JPH0622829A - 通気クッション体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 座席部や寝具の上面に空気を送り、汗による
不快感をなくし使用環境を快適にする。 【構成】 弾性を有しているが体重程度の加重では殆ど
圧縮変形の生じない硬質の弾性芯材１の中央部に孔５ま
たは窪みを設けてこの孔または窪み内に小型の電動送風
機４をを配設し、送風機の外周に縦方向の送気路７を形
成するとともに弾性芯材１にこの送気路７に連通する横
方向の吸気路８を設けて送風機４の作動時に外部の空気
が送風機４に供給されるようになし、弾性芯材１の上面
を通気性に富んだ柔軟な弾性マット２で被覆して送風機
４によって吐出された空気が弾性マット２内の空隙を通
って里側に放出されるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、発汗による不快感を解
消することができる通気性クッション体に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】特に身体障害に基因する車椅子の常用者
あるいは各種の自動車、フォークリフト、クレーンなど
の作業車の運転座席に長時間座っていると、発汗により
臀部が多湿状態となって不快感を覚え、また夏期におけ
る就寝用のマクラの場合も同様に頭部から出る汗により
寝苦しくなるという現象が生じる。従来その解決策とし
て籐や竹で編織した通気性の敷物やマクラを使用し、汗
の発散を促進している。

【０００３】しかしながらかかる敷物やマクラは、籐や
竹自体で空間を形成し、空気の流通をはかるという着想
にもとづくものであり、消極的調湿手段であることから
その空気の流動に乏しい場所においてはその効果は小さ
い。この課題に対処して例えば実開昭６２−３５５５８
号公報記載のように、シートクッションの中の間隙に積
極的に冷・暖房の空気を挿入するようになした自動車用
冷暖房シートクッションが提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが上記実開昭６
２−３５５５８号公報記載のシートクッションは、自動
車の冷暖房装置から導入した空気を座席部や背もたれ部
に噴出させることができ、汗の発散を促進することがで
きるが、クッション部から離れた箇所にある送気源を利
用するようになっているため、送気源とクッション部と
の間に長尺の配管を必要とするばかりでなく、電源はあ
るが送気源のない場所では使用できず、また送気源があ
っても配管とその接続に可成りの手間と費用を要する。
本発明は、送気源がなくても電池や交直流の電源があれ
ば簡単に使用することができる通気クッション体を提供
するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、クッション体
の芯材の中央部に小型の電動送風器を配し、この送風機
によりクッション体の内部から外部に空気を発散させる
ように構成することによって上記課題を解決した。即ち
本発明の通気クッション体は、硬質の弾性芯材の中央部
に小型の電気送風器を配備してその送風器の外周縦方向
に送気路を形成するとともに弾性芯材に上記送気路と連
通した横方向の吸気路を設け、その弾性芯材の少なくと
も上面に通気性の柔軟な弾性マットを配設した構造を特
徴としているものである。

【０００６】本発明の通気クッション体の硬質の弾性芯
材としては、体重により殆ど弾性圧縮変形や通気の生じ
ない密度と硬度を有したポリウレタン発砲材や発砲ゴム
材が好ましく適用できる。そしてその芯材の中央部に窪
みまたは孔を設けて小型の電気送風機をその回転羽根を
上方に向けて埋設するとよく、またこの送風機の外周縦
方向の送気路は、送風機本体胴部が円形であり上記窪み
または孔が方形の場合には窪みまたは孔の４隅を送気路
とし、窪みまたは孔が送風機本体胴部と同じ円形である
場合には、窪みまたは孔の外側に送気路を形成するとよ
い。そして弾性芯材に上記送気路と連通した横方向の吸
気路を設け、送風機が作動したとき、外部の空気がこの
吸気路から送気路に向かって吸い込まれて芯材の上面側
に吐出されるように構成するとよい。

【０００７】上記芯材の上面を被覆する通気性の柔軟な
弾性マットとしては、コイル織条物の集合体や連続気泡
のスポンジ等空隙率の大きいマットが好適であり、上記
芯材の上に接着または離脱可能な止着手段によって接合
するとよい。

【０００８】

【作用】芯材の中央部に位置した送風機に通電して作動
させると、吸気路から吸い込まれた空気が芯材の上面に
向かって吐出され、通気性の柔軟な弾性マットが細隙を
通って算出し、この弾性マットに接している使用者の臀
部や頭部から出る汗を発散し、接触部のムレを防止して
ムレによる不快感を解消する。そして上面の弾性マット
は臀部や頭部を柔らかく支持して使用感を良好にし、ま
た硬質の芯材は体重によって過度に沈み変形をなくして
送風機を保護し、横方向の吸気路と縦方向の通気路は送
風機への吸気を円滑にし、弾性マット内の換気を促進さ
せる。

【０００９】

【実施例】以下本考案の実施例を示している図にもとづ
いて説明すると、図１〜図３は座布団タイプのクッショ
ン体に本発明を実施した態様を示し、図１は縦断面図、
図２は一部省略平面図そして図３は分離斜視図である。
図において１は芯材、２は弾性マット、３は底板、そし
て４はＤＣ−１２Ｖの小型の電動送風機である。

【００１０】本発明においては芯材１には、体重程度の
荷重では殆ど圧縮変形しない硬質の発砲体が適用され、
その中央部に方形の孔５が設けられていて、この孔５に
電動送風機４がその送風回転羽根を上向きにして装着さ
れている。６は電動送風機４の装着用ベースプレートで
ある。また芯材１の底面側には、側面から上記孔５に向
かって横方向に延び上記孔５の４隅の空隙送気路７に連
通している吸気路８、８が設けられ、送気に必要な空気
はこの吸気路８、８から送気路７、７を経て供給される
ようになっている。そして芯材１の底面側から芯材と同
質の底板３が接着されている。10は通電用のコードであ
る。

【００１１】上記芯材１の上面を被覆する弾性マット２
は、本実施例においてはやゝ硬い、空隙率の大きい弾力
を有する合成樹脂のコイル線条物の集合体によって見か
けの厚さが約１５mmの厚さで構成され、大きな空隙率を
有していて弾力と柔軟性に富み、上記電動送風機４の作
動によりこの弾性マット２に向かって余り抵抗を受けな
い空隙間を通って送風され、この空気が線条物間の空隙
を通って拡散し、弾性マット２の上面に放出できる構造
となって、図１に示しているように芯材１の上面に接合
されてクッション性の座部を形成している。従って芯材
１が柔軟な場合体重によって送風路を閉塞することにな
り、空気の逆流現象が生じる。又弾性マット２も通気性
の悪いものは同様の逆流現象を生じさせるものである。

【００１２】なお上記実施例においては、座席用の通気
クッション体について説明しているが、図４に示してい
るように、寝具用の芯材マット11の中央部に上記電動送
風機４を配設し（適宜増してもよい）、その上に通気性
の弾性マット（図示せず）を配して寝具用の通気クッシ
ョン体となしてもよく、また図５に示しているように枕
を上記実施例と同様の芯材１と弾性マット２で構成し、
その芯材１の中央部に電動送風器４を配設し、枕用の通
気クッション体となしてもよい。

【００１３】

【発明の効果】このように本発明の通気クッション体
は、硬質の弾性芯材１の中央部に小型の電気送風機４が
配備されてその縦方向（厚さ方向）に送気路７が形成さ
れ、弾性芯材１に上記送気路７と連通した横方向の通気
路８が設けられ、その弾性芯材１の少なくとも上面に通
気性の柔軟な弾性マット２が配設されてなるものである
から、車椅子の敷具としてあるいは暑さの感じる時期
に、作業車例えばフォークリフトに乗車し土木作業をす
る場合、この通気性クッション体を座席に敷いて着席
し、電池またはＤＣ変換機を介して小型送風機４を作動
させると、外部空気が吸気路８、８から吸入されて通気
路７を経て送風機４に供給され、弾性マット２内に連続
して送風されて作業車の臀部に向かって放出される。そ
れによって座席との密着により生じる汗が拡散され、座
席部のベトツキが解消され、しかも涼しくて快適に作業
をすることができる。また本発明の寝具に適用すれば就
寝時の発汗によるムレがなくなり、快適に就寝できると
ともに床ずれ防止にも優れた効果を発揮すると共に、特
に従来の送風機として使用されていた圧縮空気を必要と
せず、通常の小型送風機で充分工かを発揮できるように
なった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の通気クッション体断面図。

【図２】図１の１部省略平面図。

【図３】図１の通気クッション体の分離斜視図。

【図４】寝具マットへの適用例を示す簡略斜視図。

【図５】枕への適用例を示す部分断面斜視図。

【符号の説明】

１ 硬質の弾性芯材 ２ 弾性マット ３ 底板 ４ 電動送風機 ５ 孔 ６ ベースプレート ７ 送気路 ８ 吸気路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 硬質の弾性芯材の中心部に小型の電気送
   風機が配備されてその縦方向に送風路が形成され、弾性
   芯材に上記送気路と連通した横方向の通気路が設けら
   れ、その弾性芯材の少なくとも上面に通気性の柔軟な弾
   性マットが配設されてなる通気クッション体。