JPH06234096A - Ti基材料表面への肉盛溶接用複合ワイヤ - Google Patents

Ti基材料表面への肉盛溶接用複合ワイヤ

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JPH06234096A
JPH06234096A JP2451693A JP2451693A JPH06234096A JP H06234096 A JPH06234096 A JP H06234096A JP 2451693 A JP2451693 A JP 2451693A JP 2451693 A JP2451693 A JP 2451693A JP H06234096 A JPH06234096 A JP H06234096A
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JP
Japan
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composite wire
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welding
wire
overlay
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JP2451693A
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English (en)
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Yasutoshi Nakada
康俊 中田
Shigeru Kurihara
繁 栗原
Hiroyuki Koike
弘之 小池
Saburo Kitaguchi
三郎 北口
Isamu Takayama
勇 高山
Yasuo Tsukahara
靖夫 塚原
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、複合ワイヤを用いることで溶加材
を安定して送給できピット、ブローホールなどの溶接欠
陥が発生せず、Ti基材との接合性の高い耐摩耗性、耐
熱性に優れた肉盛層が安定して得られる、安価なTi基
材料表面への肉盛溶接用複合ワイヤを提供する。 【構成】 Ti基材料表面への肉盛材料としての構成
は、鉄基材料からなる外皮材の中空部にTi粉末、Ti
線材もしくはTi合金粉末、線材を充填してなることを
特徴とするTi基材料表面への肉盛溶接用複合ワイヤで
あり、該複合ワイヤにおいて、複合ワイヤ全重量に対し
て鉄基材料からなる外皮材の重量が10〜50重量%で
あることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はTi基材料の表面に耐摩
耗、耐熱層が安定してかつ経済的に得られる肉盛溶接用
複合ワイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】TiまたはTi合金は鉄鋼材料に比較し
て、軽量(鉄の約60%)で耐熱性、耐食性が優れてい
ることから自動車部品の吸気・排気バルブをはじめ広い
分野で使用され、検討されている。しかし、Ti合金は
一般に鉄鋼材料に比べ、耐摩耗性の面で劣っており、T
i合金素材そのままでは、鉄鋼材料の代替材料として適
用できる部位、部品は限られている。また、既にTi,
Ti合金が使用されている場合でも、近年、使用環境が
過酷になるにつれ、更に耐久性の向上が求められてい
る。
【0003】その対策として、Ti合金そのものの改良
の外に、表面の耐摩耗層を形成する方法が行われてい
る。例えば、PVD,CVDにより薄い硬質皮膜層を形
成する方法、溶射により比較的厚い硬質皮膜層を形成す
る方法がある。しかし、これらの方法で形成される皮膜
は非常に硬いが基材との密着力が弱く、使用中に剥離、
脱落の恐れがあり信頼性に乏しい。更に、PVD,CV
Dは皮膜形成速度が遅く、厚膜の形成は困難である。溶
射の場合は騒音、光線の発生など環鏡面でも問題があ
り、また、基材との密着力が低く使用中に剥離するなど
の問題がある。
【0004】一方で、レーザ、アークなどの高密度エネ
ルギー源を用いて基材表面とともに合金化金属を溶融さ
せ硬質合金層を形成する方法が開示されている。かかる
素材の硬化肉盛溶接方法として、特開昭61−2357
号公報に記載されているように、チタン基材料からなる
エンジンバルブのフェース面に、チタンと金属炭化物と
からなる混合粉末を用いて、プラズマアーク溶接法によ
り肉盛する方法が提案されている。また、特開平1−2
62077号公報では、肉盛材料に金属粉を用いた交流
プラズマアーク肉盛溶接法が提案されている。しかしな
がら、これらの方法は、粉体を安定してアーク中に供給
するために、通常、流動性の良いガスアトマイズ粉、プ
ラズマ回転電極法粉などを用いている。しかし、ガスア
トマイズ粉およびプラズマ回転電極法粉の形状は球形で
流動性は良く、また、表面の清浄度も良好であるが高価
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
合金化処理の問題点を解決するべくなされたもので、そ
の目的とするところは、複合ワイヤを用いることで溶加
材を安定して送給できピット、ブローホールなどの溶接
欠陥が発生せず、Ti基材との接合性の高い耐摩耗性、
耐熱性に優れた肉盛層が安定して得られる、安価なTi
基材料表面への肉盛溶接用複合ワイヤを提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、鉄基材料からなる外皮材の中空部にTi
粉末、もしくはTi線材、またはTi合金粉末、もしく
はTi合金線材を充填してなることを特徴とするTi基
材料表面への肉厚溶接用複合ワイヤを要旨とする。この
複合ワイヤは、複合ワイヤ全量に対して鉄基材料からな
る外皮材の重量が10〜50重量%となるようにするこ
とが好ましい。なお、本発明の複合ワイヤに用いる肉盛
溶接手段は、簡便な溶接法であるガスシールドアーク
(TIG溶接)、プラズマ、レーザー、電子ビームを溶
接熱源としたものである。
【0007】
【作用】本発明複合ワイヤにおける外皮材の鉄基材料と
して、純鉄、鋼もしくはステンレス鋼が用いられ得るも
のであるが、ステンレス鋼材料が好適である。ステンレ
ス鋼材料としては、代表的な18Cr−8Ni鋼、22
Cr−12Ni鋼、25Cr−20N鋼、18Cr−1
2Ni−2.5Mo鋼、18Cr−9Ni−Nb鋼、1
3Cr鋼、18Cr鋼が挙げられる。
【0008】充填用材料としてTi,Ti合金材料が用
いられるが、Ti合金材料としては、代表的なTi−6
Al−4V合金をはじめTi−6Al−2Sn−4Zr
−2Mo合金およびTi−5Al−2.5Sn合金など
が挙げられる。これらのTiおよびTi合金は、粉末も
しくは線材からなり、これらを単独に、もしくは混合し
て充填することができる。
【0009】本発明によれば、不活性ガスでシールドさ
れたTi基材料母材と非消耗電極との間に発生させたア
ーク中に、鉄基材料からなる外皮材の中空部にTi粉
末、Ti線材、Ti合金粉末もしくはTi合金線材を充
填した複合ワイヤを肉盛溶接材料として送給することに
より、Ti基材料表面にFe,Ni,Cr,Mo,N
b,Mn,Al,V,Sn,Zrの少くとも1種を含ん
だTi合金肉盛層を形成できる。この場合に得られる肉
盛層の硬さは、耐摩耗性の面からビッカース硬さHv4
00以上が必要であり、Hv400未満では耐摩耗性の
向上が期待されない。
【0010】即ち、Ti−Fe系複合ワイヤによって得
られる肉盛層の硬さは、鉄基材料からなる外皮材の重量
が10%未満ではHv400未満となり耐摩耗性の向上
が期待できない。一方、外皮材の重量が50%を超える
とFeを初めとしてTiとの間に硬く脆弱な金属間化合
を生成するため、肉盛層に割れが発生する。従って、H
v400未満となり、Ti−Fe系複合ワイヤにおける
鉄基材料からなる外皮材の重量は、複合ワイヤ全重量に
対して10〜50%の範囲内とする必要がある。
【0011】Ti基材料表面に形成される肉盛厚には、
使用される複合ワイヤに応じ次の各成分が少くとも1種
以上含まれる。Fe:Feはβ相を安定化するとともに
固溶強化元素として、またはTiFe相の析出により肉
盛層の硬さを高める。Ni:Niはβ相を安定化すると
ともに固溶強化元素として、またはTi2 Ni,TiN
i相の析出により肉盛層の硬さを高める。Cr:Crは
β相を安定化するとともに固溶強化元素として、または
TiCr2 相の析出により肉盛層の硬さを高める。M
o:Moはβ相を安定化するとともに固溶強化元素とし
て肉盛層の硬さを高めるとともに耐食性を高める。M
n:Mnはβ相を安定化するとともに固溶強化元素とし
て、またはTiMn相の析出により肉盛層の硬さを高め
る。Al:Alはα相を安定化するとともに固溶強化元
素として肉盛層の硬さを高める。V:Vはβ相を安定化
するとともに固溶強化元素として肉盛層の硬さを高め
る。Sn:Snはα相を安定化するとともに固溶強化元
素として肉盛層の硬さを高める。Zr:Zrはα相を安
定化するとともに固溶強化元素として肉盛層の硬さを高
める。本発明による鉄基材料からなる外皮材の中空部
に、Ti粉末もしくはTi合金粉末またはTi線材もし
くはTi合金線材を充填した複合ワイヤの製造方法とし
ては、外皮材が所望の重量になるように、Ti粉末もし
くはTi合金粉末またはTi線材もしくはTi合金線材
の充填材の充填率を調整した後、伸線加工する方法によ
れば良い。図1(a),(b)は、鉄基材料からなる外
皮材1の中空部にTi線材2を充填した複合ワイヤ3の
横断面および縦断面を示す。
【0012】
【実施例】本発明の効果を確認するため、Ti−6Al
−4V板(10×50×150mm)の表面に、表1に
示す成分組成の鉄基材料の外皮材の中空部に、Ti基材
料の線材もしくは粉末を充填した複合ワイヤ(ワイヤ
径:1.2mm)を用い、プラズマ溶接法、非消耗式ガス
シールドアーク溶接法のTIG溶接によるビードオンプ
レート試験を実施した。各溶接法による溶接条件を表2
に示す。上記の肉盛溶接試験により得られた肉盛層につ
いて、肉盛層の硬さ、肉盛層内部の割れ、ビード表面割
れなどを調査した。結果を表3に示す。肉盛層の硬さの
調査は、溶接部断面試験片において、図2に示すように
Ti−6Al−4V板4に形成した肉盛層5、すなわち
ビード表面より1mm下の位置におけるA−B間を0.5
mmピッチで10点測定した結果の平均値を示した。肉盛
層内部の割れは溶接部断面を光学顕微鏡(×100)に
て調査し、ビード表面の割れについては目視により割れ
の有無を調査した。また、ブローホールなどの溶接欠陥
の検出および評価は、放射線透過写真の等級方法(JI
S Z3107)に準じて行った。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】表3においてNo.1〜No.10は本発明の
要件を全て満たす本発明例であり、その内、No.1〜6
はプラズマアーク溶接法、No.7〜10はTIG溶接法
によって肉盛溶接を行ったものである。いずれの溶接法
で行っても本発明のTi−Fe系複合ワイヤは基材表面
への肉盛層は、十分な硬さを有するとともに肉盛層内部
の微小割れ、ビード表面の割れは皆無であった。
【0017】これに対しNo.11〜13はプラズマアー
ク溶接法、No.14,15はTIG溶接法を行ったもの
であるが、いずれも肉盛層の特性において満足な結果が
得られなかった。
【0018】No.11,14は外皮の重量が10%未満
の例で十分な肉盛層の硬さが得られなかった。なお、肉
盛層内部および表面の割れはなかった。No.12,1
3,15は外皮の重量が50%を超えた例で十分な肉盛
層の硬さが得られているが、肉盛層内部および表面の割
れが認められた。
【0019】
【発明の効果】以上のことにより、本発明は種々の外皮
材および充填材を組み合わせれば、種々の成分割合の溶
加材が溶解工程経ずして容易に得られ、また本発明のT
i−Fe系複合ワイヤを用いれば、割れが発生せず、T
i基材との接合性の高い耐摩耗性、耐熱性合金化層を安
定して、安価に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Ti−Fe系複合ワイヤの横断面、(b)は該
複合ワイヤの縦断面を示す説明図である。
【図2】Ti−Fe系複合ワイヤにより得られた肉盛金
属の硬さ測定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 鉄基外皮 2 Ti基ワイヤ 3 Ti−Fe系複合ワイヤ 4 Ti−6Al−4V板 5 肉盛層 A,B 硬さ測定位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北口 三郎 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 高山 勇 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 塚原 靖夫 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄基材料からなる外皮材の中空部にTi
    粉末もしくはTi合金粉末またはTi線材もしくはTi
    合金線材を充填してなることを特徴とするTi基材料表
    面への肉盛溶接用複合ワイヤ。
  2. 【請求項2】 複合ワイヤ全重量に対して鉄基材料から
    なる外皮材の重量が10〜50重量%であることを特徴
    とする請求項1に記載のTi基材料表面への肉盛溶接用
    複合ワイヤ。
JP2451693A 1993-02-12 1993-02-12 Ti基材料表面への肉盛溶接用複合ワイヤ Withdrawn JPH06234096A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107363433A (zh) * 2017-09-13 2017-11-21 哈尔滨工业大学(威海) 一种钛及钛合金焊接用药芯焊丝
CN110756963A (zh) * 2019-10-25 2020-02-07 中国石油集团渤海石油装备制造有限公司 钛合金钻杆耐磨带敷焊方法及钛合金钻杆

Cited By (4)

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CN107363433A (zh) * 2017-09-13 2017-11-21 哈尔滨工业大学(威海) 一种钛及钛合金焊接用药芯焊丝
CN107363433B (zh) * 2017-09-13 2019-09-17 哈尔滨工业大学(威海) 一种钛及钛合金焊接用药芯焊丝
CN110756963A (zh) * 2019-10-25 2020-02-07 中国石油集团渤海石油装备制造有限公司 钛合金钻杆耐磨带敷焊方法及钛合金钻杆
CN110756963B (zh) * 2019-10-25 2022-03-15 中国石油集团渤海石油装备制造有限公司 钛合金钻杆

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