JPH0623526A - 鋳鉄鋳物部品と軟鋼部品の接合方法及びステアリングステムコンポーネント - Google Patents

鋳鉄鋳物部品と軟鋼部品の接合方法及びステアリングステムコンポーネント

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JPH0623526A
JPH0623526A JP5244492A JP5244492A JPH0623526A JP H0623526 A JPH0623526 A JP H0623526A JP 5244492 A JP5244492 A JP 5244492A JP 5244492 A JP5244492 A JP 5244492A JP H0623526 A JPH0623526 A JP H0623526A
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cast iron
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parts
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Hiroshi Mitsuyoshi
博司 光吉
Yasuo Masuda
泰夫 増田
Masaaki Hayakawa
雅明 早川
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 自動二輪車用のステアリングステムコンポー
ネントの構成部材であるボトムブリッジ1を鋳物製と
し、薄肉成形が困難な鍛造品から成る従来のボトムブリ
ッジに比し軽量化する。ボトムブリッジ1に軟鋼製のス
テムパイプ2を圧入して、該パイプ2の先端を該ブリッ
ジ1から突出させる。該パイプ2の該ブリッジ1からの
突出コーナ部に銅系溶接ワイヤを用いたアークろう付け
を施してろう付けビード3を形成する。銅系ワイヤは鋳
鉄より融点が低いので、ブリッジ1を鋳物製としてもこ
れに含有され炭素がビード3に混入せず、ビード割れが
防止されてステムパイプ2の引き抜き荷重に対する強度
が得られる。アークろう付け時にブリッジ1の表面が波
を打つことでブリッジ1とビード3とのセレーション係
合効果が生じ、ねじりトルクに対する強度も得られる。 【効果】 溶接ワイヤとして安価な銅系ワイヤを用いる
ことにより接合コストを安くでき、軽量で且つ充分な強
度を持ったステアリングステムコンポーネントを安価に
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳鉄鋳物部品とこれに
嵌挿される軟鋼部品との接合方法並びにこの接合方法を
用いて製造される自動二輪車用等のステアリングステム
コンポーネントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動二輪車用等のステアリングス
テムコンポーネントは、軟鋼製のステムパイプを鍛造品
から成るボトムブリッジに嵌挿してステムパイプの先端
をボトムブリッジから突出させ、この突出コーナ部に軟
鋼系の溶接ワイヤを用いたMIG溶接を施すことにより
ボトムブリッジにステムパイプを溶接して製造されるを
一般としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き鍛造品から
成るボトムブリッジは、強度はあるものの、機械加工が
困難であり、更に薄肉成形が難しく製品重量が重くなる
といった不具合があり、また鍛造成形時の騒音振動等に
より作業環境が悪くなるといった不具合もある。かかる
不具合を解消すべく、ボトムブリッジを鋳鉄鋳物製とす
ることも考えられるが、鋳鉄は炭素含有量が大であるた
め軟鋼系の溶接ワイヤを用いた溶接では溶着金属がボト
ムブリッジからの炭素の混入により脆化してビード割れ
を生ずる。これを防止するには、予熱・後熱処理を行っ
たり、或いは溶接ワイヤとして延性に富んだニッケル系
の高価なワイヤを用いたりする必要があり、製造コスト
が高くなる。ところで、ステアリングステムコンポーネ
ントは、図1に示す如く、ボトムブリッジ1に接合され
たステムパイプ2を車体10のヘッドパイプ11にボト
ムベアリング12を通して挿通し、ヘッドパイプ11か
ら突出するステムパイプ2の上部にトップベアリング1
3を外挿した状態でステムパイプ2のねじ部2aにロッ
クナット14を螺合させて締込むことにより、ヘッドパ
イプ11に軸方向に不動に軸支される。この場合、ボト
ムブリッジ1とステムパイプ2との接合は、ロックナッ
ト14の締込みによってステムパイプ2に作用するボト
ムブリッジ1からの引き抜き方向の荷重に対しての強度
とねじりトルクに対する強度とが有れば良く、ボトムブ
リッジ1に対するステムパイプ2の押し出し方向の荷重
に対しての強度は左程必要としない。本発明は、以上の
点に鑑み、鋳鉄鋳物部品とこれに嵌挿される軟鋼部品と
を引き抜き荷重及びねじりトルクに対する必要充分な強
度を持って接合し得るようにした低コストの接合方法を
提供し、併せてボトムブリッジを鋳鉄鋳物製とした軽量
安価なステアリングステムコンポーネントを提供するこ
とをその目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明は、鋳鉄鋳物部品とこれに嵌挿される軟鋼部品と
の接合方法であって、鋳鉄鋳物部品からの軟鋼部品の突
出コーナ部に鍔状のろう付けビードが形成されるように
銅系溶接ワイヤを用いてアークろう付けを施すことを特
徴とする。
【0005】
【作用】銅系溶接ワイヤは鋳鉄鋳物部品より融点が低
く、そのためろう付けビードに鋳物素材(特に炭素)が
混入せず、延性のあるろう付けビードが軟鋼部品に接合
され、該ビードが抜け止め用のフランジとして機能して
引き抜き荷重に対しての強度が得られる。一方、鋳鉄鋳
物部品とろう付けビードとの間の軸方向の接合強度は弱
いが、アークろう付け時に鋳物部品の表面が波を打つこ
とでセレーション効果が生じ、ねじりトルクに対する強
度が得られる。かくて、ボトムブリッジを鋳鉄鋳物製と
しても、該ボトムブリッジに軟鋼製のステムパイプを嵌
挿して上記の如く接合することにより、高価なニッケル
系溶接ワイヤを用いることなく引き抜き荷重とねじりト
ルクに対しての必要充分な強度を持ったステアリングス
テムコンポーネントを得られる。
【0006】
【実施例】図2は図1に示したステアリングステムコン
ポーネントのボトムブリッジ1とステムパイプ2の接合
部分の構造を示している。ボトムブリッジ1は、センタ
ー孔1aと、フォークパイプを挿通固定する左右1対の
孔1b、1bとを有する、ダクタイル系の鋳鉄鋳物部品
であり、一方、ステムパイプ2はSTAM40G鋼管か
ら成る軟鋼部品である。ボトムブリッジ1とステムパイ
プ2との接合に際しては、ステムパイプ2をボトムブリ
ッジ1のセンター孔1aに圧入してステムパイプ2の先
端をボトムブリッジ1から僅かに突出させ、その突出コ
ーナ部に銅系溶接ワイヤを用いたアークろう付けを施し
て鍔状のろう付けビード3を形成する。
【0007】比較試験のため、ステムパイプ2のボトム
ブリッジ1からの突出コーナ部に、成分がSi3.56
%,Mn0.96%,残りCuの銅系溶接ワイヤを用い
たアークろう付けを施したものと、ニッケル系のNi−
1(Ni55%以上)の溶接ワイヤを用いたMIG溶接
を施したものとを作成し、図2に矢印aで示す引き抜き
方向の荷重と矢印bで示す押し出し方向の荷重及びねじ
りトルクに対する強度を測定した。尚、ステムパイプ2
の外径は27mmであり、ステアリングステムコンポー
ネントに必要な引き抜き強度の基準値は3500Kgf
である。
【0008】引き抜き強度と押し出し強度の測定結果は
下表に示す通りであり、溶接ワイヤを銅系とした場合に
は押し出し強度が低くなるものの引き抜き強度は基準値
を大幅に上回ることが確認された。
【0009】 また、溶接ワイヤを銅系としても、ステムパイプ2が先
にねじれる8900kg・cmのねじれトルクに耐えら
れ、ねじれトルクに対する強度も充分であることが確認
された。
【0010】以上、ステアリングステムコンポーネント
を構成するボトムブリッジ1とステムパイプ2との接合
について説明したが、本発明は、鋳鉄鋳物部品とこれに
嵌挿される軟鋼部品との接合に広く適用できる。
【0011】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1の発明によれば、鋳鉄鋳物部品と軟鋼部品とを引き抜
き荷重及びねじりトルクに対する強度を確保して接合で
き、且つ接合に用いる溶接ワイヤは安価な銅系ワイヤで
済み、請求項2の発明の如く、ボトムブリッジを鋳鉄鋳
物製として、軽量で且つ充分な強度を持ったステアリン
グステムコンポーネントを安価に得られる効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用するステアリングステムコンポ
ーネントの車体への組付けを説明する分解斜視図
【図2】 本発明ステアリングステムコンポーネントの
要部の断面図
【符号の説明】
1 ボトムブリッジ 2 ステムパイプ 3 ろう付けビード

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳鉄鋳物部品とこれに嵌挿される軟鋼部
    品との接合方法であって、鋳鉄鋳物部品からの軟鋼部品
    の突出コーナ部に鍔状のろう付けビードが形成されるよ
    うに銅系溶接ワイヤを用いてアークろう付けを施すこと
    を特徴とする鋳鉄鋳物部品と軟鋼部品の接合方法。
  2. 【請求項2】 ボトムブリッジとこれに嵌挿される軟鋼
    製のステムパイプとから成るステアリングステムコンポ
    ーネントであって、ボトムブリッジを鋳鉄鋳物製とし、
    該ボトムブリッジからのステムパイプの突出コーナ部に
    銅系溶接ワイヤを用いたアークろう付けによる鍔状のろ
    う付けビードを形成したことを特徴とするステアリング
    ステムコンポーネント。
JP4052444A 1992-03-11 1992-03-11 ステアリングステムコンポーネントの製造方法 Expired - Fee Related JPH0777664B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015142925A (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 柳河マシンテック株式会社 ステアリングステムコンポーネントの結合

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03165968A (ja) * 1989-11-22 1991-07-17 Aisin Seiki Co Ltd 亜鉛メッキ鋼板の接合方法

Patent Citations (1)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03165968A (ja) * 1989-11-22 1991-07-17 Aisin Seiki Co Ltd 亜鉛メッキ鋼板の接合方法

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JP2015142925A (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 柳河マシンテック株式会社 ステアリングステムコンポーネントの結合

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