JPH0622987B2 - 車輌用モールデイングおよびその製造方法 - Google Patents

車輌用モールデイングおよびその製造方法

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JPH0622987B2
JPH0622987B2 JP31490789A JP31490789A JPH0622987B2 JP H0622987 B2 JPH0622987 B2 JP H0622987B2 JP 31490789 A JP31490789 A JP 31490789A JP 31490789 A JP31490789 A JP 31490789A JP H0622987 B2 JPH0622987 B2 JP H0622987B2
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幸彦 矢田
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Tokai Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は車輌の車体外板の端縁部等の装飾に用いられる
モールデイング、例えば自動車のウインド・モールデイ
ング、グリル・モールデイング、あるいはホイールアー
チ・モールデイング等の車輌用モールデイングに係る。
〔従来の技術〕
車輌の車体外板の端縁部その他の部分の装飾に用いられ
るモールデイングは、車体外板にクリツプ等で止着され
るために金属板条片よりなる芯部材を使用し、車体の外
板表面と同一面に取付けられる部分または車体外板表面
に重合される部分の表面、さらには外部から視認できる
芯部材表面を、各種の金属調色彩で装飾したい場合に
は、該表面に金属メツキを施し、あるいはステンレス等
の比較的高級な金属箔を接着して一体化したもの(実開
昭57−63756号公報参照)がある。
〔発明により解決すべき課題〕
芯部材に金属箔を接着して一体化したモールデイング
は、安価であり、かつ金属箔のテープを巻き取つたコイ
ルから該金属箔のテープを繰り出しつつ芯部材に接着す
るなど、量産に適するが、アルミニウムなどの酸化が進
行する金属箔は、モールデイングの露呈表面に使用する
と、酸化により美感を害するに至り、また剛性の不足な
箔、例えばアルミニウム箔は永年使用に耐えるモールデ
イングとすることが困難であり、さらに製造時に平坦な
芯部材の表面に金属箔を接着して一体化した後ロール成
形等の手法により芯部材を所望の断面に曲げ成形しよう
とすると、普通鋼板等の材料で作られる芯部材とステン
レス等の金属箔とでは伸びなどの特性が異なるため、芯
部材の表面に接着した金属箔の長手方向の両端末部で芯
部材の表面から剥離し、金属箔接着部以外の芯部材の表
面にゴムまたは軟質樹脂のリツプ等を成形接着しようと
する際に成形の妨害となることがある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、モールデイングに金属調色彩を付与するのに
金属の蒸着による金属薄膜を用い、金属板よりなる芯部
材に樹脂層により層着して永年金属調色彩を維持する車
輌用のモールデイング、およびその製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
本発明の車輌用モールデイングは、金属調色彩を付与す
るために金属の蒸着による金属薄膜を用い、金属との接
着性の良好な熱可塑性樹脂よりなる第1の層を介して前
記金属薄膜よりなる第2の層を金属板条片よりなる芯部
材の1面の主要部に接着し、さらに前記第2の層を覆い
かつ第1の層に達する第3の層を金属および前記第1の
層を構成する樹脂と接着性の良好な透明な熱可塑性樹脂
により構成し層着したものである。
また本発明の車輌用モールデイングの製造方法は、金属
板の条片よりなる長尺の芯部材に、該芯部材の一面にそ
の長手方向に沿つて前記芯部材の主要部を所定幅で覆う
金属との接着性の良好な第1の熱可塑性樹脂よりなる第
1の層に、一面に金属の蒸着により形成される金属薄膜
の第2の層を形成した第2の熱可塑性樹脂のフイルム
を、該金属薄膜を前記第1の層に向けて積層し、これら
を圧着して積層板状体を形成し、この積層板状体を前記
第1の層を構成する第1の樹脂が活性化する温度におい
てロールベンダにより所定のモールデイングの形状に折
曲するとともに、前記第2の樹脂のフイルムより剥離さ
れた前記金属薄膜よりなる第2の層を前記第1の層に層
着させ、次いで前記第1の層に層着された前記金属薄膜
よりなる第2の層を覆いかつ前記芯部材の表面に達する
第3の層を、前記第1の層を構成する樹脂と金属とに接
着性の良好な透明な第3の熱可塑性樹脂の押出し成形に
よつて形成する方法に係る。
また本発明の車輌用モールデイングの他の製造方法は、
芯部材上の一面の所定位置に金属との接着性が良好な第
1の熱可塑性樹脂よりなる第1の層、該第1の層に対向
する第1の面に前記第1の樹脂との接着性が良好な材料
の薄膜よりなる第2の層と第2の面に金属の蒸着により
形成された金属薄膜よりなる第4の層とを被着させた第
2の熱可塑性樹脂のフイルムよりなる第3の層、前記第
4の層の表面を覆う透明で金属との接着性が良好な第3
の熱可塑性樹脂よりなる第5の層ならびに前記第5の層
を覆う第3の樹脂との接着性が劣る第4の熱可塑性樹脂
よりなるフイルムを層着し、これらを圧着して積層板状
体を形成し、この積層板状体をロールベンダにより所定
のモールデイングの形状に折曲するとともに、前記第4
の樹脂よりなるフイルムを前記第5の層より剥離する方
法に係るものである。
本発明における金属の蒸着により形成される金属の薄膜
は、真空蒸着法、スパツタリング法など任意の方法で蒸
着せしめたものでよく、また1種または2種以上の金属
あるい合金を蒸着したものを用いるものとする。
〔発明の作用および効果〕
本発明の車輌用モールデイングは、金属調色彩を付与す
るものは第2の層を構成する金属の蒸着による金属薄膜
であるから、金属箔により金属調色彩を付与する場合に
比して金属量が少くて済み、かつ金属板条片より所定の
断面形状に成形された芯部材の表面になじんでその表面
形状に従つた光線反射面を形成し、前記金属の蒸着によ
る金属薄膜は金属との接着および相互に接着性の良好な
熱可塑性樹脂よりなる第1および第3の層間に挟持され
ているから、製作時においても車輌にモールデイングを
取りつけた後における環境変化や外部より受ける衝撃等
の外力に対しても接着力を保持し、かつ金属薄膜を外気
より保護する。そして第1の層を構成する樹脂は金属と
の接着性が良好な熱可塑性樹脂であるから、金属板条片
および金属薄膜と強固に接着して一体化し、モールデイ
ングの最外層である第3の層を構成する樹脂は透明であ
るのでモールデイングの外観に金属薄膜による金属調色
彩を付与し、永年その色彩を保持させることができる。
なお本発明のモールデイングにおいては、前記第1の層
と第3の層を構成する熱可塑性樹脂として同一の樹脂を
使用すれば、両層間の接着は極めて良好である。
また本発明による車輌用モールデイングの一製造方法
は、金属との接着性が良好な第1の熱可塑性樹脂よりな
る第1の層を、金属板の条片よりなる芯部材の長手方向
に沿つてその主要部を所定幅で覆つて層着し、一面に金
属の蒸着により形成される金属の薄膜よりなる第2の層
を有する第2の熱可塑性樹脂よりなるフイルムを、前記
金属の薄膜よりなる第2の層を前記第1の層の要所に積
層し圧着して形成した積層板状体を、前記第1の層を構
成する第1の樹脂が活性化する温度においてロールベン
ダによりその長手方向に垂直な断面を所定のモールデイ
ングの断面形状に折曲することにより、前記第1の樹脂
よりなる第1の層が金属の芯部材と金属薄膜とに強固に
接着するとともに、前記第2の樹脂のフイルムはロール
ベンダによる積層板状体の折曲に際して前記金属薄膜お
よび第1の層にロールベンダによつて損傷が発生しない
ように保護するとともに、ロールベンダよる受ける折曲
時の応力作用と第2の樹脂の金属に対する接着性が第1
の樹脂より劣つていることによつて、前記フイルムは金
属薄膜から剥離を生ずる。
そこでロールベンダにより長手方向に垂直な断面を所定
形状に成形された前記積層板状体より前記フイルムを剥
離し除去すると、金属薄膜は第1の樹脂の接着力により
前記第1の層の表面に第2の層を形成して接着されてい
るから、該第2の層を覆いかつ前記第1の層の表面に達
する第3の層を、前記第1の樹脂および金属との接着性
が良好で透明な第3の熱可塑性樹脂の押出し成形により
形成すると、本発明のモールデイングが得られる。
この方法によると、ロールベンダによる積層板状体の成
形圧力により前記第2の樹脂のフイルムに形成されてい
た金属薄膜が前記第1の層に転写されるとともに、該第
1の層を構成する第1の熱可塑性樹脂は活性化する温度
とされているから前記金属薄膜と芯部材とに強固に接着
され、同時に芯部材とともにロールベンダによつて成形
され、前記フイルムは前記金属薄膜と第1の層をロール
ベンダに接触しないように被覆してロールベンダによる
損傷から保護し、同時にフイルム自体はロール成形時の
応力作用によつて金属薄膜から剥離するから、該フイル
ムを前記積層板状体から完全に除去することが極めて容
易である。その上金属調の色彩を付与する金属薄膜は前
記フイルムから第1の層の表面に転写されるものである
から、極めて薄い金属薄膜がモールデイングの第2の層
として形成され、かつロールベンダによる成形時にも損
傷を生ずることなく成形される。そして第3の層を構成
する第3の熱可塑性樹脂は金属および第1の樹脂との接
着性の良好な樹脂であり、押出しによつて金属薄膜の第
2の層を覆いかつ第1の層の表面に達するように成形さ
れるから、金属薄膜の保護は極めて良好なものとなる。
なお上記方法において第1の層を構成する第1の熱可塑
性樹脂と第3の層を構成する第3の熱可塑性樹脂とを同
一の樹脂とするときは、前記第3の層の押出し成形時に
両層の接着性が向上する。
次に本発明による車輌用モールデイングの他の製造方法
は、金属との接着性の良好な第1の熱可塑性樹脂よりな
る第1の層を金属板の条片よりなる芯部材の長手方向に
沿つてその主要部を所定幅で覆つて層着し、該第1の層
の表面に、該第1の層に対向する第1の面に前記第1の
熱可塑性樹脂との接着性が良好な材料の薄膜よりなる第
2の層を被着させ、第2の面に金属の蒸着により形成さ
れた金属薄膜よりなる第4の層を被着させた第2の熱可
塑性樹脂のフイルムよりなる第3の層と、前記第4の層
の表面に、透明で金属との接着性が良好な性質の第3の
熱可塑性樹脂よりなる第5の層と、該第5の層の表面を
覆い前記第3の熱可塑性樹脂との接着性が劣る第4の熱
可塑性樹脂よりなるフイルムとを積層して積層板状体を
形成し、該積層板状体を前記第1の層を構成する第1の
樹脂が活性化する温度においてその長手方向に垂直な断
面を所定のモールデイングの断面形状となるようにロー
ルベンダにより折曲成形することにより、前記第1の樹
脂よりなる第1と第2の層が、前記芯部材と第3の層と
を接着し、金属薄膜よりなる第4の層と第3の樹脂より
なる第5の層とが接着するとともに、ロールベンダによ
り加えられる成形圧力によりこれらを一体化する。前記
第4の熱可塑性樹脂よりなるフイルムは積層板状体がロ
ールベンダにより折曲成形される際に前記第1ないし第
5の層にロールベンダによつて損傷が発生しないように
これを保護するとともに、ロールベンダより受ける折曲
時の応力作用と第3の樹脂に対する接着力が劣つている
ことにより、第5の層から剥離を生ずる。そこで前記第
4の層を構成するフイルムをロールベンダにより成形さ
れた積層板状体から除去すると、所期のモールデイング
が得られる。
この方法によると、モールデイングを構成する芯部材、
金属薄膜を備えた第3の層、該第3の層を金属条片より
なる芯部材に接着する第1および第2の層、金属薄膜を
保護する第5の層を積層せしめておいてロールベンダに
より折曲成形するから、品質の一定したモールデイング
が製造でき、かつ前記積層板状体は第1の熱可塑性樹脂
が活性化する温度においてロールベンダにより成形され
ると同時に一体に接着されるから、各層の接着は極めて
強固であり、前記第5の層の表面を覆う第4の樹脂より
なるフイルムはモールデイングの最外層となる第5の層
をロールベンダにより成形時に保護して平滑に仕上げる
ので、剥離を生じた前記フイルムを成形された積層板状
体から除去するのみで所望のモールデイングを得ること
ができる。その上金属調色彩を付与する金属薄膜よりな
る第3の層は第2の熱可塑性樹脂のフイルムの表面に形
成されて前記第1および第5の層間に挟持されているか
ら、ロールベンダによる成形時に損傷を生ずることなく
成形される。なお上記方法において第1の層を構成する
第1の熱可塑性樹脂と第3の層を構成する第3の熱可塑
性樹脂を同一の樹脂とするときは、両層の接着性が向上
する。
〔実施例〕
第1図は本発明を自動車のドアの窓開口部の下端縁にと
りつけ、窓ガラス側の当接部にシールリツプを取付けた
ウインド・モールデイングに実施した実施例を斜面図で
示したものである。
図において芯部材1は普通鋼板よりなる長尺の条片をそ
の幅方向のほぼ中央部11においてほぼ直角に折り曲
げ、その一側縁側を自動車のドア外板に取付ける平坦な
取付部12に形成し、その他側縁側を外方に膨出する円
筒面状に成形してドア外板の外表面上に重合せしめる装
飾縁部13に形成し、該装飾縁部13の自由端を小半径
で内方に折り曲げた端縁部14に形成したものである。
この芯部材1は条片を長手方向にロール成形機に通して
ロール成形されている。
芯部材1の装飾縁部13の外表面にはアイオノマー樹脂
の第1の層2が層着される。この第1の層2は、芯部材
1の幅方向には、装飾縁部13のほぼ全表面から中央部
11を越えて若干寸法だけ取付部12に達し、かつ芯部
材1の長手方向に沿つて施されている。
前記第1の層2の主要部にクロムの蒸着により形成され
る薄膜が施され、第2の層3を形成する。第1の層2を
構成するアイオノマー樹脂はイオン結合によつて架橋さ
れたポリマーであり、金属との接着力に優れている。ク
ロムの薄膜3は直接前記第1の層2の表面にマスクを施
して蒸着してもよいが、製造方法について後述するよう
に、転写接着その他の手段が工業生産に適している。
前記第1の層2および第2の層3の全表面を完全に覆う
ように、透明のアイオノマー樹脂よりなる第3の層4が
層着される。この第3の層4は芯部材1の幅方向には前
記第1の層2および第2の層3の端縁よりさらに延び、
その端縁は芯部材1に直接接着される。
上記第1の層2、第2の層3および第3の層4は、少く
とも第1の層2を構成するアイオノマー樹脂が活性化す
る温度に加熱し、該樹脂を可塑化した状態で芯部材1に
圧着せしめれば、全層は芯部材1に接着される。
なお図中符号15は芯部材1の取付部12の残余の表面
に塗布した接着剤、符号7は前記接着剤表面にPVCに
より成形して接着したシール部材、符号8,8はシール
部材7と一体の弾性シールリツプである。
第2図は前記実施例のモールデイングにおける装飾縁部
13を芯部材1の幅方向に切断し平坦に拡大して示した
断面図である。本実施例によれば、クロムの蒸着により
形成される薄膜よりなる第2の層3はアイオノマー樹脂
よりなる第1の層2で芯部材1の装飾縁部13に接着さ
れ、かつ透明なアイオノマー樹脂よりなる第3の層4で
完全に覆われており、クロムの薄膜よりなる第2の層3
がモールデイングに金属調色彩を与えており、アイオノ
マー樹脂の優れた伸度と抗張力により外気および外力に
関して十分に保護されて永く金属調色彩を保ち、またク
ロムの蒸着により形成されている第2の層3は、芯部材
1の装飾縁部13の曲げ成形された形状になじむから、
装飾縁部13の曲げ成形された形状の光線反射面を形成
する。またクロムの薄膜よりなる第2の層3は芯部材1
の中央部11を越えて取付部12の上部の弾性シールリ
ツプ8の固着部にまで延びているから、モールデイング
を自動車のドアの窓開口部下端の外板に取付部12によ
り固定したときは、前記外板の上面に延在している装飾
縁部13が全面的に金属調色彩を呈していることは勿論
であるが、窓ガラスを弾性シールリツプ8,8に摺接さ
せながら下降させて窓を全開した際において人の視界に
入る中央部11の外表面も、同様に金属調色彩を呈して
いるから、十分な実用的かつ装飾的な効果を奏すること
ができる。
また第2の層3としてクロムの蒸着により形成された薄
膜を両面に備えた塩化ビニール樹脂よりなるフイルムを
用いることもできる。この場合、塩化ビニール樹脂が第
1の層2および第3の層4を構成するアイオノマー樹脂
との接着性が劣るとしても、第2の層3は第1の層2お
よび第3の層4の間に完全に埋設され、前記アイオノマ
ー樹脂が金属との接着性に優れているから、モールデイ
ング成形後積層構成を損うことはない。その他エチレン
・コポリマー樹脂はアイオノマー樹脂と同様に金属との
接着性に優れており、アイオノマー樹脂とも相溶性があ
るので、第1の層2および/または第3の層4として用
いることができる。
次に第3図を用いて前記実施例のモールデイングの一製
造方法を説明する。図において符号21は芯部材1を構
成するための平坦な普通鋼板の条片22をその長手方向
に捲きとつたコイルを示す。符号23は、ポリエステル
樹脂のフイルムに、一面にクロムの蒸着によりクロム薄
膜を形成し、該クロムの薄膜の表面にアイオノマー樹脂
の層をコーテイングにより形成した積層テープ24を捲
きとつたコイルである。
条片22はコイル21からガイドローラ31を経て圧着
ローラ32に直線状に繰り出され、ガイドローラ31と
圧着ローラ32との間で加熱装置33により加熱され
る。テープ24はコイル23から加熱装置34を経て圧
着ローラ32に繰り出され、圧着ローラ32により条片
22に重合され圧着される。テープ24はアイオノマー
樹脂の層が外周側となるようにポリエステル樹脂のフイ
ルムとクロムの薄膜とともに層着されており、加熱装置
34はアイオノマー樹脂の層側から該アイオノマー樹脂
を活性化する温度にテープ24を加熱する。加熱された
テープ24はほぼ同一温度に加熱された条片22の上面
に、かつ条片22が第1図に示す芯部材1の形状に折曲
成形されたとき装飾縁部13を構成すべき条片22の側
縁部に沿つて重合せしめられ、圧着ローラ32の上下の
ローラの挾圧力と活性化したアイオノマー樹脂の接着力
によつて条片22の上面に接着される。圧着ローラ32
の下流部の第3図中矢示A点における条片22とテープ
24の状態を、第4図に斜面図で、第5図に要部断面図
で示す。なお図中符号2は前記第1の層を構成するアイ
オノマー樹脂の層、符号3はクロムの蒸着により形成さ
れる薄膜、符号5はポリエステル樹脂のフイルムであ
る。
図示のようにテープ24を重合接着した条片22は直ち
にロールベンダ35を通され、条片22の長手方向に垂
直の断面を所定のモールデイングの断面形状に折曲成形
される。ロールベンダ35の下流部の第3図中矢示B点
における条片22とテープ24の成形状態を、第6図に
斜面図で、第7図に要部断面図で示す。条片22は、そ
の幅方向の中央部11においてほぼ直角に折り曲げら
れ、その一側縁側を平坦な取付部12に成形され、その
他側縁側を外方に膨出する円筒面状の装飾縁部13に、
該装飾縁部の自由縁を小半径で内方に折り曲げた端縁部
14に成形され、テープ24は前記装飾縁部13の外表
面のほぼ全面を覆うとともに中央部11を越えて若干寸
法だけ取付部12に達するように重合接着せしめられて
いる。
ところで条片22とこれに重合接着されたテープ24が
前記アイオノマー樹脂を活性化する温度に加熱された圧
着ローラ32を通り、直ちにロールベンダ35で折曲成
形されると、ロールベンダ35における加圧成形力によ
りアイオノマー樹脂の層2と条片22およびクロムの薄
膜3との接着が強化されると共にポリエステル樹脂のフ
イルム5はクロムの薄膜3を圧着ロール32、ロールベ
ンダ35による損傷から保護し、クロムの薄膜3が成形
された条片22の形状に従わせる。さらにポリエステル
樹脂のフイルム5にはロールベンダ35による折曲成形
の際に前記フイルム5の表面に平行な応力作用がロール
により与えられ、かつクロムの薄膜はポリエステル樹脂
のフイルム5に単に蒸着により付着しているのみである
から、該フイルム5はロールベンダ35を通る間にクロ
ムの薄膜から剥離する。そこで前記ロールベンダ35の
下流において、条片22を案内するガイドロール36の
直後に巻取装置37を配設し、条片22とテープ24の
重合体から剥離したポリエステル樹脂のフイルム5を巻
取り除去する。ガイドロール36の下流側の第3図中矢
示C点における条片22とテープ24の状態を、第8図
では斜面図で、第9図では要部の断面図で示す。第9図
ではテープ24のフイルム5が除去されて条片22の表
面にアイオノマー樹脂よりなる第1の層2とクロムの薄
膜よりなる第2の層3が重合接着されている状態を、第
8図は前記フイルムが除去された成形品をあらわしてい
る。
ポリエステル樹脂のフイルム5を剥離除去した条片22
はそのままロールコータ38に導入し、前記条片22の
取付部12となるべき部分の表裏面に接着剤の層を塗布
し、次いで加熱装置39により約200℃に加熱し溶剤
を除去して、接着剤層15を形成する。
上記のように第1の層2と第2の層3を積層し、接着剤
層15を層着した条片22は、次いで成形機40に導入
され、前記第2の層3の全表面を覆い条片22の表面に
達する透明なアイオノマー樹脂よりなる第3の層4を押
出し成形するとともに、第1図に示す弾性シールリツプ
8を備えたシール部材7を前記取付部12に成形し、冷
却槽41において冷却する。
第3図において符号42で示す装置は、条片22をコイ
ル21より引き出して前記各工程を経由するように索引
力を付与する引取機であつて、成形され冷却された条片
22は引取機42の下流側で長さ検出器43で測長さ
れ、切断機44で切断され、所定長さのモールデイング
製品49となる。
次に本発明の車輌用モールデイングの他の実施例および
その製造方法を説明する。本実施例は、塩化ビニール樹
脂のフイルム52の第1の面に真空蒸着法またはスパツ
タリングによりアルミニウムの蒸着による薄膜53を形
成し、さらに該薄膜53を覆つて透明のエチレン・コポ
リマー樹脂の層54をコーテイングするとともに、該層
54を覆つてフツソ樹脂よりなるフイルム55を層着
し、一方前記塩化ビニール樹脂のフイルム52の第2の
面には前記薄膜3と同様のアルミニウムの蒸着による薄
膜または接着剤の層56を形成し、該層56を覆つてエ
チレン・コポリマー樹脂の層57をコーテイングした積
層テープ58を準備する。該積層テープ58の断面は第
10図に示すとおりである。
このテープ58を前記フツソ樹脂よりなるフイルム55
を内側に、前記エチレン・コポリマー樹脂の層57を外
側にしてコイル状に巻きとり、第3図におけるコイル2
3に代えて装着し、コイル21より引き出した条片22
の所定部分に圧着ローラ32により重合圧着し、ロール
ベンダ35により所定のモールデイングの形状に成形す
る。前記フツソ樹脂のフイルム55は該フイルム55と
条片22との間の積層をロールベンダ35による損傷よ
り保護して、これらの積層の条片22とともに成形して
接着する。エチレン・コポリマー樹脂の層57は加熱装
置34により活性化する温度に加熱されて条片22に強
固に接着され、透明なエチレン・コポリマー樹脂の層5
4はアルミニウムの薄膜に接着されるが、フツソ樹脂の
フイルム55のエチレン・コポリマー樹脂の層54に対
する接着力は劣り、かつロールベンダ35による成形時
に前記フイルム55はその表面に平行な応力作用をロー
ルベンダ35のロールから受けることを相俟つて、フツ
ソ樹脂よりなるフイルム55はエチレン・コポリマー樹
脂の層54から剥離を生ずる。
よつてこの剥離を生じたフイルム55を巻取装置37に
巻取つて除去し、成形された条片22の所定の部分の表
面に、エチレン・コポリマー樹脂の層57を第1の層と
し、その上に接着性の材料の薄膜56よりなる第2の
層、塩化ビニール樹脂のフイルム52よりなる第3の
層、アルミニウムの蒸着により形成された薄膜53を第
4の層、透明なエチレン・コポリマー樹脂の層54より
なる第5の層を前記条片22に積層して成形した成形条
片が得られる。この成形条片を所定の長さに切断しても
車輌用モールデイングが得られるが、アルミニウムの薄
膜53の端縁部を外気から保護するために、最外層を形
成しているエチレン・コポリマー樹脂の層54を覆つ
て、第3図に示す装置によりアイオノマー樹脂の層59
よりなる第6の層を層着成形し、第11図に示すように
該層59の周縁部を直接芯部材1を構成する条片22上
に達せしめると、永年金属調色彩の衰えないモールデイ
ングが得られる。同時に必要に応じて弾性シールリツプ
8を備えたシール部材7を成形し、所定の長さに切断
し、モールデイング製品を得る。
エチレン・コポリマー樹脂はアイオノマー樹脂と同様に
金属との接着性が良好であるとともに、アイオノマー樹
脂と親和性・相溶性があるので、モールデイングに金属
調色彩を付与する金属の蒸着により形成された薄膜53
の表面を被覆する透明な層54および条片22に積層体
を接着する層57を構成する材料として適切である。塩
化ビニール樹脂のフイルム52の第2の面に形成した層
56は前記フイルム52をその下層の層57と接着する
ためのもので、層57が金属との接着性が良好である樹
脂で構成されているから、前記フイルム52の第2の面
に形成した層56を第1の面に形成したアルミニウムの
薄膜53の形成と同時にアルミニウムの蒸着により形成
される薄膜としても、この薄膜が層57に対する接着剤
として作用し、かつ積層テープ58を準備するにあた
り、アルミニウムの薄膜を両面に蒸着せしめたフイルム
52を使用するから、準備工程が簡易になる。
本実施例において、エチレン・コポリマーの層に代えて
アイオノマーの層を用いることができ、アルミニウムの
蒸着薄膜53を形成せしめたフイルム52は塩化ビニー
ル樹脂に限ることなく任意の熱可塑性樹脂を用いること
もでき、剥離除去するフイルム55は、金属薄膜の外表
面に層着される樹脂に対し接着性の劣るものであればフ
ツソ樹脂以外の樹脂も使用でき、金属薄膜53もアルミ
ニウムに限ることなく、クロム等金属調色彩の良好なも
のや、2種以上の金属を蒸着して形成した薄膜とするこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の車輌用モールデイングの一実施例の一
部欠截斜面図、第2図はその要部の断面図、第3図は前
記実施例の製造方法の一実施例を説明する概要図、第4
図および第5図は、それぞれ第3図中矢示A点における
被加工材の一部欠截斜面図および要部断面図、第6図お
よび第7図はそれぞれ第3図中矢示B点における被加工
材の一部欠截斜面図および要部断面図、第8図および第
9図はそれぞれ第3図中矢示C点における被加工材の一
部欠截斜面図および断面図、第10図は本発明のモール
デイングの製造方法の他の実施例におけるテープの要部
断面図、第11図は前記実施例の被加工材の要部断面図
を示すものである。 なお図中、次の符号はそれぞれ次の部分を示す。 1……芯部材、2……第1の層、 3……第2の層、4……第3の層、 5……第4の層、7……樹脂層、 11……芯部材の中央部、 12……その取付部、 13……その装飾縁部、14……その端縁部、 57……第1の層、56……第2の層、 52……第3の層、53……第4の層、 54……第5の層、59……第6の層。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板の条片よりなり長手方向に垂直な断
    面を所定の形状に曲げ成形された芯部材と、該芯部材の
    一面の主要部に層着した金属との接着性の良好な性質の
    樹脂より成る第1の層と、該第1の層の表面に層着され
    た金属の蒸着により形成された金属薄膜よりなる第2の
    層と、該第2の層を覆いかつ周縁部が前記芯部材の表面
    に達する、金属および前記第1の層を構成する樹脂と接
    着性の良好な樹脂よりなる第3の層とよりなることを特
    徴とする車輌用モールデイング。
  2. 【請求項2】前記第2の層は、軟質樹脂のフイルムの少
    くとも前記第1の層に面する面に金属の蒸着により形成
    された金属薄膜であることを特徴とする第1請求項に記
    載の車輌用モールデイング。
  3. 【請求項3】金属板の条片よりなる芯部材に、該芯部材
    の一面にその長手方向に沿つて前記芯部材の主要部を所
    定幅で覆う金属との接着性の良好な第1の熱可塑性樹脂
    よりなる第1の層に、一面に金属の蒸着により形成され
    た金属薄膜よりなる第2の層を有する第2の熱可塑性樹
    脂よりなるフイルムを、前記第2の層を前記第1の層の
    所定の部分に向けて重合圧着して積層構造体を形成する
    工程と、 前記積層板状体の前記第1の層を構成する第1の樹脂が
    活性化する温度において該積層板状体をロールベンダに
    よりその長手方向に垂直な断面を所定のモールデイング
    の断面形状に折曲するとともに、前記第2の樹脂よりな
    るフイルムより剥離された前記金属薄膜よりなる第2の
    層を前記第1の層に層着せしめる工程と、 前記第2の樹脂よりなるフイルムを除去して、前記金属
    薄膜よりなる第2の層を覆いかつ前記芯部材の表面に達
    する第3の層を、前記第1の樹脂および金属との接着性
    が良好で透明な第3の熱可塑性樹脂の押出し成形により
    形成する工程とよりなることを特徴とする車輌用モール
    デイングの製造方法。
  4. 【請求項4】金属板の条片よりなる芯部材の一面に、該
    芯部材の長手方向に沿つて前記芯部材の主要部を所定幅
    で覆う金属との接着性が良好な性質の第1の熱可塑性樹
    脂よりなる第1の層と、該第1の層の表面に、該第1の
    層に対向する第1の面に前記第1の熱可塑性樹脂との接
    着性が良好な材料の薄膜よりなる第2の層を被着させ、
    第2の面に金属の蒸着により形成された金属薄膜よりな
    る第4の層を被着させた第2の熱可塑性樹脂のフイルム
    よりなる第3の層と、前記第4の層の表面に、透明で金
    属との接着性が良好な性質の第3の熱可塑性樹脂よりな
    る第5の層と、該第5の層の表面を覆い前記第3の熱可
    塑性樹脂との接着性が劣る第4の熱可塑性樹脂よりなる
    フイルムを積層し、これらを圧着して平坦な積層板状体
    を形成する工程と、 前記積層板状体を前記第1の層を構成する第1の樹脂が
    活性化する温度において該積層板状体をロールベンダに
    よりその長手方向に垂直な断面を所定のモールデイング
    の断面形状に折曲するとともに、前記第4の樹脂よりな
    るフイルムを前記第5の層より剥離除去せしめる工程と
    からなることを特徴とする車輌用モールデイングの製造
    方法。
  5. 【請求項5】前記第4の熱可塑性樹脂よりなるフイルム
    を剥離除去せしめた後、前記第5の層の表面を覆つて、
    透明でかつ金属および前記第3の熱可塑性樹脂との接着
    性の良好な第5の熱可塑性樹脂よりなる第6の層を、そ
    の端縁部が前記芯部材の表面に達するように層着成形せ
    しめる工程を備えることを特徴とする第4請求項に記載
    の車輌用モールデイングの製造方法。
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