JP3204793B2 - 内視鏡装置 - Google Patents

内視鏡装置

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JP3204793B2
JP3204793B2 JP10144893A JP10144893A JP3204793B2 JP 3204793 B2 JP3204793 B2 JP 3204793B2 JP 10144893 A JP10144893 A JP 10144893A JP 10144893 A JP10144893 A JP 10144893A JP 3204793 B2 JP3204793 B2 JP 3204793B2
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一朗 高橋
雅巳 浜田
敬一 荒井
裕 龍野
謙二 吉野
康弘 植田
栄 竹端
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印加電圧による圧
電素子(電歪素子を含む)の伸縮動作を利用して移動体
を操作するようにした内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】印加電圧による圧電素子(電歪素子を含
む)の伸縮動作を利用して移動体を操作するようにした
圧電アクチュエータとして、例えば、特公平4−520
70号公報に示すようなものがある。これは、静止部位
の面に対して摺動可能に摩擦係合される移動体に、圧電
素子における伸縮軸方向の一端を固定し、この圧電素子
の伸縮軸方向の他端に慣性体を固定した構成になってい
る。
【0003】この種の圧電アクチュエータは圧電素子を
急激に伸長または収縮させたときの慣性体に生じる慣性
作用の結果生じる慣性力が移動体に加わることにより移
動体は固定部の面に対して摺動し、微小ずつ移動する動
作を行なうようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の圧電アクチ
ュエータにあってはその圧電素子の伸縮軸方向の一端に
移動体を固定し、この圧電素子の伸縮軸方向の他端に慣
性体を固定する構成になっているので、それを構成する
部品点数が増え、かつ圧電アクチュエータ全体が大型化
し、これを利用する機器の設計上の問題となりやすい。
また、加工や組み立てのコストが大きくなるという問題
があった。
【0005】本発明は前記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、構成部品数を減らし、加
工、組み立てのコストを低減することができるととも
に、組み込むアクチュエータ全体を小形化でき、これを
適用する際の組み込みが容易な構成とした内視鏡装置を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
光学系の光軸を中心として回転する回転体と、伸縮方向
が前記光学系の光軸を中心とする仮想円の接線方向とな
るように前記回転板に配設され、伸縮することで前記回
転板を回転させる圧電素子と、前記回転体の回転に応じ
て所定の軸を中心として回転し、前記光学系の光束を絞
る絞りとを具備することを特徴とする内視鏡装置であ
る。
【0007】請求項2に係る発明は、光学系を保持する
レンズ枠と、前記光学系の光軸方向に沿って形成された
溝を有し、前記レンズ枠を前記光学系の光軸方向に移動
可能に保持する鏡筒と、この鏡筒の溝の側面に対して弾
性的に圧接し、前記レンズ枠と連結する移動体と、伸縮
方向が前記光学系の光軸方向となるように前記移動体に
配設され、伸縮することにより前記移動体が前記溝内で
移動して、前記レンズ枠を前記鏡筒に対して移動させる
圧電素子とを具備することを特徴とする内視鏡装置であ
る。
【0008】請求項3に係る発明は、光学系を保持する
レンズ枠と、前記レンズ枠を前記光学系の光軸方向に移
動可能に保持する鏡筒と、前記レンズ枠と前記鏡筒との
間に形成される隙間部と、この隙間部に配設され、前記
レンズ枠と連結する移動体と、伸縮方向が前記光学系の
光軸方向となるように前記移動体に配設され、伸縮する
ことにより前記移動体が前記隙間部内で移動して、前記
レンズ枠を前記鏡筒に対して移動させる圧電素子とを具
備することを特徴とする内視鏡装置である。
【0009】請求項4に係る発明は、前記圧電素子は、
前記レンズ枠の回りに配置するように環状に形成されて
いることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡装置であ
る。
【0010】
【作用】圧電素子に駆動電圧を印加することにより、こ
の圧電素子を伸縮動作させ、この圧電素子の伸縮動作に
よって移動体を移動する衝撃力を発生し、この移動体を
静止部位に対して移動させるようにしたものである。
【0011】
【実施例】本発明で採用する圧電アクチュエータの基本
的な概念的構成とその動作について、図1ないし図4を
参照して説明する。ここでは移動体を回転体とした回転
装置についてのものであり、回転装置は、移動体1とし
てのリング状の回転体2を有してなり、この回転体2は
静止部材3の上面に載置されている。回転体2にはこれ
の仮想中心円の接線方向にその伸縮軸方向を向けて設置
した一対の積層型圧電素子4が左右点対称に設けられて
いる。つまり、回転体2の中心に対して同じ向きで設置
されている。
【0012】圧電素子4はその伸縮軸方向の一端が固定
部材5を介して前記回転体2に固定されている。この積
層型圧電素子4の積層した各圧電素材には並列に電極が
接続されている。この一方の電極にはリード線6が接続
され、他方の電極にはリード線7が接続されている。な
お、固定部材5を介してリード線を接続するようにして
もよい。
【0013】前記積層型圧電素子4の他端側部分は自由
端となっており、これには別の部材としての慣性体を実
質的に設けない。ここで、別の部材としての慣性体を実
質的に設けないという意味は、慣性体としての作用を期
待しない部材を設ける場合や例えば弾性部材で、その圧
電素子22の部分を保持したりするような場合を否定す
ることではない。
【0014】次に、前記構成の回転装置における圧電ア
クチュエータの作用について説明する。まず、図3
(A)で示す波形の第1の駆動電圧を印加する場合につ
いて説明する。この場合、圧電アクチュエータは図4
(A)のa,b,aの手順で動作する。
【0015】最初、図3(A)のaで示すように、移動
体1としての回転体2は静止部材3の上面に圧接され、
摩擦係合された状態で静止している。
【0016】そして、この状態で、図3(A)で示す波
形の駆動電圧を印加すると、その波形のa領域では圧電
素子4はゆっくり縮み、b領域では急激に伸びるという
サイクルを繰り返す。
【0017】すなわち、駆動波形のa領域で、圧電素子
4はゆっくりと縮むため、この場合、移動体1は静止部
材3の上面に摩擦力で係合された状態で固定され続け
る。また、駆動波形のb領域では、圧電素子4が急激に
伸びるため、次の理由によって移動体1は図4中の左方
向へ移動体1を押圧する衝撃力が発生する。つまり、圧
電素子4自身の質量に伴う慣性力が発生し、移動体1は
この圧電素子4からの衝撃力によって図4中の左方向へ
微小量移動する。この場合、圧電素子4の自重と移動体
1の質量との両者により決まる重心を不動点として図4
(A)のbに示すように図中左方向へ微小量移動する。
この後のa領域では、圧電素子4は、ゆっくりと縮む。
これを繰り返すことにより前記重心位置を図中左方向へ
微小量づつ移動する。
【0018】一方、図3(B)で示す波形の第2の駆動
電圧を印加する場合には図4(B)のc,d,cの手順
で動作する。この駆動波形でのc領域では圧電素子4が
ゆっくり伸び、d領域では急激に縮むサイクルをくり返
す。そして、駆動波形のc領域で圧電素子4がゆっくり
伸びる場合には移動体1は図4(B)のcに示すように
静止部材3との接触面の摩擦力で静止したままの状態で
保持される。
【0019】さらに、駆動波形のd領域で圧電素子4が
急激に縮むが、この場合にはその圧電素子4の急激な収
縮動作によって移動体1を図4(B)中で右方向に引っ
張る衝撃力が発生するため、移動体1はこの圧電素子4
からの衝撃力によって圧電素子4の自重と移動体1の質
量とにより決まる重心を不動点として図4(B)のdに
示すように図中右方向に移動する。
【0020】したがって、この圧電アクチュエータのユ
ニットとしての動作は、圧電素子4に図3の(A)の波
形の第1の駆動電圧が印加される場合には移動体1が図
4中で左方向へ移動し、回転体2は左回りに回転する。
圧電素子4に図3の(B)の波形の第2の駆動電圧を印
加する場合には移動体1が図4中で右方向へ移動し、回
転体2は右回りに回転する。
【0021】この各圧電アクチュエータは、移動体1と
しての回転体2に対して同じ向きに回転モーメントとし
て働き、回転体2をその中心回りに回転させる。
【0022】ここで、回転体2に回転モーメントを与え
る向きの衝撃力を与える構成とする圧電アクチュエータ
を回転体2と圧電素子4のみとによって構成し、従来の
圧電アクチュエータで使用されていた慣性体を設けるこ
と省略したから、従来の圧電アクチュエータに比べてそ
の構成部品数を減らし、加工、組み立てのコストを低減
することができるとともに、圧電アクチュエータユニッ
トの全体的な構成を小形化することができる。したがっ
て、これを適用する機器への組み込みが容易であり、ま
た、外部から機械的な衝撃を受けた際に過大な衝撃が少
なく圧電素子が破損しにくい。
【0023】なお、回転体2に設ける一対の積層型圧電
素子4の向きを左右線対称、つまり、第1の実施例での
一方のみの積層型圧電素子4の向きを逆にして設置し、
一方の圧電素子4には図3の(A)の波形の駆動電圧を
印加し、同時に他方の圧電素子4には図3の(B)の波
形の駆動電圧を印加しても同様に回転体4を回転させる
ようにすることができる。
【0024】また、圧電素子4に印加する駆動電圧の波
形としては、図5や図6で示すような波形の駆動電圧で
も駆動可能である。図5(A)の駆動波形の電圧を圧電
素子4に印加した場合には電圧の時間微分値が不連続に
反転する点(圧電素子4の運動が伸び方向から急に縮み
方向に変わる点)Pで、移動体1が左方向に滑る。この
ときのステップ移動量は通常数μm以下程度になる。図
5(A)の駆動波形の電圧を圧電素子4に印加した場合
には電圧の時間微分値が不連続に反転する点(圧電素子
4の運動が縮み方向から急に伸び方向に変わる点)P
で、移動体2が右方向に滑る。駆動波形の他の点では滑
らない。
【0025】図6で示すような波形でも、前述した図3
で示した場合のものと同様に駆動可能であるが、(A)
で示す波形では左方向へ移動し、(B)で示す波形では
右方向へ移動する。
【0026】また、図7は上記回転装置の変形例の構成
を概念的に示すものであり、この例では前述した積層型
圧電素子4の代わりにバイモルフ型圧電素子9を用いた
ものである。
【0027】バイモルフ型圧電素子9は箔状の電極を挟
んで2枚の圧電結晶板を貼り合わせ、各圧電結晶板の外
面にもそれぞれ箔状の電極を貼り付けたものである。そ
して、中間の電極と両外側の電極との間に電圧を印加す
ると、その極性に応じて一方の圧電結晶板は伸び、他方
の圧電結晶板は収縮することによって全体的に曲がる。
【0028】この実施例の場合、バイモルフ型圧電素子
9は4つ設けられており、各圧電素子9はそれぞれの一
端が固定部材5を介して回転体2に取着される片持ち梁
状に取り付けられている。さらに、各バイモルフ型圧電
素子9は回転体2の中心から外側に向かって放射状に、
回転体2の中心に対して同じ向きで点対称的に設置され
ている。
【0029】各バイモルフ型圧電素子9に対する通電手
段は各圧電素子9から導出するリード線を用いてもよい
が、図7(B)で示すように一方の電極については固定
部材5および静止部材3を介して導通し、他方の電極に
ついては、透明な円板状のガラス電極11から弾性を有
する電極子12を突出してこれを圧電素子9の他方の電
極に摺接させて導通させる。このようにすれば、リード
線を用いなくとも通電できて何度でも回転体2を回転す
ることができる。
【0030】図8および図9は内視鏡のTVカメラ用ア
ダプタにおける絞り機構に回転装置を適用した第1の実
施例を示すものである。図8において、アダプタ20は
その鏡筒21の一端部に内視鏡22の接眼部23に対し
て着脱される第1の装着部24を設け、鏡筒21の他端
部にはTVカメラ25を着脱自在に装着する第2の装着
部26を設けている。アダプタ20の鏡筒21には焦点
調節機構27と絞り機構28とが設けられている。焦点
調節機構27は調節環29を回転することにより、レン
ズ群30の光軸L上の位置を変えることにより焦点調節
を行う。
【0031】前記絞り機構28は前述したような回転装
置と同様な機構によって後述するように絞り機構部分の
複数の絞り羽根35を回動して絞り量を調節する。次
に、この絞り機構28について具体的に説明する。図9
で示すように、光軸Lを中心として回転するリング状の
回転円板36を設け、この回転円板36の一面には、移
動体37が設けられ、この移動体37には積層型圧電素
子38が取付け固定されている。
【0032】この圧電素子38の伸縮軸方向は光軸Lを
中心とする仮想円の接線方向に向けて設置されている。
圧電素子38は圧電素子枠39に形成した溝40内に配
置されている。
【0033】そして、移動体37は回転円板36と一体
となって実質的な回転移動体を構成している。また、移
動体37は鏡筒21の枠部41の壁面に圧接して摺動す
るように取り付けられている。また、回転円板36は圧
電素子枠39の壁面にも圧接して摺動するように取り付
けられている。つまり、鏡筒21の枠部41および圧電
素子枠39は一体的な静止部材を構成している。しかし
て、圧電素子38に前述したような駆動電圧を印加する
ことにより回転円板36を回転できる構成となってい
る。
【0034】絞り羽根35は3枚、等間隔で設けられ、
各絞り羽根35は絞り押え部材40aによって押えられ
るとともに、その絞り押え部材40aに立設された支持
ピン41aによって中間部分が枢着されている。絞り羽
根35の基端は回転円板36に立設した駆動ピン42に
連結されている。回転円板36を回転すれば、支持ピン
41を中心として絞り羽根35が回転し、絞り量を調節
する。
【0035】前記回転円板36には、圧電素子枠39と
絞り押え部材40との間に架設したピン43を嵌め込む
ガイド孔44が設けられている。そして、ガイド孔44
の両端でピン43の移動を規制し、回転円板36の回動
範囲を規制するようになっている。
【0036】なお、前記実施例では回転円板36とは別
に移動体37を設けたが、図10で示すように回転円板
36の部材に対して圧電素子38を直接に取り付けても
よい。また、回転円板36の一部に突設した部分39a
を鏡筒21の枠部41の壁面に圧接して摺動するように
する。また、図11で示すように複数の圧電素子38を
光軸Lを中心として点対称に設けてもよい。
【0037】図12は腹腔外科手術用マニピュレータ5
1に関してのものである。これは複数のアーム52をボ
ールジョイント53で順次連結してマニピュレータ51
を構成する。さらに、移動する各アーム52の先端に積
層型の圧電素子50を取り付ける。移動するアーム52
はボールジョイント53を中心として摺動回動する回転
移動体として機能させる。前述したような駆動電圧を圧
電素子50に印加することによりその圧電素子50は伸
縮駆動することによりそれぞれのアーム52を回動する
アクチュエータ54を構成している。
【0038】マニピュレータ51の先端には処置案内管
55を保持している。この処置案内管55は処置用ハサ
ミ等の処置具56を患者57の手術部位に導入したり、
これに吸引管58を接続して吸引処置をしたりするもの
である。各マニピュレータ51は手術台59の左右部位
にそれぞれ取り付けられている。
【0039】しかして、手術を行う場合、処置案内管5
5や吸引管58の位置や傾き等を変える場合には前記移
動アクチュエータ54を作動させる。この移動アクチュ
エータ54はその圧電素子50を急速変形させると、こ
れがある位置側とは反対側への慣性力を受けてボールジ
ョイント53を中心としてアーム52を回動する。
【0040】普段、各アーム52はボールジョイント5
3の静止摩擦力で保持される。各移動アクチュエータ5
4の全部または一部を駆動し、さらにはその移動量を調
節することによりマニピュレータ51のアーム52の位
置や傾きを変え、処置案内管55の位置や傾き等を変え
ることができる。
【0041】図13ないし図14は定位脳手術装置につ
いてのものであり、これは前記同様の原理の移動アクチ
ュエータを定位脳手術装置に適用した例である。定位脳
手術装置60は図13で示すように固定台61に支持具
62を介して手術用環63が取り付けられている。この
手術用環63は患者64の頭部を確実に保持する。この
定位脳手術装置60には互いに交差する水平ガイドアー
ム65と垂直ガイドアーム66とが装着されている。水
平ガイドアーム65の基端側部分は位置決め装置67を
介して手術用環63に取り付けられている。この位置決
め装置67はその水平ガイドアーム65の基端を回動自
在に支持してその回動角αを調整できるようになってい
る。また、垂直ガイドアーム66の基端側部分は保持具
68に挾持され、その長手方向βへ摩擦力を受けながら
摺動できるように支持されている。さらに、保持具68
自体は手術用環63に取り付けられている支持台69に
対して水平面内でのγ方向へ摩擦力を受けながら回転す
るように設けられている。
【0042】水平ガイドアーム65と垂直ガイドアーム
66の交差部には、移動アクチュエータ保持用の固定枠
71が取り付けられている。この固定枠71には水平駆
動用移動アクチュエータ72と垂直駆動用移動アクチュ
エータ73が取り付けられている。水平駆動用移動アク
チュエータ72は固定枠71に対して水平方向へ沿った
積層型圧電素子74を取着してなり、固定枠71側を移
動体として機能させるようになっている。垂直駆動用移
動アクチュエータ73は固定枠71に対して垂直方向へ
沿った積層型圧電素子76を取着してなり、固定枠71
側を移動体として機能させるようになっている。つま
り、水平駆動用移動アクチュエータ72の移動体が移動
するときに受ける摩擦力は水平ガイドアーム65の案内
摺接面で主に発生する。また、垂直駆動用移動アクチュ
エータ73の移動体が移動するときに受ける摩擦力は、
垂直ガイドアーム66の基端側部分が保持具68に挾持
されて摺接する面で主に発生させるようにしている。
【0043】固定枠71には処置具としての硬性鏡80
を取り付ける取付け台がガイドレール79によってスラ
イド自在に取り付けられている。取付け台は硬性鏡80
や超音波装置などの処置具81はゴムリングなどを使用
して保持される。さらに、取付け台78にも移動アクチ
ュエータ82が装着されている。移動アクチュエータ8
2は取付け台78の移動方向へ沿って配置した積層型圧
電素子83を取着してなり、取付け台78側をその移動
体として機能させるようになっている。つまり、この移
動アクチュエータ82を作動させることにより取付け台
78を移動させる。このときの摩擦力はガイドレール7
9から受ける。85は吸引装置を組み込んだ超音波装置
用電源である。
【0044】前記各移動アクチュエータ72,73,8
2は前述した場合と同様に駆動電圧を印加することによ
り固定枠71または取付け台78を移動させることがで
きる。移動アクチュエータ72,73を駆動すれば、固
定枠71を上下水平両方向X,Yへ移動できる。なお、
水平ガイドアーム65上を動くときには保持具68の回
転中心の回りに回転しながら垂直ガイドアーム66がそ
の保持具68に挾持されながら上下し、かつそれに追従
して固定枠71は水平ガイドアーム65に沿って摺動す
る。このようにして固定枠71の位置を選択調整でき
る。
【0045】図15は内視鏡のチャンネル入口用口金に
圧電アクチュエータを組み込んだ送り装置を装着した例
である。送り装置94は円筒状の取付け枠95を有し、
この先端には内視鏡のチャンネル入口用口金に係着する
接続口部96が形成されている。なお、この係着手段と
しては嵌合やねじ込み等の方式が利用される。
【0046】前記移動アクチュエータ93は、移動体と
しての保持リング部材97とこれに取着される筒状の積
層型圧電素子91とによって構成されている。保持リン
グ部材97は、使用する処置具98の周面に密接する内
径で形成され、その処置具98との間に摩擦力を発生さ
せて処置具98を保持するようになっている。積層型圧
電素子91はその処置具98の周面に触れない内径で形
成されている。一般的にはその保持リング部材97は積
層型圧電素子91より大きな質量をもつように形成され
ている。
【0047】また、移動体としての保持リング部材97
は、弾性体99を介して内視鏡の固定部位に支持されて
いる。すなわち、保持リング部材97の周面は、取付け
枠95の内面に対して弾性体99を介して弾性的に支持
されている。この弾性体99としては、例えば、ばね
材、弾性ゴム、流体を入れたバルーンなどが考えられ
る。前記積層型圧電素子91の電極にはリード線92が
接続されており、このリード線92は、前記圧電素子9
1に移動用電圧を印加するための印加電圧制御部93a
に接続されている。
【0048】しかして、圧電素子91を急速変形させる
と、移動体たる保持リング部材97のみが移動する。処
置具98は停止したままであり、弾性体99は変形す
る。ところが、保持リング部材97は、その変形する弾
性体99によって支持されているため、その後、保持リ
ング部材97が弾性体99の弾性復元力によって元の位
置に引き戻されるとき、処置具98をその間の摩擦力で
保持して移動させる。また、圧電素子91はゆっくりと
引き戻される。これを繰り返すことにより処置具98は
自動的に挿入または後退させることができる。保持リン
グ部材97は移動せず、長尺な処置具98のみを大きく
移動させることができる。
【0049】また、その移動させる向きは、前述したよ
うに圧電素子91に印加する波形を変えることによって
選択できる。
【0050】図16ないし図17は本発明の第2の実施
例を示すものである。前述したTVカメラ用アダプタ2
0における焦点調節機構27を圧電アクチュエータ10
0によって駆動するようにしたものである。すなわち、
アダプタ20の鏡筒21内にレンズ群30を保持するレ
ンズ枠101を光軸L方向へ移動自在に設け、このレン
ズ枠101のアーム部102には連結部材103を介し
て圧電アクチュエータ100の移動体104を連結す
る。
【0051】圧電アクチュエータ100の移動体103
は、鏡筒21に光軸L方向に沿って長く形成された溝孔
104a内に配置される。移動体103は基部から後方
へ延出する複数の脚部105を有し、この脚部105は
溝孔104aの側面に対して弾性的に圧接する。移動体
103の基部には後方へ突出するように積層型圧電素子
106が取り付けられている。積層型圧電素子106の
後端には、駆動信号を伝送するリード線107が設けら
れている。
【0052】しかして、積層型圧電素子106に対して
前述したような駆動電圧を印加することにより圧電アク
チュエータ100を移動させる。この圧電アクチュエー
タ100に連結部材103を介して連結されるレンズ枠
101はその方向へ移動させられる。この結果、焦点調
節を行うことができる。本発明は外部からの機械的な操
作機構を利用しないで焦点調節を行うことができるの
で、外部からのシール性のよい構成としやすい。なお、
この実施例は焦点調節ではなく、変倍調節にも適用でき
る。
【0053】また、図18で示すものは本発明の第2の
実施例のTVカメラ用アダプタ20の変形例であり、そ
のアダプタ20の鏡筒21に対して撮像素子108を組
み込んだ形式であり、このため、機能的にはTVカメラ
を構成する。
【0054】図19は本発明の第3の実施例を示すもの
である。前述したものと同様、TVカメラ用アダプタ2
0における焦点調節機構27を圧電アクチュエータ10
0によって駆動するようにしたものであるが、圧電アク
チュエータ100の積層型圧電素子106をレンズ枠1
01の回りに配置される筒(環)状のものとして形成し
た。また、積層型圧電素子106はレンズ枠101に支
持部材109を介して取着される。レンズ枠101は鏡
筒21の内面に摺動する移動体として機能する点が異な
る。
【0055】なお、本発明は前記各実施例のものに限定
されるものではなく、要旨を変更しない範囲で種々の変
形が可能である。また、圧電素子のみとは実質的に圧電
素子のみで構成されることを意味する。慣性体としての
作用を期待しない、例えば弾性部材で圧電素子を保持す
るようなものも含むものである。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、構
成部品数を減らし、加工、組み立てのコストを低減する
ことができると共に、組み込むアクチュエータ及び内視
鏡全体の小形化が可能であり、また、アクチュエータの
組み込み構成が容易な内視鏡装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転装置の概念的な構成を示す平面図。
【図2】上記回転装置の概念的な構成を示す正面図。
【図3】圧電アクチュエータの圧電素子に印加する駆動
信号の波形図。
【図4】前記駆動信号を印加したときの圧電アクチュエ
ータの動作説明図。
【図5】圧電アクチュエータの圧電素子に印加する他の
駆動信号の波形図。
【図6】圧電アクチュエータの圧電素子に印加する異な
る他の駆動信号の波形図。
【図7】(A)は上記回転装置の変形例の概念的な構成
を示す平面図、(A)はその例の構成を示す正面図。
【図8】内視鏡のTVカメラ用アダプタにおける絞り機
構に適用した第1の実施例を示す断面図。
【図9】本発明の第1の実施例の要部を説明した説明
図。
【図10】本発明の第1の実施例の変形例の要部を説明
した説明図。
【図11】本発明の第1の実施例の他の変形例の要部を
説明した説明図。
【図12】腹腔外科手術用マニピュレータの説明図。
【図13】定位脳手術装置のマニピュレータの説明図。
【図14】上記定位脳手術装置のマニピュレータの要部
を示す斜視図。
【図15】送り装置の断面図。
【図16】本発明の第2の実施例に係るTVカメラ用ア
ダプタの断面図。
【図17】本発明の第2の実施例の要部を示す断面図。
【図18】本発明の第2の実施例の変形例に係るTVカ
メラ用アダプタの断面図。
【図19】本発明の第3の実施例に係るTVカメラの断
面図。
【符号の説明】
20…アダプタ、21…鏡筒、22…内視鏡、23…接
眼部、24…第1の装着部、25…TVカメラ、26…
第2の装着部、27…焦点調節機構、28…絞り機構、
35…絞り羽根、36…回転円板、37…移動体、38
…積層型圧電素子、39…圧電素子枠、41…鏡筒の枠
部、41a…支持ピン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 敬一 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 龍野 裕 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 吉野 謙二 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 植田 康弘 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 竹端 栄 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−11074(JP,A) 特開 平4−179912(JP,A) 特開 昭63−299785(JP,A) 特開 平3−129312(JP,A) 特開 昭61−126526(JP,A) 特開 昭64−42623(JP,A) 特開 昭64−2028(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/00 A61B 1/04 362 G02B 23/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学系の光軸を中心として回転する回転体
    と、伸縮方向が前記光学系の光軸を中心とする仮想円の
    接線方向となるように前記回転板に配設され、伸縮する
    ことで前記回転板を回転させる圧電素子と、 前記回転体の回転に応じて所定の軸を中心として回転
    し、前記光学系の光束を絞る絞りとを具備することを特
    徴とする内視鏡装置。
  2. 【請求項2】光学系を保持するレンズ枠と、 前記光学系の光軸方向に沿って形成された溝を有し、前
    記レンズ枠を前記光学系の光軸方向に移動可能に保持す
    る鏡筒と、 この鏡筒の溝の側面に対して弾性的に圧接し、前記レン
    ズ枠と連結する移動体と、 伸縮方向が前記光学系の光軸方向となるように前記移動
    体に配設され、伸縮することにより前記移動体が前記溝
    内で移動して、前記レンズ枠を前記鏡筒に対して移動さ
    せる圧電素子とを具備することを特徴とする内視鏡装
    置。
  3. 【請求項3】光学系を保持するレンズ枠と、 前記レンズ枠を前記光学系の光軸方向に移動可能に保持
    する鏡筒と、 前記レンズ枠と前記鏡筒との間に形成される隙間部と、 この隙間部に配設され、前記レンズ枠と連結する移動体
    と、 伸縮方向が前記光学系の光軸方向となるように前記移動
    体に配設され、伸縮することにより前記移動体が前記隙
    間部内で移動して、前記レンズ枠を前記鏡筒に対して移
    動させる圧電素子とを具備することを特徴とする内視鏡
    装置。
  4. 【請求項4】前記圧電素子は、前記レンズ枠の回りに配
    置するように環状に形成されていることを特徴とする請
    求項3に記載の内視鏡装置。
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