JPH06228498A - 水性塗料組成物 - Google Patents

水性塗料組成物

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JPH06228498A
JPH06228498A JP2031293A JP2031293A JPH06228498A JP H06228498 A JPH06228498 A JP H06228498A JP 2031293 A JP2031293 A JP 2031293A JP 2031293 A JP2031293 A JP 2031293A JP H06228498 A JPH06228498 A JP H06228498A
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resin
water
self
coating film
propenyloxazoline
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JP2031293A
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Masateru Takimoto
政輝 滝本
Minoo Izumi
美納男 泉
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D175/00Coating compositions based on polyureas or polyurethanes; Coating compositions based on derivatives of such polymers
    • C09D175/04Polyurethanes

Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた耐食性、加工性およびリコート性を有
する水性塗料組成物を提供する。 【構成】 (1)自己乳化型ポリウレタンエマルジョン
樹脂、(2)一般式I 【化1】 (上記式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、各々独立
に、水素原子、ハロゲン、アルキル、フェニルまたは置
換フェニル基であり、R5 は、プロペニル基である)で
表されるプロペニルオキサゾリンの重合体樹脂または該
プロペニルオキサゾリンとオキサゾリン基と反応しない
単量体との共重合体樹脂、および(3)自己乳化型エポ
キシ樹脂を含有することを特徴とする水性塗料組成物に
より達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレコートメタル分野
全般およびポストコート分野において利用可能な新規な
水性塗料組成物に関する。より詳しくは、自動車防錆鋼
板用または家電、建材用プライマー鋼板用などの水性塗
料(プライマー)分野において高度の加工性、耐食性お
よびリコート性を有する塗膜を形成する水性塗料組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在までに電気亜鉛めっき鋼板や溶接め
っき鋼板あるいは各種合金めっき鋼板が製造され、家電
製品、自動車、建材などに広く使用されている。こうし
た中で、近年、特に耐食性の優れた表面処理材料に対す
る要求が強くなり、このような鋼板の需要が増加する傾
向にある。
【0003】例えば、自動車業界では、北米などの道路
の凍結防止のためにまく岩塩による腐食、また工業地帯
からのばい煙による酸性雨による腐食など、車体は激し
い腐食環境下にさらされるため、安全上の観点から、優
れた耐食性を有する表面処理鋼板が強く要求されてい
る。
【0004】こうした耐食性を有する表面処理鋼板とし
ては、有機被膜被覆鋼板(プレコート鋼板)がよく知ら
れている。この有機被膜被覆鋼板に用いられる有機被覆
を形成するための水性塗料組成物としては、水溶性、水
希釈性もしくは水分散性のポリエステル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ポリオレフィン系樹脂等は水性であるがゆえ
に、火災や作業環境、汚染の危険性がなく、かつ、その
被膜が優れた機械的強度、可撓性、耐溶剤性を有すると
いう特徴がある反面、水溶性、水希釈性もしくは水分散
性にするために、親水基を多量に含まざるを得ず、特に
耐水性、耐久性などに問題があった。
【0005】近年かかる問題を解決するために硬化剤と
してアミノプラスト樹脂(例えば、水溶性メラミン樹
脂)、エポキシ樹脂、アジリジン系化合物などを配合し
て被膜の上記性能を向上させてなるものが開示されてい
るが、これらにおいても過酷な腐食環境下では、耐食性
は必ずしも十分とは言えず、また、耐食性を確保するた
め塗膜厚みを大きくすると溶接が困難となり、実質的に
自動車用鋼板などには使用することができないものであ
った。
【0006】さらに上記問題を解決するために、特開平
2−99537号には、水分散性のポリウレタン樹脂を
含む重合体Aと付加重合性オキサゾリンおよび必要に応
じて一種以上の他に単量体を重合してなる重合体Bを含
有する水性樹脂組成物が記載されている。該水性樹脂組
成物では、室温において短時間で硬化し、機械的強度、
耐水性、耐溶剤性、耐熱性、耐久性、基材への密着性が
改善できるとするものである。
【0007】しかしながら、該水性樹脂組成物において
は、エマルジョン粒子が1000nm以上の場合、耐久
性がなお充分でなく、さらに形成される被膜のリコート
性も良くないなどの問題があった。
【0008】また、特開昭63−123472号、特開
平3−131371号、特開平4−62150号には、
α−オレフィン−α,β−エチレン性不飽和カルボン酸
共重合体樹脂ディスパージョンを主成分とする水性組成
物を塗布することがそれぞれ記載されている。
【0009】しかしながら、これら水性組成物では、乳
化重合法の場合、乳化剤を含むため耐食性が損なわれる
問題があるほか、アクリル樹脂であるため内部凝集力が
低く平面部、加工部ともに耐食性が良くないなどの問題
もあった。
【0010】さらに特開昭62−109813号には、
カルボン酸塩を有するイソシアネート末端基含有ポリウ
レタンプレポリマーと活性水素含有連鎖延長剤との反応
生成物からできたポリウレタンの水性分散液が記載され
ている。該水性分散液では、市販の水性ポリウレタン分
散体に基づく被膜よりも改善された耐溶剤、耐水性およ
び優れた物理的性質を有するとするものである。
【0011】しかしながら、該ポリウレタンの水性分散
液では、耐加水分解性の悪いポリオールの場合、耐食性
が充分でなく、さらにエマルジョン粒径が1000nm
以上の場合、耐食性が悪く、分散安定性も充分でないこ
となどの問題があった。
【0012】したがって今日までに、過酷な腐食環境下
でも、耐食性に優れ、実質的に自動車用鋼板などに使用
することのできる塗膜を形成する水性塗料組成物はなお
得られていないのが現状である。
【0013】さらに、このようなプレコート鋼板に対し
ては、上述の高防錆性に加えて、電着性、プレス加工
性、スポット溶接性、電着後の耐食性および二次密着性
に優れたものが望まれている。
【0014】従来よりこれらの要求を満たすため、プレ
コート鋼板用被膜塗料組成物に関し改良が成されてお
り、例えば、特開昭62−73938号、同62−28
3161号、同64−65179号等では、シリカを含
有させることによる電着適正付与手法が開示されている
が、実際上電着適正を得るためには、シリカ含有量2
7.5%以上が必要であり、このようなシリカ含有量で
はプレス加工性、スポット溶接性が低下し、さらに、脱
脂工程でのシリカの溶解脱落による処理むらの発生があ
る。また、特開昭62−283161号等では、親水性
樹脂(ポリアミド樹脂等)を含有させることによる電着
適正付与手法が開示されているが、電着適正を得るため
には、親水性樹脂の含有量を5〜40%配合しなければ
ならず、耐食性が劣り、また使用溶剤が限定され(ジベ
ンジルアルコール使用)経済性等の点で不利である。さ
らに特開昭50−146340号、特公昭58−197
06号等では、導電性顔料や金属の配合が開示されてい
るが、これは金属紛、亜鉛末、金属炭化物等比較的粒子
径の大きなものが配合されるため、電着塗膜の表面の凸
凹が激しく膜平滑性に欠け、また、プレス形成性が不十
分という欠点がある。
【0015】このように、未だバランスのとれた塗膜性
能を発揮させるにはほど遠いのが現状である。また、こ
のようなシリカ、親水性樹脂および導電性顔料等に比べ
比較的少量の添加で電着適正が得られれば、ベースレジ
ンの変更、硬化剤や防錆剤の幅広い選択、添加等種々の
手段が取りやすくなるため、より実用的である。
【0016】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明の目
的は、優れた耐食性、加工性およびリコート性を満足さ
せる水性塗料組成物を提供することにある。
【0017】さらに本発明の他の目的は、電着塗装の
際、電着適正を付与でき、プレス加工性、スポット溶接
性、高防錆性、電着後の耐食性および二次密着性など塗
膜性能に優れた水性塗料組成物を提供することにある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記諸
目的を達成するために、新規な水性塗料組成物について
鋭意研究した結果、従来の有機被膜用塗料の耐食性およ
び加工性を改善するためには、以下の課題を解決するこ
とが必要であることを見出だしたものである。
【0019】すなわち耐食性および密着性を向上させる
には、イオン透過性、素材との密着性が支配因子であこ
とから、該支配因子を有するウレタン結合により高い内
部凝集力を持つウレタン樹脂が、透水性も低く、破壊伸
びも大きいものであるため平面部、加工部耐食性の点で
アクリル樹脂よりも優れており、またウレタン結合は素
材との水素結合等により密着性向上に寄与することに着
目し、該ウレタン樹脂の水性化にあたり、乳化剤フリ
ーおよび分散安定性の良好な微粒化エマルジョン(コロ
イダルディスパージョン)の水溶化、耐加水分解性の
付与、および造膜後の親水性官能基と反応する硬化剤
の選択が水性塗料組成物としての耐食性向上の課題であ
ることから、乳化剤フリーおよび分散安定性の良好な
微粒化エマルジョンの水溶化としてウレタン骨格中に分
散安定性に寄与するカルボキシル基を導入して中和用ア
ミンで水和安定化するアイオノマー法を用いることによ
って、イオン性により微粒化し、造膜性を向上し塗膜欠
陥のない均一で緻密な膜を形成することができ、また
耐加水分解性を付与するために、ポリカーボネートポリ
オールを使用することにより、耐加水分解性が向上し、
樹脂の分解が少ないため有機膜のバリヤー性の劣化を少
なくでき、さらに造膜後の親水性官能基と反応する硬
化剤を配合する。自己乳化型ポリウレタンエマルジョン
樹脂単独では、水和に必要な親水基であるカルボキシル
基が残存するため耐水性、耐食性の低下があることか
ら、低温、短時間でカルボキシル基と反応しかつ塗装密
着性を損なわない硬化剤としてプロペニルオキサゾリン
含有重合体樹脂を使用すること、以上〜を解決する
ことにより耐食性および加工性が向上することを見出だ
したものである。
【0020】さらに、上記諸目的を達成するために、自
己乳化型エポキシ樹脂を併用で、上記硬化反応で官能基
が消費されたものに二級OH基を付与することにより、
上記耐食性および加工性を損なうことなくリコート性を
向上させることができることを見出だし、これらの知見
に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
【0021】すなわち本発明の目的は、(1)自己乳化
型ポリウレタンエマルジョン樹脂、(2)一般式I
【0022】
【化3】
【0023】(上記式中、R1 、R2 、R3 およびR4
は、各々独立に、水素原子、ハロゲン、アルキル、フェ
ニルまたは置換フェニル基であり、R5 は、プロペニル
基である)で表されるプロペニルオキサゾリンの重合体
樹脂または該プロペニルオキサゾリンとオキサゾリン基
と反応しない単量体との共重合体樹脂、および(3)自
己乳化型エポキシ樹脂を含有することを特徴とする水性
塗料組成物により達成することができる。
【0024】本発明の他の目的は、(1)自己乳化型ポ
リウレタンエマルジョン樹脂、 (2)一般式I
【0025】
【化4】
【0026】(上記式中、R1 、R2 、R3 およびR4
は、各々独立に、水素原子、ハロゲン、アルキル、フェ
ニルまたは置換フェニル基であり、R5 は、プロペニル
基である)で表されるプロペニルオキサゾリンの重合体
樹脂または該プロペニルオキサゾリンとオキサゾリン基
と反応しない単量体との共重合体樹脂、 (3)自己乳化型エポキシ樹脂、および (4)(a)メラミンシアヌレートおよび/または
(b)水分散性シリカ、水分散性アルミニウムシリケー
トまたは乾式シリカまたは乾式アルミニウムシリケー
ト、リン酸化合物、モリブデン酸化合物、ホウ酸化合
物およびケイ酸化合物よりなる群から選ばれた少なくと
も1種のコロイド化助剤および水を主成分とするコロ
イダル化粒子を含有することを特徴とする水性塗料組成
物により達成することができる。
【0027】
【作用】以下、本発明を詳しく説明する。
【0028】本発明に用いられる(1)自己乳化型ポリ
ウレタンエマルジョン樹脂とは、(a)ジオール、ポリ
エステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどのポ
リオールと(b)芳香族または脂肪、脂環式ジイソシア
ネートおよび(c)必要に応じて鎖伸長剤から得られる
ポリウレタン樹脂を乳化剤を使用することなく水中に分
散もしくは溶解せしめたものをいう。ここで、上記ポリ
ウレタン樹脂を乳化剤を使用することなく水中に分散も
しくは溶解する方法としては、例えば、特開昭63−1
5816号などに開示されてなる(1)ポリウレタンポ
リマーの側鎖または末端にスルホニル基、カルボキシル
基などのイオン性基を導入することにより親水性を付与
し自己乳化により水中に分散または溶解する方法、また
は(2)ポリウレタンの主原料のポリオールの一部にポ
リエチレングリコールの如き水溶性ポリオールを使用し
て親水性ポリウレタン樹脂とし水中に分散または溶解す
る方法などを使用することができる。こうして得られた
該自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂は、乳化剤
を含まないことから、分散安定性が良好で樹脂内部の凝
集力が大きく、塗膜欠陥のうち耐食性の優れた塗膜が形
成できるものである。
【0029】したがって、本発明に用いられる自己乳化
型ポリウレタンエマルジョン樹脂としては、上記構成要
件を満足するものであれば特に制限されるものでなく、
例えば、特開昭63−15816号などに開示されてな
る方法によって製造されたものなどを使用することがで
きるが、好ましくは、粒径1000nm以下で、ポリオ
ールにポリカーボネート系ジオールを用いたアニオン型
自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂が最適であ
り、これらの具体的な例としては、東亜合成化学工業株
式会社製のネオタンUE1101(ポリカーボネート系
自己乳化型ポリウレタンエマルジョン)、第一工業製薬
株式会社製のスーパーフレックス100、スーパーフレ
ックス150(共にポリエステル系ウレタンアイオノマ
ー水性ディスパージョン)、スーパーフレックス460
(ポリカーボネート系自己乳化型ポリウレタンエマルジ
ョン)、大日本インキ化学工業株式会社製のハイドラン
AP−10(ポリエステル系ウレタンアイオノマー水性
ディスパージョン)などが挙げられる。また、これら市
販品のアニオン型自己乳化型ポリウレタンエマルジョン
樹脂の化学特性(不揮発成分、pH、ポリカーボネート
系か否か、イオン系アニオンか否か、数平均分子量(M
n))は表1に示す通りである。
【0030】
【表1】
【0031】次に、本発明に用いられる(2)一般式I
【0032】
【化5】
【0033】(上記式中、R1 、R2 、R3 およびR4
は、各々独立に、水素原子、ハロゲン、アルキル、フェ
ニルまたは置換フェニル基であり、R5 は、プロペニル
基である)で表されるプロペニルオキサゾリン(a)の
重合体樹脂または該プロペニルオキサゾリン(a)とオ
キサゾリン基と反応しない単量体(b)との共重合体樹
脂(以下、これらを総称して単にプロペニルオキサゾリ
ン含有重合体樹脂ともいう)としては、以下に示すプロ
ペニルオキサゾリン(a)および必要に応じて該単量体
(b)を、従来公知の重合法によって重合して製造され
るものであればよい。
【0034】まず、本発明に用いられる上記プロペニル
オキサゾリン(a)としては、例えば、2−イソプロペ
ニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メ
チル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メ
チル−2−オキサゾリンなどを挙げることができ、これ
らの群から選ばれる少なくとも1種のプロペニルオキサ
ゾリンを使用することができる。なかでも、2−イソプ
ロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく
好適である。
【0035】また、プロペニルオキサゾリン(a)の使
用量は、特に限定されるものでないが、得られる樹脂重
合体に対し、5重量%以上であることが好ましい。該使
用量が5重量%未満の場合には、硬化の程度が不十分で
あり、耐久性、耐水性などが損なわれる傾向にあるため
好ましくない。
【0036】次に、本発明に用いられる上記オキサゾリ
ン基と反応しない単量体(b)は、前記プロペニルオキ
サゾリン(a)と共重合可能な単量体であれば、特に限
定されるものでなく、例えば、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−
2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリルエステル
類、(メタ)アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル
類、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリルアミドなどの不飽和アミド類、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテ
ル類、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン類、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルなどの含ハ
ロゲンα,β−不飽和モノマー類、スチレン、α−メチ
ルスチレンなどのα,β−不飽和芳香族モノマー類など
が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使
用することができる。
【0037】なお、本発明のプロペニルオキサゾリン含
有重合体樹脂としては、上記プロペニルオキサゾリン
(a)および必要に応じて該単量体(b)を、従来公知
の重合法によって重合して製造されるものであればよい
が、水性化の容易さから最も好ましい実施態様は乳化重
合法である。
【0038】該乳化重合法においては、従来公知の重合
触媒、界面活性剤を用い、いわゆるモノマー滴下法、多
段重合法、プレエマルジョン法などの方法により合成す
ることができる。
【0039】こうして得られるプロペニルオキサゾリン
含有重合体樹脂としては、例えば、特開平2−9953
7号に記載されてなるものなどを使用することができ、
より具体的には、株式会社日本触媒製のK−1010
E、K−1020E(共にオキサゾリン基含有アクリル
エマルジョン、不揮発分40%、pH8.5、数平均分
子量10万以上)などをそのまま使用することもでき
る。
【0040】さらに、本発明に用いられる(3)自己乳
化型エポキシ樹脂とは、水中で安定な乳化力および/ま
たは分散性のあるセグメントを分子内に導入したエポキ
シ樹脂であり、乳化剤などを使用することなく、水性媒
体に乳化および/または分散せしめることができるもの
をいい、具体的には、エポキシ樹脂に親水基を導入した
り、カルボキシル基などのアニオン基やアミノ基などの
カチオン基を導入し、それぞれ塩基または酸で中和し、
高分子電解質として水性化するものである。この中に
は、該自己乳化型エポキシ樹脂と塩化ビニルを含むエチ
レン性不飽和単量体混合物と水性媒体中でラジカル重合
せしめてなるエポキシエマルジョンを含むものとする。
【0041】上記自己乳化型エポキシの調製に用いられ
るエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシドを2子
以上有する樹脂およびこれを脂肪酸、二塩基性酸、ビス
フェノールA、FまたはBと反応させてエポキシドを消
失させたもの、あるいは部分的に残したものを含むもの
などを使用することができる。この中でビスフェノール
A、FまたはBなどにエピハドヒドリンをアルカリ性触
媒の存在下、縮合させて得られる該エポキシ樹脂では、
塗膜の物理的強度、付着性および化学的抵抗性などが優
れているので好ましいものである。該エポキシ樹脂の数
平均分子量は、通常300以上、好ましくは1000以
上である。
【0042】また、上記脂肪酸としては、例えば、脱水
ヒマシ油、大豆油、綿実油、サフラワー油トール油、ヒ
マシ油、ヤシ油、パーム油などの植物油脂肪酸を挙げる
ことができる。また、上記二塩基性酸としては、例え
ば、マレイン酸、フマル酸などを挙げることができる。
これらの脂肪酸は、単独もしくは混合物および/または
二塩基性酸との混合物を使用することができる。
【0043】さらに、上記エポキシ樹脂の変性には、ア
クリル樹脂、例えば、アクリル酸またはメタクリル酸な
どの不飽和一塩基性カルボン酸と他の共重合性モノマー
とからなる共重合体などが利用できる。
【0044】このうち共重合性モノマーの例としては、
(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン系モノ
マー、ヒドロキシル基含有モノマー、N−置換(メタ)
アクリルアミド、オキシラン基含有モノマー、マレイン
酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、
アクリルニトリルなどが挙げられ、これらのうち1種ま
たは2種以上を併用することができる。
【0045】上記自己乳化型エポキシ樹脂は、上述の要
件を具備してなるものであれば特に限定されるものでな
く、好ましくは、塗料安定性に優れたアニオン型自己乳
化型エポキシ樹脂であり、より具体的には、大日本イン
キ化学工業株式会社製のディックファインEN−027
0(不揮発分20%、pH6〜7)、ディックファイン
EN−0280、カネボウNSC株式会社製のエポルジ
ョン、日立化成株式会社製のヒタロイドなどの市販品を
使用することができる。
【0046】次に、本発明に用いられる自己乳化型ポリ
ウレタンエマルジョン樹脂と自己乳化型エポキシ樹脂の
配合量は、自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂1
00重量部に対して自己乳化型エポキシ樹脂5〜50重
量部が好ましく、より好ましくは5〜40重量部の範囲
である。該自己乳化型エポキシ樹脂の配合量が5重量部
未満では、該密着性が不十分となり、また50重量部を
越える場合には、加工性、成型性が損なわれるため好ま
しくない。
【0047】また、本発明に用いられるプロペニルオキ
サゾリン含有重合体樹脂の配合量は、自己乳化型ポリウ
レタンエマルジョン樹脂と自己乳化型エポキシ樹脂の総
配合量100重量部に対してプロペニルオキサゾリン含
有重合体樹脂1〜50重量部が好ましく、より好ましく
は5〜20重量部の範囲である。該配合量が1重量部未
満では、硬化性が不十分で、耐食性が損なわれ、また該
配合量が50重量部を越える場合には、素材密着性が損
なわれるため好ましくない。
【0048】続いて、本発明の水性塗料組成物中に上述
の構成成分以外に、(4)(a)メラミンシアヌレート
化合物および/または(b)水分散性シリカ、水分散性
アルミニウムシリケートまたは乾式シリカまたは乾式
アルミニウムシリケート、リン酸化合物、モリブデン
酸化合物、ホウ酸化合物およびケイ酸化合物よりなる群
から選ばれた少なくとも1種のコロイド化助剤および
水を主成分とするコロイダル化粒子を含有してなるもの
が好ましい。
【0049】まず、本発明の水性塗料組成物には、イソ
シアヌール環含有平面構造化合物である(a)メラミン
シアヌレート化合物を含有させることが好ましく、薄膜
型防錆鋼板用塗料として用いた場合に、電着塗装の際、
電着適正を付与し、従来の技術による塗膜性能のアンバ
ランスを解決するものである。
【0050】該メラミンシアヌレート化合物の含有量
は、水性塗料組成物の樹脂固形分100重量部に対し、
好ましくは0.05〜25重量部の範囲である。
【0051】ここでメラミンシアヌレートとは、化学式 (C で表される化合物で、詳しくは、2,4,6−トリアミ
ノ−1,3,5−トリアジン(以下メラミンと称する)
と2,4,6−トリヒドロキシ−1,3,5−トリアジ
ン(以下シアヌル酸と称する)および/またはその互変
異性体との等モル付加化合物で、固体状態にあっては、
メラミン分子とシアヌル酸分子が弱い水素結合状態でそ
れぞれ交互に隣接し、化6の如き平面構造を有した結晶
を形成していると推定され、
【0052】
【化6】
【0053】また、立体構造は、化7の如く一定の面間
隔を有する積み重ね構造、いわゆるグラファイト型の構
造であると推定されている。
【0054】
【化7】
【0055】なお、化6および化7中、Cはシアヌル酸
分子、Mはメラミン分子を表す。
【0056】これらのメラミンシアヌレート化合物とし
ては、特公昭60−33850号による製法で得られ、
日産化学工業株式会社からMCシリーズ(MC−FW、
MC−PW、MC−BW、MC−UW、MC−420、
MC−520、MC−600等)として市販されてい
る。なお、メラミンシアヌレートをクリヤー層に含ませ
ることにより、自動車等のメタリック塗装においてマイ
カ塗装と同様の真珠光沢を発現させることが特開平3−
28277号に記載されているが、本発明とは作用、効
果を全く異にするものである。
【0057】このメラミンシアヌレート化合物は、耐酸
性、耐アルカリ性が良好でpH1〜14の範囲で化学的
変化がなく安定である。このことは、カチオン型電着塗
装時に電着塗膜下はpH12程度にさらされるため、本
発明のメラミンシアヌレート化合物を含有した水性塗料
組成物は、電着時の電気的負荷による素地金属界面の密
着性破壊を防止する効果がある。
【0058】また、メラミンシアヌレート化合物は、水
に難溶性で耐熱性である。また一般の塗料に用いられる
有機溶剤にも溶解せず、僅かにジメチルスルフォオキサ
イドに70℃で0.011g/100ml溶解するだけ
である。これは、電着塗装時、塗膜下に侵入する水に溶
解せず、電着阻害要因とはならない。
【0059】次に、本発明に用いられる(b)水分散性
シリカまたは水分散性アルミニウムシリケート(以下、
単に水分散性シリカ等ともいう)は、いわゆるコロイダ
ルシリカまたはコロイダルアルミニウムシリケートであ
って、粒子径が7〜100μm、特に10〜80μmの
範囲のものが好ましく、通常水性分散液として供給され
る公知のものをそのまま使用することができる。例え
ば、日産化学工業株式会社製のスノーテックス(商品
名)で代表されるものである。該水分散性シリカ等の配
合量は、水性塗料組成物の樹脂100重量部に対し、5
〜120重量部、好ましくは20〜100重量部の範囲
であり、該配合量が5重量部未満であると被塗料物であ
る鋼材などに対する密着性、耐食性が劣り、他方、該配
合量が120重量部を越える場合には、機械的強度が劣
る。
【0060】次に該水分散性シリカ等の粒子径と配合量
について言えば、10〜30μmの範囲の粒子径を持つ
ものについては、その適正配合量は、20〜60重量部
であり、30〜80μmの範囲の粒子径を持つものにつ
いては、その適正配合量は、40〜100重量部であ
る。粒子径の比較的大きな該水分散性シリカ等を用いる
とその適正配合量は増加する。
【0061】さらに本発明に用いられる(b)コロイダ
ル化粒子は、乾式シリカまたは乾式アルミニウムシリ
ケート、リン酸化合物、モリブデン酸化合物、ホウ酸
化合物およびケイ酸化合物よりなる群から選ばれた少な
くとも1種のコロイド化助剤および水を主成分とする
ことを特徴とするものである。
【0062】まず、上記コロイダル化粒子の主成分であ
る乾式シリカまたは乾式アルミニウムシリケートは、い
ずれの場合も乾式法で製造されたものであれば良いが、
腐食雰囲気下(5%食塩水)での塩素イオンの膜透過を
阻止するためには、高純度のシリカまたはアルミニウム
シリケートを配合することが好ましいことから、雑イオ
ンを含有しない高純度のシリカまたはアルミニウムシリ
ケートであることが好ましい。
【0063】該乾式シリカとしては、例えば、日本アエ
ロジル株式会社製のアエロジル200、アエロジル30
0またはアエロジル380などを用いることが望まし
く、また該乾式アルミニウムシリケートとしては、例え
ば、日本アエロジル株式会社製のアエロジルMOX17
0、アエロジルMOX80、アエロジルCOK84など
を用いることが望ましい。さらに、シリカ単独のアエロ
ジル200等よりもアルミニウムシリケートのアエロジ
ルMOX170等の方が効率よくコロイド化させること
ができ、後述するコロイド化助剤としての縮合ポリ酸等
の種類によらず生成されるコロイダル化粒子はプリン化
しない。
【0064】また、上記乾式シリカまたは乾式アルミニ
ウムシリケートの配合量は、乾式シリカまたは乾式アル
ミニウムシリケートおよび水の全配合量1000重量部
に対して、好ましくは50〜200重量部、より好まし
くは100〜150重量部である。該配合量が、50重
量部未満の場合には、これにより得られるコロイダル化
粒子が再凝集を起しやすくなるほか、該コロイダル化粒
子を含有してなる水性塗料組成物により形成される塗膜
の耐食性が低下するため好ましくない。また、該配合量
が、200重量部を越える場合には、これにより得られ
るコロイダル化粒子を含有してなる水性塗料組成物によ
り形成される塗膜の耐食性が低下する傾向にあるため好
ましくない。
【0065】次に上記コロイダル化粒子の主成分である
コロイド化助剤としては、水溶液中で大きな陰イオンを
形成する化合物であればよく、リン酸化合物、例えば、
ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ペン
タポリリン酸、ヘキサポリリン酸、ヘプタポリリン酸、
オクタポリリン酸、ノナポリリン酸、デカポリリン酸、
メタリン酸、トリメタリン酸、ヘキサメタリン酸、ウル
トラポリリン酸などの縮合リン酸およびこれらのアンモ
ニウム塩などが挙げられる。
【0066】これらのアルカリ金属塩およびアルカリ土
類金属塩も存在するが、金属イオンの混入は、得られる
コロイダル化粒子を用いてなる水性塗料組成物による形
成される塗膜の耐食性に決定的な悪影響を及ぼす。すな
わち塗膜中に金属イオンが含有されると腐食雰囲気下で
のハロゲンイオン(Cl- )の膜透過を促進し、またシ
リカの陽イオン交換能も殺してしまうため、耐食性が極
端に低下する。このためアルカリ金属塩およびアルカリ
土類金属塩の使用は好ましくない。
【0067】上記リン酸化合物の他に、モリブデン酸化
合物、例えば、モリブデン酸アンモニウム・4水和物な
ど、またホウ酸化合物、例えば、5ホウ酸アンモニウ
ム、メタホウ酸など、さらにケイ酸化合物、例えば、オ
ルトケイ酸、メタケイ酸などが挙げられる。ただしケイ
酸は水に微溶であるが、アンモニア性アルカリ溶液に溶
解させて使用することが必要である。またイオウ含有陰
イオンも、酸化還元反応に対し、化学的に活性である
が、コロイダル化は可能である。
【0068】上記コロイド化助剤として水溶液中で大き
な陰イオンを形成する縮合ポリ酸またはこれらのアンモ
ニウム塩を列記したが、さらにその内の一部について、
その化学構造を例示したものを下記の例1〜例5に示
す。
【0069】例1.ヘキサメタリン酸(HPO3 4
環状陰イオンを形成する。
【0070】
【化8】
【0071】例2.ポリリン酸(Hn-2 n 3n+1
鎖状陰イオンを形成する。
【0072】
【化9】
【0073】例3.3タホウ酸(HBO2
環状陰イオンを形成する。
【0074】
【化10】
【0075】例4.6メタホウ酸
鎖状陰イオンを形成する。
【0076】
【化11】
【0077】例5.オルトケイ酸 H4 SiO4
環状陰イオンを形成する。
【0078】オルトケイ酸は、水溶液中では4量体の形
で存在する。
【0079】
【化12】
【0080】すなわち、上記コロイド化助剤は、水溶液
中で大きな陰イオンを形成することで、シラノール基密
度3〜6個/nm2 を有する前記乾式シリカまたは乾式
アルミニウムシリケート(例えば、アエロジル300な
ど)等の水素結合を有効に切断して微粒化する有効な手
段となり、さらに該乾式シリカなどのシラノール基に吸
着することで、吸着した陰イオンの電気的反発により微
粒化したコロイダル化粒子の再凝集を防止できるもので
ある。1価の陰イオンでは、1個のシラノール基に作用
するのみで、多くの水素結合の形成により鎖状につなが
った集塊粒子を、さらに粒径の小さいコロイダル化粒子
(凝集粒子)に変えるにはあまり効果的でなく好ましく
ない。
【0081】また、上記コロイド化助剤の添加量として
は、特に制限されるものでなく、目的とするコロイダル
化粒子の粒径に合わせて該添加量を加減すれば良く、1
例として、コロイダル化粒子の粒径を500nm以下と
する場合には、シリカまたはアルミニウムシリケートに
対して、好ましくは2×10-4〜2×100 モル、より
好ましくは2×10-3〜2×10-2モルの範囲とするこ
とが望ましい。該添加量が2×10-4モル未満の場合に
は、得られるコロイダル化粒子が、凝集によってすぐに
網目構造状粒子に復元してしまい粗大化するため好まし
くない。また該添加量が2×100 モルを越える場合に
は、これにより得られるコロイダル化粒子を含有してな
る水性塗料組成物により形成される塗膜の耐食性が低下
する傾向にあるため好ましくない。
【0082】また、上記コロイダル化粒子の主成分であ
る水としては、例えば、イオン交換水または純水など不
純物質等の少ないものが好ましい。
【0083】さらに、該水の配合量は、乾式シリカまた
は乾式アルミニウムシリケートおよび水の全配合量10
00重量部に対して、好ましくは950〜800重量部
である。
【0084】また、本発明に係るコロイダル化粒子とし
ては、上述の乾式シリカまたは乾式アルミニウムシリケ
ート、リン酸化合物、モリブデン酸化合物、ホウ酸化合
物およびケイ酸化合物よりなる群から選ばれた少なくと
も1種のコロイド化助剤および水を主成分とするもので
あるが、これらの成分以外にも、必要に応じて、増粘剤
等を適当に添加することは任意である。
【0085】上述の構成成分よりなるコロイダル化粒子
の製造方法としては、特に限定されるものではないが、
最近多く用いられているコア−シェル型水系エマルジョ
ン(樹脂分)を含有することによって経時安定性の良好
なコロイダル化粒子を製造する方法では、撹拌によるシ
ェアーで該エマルジョンが破壊される可能性があること
から、好ましくは弱い撹拌力により、より好ましくは該
エマルジョンを含有することなくコロイドができること
が望ましく、例えば、アエロジル(乾式シリカ)含有水
溶液を撹拌して集塊粒子を形成させておき、さらに撹拌
を続けながら縮合ポリ酸溶液(コロイド化助剤)を添加
することで、該集塊粒子の水素結合を効果的に破壊し
て、さらに粒径の小さいコロイダル化粒子(凝集粒子)
に変える方法等が挙げられる。これにより水溶性コロイ
ド化助剤陰イオンは、シラノール基の水素に吸着し、生
成したコロイダル化粒子は、吸着陰イオン同士の電気的
反発により安定なコロイドとなるため、静置しても集塊
粒子や網目構造状粒子に復元することがなく好ましいも
のである。
【0086】こうして得られたコロイダル化粒子の粒径
としては、コロイド化助剤の添加量等の調整により所望
の粒径に造粒することができるものであり、例えば、高
防食性プレコート鋼板の有機被膜用の水性塗料組成物用
添加物としての用途に利用する場合には、好ましくは5
00nm以下、より好ましくは150〜250nmの範
囲とすることが望ましい。
【0087】水性塗料組成物への(b)コロイダル化粒
子の添加は、塗料の製造過程(前添加)もしくは完成さ
れた塗料(後添加)に対して行われるが、その添加量は
水性塗料組成物の樹脂固形分100重量部に対し、15
〜60重量部、好ましくは20〜40重量部の範囲であ
る。該コロイダル化粒子の添加量が、15重量部未満で
は、耐食性が悪く、60重量部を越える場合には、該水
性塗料組成物の粘度が上昇しすぎて製造プロセスに支障
をきたし、またピックアップ性の点でローピング現象が
発生して希釈が必要になるため好ましくない。
【0088】該水性塗料組成物中へのコロイダル化粒子
の添加は、ペイントシェイカー、ディスパー、ボールミ
ル、サンドグラインドミル、ニーダー、ディゾルバーな
どの分散混合装置を用いて行われる。
【0089】次に、必要に応じて、本発明の水性塗料組
成物には、その他の成分として下記の顔料、添加剤など
を配合することができる。
【0090】まず、本発明で特に耐食性を重視する用途
において、防錆顔料を用いることができる。該防錆顔料
としては、例えば、クロム酸ストロンチウム、クロム酸
鉛、クロム酸バリウム、クロム酸カルシウムなどのクロ
ム酸系防錆顔料が使用できるが、本発明において用いる
ことのできる防錆顔料としては、これらに限定されるも
のでなく、その他の防錆顔料を用いることも可能であ
る。該防錆顔料の配合量は、樹脂固形分100重量部に
対し、好ましくは1〜50重量部(phr)の範囲であ
る。 また、意匠性や表裏識別性の付与、あるいは隠蔽
性向上のために着色顔料を含有させて着色させてもよ
い。該着色顔料としては、例えば、酸化チタン(白色顔
料)、カーボンブラック、黒鉛(黒色顔料)、赤色酸化
鉄系、キナクリドン系(赤色顔料)、フタロシアニンブ
ルー、(青色顔料)、フタロシアニングリーン(緑色顔
料)、ベンズイミダゾール系、黄色酸化鉄(黄色顔料)
などが使用できる。
【0091】また、上記以外にも、本発明において用い
ることのできる体質顔料としては、例えば、炭酸カルシ
ウム、石膏、クレー、タルクなどが挙げられる。
【0092】次に、前記した成分を含有する水性塗料組
成物に、必要に応じてアルコール系、エーテル系の水可
溶性有機溶剤が、水性液の粘度調整、消泡、表面張力の
低下による被塗物への濡れ易さ、凍結点の低下などの種
々の利点を得るために添加される。
【0093】該有機溶剤の添加量は、水性塗料組成物の
20重量%以下、好ましくは5〜15重量%の範囲であ
る。添加量が20重量%を越える場合には、引火点が低
くなり、水性塗料としての特性が失われるため好ましく
ない。
【0094】上記アルコール系水可溶性有機溶剤として
は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル等の多価アルコールが、共重合体樹脂ディスパージョ
ンおよび水分散性シリカに対して安定性が優れており、
さらに貯蔵安定性、凍結点の低下をもたらす有効な希釈
剤として働く。また、エーテル系水可溶性有機溶剤とし
ては、セロソルブ、ブチルセロソルブなどを用いること
ができ、特にブチルセロソルブについては、消泡効果が
高いため有効である。しかし、これらセロソルブ系およ
びn−ブタノール、イソプロピルアルコール等の1価ア
ルコールの一部の溶剤は、水分散性シリカの安定性を損
ない、凝集を引き起こし、貯蔵性の低下の要因ともなる
ため、適度の量にとどめることが肝要である。
【0095】さらに、本発明において用いることのでき
る添加剤としては、消泡剤、レベリング剤、はじき防止
剤、グロス向上剤、沈降防止剤、湿潤剤(界面活性
剤)、潤滑剤、防腐剤、防かび剤などが挙げられる。
【0096】これらの成分のうち、顔料の含有量は水性
塗料組成物の樹脂固形分100重量部に対し、0.5〜
30重量部の範囲に設定することが好ましい。
【0097】各成分の混合には、塗料製造の慣用されて
いるペイントシェイカー、ディスパー、ボールミル、サ
ンドグラインドミル、ニーダー、ディゾルバーなどの装
置を用い、溶媒として水を使用して粘度調整する。この
際、エマルジョンを破壊しない範囲で親水性の有機溶媒
を水と併用することができる。
【0098】また、該水性塗料組成物の塗装方法は、特
に限定されず、ロール塗装、浸漬塗り、シャワー塗装、
ハケ塗り、デップスピン方式などの通常の塗装方法を用
いることができる。また、特に塗布厚の精度、塗布表面
の平滑性などを求める場合には、グラビアコーティング
方法、ロールコーティング方法、カーテンコーティング
方法、バーコーティング方法、オフセットグラビアコー
ティング方法などを採用するのがよい。
【0099】該水性塗料組成物の塗布膜厚(乾燥時)
は、使用法などにより異なるが、通常0.5〜20μ
m、好ましくは1〜10μmの範囲である。
【0100】また、該水性塗料組成物の焼付け条件は、
特に制限されるものでないが、該塗料を塗布した後、最
高到達板温度140〜200℃、オーブンパスタイム2
0〜60秒の範囲が好ましい。
【0101】また、被塗物となる金属板には、各種鋼板
素材を用いることができるが、好ましくは、該素材を防
錆しかつ塗料の密着性を改善するするために予め塗装前
に前処理を施しておくことが有利である。前処理として
は、酸、アルカリ洗浄などの脱脂処理が一般的である
が、さらに、引き続きリン酸塩系、クロム酸塩系などの
化成液を用いる化成処理方法もある。特に一連の前処理
をすることにより、密着性と防錆性に優れた塗膜を安定
して形成することができることが知られている。
【0102】次に、本発明の水性塗料組成物の使用法と
しては、まず2コート系塗膜作成方法として、上記前処
理を施した被塗物に、下塗塗装として本発明の水性塗料
組成物を施し、必要によりこれに上塗塗装を施す方法が
ある。該下塗塗装により腐食作用から素材を保護し、金
属板表面、表面処理膜および上塗塗膜に密着性を付与す
る機能を有するものである。さらに1コート系塗膜作成
方法として、上記前処理を施した被塗物に、防錆処理と
して本発明の水性塗料組成物を施し、さらにこの塗膜上
に、電着塗料、必要によりさらに中塗り塗装および上塗
塗装を施す方法等に用いることができる。
【0103】
【実施例】つぎに実施例をあげて本発明をより具体的に
説明する。
【0104】実施例1 まず、自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂UE1
101(東亜合成化学工業株式会社製(以下同様))/
自己乳化型エポキシ樹脂ディックファインEN−027
0(大日本インキ化学工業株式会社製(以下同様))/
プロペニルオキサゾリン含有重合体樹脂K−1010E
(株式会社日本触媒製(以下同様))/水分散性シリ
カ、スノーテックスN(日産化学工業株式会社製(以下
同様))の固形分重量比が95/5/5/25となるよ
うに水性塗料組成物を調製した。
【0105】次に、被塗装物として亜鉛−ニッケル電気
メッキ鋼板(EG)(板厚、0.4mm)をアルカリ脱
脂剤で洗浄化し水洗乾燥した後、後述のクロメート処理
液をロールコート法で塗布し、60mg/m2 の皮膜を
形成させて処理板を調整した。なお、クロメート処理液
としては、クロム酸亜鉛(金属クロム換算15g)、ポ
リアクリル酸(ジュリマーAC−10L、日本純薬株式
会社製、固形分換算10g)および水を全量が1リット
ルになるように配合し、ペイントシェーカーで1時間分
散させて得た液を用いた。そして塗装バーコーターを用
いて上記水性塗料組成物を塗布した後、最高到達板温度
150℃、オーブンパスタイム20秒とする焼付条件に
て焼付けを行い、塗布膜厚(乾燥時)1.0μmの有機
塗膜が形成された試験片(A)を得た。
【0106】本試験片(A)で耐食性試験(1)を実施
した。該試験片(A)に、カチオン型電着塗料パワート
ップU−53(日本ペイント株式会社製)を用いて、電
着電圧200Vの電着条件下で、30秒間昇圧し、つい
で2分30秒間電着を行った後、170℃で20分間焼
付して膜厚20μmの電着塗膜が形成された試験片を得
た。
【0107】該試験片に、中塗り塗料としてオルガTO
4825ホワイトカラーシーラーを用いて中塗り塗装
し、10分間放置した後、140℃で20分間焼結し、
乾燥膜厚40μmの中塗り塗膜が形成された試験片を得
た。
【0108】該試験片に、上塗り塗料としてオルガTO
4640UFクリヤーホワイトを用いて塗装し、10
分間放置した後、140℃で20分間焼結し、乾燥膜厚
40μmの上塗り塗膜が形成された試験片(B)を得
た。
【0109】得られた試験片(B)を用いてリコート性
試験を行った。
【0110】耐食性試験(1)(複合サイクル試験 1
00サイクル) 塩水噴霧:上記試験片に35℃に加温された5%食塩
水を4時間にわたってスプレー噴霧を行った。
【0111】乾燥:続いて、塩水噴霧された試験片を
60℃で2時間乾燥した。
【0112】湿潤:さらに乾燥された試験片を湿度9
5%以上、温度50℃で2時間湿潤状態に置いた。
【0113】以上の〜までを1回行うことを1サイ
クル(所用時間=8時間)として、これを100サイク
ルまで実施した。該複合サイクル試験における評価基準
としては、上記試験片に表面に白錆が発生しない場合を
○、全表面白錆=100%とした場合に、白錆が30%
未満の割合で発生している場合を△、同様に白錆が50
%以上の割合で発生している場合を×として評価した。
得られた結果を表2に示す。
【0114】リコート性試験(温水浸漬二次密着性で評
価) 塗装後24時間室内放置した試験片を、40℃の脱イオ
ン水に10日間浸漬した後、さらに4時間室内放置した
後、JIS−K−5400に準じて2mm間隔に鋭利な
カッターで縦横に11本ずつ平行線を入れ、100マス
2mm角の碁盤目(100個)状カット傷を作製した。
その塗面にセロハン粘着テープを貼着して剥離し、試験
片の塗面に残っている碁盤目塗膜の数をかぞえて評価し
た。○は剥離がなく良好であることを示し、△は剥離せ
ずに残った碁盤目の数が全体の50%未満であることを
示し、×は剥離せずに残った碁盤目の数が全体の50%
以上であったことを示す。得られた結果を表2に示す。
【0115】実施例2 自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂UE1101
/自己乳化型エポキシ樹脂ヒタロイド7800J−21
(日立化成株式会社製(以下同様))/プロペニルオキ
サゾリン含有重合体樹脂K−1010E/水分散性シリ
カ、スノーテックスNの固形分重量比が75/25/2
0/25となるように水性塗料組成物を調製した以外
は、実施例1と同様にして、被塗装物に有機塗膜、電着
塗膜、中塗り塗膜および上塗り塗膜を形成し、所望の試
験片を得た。
【0116】得られた試験片を用いて実施例1と同様に
耐食性試験(1)およびリコート性試験を行った。得ら
れた結果をそれぞれ表2に示す。
【0117】実施例3 自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂スーパーフレ
ックス100(第一工業製薬株式会社製(以下同様))
/自己乳化型エポキシ樹脂ヒタロイド7800J−21
/プロペニルオキサゾリン含有重合体樹脂K−1010
E/水分散性シリカ、スノーテックスNの固形分重量比
が75/40/20/25となるように水性塗料組成物
を調製した以外は、実施例1と同様にして、被塗装物に
有機塗膜、電着塗膜、中塗り塗膜および上塗り塗膜を形
成し、所望の試験片を得た。
【0118】得られた試験片を用いて実施例1と同様に
耐食性試験(1)およびリコート性試験を行った。得ら
れた結果をそれぞれ表2に示す。
【0119】実施例4 自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂ハイドランA
P−10(大日本インキ化学工業株式会社製(以下同
様))/自己乳化型エポキシ樹脂ディックファインEN
−0280(大日本インキ化学工業株式会社製(以下同
様))/プロペニルオキサゾリン含有重合体樹脂K−1
020E(株式会社日本触媒製(以下同様))/水分散
性シリカ、スノーテックスN/顔料CM−25P(日本
弁柄株式会社製(以下同様))の固形分重量比が75/
25/30/25/7.5となるように水性塗料組成物
を調製した以外は、実施例1と同様にして、被塗装物に
有機塗膜、電着塗膜、中塗り塗膜および上塗り塗膜を形
成し、所望の試験片を得た。
【0120】得られた試験片を用いて実施例1と同様に
耐食性試験(1)およびリコート性試験を行った。得ら
れた結果をそれぞれ表2に示す。
【0121】実施例5 自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂UE1101
/自己乳化型エポキシ樹脂ディックファインEN−02
80/プロペニルオキサゾリン含有重合体樹脂K−10
20E/水分散性シリカ、スノーテックスNの固形分重
量比が69/31/50/25となるように水性塗料組
成物を調製した以外は、実施例1と同様にして、被塗装
物に有機塗膜、電着塗膜、中塗り塗膜および上塗り塗膜
を形成し、所望の試験片を得た。
【0122】得られた試験片を用いて実施例1と同様に
耐食性試験(1)およびリコート性試験を行った。得ら
れた結果をそれぞれ表2に示す。
【0123】実施例6 自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂UE1101
/自己乳化型エポキシ樹脂EPOMIK KR−617
(三井石油化学工業株式会社製)/プロペニルオキサゾ
リン含有重合体樹脂K−1020E/水分散性シリカ、
スノーテックスNの固形分重量比が69/31/20/
25となるように水性塗料組成物を調製した以外は、実
施例1と同様にして、被塗装物に有機塗膜、電着塗膜、
中塗り塗膜および上塗り塗膜を形成し、所望の試験片を
得た。
【0124】得られた試験片を用いて実施例1と同様に
耐食性試験(1)およびリコート性試験を行った。得ら
れた結果をそれぞれ表2に示す。
【0125】実施例7 自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂UE1101
/自己乳化型エポキシ樹脂ディックファインEN−02
70/プロペニルオキサゾリン含有重合体樹脂K−10
20E/水分散性シリカ、スノーテックスN/メラミン
シアヌレート(MC−600:日産化学工業株式会社製
(以下同様))の固形分重量比が75/25/20/2
5/3となるように水性塗料組成物を調製した以外は、
実施例1と同様にして、被塗装物に有機塗膜、電着塗
膜、中塗り塗膜および上塗り塗膜を形成し、所望の試験
片を得た。
【0126】得られた試験片を用いて実施例1と同様に
耐食性試験(1)およびリコート性試験を行った。得ら
れた結果をそれぞれ表2に示す。
【0127】実施例8 自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂スーパーフレ
ックス100/自己乳化型エポキシ樹脂ヒタロイド78
00J−21/プロペニルオキサゾリン含有重合体樹脂
K−1010E/コロイダル化粒子シリカ分散体の固形
分重量比が75/25/20/25となるように水性塗
料組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして、被
塗装物に有機塗膜、電着塗膜、中塗り塗膜および上塗り
塗膜を形成し、所望の試験片を得た。
【0128】得られた試験片を用いて実施例1と同様に
耐食性試験(1)およびリコート性試験を行った。得ら
れた結果をそれぞれ表2に示す。
【0129】実施例9 自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂UE1101
/自己乳化型エポキシ樹脂ディックファインEN−02
70/プロペニルオキサゾリン含有重合体樹脂K−10
20E/コロイダル化粒子アルミニウムシリケート分散
体の固形分重量比が95/5/15/25となるように
水性塗料組成物を調製した以外は、実施例1と同様にし
て、被塗装物に有機塗膜、電着塗膜、中塗り塗膜および
上塗り塗膜を形成し、所望の試験片を得た。
【0130】得られた試験片を用いて実施例1と同様に
耐食性試験(1)およびリコート性試験を行った。得ら
れた結果をそれぞれ表2に示す。
【0131】実施例10 自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂UE1101
/自己乳化型エポキシ樹脂ヒタロイド7800J−21
/プロペニルオキサゾリン含有重合体樹脂K−1020
E/コロイダル化粒子アルミニウムシリケート分散体/
メラミンシアヌレートの固形分重量比が75/75/2
0/25/3となるように水性塗料組成物を調製した以
外は、実施例1と同様にして、被塗装物に有機塗膜、電
着塗膜、中塗り塗膜および上塗り塗膜を形成し、所望の
試験片を得た。
【0132】得られた試験片を用いて実施例1と同様に
耐食性試験(1)およびリコート性試験を行った。得ら
れた結果をそれぞれ表2に示す。
【0133】実施例11 まず、自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂スーパ
ーフレックス100/自己乳化型エポキシ樹脂ヒタロイ
ド7800J−21/プロペニルオキサゾリン含有重合
体樹脂K−1020E/顔料ストロN(クロム酸ストロ
ンチウム、菊池色素株式会社製(以下同様))/顔料チ
タンCR−91(酸化チタン、石原産業株式会社製(以
下同様))の固形分重量比が75/25/20/62.
5/62.5となるように水性塗料組成物(不揮発成分
20%)を調製した。
【0134】次に、被塗装物として溶融亜鉛メッキ鋼板
(GI)(板厚、0.4mm)をトリクレン脱脂したも
のにリン酸亜鉛処理を施した後に、塗装用バーコーター
を用いて上記水性塗料組成物を塗布した後、最高到達温
度200℃、オーブンパスタイム50秒とする焼付条件
にて焼付けを行い、下塗り塗膜として付着量5g/m2
(乾燥時)の有機塗膜が形成された試験片を得た。
【0135】該試験片に、上塗り塗料としてニッペスー
パーコート300HQ(ポリエステル樹脂系上塗り塗
料)を用いて塗装し、最高到達温度230℃、オーブン
パスタイム60秒とする焼付条件にて焼付けし、付着量
18g/m2 (乾燥時)の上塗り塗膜が形成された試験
片を得た。
【0136】得られた試験片を用いて以下の耐食性試験
(2)を行った。
【0137】耐食性試験(2)(加工部) 得られた試験片4枚をまとめて折り曲げたもの(4T
部)に35℃に加温された5%食塩水を1000時間に
わたってスプレー噴霧を行った。
【0138】上記塩水噴霧後の試験片の表面に白錆が発
生しない場合を○、該表面に白錆が発生している場合を
×として評価した。得られた結果を表2に示す。
【0139】比較例1 自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂UE1101
/自己乳化型エポキシ樹脂ディックファインEN−02
70/水分散性シリカ、スノーテックスNの固形分重量
比が95/5/25となるように水性塗料組成物を調製
した以外は、実施例1と同様にして、被塗装物に有機塗
膜、電着塗膜、中塗り塗膜および上塗り塗膜を形成し、
所望の試験片を得た。
【0140】得られた試験片を用いて実施例1と同様に
耐食性試験(1)およびリコート性試験を行った。得ら
れた結果をそれぞれ表3に示す。
【0141】比較例2 自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂UE1101
/水分散性シリカ、スノーテックスNの固形分重量比が
100/25となるように水性塗料組成物を調製した以
外は、実施例1と同様にして、被塗装物に有機塗膜、電
着塗膜、中塗り塗膜および上塗り塗膜を形成し、所望の
試験片を得た。
【0142】得られた試験片を用いて実施例1と同様に
耐食性試験(1)およびリコート性試験を行った。得ら
れた結果をそれぞれ表3に示す。
【0143】比較例3 自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂UE1101
/プロペニルオキサゾリン含有重合体樹脂K−1010
E/水分散性シリカ、スノーテックスNの固形分重量比
が100/25/25となるように水性塗料組成物を調
製した以外は、実施例1と同様にして、被塗装物に有機
塗膜、電着塗膜、中塗り塗膜および上塗り塗膜を形成
し、所望の試験片を得た。
【0144】得られた試験片を用いて実施例1と同様に
耐食性試験(1)およびリコート性試験を行った。得ら
れた結果をそれぞれ表3に示す。
【0145】比較例4 自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂UE1101
/自己乳化型エポキシ樹脂ディックファインEN−02
70/水性メチル化メラミン樹脂スミマールM40W
(住友化学工業株式会社製(以下同様))の固形分重量
比が95/5/25となるように水性塗料組成物を調製
した以外は、実施例1と同様にして、被塗装物に有機塗
膜、電着塗膜、中塗り塗膜および上塗り塗膜を形成し、
所望の試験片を得た。
【0146】得られた試験片を用いて実施例1と同様に
耐食性試験(1)およびリコート性試験を行った。得ら
れた結果をそれぞれ表3に示す。
【0147】比較例5 自己乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂UE1101
/乳化型エポキシ樹脂アクアトート3540(不揮発分
55%、pH7.0〜7.5、エポキシ当量1800、
東都化成株式会社製(以下同様))/プロペニルオキサ
ゾリン含有重合体樹脂K−1010E/水分散性シリ
カ、スノーテックスNの固形分重量比が95/10/2
5/25となるように水性塗料組成物を調製した以外
は、実施例1と同様にして、被塗装物に有機塗膜、電着
塗膜、中塗り塗膜および上塗り塗膜を形成し、所望の試
験片を得た。
【0148】得られた試験片を用いて実施例1と同様に
耐食性試験(1)およびリコート性試験を行った。得ら
れた結果をそれぞれ表3に示す。
【0149】比較例6 アクリル系エマルジョン樹脂ボンコートES−141
(不揮発分45%、pH4.0〜5.5、粒子径0.1
〜0.2μm、大日本インキ化学工業株式会社製)/プ
ロペニルオキサゾリン含有重合体樹脂K−1010E/
水分散性シリカ、スノーテックスNの固形分重量比が1
00/25/25となるように水性塗料組成物を調製し
た以外は、実施例1と同様にして、被塗装物に有機塗
膜、電着塗膜、中塗り塗膜および上塗り塗膜を形成し、
所望の試験片を得た。
【0150】得られた試験片を用いて実施例1と同様に
耐食性試験(1)およびリコート性試験を行った。得ら
れた結果をそれぞれ表3に示す。
【0151】比較例7 乳化型エポキシ樹脂アクアトート3540/水性メチル
化メラミン樹脂スミマールM40W/顔料ストロN/顔
料チタンCR−91の固形分重量比が90/10/50
/50となるように水性塗料組成物(不揮発成分20
%)を調製した以外は、実施例11と同様にして、被塗
装物に下塗り塗膜および上塗り塗膜を形成し、所望の試
験片を得た。
【0152】得られた試験片を用いて実施例11と同様
に耐食性試験(2)を行った。得られた結果を表3に示
す。
【0153】
【表2】
【0154】
【表3】
【0155】
【発明の効果】本発明の水性塗料組成物は、(1)自己
乳化型ポリウレタンエマルジョン樹脂、(2)プロペニ
ルオキサゾリン重合体樹脂、および(3)自己乳化型エ
ポキシ樹脂の併用により、水和に必要な親水基であるカ
ルボキシル基と低温、短時間でオキサゾリン基が反応す
ること、およびエポキシエマルジョンの二級OH基の付
与により、高度の耐食性、加工性およびリコート性を有
する塗膜を形成することができる。
【0156】さらにメラミンシアヌレートを含む水性塗
料組成物は、上記に加えて、メラミンシアヌレート化合
物の含有量を変えることにより電着塗装時の通電点密度
のコントロールが可能となり、溶接性に優れた塗料およ
び電着性、プレス加工性、スポット溶接性、高防錆性、
電着後の耐食性および二次密着性に優れた防錆鋼板用塗
料や各種素材に適用可能な水性塗料組成物として広範な
分野に利用することができる。
【0157】さらにまた、水分散性シリカ、水分散性ア
ルミニウムシリケートまたは乾式シリカまたは乾式ア
ルミニウムシリケート、リン酸化合物、モリブデン酸
化合物、ホウ酸化合物およびケイ酸化合物よりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種のコロイド化助剤および水
を主成分とするコロイダル化粒子を含有する水性塗料組
成物では、より優れた耐食性を得ることができることか
ら、過酷な腐食環境下でも、実質的に自動車用鋼板など
使用することのできる塗膜を形できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 175/04 PHX 8620−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)自己乳化型ポリウレタンエマルジ
    ョン樹脂、(2)一般式I 【化1】 (上記式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、各々独立
    に、水素原子、ハロゲン、アルキル、フェニルまたは置
    換フェニル基であり、R5 は、プロペニル基である)で
    表されるプロペニルオキサゾリンの重合体樹脂または該
    プロペニルオキサゾリンとオキサゾリン基と反応しない
    単量体との共重合体樹脂、および(3)自己乳化型エポ
    キシ樹脂を含有することを特徴とする水性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 (1)自己乳化型ポリウレタンエマルジ
    ョン樹脂、 (2)一般式I 【化2】 (上記式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、各々独立
    に、水素原子、ハロゲン、アルキル、フェニルまたは置
    換フェニル基であり、R5 は、プロペニル基である)で
    表されるプロペニルオキサゾリンの重合体樹脂または該
    プロペニルオキサゾリンとオキサゾリン基と反応しない
    単量体との共重合体樹脂、 (3)自己乳化型エポキシ樹脂、および (4)(a)メラミンシアヌレートおよび/または
    (b)水分散性シリカ、水分散性アルミニウムシリケー
    トまたは乾式シリカまたは乾式アルミニウムシリケー
    ト、リン酸化合物、モリブデン酸化合物、ホウ酸化合
    物およびケイ酸化合物よりなる群から選ばれた少なくと
    も1種のコロイド化助剤および水を主成分とするコロ
    イダル化粒子を含有することを特徴とする水性塗料組成
    物。
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