JPH06230142A - 埋設物探査装置 - Google Patents

埋設物探査装置

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Publication number
JPH06230142A
JPH06230142A JP4224293A JP4224293A JPH06230142A JP H06230142 A JPH06230142 A JP H06230142A JP 4224293 A JP4224293 A JP 4224293A JP 4224293 A JP4224293 A JP 4224293A JP H06230142 A JPH06230142 A JP H06230142A
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JP
Japan
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wave
reflection coefficient
distance
calculation unit
phase difference
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Pending
Application number
JP4224293A
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English (en)
Inventor
Yoshio Nomura
良雄 野村
Tetsuya Shinpo
哲也 新保
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06230142A publication Critical patent/JPH06230142A/ja
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
  • Length-Measuring Devices Using Wave Or Particle Radiation (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)
  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 検査対象中の埋設物の材質を判別できるよう
にする。 【構成】 送信アンテナ10a、10bは、相互に周波
数の異なる電磁波16a、16bを検査対象中に出射
し、受信アンテナ12a、12bは、その反射波20
a、20bを受ける。距離演算部32a、32bは、ト
リガ回路24a、24bのトリガパルス出力時刻と受信
機18a、18bによる反射波の受信時刻とから埋設物
までの距離を演算し、対応する反射係数演算部34a、
34bと位相差演算部36a、36bに入力する。各反
射係数演算部は、電磁波の検査対象中における減衰量を
補正して電磁波16a、16bの強度と反射波20a、
20bの強度とから反射係数を求める。各位相差演算部
は、距離演算部32a、32bが求めた距離に基づく位
相のずれを補正した電磁波16a、16bと反射波20
a、20bとの位相差を求める。材質判別部38は、入
力してきた反射係数と位相差とを判別データ記憶部40
内のデータと比較して埋設物の材質を判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地中やコンクリート壁
中等に存在する埋設物を検出する埋設物探査装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】トンネル等を掘削する場合、シールド掘
削機と呼ばれる掘削装置が使用されることがある。この
シールド掘削機は、円筒状の掘削機本体の前部にカッタ
ヘッドが設けてあり、このカッタヘッドをモータなどの
動力源によって回転させて切羽を掘削するとともに、掘
削機本体を推進ジャッキにより推進し、掘進を行うよう
になっている。
【0003】ところで、カッタヘッドは、鋼鉄製の厚板
の上に多数のカッタビットを配置した構造になってお
り、カッタヘッドを通して掘削機の前方を観測すること
は不可能である。このため、シールド掘削機のオペレー
タは、地中を掘進する場合、推進ジャッキの力の状態や
掘削機本体の推進状態を常に注意深く観察し、掘進にと
って不具合の兆候があるか否かを判断しており、不具合
の兆候が生じたときに、その原因を推定して不具合の発
生を未然に防ぐように対処してきた。しかし、このよう
に注意深く掘進を行った場合であっても、建築物の基礎
コンクリートにカッタヘッドを当ててしまい、建築物に
悪い影響を与えたり、埋め残されたH鋼をカッタビット
で引っ掛けて持ち上げ、H鋼が道路に突き出たり、木杭
がカッタヘッドに食い込んで、シールド掘削機が推進不
能になる等の不具合の発生を避けることができなかた。
【0004】そこで、上記の不具合の発生を避けるため
に、シールド掘削機に電磁波を利用した障害物探査装置
を設けることが提案されている。この障害物探査装置
は、レーダの原理を応用したもので、電磁波を前方の地
中に向けて発射する送信用アンテナと、地中に埋設され
ている障害物からの反射波を受信する受信用アンテナと
をシールド掘削機のカッタヘッド部に取り付け、受信し
た反射波の強度から障害物、すなわち埋設物の有無を判
定するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の障害
物探査装置は、地中に埋設されている障害物の材質を判
別することができず、掘進作業の能率を大幅に向上する
ことができなかった。すなわち、掘進中に障害物に出く
わした場合、障害物の種類によってカッタヘッドの回転
速度や推進力を変えるなど、採るべき対策が異なってい
る。しかし、従来の障害物探査装置は、障害物の有無し
か判定できないため、障害物が存在していることを検知
しても、結局、障害物に接近したときに、注意深く推進
する、といった対策しかとることができず、掘進作業の
能率を向上させることが困難であった。
【0006】本発明は、上記従来技術の欠点を解消する
ためになされたもので、検査対象中に存在する埋設物の
材質を判別することができる埋設物探査装置を提供する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る埋設物探査装置は、検査対象中に電
磁波を出射し、その反射波を受信して前記検査対象にお
いける埋設物の有無を検知する埋設物探査装置におい
て、それぞれが異なった周波数の電磁波を前記検査対象
中に出射する複数の送信アンテナと、これらの各送信ア
ンテナに対応して設けられ、前記電磁波の前記検査対象
中からの反射波を受ける受信アンテナと、前記各送信ア
ンテナの少なくとも1つが前記電磁波を出射した時刻
と、この送信アンテナに対応した前記受信アンテナが前
記反射波を受けた時刻とから、前記埋設物までの距離を
求める距離演算部と、この距離演算部が求めた距離およ
び前記各送信アンテナが出射した前記電磁波の強度と前
記各受信アンテナが受けた前記反射波の強度とから、前
記埋設物による前記電磁波の反射係数を求める反射係数
演算部と、前記距離演算部が求めた距離および前記各送
信アンテナが出射した前記電磁波と前記各受信アンテナ
が受けた前記反射波とから、前記埋設物による反射に基
づく前記電磁波に対する前記反射波の位相の変化を求め
る位相差演算部と、前記埋設物の材質に応じた前記反射
係数と前記位相差量とを格納した判別データ記憶部と、
前記位相差演算部が求めた位相差と前記反射係数演算部
が求めた反射係数とを前記判別データ記憶部内のデータ
と比較し、前記埋設物の材質を判別する材質判別部と、
を有することを特徴としている。なお、送信アンテナと
受信アンテナとの各組は、取り付け方向を相互に異なら
せることが望ましい。
【0008】
【作用】電磁波が反射されるのは、電磁波の進む媒質に
不連続な変化をする部分があることによる。すなわち、
電磁波がある媒質(第1の媒質)中を進行しているとき
に、性質の異なる第2の媒質のと境界面に達すると、一
部は第2の媒質中に伝達または吸収され、他の一部が第
1の媒質内に反射波として戻される。そして、この反射
波の強さは、第1の媒質と第2の媒質との境界面におけ
る反射係数によって異なる。この反射係数は、反射波の
強さと入射波に強さとの比であって、第1の媒質と第2
の媒質との誘電率や導電率、透磁率などの電磁気的性
質、電磁波の周波数等によって定まる。また、反射波
は、第2の媒質によって反射される際に、入射波に対す
る位相が変化し、この位相の変化の大きさは、入射波の
周波数によって異なる。
【0009】従って、反射係数演算部によって送信アン
テナから検査対象中に出射した電磁波(入射波)の強さ
と、受信アンテナが受けた反射波との強さから反射係数
を求めるとともに、位相差演算部によって入射波と反射
波との位相差を求めることによって埋設物の材質を特定
することが可能となる。この際、距離演算部が求めた埋
設物までの距離を用いて、電磁波(入射波および反射
波)が検査対象中を伝播することによる強度の減衰、位
相のずれ量を補正し、材質を正確に特定できるようにす
る。また、それぞれが異なった周波数の電磁波の送受を
行う複数組の送信アンテナと受信アンテナとを用い、実
質的に広い周波数帯域の電磁波を使用したと同様の効果
を実現し、種々の埋設物の材質を正確に判別できるよう
にしている。
【0010】なお、送受信アンテナとしてダイポールア
ンテナまたは板状扇形アンテナを使用した場合、アンテ
ナから放射される電磁波は直線偏波であり、反射波も同
様と考えられる。このため、埋設物が杭やパイプなどの
細長いものである場合、電磁波の偏波方向と埋設物の長
手方向とが直交すると、埋設物を検出することが困難に
なる。そこで、複数組のアンテナの取り付け方向を異な
らせ、埋設物と直交しないアンテナの組が存在するよう
にし、細長い埋設物を確実に検出することができるよう
にしている。
【0011】
【実施例】本発明に係る埋設物探査装置の好ましい実施
例を、添付図面に従って詳説する。図1は、本発明の実
施例に係る埋設物探査装置のブロック図である。
【0012】図1において、埋設物探査装置は、周波数
特性の異なる2組の送信用と受信用のアンテナが設けて
ある。これらの送信アンテナ10a、10bと受信アン
テナ12a、12bとは、図示しないシールド掘削機本
体の前部、例えばカッタヘッドの前面に取り付けてあ
る。そして、一方の送信アンテナ10aは、例えば30
0MHz用のまたはパルス幅が3nsecのモノパルス
波を放射するアンテナであって、ケーブルを介して30
0MHzの電磁波またはパルス幅が3nsecのモノパ
ルス波を出力する送信機14aに接続してあり、送信機
14aが出力した300MHzの電磁波16aまたはパ
ルス幅が3nsecのモノパルス波を、シールド掘削機
前方の検査対象である地山(図示せず)に放射する。ま
た、他方の送信アンテナ10bは、例えば1GHz用の
またはパルス幅が1nsecのモノパルス波を放射する
アンテナであって、ケーブルを介して1GHzの電磁波
16bまたはパルス幅が1nsecのモノパルス波を出
力する送信機14bに接続してあって、送信機14bが
出力した電磁波16bを地山に出射する。そして、送信
アンテナ10a、10bのそれぞれに対応して設けた受
信アンテナ12a、12bは、ケーブルを介して受信機
18a、18bに接続してあり、電磁波16a、16b
の地中の埋設物によって反射された反射波20a、20
bを受け、受信機18a、18bに導く。
【0013】送信機14aと受信機18aとには、コン
トローラ22によって制御されているトリガ回路24a
が接続してあって、トリガ回路24aから送信開始また
は受信開始のトリガパルスを受けるようになっている。
また、送信機14bと受信機18bとは、コントローラ
22によって制御されるトリガ回路24bに接続してあ
り、トリガ回路24bから送受信開始のトリガパルスを
受けるようになっている。そして、コントローラ22
は、トリガ回路24a、24bに交互に駆動信号を出力
してトリガパルスを発生させるとともに、信号処理装置
30に制御信号を出力する。
【0014】信号処理装置30は、各送受信部に対応し
て一対の距離演算部32a、32bと、一対の反射係数
演算部34a、34b、一対の位相差演算部36a、3
6bおよび各反射係数演算部34a、34bと位相差演
算部36a、36bとの演算結果を受け取る材質判別部
38、この材質判別部38が埋設物の材質を判別するた
めのデータが格納してある判別データ記憶部40を備え
ている。
【0015】距離演算部32aは、トリガ回路24aが
出力したトリガパルスと受信機18aからの受信信号が
入力するようになっており、これらの信号に基づいて埋
設物までの距離を求め、反射係数演算部34aと位相差
演算部36aとに入力する。同様に、距離演算部32b
は、トリガ回路24bが出力したトリガパルスと受信機
18bからの受信信号が入力するようになっており、こ
れらの信号に基づいて埋設物までの距離を求め、反射係
数演算部34bと位相差演算部36bとに入力する。
【0016】反射係数演算部34aには、距離演算部3
2aの演算結果とともに送信機14aが出力する電磁波
16aの強度と、受信機18aが受信した反射波20a
の強度とが入力するようになっており、これらの入力信
号に基づいて、詳細を後述するように埋設物による電磁
波の反射係数を演算する。また、反射係数演算部34b
も反射係数演算部34aと同様に、送信機14b、受信
機18bおよび距離演算部32bから入力する信号に基
づいて反射係数を演算する。そして、位相差演算部36
a、36bは、それぞれ対応する送信機14a、14
b、受信機18a、18b、距離演算部32a、32b
から出力信号を受け、送信アンテナ10a、10bが出
射した電磁波16a、16bに対する反射波20a、2
0bの位相の変化を求める。
【0017】材質判別部38は、反射係数演算部34a
または反射係数演算部34bの演算結果を判別データ記
憶部40のデータと比較して埋設物の材質を判断し、表
示装置26に表示する。この表示装置26には、また距
離演算部32aまたは距離演算部32bのいずれか(実
施例の場合、距離演算部32a)が求めた埋設物までの
距離が入力し、埋設物までの距離を表示する。
【0018】なお、送信アンテナ10a、10bと受信
アンテナ12a、12bとは、図2または図3に示した
ように、送信アンテナ10aと受信アンテナ12aとの
組の取り付け方向が、送信アンテナ10bと受信アンテ
ナ12bとの組の取り付け方向に対して直交するように
配置してある。
【0019】上記の如く構成した実施例の作用は、次の
とおりである。コントローラ22は、所定の周期、例え
ば1msec毎にトリガ回路24a、24bに対して交
互に駆動信号を与え、トリガ回路24a、24bを交互
に駆動する。各トリガ回路24a、24bは、コントロ
ーラ22から駆動信号を受けると、交互にトリガパルス
を対応する送信機14a、14bと受信機18a、18
bおよび距離演算部32a、32bに出力する。
【0020】送信機14aは、トリガ回路24aからト
リガパルスが入力してくると、送信周波数300MHz
の所定パルス幅(例えば、5ns)の電磁波16aまた
はパルス幅が3nsecのモノパルス波を発生する。こ
の電磁波16aは、送信アンテナ10aに送られ、シー
ルド掘削機の前方の地山(地中)に放射される。そし
て、受信アンテナ12aは、電磁波16aの埋設物によ
って反射された反射波20aを受け、受信機18aに導
く。受信機18aは、トリガ回路24aからトリガパル
スが入力すると、所定時間だけ受信アンテナ12aが受
けた反射波20aを受信し、受信信号を距離演算部32
aに入力するとともに、反射波20aの強度を反射係数
演算部34aに入力する。
【0021】距離演算部32aは、トリガ回路24aか
らトリガパルスが入力した時刻、すなわち送信機14a
が電磁波16aを出力した時刻と、受信機18aが反射
波20aを受信した時刻との差tから、埋設物までの距
離Lを次の数1により求め、反射係数演算部34aと位
相差演算部36aとに送出するとともに、表示装置26
に入力する。
【数1】L=vt/2 ただし、ここにvは、地中を伝播する電磁波16aおよ
び反射波20aの速度である。
【0022】反射係数演算部34aは、送信機14aが
出力した電磁波16aの強度と受信機18aが受信した
反射波20aの強度、および距離演算部32aが求めた
埋設物までの距離を用いて反射係数を求め、材質判別部
38に入力する。
【0023】すなわち、いま、図4に示したように、誘
電率ε1 、導電率σ1 、透磁率μ1の媒質Aと、誘電率
ε2 、導電率σ2 、透磁率μ2 の媒質Bの境界面に、媒
質A側から電界の強さE0 の平面波が垂直に入射したと
すると、反射係数Rは、
【数2】R=E1 /E0 =(Z2 −Z1 )/(Z1 +Z2 ) と表される。ただし、ここにE1 は反射波の電界の強さ
であり、Z1 、Z2 は、それぞれ媒質Aと媒質Bとの波
動インピーダンスである。
【0024】この波動インピーダンスZ1 、Z2 は、入
射波(電磁波16a)の角周波数をω、媒質A、Bの電
磁波の伝搬定数をそれぞれγ1 、γ2 とすると、
【数3】Z1 =jωμ1 /γ1 =γ1 /(σ1 +jωε1
【数4】Z2 =jωμ2 /γ2 =γ2 /(σ2 +jωε2 )である。ただし、jは、虚
数単位である。
【0025】そして、伝搬定数γ1 、γ2 は、
【数5】γ1 ={jωμ1 (σ1 +jωε1 )}1/2
【数6】γ2 ={jωμ2 (σ2 +jωε2 )}1/2 として求められる。従って、反射係数Rは、各媒質A、
Bの電磁的性質と電磁波の周波数に依存し、一方の媒質
の電磁的性質と電磁波の周波数とが明らかであれば、反
射係数Rを求めることによって他方の媒質の電磁的性
質、すなわち他方の媒質の材質が推定可能となる。
【0026】そこで、反射係数演算部34aは、送信機
14aが出力した電磁波16aの電界強度と、距離演算
部32aが求めた埋設物までの距離とを読み込み、送信
アンテナ10aから放射された電磁波16aが、埋設物
に到達して反射されて戻ってくるまでの電界強度の減衰
量を演算し、受信機18aが受信した反射波20aの電
界強度を減衰がなかった値に補正して、上記の数2に基
づいて反射係数Rを求め、材質判別部38に送る。
【0027】また、位相差演算部36aは、所定の演算
式に基づいて、送信アンテナ10aが出射した電磁波1
6aと受信アンテナ12aが受けた反射波20aとの位
相差を求めるとともに、この位相差に対して、電磁波1
6aが距離演算部32aの求めた埋設物までの距離を往
復することによる位相のずれ、位相遅れ量を補正し、補
正した位相差を材質判別部38に入力する。そして、材
質判別部38は、反射係数Rが上記したように2つの媒
質の電磁的性質と電磁波の周波数とに依存しているとこ
ろから、反射係数演算部34aが出力した反射係数Rと
位相差演算部36aが求めた位相差とを、判別データ記
憶部40に格納してある反射係数、位相差と比較し、埋
設物の材質を判別して表示装置26に送る。表示装置2
6は、材質判別部38が求めた埋設物の材質を表示する
とともに、距離演算部32aが求めた埋設物の位置を、
反射波の強度とともに表示する。
【0028】ところで、物質の電気的性質を特徴づける
誘電率εおよび導電率σ、並びに上記の位相差は、周波
数特性を有している。従って、埋設物の材質を正確に判
別するためには、広い周波数帯域にわたって反射係数R
と位相差を求める必要がある。ところが、アンテナは、
アンテナ固有の周波数特性があり、各アンテナが電磁波
を有効に送受信できる帯域幅があって、広い周波数帯域
にわたって電磁波を送受信することができない。また、
電磁波としてパルス波を使用する場合、パルス幅によっ
ては、すなわちパルス幅が小さいと、パルス波を構成す
る電磁波の周波数が制限され、使用可能な電磁波の周波
数帯域幅が存在する。
【0029】そこで、実施例においては、送信アンテナ
10aと受信アンテナ12aの組と、送信アンテナ10
bと受信アンテナ12bの組との2組の送受信アンテナ
を設け、そてぞれの組において異なった周波数の電磁波
の送受信を行うようにし、実質的に広い周波数帯域で反
射係数Rと位相差とを求めたと同様の効果を得るように
している。すなわち、送信アンテナ10b、受信アンテ
ナ12bに対応して設けた反射係数演算部34b、位相
差演算部36bにおいても反射係数演算部34a、位相
差演算部36aと同様に、1GHzまたはパルス幅が1
nsecのモノパルス波における反射係数Rと位相差を
求めて材質判別部38に入力する。そして、材質判別部
38は、300MHzまたはパルス幅が3nsecのモ
ノパルス波における反射係数Rと位相差、および1GH
zまたはパルス幅が1nsecのモノパルス波における
反射係数Rと位相差とを判別データ記憶部40内のデー
タを比較し、埋設物の材質を判別する。
【0030】このように、前記実施例においては、送信
アンテナ10a、10bが出射した電磁波16a、16
bの強度と、受信アンテナ12a、12bが受けた反射
波20a、20bの強度とから反射係数Rを求めるとと
もに、電磁波16a、16bと反射波20a、20bと
の位相差を求め、これらの反射係数Rと位相差とにより
埋設物の材質を判別するため、埋設物の正確な材質を知
ることができ、シールド掘削機が埋設物に遭遇した場合
に、容易に適切な処置を行え、掘進作業の能率を大幅に
向上することができる。しかも、2組の送受信アンテナ
のそれぞれにおいて、送受信する電磁波の周波数を異な
らせたことにより、実質的に広い周波数帯域における測
定をしたと同様な効果が得られ、より正確な材質の判別
をすることができる。
【0031】また、実施例においては、2組のアンテナ
の取り付け方向を相互に直交させているため、アンテナ
としてダイポールアンテナや板状扇形アンテナを使用し
た場合であても、杭やパイプなどの細長い埋設物を容
易、確実に検出することができる。
【0032】なお、前記実施例においては、送受信アン
テナを2組設けた場合について説明したが、3組以上の
送受信アンテナを設けてもよい。また、前記実施例にお
いては、検査対象が地山である場合について説明した
が、検査対象はコンクリート壁等であってもよい。さら
に、前記実施例においては、電磁波16a、16bがパ
ルス波である場合について説明したが、電磁波16a、
16bは連続波であってもよい。そして、前記実施例に
おいては、送信アンテナ10a、10bと受信アンテナ
12a、12bを別々に設けた場合について説明した
が、1つのアンテナを送受信に共用してもよい。
【0033】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、異なった周波数の電磁波のそれぞれについて、検査
対象中に出射した電磁波の強さと、受信した反射波との
強さから反射係数を求めるとともに、出射した電磁波と
反射波との位相差を求めることにより、埋設物の材質を
確実に判別することができる。また、2組のアンテナの
取り付け方向を異ならせたことにより、送受信アンテナ
としてダイポールアンテナまたは板状扇形アンテナを使
用した場合であっても、杭やパイプなどの細長い埋設物
を確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る埋設物探査装置のブロッ
ク図である。
【図2】2組の送信アンテナと受信アンテナ12a、1
2bとの配置例の説明図である。
【図3】2組の送信アンテナと受信アンテナ12a、1
2bとの他の配置例を示す図である。
【図4】反射係数の求め方の原理を示す図である。
【符号の説明】
10a、10b 送信アンテナ 40
判別データ記憶部 12a、12b 受信アンテナ 16a、16b 電磁波 20a、20b 反射波 30 信号処理装置 32a、32b 距離演算部 34a、34b 反射係数演算部 36a、36b 位相差演算部 38 材質判別部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象中に電磁波を出射し、その反射
    波を受信して前記検査対象においける埋設物の有無を検
    知する埋設物探査装置において、 それぞれが異なった周波数の電磁波を前記検査対象中に
    出射する複数の送信アンテナと、 これらの各送信アンテナに対応して設けられ、前記電磁
    波の前記検査対象中からの反射波を受ける受信アンテナ
    と、 前記各送信アンテナの少なくとも1つが前記電磁波を出
    射した時刻と、この送信アンテナに対応した前記受信ア
    ンテナが前記反射波を受けた時刻とから、前記埋設物ま
    での距離を求める距離演算部と、 この距離演算部が求めた距離および前記各送信アンテナ
    が出射した前記電磁波の強度と前記各受信アンテナが受
    けた前記反射波の強度とから、前記埋設物による前記電
    磁波の反射係数を求める反射係数演算部と、 前記距離演算部が求めた距離および前記各送信アンテナ
    が出射した前記電磁波と前記各受信アンテナが受けた前
    記反射波とから、前記埋設物による反射に基づく前記電
    磁波に対する前記反射波の位相の変化を求める位相差演
    算部と、 前記埋設物の材質に応じた前記反射係数と前記位相差量
    とを格納した判別データ記憶部と、 前記位相差演算部が求めた位相差と前記反射係数演算部
    が求めた反射係数とを前記判別データ記憶部内のデータ
    と比較し、前記埋設物の材質を判別する材質判別部と、 を有することを特徴とする埋設物探査装置。
  2. 【請求項2】 前記送信アンテナと前記受信アンテナと
    の組のそれぞれは、相互に取り付け方向が異なっている
    ことを特徴とする請求項1に記載の埋設物探査装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08313647A (ja) * 1995-05-19 1996-11-29 Japan Radio Co Ltd 埋設物探査装置
JP2007047165A (ja) * 2005-08-09 2007-02-22 Hilti Ag 壁面探査装置
KR20170130389A (ko) * 2015-03-27 2017-11-28 인텔 코포레이션 공간-시간 압축된 비행시간 이미징을 위한 기술
KR20190024416A (ko) * 2017-08-31 2019-03-08 한국도로공사 도로포장 하부의 공동 평가 장치 및 그 방법
JP2022026978A (ja) * 2020-07-31 2022-02-10 株式会社東芝 信号処理装置、切削装置、および信号処理方法

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