JPH0622938U - サーミスタ温度検知器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案の目的は、従来品と同等の温度検知性
能を維持するとともに、信頼性と安全性の高いサーミス
タ温度検知器を提供することにある。 【構成】 本考案のサーミスタ温度検知器は、二本の溝
部を有するスポンジ状断熱材上にサーミスタが配置さ
れ、前記サーミスタのリード線と引き出し用リード線の
接続部が前記溝部に嵌合され、その上に小穴を有するマ
イカ板の小穴が前記サーミスタに嵌合するように配置さ
れ、且つ前記スポンジ状断熱材とマイカ板とが接着剤に
より接着固定されていることを特徴とするものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電気ジャーポット、電気炊飯器、電磁調理器等ヒータを具備する調 理器具類において、ヒータ近傍に設置されながら被加熱物の温度を間接的に検知 するために用いられる表面型温度検知器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

電気ジャーポット、電気炊飯器、電磁調理器等ヒータを具備する調理器具類に おいては、温度検知器はヒータの近傍に設置されるので、被加熱物の温度検知は 間接的に行われるのが一般的である。 以下に電気ジャーポットで使用される温度検知器を例に挙げて説明する。

【０００３】 従来、沸騰検知型自動ジャーポットにおいて、沸騰、保温や保護機能を電気的 に自動制御するための温度検知器は種々考案されているが、例えば、図２に示し たような構成のもの（実開平３−１０９０３１号公報参照）が良く知られている 。

【０００４】 図２（ａ）及び（ｂ）において、まず符号３１はジャーポットの湯槽であり、 この湯槽３１の底面の外周部３１ｂにはヒータ３７が、また中央部３１ａにはサ ーミスタ温度検知器２０が板バネ３８によって密着配置されている。 前記サーミスタ温度検知器２０は、プリント配線基板等からなる支持体２１に設 けられたスポンジ状断熱材２２の上に、温度検知素子であるサーミスタ２３が配 置され、更にその上に高熱伝導率を有し電気絶縁性成形物からなる集熱体２６が 前記スポンジ状断熱材２２とサーミスタ２３に密着状態で配置されて構成されて いる。 尚、サーミスタ２３のリード線２３ａは、スポンジ状断熱材２２と支持体２１を 貫通し、支持体２１の外側面に設けられたプリントパターン等の上で、引き出し 用リード線２４と半田付等により接続されている。

【０００５】 このサーミスタ温度検知器は、ヒータの近傍に配置されているにもかかわらず ヒータからの熱を直接受け難いため、湯槽内の湯温を非常に正確に検知できるも のである。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来の構成によると、次のような問題があった。 まず、サーミスタ２３のリード線２３ａと引き出し用リード線２４との接続作業 が熟練を要するため、安定した接続品質を維持し難いという問題がある。 また、半田付等による接続では、耐熱性が低下してしまうとともに、接続部は充 電部が露出した状態となるため絶縁処理がやっかいである。 更に集熱体２６を構成する高熱伝導性を有した電気絶縁性成形物は、かなり高価 であるため、組立作業の複雑さとも相まって経済的でない。

【０００７】 本考案はこのような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、 従来と同等の温度検知性能を維持するとともに、信頼性と安全性の高いサーミス タ温度検知器を安価に提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するべく本考案によるサーミスタ温度検知器は、二本の溝部を 有するスポンジ状断熱材の上にサーミスタが配置され、このサーミスタのリード 線と引き出し用リード線の接続部が前記溝部に嵌合され、その上に小穴を有する マイカ板の小穴が、前記サーミスタに嵌合するように配置され、且つ前記スポン ジ状断熱材とマイカ板とが接着剤により接着固定されていることを特徴とするも のである。

【０００９】

【作用】

本考案よるサーミスタ温度検知器は、サーミスタがマイカ板の表面と略等しい 位置まで露出しているので、表面が熱伝導性に劣るマイカ板であっても温度検知 性能は従来例と同等である。 また、サーミスタのリード線と引き出し用リード線との接続は、カシメ端子等で 行うことができるため、従来例に比べて作業性が向上するとともに、耐熱性の低 下もなくなる。更に、この接続部分はマイカ板とスポンジ状断熱材とに挟まれて 確実に絶縁されるので、信頼性及び安全性を高めることができる。 また、本考案で使用されるマイカ板は、従来例で用いられていた高熱伝導性を有 する電気絶縁性成形物に比べて安価であるとともに、従来例にあるような支持体 も不要となるなど部品点数も少なくなり、組立作業は極めて簡素化され経済性を 向上させることができる。

【００１０】

【実施例】

以下、図１を参照して本考案を更に詳しく説明する。 図１（ａ）は、本考案の一実施例を示す図でサーミスタ温度検知器の分解斜視図 、図１（ｂ）は、サーミスタ温度検知器をジャーポットに装着した状態を示す要 部断面図である。 図１において、幅１.６ｍｍ、深さ１.３ｍｍの２本の溝２ａが設けられ、断面の 大きさが１１ｍｍ×６ｍｍの押出成形されたシリコーンゴムスポンジが、長さ１ ３ｍｍに切断されてなるスポンジ状断熱材２があり、このスポンジ状断熱材２の 上には直径約０.９ｍｍのアキシャルリード型のサーミスタ３が搭載される。 前記サーミスタ３のリード線３ａと引き出し用リード線４は、カシメ端子５によ って接続されており、前記カシメ端子５を含む接続部と引き出し用リード線４が 前記スポンジ状断熱材２の溝部２ａに嵌合状態で設置される。 これらの上に小穴６ａを有するマイカ板６（縦、横及び厚さ、１１×１３×０． ５ｍｍ）が、前記小穴６ａとサーミスタ３が嵌合する位置関係で配置され、前記 マイカ板６とスポンジ状断熱材２が、図示しないシリコーン系接着剤により接着 固定される。

【００１１】 上記構成のサーミスタ温度検知器１は、図１（ｂ）に示すように、例えばジャ ーポットの湯槽１１の底面の中央部１１ａに板バネ１８によって密着配置されて 使用される。尚、図中の符号１７は湯槽底面の外周部１１ｂに配置されたヒータ である。 本実施例では前記サーミスタ３として、Ｒ（１００℃）＝３.３ＫΩ，Ｂ定数（ ０℃／１００℃）＝３９７０Ｋのものを使用した。

【００１２】 ここで、本実施例によるサーミスタ温度検知器と、図２に示した従来のサーミ スタ温度検知器とを比較するために、図１（ｂ）及び図２（ｂ）に示すように、 ジャーポットの湯槽底面の中央部に各々のサーミスタ温度検知器を密着配置し、 温度検知特性を調べてみた。

【００１３】 まず、沸騰検知においては、ジャーポット上方の通気孔から蒸気が吹き出して から沸騰を検知するまでの時間を測定した。その結果、従来例のものが１０２秒 であったのに対し、本実施例のものは１０８秒であり、その差はほとんどなかっ た。 次に、水の無い状態で加熱する所謂、空炊き検知においては、異常温度上昇を検 知するまでの時間を測定したところ、従来例が３０秒であったのに対し、本実施 例のものは３５秒であり、やはりその差はほとんどなかった。

【００１４】 このように、本実施例による温度検知器は、構造を簡素化したにもかかわらず 、従来品と同様にヒータからの熱を直接受け難く正確な温度検知特性を示してお り、ジャーポット以外の間接検知を必要とする調理器具類においても十分有効で あることは明らかである。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、従来、検知性能は良いが構造が複雑で手 間のかかる製造工程であり、耐熱性も高くとれず充電部が露出している構造のも のを、部品点数を減らし構造と組立を簡素化したにもかかわらず、検知性能はほ とんど同等としたまま耐熱性の向上と安全性の向上を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す図で、（ａ）はサーミ
スタ温度検知器の分解斜視図、（ｂ）はサーミスタ温度
検知器のジャーポットへの装着状態を示す要部断面図で
ある。

【図２】従来例を示す図で、（ａ）はサーミスタ温度検
知器の分解斜視図、（ｂ）はサーミスタ温度検知器のジ
ャーポットへの装着状態を示す要部断面図である。

【符号の説明】

１ サーミスタ温度検知器 ２ スポンジ状断熱材 2a 溝部 ３ サーミスタ 3a サーミスタのリード線 ４ 引き出し用リード線 ５ カシメ端子 ６ マイカ板 6a 小穴 11 湯槽 11a 湯槽底面の中央部 11b 湯槽底面の外周部 17 ヒータ 18 板バネ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 二本の溝部を有するスポンジ状断熱材上
   にサーミスタが配置され、前記サーミスタのリード線と
   引き出し用リード線の接続部が前記溝部に嵌合され、そ
   の上に小穴を有するマイカ板の小穴が前記サーミスタに
   嵌合するように配置され、且つ前記スポンジ状断熱材と
   マイカ板とが接着剤により接着固定されていることを特
   徴とするサーミスタ温度検知器。