JPH06227724A - シート片暴れ防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数枚重ねた状態のシート片を方向変換のた
め底板上に送り込んだ際、最上部にある短いシート片が
不規則に傾くのを防止する。 【構成】 底板１１の上方に、上下動可能な昇降部材３
２を設け、その下端にシート片１に接触して抵抗を与え
るシート押え部材３３を取り付けると共に、その昇降部
材を搬送コンベア３に連動して上下動する構成とし、搬
送コンベア３からシート片１が底板上に送り込まれた
際、シート押え部材３３が下降してシート片に接触し、
適度な抵抗を与え、シート片の傾きを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、重ねた状態で搬送して
いる複数の書類（以下シート片という）を、方向変換等
のために所定位置に止めて位置決めする際に、シート片
が乱れるのを防止することの可能なシート片暴れ防止装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、複数のシート片を丁合し、封
筒内に挿入する自動封入装置が知られている。この自動
封入装置においては、搬送コンベアの間欠的に走行する
搬送爪の前に、単葉の或いは折り畳んだ状態のシート片
を次々と供給することにより、複数のシート片を丁合
し、そのシート片を積み重ねた状態で方向変換部の底板
上に送り出し、その位置で位置決めし、その後、シート
片を搬送コンベアの流れ方向とは直角方向に送り出し、
口を開いて待機している封筒の中に送り込むという動作
を行っている。ここで、方向変換部の底板は、搬送コン
ベアのシート片の搬送面と同じ高さに設けられており、
その先端（搬送コンベアとは反対側）にはシート片を突
き当てて停止させるための端面ガイドが設けられてい
る。底板上におけるシート片の位置決めは、先端をその
端面ガイドで規制し、後端を所定位置に停止した搬送爪
で規制することにより行っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる従来の
装置では、搬送コンベアで搬送されてきた複数のシート
片のうち、最上部のシート片の長さ（搬送コンベアの搬
送方向の長さ）が他のシート片に比べてかなり短い時
（例えば２割以上短い時）、そのシート片は端面ガイド
と搬送爪とでは位置決めができず、しかも最上部にある
ため他のシート片で拘束されることもなく、このため、
搬送コンベアによる搬送時の勢いで端面ガイドに強く衝
突してはね返り、不規則に傾いた状態となり、封筒への
良好な挿入ができないという問題があった。

【０００４】本発明は、かかる従来の問題点を解消すべ
くなされたもので、長いシート片の上に重ねている短い
シート片を、長いシート片に対して傾いた状態となるこ
となく、停止させることを可能とするシート片暴れ防止
装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべくな
された本発明は、搬送コンベアから間欠的に送り出され
るシート片を受ける位置に配置された底板の上方に、上
下動可能に設けられた昇降部材と、その昇降部材に取り
付けられ、前記底板上に送り込まれたシート片に接触し
て抵抗を与えるシート押え部材と、前記昇降部材を前記
搬送コンベアに同期して上下動させる駆動機構とを有す
るシート片暴れ防止装置を要旨とする。

【０００６】

【作用】上記構成の装置では、搬送コンベアがシート片
を底板上に送り出した際、それに同期して昇降部材が下
降し、シート押え部材が底板上に送り込まれているシー
ト片に接触して抵抗を与える。これにより、最上部に短
いシート片があっても、そのシート片がシート押え部材
の抵抗によって減速し、傾くことなく停止する。かくし
て、シート片が傾いてトラブルを起こすということを防
止できる。シート片が底板上に停止した後は、昇降部材
が上昇し、シート押え部材がシート片から離れ、シート
片の送り出しに干渉することはない。

【０００７】

【実施例】以下、図面に示す本発明の好適な実施例を説
明する。図１は本発明の一実施例によるシート片暴れ防
止装置を備えた方向変換装置の概略平面図、図２はその
概略断面図、図３はその方向変換装置にシート片を送り
込む途中の状態を示す図２と同一部分の概略断面図であ
る。図１〜図３において、１は複数枚が重ね合わされた
状態のシート片、２はそのシート片を入れる封筒であ
る。

【０００８】３は、複数のシート片を丁合しながら搬送
する搬送コンベアであり、図７にも示すように、搬送さ
れるシート片の下面を支持する長い支持板４と、その支
持板４に沿って配置された無端状チェーン５と、その無
端状チェーン５に一定ピッチで取り付けられ、シート片
の後端を押す複数の搬送爪６と、無端状チェーン５を支
持するチェーンホィール７と、無端状チェーン５を、搬
送爪６が間欠的に１ピッチずつ移動するように駆動する
駆動機構（図示せず）等を備えている。この搬送コンベ
ア３の図示していない上流位置には、それぞれが所定の
シート片（単葉のものでも、複数枚のものでも、更には
折り畳んだものでもよい）を支持板４上に供給する複数
のシート片供給装置が並列に配置されており、搬送爪６
が各シート片供給装置の前を間欠的に通過する際に、各
シート片供給装置がシート片を供給し、これにより、複
数のシート片を丁合し所定の順序で重ねたシート片を搬
送爪６で搬送することができる。

【０００９】１０は搬送コンベア３の下流端に設けられ
た方向変換装置である。この方向変換装置１０は、搬送
コンベア３から矢印Ａ方向に送り出されるシート片１を
受ける位置に配置された底板１１を有し、その上面にシ
ート片１を支持するようになっている。この底板１１の
シート片を支持する面は、搬送コンベア３によるシート
片の支持面よりも低い位置に形成されている。底板１１
の先端側には、送られて来たシート片１の先端を規制
し、且つそのシート片１を送り出す際には案内するため
の垂直な案内面１２ａを有する端面ガイド１２が取り付
けられ、反対側には、シート片１の後端を規制し、且つ
シート片を送り出す際には案内するための垂直な案内面
１３ａを有するサイドガイド１３が取り付けられてい
る。サイドガイド１３の上面は、搬送コンベア３の支持
板４上を送られて来たシート片に干渉しないよう、支持
板４と同一高さ若しくはそれより若干低く形成されてい
る。なお、サイドガイド１３は底板１１とは別部品とし
て作る場合に限らず、底板１１と一体構造としてもよ
い。

【００１０】サイドガイド１３の取付位置は、図１から
良く分かるように、その案内面１３ａが搬送爪６の停止
位置よりも、搬送コンベア３による搬送方向（矢印Ａ方
向）に対して若干後ろ側となるように定められている。
この位置とすることにより、搬送爪６が搬送してきたシ
ート片１を確実にサイドガイド１３の前の底板１１上に
落とすことができる。なお、搬送コンベア３の搬送爪６
の停止位置には数ミリ程度のばらつきがあるので、それ
らのばらつきがあっても、常に搬送爪３がサイドガイド
１３の案内面１３ａの前に停止しうるようにサイドガイ
ド１３の位置が定められている。

【００１１】端面ガイド１２は取り付けねじ１４によっ
て位置調整可能に取り付けられており、シート片１のサ
イズに応じた位置に調整可能である。端面ガイド１２の
案内面１２ａとサイドガイド１３の案内面１３ａとの間
隔は、積み重ねているシート片の最大長さ＋搬送爪の停
止位置のばらつき量＋１〜２ｍｍ程度としている。サイ
ドガイド１３の出口側（図１では下端側）には、シート
片揃え用の斜面１３ｂを設け、シート片１を矢印Ｂ方向
に送り出す際にシート片端を揃えるようにしている。な
お、この斜面１３ｂはサイドガイド１３に設ける場合に
限らず、端面ガイド１２に設けてもよいし、両ガイド１
２、１３に設けてもよい。

【００１２】底板１１の側方には、シート片送り出し装
置１７が設けられている。このシート片送り出し装置１
７は、図５、図６にも示すように、底板１１の上面に矢
印Ｂ方向に形成されている溝１１ａ上を摺動する送り爪
１８と、その送り爪１８を支持する支持棒１９と、支持
棒１９を往復動させるレバー２０と、そのレバー２０を
揺動させるカム２１と、カム２１を保持した駆動軸２２
等を備えており、送り爪１８がシート片１の一端を押す
ことにより、そのシート片１を矢印Ｂ方向に底板１１か
ら送り出し、その前方に待機している封筒２内に入れる
ことができる。駆動軸２２は搬送コンベア３の駆動機構
と同期回転する構成となっている。

【００１３】底板１１の側方には、封筒２をつかんで搬
送するチャック２５（図１参照）を備えた搬送手段、及
び所定位置に停止している封筒２を開く吸引具２６、２
７（図６参照）等も設けられている。

【００１４】図１〜図４において、底板１１の上方に
は、シート片暴れ防止装置３０が設けられている。この
シート片暴れ防止装置３０は、ブラケット３１によって
上下動可能に設けられた昇降部材３２と、その昇降部材
３２に取り付けられ、底板１１上に送り込まれたシート
片１に接触して抵抗を与えるシート押え部材３３と、昇
降部材３２を搬送コンベア３に同期して上下動させる駆
動機構３４を有している。シート押え部材３３として
は、搬送爪６によって底板１１上に送り込まれるシート
片１に軽く抵抗を与えることができるものであれば任意
であり、例えば、プラスチック或いは金属の薄い板ばね
が用いられる。また、ブラシを用いることも可能であ
る。

【００１５】シート押え部材３３を上下動させる駆動機
構３４は、支軸３６を中心として揺動し昇降部材３２を
上下動させる第一レバー３７と、支軸３８を中心として
揺動する第二レバー３９と、第一レバー３７と第二レバ
ー３９を連結するリンク４０と、第二レバー３９の一端
に設けられたカムフォロワ４２と、駆動軸４３に取り付
けられ、前記カムフォロワ４２に接触するカム４４と、
カムフォロワ４２をカム４４に押し付けるばね４５等を
備えており、カム４４の回転により、昇降部材３２及び
シート押え部材３３を上下動させることができる。ここ
で、シート押え部材３３が上下動する範囲は、底板１１
上に送り込まれるシート片１に接触して抵抗を与える作
動位置（図２に示す位置）と、底板１１上のシート片１
に接触しない上方の退避位置（図３に示す位置）となる
ように定められている。カム４４を支持した駆動軸４３
は、搬送コンベア３の駆動機構と同期回転するように連
結されている。この同期のタイミングは以下に説明する
動作を行うことができるように定められている。

【００１６】次に上記構成の装置による動作を説明す
る。図１において、シート片送り出し装置１７の送り爪
１８が搬送コンベア３から底板１１上に送り出されるシ
ート片１に干渉しない位置に退避し、且つ図３に示すよ
うに、シート押え部材３３が上方に退避している状態
で、搬送コンベア３の搬送爪６が積み重ねた状態のシー
ト片１を底板１１上に押し出す。このシート片１が底板
１１上に送り出され、その後端がサイドガイド１３に接
近した時点或いはサイドガイド１３を越えた時点で、シ
ート片暴れ防止装置３０のシート押え部材３３が下降
し、シート片１の上面に接触し抵抗を与える。これによ
り、最上部に短いシート片があっても、そのシート片が
勢いよく前進して端面ガイド１２にぶつかるということ
がなく、シート片が傾くということを防止できる。な
お、シート押え部材３３がシート片に接触するタイミン
グは使用するシート片の大きさ、紙質等に応じて適宜変
更可能であるが、あまり早くシート片に接触させると、
シート片の底板上への送り込みが阻止される恐れがある
ので、上記したタイミングが好ましい。

【００１７】搬送爪６はシート片１を底板１１上に送り
出し、図１、図２に示す位置で停止する。これにより、
シート片１は底板１１上の、端面ガイド１２とサイドガ
イド１３との間にはさまれた領域に入り込み、その両端
を端面ガイド１２及びサイドガイド１３（及び搬送爪
６）で規制され、所定位置に位置決めされる。なお、最
上部に短いシート片があった場合、そのシート片は端面
ガイド１２及びサイドガイド１３では規制できないが、
上記したようにそのシート片はシート押え部材３３で傾
かないように規制されるので、その下の長いシート片の
上に揃った状態で乗っている。

【００１８】次に、シート押え部材３３がシート片１の
送り出しに干渉しない位置に上昇し、シート片送り出し
装置１７が作動して、底板１１上のシート片１を図１、
図６で矢印Ｂ方向に押し出す。この時までに、封筒２が
底板１１の横に送られて来て停止し、且つ吸引具２６、
２７によってその口を開いた状態で待機しており、従っ
て、シート片１はその封筒２内に送り込まれる。その
後、シート片送り出し装置１７は元の位置に戻って待機
する。その後、次の搬送爪６が次のシート片を底板１１
上に送り込む。以下同様の動作が繰り返され、シート片
１が次々と底板上に送り込まれ、且つ直角に送り出され
て封筒内に封入される。

【００１９】なお、上記実施例では底板１１を搬送コン
ベア３の支持板４よりも低い位置に設け、搬送コンベア
側の端部にサイドガイドを設けてシート片の後端側を案
内する構成としているが、本発明はこの構成に限らず、
底板１１を支持面４と同じ高さとし、所定位置に停止し
た搬送爪６のみで、シート片の後端側を案内する構成と
してもよい。ただし、図示実施例のようにサイドガイド
を設けておくと、シート片を送り出す際の案内が確実
で、シート片の傾きを防止でき、より円滑な送り出しが
可能となる利点が得られる。また、上記実施例では、底
板１１上に位置決めしたシート片を送り出すと同時に封
筒に入れる構成としているが、本発明はこの構成に限ら
ず、シート片の送り出しのみを行う装置に適用してもよ
い。

【００２０】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のシート片暴れ防止装置は、底板上方に上下動可能に設
けられた昇降部材と、その昇降部材に取り付けられ、底
板上に送り込まれたシート片に接触して抵抗を与えるシ
ート押え部材と、前記昇降部材を搬送コンベアに同期し
て上下動させる駆動機構とを有しているので、搬送コン
ベアがシート片を底板上に送り出した際、それに同期し
て昇降部材が下降し、シート押え部材が底板上に送り込
まれているシート片に接触して抵抗を与えることがで
き、最上部に短いシート片があっても、そのシート片を
シート押え部材の抵抗によって減速し、傾きの発生を防
止することができるという効果を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例によるシート片暴れ防止装置
を備えた方向変換装置の概略平面図

【図２】その概略断面図

【図３】上記の方向変換装置にシート片を送り込む途中
の状態を示す図２と同一部分の概略断面図

【図４】上記実施例のシート片暴れ防止装置の駆動機構
を示す概略側面図

【図５】上記方向変換装置に用いているシート片送り出
し装置の概略斜視図

【図６】上記方向変換装置におけるシート片の送り出し
動作を示す概略断面図

【図７】搬送コンベアの概略断面図

【符号の説明】

１ シート片 ２ 封筒 ３ 搬送コンベア ４ 支持板 ６ 搬送爪 １０ 方向変換装置 １１ 底板 １２ 端面ガイド １３ サイドガイド １７ シート片送り出し装置 １８ 送り爪 ３０ シート片暴れ防止装置 ３２ 保持装置 ３３ シート押え部材 ３４ 駆動機構 ４３ 駆動軸 ４４ カム

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送コンベアから間欠的に送り出される
   シート片を受ける位置に配置された底板の上方に、上下
   動可能に設けられた昇降部材と、その昇降部材に取り付
   けられ、前記底板上に送り込まれたシート片に接触して
   抵抗を与えるシート押え部材と、前記昇降部材を前記搬
   送コンベアに同期して上下動させる駆動機構とを有する
   シート片暴れ防止装置。