JPH06229551A - セラミックグロープラグ - Google Patents

セラミックグロープラグ

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JPH06229551A
JPH06229551A JP4047993A JP4047993A JPH06229551A JP H06229551 A JPH06229551 A JP H06229551A JP 4047993 A JP4047993 A JP 4047993A JP 4047993 A JP4047993 A JP 4047993A JP H06229551 A JPH06229551 A JP H06229551A
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resistance
heater
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Keiichi Takeshima
恵一 竹島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電極軸下端部とリード線との抵抗溶接不良を
防止することができるセラミックグロープラグを提供す
ること。 【構成】 セラミック製のヒータ8と,電極軸としての
シーズ抵抗体7と,両者の間に介設したリード線1とよ
りなる。リード線1をシーズ抵抗体下端部の接続ピン7
1に対して抵抗溶接する。リード線1の下端部はヒータ
8上端部の周囲に接合してなる。リード線1の比抵抗A
に対する上記接続ピン71の比抵抗Bの比抵抗比(B/
A)は1.2以上である。また,リード線1の溶接断面
積Lと接続ピン71の溶接断面積Pとの面積比(L/
P)は,3〜36%であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,ディーゼルエンジンの
シリンダヘッド内を予熱するためのセラミックグロープ
ラグであって,特にその電極軸下端部とリード線との抵
抗溶接不良を防止することができるセラミックグロープ
ラグに関する。
【0002】
【従来技術】セラミックグロープラグは,セラミックヒ
ータと,電極軸とを接続するため,リード線を用いてい
る。リード線と電極軸との接続性に優れたものとして
は,例えば,該リード線の一端は電極軸と溶接され,他
端はセラミックヒータと嵌合ろう付けされているものが
知られている(特公平2─43091号)。また,自己
制御型セラミックグロープラグとしては,螺旋状のリー
ド線を用い,その一端の直線部分をシーズ抵抗体の接続
ピンと抵抗溶接し,他端の密巻部をセラミックヒータと
嵌合ろう付けするものが知られている(特開平3─24
7917号)。なお,上記電極軸としては,シーズ抵抗
体或いは中軸等が用いられる。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記いずれの
セラミックグロープラグにおいても,リード線の断面積
は,電極軸下端部の断面積より小さい。そのため,両者
に用いる材質の選定如何によっては,抵抗溶接不良が発
生するという問題がある。本発明はかかる従来の問題点
に鑑み,リード線と電極軸下端部との溶接部において,
抵抗溶接不良が生じないセラミックグロープラグを提供
しようとするものである。
【0004】
【課題の解決手段】本発明は,ハウジング内に上端部を
嵌挿したセラミック製のヒータと,該ヒータの上端部に
向けてハウジング内に挿入した電極軸と,上記ヒータと
電極軸との間に介設したリード線とよりなるセラミック
グロープラグにおいて,上記リード線はその上端部を電
極軸の下端部に設けた電極軸下端部に対して抵抗溶接
し,またリード線の下端部はヒータに電気的に接続して
なり,かつ,上記リード線の比抵抗Aに対する上記電極
軸下端部の比抵抗Bの比抵抗比(B/A)は1.2以上
であることを特徴とするセラミックグロープラグにあ
る。
【0005】本発明において最も注目すべきことは,上
記リード線の比抵抗Aに対する上記電極軸下端部の比抵
抗Bの比抵抗比(B/A)は1.2以上であることであ
る。1.2未満の場合には,リード線の断面積が,電極
軸下端部より断面積が小さいため,リード線の電気抵抗
が相対的に大きくなる。そのため,溶接時に,発生熱量
のバランスが悪くなり,溶接電力の条件幅(後記参照)
が狭くなる。それ故,一定の溶接電力の維持が困難にな
り,リード線と電極軸下端部とを大量に溶接することが
困難になる。
【0006】また,上記電極軸下端部の溶接断面積Pに
対する上記リード線の溶接断面積Lの面積比(L/P)
は,3〜36%であることが好ましい。3%未満の場合
には,リード線の断面積が電極軸下端部に対し小さくな
りすぎ,溶接時の発生熱量のバランスが非常に悪化し,
接続強度が低下するとともに,リード線自体の強度も不
十分となる。
【0007】一方,36%を越える場合は,溶接時の発
生熱量は良くなり,溶接性は良い方向へ向かうがハウジ
ング内径の寸法的制約から,電極軸下端部の断面積を小
さくする必要がある。そのため,電極軸の製造コスト及
び溶接時の作業性が悪化し,実用的ではなくなる。ここ
に,電極軸下端部の溶接断面積Pとは,電極軸下端部の
軸方向に垂直な断面積をいう。一方,リード線の溶接断
面積Lとは,リード線の軸方向に垂直な断面積をいう。
【0008】上記電極軸下端部の溶接部は,通常は平坦
状であるが,電極軸下端部の溶接部は,上記リード線の
一部を嵌合させるためにV状,U状の溝形状とすること
もできる。電極軸下端部は,電極軸と一体的に製作して
も良い。また,電極軸下端部のみ別の材質で製作し,電
極軸にカシメ,圧入等でつないでも良い。上記電極軸下
端部としては,ニクロム,ニッケル基合金,オーステナ
イト系ステンレス鋼等を用いることが好ましい。上記リ
ード線としては,Ni−Cr合金,純ニッケル等を用い
ることが好ましい。
【0009】上記リード線と電極軸下端部とを溶接する
に当たっては,電極軸下端部の溶接部の上にリード線の
溶接部を接触させ,更に該リード線の溶接部の上に抵抗
溶接用電極の先端面を接触させる。また,上記電極軸下
端部における溶接部の反対側には,一方の抵抗溶接用電
極の先端面を接触させる。そして,両抵抗溶接用電極間
に高圧電流を流し,直線部分と電極軸下端部とを抵抗溶
接する。
【0010】上記溶接時における溶接可能範囲の条件幅
は,±5%以上が好ましい。この場合には,電極軸下端
部とリード線とを効率良く抵抗溶接することができ,セ
ラミックグロープラグを量産することができる。その理
由は,量産時には,溶接装置の設定条件の再現性,溶接
部の表面状態,寸法バラツキにより溶接状態がばらつく
が,条件幅で±5%の可能範囲があれば,上記バラツキ
を吸収できることが経験的に判っているからである。
【0011】また上記条件幅とは,以下の式により算出
された値である。 条件幅(%)=100×(溶接可能範囲の中心電力−溶
接可能範囲の下限電力)/溶接可能範囲の上限電力
【0012】
【作用及び効果】本発明のセラミックグロープラグにお
いては,上記比抵抗Bの比抵抗比(B/A)が1.2以
上である。そのため,リード線の断面積が電極軸下端部
の断面積より小さくても,抵抗値としては近似値を示
し,溶接時の発熱バランスが良く,溶接条件幅が広くな
る。従って,リード線と電極軸下端部とを安定した状態
で,確実に溶接することができる。従って,本発明によ
れば,リード線と電極軸下端部との溶接部において,抵
抗溶接不良が生じないセラミックグロープラグを提供す
ることができる。
【0013】
【実施例】
実施例 本発明の実施例にかかる,自己制御型のセラミックグロ
ープラグについて,図1〜図6を用いて説明する。本例
のセラミックグロープラグ9は,図1に示すごとく,ハ
ウジング91内に上端部82を嵌挿したセラミック製の
ヒータ8と,該ヒータ8の上端部82に向けてハウジン
グ内に挿入した電極軸としてのシーズ抵抗体7と,該シ
ーズ抵抗体7とヒータ8との間に介設したリード線1と
よりなる。ヒータ8は,エンジンのシリンダヘッドを加
熱するためのヒータ先端部81を有する。
【0014】上記シーズ抵抗体7の下端部には,電極軸
下端部としての接続ピン71が設けられている。電極軸
下端部は,本体部分よりも小さい直径を有する。接続ピ
ン71は,図2,図3に示すごとく,その両側面に,か
しめにより形成した溶接部711及び平坦部712を有
する。リード線1の比抵抗Aに対する接続ピン71の比
抵抗Bの比抵抗比(B/A)は2.7である。
【0015】上記リード線1としては,Ni−2wt%
Cr合金を用い,その比抵抗Aは40μΩ・cmであ
る。上記接続ピン71としては,ニクロムを用い,その
比抵抗Bは108μΩ・cmである。
【0016】また,リード線1は,図1に示すごとく,
その上端部の溶接部11と,下端部の密巻部12と,そ
の間に設けた粗巻部10とよりなる。そして,リード線
1の溶接部11は,図2に示すごとく,上記接続ピン7
1の溶接部711に,その軸線に沿って,抵抗溶接され
ている。上記接続ピン71の溶接部711の溶接断面積
Pに対するリード線1の溶接部11の溶接断面積Lの面
積比L/Pは,6.3%である。
【0017】また,図1に示すごとく,リード線1の粗
巻部10は,上記接続ピン71を離れた部分から下方へ
向かって,ヒータ8の上端部82に接する間にあり,螺
旋状に巻回されている。上記リード線1の密巻部12
は,ヒータ8の上端部82の外周に嵌合され,両者はロ
ウ接されている。
【0018】リード線1は,使用時の耐久性等のため抗
張力30kg/mm2 以上,組付時の作業性から硬度H
B80以上である。また,リード線1の直径は0.4〜
1.2mmの範囲にある。上記接続ピン71の溶接部7
11及び平坦部712と,リード線1の溶接部11と
は,平坦状である。溶接部711と平坦部712とは,
互いに対面する位置に形成してある。
【0019】接続ピン71における,溶接部711及び
平坦部712を形成する前の直径は2〜4mmの範囲に
ある。また,接続ピン71は,リード線1との融点の差
が200℃以下である。シーズ抵抗体7の直径は,ハウ
ジング91の内部径より若干小さな直径である。該シー
ズ抵抗体7は,ハウジング91の一端において支持され
ている。また,ヒータ8,金属スリーブ92,ハウジン
グ91の間はそれぞれロウ接されている。
【0020】リード線1と接続ピン71とを溶接するに
当たっては,図2に示すごとく,接続ピン71の溶接部
711の上に溶接部11を接触させ,更に該溶接部11
上に抵抗溶接用電極61の先端面を接触させる。また,
上記接続ピン71の平坦部712には,一方の抵抗溶接
用電極62の先端面を接触させる。そして,両抵抗溶接
用電極61,62間に,5.0kwの高圧電流を5ミリ
秒間流し,溶接部11と接続ピン71とを抵抗溶接す
る。このとき,電流は図2の矢印60の方向へ流れる。
【0021】本例の作用効果について説明する。本例の
セラミックグロープラグ9においては,上記比抵抗比
(B/A)がである。そのため,リード線1の断面積が
接続ピン71の断面積より小さくても,抵抗値としては
近似値を示し,溶接時の発熱バランスが良く,溶接条件
幅が広くなる。従って,リード線1と接続ピン71とを
安定した状態で,確実に溶接することができる。
【0022】また,図2に示すごとく,シーズ抵抗体7
の接続ピン71とリード線1の溶接部11との抵抗溶接
時には,該接続ピン71の溶接に上記溶接部11が接触
した状態にある。そのため,抵抗溶接電流は,図2に矢
印60で示すごとく流れ,従来のごとく分流を生じな
い。それ故,両者は溶接部11において確実に安定して
抵抗溶接される。
【0023】また,リード線上端部の溶接部11は,接
続ピン71の軸線に沿って抵抗溶接されている。そのた
め,シーズ抵抗体7の接続ピン71に対して直線状に密
接し,従来の密巻部嵌合のごとくシーズ抵抗体7との間
に隙間を生じない。それ故,抵抗溶接も完全である。
【0024】また,セラミックグロープラグ使用時に温
度変化に伴ってシーズ抵抗体7が軸方向の膨張,収縮を
生じても,この溶接部11には何らの影響もなく,膨
張,収縮に対しては,リード線1の粗巻部10で吸収さ
れる。それ故,従来のごとく溶接部11を支点とする繰
り返し応力の発生もない。また,そのため溶接部11の
剥離,溶接部11の折損も生じない。
【0025】また,本例のセラミックグロープラグにお
いては,図5に示すごとく,シーズ抵抗体に代えて,ハ
ウジング91の後端側から突出して端子電極となる中軸
70を用い,その下端に中軸下端部710を形成し,リ
ード線1を溶接する構成とすることもできる。
【0026】この場合,中軸下端部710は電極軸下端
部に相当するが,図4に示すごとく中軸70と一体的に
製作しても良いし,図3に示すごとく中軸下端部710
のみ別の材質で製作し,カシメ圧入等でつないでも良
い。また,図6に示すごとく,リード線1を,図1に示
した螺旋状体に代えて,直線形状となし,該リード線1
の一端を,ヒータ8の上端に設けられたキャップ20に
装着することもできる。
【0027】実験例1 本例においては,上記実施例にかかるセラミックグロー
プラグについて,溶接可能電力を測定した。上記セラミ
ックグロープラグの接続ピンとリード線との材質及びそ
の比抵抗を表1に示す。上記測定に際しては,接続ピン
71とリード線1との溶接時の電力の大きさを種々に変
化させた。
【0028】尚,比較のために,表1に示すごとくリー
ド線の材質をニクロム,接続ピンの材質としてS15C
(炭素鋼)を用いたセラミックグロープラグを比較例と
し,上記測定に供した。そして,測定結果を図7に示
す。
【0029】同図より知られるように,実施例では,溶
接電力4〜6kwと比較的広範囲で溶接可能であった。
この範囲は,溶接後,リード線を軸方向に引張ったと
き,母材切れを生じず,かつリード線側に亀裂が発生し
ない範囲で,優れた抵抗溶接状態を示すものである。
【0030】そして,4kw未満では溶接強度が不足し
て溶接部に亀裂が発生した。6kwを越えた場合には,
リード線に亀裂が発生した。また,接続ピンには比抵抗
の大きいニクロムを用いたため,抵抗溶接時の溶接電流
により,接続ピンが,加熱され,溶接界面で,一部溶融
していた。
【0031】一方,比較例では,3.5〜3.8kwと
狭い範囲でのみ溶接可能であった。3.5kw未満,或
いは3.8kwを越えた場合には,上記実施例と同様の
支障を来した。尚,この比較例では,接続ピンには比抵
抗の小さい材質を用いたために,溶接電流による溶融は
認められなかった。
【0032】
【表1】
【0033】実験例2 本例においては,リード線の比抵抗(A)に対する接続
ピンの比抵抗(B)の比抵抗比(B/A)を種々に変え
て,溶接可能範囲の条件幅を調査した。その結果を図8
に示す。同図より,比抵抗比が高くなるに従って条件幅
が広くなることが分かる。
【0034】ここで,接続ピンとリード線とを,効率良
く,確実に抵抗溶接できる,量産可能な条件幅は±5%
以上必要である。そのためには,同図より知られるごと
く,比抵抗比を1.2以上となるように,リード線より
も接続ピンの比抵抗を高くする必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のセラミックグロープラグの断面図。
【図2】図1のA−A線矢視断面に相当する溶接時の説
明図。
【図3】実施例にかかる,接続ピンとリード線との溶接
前における状態を示す,要部拡大斜視図。
【図4】実施例にかかる,他のセラミックグロープラグ
の中軸下端部斜視図。
【図5】実施例にかかる,他のセラミックグロープラグ
の断面図。
【図6】実施例にかかる,更に他のセラミックグロープ
ラグの断面図。
【図7】実験例1にかかる,溶接可能な溶接電力範囲を
示す説明図。
【図8】実験例2にかかる,比抵抗比と条件幅との関係
を示すグラフ。
【符号の説明】
1...リード線, 11...リード線の溶接部, 61,62...抵抗溶接用電極, 7...シーズ抵抗体, 71...接続ピン, 711...接続ピンの溶接部, 8...ヒータ, 82...上端部, 9...セラミックグロープラグ, 91...ハウジング,

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に上端部を嵌挿したセラミ
    ック製のヒータと,該ヒータの上端部に向けてハウジン
    グ内に挿入した電極軸と,上記ヒータと電極軸との間に
    介設したリード線とよりなるセラミックグロープラグに
    おいて,上記リード線はその上端部を電極軸の下端部に
    設けた電極軸下端部に対して抵抗溶接し,またリード線
    の下端部はヒータに電気的に接続してなり,かつ,上記
    リード線の比抵抗Aに対する上記電極軸下端部の比抵抗
    Bの比抵抗比(B/A)は1.2以上であることを特徴
    とするセラミックグロープラグ。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記電極軸下端部の
    溶接断面積Pに対する上記リード線の溶接断面積Lの面
    積比(L/P)は,3〜36%であることを特徴とする
    セラミックグロープラグ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011030503A1 (ja) * 2009-09-11 2011-03-17 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ
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