JPH0622778A - 光学活性エポキシアルコールの製造方法 - Google Patents

光学活性エポキシアルコールの製造方法

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JPH0622778A
JPH0622778A JP20735892A JP20735892A JPH0622778A JP H0622778 A JPH0622778 A JP H0622778A JP 20735892 A JP20735892 A JP 20735892A JP 20735892 A JP20735892 A JP 20735892A JP H0622778 A JPH0622778 A JP H0622778A
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alcohol
chemical
epoxy
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JP20735892A
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Hiroyuki Yuasa
博之 湯浅
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 予め塩化メチレンに光学活性酒石酸ジエチル
を加えて攪拌、冷却しておいた溶液中に式1のアリルア
ルコールをtert- ブチルハイドロペルオキシドと共に加
えて攪拌後、この溶液中にチタニウムイソプロポキシド
を加えて不斉エポキシ化反応を行い、粗光学活性エポキ
シアルコールを得た後、得られた粗光学活性エポキシア
ルコールを加水分解酵素存在下、有機溶媒中でアシル供
与体と作用させ、(−)体を優先的にエステル化してエ
ポキシエステルとし、エポキシエステルと光学活性エポ
キシアルコールとに分離し、前記エポキシエステルを加
水分解して式2 の光学活性エポキシアルコールを得る。(式中R1 はC
1〜20の直鎖又は分岐アルキル基を示す。) 【効果】 ジプシーモス(Lymantria dispar L.) の性フ
ェロモン合成中間体として有用な光学活性なエポキシア
ルコールを常温下、極めて容易に高純度で得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は光学活性エポキシアル
コールの製造方法に係り、その目的は特にジプシーモス
(Lymantria dispar L.)の性フェロモン合成中間体とし
て有用な光学活性エポキシアルコールを、常温下、極め
て容易に且つ効率的に、安全性高く、高純度にて得るこ
とができるエポキシアルコールの製造方法を提供するこ
とにある。
【0002】
【発明の背景】一般式7(化7)で示されるエポキシア
ルコールの光学活性体は、各種医薬品、農薬、生理活性
物質等の合成中間体原料として着目されており、特に2,
3-エポキシ-8- メチル-1- ノナノールの(−)光学活性
体はジプシーモス(Lymantriadispar L.)の性フェロモン
の合成中間体として重要な物質である。
【化7】 (但し、式中R1 、R2 は炭素数1〜20の直鎖又は分
岐アルキル基を示す。※は不斉炭素を示す。)
【0003】
【従来の技術】従来、一般式8(化8)で示されるエポ
キシアルコールを合成する方法としては、Kstsuki K.
(J. Am. chem. Soc, 1980, vol 102,5974)らが見い出し
たアリルアルコールから不斉エポキシ化反応により合成
する方法があった。
【化8】 (但し、式中R1 、R2 は炭素数1〜20の直鎖又は分
岐アルキル基を示す。※は不斉炭素を示す。)
【0004】しかしながら、この技術では、高価な不斉
還元試薬を必要とし、さらに−100℃の温度抑制を必
要とする等の欠点を有しており、汎用的に製造できる方
法ではなかった。また、Daniel Bianchi (Tetraheron L
etter, 29 (20) 2455〜2458, 88) らにより、リパーゼ
を用いて、エポキシアルコールと酢酸エステル或いはプ
ロピオンエステルとから不斉エステル交換によりエポキ
シアルコールの光学活性体を合成する技術も存在した。
しかしながら、この技術では、得られるエポキシアルコ
ールの光学純度や収率等に問題があり、実用化できるも
のではなかった。
【0005】また、最近では特願平2−294486号におい
て、この出願人により酸無水物をアシルドナーとした酵
素エステル化反応を用いることによるエポキシアルコー
ルの光学活性体を合成する方法も出願されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この方法は光学活性エ
ポキシアルコールを極めて簡便に製造できる優れた技術
ではあるが、エポキシアルコールラセミ体を原料とする
ため収率が最高でも50%であり、コスト的にみて有利な
方法ではなかった。そこで、このような実情に鑑み、業
界では常温下、極めて容易に且つ製造上の安全性も高
く、光学純度の高い光学活性エポキシアルコールを大量
に、且つ回収操作を容易に製造することのできる方法の
創出が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明では予め塩化メ
チレンに光学活性酒石酸ジエチルを加えて攪拌、冷却し
ておいた溶液中に一般式9(化9)で示されるアリルア
ルコールをtert- ブチルハイドロペルオキシドと共に加
えて攪拌後、この溶液中にチタニウムイソプロポキシド
を加えて不斉エポキシ化反応を行い、一般式10(化10)
にて示される粗光学活性エポキシアルコールを得た後、
得られた粗光学活性エポキシアルコールを加水分解酵素
存在下、有機溶媒中でアシル供与体と作用させ、(−)
体を優先的にエステル化して一般式11(化11)で示され
るエポキシエステルとし、次いでこのエポキシエステル
と一般式12(化12)で示される光学活性エポキシアルコ
ールとに分離し、前記エポキシエステルを加水分解して
一般式13(化13)で示される光学活性エポキシアルコー
ルを得ることを特徴とする光学活性エポキシアルコール
の製造方法を提供することにより上記従来の課題を悉く
解消する。
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】 (但し、式中R1 、R2 は炭素数1〜20の直鎖又は分
岐アルキル基を示す。※は不斉炭素を示す。)
【0008】
【発明の構成】以下、この発明に係る光学活性エポキシ
アルコールの製造方法の構成について詳述する。この発
明では一般式14(化14)で示されるアリルアルコールを
出発原料として用いる。
【化14】
【0009】このアリルアルコールとしては、限定はさ
れないが、特に一般式15(化15)にて示される8−メチ
ルシス−2−ノネン−1−オールが、ジプシーモス(Lym
antria dispar L.)の性フェロモンの合成中間体として
重要な2,3-エポキシ-8- メチル-1- ノナノールの(−)
光学活性体を高い純度で得ることができるため好ましく
使用される。
【化15】
【0010】まず、予め塩化メチレンにモレキュラーシ
ーブス、光学活性酒石酸ジエチルを加えて約30〜40
分間攪拌冷却しておいた後、内温10℃以下でtert- ブ
チルハイドロペルオキシド及びアリルアルコールを加
え、さらに10℃以下の温度条件下でチタニウムイソプ
ロポキシド(Ti (oPr−i)4)を添加して、0〜
10℃の温度条件下で約15〜20時間不斉エポキシ化
反応を行う。この際、モレキュラーシーブスは反応の終
結を早めることができることができるため好ましく添加
され、出発原料とされるアリルアルコールに対して1〜
2重量部の範囲内で使用されるのが好ましい。また、光
学活性酒石酸ジエチルの使用量も出発原料とされるアリ
ルアルコールに対して0.2〜2当量の範囲内で使用さ
れるのが光学純度を良好に保つため、またコスト上から
も好ましい。この理由は0.2当量未満では光学純度の
低下が予想され、一方2当量を超えて使用しても得られ
るエポキシアルコールの光学純度が上がらないため意味
がなく、また高コストとなるため、いずれの場合も好ま
しくないからである。
【0011】また、この発明において、tert- ブチルハ
イドロペルオキシド及びアリルアルコールを加える温度
を内温10℃以下とした理由は、10℃を超えると光学
純度が低下するため好ましくないからである。tert- ブ
チルハイドロペルオキシドは、出発原料とされるアリル
アルコールに対して1〜2当量の範囲内で使用される。
この理由は1当量未満では充分な反応が行われず、一
方、2当量を超えて使用されると後処理の際、操作が煩
雑となるため、いずれの場合も好ましくないからであ
る。またこの発明では、チタニウムイソプロポキシド
(Ti (oPr−i)4)の使用量は出発原料とされる
酒石酸ジエチルに対して0.8〜1.2当量の範囲内で
使用されるのが好ましい。この理由は、上記範囲外で
は、チタニウムイソプロポキシド(Ti (oPr−i)
4)と酒石酸ジエチルとからなる複合体が良好な触媒能
を示さないため好ましくないからである。この不斉エポ
キシ化反応終了後、反応液を分液し、塩化メチレン層を
洗浄して濃縮すると一般式16(化16)で示される粗光学
活性エポキシアルコールが得られる。
【化16】 (但し、式中R1 、R2 は炭素数1〜20の直鎖又は分
岐アルキル基を示す。※は不斉炭素を示す。)
【0012】この工程にて得られる粗光学活性エポキシ
アルコールの光学純度はチタニウムイソプロポキシド
(Ti (oPr−i)4)の使用量、反応温度や反応時
間の設定等により異なるが、だいたい50〜70%ee
である。
【0013】得られた粗光学活性エポキシアルコールは
次いで加水分解酵素存在下、有機溶媒中にてアシル供与
体と反応させ、このエポキシアルコールの(−)光学活
性体を優先的にアシル化して一般式17(化17)で示され
る光学活性エポキシエステルとする。
【化17】 (R1 、R2 は炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基
を示す。)
【0014】この反応に用いる酵素としては、豚膵臓由
来のリパーゼ、酵母由来リパーゼ、カビ由来リパーゼ等
のリパーゼ類、豚肝臓エステラーゼ、コレステロールエ
ステラーゼ等が挙げられる。これらの酵素は精製品でも
粗精製品でもよく、更にこの剤型も特に限定されるもの
ではなく、粉末体、顆粒体、或いは酵素を含む微生物菌
体(処理菌体、休止菌体)の乾燥品等を用いることがで
きる。これらの酵素はそのまま用いることもできるが固
定化担体に固定して用いることもできる。また、この反
応終了後に回収した酵素を再利用することも可能であ
る。
【0015】この反応に用いる有機溶媒は非水系有機溶
媒であればよく、具体例としては、n−ヘキサン、n−
ヘプタン、n−オクタン、イソブタン、イソペンタン、
イソオクタン等の鎖状炭化水素、シクロペンタン、シク
ロヘキサン等の環状炭化水素、ジクロロメタン、トリク
ロロメタン等の含ハロゲン炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類、或
いは4塩化炭素等が挙げられる。
【0016】アシル供与体としては、カルボン酸無水物
等の酸無水物が好適に使用される。具体的には、鎖状カ
ルボン酸無水物としては酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉
草酸、カプロン酸等の無水物が挙げられ、環状カルボン
酸無水物としては無水コハク酸、無水マレイン酸、無水
グルタミン酸等が例示されるが特に限定はされない。こ
のような、酸無水物は加水分解酵素の基質となり得る範
囲であればよく、より好ましくは炭素数2〜10程度の鎖
状カルボン酸無水物、或いは炭素数4〜10程度の環状カ
ルボン酸無水物がよい。
【0017】この反応に於ける粗エポキシアルコールと
アシル基供与体(無水カルボン酸)との配合率はモル比
で1:0.5 以上であればよい。この反応の反応温度は酵
素の活性温度内であればよく、通常5〜50℃の範囲で用
いられる。
【0018】このようにして得られた一般式18 (化18)
で示される光学活性(-)-エポキシエステルは、室温で油
状の物質である。
【化18】 (R1 、R2 は炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基
を示す。)
【0019】不斉アシル化反応終了後、この反応により
得た光学活性(-)-エポキシエステルと一般式19 (化19)
で示される光学活性(+)−エポキシアルコールとを分
離する。
【化19】 (R1 、R2 は炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基
を示す。)
【0020】この分離方法としては、水難溶性有機溶
媒、或いは水不溶性有機溶媒と水とからなる2相系溶媒
を用いて行う抽出による分離方法、蒸留法による分離方
法等が挙げられる。更には、この分離されて得た一般式
20 (化20) で示される光学活性(-)-エポキシエステル
は、水酸化カリウム等のアルカリで加水分解して容易に
一般式21 (化21) で示される光学活性(-)-エポキシアル
コールに変換できる。
【化20】
【化21】 (R1 、R2 は炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基
を示す。)
【0021】以上のようにして、この発明では光学活性
一般式22 (化22) で示される(+)−エポキシアルコー
ルと一般式23 (化23) で示される光学活性(-)-エポキシ
アルコールとを得る。
【化22】
【化23】 (R1 、R2 は炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基
を示す。)
【0022】
【実施例】以下、この発明に係る光学活性エポキシアル
コールの製造方法を実施例を挙げてより一層詳細に説明
する。
【0023】(実施例1)200 L反応装置に塩化メチレ
ン20L を仕込み、次に細かく粉砕したモレキュラーシー
ブス3A 2.6Kg(アリルアルコールに対し 1.3倍) 、光
学活性な(+)−酒石酸ジエチル 1.8Kg (8.98mol)を塩
化メチレン20L 溶液とし、順に加えて攪拌冷却した。内
温10℃以下でtert- ブチルハイドロペルオキシド(50%
トルエン溶液)6.4L(19.24mol)を塩化メチレン20L 溶
液として加え、続いてアリルアルコールとして8−メチ
ル−2−ノネン−1−オール2.0Kg(12.82mol)を塩化メ
チレン24L 溶液として加えた。更に、10℃以下でチタニ
ウムイソプロポキシド 2.2Kg(7.74mol)を塩化メチレン
36L に溶解し、5回/5時間かけて加えた。0℃〜10
℃間で攪拌させ、ガスクロマトグラフィー(DB-1カラム
にて100℃から 250℃( 10℃/min.) へ昇温)で反応を追
跡したところ約5時間後反応が終了した。後処理方法
は、反応液を冷却し、10℃以下で硫酸第一鉄 1774g、
(+)−酒石酸963gを氷水40L に溶解した溶液に滴下
し、一晩放置して有機層と水層に分液した。有機層の方
はセライト濾過して濃縮し、水層の方は、エーテル30L
で再抽出し、濃縮物と合わせて200L反応装置へ入れ攪拌
冷却した後、内温10℃以下で、ブライン14L 、水酸化ナ
トリウム564g溶液を加え0〜10℃間で約30分攪拌し、抽
出した。水層をエーテル10L で再抽出し、すべての有機
層をブライン洗浄し、乾燥、濃縮することにより粗エポ
キシアルコール2.95Kgを得た。得られた粗エポキシアル
コールの光学純度は58%ee、化学純度は88.2%であっ
た。また、この粗エポキシアルコールは赤外線吸収スペ
クトルの吸収波数(cm-1)が3420、2950、2930、2860、1
460、1380、1360、1040であったこと(図1参照)から
8−メチル−2,3−エポキシ−1−ノナノールである
と同定された。
【0024】次いで、5Lのフラスコにイソプロピルエ
ーテル(2.0L)、得られた粗エポキシアルコール(100g,58
%ee) 、無水酢酸(60g) を入れ、溶液とした。この溶液
に豚膵臓由来のリパーゼ(商品名;パンクレアチンF、
天野製薬社製)(100g) 、セライト(300g)を加え、25〜
27℃で19時間30分攪拌して、この溶液を反応させた。こ
の反応液を濾過した後、得られたろ液を飽和重炭酸水素
ナトリウム、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥、エバポレーターにより溶媒を除去した。こ
のようにして得られた油性状物質をヘキサン/酢酸エチ
ル系の溶出液を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにより分離し、64.8g のエポキシエステル(光学純
度85%ee)を得た。続いて得られた64.8g のエポキシエ
ステルを水酸化カリウム/メタノールで加水分解し、エ
ポキシアルコール45.1g を得た。尚、光学純度はベンゾ
イルクロライドにより対応するベンゾイルエステルに誘
導化し、光学分割用HPLCカラム(キラセルOJ: ダイ
セル化学工業(株)製)を用いて分析決定した。得られ
たエポキシアルコールは赤外線吸収スペクトルの吸収波
数(cm-1) が3420、2950、2930、2860、1460、1380、13
60、1040であったこと(図2参照)、及びプロトン磁気
共鳴スペクトル(1H NMR) 400MHzのσ値が 0.85(6H,d,J=
6.6Hz)、1.10〜1.60(9H,m)、3.01(1H,m)、3.14(1H,m)、
3.64(1H,m)、3.82(1H,m)であったこと(図3参照)から
8−メチル−2,3−エポキシ−1−ノナノールである
と同定された。
【0025】
【発明の効果】以上詳述した如く、この発明は予め塩化
メチレンに光学活性酒石酸ジエチルを加えて攪拌、冷却
しておいた溶液中にアリルアルコールをtert- ブチルハ
イドロペルオキシドと共に加えて攪拌後、この溶液中に
チタニウムイソプロポキシドを加えて不斉エポキシ化反
応を行い、一般式24(化24)にて示される粗光学活性エ
ポキシアルコールを得た後、得られた粗光学活性エポキ
シアルコールを加水分解酵素存在下、有機溶媒中でアシ
ル供与体と作用させ、(−)体を優先的にエステル化し
て一般式25(化25)で示されるエポキシエステルとし、
次いでこのエポキシエステルと一般式26(化26)で示さ
れる光学活性エポキシアルコールとに分離し、前記エポ
キシエステルを加水分解して一般式27(化27)で示され
る光学活性エポキシアルコールを得ることを特徴とする
光学活性エポキシアルコールの製造方法であるから、ジ
プシーモス(Lymantria dispar L.)の性フェロモン合成
中間体として有用な光学活性エポキシアルコールを、常
温下、極めて容易に且つ効率的に、安全性高く、高純度
にて得ることができるという優れた効果を奏する。
【0026】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】 (但し、式中R1 、R2 は炭素数1〜20の直鎖又は分
岐アルキル基を示す。※は不斉炭素を示す。)
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光学活性エポキシアルコールの製造
方法の一工程において得られた粗光学活性エポキシアル
コールの赤外線吸収スペクトル図である。
【図2】この発明の光学活性エポキシアルコールの製造
方法の一工程において得られた光学活性エポキシアルコ
ールの赤外線吸収スペクトル図である。
【図3】図2で示した光学活性エポキシアルコールのプ
ロトン磁気共鳴スペクトル図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め塩化メチレンに光学活性酒石酸ジエ
    チルを加えて攪拌、冷却しておいた溶液中に一般式1
    (化1)で示されるアリルアルコールをtert-ブチルハ
    イドロペルオキシドと共に加えて攪拌後、この溶液中に
    チタニウムイソプロポキシドを加えて不斉エポキシ化反
    応を行い、一般式2(化2)にて示される粗光学活性エ
    ポキシアルコールを得た後、得られた粗光学活性エポキ
    シアルコールを加水分解酵素存在下、有機溶媒中でアシ
    ル供与体と作用させ、(−)体を優先的にエステル化し
    て一般式3(化3)で示されるエポキシエステルとし、
    次いでこのエポキシエステルと一般式4(化4)で示さ
    れる光学活性エポキシアルコールとに分離し、前記エポ
    キシエステルを加水分解して一般式5(化5)で示され
    る光学活性エポキシアルコールを得ることを特徴とする
    光学活性エポキシアルコールの製造方法。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 (但し、式中R1 、R2 は炭素数1〜20の直鎖又は分
    岐アルキル基を示す。※は不斉炭素を示す。)
  2. 【請求項2】 前記酵素がリパーゼであることを特徴と
    する請求項1に記載の光学活性エポキシアルコールの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記アシル供与体が酸無水物であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の光学活性エポキシ
    アルコールの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記アリルアルコールが一般式6(化
    6)で示される8−メチルシス−2−ノネン−1−オー
    ルであることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の
    光学活性エポキシアルコールの製造方法。 【化6】
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6721622B2 (en) 2001-09-14 2004-04-13 Toyoda Koki Kabushiki Kaisha Method of compensating profile data, and numerical controller and machine tool for practicing the method

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6721622B2 (en) 2001-09-14 2004-04-13 Toyoda Koki Kabushiki Kaisha Method of compensating profile data, and numerical controller and machine tool for practicing the method

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