JPH06232056A - 誘電体バリヤ放電ランプを使用した処理方法 - Google Patents

誘電体バリヤ放電ランプを使用した処理方法

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JPH06232056A
JPH06232056A JP5032529A JP3252993A JPH06232056A JP H06232056 A JPH06232056 A JP H06232056A JP 5032529 A JP5032529 A JP 5032529A JP 3252993 A JP3252993 A JP 3252993A JP H06232056 A JPH06232056 A JP H06232056A
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barrier discharge
discharge lamp
processing
discharge
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博光 松野
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龍志 五十嵐
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種の処理を高品位で行い、かつ、高速度で
あるいは高効率で行うことが出来る誘電体バリヤ放電ラ
ンプを利用した処理方法を提供することである。 【構成】 被処理物と処理用流体と該処理用流体を電
離、解離、活性化処理するための放電装置とを内包した
処理室を有する被処理物を処理する処理方法において、
該処理用流体の放電処理と同時に少なくとも該被処理物
を誘電体バリヤ放電ランプからの放射光で照射する事を
特徴とする誘電体バリヤ放電ランプを使用した処理方法
を採用することによって達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電を利用した処理方
法、例えば、プロセスガスを放電によって分解し堆積さ
せる、いわゆる化学気相成長法を使用した成膜装置や、
放電によるエッチングなどの各種処理方法の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】本発明に関連した技術としては、例え
ば、1992年の「応用物理」第61巻第10号103
9ページに、高電圧パルス放電を利用した化学気相成長
法(以後、CVDと略記する)によるアモルファスシリ
コン薄膜の作成方法が記載されている。また、日本国公
開特許公報平3−211283号には、誘電体バリヤ放
電(別名オゾナイザ放電あるいは無声放電。電気学会発
行改定新版「放電ハンドブック」平成1年6月再版7刷
発行第263ページ参照)を使用したランプから放射さ
れる紫外線を利用したCVD法による薄膜の製造装置に
ついて記載されている。上記のような放電あるいは光を
利用した処理方法は、太陽電池、各種半導体素子用の薄
膜を高品質で作成出来るため有用である。
【0003】しかし、放電を使用した場合には、処理の
速度が大きいという特長があるが、放電を発生させるた
めの金属電極からの不純物が被処理物を汚染したり、処
理用流体の分解によって生じた生成物質が電極に付着し
て、放電が不均一になり、その結果、処理が不均一にな
るという問題があった。特に、大面積の被処理物を均一
に処理するのが困難であった。また、一般的に、光を利
用した処理の場合には、処理の速度が必ずしも十分では
無いという問題があった。さらに、一般的に、上記のよ
うな処理方法においては、放電あるいは光は、主として
処理用流体であるプロセスガスに作用して、該ガスを活
性化、分解、イオン化あるいは合成しており、被処理物
である基板に対しては直接作用していない。たとえ、放
電プラズマの一部が被処理物に接触したりあるいは処理
用流体に吸収されなかった光が被処理物に照射されたと
しても、その量が非常に少ないこと、および該放電ある
いは光源の特性、すなわち処理用流体の圧力、放電の形
式、放電電力あるいは光の波長、強度などが処理用流体
の処理に最適な様に設定されていないので、放電プラズ
マ及び光の被照射物への効果は少ない。従って、被処理
物と処理用流体を接触させた状態において、放電装置あ
るいは光源を使用して該処理用流体を電離、解離、活性
化して処理する方法では、処理が不完全であったり、あ
るいは処理の速度あるいは処理効率が必ずしも十分では
無いという問題があった。また、従来のアーク放電ラン
プは広い波長範囲に渡って放射光を有しているので、む
しろ処理にとって有害である波長の光も同時に照射され
ることになり、放電装置と従来のアーク放電ランプを組
み合わせたとしても、改善は必ずしも十分ではなかっ
た。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、各
種の処理を高品位で行い、かつ、高速度であるいは高効
率で行うことが出来る誘電体バリヤ放電ランプを利用し
た処理方法を提供することである。
【0005】
【問題を解決する手段】上記本発明の目的は、被処理物
と処理用流体と該処理用流体を電離、解離、活性化処理
するための放電装置とを内包した処理室を有する被処理
物を処理する処理方法において、該処理用流体の放電処
理と同時に少なくとも該被処理物を誘電体バリヤ放電ラ
ンプからの放射光で照射する事を特徴とする誘電体バリ
ヤ放電ランプを使用した処理方法を採用することによっ
て達成される。
【0006】さらに、該誘電体バリヤ放電ランプを該被
処理物と処理用流体を収納している処理室内に設け、該
誘電体バリヤ放電ランプが、nm単位で表した波長範囲
180から200、165から190、240から25
5、200から240、120から190、および30
0から320の少なくとも一つの波長範囲に放射光を有
する事を特徴とした誘電体バリヤ放電ランプを使用した
処理方法、あるいは、該処理室内に設けた誘電体バリヤ
放電ランプが、当該ランプの放電空間と該被処理物およ
び該処理用流体の間に固体のランプ構成材を有さない構
造とし、該誘電体バリヤ放電ランプが、nm単位で表し
た波長範囲107から165、および140から160
の少なくとも一つの波長範囲に放射光を有する事を特徴
とした誘電体バリヤ放電ランプを使用した処理方法を採
用することにより、上記目的はより一層達成できる。
【0007】さらに、該放電装置を誘電体バリヤ放電装
置とし、前記誘電体バリヤ放電装置の誘電体の少なくと
も一部、特に当該装置における放電空間に対向している
表面を被処理物に含有される元素、望ましくは主成分元
素の酸化物あるいは窒化物で構成することによって、上
記本発明の目的はよりいっそう達成される。
【0008】
【上記手段の有する作用】被処理物と処理用流体と該処
理用流体を電離、解離、活性化処理するための放電装置
とを内包した処理室を有する被処理物を処理する処理方
法において、該処理用流体の放電処理と同時に少なくと
も該被処理物を誘電体バリヤ放電ランプからの放射光で
照射すると、該誘電体バリヤ放電ランプからの光によっ
て処理用流体に加えて該被処理物も活性化されるので、
しかも、該誘電体バリヤ放電ランプは、狭い波長領域に
単色光的に高効率で光を放射する、ランプへの入力電力
を変化させることによって分光分布を変えること無く光
出力を変化できるなど、従来のアーク放電ランプにはな
い特徴を有しているため、従来のアーク放電ランプだけ
の組み合わせでは得ることの出来ない特徴ある分光分布
の光を高効率で照射することが可能になるので、従って
高効率、高速で、高品位の処理が可能になる。
【0009】また、該誘電体バリヤ放電ランプを該被処
理物と処理用流体を収納している処理室内に設けると、
処理室と該誘電体バリヤ放電ランプの間の窓部材による
吸収が無くなり、かつ被処理物と誘電体バリヤ放電ラン
プとの距離を短くすることが出来るので、高効率で照射
することが可能になり、従って小型の装置で高効率、高
速で、高品位の処理が可能になる。また、該処理室内に
設けた光源が誘電体バリヤ放電ランプであるので、該誘
電体バリヤ放電ランプは、形状の自由度が大きい、管壁
の温度変化による光出力特性、特に分光分布の変化が無
い、管壁の温度が低いなど、光源を処理室内に設けた場
合に問題となる事項を解決できるという、従来のアーク
放電ランプにはない特長を有しているため、小型の装置
で高効率、高速で、高品位の処理が可能になる。
【0010】さらに、該処理室内に設けた誘電体バリヤ
放電ランプが、当該ランプの放電空間と該被処理物およ
び該処理用流体の間に固体のランプ構成材を有さないよ
うな構成、いわゆる窓無しランプ(特開平3−2112
83に開示されている)にすると、ランプの光取り出し
窓部材の光吸収特性によって波長領域が限定されること
がなく、より短波長の紫外線を照射できるという特長の
他に、誘電体バリヤ放電ランプは放電空間に金属電極を
露出させていないので、窓無しランプ構造としても電極
用金属による汚染がなく、従って小型の装置で高効率、
高速で、高品位の処理が可能になる。
【0011】該誘電体バリヤ放電ランプが、気密な放電
空間を有し、紫外線を透過する光取り出し窓部材を通し
て紫外線を放射する場合には、nm単位で表した波長範
囲180から200、165から190、240から2
55、200から240、120から190、および3
00から320の波長範囲の紫外線を放射させる事によ
り、高効率、高品位の処理方法が達成される。なぜな
ら、上記の波長範囲の紫外線は、少なくとも、それぞれ
主たる発光用ガスとして、アルゴンとフッ素、アルゴン
と塩素、クリプトンとフッ素、クリプトンと塩素、キセ
ノン、およびキセノンと塩素の混合ガスを使用すること
により、それぞれの混合ガスのエキシマ分子によって発
光可能であるが、これらのガスを使用することにより、
発光用ガスの劣化が少なく、かつ光取り出し窓部材の劣
化が少ない状態を実現できるからである。
【0012】該誘電体バリヤ放電ランプが、当該ランプ
の放電空間と被処理物あるいは処理用流体の間に固体の
ランプ構成材を有さない、すなわち光取り出し窓部材を
持たない場合には、107から165、および140か
ら160の波長範囲の紫外線を放射させる事により、高
効率、高品位の処理方法が達成される。なぜなら、光取
り出し窓部材を持たない場合には発光用ガスが被処理物
に接触して被処理物を汚染する事があるが、少なくと
も、主たる発光用ガスとしてクリプトンおよびアルゴン
を使用することにより、それぞれのガスのエキシマ分子
によって上記の波長範囲の紫外線を放射することが可能
であり、これらのガスは被処理物を汚染することが無い
からである。
【0013】該放電装置を誘電体バリヤ放電装置で構成
することによって、以下の効果が得られる。すなわち、
第1に、誘電体バリヤ放電で発生させた放電プラズマで
は高エネルギーの電子が得られるので、種々の処理用流
体を効率よく電離、解離、活性化出来るので、著しく速
い速度で処理を行える。さらに、種類の異なる複数の処
理用流体を混合して使用する場合にも、グロー放電など
の通常の放電よりも高エネルギーの電子が得られるの
で、一種の処理用流体だけが電離、解離、活性化される
ことがなく、使用したすべての処理用流体が解離、活性
化されるので、高効率、高速で、高品位の処理が可能に
なる。第2に、誘電体バリヤ放電装置においては、複数
個の棒状あるいは円筒状の電極を平行にして配置するこ
とにより、大面積の均一な放電プラズマを生成すること
が容易なので、大面積の均一な処理が出来る。第3に、
誘電体バリヤ放電装置においては、金属電極が直接放電
空間に露出しておらず、石英ガラス、アルミナ、窒化シ
リコンなどの化学的に安定な誘電体が当該装置における
放電空間と接しており、従って、電極からの不純物の混
入が少なく、良質の処理が得られる。
【0014】さらに、前記誘電体バリヤ放電装置の誘電
体の少なくとも一部、特に当該装置における放電空間に
対向している表面を被処理物に含有される元素、望まし
くは主成分元素の酸化物あるいは窒化物で構成すること
によって、誘電体が少々飛散したとしても実質的な膜の
汚染が少なくなるので、良質の処理が得られる。たとえ
ば、シリコンウエハの上に水素化アモルファスシリコン
の薄膜を生成する場合には、誘電体としては酸化シリコ
ンすなわち石英ガラスを使用する事により良質の膜が得
られる。
【0015】誘電体バリヤ放電装置において、放電を行
う対の電極間の距離、すなわち誘電体によって形成され
る放電ギャップの大きさを変化させることにより、放電
プラズマの電子のエネルギーを変えることができる。従
って、使用する処理用流体の種類に対応して電極間の距
離を調整し、最適条件にする事により、より高品質、均
一な処理が可能になる。さらに、処理用流体によって
は、処理用流体の分解生成物が前記誘電体に付着し、実
質的な電極間距離が変化し、その結果、生成した膜が不
均一になる事が生じるが、誘電体に付着した分解生成物
の量に対応して電極間の距離を調整することにより、よ
り高品質、均一な処理が可能になる。
【0016】前記誘電体バリヤ放電装置において、誘電
体によって形成されている放電ギャップを1mmから1
0mmの狭い値にする。上記のような構成によって、誘
電体間を通過する処理用流体の温度を誘電体の温度を変
える事によって調整する事が出来る。処理用流体の種類
や被処理物の種類に対応して誘電体の温度を調節し、処
理用流体の温度を最適化する事により、より高品質、均
一な処理が可能になる。
【0017】
【実施例】本発明の第1の実施例の成膜方法の概略図を
図1に示す。処理用流体であるプロセスガス供給口4、
真空排気口5を有する反応容器3内に、プロセスガス供
給口4に近接した側に電極群1を、プロセスガスに対し
て電極群1よりも下流側に電極群2を設ける。電極群を
構成する個々の電極1a,1b,1c,2a,2b,2
c,2dの構造は、図2の縦断面図に示したように、金
属製の中空円筒11を誘電体12で覆った構造である。
この例では金属製の中空円筒11は、材質はステンレ
ス、外径は6mm、内径は4mmで、誘電体12は肉圧
1mmの石英ガラスで、長さは300mmである。金属
製の中空円筒11の中空部13に空気、水、液体窒素等
を流すことにより、電極の温度を調整することが出来、
従ってプロセスガスの温度を調節することが可能にな
る。
【0018】電極群1は、図3に示したように、それぞ
れ複数個の電極1a,1b,1cの両端を固定部材21
を使用して機械的に固定し、一体構造に構成されてい
る。電極群2も同様な構造で一体化されている。さら
に、電極群1あるいは電極群2は0.1mmの精度で最
大10mm移動させる通常の手段、すなわち例えば、ネ
ジ送り装置を用いて反応容器3に固定される。すなわ
ち、反応容器内において、必要ならば放電を行いなが
ら、電極群1と電極群2の距離tを0.1mmの精度で
最大10mmにわたって調節する事が出来る。また、電
極群1および電極群2の個々の電極はそれぞれ電気的に
接続されており、交流電源8に接続される。反応容器3
内において、プロセスガスが電極群1,2の隙間を通過
した後の部分、すなわちプロセスガスに対して電極群の
下流部に、処理物である基板6が支持台7に設置され
る。支持台7は、基板6の温度を調節するための通常の
手段、すなわち電熱による加熱或いは水冷手段などを有
する。
【0019】紫外線を放射する誘電体バリヤ放電ランプ
9a,9bが、反応容器3内の電極群2と基板6の間に
設けられている。第1の実施例に使用した同軸円筒形誘
電体バリヤ放電ランプの概略図を図4に示す。放電容器
41は石英ガラス製で内側管14と外側管15を同軸に
配置して中空円筒状にしたものである。内側管42と外
側管43は誘電体バリヤ放電の誘電体バリヤと光取り出
し窓部材を兼任しており、それぞれの外面に光を透過す
る金属網からなる電極44,45が設けられている。放
電容器41の一端にリング状のゲッター46が設けられ
ている。放電空間47内に誘電体バリヤ放電によってエ
キシマ分子を形成する放電用ガスを封入して、誘電体4
2,43の表面に設けられた金属網からなる透明電極4
4,45に交流電源48によって電圧を印加すると、放
電空間47内にいわゆる誘電体バリヤ放電、別名オゾナ
イザ放電あるいは無声放電が発生して、誘電体42,4
3、透明電極44,45を通して、高効率で紫外線が放
射される。図には示していないが、必要に応じて、透明
電極44,45の表面を紫外線透過性の樹脂、ガラスな
どで覆い電気的に絶縁する。また、処理用流体に直接接
触する外側の電極45は、アース電位で使用することが
望ましい。
【0020】誘電体バリヤ放電ランプ9a,9bは、発
光ガスの主成分としてキセノンガスが封入されており、
172nm付近で最大値を有する120から190nm
の波長範囲の紫外線を放出する。上記に示したような誘
電体バリヤ放電ランプを使用した事を特長とする成膜方
法において、電極群1,2の固定位置によって決まる最
短電極間距離即ち放電空隙のながさを3mmにし、基板
6としてシリコンウエハを使用し、プロセスガスとして
モノシランとメタンの一対一の混合ガスを使用し、電極
群1と2に交流電圧を印加して電極群1と2の間で誘電
体バリヤ放電を発生させてそれらのガスを放電処理し、
水素化アモルファス炭化シリコンの薄膜の形成を行った
ところ、小型の装置で、高効率で、高速でしかも良質の
薄膜が得られた。
【0021】本発明の第2の実施例においては、電極群
1,2として、上記第1の実施例の電極の誘電体である
石英ガラスの表面に炭化シリコンの薄膜を設けた構造の
電極を使用し、かつ、電極の中空部13に液体窒素を流
して電極を冷却することによってプロセスガスの冷却を
行った。この結果不純物の混入がさらに少なくなり、よ
り良質の薄膜が得られた。プロセスガスの組成比と電極
の温度によっては、電極の表面にプロセスガスの分解生
成物が付着することにより電極群1と2の距離、従っ
て、誘電体バリヤ放電の放電ギャップが小さくなり、そ
の結果、放電プラズマのエネルギーが小さくなり、膜の
性質が変化することがあったが、電極群1と2の距離を
制御することによって良質な膜を形成することが出来
た。
【0022】本発明の第3の実施例においては、誘電体
バリヤ放電ランプ9a,9bの発光ガスの主成分として
クリプトンと塩素の混合ガスを封入し、222nm付近
で最大値を有する200から240nmの波長範囲の紫
外線を放出する様にしたところ、基板を照射する光子の
エネルギーが比較的小さいので、基板を損傷することな
く良質の膜が得られた。
【0023】本発明の第4の実施例である成膜方法の概
略図を図5に示す。処理用流体であるプロセスガス供給
口4、真空排気口5を有する反応容器3内に、プロセス
ガス供給口4に近接した側に陰極51を、プロセスガス
に対して陰極51よりも下流側に陽極52を設け、直流
電源53に電気的に接続する。陽極52は、被処理物で
ある基板6の支持台をかねており、基板6の温度を調節
するための通常の手段、すなわち電熱による加熱或いは
水冷手段などを有する。
【0024】第1の実施例に使用したものと同様な構造
の同軸円筒形誘電体バリヤ放電ランプ9a,9b,9
c,9dが、反応容器3内の陰極51と基板6の間に設
けられている。誘電体バリヤ放電ランプ9a,9b,9
c,9dは、発光ガスの主成分としてキセノンガスが封
入されており、172nm付近で最大値を有する120
から190nmの波長範囲の紫外線を放出する。上記に
示したような誘電体バリヤ放電ランプを使用した事を特
長とする成膜方法において、基板6としてシリコンウエ
ハを使用し、プロセスガスとしてモノシランとメタンの
一対一の混合ガス54を使用し、陰極51と陽極52の
間で直流グロー放電を発生させてそれらガスを放電処理
し、誘電体バリヤ放電ランプ9a,9b,9c,9dか
らの172nm付近で最大値を有する120から190
nmの波長範囲の紫外線を同時に照射して、水素化アモ
ルファス炭化シリコンの薄膜の形成を行ったところ、小
型の装置で、高効率で、高速でしかも良質の薄膜が得ら
れた。
【0025】本発明の第4の実施例である灰化方法の概
略図を図6に示す。灰化ダクト60内に、図2と同様の
誘電体バリヤ放電用電極1a,1bと2aが設けてあ
り、交流電源8に接続されている。誘電体バリヤ放電ラ
ンプ62a,62b,62c,62dが被処理物である
フォトレジストが塗布されたシリコンウエハ63に近接
して設けられている。誘電体バリヤ放電ランプ62a,
62b,62c,62dが、比較的波長の長い240か
ら255nm,200から240nmの範囲の紫外線を
放射するように発光物質を選択する。処理用流体供給口
4より注入された処理用流体酸素64は、灰化ダクト6
0内に設けられた誘電体バリヤ放電用電極1a,1bと
2aとの間の誘電体バリヤ放電によって非常に活性な酸
素原子とオゾンに変換される。さらに、オゾンは誘電体
バリヤ放電ランプから放射された紫外線によって活性な
酸素原子と酸素分子に分解される。上記の活性な酸素原
子、オゾン、酸素分子の混合物と接触した状態で、被処
理物であるフォトレジストに誘電体バリヤ放電ランプか
ら放射された紫外線が照射されると、被処理物である基
板に塗布されたフォトレジストの表面近傍においてオゾ
ンの分解による活性酸素原子が高密度で生成され、か
つ、紫外線が直接フォトレジストに作用するので、フォ
トレジストは高速で灰化される。誘電体バリヤ放電ラン
プから放射される紫外線の波長が比較的長いので、フォ
トレジストに照射される光子のエネルギーが小さく、そ
の結果基板であるシリコンウエハを損傷することが少な
いという利点が生じる。
【0026】誘電体バリヤ放電ランプから放射される紫
外線を比較的波長の短い180から200nm,160
から190nm、120から190nmの範囲の紫外線
を放射するように発光物質を選択すると、フォトレジス
トに照射される光子のエネルギーが大きいので、イオン
が注入されて灰化しにくくなったフォトレジストも灰化
することが出来るという利点が生じる。
【0027】第5の実施例であるエッチング方法の概略
図を図7に示す。処理ダクト60内に、図2と同様の誘
電体バリヤ放電用電極1a,1bと2aが設けてあり、
交流電源8に接続されている。誘電体バリヤ放電ランプ
62a,62bが被処理物である酸化シリコン71でマ
スクされたシリコン基板72に近接して設けられてい
る。尚、73はコンベヤーである。処理用流体供給口4
より注入された処理用流体塩素74は、処理ダクト60
内に設けられた誘電体バリヤ放電用電極1a,1bと2
aとの間の誘電体バリヤ放電によって非常に活性な活性
塩素原子に変換される。この活性塩素原子は、酸化シリ
コン71でマスクされたシリコン基板72に吹きつけら
れ、誘電体バリヤ放電ランプからの紫外線の照射のもと
にシリコン基板と反応して塩化シリコンを生成し、シリ
コン基板をエッチングする。誘電体バリヤ放電ランプか
らの比較的波長の長い紫外線はシリコン基板に直接作用
するので、異方性エッチングが可能になる。
【0028】第6の実施例である表面改質方法の概略図
を図8に示す。板状の金属電極81に密着させて被処理
物であるプラッスチックフィルム83が設けられてお
り、プラスチックフィルム83を金属電極81と協同し
て挟むように金属電極82設けられている。処理用流体
は静止状態の大気圧の空気であり、金属電極81と82
との間の空所が処理室を形成しており、84が処理空間
に相当する。プラスチックフィルム83に近接して30
0から320の波長範囲に放射光を有する誘電体バリヤ
放電ランプ62a,62bが設けられている。金属電極
81と82との間で電源85によってコロナ放電を行っ
て空気中の酸素からオゾン,活性酸素などを生成せし
め、同時に、誘電体バリヤ放電ランプ62a,62bで
プラスチックフィルム83を照射すると、表面に存在す
る分子の結合が切断され、表面に−C00H基、−OH
基が形成される。上記のような処理によって、プラスチ
ック表面への印刷、接着などが高品位で出来るようにな
る。誘電体バリヤ放電ランプから放射される紫外線の波
長が比較的長いので、被処理物であるプラスチックの幹
ポリマーが分解される等の被処理物の損傷が無いという
利点が生じる。さらに、この実施例では被処理物は大気
圧以上の雰囲気にあるので、被処理物の移動が簡単であ
るという利点が生じる。
【0029】
【発明の効果】上記説明したように、本発明によれば、
各種の処理を高品質で、高効率で、十分な速度で行える
ことができる処理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を使用した成膜方法の説明図である。
【図2】本発明に使用した誘電体バリヤ放電用電極の説
明図である。
【図3】電極の固定構造の説明図である。
【図4】本発明に使用した誘電体バリヤ放電ランプの説
明図である。
【図5】本発明を使用した他の成膜方法の説明図であ
る。
【図6】本発明を使用したフォトレジストの灰化方法の
説明図である。
【図7】本発明を使用したシリコン基板のエッチング方
法の説明図である。
【図8】本発明を使用したプラスチック表面改質方法の
説明図である。
【符号の説明】
1,2 誘電体バリヤ放電用電極群 3 反応容器 4 プロセスガ
ス供給口 5 真空排気口 6 基板 7 支持台 8 交流電源 9a,9b 誘電体バリヤ放電ランプ 11 中空円筒 12 誘電体 13 中空部 21 固定部材

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物と処理用流体と該処理用流体を
    電離、解離、活性化処理するための放電装置とを内包し
    た処理室を有する被処理物を処理する処理方法におい
    て、該処理用流体の放電処理と同時に少なくとも該被処
    理物を誘電体バリヤ放電ランプからの放射光で照射する
    事を特徴とする誘電体バリヤ放電ランプを使用した処理
    方法。
  2. 【請求項2】 該誘電体バリヤ放電ランプを該処理室内
    に設けたことを特徴とする請求項1に記載の誘電体バリ
    ヤ放電ランプを使用した処理方法。
  3. 【請求項3】 該処理室内に設けた誘電体バリヤ放電ラ
    ンプが、当該ランプの放電空間と該被処理物および該処
    理用流体の間に固体のランプ構成材を有さないことを特
    徴とした請求項2に記載の誘電体バリヤ放電ランプを使
    用した処理方法。
  4. 【請求項4】 該誘電体バリヤ放電ランプが、nm単位
    で表した波長範囲180から200、165から19
    0、240から255、200から240、120から
    190、および300から320の少なくとも一つの波
    長範囲に放射光を有する事を特徴とした請求項1から請
    求項2に記載の誘電体バリヤ放電ランプを使用した処理
    方法。
  5. 【請求項5】 該誘電体バリヤ放電ランプが、nm単位
    で表した波長範囲107から165、および140から
    160の少なくとも一つの波長範囲に放射光を有する事
    を特徴とした請求項3に記載の誘電体バリヤ放電ランプ
    を使用した処理方法。
  6. 【請求項6】 該放電装置が誘電体バリヤ放電装置であ
    る事を特徴とした請求項1から5に記載の誘電体バリヤ
    放電ランプを使用した処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から6に記載の誘電体バリヤ放
    電ランプを使用した処理方法を使用した事を特徴とする
    灰化方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から6に記載の誘電体バリヤ放
    電ランプを使用した処理方法を使用した事を特徴とする
    表面改質方法。
  9. 【請求項9】 請求項1から6に記載の誘電体バリヤ放
    電ランプを使用した処理方法を使用した事を特徴とする
    成膜方法。
  10. 【請求項10】 該放電装置が誘電体バリヤ放電装置で
    あって、該誘電体バリヤ放電装置の誘電体の少なくとも
    一部が、製膜する物質に含有される元素の酸化物あるい
    は窒化物であることを特徴とした請求項1から5に記載
    の誘電体バリヤ放電ランプを使用した処理方法を使用し
    たことを特徴とする成膜方法。
  11. 【請求項11】 請求項1から6に記載の誘電体バリヤ
    放電ランプを使用した処理方法を使用した事を特徴とす
    るエッチング方法。
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