JPH0622903A - 急速変形圧電アクチュエータ - Google Patents

急速変形圧電アクチュエータ

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JPH0622903A
JPH0622903A JP4180055A JP18005592A JPH0622903A JP H0622903 A JPH0622903 A JP H0622903A JP 4180055 A JP4180055 A JP 4180055A JP 18005592 A JP18005592 A JP 18005592A JP H0622903 A JPH0622903 A JP H0622903A
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Hiroki Moriyama
宏樹 森山
Yorio Matsui
頼夫 松井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】構成部材の寸法公差にばらつきがあっても性能
が殆どばらつくことのない急速変形圧電アクチュエータ
の提供を目的としている。 【構成】ハウジング2内に嵌合状態で摩擦力により保持
された移動体3に印加電圧によって軸方向に伸縮可能な
圧電素子4を介して慣性体6を固定して成り、前記圧電
素子4が軸方向に急速に変形したときの前記慣性体6の
慣性力と前記移動体3が前記ハウジング2の内面から受
ける摩擦力との差を利用して軸方向に移動する急速変形
圧電アクチュエータ1において、前記移動体3と前記ハ
ウジング2の少なくとも一方に弾性的な付勢力によって
移動体3とハウジング2とを圧接させる圧接力付与手段
9を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧電素子の急速変形に伴
う慣性力を利用して移動を行なう急速変形圧電アクチュ
エータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特願平2−305182号
公報に示すように、簡単かつコンパクトな構成によって
レンズの移動操作を迅速かつ確実に行なおうとする急速
変形圧電アクチュエータが知られている。このアクチュ
エータは、対物光学系を構成するレンズ群における移動
レンズを保持するレンズ枠に移動体を連結し、前記レン
ズ枠を移動させるべき向きに沿って軸方向を配置したそ
の軸方向へ伸縮可能な圧電素子を設け、この圧電素子の
一端を前記移動体に実質的に固定するとともに、前記圧
電素子の他端に慣性体を取着し、前記圧電素子に印加す
る駆動電圧を制御手段で制御して前記圧電素子がその軸
方向へ伸縮するときの前記慣性体の慣性力と前記移動体
が移動路面から受ける摩擦力を利用しながら前記レンズ
枠を移動させて位置調整を行うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術では、
棒状または円筒状の前記移動体を円管等のハウジング内
に圧入して移動路面としての前記ハウジングの内面から
実質的に摩擦力を得ていた。
【0004】しかしながら、棒状の移動体を前記ハウジ
ング内に圧入する際、移動体とハウジングの寸法公差内
のわずかなばらつきで、移動体がハウジングの内面から
受ける摩擦力が大きく異なってしまう虞があった。この
ことはアクチュエータ性能のばらつきに直結するため、
レンズ枠移動機構の信頼性が低くなる欠点があった。本
発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目
的とするところは、構成部材の寸法公差にばらつきがあ
っても性能が殆どばらつくことのない急速変形圧電アク
チュエータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、ハウジング内に嵌合状態で摩擦力により
保持された移動体に印加電圧によって軸方向に伸縮可能
な圧電素子を介して慣性体を固定して成り、前記圧電素
子が軸方向に急速に変形したときの前記慣性体の慣性力
と前記移動体が前記ハウジングの内面から受ける摩擦力
との差を利用して軸方向に移動する急速変形圧電アクチ
ュエータにおいて、前記移動体と前記ハウジングの少な
くとも一方に弾性的な付勢力によって移動体とハウジン
グとを圧接させる圧接力付与手段を設けたものである。
【0006】
【作用】上記構成により、構成部材の寸法公差のばらつ
きは前記圧接力付与手段の弾性によって吸収される。
【0007】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説
明する。図1および図2は本発明の第1の実施例を示す
ものである。図1の(c)は本実施例の急速変形圧電ア
クチュエータ1が装着された内視鏡20を示している。
内視鏡20は、長尺な挿入部21、操作部22、および
ライトガイドケーブル23を有している。挿入部21
は、曲がり自在な可撓管30と、強制的に湾曲操作され
る湾曲管31と、先端構成部32とからなる。操作部2
2には送気送水釦41、吸引釦42、および電子観察系
の操作スイッチ43が設けられている。
【0008】挿入部21の先端構成部32には対物光学
系12が組み込まれており、この対物光学系12は観察
窓13を通じて観察される視野を固体撮像素子14の撮
像面に結像するようになっている。また、先端構成部3
2には図示しない照明窓、鉗子口、送気送水ノズル等が
設けられている。前記照明窓は同じく図示しないライト
ガイドファイバを通じて送られてきた照明光を視野内に
照射する。前記鉗子口にはチャンネルチューブ16が接
続され、前記送気送水ノズルには送気チューブ17と送
水チューブ18が接続されている。固体撮像素子14に
は信号ケーブル19が接続されている。
【0009】対物光学系12は筒状の鏡筒15に複数の
固定レンズ35を組み込んでなり、さらに鏡筒15内に
は合焦レンズ36を保持する筒状のレンズ枠10が光軸
方向へスライド自在に装着されている。すなわち、合焦
レンズ36を光軸方向へ移動することにより固体撮像素
子14の撮像面に結像させるピント調整作用を行う。ま
た、筒状のレンズ枠10の外周の一部(この実施例では
下面)にはアーム部10aが径方向外側に突設されてい
る。このアーム部10aは鏡筒15に形成されたスライ
ド孔37を通じて貫通して鏡筒15の側方へ突出してい
る。スライド孔37は対物光学系12の光軸方向へ沿っ
て細長く形成されている。つまり、レンズ枠10は、ア
ーム部10aをスライド孔37に沿って前後に移動すれ
ば、光軸方向へスライドされ回転することなく直線的に
移動できる。
【0010】また、先端構成部32内のレンズ枠10の
近傍には急速変形圧電アクチュエータ1が設けられてい
る。スライド孔37から突き出るレンズ枠10のアーム
部10aの先端はこのアクチュエータ1に接続されてい
る。
【0011】図1の(a)に示すように、アクチュエー
タ1は円筒管からなるハウジング2からなる。ハウジン
グ2内には嵌合状態で摩擦力により保持されハウジング
2の内壁に接触しながら前後に摺動できる移動体3が設
けられている。移動体3には積層構造の圧電素子4を介
して慣性体6が接続固定されている。圧電素子4と慣性
体6はハウジング2の内壁に接触しないように設けられ
ている。圧電素子4は後述するように印加電圧によって
ハウジング2の軸方向に伸縮できるようになっている。
レンズ枠10の側方に突き出るアーム部10aの先端は
移動体3の先端に接続されている。また、圧電素子4の
電極にはリード線5が接続されており、このリード線5
は保護チューブ38内を通じて、内視鏡20の挿入部2
1、操作部22、およびライトガイドケーブル23の各
内部を通り、内視鏡20の外部に設けられる制御回路4
4と駆動電源45に接続されている。
【0012】移動体3は、その外面から径方向に突設さ
れた先端側の第1の接触部7と基端側の第2の接触部8
とによってハウジング2の内壁に接触している。第2の
接触部8は、ハウジング2の内径よりも小さくなるよう
なはめあい公差による外径寸法を有し、第1の接触部7
は、ハウジング2の内径よりも大きくなるようなはめあ
い公差による外径寸法を有している。移動体3の周縁部
付近の先端からは圧接力付与手段としての2つのスリッ
ト9,9が長手軸方向に向かって内側に切り込まれてい
る。スリット9,9は互いに略軸対象に設けられてお
り、このスリット9,9によって第2の接触部7は径方
向に弾性が付与されている。このスリット9,9によっ
て移動体3の外周縁部位には曲げ作用を受ける薄肉な梁
部3aが形成されている。
【0013】次に、移動体3の移動原理を図2および図
3を参照しつつ概念的に説明する。図2に示すように、
質量の大きな移動体M、質量の小さな慣性体m、移動体
Mと慣性体mを連結する積層型圧電素子Pからなる走行
アクチュエータがベースBの上に乗っているとする。そ
して、圧電素子Pに図3に示すような波形の駆動電圧を
印加することによりその走行アクチュエータの全体が前
進または後退する動作を行うものである。
【0014】まず、前進(左方)移動するときの動作に
ついて説明する。図2の左側の図で示すように動作スタ
ート前において移動体MはベースB上におかれて静止摩
擦力で保持され、圧電素子Pは縮んだ状態にある。この
ため、慣性体mは前方の移動体Mに引き寄せられて待機
している。
【0015】この状態から圧電素子Pに高圧の駆動電圧
を瞬時に印加して圧電素子Pを急激に伸ばすと、移動体
Mと慣性体mが互いに逆方向へ同時に移動する。このと
き、移動体Mは動摩擦力を受けながら前方へ距離Δm1
移動する。
【0016】続いて、圧電素子Pに対する印加電圧を比
較的ゆっくりと低減させて圧電素子Pを縮めて移動体M
側へ慣性体mを一定の加速度で引き戻す。このとき、移
動体MがベースBとの静止摩擦力で保持されて静止する
ように、その加速度による慣性力が移動体MとベースB
との静摩擦力よりも小さくなるような印加電圧に調整し
ておく。
【0017】圧電素子Pが充分に縮んだところで、通電
を急に止めて慣性体mの動きを急に止める。つまり、引
き戻し動作を急に停止させる。すると、慣性体mが移動
体Mに衝突する作用となり、これによって、この走行ア
クチュエータの全体が、前記静止摩擦力に打ち勝って前
進を始め、運動エネルギを移動体Mの動摩擦力によって
失われるまで移動して停止する。この動作によって前方
へ距離Δm2 移動する。 したがって、走行アクチュエ
ータはこの1サイクルの動作で(Δm1 +Δm2 )の距
離を前進(粗動)することができる。そして、この微動
前進を繰り返すことにより大きく前進させることができ
る。
【0018】一方、後退、つまり、右方向へ移動すると
きには、前記動作パターンの逆動作を行わせる。すなわ
ち、図2の右側の図で示すように動作スタート前におい
て移動体MはベースB上におかれて摩擦力で保持され、
圧電素子Pは伸びた状態にある。このため、慣性体mは
前方の移動体Mから離れている。
【0019】この状態から圧電素子Pに対する高電圧の
印加を瞬時に消去し、圧電素子Pを急激に縮小すると、
移動体Mの摩擦力に比べて慣性体mの慣性力が相対的に
大きくなり、移動体Mと慣性体mが互いに逆方向へ同時
に移動する。このとき、移動体Mは後方へ距離Δm1
移動する。
【0020】ついで、圧電素子Pに対する印加電圧を次
第に増加させて圧電素子Pを伸ばして移動体M側から慣
性体mを一定の加速度で後退させる。このとき、移動体
MはベースBとの摩擦力で保持されて静止するようにそ
の加速度による慣性力がその静止摩擦力より小さくなる
ようにしておく。
【0021】圧電素子Pが充分に伸びたところで、慣性
体mの動くを急に止める。これによって、大きな慣性力
が生じて自走装置全体が、前記静止摩擦力に打ち勝って
後退を始め、その自走装置全体の運動エネルギが移動体
Mの動摩擦力によって失われるまで移動して停止する。
この動作によって後方へ距離Δm2 移動する。
【0022】したがって、走行アクチュエータはこの1
サイクル動作で(Δm1 +Δm2 )の距離を後退させる
ことができる。そして、この微動後退を繰り返すことに
より大きく後退させることができる。
【0023】なお、2回の電圧出力でこれを単一のサイ
クルとしての移動運動を行わせ、電圧を引き下げた直後
にすぐ立ち上げることによって急速変形時に発生したエ
ネルギを次の急速変形時の運動に加味してより大きな運
動量を得ることができる。
【0024】以上のような原理によって、本実施例の急
速変形圧電アクチュエータ1は移動体3がハウジング2
内を軸方向に摺動することができる。移動体3が前後に
移動すれば、移動体3に接続されたアーム部10aもス
ライド孔37に沿って前後に移動するため、アーム部1
0aに連なるレンズ枠10が対物光学系12の光軸方向
に沿って前進または後退することができる。なお、合焦
レンズ36を保持したレンズ枠10の前進または後退の
選択は操作部22の電子観察用操作スイッチ43を操作
して行う。そして、観察対象物との距離に応じて対物光
学系12の合焦を行うことができる。
【0025】以上説明したように、本実施例の急速変形
圧電アクチュエータ1は、移動体3が第1の接触部7に
よってハウジング2の内壁に適当な摩擦力で圧接してお
り、しかも、第1の接触部7は、スリット9によって充
分な弾力を有するとともに、ハウジング2の内径よりも
大きくなるようなはめあい公差による外径寸法を有して
いるため、弾性的な付勢力によってハウジング2の内壁
に圧接した状態にある。したがって、ハウジング2の内
径や移動体3の第1の接触部7の外径にわずかな寸法公
差のばらつきがあっても、こうしたばらつきはスリット
9に伴う梁部3aの弾性によって吸収できるため、ハウ
ジング2と第1の接触部7との間の摩擦力が大きく異な
ることはなく、レンズ枠10の移動機構の性能のばらつ
きが小さくなる。
【0026】また、第2の接触部8はハウジング2の内
径に対してゆるめのはめあいになっているため、慣性体
6を軸方向に長く移動体3より重くしたとしても、移動
体3、圧電素子4、慣性体6のそれぞれがハウジング2
の軸に対して傾くことはほとんどない。
【0027】さらに、上記構成によれば、合焦レンズ3
6を保持したレンズ枠10を移動するアクチュエータ1
を内視鏡の先端構成部32内にコンパクトに組み込むこ
とができる。また、レンズ枠10を動作させるための例
えば操作ワイヤを設ける代わりに挿入部21にリード線
5を通すだけでよいため、挿入部21の細径化を図るこ
ともできる。
【0028】図4は本発明の第2の実施例を示すもので
ある。本実施例の急速変形圧電アクチュエータ50は、
移動体3の基端面から内部方向に向かって空洞部51が
形成されている。この空洞部51によって移動体3の外
周縁部位には曲げ作用を受ける薄肉な梁部3aが形成さ
れている。また、この空洞部51内には空洞部51の内
端面に接続された状態で圧電素子4が設けられており、
さらに、圧電素子4の基端面には空洞部51内に完全に
内挿された状態で慣性体6が接続されている。なお、圧
電素子4は接着強度向上のため空洞部51の内端面に嵌
め込んで接合されている。また、レンズ枠10のアーム
部10aも移動体3の先端面に嵌め込み接合されてい
る。それ以外の構成は第1の実施例と同一である。な
お、慣性体6も圧電素子4に対して嵌め込み接合されて
いても良い。
【0029】また、この構成では、第1の接触部7にお
ける移動体3の外径がハウジング2の内径よりも小さ
く、第2の接触部8における移動体3の外径がハウジン
グ2の内径よりも若干大きく形成されている。したがっ
て、第2の接触部8はハウジング2に挿入されると適度
な弾力でハウジング2の内壁と圧接する。したがって、
ハウジング2の内径や移動体3の第2の接触部8の外径
にわずかな寸法公差のばらつきがあっても、こうしたば
らつきは空洞部51に伴う梁部3aの弾性によって吸収
できるため、ハウジング2と第2の接触部8との間の摩
擦力が大きく異なることはなく、レンズ枠10の移動機
構の性能のばらつきが小さくなる。
【0030】また、上記構成では、アクチュエータ50
の全長を短くすることが可能なばかりでなく、空洞部5
1によって形成された梁部3aの長さを充分に長くでき
る。言い換えれば、アクチュエータ50の長さを短くし
ても梁部3aの長さを充分に長くすることができる。ま
た、ハウジング2と圧電素子4の間の隙間に梁部3aが
延在しているので、圧電素子4が長方形の場合に特に有
効である。
【0031】図5は本発明の第3の実施例を示すもので
ある。本実施例の急速変形圧電アクチュエータ60は、
圧接力付与手段としてのばね59とこのばね59の両端
に取り付けられた圧接部材57,58とが移動体3の内
部に配設された構成となっている。移動体56がハウジ
ング2内に配設された状態で、ばね59は圧接部材5
7,58によって自然長よりも圧縮されるようになって
いる。したがって、圧接部材57,58は適度な弾性力
でハウジング2の内壁に圧接する。なお、圧接部材5
7,58以外はハウジング2の内壁に接しないようにな
っている。それ以外の構成は第1の実施例と同様であ
る。
【0032】上記構成では、移動体56に弾力を有する
圧接部材57,58を設けたことで、ハウジング2内に
容易に挿入することができ、かつ、ハウジング2内に対
して適度に圧接することができる。つまり、移動体56
は圧接部材57,58がばね59の付勢力によってハウ
ジング2の内壁に圧接した状態にあるため、ハウジング
2の内径や圧接部材57,58の外径にわずかな寸法公
差のばらつきがあっても、こうしたばらつきはばね59
の弾性によって吸収できるため、ハウジング2と圧接部
材57,58との間の摩擦力が大きく異なることはな
く、レンズ枠10の移動機構の性能のばらつきが小さく
なる。無論、移動体56がハウジング2内を繰り返し移
動して圧接部材57,58の表面が多少すり減っても、
ばね59の付勢力により、圧接部材57,58とハウジ
ング2との圧接力はあまり変わらない。なおレンズ枠を
移動させることにより合焦だけでなくズーミング(ズー
ムレンズの移動)を行なってもよい。
【0033】図6は本発明の第4の実施例を示すもので
ある。本実施例の急速変形圧電アクチュエータ70は、
弾性体からなるハウジング73の一部が軸方向に沿った
スリット72(圧接力付与手段)によって割れている。
このハウジング73内には円柱状の移動体71、圧電素
子4、慣性体6がそれぞれ接続されて設けられている。
ただし、ハウジング73の内壁には移動体71の外周面
だけが接触し、圧電素子4と慣性体6は接触していな
い。また、移動体71の先端にはレンズ枠10のアーム
部10aが取り付けられている。
【0034】円柱状の移動体71の外径はハウジング7
3の内径より大きくなるはめあい公差の寸法値で設計さ
れている。また、ハウジング73の一部だけが図1の
(c)に示す内視鏡20の先端構成32の内部に取り付
けられており、ハウジング73全体としては、スリット
72の効果により周方向に十分な弾性を有している。
【0035】本実施例では、移動体とハウジングとの圧
接方法が第1の実施例と異なっている。すなわち、第1
の実施例では、移動体3にスリット9を設けることによ
り移動体3とハウジング2との接触部に十分な弾性を持
たせていたが、本実施例では、ハウジング73側にスリ
ット72を設けることによって円柱状の移動体71がハ
ウジング73を径方向に押し広げる状態となり、これに
よって移動体71とハウジング73とが適当な弾力で圧
接できるようにしたものである。それ以外の構成は第1
の実施例と同様である。
【0036】上記構成では、ハウジング73の内径より
大きい外径を有する移動体71がスリット72を有する
ハウジング73を径方向に押し広げる状態でハウジング
73の内壁に圧接した状態にある。言い換えれば、移動
体71は径方向に締め付けるハウジング73の付勢力に
より適当な弾力でハウジング73の内壁に圧接してい
る。したがって、ハウジング73の内径や移動体71の
外径にわずかな寸法公差のばらつきがあっても、こうし
たばらつきはハウジング73の弾性によって吸収できる
ため、ハウジング73と移動体71との間の摩擦力が大
きく異なることはなく、レンズ枠10の移動機構の性能
のばらつきが小さくなる。また、ハウジング73側にス
リットがある(分割されている)ため、移動体71を単
純な構造とすることができる。
【0037】なお、移動体71を収容する前記ハウジン
グ73を図7に示すように永久磁石から成る2つの半円
管74,75としても良い。これらの半円管74,75
は、永久磁石から成る円管を軸方向に沿って切断したも
のであり、互いに向き合う切断面が吸引し合うように磁
極が形成されている。半円管74,75のどちらか一方
は、図1に示す内視鏡20先端構成部32内に取り付け
られ、さらに、半円管74,75は互いに軸方向にずれ
ないように規制されている。これら半円管74,75の
中に図6と同様の移動体71、圧電素子4、慣性体6が
セットされ、移動体71だけが互いに吸引し合う半円管
74,75の磁力(付勢力)によって押し付けられて圧
接している。
【0038】上記構成では、移動体71が半円管74,
75の磁力によってハウジングとしての半円管74,7
5の内壁に圧接した状態にあるため、半円管74,75
や移動体71の寸法にわずかな公差のばらつきがあって
も、こうしたばらつきは半円管74,75の磁力によっ
て吸収できるため、移動体71と半円管74,75との
間の摩擦力が大きく異なることはなく、レンズ枠10の
移動機構の性能のばらつきが小さくなる。
【0039】また、前記ハウジング73は、図8に示す
ように、外管76の内側にゴム等の材質から成る弾性管
77を設け、さらにその内側に2つの半円管78,79
を設けたものでも良い。この場合も、半円管78,79
からなる環状体の内径寸法を移動体71の外径よりもや
や小さく形成し、移動体71を前記環状体内に嵌挿した
状態で、弾性円管77の弾性力が半円管78,79と移
動体71とを圧接させるようにする。
【0040】図9は本発明の第5の実施例を示すもので
ある。本実施例の急速変形圧電アクチュエータ80はハ
ウジング81が途中から細径になっている。すなわち、
ハウジング81は先端側の細径部81aと基端側の太径
部81bとからなる。また、図9の(b)(c)に示す
ように、細径部81aはスリット89によって2つに分
割されており、これによって梁部87,88を形成して
いる。ハウジング81の細径部81aにはアーム部10
bと一体に形成された棒状の移動体84が挟み込まれて
いる。
【0041】移動体84の一端には圧電素子4が接合さ
れ、圧電素子4の他端には慣性体6が取り付けられてい
る。ハウジング81の細径部81aの内径と移動体84
の外径は略同一に設計されている。ハウジング81の細
径部81aの外周の一部には弾性リング85が嵌められ
ており、この弾性リング85は2つの梁87,88を適
度な弾力で締め付けるように働いている。弾性リング8
5の外径はハウジング81の太径部81bの外径より小
さく形成されている。それ以外の構成は第1の実施例と
同様である。
【0042】なお、ハウジング81の細径部81aの外
周面に雄ねじを形成し、弾性リング85を硬質にしてそ
の内面に雌ねじを設け、細径部81aと弾性リング85
とを螺合した構成にしてもよい。この構成でも第1の実
施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0043】また、上記構成では、さらに、弾性リング
85の位置をハウジング81の細径部81aに沿って前
後にずらすことによって、梁部87,88の移動体84
に対する圧接力を調節できる。この場合、弾性リング8
5を段付きハウジング81の細径部81aに設け、弾性
リング85の外径をハウジング81の太径部81bの外
径より小さく形成したため、アクチュエータ80のサイ
ズを太くしないで済む。 また、アクチュエータ80の
太さを太くせずに、アクチュエータ80の外側からアク
チュエータ80の性能を調整できるため、製作時のばら
つき補正やメンテナンスが容易である。
【0044】図10は本発明の第6の実施例を示すもの
である。本実施例の急速変形圧電アクチュエータ90は
第5の実施例と略似た構成となっている。すなわち、ハ
ウジング91の先端側はハウジング91の外周面に形成
された段差部96によって基端側よりも外径が細いくな
った細径部91となっており、この細径部91a内に棒
状の移動体84が嵌挿されている。また、移動体84が
嵌挿された細径部91aの内孔の周縁部側の内面は途中
から軸方向に沿って削られており、これによって、梁部
93が形成されている。梁部93はビス95によってそ
の撓み量を変化できるようになっている。移動体84は
梁部93の先端部94と圧接している。上記構成では、
ハウジング91の細径部91aの内径や移動体84の外
径にわずかな寸法公差のばらつきがあっても、こうした
ばらつきは梁部93の弾性によって吸収できるため、移
動体84と梁部93の先端部94との間の摩擦力が大き
く異なることはなく、レンズ枠10の移動機構の性能の
ばらつきが小さくなる。また、ビス95を回転させるこ
とで、移動体84と梁部93の先端部94との圧接力を
調整することができる。なお、アクチュエータ90を内
視鏡20に組み込んだ後でも、内視鏡20の一部にビス
95が通じる連通路を設けておけば、内視鏡20の外側
からアクチュエータ90の性能を容易に調整できる。
【0045】図11は本発明の第7の実施例を示すもの
である。本実施例の急速変形圧電アクチュエータ100
は、移動体56に設けられた圧接力付与手段を除いて第
3の実施例と同一である。
【0046】本実施例における圧接力付与手段は、移動
体56内で互いに反発し合う向きに対向された一対の永
久磁石101,102を備え、各永久磁石101,10
2の外側に圧接部材57,58が取り付けられているも
のである。したがって、圧接部材57,58は永久磁石
101,102の反発力によって適度な弾性力でハウジ
ング2の内壁に圧接する。
【0047】上記構成では、移動体56に弾力を有する
圧接部材57,58を設けたことで、ハウジング2内に
容易に挿入することができ、かつ、ハウジング2内に対
して適度に圧接することができる。つまり、移動体56
は圧接部材57,58が永久磁石101,102の反発
力によってハウジング2の内壁に圧接した状態にあるた
め、ハウジング2の内径や圧接部材57,58の外径に
わずかな寸法公差のばらつきがあっても、こうしたばら
つきは永久磁石101,102の反発力によって吸収で
きるため、ハウジング2と圧接部材57,58との間の
摩擦力が大きく異なることはなく、レンズ枠10の移動
機構の性能のばらつきが小さくなる。また、第3の実施
例のばねがなくなった分構造がシンプルとなる。
【0048】また、図12に示すように、永久磁石10
1,102の間に電磁石103を設けてもよい。また、
永久磁石101,102の一方はS極が内側に向き、他
方はN極が内側を向くように配置されている。電磁石1
03は電流を流した時に永久磁石101,102と反発
し合うように設けられている。この構成では、電磁石1
03に通電することにより永久磁石101,102を反
発させて、ハウジング2と圧接部材57,58とを圧接
させることができる。また、電磁石103への通電量を
変化させることにより、圧接部材57,58とハウジン
グ2との圧接力を変化させることができ、アクチュエー
タ100の性能(力量、スピード)を変化させることが
できる。
【0049】なお、同様の効果を狙ったものとして、第
3の実施例におけるばね59をSMA(形状記憶合金)
コイルとし、このSMAコイルに通電してSMAコイル
を伸長(記憶形状)させることで、圧接部材57,58
とハウジング2との圧接力を変化させるようにしてもよ
い。
【0050】図13は本発明の第8の実施例を示したも
のである。本実施例の急速変形圧電アクチュエータ11
0は、第3の実施例のアクチュエータ60のばね59を
ゴム等の樹脂からなる円柱状の弾性体111に置き換え
たものである。本実施例では、圧接部材57,58の他
にも圧接部材112,113が設けられハウジング2に
圧接している。なお、圧接部材57,58,112,1
13はそれぞれ弾性体111の周方向に沿って90°の
角度間隔で設けられている。弾性体111は、ハウジン
グ2と同軸に配設されており、移動体56がハウジング
2内に嵌挿された状態で圧接部材57,58,112,
113によりその外周部が多少潰される程度の大きさを
有している。このような構成では、第3の実施例のよう
なばねを用いた場合に比べて構造がシンプルであり、ハ
ウジング2の四方八方をまんべんなくグリップすること
が容易となる。
【0051】図14は本発明の第9の実施例を示したも
のである。本実施例の急速変形圧電アクチュエータ12
0の移動体121にはその外周面に設けられた段差部1
25によって先端側に細径部121a、基端側に太径部
121bが形成されている。細径部121aの外周には
環状の圧接力調整体122が螺合されている。また、段
差部125と圧接力調整体63との間の細径部121a
の外周上には弾性体からなる板ばね123が径方向外側
に凸状に湾曲した状態で設けられており、板ばね123
はその湾曲した凸部をハウジング2の内壁に圧接させる
ことで移動体121をハウジング2内で支持している。
それ以外の構成は第1の実施例と同一である。
【0052】上記構成では、移動体121上で圧接力調
整体122を回動させると軸方向に圧接力調整体122
が移動する。この圧接力調整体122の移動で板ばね1
23の曲率半径が変わり、板ばね123のハウジング2
に対する圧接力が変化できる。また、移動体121の移
動特性、例えば移動速度や発生力が常に最適かつ安定し
た状態でアクチュエータ120を組み立てることがで
き、アクチュエータ120としての品質管理が容易とな
る。
【0053】図15は本発明の第10の実施例を示した
ものである。本実施例の急速変形圧電アクチュエータ1
30は、移動体133が2つに分割されており、分割さ
れた移動体133a、133bは湾曲した形状の弾性材
料からなる板ばね132で連接されている。板ばね13
2の湾曲形状の凸部がハウジング2の内壁に圧接してお
り、これによって移動体133a、133bがハウジン
グ2内で支持されている。そして、移動体133a,1
33bにはそれぞれ圧電素子135a,135bと慣性
体137a,137bが連結されている。また、先端側
に位置する慣性体137aと圧電素子135aはアーム
部10aの基端部に形成された空洞139内に収容さ
れ、この状態で圧電素子135aの後方に位置する移動
体133aがアーム部10aの基端面に連結されてい
る。
【0054】次に、上記構成のアクチュエータ130の
動作原理を説明する。まず、圧電素子135bに電圧を
印加し、図15の(b)に示すように圧電素子135b
をハウジング2の軸方向に急速に収縮させると、移動体
133a,133b間の距離が大きくなり、その結果、
板ばね132が撓んでハウジング2への圧接力が低下す
る。そのため、移動体133a,133bを含むアクチ
ュエータ130全体がが右方向に大きく移動する(図1
1の(b))。その後、図15の(b)から(c)にか
けて示すように、圧電素子135bを急速に伸長させる
と、2つの移動体133a、133b間の距離が元に戻
る。この場合、板ばね132のハウジング2への圧接力
が増加するので、アクチェータ120の移動量は0であ
る。
【0055】このように圧電素子135bに図16に示
すような駆動波形を印加し急速な伸縮を繰り返すこと
で、その振動周波数に応じた板ばね132の撓みによる
ハウジング2への圧接力の変化とその時の慣性力とでア
クチュエータ130は右方向へ移動することができる。
また、圧電素子135aを駆動することで、図15の
(d)〜(e)に示すようにアクチュエータ130を左
方向に移動することができる。
【0056】上記構成のアクチュエータ130は、圧電
素子135の変形に伴って板ばね132が撓み、板ばね
132とハウジング2との摩擦力が低下している時に移
動できるるとともに、圧電素子135の1回の変形時の
移動量が大きくかつ一方向への移動における圧電素子1
35の変形を伸長・収縮ともに急速変形できるため、図
17に示す従来の駆動波形より高い周波数での駆動が可
能となることから、アクチュエータ130の移動速度を
飛躍的に高めることができる。
【0057】図18は本発明の第11の実施例を示した
ものである。本実施例の急速変形圧電アクチュエータは
レンズ枠10自体を移動体(M)として兼用するもので
ある。このレンズ枠10が嵌められている鏡筒15のう
ちレンズ枠10が摺動する部分は図18の(b)に示す
ごとく2重構造になっている。すなわち、先端構成部3
2に接する鏡筒15の部分は樹脂等の十分な弾性を有す
る弾性管15aであり、この弾性管15aは先端構成部
32に接着固定されている。そして、この弾性管15a
の内側に硬質円管15bが嵌められている。
【0058】図18の(b)に示すように、硬質円管1
5bの側面には軸方向に沿ってスリット149が切られ
ている。硬質円管15bの内径はここに嵌められるレン
ズ枠10の外径よりもやや小さめに設計されている。慣
性体6と圧電素子4は図18の(c)に示すように円筒
状に形成され、対物光学系12の光軸と同軸に配置され
ている。また、慣性体6と圧電素子4は鏡筒15の壁部
に形成したスペース148に配置される。
【0059】なお、図18(d)に示すように、圧電素
子4を棒状のものとして、これが複数本、レンズ枠(移
動体)10と慣性体6との間に架設するようにしても良
い。この際、光軸に対して各圧電素子4…を対称的に設
けると良い。
【0060】上記構成では、レンズ枠10がきつい嵌め
合いによって、鏡筒15にはめられているが、硬質円管
15bはスリット149と弾性管15aとによって適度
な弾性で周方向に拡張してレンズ枠10と圧接すること
ができる。また、レンズ枠(移動体)10と圧電素子4
と慣性体6とからなるアクチュエータがレンズ枠10の
径内にあるため、第1の実施例に比べてアクチュエータ
をコンパクトに設けることができ、レンズ枠10の移動
が安定する。
【0061】図19に示す内視鏡20は、前述した第1
の実施例と同様の構成に、自動絞り機構150を付加し
たものである。
【0062】すなわち、移動体3と共に移動するレンズ
枠10にテーパピン151を取り付け、このテーパピン
151がレンズ枠10と共に移動するようになってい
る。テーパピン151は光軸に平行でありレンズ枠10
より前方へ突出して配置されている。
【0063】絞り機構150は図20に示すように交差
する2枚の絞り羽根153からなる。この2枚の絞り羽
根153は、その交差部を固定軸156で枢着してな
り、その脚部153a間にテーパピン151のテーパ部
151aが嵌入している。各脚部153aは,スプリン
グ161によって閉じる向きに付勢され、テーパピン1
51のテーパ部151aの外周面に対して常に追従して
圧接しており、2枚の絞り羽根153の交差角度を決定
している。つまり、絞り機構150の絞り部160の開
度は、絞り羽根153の各脚部153aが圧接するテー
パピン151のテーパ部151aの径の大きさによって
定まる。
【0064】また、2枚の絞り羽根153は、図21に
示すように、小穴163を有する1枚の羽根としても良
い。この場合も、固定ピン162に片側が固定されたス
プリング161によって絞り羽根153の脚部153a
がテーパピン151のテーパ部151aの外周に圧接さ
れている。
【0065】図21の(a)のように、テーパピン15
1のテーパ部151aの径の大きさが大きい時には絞り
羽根153が合焦レンズ36の外にあるので、絞りが開
いた状態となる。また、テーパ部151aの径の大きさ
が小さい時には絞り羽根153が合焦レンズ36の正面
にかぶさり、小穴163によって絞られた状態になる。
なお、絞り動作だけを行い、合焦レンズ36を固定し
たい場合は、移動体3とレンズ枠10は切り離してお
き、移動体3とテーパピン151だけが連結されていれ
ば良い。
【0066】上記構成では、移動体3によりレンズ枠1
0が移動すると、それに伴って合焦レンズ36が移動し
て合焦するとともに、絞り160の開度が調節される。
したがって、合焦操作に追従してそれに的した絞り16
0の開度が自動的に決まる。図22は図19の変形例を
示したものである。先端構成部32の壁部には棒状部材
171が両端を固定された状態で取り付けられている。
図22の(a)に示すように、移動体170と圧接部材
172が棒状部材171を把持している。移動体170
の一端には圧電素子4の一端が取り付けられ、圧電素子
4の他端には慣性体6が取り付けられている。移動体1
70はレンズ枠10と一体に形成されている。移動体1
70の一部にはテーパピン151が取り付けられてい
る。テーパピン151は光軸に平行でありレンズ枠10
より前方へ突出して配置されている。移動体170と圧
接部材172とはゴム等からなる2つの弾性部材17
5,175によって繋がれている。移動体170と圧接
部材172と弾性部材175とで形成する円形の穴18
0は、棒状部材171の外径よりも若干小さな寸法に設
計され、その穴180の中に棒状部材171を挿入され
ることにより、弾性部材175の弾性変形によって穴1
80が拡がり移動体170と圧接部材172とが棒状部
材171を把持する。それ以外の構成は図19と同一で
ある。
【0067】この構成では、棒状部材48が移動体17
0の移動路となっており、弾性部材175の弾性力によ
って圧接部材172と移動体170とが棒状部材171
を適度にグリップしている。そして、移動体170が移
動することによって、レンズ枠10と合焦レンズ36が
移動して合焦するとともに絞り160の開度が調節され
る。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の急速変形
圧電アクチュエータは、これを構成する部材に寸法公差
のばらつきがあっても、こうしたばらつきは移動体をハ
ウジングに対して圧接する圧接力付与手段の弾性によっ
て吸収されるため、ハウジングと移動体との間の摩擦力
が大きく異なることはなく、その性能が殆どばらつくこ
とはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施例の急速変形圧電
アクチュエータの断面図、(b)は(a)のAーA線に
沿う断面図、(c)は(a)のアクチュエータが装着さ
れた内視鏡の部分断面図である。
【図2】図1の急速変形圧電アクチュエータの動作原理
を示す概念図である。
【図3】図1の急速変形圧電アクチュエータを駆動させ
る駆動波形を示す波形図である。
【図4】本発明の第2の実施例の急速変形圧電アクチュ
エータを示し、(a)は(b)のBーB線の矢印の方向
から見た矢視図、(b)はアクチュエータの断面図であ
る。
【図5】(a)は本発明の第3の実施例の急速変形圧電
アクチュエータの断面図、(b)は(a)のCーC線に
沿う断面図である。
【図6】本発明の第4の実施例の急速変形圧電アクチュ
エータの概略構成図である。
【図7】図6の急速変形圧電アクチュエータのハウジン
グの変形例を示す斜視図である。
【図8】図6の急速変形圧電アクチュエータのハウジン
グの変形例を示す断面図である。
【図9】(a)は本発明の第5の実施例の急速変形圧電
アクチュエータの断面図、(b)は(a)のDーD線に
沿う断面図、(c)は(a)のアクチュエータの側面図
である。
【図10】(a)は本発明の第6の実施例の急速変形圧
電アクチュエータの断面図、(b)は(a)のEーE線
に沿う断面図である。
【図11】本発明の第7の実施例の急速変形圧電アクチ
ュエータの断面図である。
【図12】図12の急速変形圧電アクチュエータの変形
例を示す断面図である。
【図13】(a)は本発明の第8の実施例の急速変形圧
電アクチュエータの断面図、(b)は(a)のFーF線
に沿う断面図である。
【図14】(a)は本発明の第9の実施例の急速変形圧
電アクチュエータの断面図、(b)は(a)のGーG線
に沿う断面図である。
【図15】本発明の第10の実施例の急速変形圧電アク
チュエータの断面図である。
【図16】図15の急速変形圧電アクチュエータを駆動
させる駆動波形を示す波形図である。
【図17】従来の駆動波形を示す波形図である。
【図18】(a)は本発明の第11の実施例の急速変形
圧電アクチュエータの断面図、(b)は(a)のHーH
線に沿う断面図、(c)はアクチュエータの要部を示す
斜視図、(d)は(c)の変形例を示す斜視図である。
【図19】本発明の急速変形圧電アクチュエータを有す
る内視鏡の応用例を示す断面図である。
【図20】絞り機構の概略構成図である。
【図21】絞り機構の概略構成図である。
【図22】(a)本発明の急速変形圧電アクチュエータ
を有する内視鏡の他の応用例を示す断面図、(b)は棒
状部材の係合位置の断面図である。
【符号の説明】
1,50,60,70,80,90,100,110,
120,130…急速変形圧電アクチュエータ、2…ハ
ウジング、3…移動体、4…圧電素子、6…慣性体、
9,72,89…スリット(圧接力付与手段)、51…
空洞部、59…ばね(圧接力付与手段)、74,75…
永久磁石(圧接力付与手段)、123,132…板ばね
(圧接力付与手段)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に嵌合状態で摩擦力により
    保持された移動体に印加電圧によって軸方向に伸縮可能
    な圧電素子を介して慣性体を固定して成り、前記圧電素
    子が軸方向に急速に変形したときの前記慣性体の慣性力
    と前記移動体が前記ハウジングの内面から受ける摩擦力
    との差を利用して軸方向に移動する急速変形圧電アクチ
    ュエータにおいて、前記移動体と前記ハウジングの少な
    くとも一方に弾性的な付勢力によって移動体とハウジン
    グとを圧接させる圧接力付与手段を設けたことを特徴と
    する急速変形圧電アクチュエータ。
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