JP3674589B2 - 誘電体バリア放電ランプを使用した処理方法、および処理装置 - Google Patents

誘電体バリア放電ランプを使用した処理方法、および処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光化学反応を利用した処理方法、特に、光化学反応用の光源として誘電体バリア放電ランプを使用した処理方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明に関連した技術として、例えば、特開平3−211283号には、誘電体バリア放電(別名オゾナイザ放電。電気学会発行改定新版「放電ハンドブック」平成1年6月再版7刷発行第263ページ参照)を使用したランプが開示され、また、このランプから放射される紫外線を利用したCVD法による薄膜の製造装置について記載されている。
また、特開平3−122287号には、誘電体バリア放電を使用したランプから放射される紫外線を利用した基板の金属化方法について記載されている。
上記のような誘電体バリア放電ランプを利用した処理方法は、誘電体バリア放電ランプが従来の低圧水銀放電ランプや高圧アーク放電ランプには無い種々の特長を有しているため特長ある処理が得られるため有用である。
【0003】
上記した従来の処理方法は、処理用流体あるいは被処理物又は前記両者に1種類の紫外線を1回だけ照射する方法を採用していた。例えば、誘電体バリア放電ランプを利用した薄膜の製造方法においては、処理用流体である複数のプロセスガスと被処理物である基板を1個の反応室内に収納し、1種類の誘電体バリア放電ランプから放射される1種類の紫外線を1回だけプロセスガスに照射してプロセスガスを分解、活性化する方法によって、基板上に成膜していた。なおこの時、基板にも、プロセスガスによって吸収されなかった紫外線が照射される。
【0004】
一般的に、ある物質を光化学反応によって活性化、分解、イオン化あるいは合成するのに最適な条件、すなわち照射する紫外線の波長と強度、物質の温度などは、物質の種類によって異なる。従って、被処理物と処理用流体を接触させて該被処理物を処理する方法において、被処理物あるいは処理用流体の少なくとも一方に誘電体バリア放電ランプからの1種の紫外線照射を1回だけ照射して処理する方法は、処理が不完全であったり、あるいは処理の速度あるいは処理効率が必ずしも十分ではないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、各種の処理を高品位で行い、かつ、高速度、高効率で行うことができる誘電体バリア放電ランプを利用した処理方法を提供することである。
【0006】
【問題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明の処理方法は酸素雰囲気下で被処理物と処理用ガスを接触させる誘電体バリア放電ランプを使用した処理方法において、前記被処理物は、実質的に同一波長の紫外光を放射する少なくとも2つの誘電体バリア放電ランプからの放射光が照射されるものであって、1の誘電体バリア放電ランプからの照射を受けた後、搬送装置によって運ばれて他の誘電体バリア放電ランプからの照射を受けることを特徴とする。
【0007】
また、前記1の誘電体バリア放電ランプによって酸素から少なくともオゾンを生成させて、前記他の誘電体バリア放電ランプによってこのオゾンから活性な酸素を生成させ、この活性な酸素を処理用ガスとして被処理物に接触させることを特徴とする。
【0008】
また、前記1の誘電体バリア放電ランプおよび前記他の誘電体バリア放電ランプは、発光ガスとしてキセノンガスを封入して、波長172nmに最大値を有する紫外光を放射することを特徴とする。
【0009】
また、この発明に係る処理装置は、酸素雰囲気下で被処理物と処理用ガスを接触させる誘電体バリア放電ランプを使用した処理装置において、前記被処理物に対して、実質的に同一波長の紫外光を放射する少なくとも2つの誘電体バリア放電ランプと、1の誘電体バリア放電ランプからの照射を受けた後、他の誘電体バリア放電ランプからの照射を受けるために被処理物を運ぶ搬送装置を有することを特徴とする。
【0010】
また、前記1の誘電体バリア放電ランプおよび前記他の誘電体バリア放電ランプは、発光ガスとしてキセノンガスを封入して、波長172nmに最大値を有する紫外光を放射することを特徴とする。
【0011】
また、前記少なくとも2つの誘電体バリア放電ランプには、放射される紫外光の強度調整手段が個々に具備されることを特徴とする。
また、前記処理装置には、前記被処理物に対する温度調整手段が設けられたことを特徴とする。
また、前記処理装置には、前記処理用ガスに対する温度調整手段が設けられたことを特徴とする。
【0012】
本発明の処理方法は、紫外線光源として誘電体バリア放電ランプを使用することを特徴とする。
これは、誘電体バリア放電ランプが、従来の低圧水銀放電ランプや高圧アーク放電ランプに比較し、特定の紫外線を高効率で発生でき、ほぼ単色光であり、さらに、ランプの温度が低く、ランプ形状の自由度が大きいなどの特長があるので、処理装置としても、小型で高効率、高速の処理が可能になるからである。
【0013】
また、酸素雰囲気下に配置された被処理物に、少なくとも2つの誘電体バリア放電ランプからの放射光が照射されるものであって、1の誘電体バリア放電ランプから放射される紫外光を照射する(第1の工程)とともに、その後、搬送装置によって被処理物を搬送して、他の誘電体バリア放電ランプから放射される紫外光を被処理物に照射する(第2の工程)ことを特徴とする。
これにより、1の誘電体バリア放電ランプから放射される紫外光により少なくとも酸素からオゾンを生成させることができ、さらに、他の誘電体バリア放電ランプから放射される紫外光によってこのオゾンから活性な酸素を生成させることができる。
この活性な酸素を被処理物に接触させることで、高効率で迅速な処理をすることができる。
【0014】
また、紫外線の強度、被処理物の搬送速度、被処理物と処理用ガスの温度などを、第1の工程および第2の工程において、それぞれ独立に最適値に調整することが可能になり、従って、この点においてもより高効率、高速の処理が可能になる。
【0015】
また、1の誘電体バリア放電ランプから放射される紫外光と他の誘電体バリア放電ランプから放射される紫外光の波長が実質的に同一であったとしても、処理用ガスの種類および被処理物と処理用ガスの温度ヤ紫外線の強度等を調整することにより、異なる処理プロセスに最適な状態を形成させることもできる。
さらに、1の誘電体バリア放電ランプと他の誘電体バリア放電ランプを同一波長の紫外線を放射する同一種類ものとすることにより、保守が容易になるなどの利点も有する。
【0016】
誘電体バリア放電ランプは、気密な放電空間を有し、紫外線を透過する光取り出し窓部材を通して紫外線を放射するものであって、180〜200nm、165〜190nm、240〜255nm、200〜240nm、120〜190nm、および300〜320nmの波長範囲の紫外線を放射させることができる。これにより、高効率、高品位の被処理物の処理方法が達成される。
なぜなら、上記の波長範囲の紫外線は、少なくとも、それぞれ主たる発光用ガスとして、アルゴンとフッ素、アルゴンと塩素、クリプトンとフッ素、クリプトンと塩素、キセノンおよびキセノンと塩素の混合ガスを使用することにより、それぞれの混合ガスのエキシマ分子によって発光可能である。また、これらのガスを使用することにより、発光用ガスの劣化が少なく、かつ光取り出し窓部材の劣化が少ない状態を実現できるからである。
【0017】
【実施例】
図1に本発明の誘電体バリア放電ランプを使用した処理方法を示す。
被処理物10は、上部の供給口2から処理用ガスである酸素12が供給され、酸素ガス雰囲気で満たされた第1の処理ダクト11に設置され、第1の誘電体バリア放電ランプ13から放射される紫外線の照射を受ける。
この誘電体バリア放電ランプ13は、発光ガスとしてキセノンを封入するものであり、波長172nm付近で最大値を有する波長120から190nmの範囲の紫外線を放射する。
この紫外線の放射によって、第1の処理ダクト11内の反応空間領域において、少なくとも酸素からオゾンが生成される。また、被処理物も紫外線の照射を表面に存在する有機物の分子結合が切断され、有機物除去がやりやすい状態となる。
【0018】
その後、被処理物10は、前記第1の処理ダクト11で発生したオゾンとともに搬送装置14によって第2の処理ダクト15内に搬送され、第2の処理ダクト15内において第2の誘電体バリア放電ランプ16からの紫外線の放射を受ける。
そして、この紫外線の放射によって、少なくともオゾンから活性な酸素が生成されて、この活性な酸素によって被処理物に付着した有機物を短時間で分解、除去することができる。
ここで、第2の誘電体バリア放電ランプ16も発光ガスとしてキセノンを封入するものであり、第1の誘電体バリア放電ランプ同様に波長172nm付近で最大値を有する波長120から190nmの範囲の紫外線を放射する。
【0019】
なお、第1の処理ダクトと第2の処理ダクトは、図に示すように隔壁で区別される形態に限定されるものではない。すなわち、被処理物の搬送方向に対して、実質的に同一波長の紫外光を放射する少なくとも2つの誘電体バリア放電ランプが配置されており、上流側の誘電体バリア放電ランプによって酸素からオゾンが生成され、下流側の誘電体バリア放電ランプによってオゾンから活性な酸素が生成される構成を有していればよい。
これは、同一波長によって異なる2つの処理プロセス(酸素からオゾンを生成するプロセスと、オゾンから活性な酸素を生成するプロセス)を有する処理方法において、被処理物を搬送させることで効率良く処理を行なうというものである。
なお、いずれかの誘電体バリア放電ランプからの紫外光の放射のみによって、酸素からオゾンが生成され、その後、そのまま活性な酸素が生成されたり、あるいは、酸素から直接に活性な酸素が生成されることもありうるが、本発明はこのような現象が一部において発生したとしても、上記のような構成を採用することで、全体として見れば効率的な処理を達成できることに意義がある。
【0020】
また、第2の処理ダクト15の上部にも酸素ガス12用供給口2を形成してもよい。これにより、第2の処理ダクト15では、第1の処理ダクト11で生成されたオゾンから活性な酸素を生成するだけでなく、第2処理ダクト15内でも新たに供給された酸素ガスからオゾンや活性酸素を生成することができる。
また、2つの誘電体バリア放電ランプには放射される紫外光の強度調整手段が個々に具備したり、処理装置には被処理物に対する温度調整手段が設けたり、あるいは処理用ガスに対する温度調整手段が設けることもできる。
【0021】
図2は、誘電体バリア放電ランプの基本的な構造を示す。
紫外線を透過する平板上の誘電体20,21と側板22によって放電空間23が形成されており、該放電空間23内に発光ガスが充填されている。誘電体20,21の表面に設けられた金属網からなる透明電極24,25に交流電源26によって電圧を印加すると、放電空間23内にいわゆる誘電体バリア放電、別名オゾナイザ放電あるいは無声放電が発生して、誘電体20,21,透明電極24,25を通して、高効率で紫外線が放射される。図には示していないが、必要に応じて、透明電極24,25の表面を紫外線透過性の樹脂、ガラスなどで覆い電気的に絶縁する。
【0022】
また、図3、図5に中空同軸円筒形の誘電体バリア放電ランプの構成を示す。内側誘電体51の内側に紫外線の反射板と電極を兼ねたアルミニウム箔52が設けてあり、該内側誘電体51と同軸に設けられていた外側誘電体53の外側には紫外線を透過する電極54が設けられた構造である。該内側誘電体51と外側誘電体53によって形成された中空円筒部55に、発光用ガスが充填されている。電極52,54間に電源26によって電圧を印加すると、中空円筒部55にオゾナイザ放電が発生し、外側誘電体54から紫外線が放射される。
【0023】
なお、誘電体バリア放電ランプは、発光ガスの主成分としてキセノンガスが封入されており、172nm付近で最大値を有する120から190nmの波長範囲の紫外線を放出するものについて説明したが、例えば、発光ガスの主成分としてクリプトンと塩素の混合ガスが封入されており、222nm付近で最大値を有する200から240nmの波長範囲の紫外線を放出するものや、発光ガスの主成分としてクリプトンとフッ素の混合ガスが封入されており、249nm付近で最大値を有する240から255nmの波長範囲の紫外線を放出するものも採用できる。
【0024】
また、誘電体バリア放電ランプは、その光出力特性が周囲温度によって変化しないので、比較的低温度でしかも温度の一定化に多大なエネルギーを要する場合には特に有効である。また、誘電体バリア放電ランプは、形状の変更に大きな自由度があるので、2つの誘電体バリア放電ランプを接近させて行なうことが可能になり、従って、この点においても小型で高効率の処理ができるという利点を有する。
また、本発明の処理方法、処理装置は、被処理物に付着した有機物の分解、除去をするものに限定されるものではなく、フォトレジストの灰化や被処理物の表面改質に使うこともできる。
【0025】
なお、図5は中空同軸円筒形の誘電体バリア放電ランプを使うこと、および、同一の放射波長によって、異なる2つの反応領域において、順次、紫外線照射反応プロセスを行なう点を参考にするための図である。従って、図5そのものは本発明の処理方法の実施形態を示すものではない。
図5について、誘電体バリア放電ランプは図3に示したような中空同軸二重管形であるが、内側電極82は図3の場合と異なって透明電極である。すなわち、内側にも紫外線が放射される。発光ガスとしてキセノンガスを使用して120から190nmの波長範囲の紫外線を放射させ、処理用流体1として酸素を使用する。反応空間83内において、該酸素1はオゾンに変換され、出口84から噴射される。該オゾンは被処理物である瓶101と該誘電体バリア放電ランプによって形成された第2の反応空間85において、該紫外線の照射によってさらに活性な酸素に分解される。この活性な酸素によって瓶の内面に付着した有機物を短時間で分解、除去することが出来る。
【0026】
図4は、本発明の直接の実施例ではないが、本発明の処理方法を説明するための便宜上のものであってフォトレジスト灰化方法に関する参考図を示す。
供給口2を介して灰化ダクト40内に注入された処理用流体酸素1は、灰化ダクト40内に設けられた第1の誘電体バリア放電ランプ群41から放射される紫外線によってオゾンに変換される。
第1の誘電体バリア放電ランプ群41は、図3に示したような中空同軸円筒形の誘電体バリア放電ランプ41aを台座44に複数束ねたものである。
【0027】
第1の誘電体バリア放電ランプ群41から放射される紫外線によって生成されたオゾンは第2の誘電体バリア放電ランプからの紫外線によって活性化酸素原子に変換される。被処理物である半導体基板43に塗布されたフォトレジストは、第2の誘電体バリア放電ランプ群42からの紫外線の照射のもとに活性化酸素原子と反応し、灰化する。個々の放電ランプ42aの構造は、放電ランプ41aと同一であって、かつ台座44に取り付けられている。2箇の台座44の位置調節をすれば、ランプ群41とランプ群42の距離は調節できる。
【0028】
図6は、本発明の直接の実施例ではないが、本発明の処理方法を説明するための便宜上のものであって被処理物の表面改質方法に関する参考図を示す。
被処理物であるプラスチック60は、上部から供給された窒素62の雰囲気で満たされた第1の処理ダクト61に設置され、第1の誘電体バリア放電ランプ群63からの120から190nmの波長範囲の紫外線の照射をうけ、表面に存在する分子の結合が切断される。しかるのちに、プラスチック60は、搬送装置64によって第2の処理ダクト65に運ばれ、処理用流体供給口2から供給された酸素もしくは空気1の雰囲気中で第2の誘電体バリア放電ランプ群66からの紫外線の照射を受け、表面に−C00H基、−OH基が生成される。上記のような処理によって、プラスチック表面への印刷、接着などが高品位で出来るようになる。この実施例では被処理物は大気圧以上の雰囲気にあるので、被処理物の移動が簡単であるという利点が生じる。
また、窒素62の代わりにアルゴンガスを使用し、第1の誘電体バリア放電ランプ群63として窓無しランプ(特開平3−211283に開示されている)を使用すると、第1の誘電体バリア放電ランプ群63からはアルゴンのエキシマ分子から放射される107から165nmの波長範囲の紫外線が放射され、フッ素樹脂のような非常に安定な樹脂の表面の改質を行うことが出来るようになる。
【0029】
図7は、本発明の直接の実施例ではないが、本発明の処理方法を説明するための便宜上のものであって、被処理物の成膜方法に関する参考図を示す。
反応容器70の上部に設けられた発光用ガス供給口75に近接して、窓部材を有さない第1の誘電体バリア放電ランプ群63が設けられている。発光用ガス供給口75から発光用ガスアルゴン74が供給されると、第1の誘電体バリア放電ランプ群63からアルゴンのエキシマ分子から放射される107から165nmの波長範囲の紫外線が放射される。処理用流体供給口2から供給された処理用流体モノシランガスとメタンガスの混合ガス1は第1の誘電体バリア放電ランプ群63から放射される107から165nmの波長範囲の紫外線によって分解、活性化され、被処理物である基板71の表面において第2の誘電体バリア放電ランプ群66からの紫外線によって再活性化され水素化アモルファス炭化シリコンの薄膜を形成する。第2の誘電体バリア放電ランプ群66として比較的長い波長の紫外線を放射するランプを採用すると、膜に照射される光子のエネルギーが小さいので、膜を損傷することが少なく、高品質の膜が得られる。処理用流体を第1の誘電体バリア放電ランプの紫外線で分解、活性化し、さらに成膜時に第2の紫外線を照射することにより、良質な膜の形成が可能になった。
被処理物の支持装置72に被処理物の温度を調整する機構を組み込み被処理物の温度を調整したり、支持具73によって被処理物と第1の誘電体バリア放電ランプ群63との距離を調整することにより、さらに良質の膜を形成することが可能になる。尚、76は放電用ガスや処理用ガスの排出口である。
【0030】
図8は、本発明の直接の実施例ではないが、本発明の処理方法を説明するための便宜上のものであって、被処理物の殺菌方法に関する参考図を示す。
誘電体バリア放電ランプは、3本の管状の誘電体を同軸的に配置してなるものであって、内側誘電体51、中間誘電体88および外側誘電体53を同軸に配置して独立した内側放電室87と外側放電室86を形成し、中間誘電体88内に埋め込まれた中間電極89と内側誘電体51の内面に設けられた透明電極82および外側誘電体53の外面に設けられた透明外側電極54の間にそれぞれ交流電源26aおよび26bによって電圧を印加して、内側放電室87と外側放電室86で誘電体バリア放電を行う方式のランプである。内側放電室87の発光用ガスとしてキセノンガスを使用して120から190nmの波長範囲の紫外線を放射させ、外側放電室86の発光用ガスとしてクリプトンとフッ素の混合ガスを使用し、240から255nmの波長範囲の紫外線を放射させる。
【0031】
処理用流体である酸素ガス1を管状の内側誘電体51の一端81から流し込み、第1の反応空間83内で内側放電室87から放射された120から190nmの波長範囲の紫外線によって生成したオゾンを内側誘電体51の他の一端84から噴出させる。該オゾンは反応空間85内で外側放電室86から放射された240から255nmの波長範囲の紫外線によって分解され、活性な酸素原子を生成し、活性な酸素原子が被処理物である食品用カップ90の内面を殺菌する。さらに、食品用カップ90の内面を照射した外側放電室86から放射された240から255nmの波長範囲の紫外線は、この波長領域の紫外線は殺菌作用が最適であるため食品用カップ90の内面を直接殺菌し、従って、短時間で殺菌、消毒を行うことが出来る。
【0032】
【発明の効果】
本発明に係る誘電体バリア放電ランプを使った処理方法、処理装置は、酸素雰囲気下に配置された被処理物に、少なくとも2つの誘電体バリア放電ランプからの放射光が照射されるものであって、1の誘電体バリア放電ランプから放射される紫外光を照射する(第1の工程)とともに、その後、搬送装置によって被処理物を搬送して、他の誘電体バリア放電ランプから放射される紫外光を被処理物に照射する(第2の工程)ことを特徴とする。
これにより、1の誘電体バリア放電ランプから放射される紫外光により少なくとも酸素からオゾンを生成させることができ、さらに、他の誘電体バリア放電ランプから放射される紫外光によってこのオゾンから活性な酸素を生成させることができ、この活性な酸素を被処理物に接触させることで、高効率で迅速な処理をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体バリア放電ランプを使った処理方法の説明図である。
【図2】誘電体バリア放電ランプの概略図である。
【図3】誘電体バリア放電ランプの概略図である。
【図4】本発明の処理方法を説明するための参考図である。
【図5】本発明の処理方法を説明するための参考図である。
【図6】本発明の処理方法を説明するための参考図である。
【図7】本発明の処理方法を説明するための参考図である。
【図8】本発明の処理方法を説明するための参考図である。
【符号の説明】
1 酸素ガス
2 供給口
10 被処理物
13,16 誘電体バリア放電ランプ

Claims (8)

  1. 酸素雰囲気下で被処理物と処理用ガスを接触させる誘電体バリア放電ランプを使用した処理方法において、
    前記被処理物は、実質的に同一波長の紫外光を放射する少なくとも2つの誘電体バリア放電ランプからの放射光が照射されるものであって、
    1の誘電体バリア放電ランプからの照射を受けた後、搬送装置によって運ばれて他の誘電体バリア放電ランプからの照射を受けることを特徴とする誘電体バリア放電ランプを使用した処理方法。
  2. 前記1の誘電体バリア放電ランプによって酸素から少なくともオゾンを生成させて、前記他の誘電体バリア放電ランプによってこのオゾンから活性な酸素を生成させ、この活性な酸素を処理用ガスとして被処理物に接触させることを特徴とする請求項1に記載の誘電体バリア放電ランプを使用した処理方法。
  3. 前記1の誘電体バリア放電ランプおよび前記他の誘電体バリア放電ランプは、発光ガスとしてキセノンガスを封入して、波長172nmに最大値を有する紫外光を放射することを特徴とする請求項1に記載の誘電体バリア放電ランプを使用した処理方法。
  4. 酸素雰囲気下で被処理物と処理用ガスを接触させる誘電体バリア放電ランプを使用した処理装置において、
    前記被処理物に対して、実質的に同一波長の紫外光を放射する少なくとも2つの誘電体バリア放電ランプと、
    1の誘電体バリア放電ランプからの照射を受けた後、他の誘電体バリア放電ランプからの照射を受けるために被処理物を運ぶ搬送装置を有することを特徴とする誘電体バリア放電ランプを使用した処理装置。
  5. 前記1の誘電体バリア放電ランプおよび前記他の誘電体バリア放電ランプは、発光ガスとしてキセノンガスを封入して、波長172nmに最大値を有する紫外光を放射することを特徴とする請求項4に記載の誘電体バリア放電ランプを使用した処理装置。
  6. 前記少なくとも2つの誘電体バリア放電ランプには、放射される紫外光の強度調整手段が個々に具備されることを特徴とする請求項4に記載の誘電体バリア放電ランプを使用した処理装置。
  7. 前記処理装置には、前記被処理物に対する温度調整手段が設けられたことを特徴とする請求項4に記載の誘電体バリア放電ランプを使用した処理装置。
  8. 前記処理装置には、前記処理用ガスに対する温度調整手段が設けられたことを特徴とする請求項4に記載の誘電体バリア放電ランプを使用した処理装置。
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