持するには、AOD
270に印加する電圧値(掃引信号VMのレベル)を逆
に小さくしなければならないこととなる。そこで、回折
効率補正用メモリ162の各設定値を全て設定値M以下
に調整する必要が生じる。
【0131】 ステップS24〜S25
【0132】上述した通り、回折効率補正用メモリ16
2の設定値と透過度乃至はビーム光量との関係が、線形
となる領域LRに着眼する。特に本実施例では、以後の
補正手順を簡易化する目的から、線形領域LRの中で最
も透過度が小さくなる(ビーム光量が最も大きくなる)
ときの設定値MをステップS23で得たデータから決定
し(ステップS24)、当該設定値Mを初期値VMD0
として回折効率補正用メモリ162の各アドレスIに設
定する(ステップS25)。ここで設定後の各アドレス
Iの状態を、図24(a)に模式的に示す。
【0133】 ステップS26〜S29
【0134】設定後、再び図19または図21(a)に
示したテストパターンTPを用いて、乾板1の焼き付け
を実行する(ステップS26)。そして、図20に示す
通り乾板1の透過度をCCDカメラ50で測定し、更に
既述したY軸方向の各データの平均化処理を通じて1次
元の透過度データTiを算出する(ステップS27)。
算出後の透過度データTiを図24(b)に示す。既述
した様に、回折効率補正用メモリ162のアドレスIが
0〜(S−1)、(S+1024)〜1400の範囲で
は画像信号VDa、VDbが印加されていないので、描
画点P1〜P1024についての透過度データTiのみ
が得られる。
【0135】次に、上記透過度データTiから、CPU
310は、透過度の最大値TMAXと最小値TMINと
を求め、両値TMAX、TMINの差である透過度差Δ
T(≧0)を算出する(ステップS28)。そして、当
該透過度差ΔTが許容値δ以下であるか否かを判定する
(ステップS29)。ここでΔT≦δの場合には補正が
不要であるため、CPU310は、当該初期値VMD0
を設定値VMDに決定し、当該設定値VMDを回折効率
補正用メモリ162の各アドレスIに設定する(ステッ
プS215)。
【0136】尚、透過度差ΔTの算出・判定に代えて、
ビーム光量の最大値と最小値との光量差を求め同様の判
定を行っても良い。いずれの方法によっても同一の結果
が得られる。従って、本発明に言うビーム光量の最大値
と最小値との光量差の判定とは、透過度差ΔTの判定を
も含む概念である。
【0137】 ステップS210
【0138】本ステップは、CPU310による回折効
率補正用メモリ162の設定値の補正ステップに相当す
る。当該補正は、透過度の最大値TMAX(焼き付け濃
度最小)を基準として、次の数1に従って行われる。
【0139】
【数1】
【0140】数1は、より透過度が小さくなる(より焼
き付け濃度が大きくなる)領域へ向かって、即ち、設定
値Mから線形領域LR内の値へ向かって設定値VMD0
を補正しようとするものである。尚、数1では、レーザ
ー発振器210の発振出力の経時的変動や乾板1の現像
条件のバラツキ等の諸条件を考慮して、補正係数Cの乗
算を採用している。
【0141】そこで、当該補正係数Cの値として複数の
値C1・・・を用意し(予めメモリ320に設定してお
く)、これらの補正係数C1・・・を順次数1へ適用し
て複数の補正データVMAjを作成した上、各補正デー
タVMAj(j:1、2、・・・)をメモリ320内に
格納する。尚、本実施例では、3つの補正データVMA
j(j:1〜3)を作成することとしている。補正係数
C1、C2、C3の値としては、例えば0.1(10%) 、0.
2(20%) 、0.3(30%) をそれぞれ採用するようにしても
よい。これらの補正係数C1〜C3を用いて算出した補
正データVMA1〜VMA3の一例を、図27に示す。
【0142】 ステップS211
【0143】i) 先ずメモリ320から補正データVM
A1(I)を取り出し、補正データVMA1(I)を回
折効率補正用メモリ162の各アドレスIへ設定する。
設定後、これらの補正データVMA1(I)を用いて乾
板1を焼き付け、同様の方法により当該補正データVM
A1(I)に対する透過度データT1iを算出し、更に
透過度差ΔT1を算出する。
【0144】ii) 次にメモリ320から補正データV
MA2(I)を取り出し、補正データVMA2(I)を
回折効率補正用メモリ162の各アドレスIへ設定す
る。設定後、同様にして当該補正データVMA2(I)
に対する透過度データT2i及び透過度差ΔT1を算出
する。
【0145】iii) 更に補正データVMA3(I)に
関しても同様の処理を行い、補正データVMA3(I)
に対する透過度データT3i及び透過度差ΔT3を算出
する。
【0146】 ステップS212〜S214
【0147】CPU310は、補正後の各透過度差ΔT
j(j:1〜3)が関係式ΔTj≦δを満足するか否か
を判定する(ステップS212)。
【0148】ここで、透過度差ΔT1〜ΔT3の内で関
係式ΔTj≦δを満足するものがある場合には、CPU
310は、その様な透過度差を与える補正データを最適
な設定値VMDに決定し、当該設定値VMDを回折効率
補正用メモリ162に設定する(ステップS214)。
尚、図25(a)に、最適な設定値VMDを設定した際
の回折効率補正用メモリ162の各アドレスを示すと共
に、図25(b)に透過度データを示す。但し、本図で
は、各アドレスS〜(S+1023)の設定値をそれぞ
れ設定値N1〜N1024として表記している。
【0149】一方、透過度差ΔT1〜ΔT3のいずれも
が上記関係式を満たさない場合には、CPU310は、
透過度差ΔT1〜ΔT3の中で最小値となるものを求
め、当該最小値を与える補正データVMAkを補正前の
設定値VMD0に決定する(ステップS213)。その
後CPU310は、新たな設定値VMD0を用いて、再
びステップS210以下の補正処理を続行することとな
り、関係式ΔTj≦δを満足するまで、設定値VMD0
の補正→焼き付け・透過度測定→透過度データ算出→透
過度差算出→透過度差判定→透過度差の最小値算出→新
設定値VMD0決定→設定値VMD0の補正という処理
を繰り返すこととなる。
【0150】上記補正処理完了後、画像入力装置400
を用いて本来描画すべき画像信号SVをラスター変換部
170に入力する。更にラスター変換された画像信号S
VRa、SVRbを、それぞれFIFOメモリ142、
152に格納する。これらのプロセスも又、CPU31
0によってコントロールされている。
【0151】(D−3) ステップS3
【0152】前ステップにより最適な掃引信号VM(第
2偏向制御信号に相当)が決定されたので、本ステップ
S3においては、走査が開始される。
【0153】ここで図39は、描画システム10を用い
て感材1に描画を行う場合の感材1と描画ヘッド33と
の相対的な動きを示した図である。但し、仮想線Y0
は、描画ヘッド33の(±X)方向の移動経路位置を示
している。
【0154】先ず、同図(a)に示す様に、描画ヘッド
33が乾板1の左下隅付近の走査開始位置(走査原点)
に来る様に、乾板1がY方向に移動される。そして、走
査が開始される。
【0155】(D−4) ステップS4〜S5
【0156】走査は、レーザービームLB5a、LB5
bをX方向へ走査しつつ乾板1を±Y方向へ送ることに
より行われる。尚、乾板1を+Y方向又は−Y方向へ送
りながらX方向へ走査しても、各描画点Piは走査線L
上から外れることなく一列に形成される様に、本描画シ
ステム10は設定されている。その様な技術は、本出願
人の出願に係る特願平1−140099号公報の文献に
開示されているので、ここではその説明を省略する。
【0157】以下では、(±Y)方向への走査に関して
詳述することとし、X方向への走査に関しては、後述す
る実施例2に於いて詳細な説明を展開することとする。
【0158】先ず、乾板1は、描画の開始と共に(−
Y)方向へ送られる。その様な状態を示したのが、図3
9(b)である。従って、最初のストライプに関する描
画はY方向へ進行し、乾板1上の(−Y)方向への送り
が完了した時点では、図35(c)に示した状態となっ
ている。
【0159】次に、描画ヘッド33が、X方向に所定距
離ΔXだけ移動する(同図(d))。この距離ΔXは、
ストライプ間の相互配列間隔に等しい距離に設定されて
いる。
【0160】その後、乾板1が逆にY方向に送られ、こ
れにより第2番目のストライプについての描画が完了す
る(同図(e))。
【0161】以後、同様の往復走査が他のストライプに
ついても繰返され(同図(f))、最終的には描画エリ
ア内に所望の画像が記録された状態となって、走査が終
了する(ステップS5)。
【0162】〔2〕 実施例2
【0163】(A) 技術的背景
【0164】実施例1の技術では、シリンドリカルレン
ズ等を用いずに正確に回折効率補正用メモリ162の設
定値を補正できるので、従来技術に比べて格段の確度で
AODの非線形性を補正することが可能となる。しか
し、当該実施例1によっても、まだ十分にAODの非線
形性を補正できるものではない。それは、次の理由に起
因している。
【0165】即ち、超音波がAOD内を伝播する時間よ
りもAODの掃引信号VMが変化する時間のほうが長い
場合には、確かに(掃引信号VMを逐次補正するとい
う)実施例1の技術によりAODの非線形特性を効果的
に補正することができ、光量ムラの発生を十分に防止す
ることが可能である。しかし、逆に、AODの掃引信号
VMの変化時間が超音波の伝播時間よりも短くなる様な
高速走査を行う場合には、実施例1の技術を用いてもな
お光量ムラが発生し、効果的に光量ムラの発生を防止す
ることができない。この様に、高速走査時に於いては光
量ムラ発生防止がなお不十分となる理由としては、定性
的には次の様に理解することができる。
【0166】先ず、AODに入射するレーザービーム自
身は、数ミリ程度の幅を有している。これに対して、超
音波の伝播速度は数百メートル/秒であり、超音波がA
ODの一端からその他端までに伝播するのに要する伝播
時間は数十μ秒である。従って、掃引信号VMが超音波
の伝播時間よりも早く変化する様な場合には、AOD中
のレーザービームは、対応する超音波のみならず、レー
ザービームの周囲に存在する他の周波数の超音波からも
相互作用を受けることになる。この相互作用を及ぼし得
る超音波の周波数範囲は、掃引信号VMの変化時間が短
い程、広くなると言える。尚、現状のシステムでは、約
150もの異なる周波数/強度を持った超音波からの影
響を考慮しなければならないことが確認されている。
【0167】ここで、図44は、上記説明の理解をより
一層明らかにするために模式的に描かれた説明図であ
る。同図は、丁度、周波数fiの制御信号VT、振幅V
iの掃引信号VMをAOD270Eに印加して、AOD
270E内に周波数fiの超音波を励振した場合を示し
ている。このとき、AOD270Eにより回折されたレ
ーザービームLB03は、描画点Piを照射する。又、
本図には、レーザービームLB03が描画点Pi−2か
ら描画点Pi−1、描画点Piへと順次走査される様子
が示されている。しかも、本図は、各描画点Pi−1〜
Piに対応する各周波数の超音波がAOD270E内全
体にまで拡がる前に、制御信号VTO、VMOが変化す
る場合を示している。
【0168】同図に示す通り、周波数fiの制御信号V
T、振幅Viの掃引信号VMをAOD270Eに印加し
た際には、周波数fiの超音波の他に、それぞれ先の描
画点Pi−2、Pi−1に対応した周波数fi−2、f
i−1の超音波もAOD270E内に存在することとな
る。このため、AOD270Eに入射したレーザービー
ムLB02のビーム径の範囲内には上記3つの超音波が
存在し、レーザービームはこれらの超音波それぞれから
影響をうけることとなるわけである。
【0169】逆に、実施例1等が効果を発揮した場合、
即ち、掃引信号VMの変化時間が超音波の伝播時間より
も遅い場合には、レーザービームLB02がAOD27
0Eに入射した際には対応する一種類の超音波(周波数
fi)しか存在しないこととなるため、回折効率はレー
ザービームLB02と周波数fiの超音波との相互作用
より決定され、測定した光量データから掃引信号VMを
正確に且つ容易に補正することが可能となるわけであ
る。
【0170】以上述べた通り、高速走査時には、AOD
の回折効率を補正するには、多数の超音波からの影響を
考慮しなければならないことになる。しかし、その様な
回折効率の補正(掃引信号VMの補正)を全ての描画点
について実際に行うのは、次の通り、極めて困難である
と考えられる。
【0171】即ち、全描画点の内の一点について掃引信
号VMの補正データを測定結果から変更すると、他の描
画点の掃引信号VMの補正データもその影響を受け、変
更する必要が必然的に生じる。図44の例で言えば、描
画点Piの補正データを修正すると、続いて描画点Pi
−1の補正データを、更には描画点Pi−2の補正デー
タをも修正する必要が生じる。この様に各描画点で励振
される超音波の強度を変えていくと、光と各超音波との
相互作用も変わるため、再び描画点Piから順次、補正
データを修正してゆかねばならないという悪循環に陥る
こととなる。従って、光量測定データ乃至は透過度測定
データから直接に掃引信号VMを逐次補正するという方
法では、到底、正確な掃引信号VMの補正データを得る
ことが出来ないこととなる。
【0172】又、全描画点の内の一点の光量を変化させ
るためには、掃引信号VMの補正データを格納するメモ
リに於いて、そのアドレスの内、どのアドレスに格納さ
れたデータを修正すればよいのかが不明確となる欠点も
ある。
【0173】以上述べた観点から、直接に掃引信号VM
を逐次補正する技術は、高速走査の場合には適していな
いことが理解される。
【0174】更に、光学系の調整状態によっては、レー
ザービームがAODに入射する位置や入射時のビーム径
が微妙に異なる。このことは、掃引信号VMの補正デー
タが光学系の調整状態にも依存することを意味する。
又、描画点毎にレーザービームのビーム形状が微妙に相
違する場合にも、掃引信号VMの補正データがその影響
を受けることとなる。従って、上記技術では、これらの
影響までも考慮に入れて掃引信号VMを補正しなければ
ならないこととなる。このような補正は、到底、現実的
でないと言える。
【0175】以上より、実施例1等の様にAODの掃引
信号を直接的に補正乃至は変更する方法では、高速走査
時の光量ムラを十分満足のいく程度までに防止すること
ができないものであった。
【0176】(B) 描画システム10Aの電気的構成
【0177】描画システム10Aの機械的構成及び光学
的構成自身は実施例1の描画システム10のそれらと同
一であるため、それらの説明については省略する。電気
的構成については、異なる点を中心に以下説明する。
【0178】(B−1) 走査光学系の全体構成
【0179】図33は、走査光学系200Aの構成を模
式的に示した構成図であり、図1に対応している。図1
との相違点は、次の通りである。即ち、掃引信号VMが
常に一定値に設定されており、逆にアナログ変調制御信
号VAは掃引信号VTに同期した信号であって、しかも
後述する補正方法により各描画点Piに於ける光量乃至
は透過度が実質的に一定となる様に最適化された信号で
ある。従って、本走査光学系200Aに於けるアナログ
AOM220は、単にレーザービームLBの光量を乾板
1の感度に適した光量へ減衰するのみならず、アナログ
変調制御信号VAの変化に応じて出射レーザービームL
B1の光量を制御し、AOD270の非線形性を補正す
ることとなる。この様にアナログAOM220は、光量
制御と光量ムラ補正とを同時に行う役目を担っている。
【0180】この様に本走査光学系200Aにおける特
徴は、AOD270自身の非線形特性を直接的に補正し
ようとするのではなく、アナログAOM220により光
量を制御することによりAOD270自身の非線形特性
による影響を打ち消そうとするものである。そのために
はアナログAOM220に印加されるアナログ変調制御
信号VAを適切化することが必要であり、その様な適切
化方法が、後程説明する通り、本実施例2の特徴とする
ところである。このような構成を着眼させることとなっ
た基本的な技術的思想ないしは基本的着眼点は、次の通
りである。
【0181】即ち、本発明は、AOMに於ける超音波の
伝播速度が、AODに於ける超音波の伝播速度に較べて
5倍以上速いということに基礎を置くものである。その
様な相違が生じるのは、AODに於いては横波の超音波
が利用されているのに対して、AOMに於いて利用され
ている超音波は縦波であるということに起因している。
具体例として、AOM及びAOD両者に於ける超音波の
特性を、図45に例示する。但し、図45に例示された
データは、二酸化テルル単結晶を音響光学媒体として用
いた場合である。同図に示す通り、AOMに於ける超音
波の音速は4260m/秒であるのに対して、AODに
於ける超音波の音速は650m/秒である。
【0182】この様にAOMに於ける超音波の音速が高
速であるということは、AOMによるアナログ変調の際
にAOMに入射したレーザービームに影響を与える超音
波の数がAOM内では少なく、その結果、AOMに印加
されるアナログ変調制御信号とAOMより出射したレー
ザービームの光量との間の線形性が良いという利点をも
たらす。即ち、AOMに印加する変調制御信号を高速で
変化させる場合でも、当該変調制御信号を容易に補正す
ることができる。このことは、AOD270の掃引信号
VTの周波数が低速で変化する場合は勿論、高速で変化
する様な場合においても、アナログAOM220を適切
に変調制御することによって、容易にAOD270に於
ける回折効率を補正できることを暗示している。従っ
て、アナログAOM220の変調制御信号VAを補正す
ることは、光量ムラの発生防止のために適した技術であ
ると考えられるのである。
【0183】更に、本発明は、AOMに於けるパルス応
答時間がAODと比較して数百倍も速いことをも、着眼
点の基礎としている。例えば、AOMに於けるパルス応
答時間は、9〜12nsec.である。このAOMの特
徴は、後述する回折効率補正メモリーのアドレスと描画
点の位置との関係を容易に定めることができるという利
点をもたらす。
【0184】(B−2) 描画制御装置100Aの構成
【0185】図34は、図8に対応した構成図であり、
異なる所は、アナログAOM制御部130Aと掃引信号
発生部160Aとである。その他の構成部分は、図8の
それらと同一である。
【0186】ここでCPU310は、CCDカメラ50
により測定された2次元データ信号VPから1次元の透
過度データを作成し、その透過度データに基づきアナロ
グ変調制御信号VA用のデータを補正するとともに、そ
の補正後のデータをデータバス350を介してアナログ
AOM制御部130Aに送信する。そしてアナログAO
M制御部130Aは、データ読出信号DRのタイミング
に基づき記憶するアナログ変調制御信号VA用のデータ
を読み出し、アナログ変調制御信号VAを作成する。そ
して、アナログ変調制御信号VAをアナログAOMドラ
イバ221へ出力する。アナログAOMドライバ221
は、アナログ変調制御信号VAをドライブ信号として適
したアナログ変調制御信号VA1に変換する。
【0187】又、CPU310は、掃引信号発生部16
0Aに対してもデータバス350を介して掃引信号V
T、VM(アドレス毎に予め定まった値)に関するデー
タを送信する。
【0188】 アナログAOM制御部130A
【0189】図35は、アナログAOM制御部130A
の構成を示したブロック図であり、図11に対応するも
のである。実施例1との相違点は、アナログAOM用メ
モリ131に格納されているアナログ変調信号設定値V
ADにある。即ち、アナログAOM用メモリ131の各
アドレスには、AOD270の回折効率の非線形性を補
正するための1400個のアナログ変調信号設定値VA
Dが予め格納されている。但し、補正段階では、アナロ
グ変調信号補正データVAD0が補正処理毎に更新・格
納されている。これらのデータ格納処理は、次の様にし
て行われる。
【0190】即ち、CCDカメラ50により検出された
1024個の描画点毎の透過度データ(光量データに対
応)VPは、入力インターフェース330を介してCP
U310へ伝送される。CPU310は、これらの透過
度データVPに基づきアナログ変調信号補正データVA
D0を算出し、これらのデータVAD0を出力インター
フェース340を介してアナログAOM用メモリ131
に出力する。これにより、アナログ変調信号補正データ
VAD0が、アナログAOM用メモリ131の対応する
アドレスに格納される。これらの補正データ算出方法
が、本実施例2の特徴部分である。
【0191】 掃引信号発生部160A
【0192】図36は、掃引信号発生部160Aの電気
的構成を模式的に示したブロック図であり、図13に対
応するものである。実施例1との相違点は、回折効率補
正用メモリ162に格納されている回折効率補正データ
VMDにある。即ち、回折効率補正用メモリ162の各
アドレスには、掃引信号VMに関する1400個の回折
効率補正データVMDが、出力インターフェース340
を介してCPU310により予め与えられている。但
し、これらの回折効率補正データVMDは、AOD27
0の回折効率の非線形性を完全に補正するためのデータ
ではなく、単にアナログ変調制御信号VAによるAOD
270の回折効率の非線形性補正を補助するための補正
データにずぎない。従って、これらの回折効率補正デー
タVMDは、一定値とされている。
【0193】(C) 走査方法
【0194】図28は、描画システム10Aにおける走
査手順を示したフローチャートである。実施例1と相違
するところは、ステップSA1、SA2であり、以下こ
れらの相違点を中心に説明する。
【0195】(C−1) ステップSA1
【0196】先ず、走査に必要な各種データが設定され
る。即ち、直線性補正データVTD及び回折効率補正デ
ータVMD(一定値)が、それぞれ直線性補正用メモリ
161及びアナログAOM用メモリ131にCPU31
0より与えられる。
【0197】(C−2) ステップSA2
【0198】本ステップでは、AOD270の回折効率
の非線形性補正に最適なアナログ変調信号設定値VAD
(変調制御信号VA)が決定される。その決定方法を、
図29〜図32に示す。
【0199】 ステップSA21
【0200】焼き付けに使用するテストパターンの準備
を行う。本ステップは、ステップS21と同一であり、
同じく図19のラインアンドスペースをテストパターン
TPとして用いる。
【0201】 ステップSA22
【0202】アナログAOM用メモリ131のアドレス
Iと描画点Piとの関係を決定する。この関係決定によ
り、最初の描画点P1に対応するアナログAOM用メモ
リ131のアドレスSを決定できる。この決定は、図3
2に示した一連の手順により決定される。
【0203】先ず、CPU310は、アナログAOM用
メモリ131のアドレスI(I:1〜1400)の内、
アドレスHからアドレスKまでの各アドレスに一定値A
を設定し、他のアドレスには一定値B(B<A)を設定
する(ステップSA221)。そして、この状態でレー
ザービームLB5を走査し、テストパターンTPを乾板
1上に焼き付ける(ステップSA222)。
【0204】次に、テストパターンTPを焼き付けた乾
板1の透過度測定を行う(ステップSA223)。この
測定は、図20に例示した方法で同じく行われる。
【0205】更に、取り込んだ2値データ信号VPから
1次元のデータ信号である透過度データを作成し(ステ
ップSA224)、既述したステップS225〜S22
6と同一方法により、最初の描画点P1に対応するアナ
ログAOM用メモリ131のアドレスSを決定する(ス
テップSA225〜SA226)。
【0206】 ステップSA23〜SA25
【0207】アナログAOM用メモリ131の設定値を
所定の範囲内で変化させて、当該設定値とレーザービー
ムLB5の光量(焼き付け濃度)との関係を測定する。
この測定も又ステップS23に対応しており、上記テス
トパターンTPの焼き付け・透過光の光量測定を利用す
る。ここで得られる測定結果も又、図23に対応したも
のとなる。同じく、アナログAOM用メモリ131の設
定値と透過度乃至はビーム光量との関係が線形となる領
域LRに着眼し、本実施例2に於いても当該線形領域L
Rの中で最も透過度が小さくなる(ビーム光量が最も大
きくなる)ときの設定値M1を決定する(ステップSA
24)。そして、当該設定値M1を初期値VAD0とし
て、アナログAOM用メモリ131の各アドレスIに設
定する(ステップSA25)。
【0208】 ステップSA26〜SA215
【0209】初期値VAD0を用いて同様に乾板1を焼
き付け(ステップSA26)、再び焼き付け後の乾板1
の透過度をCCDカメラ50で検出・算出し(ステップ
SA27)、透過度の最大値と最小値との差である透過
度差ΔTTを算出する(ステップSA28)。そして、
当該透過度差ΔTTが関係式ΔTT≦Δを満足するか否
かを判定する(ステップSA29)。尚、当該許容値Δ
は、実施例1での許容値δとΔ<δの関係にある。従っ
て、実施例2では、実施例1と比較してより正確な光量
ムラ補正が追求されている。
【0210】ここで関係式ΔTT≦Δを満足する場合に
は、初期値VAD0をアナログ変調信号設定値VADに
決定し、当該設定値VADをアナログAOM用メモリ1
31へ格納する(ステップSA215)。
【0211】関係式ΔTT≦Δを満足しない場合には、
当該関係式を満足するまでステップSA210〜SA2
13に示す一連の補正処理を実行する。これらの補正処
理は、その補正対象がアナログ変調信号設定値VAD0
となる点を除いて、基本的には実施例1の場合(ステッ
プS210〜S213)と同様である。従って、ここで
も、数2の補正係数Cを変えて3種類の補正データVA
Aj(j:1〜3)を作成している。
【0212】
【数2】
【0213】そして、関係式ΔTTj≦Δを満足させた
補正データVAAjをアナログ変調信号設定値VADに
決定し、当該設定値VADをアナログAOM用メモリ1
31へ格納する(ステップSA214)。以上により、
最適なアナログ変調信号設定値VADが正確に求められ
たので、描画すべき本来の画像信号SVを、CPU31
0を用いて画像入力装置400からラスター変換部17
0へ入力し、更にラスター変換された画像信号SVR
a、SVRbを、それぞれFIFOメモリ142、15
2に格納する。
【0214】(C−3) ステップSA3〜SA5
【0215】前ステップS2により最適なアナログ変調
制御信号VA(第2のアナログ変調制御信号に相当)が
決定されたので、走査を開始する(ステップSA3〜S
A4)。
【0216】(±Y)方向への走査については実施例1
で既述した通りであるので、ここでは、X方向への走査
について説明する。
【0217】図37は、各制御信号VT,VAのタイミ
ングを示すタイミングチャートである。同図において、
(a)は掃引信号VTを、(b)はレーザー測長器40
より発せられるY方向の位置情報信号Syを、(c)は
アナログ変調制御信号VAを、(d)はドット信号DO
T1を、(e)は時間軸を示している。
【0218】又、時刻T1からT1Eまで、時刻T2か
らT2Eまで、時刻T3からT3Eまでの各時間が、X
方向への掃引時間T0である。従って、時刻T1Eから
T2、時刻T2EからT3、時刻T3EからT4までの
時間は、描画ヘッド33の±Y方向への移動時間に相当
している。又、時刻t1Sからt1E,時刻t2Sから
t2E,時刻t3Sからt3E,時刻t4Sからt4E
までの各時間が、X方向へのレーザービームLB5の走
査時間に相当している。尚、以下の説明では、便宜上、
時刻T1から時刻T1Eまでの一つの掃引時間内に限る
ことにする。
【0219】まず、Y方向の位置情報信号Syが、時刻
T1においてLレベルからHレベルに立上がる。即ち、
時刻T1が、X方向の走査開始時刻となる。そして、位
置情報信号Syの立上がりに同期して、掃引信号VTの
周波数変化が開始する。この掃引信号VTは、時刻T1
から時刻T1Eまでの間に、最大周波数fmax から最小
周波数fmin まで変化する。
【0220】更に、アナログ変調制御信号VAもまた、
掃引信号VTに同期して、時刻T1から時刻T1Eまで
出力される。しかし、ドット信号DOTは、時刻T1か
ら時刻t1Sまでの時間内はLレベルにあるため、レー
ザービームLB5は感材1上を走査されない。
【0221】一方、時刻t1Sから時刻t1Eまでの間
は、ドット信号DOT1は、画像信号SVを反映したパ
ルス信号として出力され、レーザービームLB5が感材
1上を走査される。即ち、時刻t1S及びt1Eにおけ
る感材1上のビーム位置が、それぞれ描画点P1及びP
1024である。
【0222】ここで、図38は、時刻T1から時刻t1
4までの時間内で、各制御信号VA等のタイミングをよ
り詳細に示したタイミングチャートである。本図によ
り、各制御信号VA,VDa及び掃引信号VTが走査時
間中システムクロックSCLKに同期して変化すること
が、一層明確に例示されることになる。
【0223】同図に示す通り、時刻T1から時刻t1S
までは、アナログ変調制御信号VAは一定値Mである。
【0224】今、ディジタル変調制御信号VDaが図3
8(d)の様に変化するものとすれば、時刻t1Sでは
周波数f1に対応した偏向角でレーザービームLB5が
AOD270より出射され、レーザービームLB5は描
画点P1にて感材1を露光する。その際、アナログ変調
制御信号VAは初期値Mから最適値V1に変化してお
り、アナログAOM220は、描画点P1におけるレー
ザービームLB5の光量が光量(P0 −Δ/2)から光
量(P0 +Δ/2)の範囲内となる様に、レーザービー
ムLBの光量を制御する。尚、許容値Δは、光量の中心
値P0 に比べて十分に小さな値である。
【0225】次に、時刻t12では、レーザービームL
B5が周波数f2に対応した偏向角でAOD270より
出射され、描画点P2において感材1を露光する。その
際、アナログ変調制御信号VAは最適値V2に変化して
おり、同じくアナログAOM220は、描画点P2にお
けるレーザービームLB5の光量が光量(P0 −Δ/
2)から光量(P0 +Δ/2)の範囲内となる様に、レ
ーザービームLBの光量を制御する。以下、時刻t1
3,t14においても同様に、アナログAOM220
は、描画点P3,P4におけるレーザービームLB5の
光量を一定化する様に機能する。
【0226】図38(f)は、同図(a)〜(d)に例
示した各信号の変化に応じて感材1上に形成されるレー
ザービームLB5aのビームスポットを例示したもので
ある。これらのビーム光量は、上記した通り、常に光量
(P0 −Δ/2)から光量(P0 +Δ/2)の範囲内と
なる。
【0227】〔3〕 実施例3
【0228】実施例3は、回折効率補正用メモリの設定
値とアナログAOM用メモリの設定値の両方を順次補正
するものであり、実施例1と実施例2とを組み合わせた
ものに該当している。これにより、実施例1との関係で
は言うに及ばず、実施例2よりも更に一層光量ムラの発
生を防止できることとなる。その様な一連の手順を、図
40のフローチャートに示す。
【0229】先ずステップSB2では、アナログAOM
用メモリの各アドレスに一定値を設定しておき、実施例
1と同一の方法により最適な回折効率補正用メモリの設
定値VMDを決定する。但し、本ステップSB2に於け
る許容値(実施例1のステップS29に於ける許容値δ
に相当)を、許容値δ1とする。
【0230】次にステップSB3では、上記設定値VM
Dを用いて、実施例2に準じる方法により最適なアナロ
グAOM用メモリの設定値VADを決定する。尚、本ス
テップSB3に於ける許容値δ2は(実施例2のステッ
プSA29に於ける許容値Δに対応)、関係式δ2<δ
1を満たす様に設定されている。又、許容値δ2は、既
述した通り、関係式δ2<Δ<δ1をも満足する。
【0231】尚、実施例3に於ける走査光学系200B
及び描画制御装置100Bの構成を、図41〜図42に
示す。
【0232】〔4〕 変形例
【0233】(1) 本描画システム10A、10Bで
は、アナログ変調制御信号補正データVADの初期値設
定に当り、アナログAOM用メモリ131の各アドレス
Iに一律に一定値Mを設定した。しかし、本実施例2〜
3の補正方法を繰返し行えば、アナログ変調制御信号V
Aを適正化するための最適なアナログ変調制御信号補正
データVADに関するデータが蓄積されることとなるの
で、これらのデータを基にすれば、設定すべき最適な初
期値をある程度予測できる様になる。そこで、その様な
予測に基づきアナログAOM用メモリ131のアドレス
毎に異なる初期値を設定した上で、その後の各ステップ
を続行する様にしても良い。
【0234】(2) 本走査光学系200では、2台の
ディジタルAOM240、250にそれぞれディジタル
変調信号VDa、VDbを印加することにより、レーザ
ービームLB2a、LB2bのオン・オフを制御してい
たが、これに限られるものではない。
【0235】即ち、図43に示す様に、レーザー発振器
210として半導体レーザーを用いる場合には、ドット
信号作成部190において作成されたドット信号により
半導体レーザーを直接オン・オフすることができる様に
なるので、ディジタルAOM240、250が不要とな
る。このドット信号作成部190は、図8のディジタル
AOM制御部140、150に相当するものである。但
し、この場合には、2台の半導体レーザーLDa、LD
bが必要となる。
【0236】(3) 上の実施例1〜3では、主とし
て、レーザービームLB5を高速走査する場合(本実施
例では、走査時間70μsec.)に関していた。しか
し、本発明は、高速走査のみならず、従来技術の適用範
囲である低速走査の場合にも適用できることは明らかで
ある。この場合にも、各描画点における光量が許容範囲
内に属するように補正できる。
【0237】(4) 本実施例1〜3では、2本のレー
ザービームLB5a、LB5bを走査する場合について
関していたが、これに限定されるものでもない。即ち、
1本のレーザービームLB5aの走査のみによって描画
するようにしてもよい。この場合には、ビームスプリッ
タ等が不要となる。又、3本以上の複数のレーザービー
ムを走査する様にしてもよい。この場合には、レーザー
ビームの本数に対応した数のディジタルAOMを用意す
る必要がある。
【0238】(5) 本実施例1〜3では、回折効率補
正用メモリ162(実施例1、3)やアナログAOM用
メモリ131(実施例2、3)への初期値設定に当た
り、線形領域LRの中で透過度が最小となる設定値Mを
当該初期値に設定していたが(図23参照)、これに限
定されるものでもない。即ち、上記線形領域LRの中の
任意の値、例えば図23に示す値M1を初期値に設定す
ることもできる。この場合には、透過度がより大きくな
る様に又はより小さくなる様に、2方向に関して設定値
VMD又はVADを補正できる。
【0239】
【発明の効果】
1) 請求項1に係る発明は、第1偏向制御信号の補正に
必要な走査光の光量データをCCDカメラ等の光検出器
を用いて直接測定することにより生じる問題点を回避す
ることができ、高確度で走査光の光量データを検出でき
る。その結果、本発明は、光偏向素子の回折効率の非線
形性補正に必要な第2偏向制御信号を容易に最適化でき
る。
【0240】2) 請求項2に係る発明は、第1変調制御
信号の補正に必要な走査光の光量データをCCDカメラ
等の光検出器を用いて直接測定することにより生じる問
題点を回避することができ、高確度で走査光の光量デー
タを検出できる。その結果、本発明は、光偏向素子の回
折効率の非線形性を補正する際に必要となる第2変調制
御信号を容易に最適化できる。
【0241】尚、本発明は、光変調素子に印加する第2
変調制御信号を直接補正しているので、請求項1の発明
と比較してより一層正確且つ容易に光偏向素子の回折効
率の非線形性を補正できる。
【0242】3) 請求項3に係る発明は、第1偏向制御
信号の補正に必要な第1光量データと第1変調制御信号
の補正に必要な第2光量データとを高確度で検出でき、
光偏向素子の回折効率の非線形性補正に必要な第2偏向
制御信号及び第2変調制御信号を共に容易に最適化でき
る。
【0243】尚、本発明は、光変調素子と光偏向素子と
を補正対象としており、請求項1及び2の発明と比較し
てより一層正確且つ容易に光偏向素子の回折効率の非線
形性を補正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に於ける走査光学系の主要構成部分を
示したブロック図である。
【図2】描画システムの機械的構成を示した斜視図であ
る。
【図3】描画システムの電気的構成を模式的に示した構
成図である。
【図4】描画システムにおける描画の基本的原理を示し
た説明図である。
【図5】走査光学系の光学的構成を具体的に示した構成
図である。
【図6】走査光学系の光学的構成を具体的に示した構成
図である。
【図7】走査光学系の光学的構成を具体的に示した構成
図である。
【図8】実施例1に於ける描画制御装置の全体構成を示
したブロック図である。
【図9】クロックの構成図である。
【図10】走査信号発生部の電気的構成図である。
【図11】実施例1に於けるアナログAOM制御部の電
気的構成図である。
【図12】ディジタルAOM制御部の電気的構成図であ
る。
【図13】実施例1に於ける掃引信号発生部の電気的構
成図である。
【図14】実施例1に於ける走査手順を示したフローチ
ャートである。
【図15】実施例1に於ける走査手順を示したフローチ
ャートである。
【図16】実施例1に於ける走査手順を示したフローチ
ャートである。
【図17】実施例1に於ける走査手順を示したフローチ
ャートである。
【図18】実施例1に於ける走査手順を示したフローチ
ャートである。
【図19】テストパターンを示したフローチャートであ
る。
【図20】透過度の検出方法を示した説明図である。
【図21】1次元データとしての透過度を示した説明図
である。
【図22】アドレスSの決定方法を示した説明図であ
る。
【図23】初期値の決定方法を示した説明図である。
【図24】透過度データの一例を示した説明図である。
【図25】補正後の透過度データの一例を示した説明図
である。
【図26】描画点を示した説明図である。
【図27】補正後の設定値を示した説明図である。
【図28】実施例2に於ける走査手順を示したフローチ
ャートである。
【図29】実施例2に於ける走査手順を示したフローチ
ャートである。
【図30】実施例2に於ける走査手順を示したフローチ
ャートである。
【図31】実施例2に於ける走査手順を示したフローチ
ャートである。
【図32】実施例2に於ける走査手順を示したフローチ
ャートである。
【図33】実施例2に於ける走査光学系の主要構成部分
を示したブロック図である。
【図34】実施例2に於ける描画制御装置の全体構成を
示したブロック図である。
【図35】実施例2に於けるアナログAOM制御部の電
気的構成図である。
【図36】実施例2に於ける掃引信号発生部の電気的構
成図である。
【図37】走査のタイミングチャートである。
【図38】走査のタイミングチャートである。
【図39】Y方向への走査を示す説明図である。
【図40】実施例3に於ける走査手順を示したフローチ
ャートである。
【図41】実施例3に於ける走査光学系の主要構成部分
を示したブロック図である。
【図42】実施例3に於ける描画制御装置の全体構成を
示したブロック図である。
【図43】変形例を示したブロック図である。
【図44】AODに於ける光の回折を示した説明図であ
る。
【図45】AODの特性とAOMの特性との比較を示し
た説明図である。
【図46】従来の走査光学系の主要構成部分を示したブ
ロック図である。
【図47】従来技術の問題点を指摘した説明図である。
【符号の説明】
1 感材 100 描画制御装置 200 走査光学系 210 レーザー発振器 220 アナログAOM 270 AOD 310 CPU LB5 レーザービーム VA アナログ変調制御信号 VT 掃引信号 VM 掃引信号 SCLK システムクロック 131 アナログAOM用メモリ 50 CCDカメラ 161 直線性補正用メモリ 162 回折効率補正用メモリ VAD アナログ変調信号設定値 VMD 掃引信号設定値

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームを光偏向素子に入射することに
    より、前記光ビームを感光材上に走査する光ビーム走査
    方法であって、 (a) 周波数に応じてその電圧値が変化する第1偏向
    制御信号を前記光偏向素子に印加し、前記光ビームの走
    査により前記感光材を焼き付けるステップと、 (b) 前記焼き付け完了後の感光材上の画像パターン
    から前記走査範囲内の各走査位置に於ける光量を検出す
    るステップと、 (c) 前記検出後の光量データから最大光量と最小光
    量との光量差を求め、当該光量差が許容値以内であるか
    否かを判断するステップと、 (d) 前記ステップ(c)に於いて前記許容値以内に
    ないと判断した場合には、前記光量データに基づき前記
    第1偏向制御信号を補正することにより新たな第1偏向
    制御信号を作成し、 当該新たな第1偏向制御信号を用いて前記ステップ
    (a)乃至(c)の各ステップを繰り返すステップと、 (e) 前記ステップ(c)の最初の実行に於いて前記
    許容値以内であると判断した場合には前記第1偏向制御
    信号を、 又は前記ステップ(d)の2回目もしくはそれ以後の実
    行に於いて前記許容値内であると判断した場合には前記
    新たな第1偏向制御信号を、それぞれ第2偏向制御信号
    に決定するステップと、 (f) 前記光偏向素子に前記第2偏向制御信号を印加
    することにより、前記光ビームを走査するステップと
    を、備えたことを特徴とする光ビーム走査方法。
  2. 【請求項2】 光ビームを光変調素子を介して光偏向素
    子に入射することにより、前記光ビームを感光材上に走
    査する光ビーム走査方法であって、 (a) 前記光偏向素子及び光変調素子にそれぞれ所定
    の偏向制御信号及び当該偏向制御信号に同期した第1変
    調制御信号を印加し、前記光ビームの走査により前記感
    光材を焼き付けるステップと、 (b) 前記焼き付け完了後の感光材上の画像パターン
    から前記走査範囲内の各走査位置に於ける光量を検出す
    るステップと、 (c) 前記検出後の光量データから最大光量と最小光
    量との光量差を求め、当該光量差が許容値内にあるか否
    かを判断するステップと、 (d) 前記ステップ(c)に於いて前記許容値以内に
    ないと判断した場合には、前記光量データに基づき前記
    第1変調制御信号を補正することにより新たな第1変調
    制御信号を作成し、 当該新たな第1変調制御信号を用いて前記ステップ
    (a)乃至(c)の各ステップを繰り返すステップと、 (e) 前記ステップ(c)の最初の実行に於いて前記
    許容値以内であると判断した場合には前記第1変調制御
    信号を、 又は前記ステップ(d)の2回目もしくはそれ以後の実
    行に於いて前記許容値以内であると判断した場合には前
    記新たな第1変調制御信号を、それぞれ第2変調制御信
    号に決定するステップと、 (f) 前記光偏向素子に前記第2変調制御信号を印加
    することにより、前記光ビームを走査するステップと
    を、備えたことを特徴とする光ビーム走査方法。
  3. 【請求項3】 光ビームを光変調素子を介して光偏向素
    子に入射することにより、前記光ビームを感光材上に走
    査する光ビーム走査方法であって、 (a) 前記光変調素子及び光偏向素子にそれぞれ所定
    の電圧値及び周波数に応じてその電圧値が変化する第1
    偏向制御信号を印加し、前記光ビームの走査により前記
    感光材を焼き付けるステップと、 (b) 前記ステップ(a)の焼き付け完了後の感光材
    上の画像パターンから前記走査範囲内の各走査位置に於
    ける光量を検出し、第1光量データを得るステップと、 (c) 前記第1光量データから最大光量と最小光量と
    の差に該当する第1光量差を求め、当該第1光量差が第
    1許容値以内にあるか否かを判断するステップと、 (d) 前記ステップ(c)に於いて前記第1許容値以
    内にないと判断した場合には、前記第1光量データに基
    づき前記第1偏向制御信号を補正することにより新たな
    第1偏向制御信号を作成し、 当該新たな第1偏向制御信号を用いて前記ステップ
    (a)乃至(c)の各ステップを繰り返すステップと、 (e) 前記ステップ(c)の最初の実行に於いて前記
    第1許容値以内であると判断した場合には前記第1偏向
    制御信号を、 又は前記ステップ(d)の2回目もしくはそれ以後の実
    行に於いて前記第1許容値以内であると判断した場合に
    は前記新たな第1偏向制御信号を、それぞれ第2偏向制
    御信号に決定するステップと、 (f) 前記光変調素子及び光偏向素子にそれぞれ前記
    第2偏向制御信号に同期した第1変調制御信号及び前記
    第2偏向制御信号を印加し、前記光ビームの走査により
    前記感光材を焼き付けるステップと、 (g) 前記ステップ(f)の焼き付け完了後の感光材
    上の画像パターンから前記走査範囲内の各走査位置に於
    ける光量を検出し、第2光量データを得るステップと、 (h) 前記第2光量データから最大光量と最小光量と
    の差に該当する第2光量差を求め、当該第2光量差が第
    2許容値(第2許容値<第1許容値)以内にあるか否か
    を判断するステップと、 (i) 前記ステップ(h)に於いて前記第2許容値以
    内にないと判断した場合には、前記第2光量データに基
    づき前記第1変調制御信号を補正することにより新たな
    第1変調制御信号を作成し、 当該新たな第1変調制御信号を用いて前記ステップ
    (f)乃至(h)の各ステップを繰り返すステップと、 (j) 前記ステップ(h)の最初の実行に於いて前記
    第2許容値以内であると判断した場合には前記第1変調
    制御信号を、 又は前記ステップ(i)の2回目もしくはそれ以後の実
    行に於いて前記第2許容値以内であると判断した場合に
    は前記新たな第1変調制御信号を、それぞれ第2変調制
    御信号に決定するステップと、 (k) 前記光変調素子及び光偏向素子にそれぞれ前記
    第2変調制御信号及び第2偏向制御信号を印加すること
    により、前記光ビームを走査するステップとを、備えた
    ことを特徴とする光ビーム走査方法。
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