JP2567203B2 - 合金被覆した耐食性鋼管 - Google Patents
合金被覆した耐食性鋼管Info
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Description
用などに用いられる鋼管の耐食性、耐摩耗性の改善に関
する。
ば、API−L80等の低合金鋼製の鋼管が用いられ
る。これらの鋼管の内壁は硫化水素等を含む強い腐食性
環境に曝されるうえ、計測機を鋼管内に挿入するための
ワイヤーの摺動による摩耗が避けられないので、耐食性
が高く、耐摩耗性に優れた鋼管の開発が強く望まれてい
る。
法として溶射、PVD被覆、肉盛溶接等の各種の表面被
覆処理が用いられているが、なかでも、合金粉末をプラ
ズマトランスファーアークを用いて肉盛溶接する方法
(以下、PPW法という)は、溶着金属の種類を選ぶ際
の自由度が大きく、溶着金属と地金との密着性がよく、
機械的性質にも優れている。
しようとする課題は、PPW法によって長尺の鋼管に肉
盛溶接するのに適した合金粉末であって、その溶着金属
が、石油生産用、石油輸送用などに用いられる鋼管が曝
される強い腐食環境に耐える耐食性と耐摩耗性とを備え
る合金粉末を開発し、耐食性が高く、耐摩耗性に優れた
内壁をもつ鋼管を提供することにある。
めに本発明の内壁を合金被覆した耐食性鋼管において
は、合金被覆層の形成に用いる合金粉末の化学組成が重
量%で、C:0.060%以下、Cr:12.00−2
6.00%、Mo:12.00−18.00%、W:
2.00−5.00%、Co:4.00%以下、Fe:
9.00%以下と、S:0.0015〜0.0065%
およびSi:0.08〜3.50%のうち、いずれか一
種または二種とを含み、残余Niおよび不可避的不純物
からなり、上記合金粉末をプラズマトランスファーアー
クを用いて肉盛溶接することにより、内壁を合金被覆す
ることを特徴とする耐食性鋼管とする。
由について説明する。Niは、腐食溶解速度が小さく、
腐食生成被膜は緻密であり、優れた不動態化能を持って
いるので、本合金の基本成分とした。Cは、本合金の耐
食性を減じる元素であり、また、PPW法による溶着金
属の割れを生じ易くする元素なので、可能な限り含有量
が少いことが好ましいが、耐食性、耐割れ性の面から
0.060%を含有率の上限とする。
びMoとマトリックスを構成して、一層強固な保護被膜
を形成し、不動態化能を与えて合金の耐食性を向上す
る。Crの耐食性向上効果は含有率12.00%以上か
ら現れる。Cr含有率が過大となると金属間化合物を容
易に析出して合金の脆化を招くので、含有量の上限を2
6.00%とする。
有効な元素で、不動態化能を増し、耐食性を改善する。
この効果は12.00%以上の添加により現れる。Mo
含有量が過大となると金属間化合物を析出し、合金の脆
化を招くので、含有量の上限を18.00%とする。W
は、Moと同じく耐食性を改善するが、そのためには
2.00%以上の添加が必要であり、また、多量の添加
は溶着金属の耐割れ性を損ねるので上限を5.00%と
する。
元素であるが、過大に添加すると粉末の流動性を損ねて
PPW法による溶接時に溶接欠陥を生じるので、含有量
の上限を4.00%とする。Feは、本合金の耐食性を
減じる元素であり、可能な限り含有量が少いことが好ま
しいが、耐食性の許容し得る限界として9.00%を含
有率の上限とする。
粉末を肉盛溶接する際にスパッターの生成を低減し、溶
接トーチ先端の粉末供給孔の詰りを防止するのに有効な
元素である。この効果はSでは0.0015%以上で、
また、Siでは0.08%以上で現れる。しかし、Sは
その含有率が高すぎると、溶着金属の割れを生じ易く
し、耐食性も損う。Siは耐食性の向上には有効である
が、含有率が高すぎると溶着金属の割れを生じ易くす
る。そのため、S含有率の上限は0.0065%、Si
含有率の上限は3.50%とする。
により作成し、分級して#100−〜#200+の粉末
を取り出して供試材とした。
示す溶接条件で、外径88mm、内径76mm、長さ
5.5mのAPI−L8鋼管の内壁に肉盛厚さ約2m
m、肉盛幅約10mmの肉盛溶接を行い、溶接ビードの
安定性、肉盛層の耐割れ性、ピンホールの発生状況、溶
着金属の耐食性等を調べ、総合溶接性を判定した。
調べたもので、粉末の流動性やスパッターの発生による
トーチの孔詰り等、粉末特性によって大きく影響され
る。耐割れ性およびピンホール性は溶着金属の外観を肉
眼観察して割れおよびピンホール発生の有無を判定し
た。 また、腐食試験は、200℃×215atmに加
熱加圧した20%NaCl水溶液に、100atmのH
2 Sおよび100atmのCO2 を吹込んで調製した試
験溶液に、内径76mm、長さ250mmの試験片を3
60h浸漬し肉盛層の厚さ減少量を測定する方法で行な
った。
総合的に評価したものである。その結果を表3に示す。
である。 ビード安定性 ◎ ビードの厚さ、幅とも極めてよく揃っている ○ ビードの厚さ、幅がよく揃っている △ ビードの厚さ、幅にやや不揃いがある × ビードの厚さ、幅に著しい不揃いがある 耐割れ性 ○ 割れなし × 割れあり ピンホール性 ○ ピンホールなし × ピンホールあり 耐食性 ◎ 腐食減量0.1mm/y以下 ○ 腐食減量0.1mm/y〜0.3mm/y × 腐食減量0.3mm/y以上 総合溶接性 ◎ 極めて良好 ○ 良好 × 不良
粉末を使用して、PPW法により肉盛溶接することによ
り、長尺鋼管の内壁に優れた耐食性と耐摩耗性とを備え
た肉盛層を形成することができ、高性能で経済的な石油
生産用、石油輸送用などに用いられる耐食鋼管を提供す
ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 内壁を合金被覆した石油生産用および石
油輸送用耐食性鋼管において、合金被覆層の形成に用い
る合金粉末の化学組成が重量%で、 C:0.060%以下、 Cr:12.00−26.00%、 Mo:12.00−18.00%、 W:2.00−5.00%、 Co:4.00%以下、 Fe:9.00%以下と、 S:0.0015〜0.0065%およびSi:0.08〜3.50% のうち、いずれか一種または二種とを含み、 残余Niおよび不可避的不純物からなり、 上記合金粉末をプラズマトランスファーアークを用いて
肉盛溶接することにより、内壁を合金被覆することを特
徴とする石油生産用および石油輸送用耐食性鋼管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6061064A JP2567203B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 合金被覆した耐食性鋼管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6061064A JP2567203B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 合金被覆した耐食性鋼管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07266082A JPH07266082A (ja) | 1995-10-17 |
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Family
ID=13160363
Family Applications (1)
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JP6061064A Expired - Fee Related JP2567203B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 合金被覆した耐食性鋼管 |
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-
1994
- 1994-03-30 JP JP6061064A patent/JP2567203B2/ja not_active Expired - Fee Related
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