JPH06231676A - 偏極電子線発生素子 - Google Patents
偏極電子線発生素子Info
- Publication number
- JPH06231676A JPH06231676A JP4320493A JP4320493A JPH06231676A JP H06231676 A JPH06231676 A JP H06231676A JP 4320493 A JP4320493 A JP 4320493A JP 4320493 A JP4320493 A JP 4320493A JP H06231676 A JPH06231676 A JP H06231676A
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- JP
- Japan
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- semiconductor
- electron beam
- polarized electron
- semiconductor substrate
- grown
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- Pending
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- Common Detailed Techniques For Electron Tubes Or Discharge Tubes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 第1半導体を構成するp型のGaAs1-x P
x 半導体の結晶性を高めて第2半導体をコヒーレントに
成長し易くすることにより偏極電子線の偏極度を向上さ
せる。 【構成】 n型のGaAs1-x Px (0<x<1)半導
体を半導体基板12として採用し、その半導体基板12
上に組成が同一のp型のGaAs1-x Px 半導体から成
る第1半導体14を結晶成長させるとともに、その第1
半導体14の上に、第1半導体14と格子定数が異なる
p型のGaAs半導体を第2半導体16として結晶成長
させた。第2半導体16は、格子歪みを有する状態で略
コヒーレントに結晶成長させられるため、価電子帯にバ
ンドスプリッティングが発生し、所定の光エネルギーを
有する励起光が照射されることにより、スピン方向が一
方に偏在した偏極電子線が励起される。
x 半導体の結晶性を高めて第2半導体をコヒーレントに
成長し易くすることにより偏極電子線の偏極度を向上さ
せる。 【構成】 n型のGaAs1-x Px (0<x<1)半導
体を半導体基板12として採用し、その半導体基板12
上に組成が同一のp型のGaAs1-x Px 半導体から成
る第1半導体14を結晶成長させるとともに、その第1
半導体14の上に、第1半導体14と格子定数が異なる
p型のGaAs半導体を第2半導体16として結晶成長
させた。第2半導体16は、格子歪みを有する状態で略
コヒーレントに結晶成長させられるため、価電子帯にバ
ンドスプリッティングが発生し、所定の光エネルギーを
有する励起光が照射されることにより、スピン方向が一
方に偏在した偏極電子線が励起される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スピン方向が偏在して
いる偏極電子線を発生する偏極電子線発生素子の改良に
関するものである。
いる偏極電子線を発生する偏極電子線発生素子の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】GaAs1-x Px (0<x<1)半導体
から成る第1半導体と、その第1半導体の上に格子歪み
を有する状態で結晶成長させられたGaAs1-y P
y (y≠x)半導体から成る第2半導体とを備え、その
第2半導体に励起光が入射されることによりスピン方向
が偏在している偏極電子線を発生する偏極電子線発生素
子が知られている。すなわち、格子歪みを有する状態で
結晶成長させられた上記第2半導体は、価電子帯にバン
ドスプリッティングが発生してヘビーホールのサブバン
ドとライトホールのサブバンドにエネルギー準位差が生
じる一方、両サブバンドの励起によって取り出される電
子のスピン方向は互いに反対向きであるため、エネルギ
ー準位が高い方すなわち伝導帯とのエネルギーギャップ
が小さい方のサブバンドのみを励起するような光エネル
ギーを第2半導体に注入すれば、一方のスピン方向に偏
在した電子群が専ら励起されて表面から放出され、高い
偏極率を備えた偏極電子線が得られるのである。また、
発生した偏極電子が素子内部へ移動することを防止する
ため、上記第1半導体のバンドギャップを第2半導体よ
り大きくすることが望ましく、Pの混晶比xは一般に混
晶比yより大きくされる。このような偏極電子線は、高
エネルギー素粒子実験分野においては原子核内部の磁気
構造を、物性物理実験分野においては物質表面の磁気構
造を調査する上で有効な手段として利用されている。
から成る第1半導体と、その第1半導体の上に格子歪み
を有する状態で結晶成長させられたGaAs1-y P
y (y≠x)半導体から成る第2半導体とを備え、その
第2半導体に励起光が入射されることによりスピン方向
が偏在している偏極電子線を発生する偏極電子線発生素
子が知られている。すなわち、格子歪みを有する状態で
結晶成長させられた上記第2半導体は、価電子帯にバン
ドスプリッティングが発生してヘビーホールのサブバン
ドとライトホールのサブバンドにエネルギー準位差が生
じる一方、両サブバンドの励起によって取り出される電
子のスピン方向は互いに反対向きであるため、エネルギ
ー準位が高い方すなわち伝導帯とのエネルギーギャップ
が小さい方のサブバンドのみを励起するような光エネル
ギーを第2半導体に注入すれば、一方のスピン方向に偏
在した電子群が専ら励起されて表面から放出され、高い
偏極率を備えた偏極電子線が得られるのである。また、
発生した偏極電子が素子内部へ移動することを防止する
ため、上記第1半導体のバンドギャップを第2半導体よ
り大きくすることが望ましく、Pの混晶比xは一般に混
晶比yより大きくされる。このような偏極電子線は、高
エネルギー素粒子実験分野においては原子核内部の磁気
構造を、物性物理実験分野においては物質表面の磁気構
造を調査する上で有効な手段として利用されている。
【0003】ところで、かかる偏極電子線発生素子は、
上記第2半導体から偏極電子線を取り出すために、その
第2半導体の表面をセシウムおよび酸素で負電子親和力
(NEA;Negative Electron Affinity)状態としなけ
ればならず、Znなどにより表面がp型に高濃度ドープ
されている。このようなことから、一般に素子全体がp
型とされるが、p型のGaAs1-x Px 半導体の基板は
現在入手不可能であるため、入手可能なp型のGaAs
基板を用いて、その上にp型のGaAs1-x Px 半導体
を第1半導体として結晶成長させるようにしているのが
普通である。
上記第2半導体から偏極電子線を取り出すために、その
第2半導体の表面をセシウムおよび酸素で負電子親和力
(NEA;Negative Electron Affinity)状態としなけ
ればならず、Znなどにより表面がp型に高濃度ドープ
されている。このようなことから、一般に素子全体がp
型とされるが、p型のGaAs1-x Px 半導体の基板は
現在入手不可能であるため、入手可能なp型のGaAs
基板を用いて、その上にp型のGaAs1-x Px 半導体
を第1半導体として結晶成長させるようにしているのが
普通である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、GaA
s基板の上に第1半導体としてGaAs1-x Px 半導体
を1〜2μm程度の厚さで結晶成長させると、両者の格
子定数差によりGaAs1-x Px 半導体に格子欠陥が生
じ、方位の僅かに異なった結晶粒の集合体であるモザイ
ク状態となる。このため、その表面は平坦でなく多数の
凹凸が存在し、その上に積層される第2半導体、例えば
GaAs半導体はコヒーレントに成長しにくく、格子定
数差に基づく格子歪みが緩和されて残留歪みが小さくな
り、バンドスプリッティングが小さくて高い偏極度が得
られないという問題があった。このことは、第1半導体
のバンドギャップを大きくするために混晶比xを大きく
する程顕著となる。
s基板の上に第1半導体としてGaAs1-x Px 半導体
を1〜2μm程度の厚さで結晶成長させると、両者の格
子定数差によりGaAs1-x Px 半導体に格子欠陥が生
じ、方位の僅かに異なった結晶粒の集合体であるモザイ
ク状態となる。このため、その表面は平坦でなく多数の
凹凸が存在し、その上に積層される第2半導体、例えば
GaAs半導体はコヒーレントに成長しにくく、格子定
数差に基づく格子歪みが緩和されて残留歪みが小さくな
り、バンドスプリッティングが小さくて高い偏極度が得
られないという問題があった。このことは、第1半導体
のバンドギャップを大きくするために混晶比xを大きく
する程顕著となる。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、第1半導体を構成す
るp型のGaAs1-x Px 半導体の結晶性を高めて第2
半導体をコヒーレントに成長し易くすることにより高い
偏極度が得られるようにすることにある。
もので、その目的とするところは、第1半導体を構成す
るp型のGaAs1-x Px 半導体の結晶性を高めて第2
半導体をコヒーレントに成長し易くすることにより高い
偏極度が得られるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、(a)半導体基板と、(b)その半導
体基板の上に結晶成長させられたp型のGaAs1-x P
x (0<x<1)半導体から成る第1半導体と、(c)
その第1半導体の上に格子歪みを有する状態で結晶成長
させられたp型のGaAs1-y Py (y≠x)半導体か
ら成る第2半導体とを備え、その第2半導体に励起光が
入射されることによりスピン方向が偏在している偏極電
子線を発生する偏極電子線発生素子において、(d)前
記半導体基板をn型のGaAs1-x Px 半導体基板にて
構成したことを特徴とする。
めに、本発明は、(a)半導体基板と、(b)その半導
体基板の上に結晶成長させられたp型のGaAs1-x P
x (0<x<1)半導体から成る第1半導体と、(c)
その第1半導体の上に格子歪みを有する状態で結晶成長
させられたp型のGaAs1-y Py (y≠x)半導体か
ら成る第2半導体とを備え、その第2半導体に励起光が
入射されることによりスピン方向が偏在している偏極電
子線を発生する偏極電子線発生素子において、(d)前
記半導体基板をn型のGaAs1-x Px 半導体基板にて
構成したことを特徴とする。
【0007】
【作用および発明の効果】このような偏極電子線発生素
子においては、半導体基板および第1半導体の組成が同
じで格子定数が等しいため、第1半導体としてのp型の
GaAs1-x Px半導体の結晶性は極めて良好となり、
第2半導体がコヒーレントに結晶成長し易くなって十分
な格子歪みが付与され、高い偏極度の電子線が得られ
る。
子においては、半導体基板および第1半導体の組成が同
じで格子定数が等しいため、第1半導体としてのp型の
GaAs1-x Px半導体の結晶性は極めて良好となり、
第2半導体がコヒーレントに結晶成長し易くなって十分
な格子歪みが付与され、高い偏極度の電子線が得られ
る。
【0008】なお、半導体基板がn型となることで、発
生した偏極電子が基板側へ流入する可能性があるが、第
1半導体の厚さを大きくしたり、第1半導体と第2半導
体との間に極薄いポテンシャル障壁層を挿入したりする
ことにより、基板側への電子の移動を効果的に防止でき
る。
生した偏極電子が基板側へ流入する可能性があるが、第
1半導体の厚さを大きくしたり、第1半導体と第2半導
体との間に極薄いポテンシャル障壁層を挿入したりする
ことにより、基板側への電子の移動を効果的に防止でき
る。
【0009】また、上記第1半導体の厚さは、少なくと
もpn接合による空乏層の拡がりよりも十分に厚くする
必要がある。例えばn,p共にドーピング濃度が5×1
018(cm-3)の場合、各層の空乏層の拡がりは120
Å程度以下であるため、第1半導体の厚さを1〜2μm
程度とすれば何の問題もない。
もpn接合による空乏層の拡がりよりも十分に厚くする
必要がある。例えばn,p共にドーピング濃度が5×1
018(cm-3)の場合、各層の空乏層の拡がりは120
Å程度以下であるため、第1半導体の厚さを1〜2μm
程度とすれば何の問題もない。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1において、偏極電子線発生素子10
は、半導体基板12の上によく知られたMOCVD(有
機金属化学気相成長)装置により第1半導体14および
第2半導体16を順次結晶成長させたものである。半導
体基板12は、キャリア濃度が5×1018(cm-3)程
度のn型のGaAs1-x Px (0<x<1)半導体基板
で、厚さは350μm程度、表面は(100)面であ
る。第1半導体14は、Znが不純物としてドープされ
ることによりキャリア濃度が5×1018(cm-3)程度
とされたp型のGaAs1-x Px 半導体で、厚さは1.
0μm程度である。また、第2半導体16は、Znが不
純物としてドープされることによりキャリア濃度が5×
1018(cm-3)程度とされたp型のGaAs半導体
で、厚さは200nm程度である。なお、かかる図1お
よび以下に説明する図2,図3の各半導体の厚さは必ず
しも正確な割合で示したものではない。
に説明する。図1において、偏極電子線発生素子10
は、半導体基板12の上によく知られたMOCVD(有
機金属化学気相成長)装置により第1半導体14および
第2半導体16を順次結晶成長させたものである。半導
体基板12は、キャリア濃度が5×1018(cm-3)程
度のn型のGaAs1-x Px (0<x<1)半導体基板
で、厚さは350μm程度、表面は(100)面であ
る。第1半導体14は、Znが不純物としてドープされ
ることによりキャリア濃度が5×1018(cm-3)程度
とされたp型のGaAs1-x Px 半導体で、厚さは1.
0μm程度である。また、第2半導体16は、Znが不
純物としてドープされることによりキャリア濃度が5×
1018(cm-3)程度とされたp型のGaAs半導体
で、厚さは200nm程度である。なお、かかる図1お
よび以下に説明する図2,図3の各半導体の厚さは必ず
しも正確な割合で示したものではない。
【0011】このような偏極電子線発生素子10におい
ては、第1半導体14を構成しているGaAs1-x Px
半導体より第2半導体16を構成しているGaAs半導
体の方が格子定数が大きいため、第2半導体16は膜厚
方向において引張応力が作用させられ、その引張応力に
よる格子歪を有する状態で第1半導体14上にヘテロ結
合させられる。この格子歪により、第2半導体16の価
電子帯にバンドスプリッティングが発生し、ヘビーホー
ルのサブバンドとライトホールのサブバンドにエネルギ
ー準位差が生じる一方、両サブバンドの励起によって取
り出される電子のスピン方向は互いに反対向きであるた
め、エネルギー準位が高い方、この場合にはヘビーホー
ルのサブバンドのみを励起するような光エネルギーを有
する円偏光レーザ光が照射されると、一方のスピン方向
に偏在した電子群が専ら励起されて表面から放出され
る。
ては、第1半導体14を構成しているGaAs1-x Px
半導体より第2半導体16を構成しているGaAs半導
体の方が格子定数が大きいため、第2半導体16は膜厚
方向において引張応力が作用させられ、その引張応力に
よる格子歪を有する状態で第1半導体14上にヘテロ結
合させられる。この格子歪により、第2半導体16の価
電子帯にバンドスプリッティングが発生し、ヘビーホー
ルのサブバンドとライトホールのサブバンドにエネルギ
ー準位差が生じる一方、両サブバンドの励起によって取
り出される電子のスピン方向は互いに反対向きであるた
め、エネルギー準位が高い方、この場合にはヘビーホー
ルのサブバンドのみを励起するような光エネルギーを有
する円偏光レーザ光が照射されると、一方のスピン方向
に偏在した電子群が専ら励起されて表面から放出され
る。
【0012】ここで、前記半導体基板12および第1半
導体14は組成が同じで格子定数が等しいため、第1半
導体14の結晶性は極めて良好となり、第2半導体16
がコヒーレントに結晶成長し易くなって十分な格子歪み
が付与され、高い偏極度の電子線が得られる。また、第
1半導体14のバンドギャップは第2半導体16より大
きいため、第1半導体14はポテンシャル障壁として機
能し、第2半導体16で発生した偏極電子がn型の半導
体基板12側へ流れることを効果的に防止する。
導体14は組成が同じで格子定数が等しいため、第1半
導体14の結晶性は極めて良好となり、第2半導体16
がコヒーレントに結晶成長し易くなって十分な格子歪み
が付与され、高い偏極度の電子線が得られる。また、第
1半導体14のバンドギャップは第2半導体16より大
きいため、第1半導体14はポテンシャル障壁として機
能し、第2半導体16で発生した偏極電子がn型の半導
体基板12側へ流れることを効果的に防止する。
【0013】図2の偏極電子線発生素子20は前記第2
半導体16を変更したもので、本実施例の第2半導体2
2は、Znが不純物としてドープされることによりキャ
リア濃度が5×1018(cm-3)程度とされたp型のG
aAs1-y Py (y≠0,y≠x)半導体で、厚さは2
00nm程度である。この場合でも、Pの混晶比yがx
より小さい場合には、第2半導体22の方が第1半導体
14より格子定数が大きくバンドギャップが小さいた
め、上記第1実施例と同様の作用効果が得られる。
半導体16を変更したもので、本実施例の第2半導体2
2は、Znが不純物としてドープされることによりキャ
リア濃度が5×1018(cm-3)程度とされたp型のG
aAs1-y Py (y≠0,y≠x)半導体で、厚さは2
00nm程度である。この場合でも、Pの混晶比yがx
より小さい場合には、第2半導体22の方が第1半導体
14より格子定数が大きくバンドギャップが小さいた
め、上記第1実施例と同様の作用効果が得られる。
【0014】上記Pの混晶比yがxより大きい場合に
は、第1半導体14を構成しているGaAs1-x Px 半
導体より第2半導体22を構成しているGaAs1-y P
y 半導体の方が格子定数が小さいため、第2半導体22
は膜厚方向において圧縮応力が作用させられ、その圧縮
応力による格子歪を有する状態で第1半導体14上にヘ
テロ結合させられる。このため、ライトホールのサブバ
ンドのエネルギー準位がヘビーホールのサブバンドのエ
ネルギー準位より高くなり、ライトホールのサブバンド
のみを励起するような光エネルギーを有する円偏光レー
ザ光を照射することにより、一方のスピン方向に偏在し
た偏極電子線を取り出すことができる。
は、第1半導体14を構成しているGaAs1-x Px 半
導体より第2半導体22を構成しているGaAs1-y P
y 半導体の方が格子定数が小さいため、第2半導体22
は膜厚方向において圧縮応力が作用させられ、その圧縮
応力による格子歪を有する状態で第1半導体14上にヘ
テロ結合させられる。このため、ライトホールのサブバ
ンドのエネルギー準位がヘビーホールのサブバンドのエ
ネルギー準位より高くなり、ライトホールのサブバンド
のみを励起するような光エネルギーを有する円偏光レー
ザ光を照射することにより、一方のスピン方向に偏在し
た偏極電子線を取り出すことができる。
【0015】一方、このようにPの混晶比yがxより大
きいと、第2半導体22の方が第1半導体14よりバン
ドギャップが大きくなるため、偏極電子が第1半導体1
4を通ってn型の半導体基板12側へ流れ易くなる。こ
のため、図3に示す偏極電子線発生素子30のように、
第2半導体22よりバンドギャップが大きい第3半導体
32、すなわちp型のGaAs1-z Pz (z>y)半導
体を、ポテンシャル障壁として第1半導体14と第2半
導体22との間に挿入することが望ましい。この第3半
導体32の膜厚は50nm程度で、第1半導体14上に
コヒーレントに結晶成長させられ、第2半導体22は前
記各実施例と同様に、第1半導体14との格子定数差に
基づいて格子歪みが生じさせられる。
きいと、第2半導体22の方が第1半導体14よりバン
ドギャップが大きくなるため、偏極電子が第1半導体1
4を通ってn型の半導体基板12側へ流れ易くなる。こ
のため、図3に示す偏極電子線発生素子30のように、
第2半導体22よりバンドギャップが大きい第3半導体
32、すなわちp型のGaAs1-z Pz (z>y)半導
体を、ポテンシャル障壁として第1半導体14と第2半
導体22との間に挿入することが望ましい。この第3半
導体32の膜厚は50nm程度で、第1半導体14上に
コヒーレントに結晶成長させられ、第2半導体22は前
記各実施例と同様に、第1半導体14との格子定数差に
基づいて格子歪みが生じさせられる。
【0016】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
具体例であり、例えばドーピングする不純物の種類や
量、各半導体の膜厚は適宜変更され得るし、MOCVD
法の代わりにMBE(分子線エピタキシー)法等の他の
エピタキシャル成長技術を用いることも可能である。ま
た、半導体基板12をエッチング等により切り欠いて、
その基板12側から励起光を入射させることもできるな
ど、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良
を加えた態様で実施することができる。
具体例であり、例えばドーピングする不純物の種類や
量、各半導体の膜厚は適宜変更され得るし、MOCVD
法の代わりにMBE(分子線エピタキシー)法等の他の
エピタキシャル成長技術を用いることも可能である。ま
た、半導体基板12をエッチング等により切り欠いて、
その基板12側から励起光を入射させることもできるな
ど、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良
を加えた態様で実施することができる。
【図1】本発明の一実施例である偏極電子線発生素子の
構成を説明する図である。
構成を説明する図である。
【図2】本発明の他の実施例の構成を説明する図であ
る。
る。
【図3】本発明の更に別の実施例の構成を説明する図で
ある。
ある。
10,20,30:偏極電子線発生素子 12:半導体基板 14:第1半導体 16,22:第2半導体
Claims (1)
- 【請求項1】 半導体基板と、該半導体基板の上に結晶
成長させられたp型のGaAs1-x Px (0<x<1)
半導体から成る第1半導体と、該第1半導体の上に格子
歪みを有する状態で結晶成長させられたp型のGaAs
1-y Py (y≠x)半導体から成る第2半導体とを備
え、該第2半導体に励起光が入射されることによりスピ
ン方向が偏在している偏極電子線を発生する偏極電子線
発生素子において、 前記半導体基板をn型のGaAs1-x Px 半導体基板に
て構成したことを特徴とする偏極電子線発生素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4320493A JPH06231676A (ja) | 1993-02-08 | 1993-02-08 | 偏極電子線発生素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4320493A JPH06231676A (ja) | 1993-02-08 | 1993-02-08 | 偏極電子線発生素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06231676A true JPH06231676A (ja) | 1994-08-19 |
Family
ID=12657405
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4320493A Pending JPH06231676A (ja) | 1993-02-08 | 1993-02-08 | 偏極電子線発生素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06231676A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8344354B2 (en) | 2008-03-25 | 2013-01-01 | National University Corporation Nagoya University | Spin-polarized electron source |
-
1993
- 1993-02-08 JP JP4320493A patent/JPH06231676A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8344354B2 (en) | 2008-03-25 | 2013-01-01 | National University Corporation Nagoya University | Spin-polarized electron source |
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