JPH06228359A - 親水性多孔質膜およびその製造法 - Google Patents
親水性多孔質膜およびその製造法Info
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- JPH06228359A JPH06228359A JP1362793A JP1362793A JPH06228359A JP H06228359 A JPH06228359 A JP H06228359A JP 1362793 A JP1362793 A JP 1362793A JP 1362793 A JP1362793 A JP 1362793A JP H06228359 A JPH06228359 A JP H06228359A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 精密濾過、限外濾過などに用いるフッ素樹脂
性多孔質膜の性能をアップさせるため、この多孔質膜の
劣化を招くことなく親水化する。 【構成】 ノニオン型フッ素系界面活性剤およびエポキ
シ基含有化合物、イソシアヌレート、多官能オリゴマー
から選ばれた少なくとも一つの架橋剤を含有する溶液を
フッ素樹脂製多孔質膜に含浸させ、該溶液を多孔質膜の
微孔内に浸透させた後、加熱あるいは紫外線照射により
界面活性剤を架橋させ、微孔内に界面活性剤が架橋状態
で固定された親水性多孔質膜を得る。
性多孔質膜の性能をアップさせるため、この多孔質膜の
劣化を招くことなく親水化する。 【構成】 ノニオン型フッ素系界面活性剤およびエポキ
シ基含有化合物、イソシアヌレート、多官能オリゴマー
から選ばれた少なくとも一つの架橋剤を含有する溶液を
フッ素樹脂製多孔質膜に含浸させ、該溶液を多孔質膜の
微孔内に浸透させた後、加熱あるいは紫外線照射により
界面活性剤を架橋させ、微孔内に界面活性剤が架橋状態
で固定された親水性多孔質膜を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は精密濾過や限外濾過、薬
品、有機溶剤、水の保持、あるいは電解コンデンサー、
電気二重層コンデンサーのようなコンデンサー類などに
用いる親水性多孔質膜およびその製造法に関する。
品、有機溶剤、水の保持、あるいは電解コンデンサー、
電気二重層コンデンサーのようなコンデンサー類などに
用いる親水性多孔質膜およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】精密濾過や限外濾過において、微粒子の
除去性能、液体の透過流束、耐薬品性、耐圧性などが透
過膜の重要な選択因子であり、これらを勘案してフッ素
樹脂製多孔質膜を選択することがある。
除去性能、液体の透過流束、耐薬品性、耐圧性などが透
過膜の重要な選択因子であり、これらを勘案してフッ素
樹脂製多孔質膜を選択することがある。
【0003】そして、フッ素樹脂製多孔質膜の性能アッ
プのため、通常これを親水化して用いる。フッ素樹脂製
多孔質膜の親水化方法としては特開昭61−24950
2号公報や特開昭61−249503号公報に記載され
ているように、フッ素樹脂製多孔質膜にノニオン型フッ
素系界面活性剤を含浸し、これにガンマー線や電子線の
ような高エネルギー線を照射する方法、あるいは特開平
4−249548号公報に記載されているようにフッ素
樹脂製多孔質膜にフッ素系界面活性剤およびイソシアネ
ートを含浸し、界面活性剤をイソシアネートにより架橋
する方法が知られている。
プのため、通常これを親水化して用いる。フッ素樹脂製
多孔質膜の親水化方法としては特開昭61−24950
2号公報や特開昭61−249503号公報に記載され
ているように、フッ素樹脂製多孔質膜にノニオン型フッ
素系界面活性剤を含浸し、これにガンマー線や電子線の
ような高エネルギー線を照射する方法、あるいは特開平
4−249548号公報に記載されているようにフッ素
樹脂製多孔質膜にフッ素系界面活性剤およびイソシアネ
ートを含浸し、界面活性剤をイソシアネートにより架橋
する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記高
エネルギー線照射法による場合はフッ素樹脂製多孔質膜
がダメージを受け易く、強度劣化を招くという問題があ
った。高エネルギー線照射によるフッ素樹脂製多孔質膜
のダメージは酸素存在下で著しいが、例え、酸素が実質
的に存在しない雰囲気下で照射しても強度の低下は不可
避的であった。
エネルギー線照射法による場合はフッ素樹脂製多孔質膜
がダメージを受け易く、強度劣化を招くという問題があ
った。高エネルギー線照射によるフッ素樹脂製多孔質膜
のダメージは酸素存在下で著しいが、例え、酸素が実質
的に存在しない雰囲気下で照射しても強度の低下は不可
避的であった。
【0005】一方、フッ素系界面活性剤をイソシアネー
トにより架橋する方法によれば、多孔質膜の劣化を招く
ことはないが、イソシアネートが加水分解し易く、その
ため界面活性剤の架橋状態が解けて多孔質膜から剥落
し、時間の経過につれて親水性が低下するという問題が
あった。
トにより架橋する方法によれば、多孔質膜の劣化を招く
ことはないが、イソシアネートが加水分解し易く、その
ため界面活性剤の架橋状態が解けて多孔質膜から剥落
し、時間の経過につれて親水性が低下するという問題が
あった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記従来技術
の問題点を解決するため、鋭意研究の結果、ノニオン型
フッ素系界面活性剤の架橋を特定の架橋剤で行うことに
より、加水分解のような不都合を生ずることのない架橋
状態を有する親水性多孔質膜を提供できること、および
その製造に際し加熱法あるいは紫外線照射法を採用すれ
ば基材としての多孔質膜の劣化を招来することなく親水
性多孔質膜が得られることを見い出し、本発明を完成す
るに至ったものである。
の問題点を解決するため、鋭意研究の結果、ノニオン型
フッ素系界面活性剤の架橋を特定の架橋剤で行うことに
より、加水分解のような不都合を生ずることのない架橋
状態を有する親水性多孔質膜を提供できること、および
その製造に際し加熱法あるいは紫外線照射法を採用すれ
ば基材としての多孔質膜の劣化を招来することなく親水
性多孔質膜が得られることを見い出し、本発明を完成す
るに至ったものである。
【0007】即ち、本発明に係る親水性多孔質膜は、フ
ッ素樹脂製多孔質膜にノニオン型フッ素系界面活性剤が
含浸されており、該界面活性剤がエポキシ含有化合物、
イソシアヌレート、多官能オリゴマーから選ばれた少な
くとも一つの架橋剤により架橋されていることをを特徴
とするものである。
ッ素樹脂製多孔質膜にノニオン型フッ素系界面活性剤が
含浸されており、該界面活性剤がエポキシ含有化合物、
イソシアヌレート、多官能オリゴマーから選ばれた少な
くとも一つの架橋剤により架橋されていることをを特徴
とするものである。
【0008】本発明に用いる多孔質膜はポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)、フッ化ビニリデン(PVd
F)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエ
チレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン
−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PF
A)などのフッ素樹脂から成るものである。これらフッ
素樹脂製多孔質膜の厚さ、孔径、気孔率は親水性多孔質
膜の用途に応じて適宜設定できるが、通常、厚さは約5
〜500μm、孔径は約0.01〜10μm、気孔率は
約20〜95%である。
オロエチレン(PTFE)、フッ化ビニリデン(PVd
F)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエ
チレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン
−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PF
A)などのフッ素樹脂から成るものである。これらフッ
素樹脂製多孔質膜の厚さ、孔径、気孔率は親水性多孔質
膜の用途に応じて適宜設定できるが、通常、厚さは約5
〜500μm、孔径は約0.01〜10μm、気孔率は
約20〜95%である。
【0009】これらフッ素樹脂製多孔質膜を親水化する
ためにノニオン型フッ素系界面活性剤が用いられる。こ
の界面活性剤の例としては下記化1で表される構造を有
するものが挙げられる。
ためにノニオン型フッ素系界面活性剤が用いられる。こ
の界面活性剤の例としては下記化1で表される構造を有
するものが挙げられる。
【0010】
【化1】
【0011】(上記化1中のR1 、R2 、R3 は各々独
立にH、OH、COOH、またはCH 3 であり、xは1
〜3の整数、yは1〜17の整数、zは1〜20の整数
である。)
立にH、OH、COOH、またはCH 3 であり、xは1
〜3の整数、yは1〜17の整数、zは1〜20の整数
である。)
【0012】そして、上記化1で表されるノニオン型フ
ッ素系界面活性剤は市販されており、住友スリーエム製
商品名フロラードFC−170C、FC−430、FC
−431、旭ICIフロロポリマーズ社製商品名サーフ
ロンS−141、S−145、ダイキン工業社製商品名
ユニダインDS−401、DS−403、DS−45
1、DS−406などが入手できる。
ッ素系界面活性剤は市販されており、住友スリーエム製
商品名フロラードFC−170C、FC−430、FC
−431、旭ICIフロロポリマーズ社製商品名サーフ
ロンS−141、S−145、ダイキン工業社製商品名
ユニダインDS−401、DS−403、DS−45
1、DS−406などが入手できる。
【0013】本発明においてはノニオン型フッ素系界面
活性剤を架橋するためにエポキシ基含有化合物、イソシ
アヌレート、多官能オリゴマーから選ばれた少なくとも
一つを用いる。ノニオン型フッ素系界面活性剤をこれら
架橋剤により架橋することにより、該界面活性剤を加水
分解などを生ずることのない架橋状態にでき、親水性を
長期間持続できるのである。
活性剤を架橋するためにエポキシ基含有化合物、イソシ
アヌレート、多官能オリゴマーから選ばれた少なくとも
一つを用いる。ノニオン型フッ素系界面活性剤をこれら
架橋剤により架橋することにより、該界面活性剤を加水
分解などを生ずることのない架橋状態にでき、親水性を
長期間持続できるのである。
【0014】上記のエポキシ基含有化合物の具体例とし
ては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレ
ート、アリルグリシジルエーテル、、ジグリセリントリ
グリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステ
ル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジ
グリシジルエーテル、1,6ヘキサンジオールジグリシ
ジルエーテルなどを、イソシアヌレートの具体例として
は、トリアリルイソシアヌレート、トリ(2,3−エポ
キシプロピル)イソシアヌレート、トリ(2−ヒドロキ
シエチル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリ(2
−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどを、多官能
オリゴマーの具体例としては、ポリエチレングリコール
アクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレー
ト、2ヒドロキシ1,3ジメタクリロキシプロパン、
2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニ
ル〕プロパンなどを挙げることができる。
ては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレ
ート、アリルグリシジルエーテル、、ジグリセリントリ
グリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステ
ル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジ
グリシジルエーテル、1,6ヘキサンジオールジグリシ
ジルエーテルなどを、イソシアヌレートの具体例として
は、トリアリルイソシアヌレート、トリ(2,3−エポ
キシプロピル)イソシアヌレート、トリ(2−ヒドロキ
シエチル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリ(2
−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどを、多官能
オリゴマーの具体例としては、ポリエチレングリコール
アクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレー
ト、2ヒドロキシ1,3ジメタクリロキシプロパン、
2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニ
ル〕プロパンなどを挙げることができる。
【0015】上記の親水性多孔膜はフッ素樹脂製多孔質
膜にノニオン型フッ素系界面活性剤、およびエポキシ基
含有化合物、イソシアヌレート、多官能化合物から選ば
れた少なくとも一つの架橋剤を含む溶液を含浸させ、次
いで、加熱あるいは紫外線を照射することにより該界面
活性剤を架橋する方法により得ることができる。
膜にノニオン型フッ素系界面活性剤、およびエポキシ基
含有化合物、イソシアヌレート、多官能化合物から選ば
れた少なくとも一つの架橋剤を含む溶液を含浸させ、次
いで、加熱あるいは紫外線を照射することにより該界面
活性剤を架橋する方法により得ることができる。
【0016】この方法においては、先ず、フッ素樹脂製
多孔質膜にノニオン型フッ素系界面活性剤および架橋剤
を含有する溶液が含浸される。フッ素樹脂製多孔質膜へ
の該溶液の含浸は、例えば、界面活性剤および架橋剤を
含有する溶液中に多孔質膜を浸漬する方法、フッ素樹脂
製多孔質膜に該溶液を塗布する方法などにより行うこと
ができる。これによりフッ素樹脂製多孔質膜の微孔内に
界面活性剤および架橋剤を含有する溶液が浸透する。多
孔質膜表面にも該溶液が付着するが、この付着は何ら問
題はない。しかし、所望により、多孔質膜表面に付着し
た溶液を拭き取りなどにより除去してもよい。
多孔質膜にノニオン型フッ素系界面活性剤および架橋剤
を含有する溶液が含浸される。フッ素樹脂製多孔質膜へ
の該溶液の含浸は、例えば、界面活性剤および架橋剤を
含有する溶液中に多孔質膜を浸漬する方法、フッ素樹脂
製多孔質膜に該溶液を塗布する方法などにより行うこと
ができる。これによりフッ素樹脂製多孔質膜の微孔内に
界面活性剤および架橋剤を含有する溶液が浸透する。多
孔質膜表面にも該溶液が付着するが、この付着は何ら問
題はない。しかし、所望により、多孔質膜表面に付着し
た溶液を拭き取りなどにより除去してもよい。
【0017】このときの溶液としては界面活性剤の濃度
を約0.1〜20重量%とし、界面活性剤100重量部
に対し、架橋剤が約0.1〜100重量部になるように
配合したものを使用できる。溶媒は界面活性剤および架
橋剤を溶解し得るものであれば特に限定されないが、ア
セトン、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エ
チル、メタノール、ヘキサン、プロパノールなどが好適
である。
を約0.1〜20重量%とし、界面活性剤100重量部
に対し、架橋剤が約0.1〜100重量部になるように
配合したものを使用できる。溶媒は界面活性剤および架
橋剤を溶解し得るものであれば特に限定されないが、ア
セトン、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エ
チル、メタノール、ヘキサン、プロパノールなどが好適
である。
【0018】このようにしてフッ素樹脂多孔質膜にフッ
素系界面活性剤および架橋剤を含有する溶液を含浸した
後、多孔質膜に含浸された界面活性剤を架橋する。架橋
は加熱法、紫外線照射法あるいはこれら両法を併用して
行うことができる。
素系界面活性剤および架橋剤を含有する溶液を含浸した
後、多孔質膜に含浸された界面活性剤を架橋する。架橋
は加熱法、紫外線照射法あるいはこれら両法を併用して
行うことができる。
【0019】界面活性剤の架橋を紫外線照射法により行
うときは、照射に先立ち、適当な温度に加熱して溶媒を
除去しておくのが照射の作業性のために好ましい。紫外
線の照射源としては水銀ランプ、重水素ランプ、F2 レ
ーザー、Arレーザー、KrClレーザーなどを使用で
きる。照射時間は種々の要因によって変わり得るが、通
常は約5秒〜30分である。なお、架橋の促進のため、
上記溶液中にアセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾ
フェノン系、チキオサントン系などの紫外線増感剤を適
量添加しておくこともできる。
うときは、照射に先立ち、適当な温度に加熱して溶媒を
除去しておくのが照射の作業性のために好ましい。紫外
線の照射源としては水銀ランプ、重水素ランプ、F2 レ
ーザー、Arレーザー、KrClレーザーなどを使用で
きる。照射時間は種々の要因によって変わり得るが、通
常は約5秒〜30分である。なお、架橋の促進のため、
上記溶液中にアセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾ
フェノン系、チキオサントン系などの紫外線増感剤を適
量添加しておくこともできる。
【0020】かくして、フッ素樹脂製多孔質膜の微孔内
にノニオン型フッ素系界面活性剤が架橋された状態で強
固に固定され、親水性が長期間持続するフッ素樹脂製多
孔質膜が得られる。
にノニオン型フッ素系界面活性剤が架橋された状態で強
固に固定され、親水性が長期間持続するフッ素樹脂製多
孔質膜が得られる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
する。
【0022】実施例1 イソプロピルアルコール94.5重量部に下記の化2で
示されるノニオン型フッ素系界面活性剤5重量部および
架橋剤としてのトリ(2,3−エポキシプロピル)イソ
シアヌレート0.5重量部を溶解する。
示されるノニオン型フッ素系界面活性剤5重量部および
架橋剤としてのトリ(2,3−エポキシプロピル)イソ
シアヌレート0.5重量部を溶解する。
【0023】
【化2】
【0024】次に、この溶液中に厚さ80μm、微孔の
平均孔径0.1μm、気孔率70%のPTFE多孔質膜
を浸漬して引上げ、温度80℃で10分間乾燥して溶媒
を除去し、更に、同温度で1週間加熱を続けることによ
り界面活性剤を架橋させて親水性多孔質膜を得た。
平均孔径0.1μm、気孔率70%のPTFE多孔質膜
を浸漬して引上げ、温度80℃で10分間乾燥して溶媒
を除去し、更に、同温度で1週間加熱を続けることによ
り界面活性剤を架橋させて親水性多孔質膜を得た。
【0025】この親水性多孔質膜について、引張強度を
測定したところ縦310kg/cm 2 、横193kg/
cm2 であり、その製造に用いたPTFE多孔質膜の値
(縦315kg/cm2 、横195kg/cm2 )とほ
ぼ同じであり、熱架橋による強度劣化は認められなかっ
た。なお、この測定には引張試験機(東洋ボールドウィ
ン社製、テンシロン UTM−III −100)を用い、
測定条件は温度25℃、引張速度200mm/minと
した。
測定したところ縦310kg/cm 2 、横193kg/
cm2 であり、その製造に用いたPTFE多孔質膜の値
(縦315kg/cm2 、横195kg/cm2 )とほ
ぼ同じであり、熱架橋による強度劣化は認められなかっ
た。なお、この測定には引張試験機(東洋ボールドウィ
ン社製、テンシロン UTM−III −100)を用い、
測定条件は温度25℃、引張速度200mm/minと
した。
【0026】また、この親水性多孔質膜をカートリッジ
型濾過装置の濾過膜としてセットし、透過側を235m
mHgの減圧にして純水を透過させたところ初期透過流
束は6.6cm3 /(cm2 ・min)であった。その
後、いったん親水性多孔質膜を濾過装置から取りだし、
乾燥により水分を除去し、これを再び濾過装置にセット
し、上記と同条件で水を透過させて再試験したところ透
過流束の変化はなかった。
型濾過装置の濾過膜としてセットし、透過側を235m
mHgの減圧にして純水を透過させたところ初期透過流
束は6.6cm3 /(cm2 ・min)であった。その
後、いったん親水性多孔質膜を濾過装置から取りだし、
乾燥により水分を除去し、これを再び濾過装置にセット
し、上記と同条件で水を透過させて再試験したところ透
過流束の変化はなかった。
【0027】更に、PTFE多孔質膜および親水性多孔
質膜をコンデンサーの電解液として常用されるγ−ブチ
ロラクトン中に浸漬したところ、親水性多孔質膜はγ−
ブチロラクトンを充分吸収したが、PTFE多孔質膜は
γ−ブチロラクトンを吸収しなかった。
質膜をコンデンサーの電解液として常用されるγ−ブチ
ロラクトン中に浸漬したところ、親水性多孔質膜はγ−
ブチロラクトンを充分吸収したが、PTFE多孔質膜は
γ−ブチロラクトンを吸収しなかった。
【0028】比較例1 実施例1で用いたPTFE多孔質膜をそのまま濾過装置
の濾過膜としてセットし試験したところ水が透過しなか
った。
の濾過膜としてセットし試験したところ水が透過しなか
った。
【0029】比較例2 アセトンと酢酸エチルの同重量部ずつの混合液100重
量部に、実施例1で用いたフッ素系界面活性剤5重量部
および架橋剤としてのトリメチロールプロパントリフェ
ニルジイソシアネート3.5重量部を溶解させる。次
に、この溶液中に実施例1で用いたのと同じPTFE多
孔質膜を浸漬して引上げ、温度80℃で5分間加熱して
溶剤を除去し、その後更に80℃で1日エージングして
界面活性剤を架橋することにより親水性多孔質膜を得
た。
量部に、実施例1で用いたフッ素系界面活性剤5重量部
および架橋剤としてのトリメチロールプロパントリフェ
ニルジイソシアネート3.5重量部を溶解させる。次
に、この溶液中に実施例1で用いたのと同じPTFE多
孔質膜を浸漬して引上げ、温度80℃で5分間加熱して
溶剤を除去し、その後更に80℃で1日エージングして
界面活性剤を架橋することにより親水性多孔質膜を得
た。
【0030】実施例1と同様に透過試験を行ったとこ
ろ、初期透過流束は6.4cm3 /(cm2 ・min)
であったが、再試験時の透過流束は5.8cm3 /(c
m2 ・min)に低下した。
ろ、初期透過流束は6.4cm3 /(cm2 ・min)
であったが、再試験時の透過流束は5.8cm3 /(c
m2 ・min)に低下した。
【0031】実施例2 架橋剤としてアリルグリシジルエーテルを用いること、
および紫外線増感剤としてベンゾフェノンを0.05重
量部添加すること以外は実施例1と同様にPTFE多孔
質膜の浸漬を行う。そして、これを引上げ、温度80℃
で10分間加熱することによりイソプロピルアルコール
を除去する。次に、これに水銀ランプ(出力1Kw)を
用いて距離20cmで紫外線を1分間照射することによ
り、界面活性剤を架橋して親水性多孔質膜を得た。
および紫外線増感剤としてベンゾフェノンを0.05重
量部添加すること以外は実施例1と同様にPTFE多孔
質膜の浸漬を行う。そして、これを引上げ、温度80℃
で10分間加熱することによりイソプロピルアルコール
を除去する。次に、これに水銀ランプ(出力1Kw)を
用いて距離20cmで紫外線を1分間照射することによ
り、界面活性剤を架橋して親水性多孔質膜を得た。
【0032】この親水性多孔質膜について実施例1と同
じ試験を行った。純水の初期透過流束は6.5cm3 /
(cm2 ・min)であり、乾燥後の再試験において透
過流束の低下は見られなかった。
じ試験を行った。純水の初期透過流束は6.5cm3 /
(cm2 ・min)であり、乾燥後の再試験において透
過流束の低下は見られなかった。
【0033】また、親水性多孔質膜の引張強度は縦が3
15kg/cm2 、横が195kg/cm2 で、親水化
前のPTFE多孔質膜の値(縦が315kg/cm2 、
横が195kg/cm2 )とほぼ同値であり、紫外線照
射による劣化はなかった。
15kg/cm2 、横が195kg/cm2 で、親水化
前のPTFE多孔質膜の値(縦が315kg/cm2 、
横が195kg/cm2 )とほぼ同値であり、紫外線照
射による劣化はなかった。
【0034】比較例3 界面活性剤の架橋を電子線照射により行うこと以外は実
施例1と同様に作業した。なお、電子線の照射は窒素中
で行い、照射量は5Mradとした。得られた膜は脆く
引張強度の測定ができなかった。
施例1と同様に作業した。なお、電子線の照射は窒素中
で行い、照射量は5Mradとした。得られた膜は脆く
引張強度の測定ができなかった。
【0035】実施例3 厚さ15μm、微孔の平均孔径3μm、気孔率90%の
PTFE多孔質膜を用いること以外は実施例1と同様に
作業して、親水性PTFE多孔質膜を得た。この親水性
多孔質膜をセットした濾過装置の純水の初期透過流束は
890cm3 /(cm2 ・min)であり、乾燥後の再
試験において透過流束値は初期値と同じで変化はなかっ
た。
PTFE多孔質膜を用いること以外は実施例1と同様に
作業して、親水性PTFE多孔質膜を得た。この親水性
多孔質膜をセットした濾過装置の純水の初期透過流束は
890cm3 /(cm2 ・min)であり、乾燥後の再
試験において透過流束値は初期値と同じで変化はなかっ
た。
【0036】更に、この親水性多孔質膜を室温および水
中で各々30日間放置した後濾過装置の組み込み、その
初期透過流束を測定したところ、室温放置の場合は80
0cm3 /(cm2 ・min)、水中放置の場合は75
0cm3 /(cm2 ・min)であった。
中で各々30日間放置した後濾過装置の組み込み、その
初期透過流束を測定したところ、室温放置の場合は80
0cm3 /(cm2 ・min)、水中放置の場合は75
0cm3 /(cm2 ・min)であった。
【0037】比較例4 実施例3で用いたPTFE多孔質膜をそのまま濾過装置
の濾過膜としてセットし試験したところ、純水の初期透
過流束は120cm3 /(cm2 ・min)と低かっ
た。
の濾過膜としてセットし試験したところ、純水の初期透
過流束は120cm3 /(cm2 ・min)と低かっ
た。
【0038】比較例5 架橋剤を使用しないこと以外は実施例3と同様に作業し
て、フッ素系界面活性剤が架橋されていない親水性多孔
質膜を得た。
て、フッ素系界面活性剤が架橋されていない親水性多孔
質膜を得た。
【0039】この親水性多孔質膜の純水の初期透過流束
は870cm3 /(cm2 ・min)であった。また、
実施例3と同様に親水性多孔質膜を室温および水中で各
々30日間放置した後濾過装置に組み込み、その初期透
過流束を測定したところ、室温放置の場合は700cm
3 /(cm2 ・min)、水中放置の場合は200cm
3 /(cm2 ・min)であった。
は870cm3 /(cm2 ・min)であった。また、
実施例3と同様に親水性多孔質膜を室温および水中で各
々30日間放置した後濾過装置に組み込み、その初期透
過流束を測定したところ、室温放置の場合は700cm
3 /(cm2 ・min)、水中放置の場合は200cm
3 /(cm2 ・min)であった。
【0040】
【発明の効果】本発明はフッ素樹脂製多孔質膜の微孔に
含浸浸透したノニオン型界面活性剤を架橋結合の耐久性
のある架橋剤により架橋したので、親水性あるいはコン
デンサー電解液との親和性が長期間持続する親水性多孔
質膜を提供できる。
含浸浸透したノニオン型界面活性剤を架橋結合の耐久性
のある架橋剤により架橋したので、親水性あるいはコン
デンサー電解液との親和性が長期間持続する親水性多孔
質膜を提供できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 フッ素樹脂製多孔質膜にノニオン型フッ
素系界面活性剤が含浸されており、該界面活性剤がエポ
キシ基含有化合物、イソシアヌレート、多官能オリゴマ
ーから選ばれた少なくとも一つの架橋剤により架橋され
ていることを特徴とする親水性多孔質膜。 - 【請求項2】 フッ素樹脂製多孔質膜にノニオン型フッ
素系界面活性剤、およびエポキシ基含有化合物、イソシ
アヌレート、多官能オリゴマーから選ばれた少なくとも
一つの架橋剤を含む溶液を含浸させ、次いで、加熱ある
いは紫外線を照射することにより該界面活性剤を架橋さ
せることを特徴とする親水性多孔質膜の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1362793A JP3254028B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 親水性多孔質膜およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1362793A JP3254028B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 親水性多孔質膜およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06228359A true JPH06228359A (ja) | 1994-08-16 |
JP3254028B2 JP3254028B2 (ja) | 2002-02-04 |
Family
ID=11838481
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1362793A Expired - Lifetime JP3254028B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 親水性多孔質膜およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3254028B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000069950A1 (en) * | 1999-05-19 | 2000-11-23 | 3M Innovative Properties Company | Printing of olefinic substrates comprising a non-ionic fluorochemical surfactant |
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EP2305369A1 (en) | 2009-09-30 | 2011-04-06 | Fujifilm Corporation | Crystalline polymer microporous membrane, method for producing the same, and filtration filter |
US20110120939A1 (en) * | 2009-11-25 | 2011-05-26 | Kenichi Ishizuka | Crystalline polymer microporous membrane, method for producing the same, and filtration filter |
JP2011110474A (ja) * | 2009-11-25 | 2011-06-09 | Fujifilm Corp | 濾過用フィルタ及びその製造方法 |
JP2011110472A (ja) * | 2009-11-25 | 2011-06-09 | Fujifilm Corp | 結晶性ポリマー微孔性膜及びその製造方法、並びに濾過用フィルタ |
JP2011110473A (ja) * | 2009-11-25 | 2011-06-09 | Fujifilm Corp | 結晶性ポリマー微孔性膜及びその製造方法、並びに濾過用フィルタ |
-
1993
- 1993-01-29 JP JP1362793A patent/JP3254028B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011110470A (ja) * | 2009-11-25 | 2011-06-09 | Fujifilm Corp | 結晶性ポリマー微孔性膜及びその製造方法、並びに濾過用フィルタ |
JP2011110474A (ja) * | 2009-11-25 | 2011-06-09 | Fujifilm Corp | 濾過用フィルタ及びその製造方法 |
JP2011110472A (ja) * | 2009-11-25 | 2011-06-09 | Fujifilm Corp | 結晶性ポリマー微孔性膜及びその製造方法、並びに濾過用フィルタ |
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US8739976B2 (en) | 2009-11-25 | 2014-06-03 | Fujifilm Corporation | Crystalline polymer microporous membrane, method for producing the same, and filteration filter |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3254028B2 (ja) | 2002-02-04 |
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