JPH06227181A - 導電性印刷物 - Google Patents
導電性印刷物Info
- Publication number
- JPH06227181A JPH06227181A JP1363593A JP1363593A JPH06227181A JP H06227181 A JPH06227181 A JP H06227181A JP 1363593 A JP1363593 A JP 1363593A JP 1363593 A JP1363593 A JP 1363593A JP H06227181 A JPH06227181 A JP H06227181A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductive
- printing
- conductive part
- printed
- printed matter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Electrically Operated Instructional Devices (AREA)
- Toys (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 印刷絵柄選択の自由度を増大させるとともに
製造工程上も有利な導電性印刷物を提供すること。 【構成】 基材上に導電性部ならびに必要に応じて非導
電性部が設けられ、かつ、前記導電性部の表面または前
記導電性部と非導電性部の双方の表面に重ねてさらに所
望の絵柄ないし色彩からなる印刷を施してなることを特
徴とする導電性印刷物。
製造工程上も有利な導電性印刷物を提供すること。 【構成】 基材上に導電性部ならびに必要に応じて非導
電性部が設けられ、かつ、前記導電性部の表面または前
記導電性部と非導電性部の双方の表面に重ねてさらに所
望の絵柄ないし色彩からなる印刷を施してなることを特
徴とする導電性印刷物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙などの基材上に導電性
のパターンが形成されてなる導電性印刷物に関し、特に
教育用絵本ならびに教育用玩具などに好適に利用し得る
導電性印刷物に関するものである。
のパターンが形成されてなる導電性印刷物に関し、特に
教育用絵本ならびに教育用玩具などに好適に利用し得る
導電性印刷物に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、導電性インキを用いて印刷してなる学習用教材が知
られている。このような学習用教材としては、たとえば
実開昭48−20540号に開示されている学習用問題
集(図3)のように、基材31上に非導電性インキによ
って印刷された問題(質問事項)部分32と導電性イン
キ(または非導電性インキ)によって印刷された選択す
るためのチェックマーク33とによって印刷物が構成さ
れる。この場合、一つの質問事項に対して複数個の解答
が印刷され、それぞれに対してチェックマークが併記し
て印刷され、正解のチェックマークのみが導電性インキ
によって印刷されている。学習者は、導電性インキ層に
よる導通が得られた時にのみランプを点灯させるように
したチェック用ライトペン(図示せず)によってチェッ
クマークを押圧することによって正解ないし不正解を確
認することができるようになっている。したがって、こ
のような導電性インキを利用した学習用教材は、迅速な
自己チェックが可能であり、繰り返し使用が可能である
という利点がある。
来、導電性インキを用いて印刷してなる学習用教材が知
られている。このような学習用教材としては、たとえば
実開昭48−20540号に開示されている学習用問題
集(図3)のように、基材31上に非導電性インキによ
って印刷された問題(質問事項)部分32と導電性イン
キ(または非導電性インキ)によって印刷された選択す
るためのチェックマーク33とによって印刷物が構成さ
れる。この場合、一つの質問事項に対して複数個の解答
が印刷され、それぞれに対してチェックマークが併記し
て印刷され、正解のチェックマークのみが導電性インキ
によって印刷されている。学習者は、導電性インキ層に
よる導通が得られた時にのみランプを点灯させるように
したチェック用ライトペン(図示せず)によってチェッ
クマークを押圧することによって正解ないし不正解を確
認することができるようになっている。したがって、こ
のような導電性インキを利用した学習用教材は、迅速な
自己チェックが可能であり、繰り返し使用が可能である
という利点がある。
【0003】ところで、上記のような印刷物に用いられ
る導電性インキとしては、導電性成分としてカーボン粉
末や銀粉末が使用されている。したがって、従来の技術
においては、上述した学習用教材のチェックマークのみ
の印刷においては特に問題はないものの、多様な画像パ
ターンが要求される幼児用の学習絵本などを印刷する場
合、導電性インキ自体で自由に多色の絵柄や図像を印刷
することは必ずしも容易ではない。すなわち、導電性材
料粉末固有の色による制限があるため、所望状態の色相
を得ることは容易ではなく、さらにインキ組成物自体に
一定の導電特性を安定的に保持させることが必要となる
ため、様々な色彩の絵柄や図像を自由に印刷すること
は、技術的な観点のみならず印刷コストの点においても
困難を生じさせる。
る導電性インキとしては、導電性成分としてカーボン粉
末や銀粉末が使用されている。したがって、従来の技術
においては、上述した学習用教材のチェックマークのみ
の印刷においては特に問題はないものの、多様な画像パ
ターンが要求される幼児用の学習絵本などを印刷する場
合、導電性インキ自体で自由に多色の絵柄や図像を印刷
することは必ずしも容易ではない。すなわち、導電性材
料粉末固有の色による制限があるため、所望状態の色相
を得ることは容易ではなく、さらにインキ組成物自体に
一定の導電特性を安定的に保持させることが必要となる
ため、様々な色彩の絵柄や図像を自由に印刷すること
は、技術的な観点のみならず印刷コストの点においても
困難を生じさせる。
【0004】たとえば、従来の銀粉末を用いた導電性印
刷物においては、通常、導電性部の印刷がシルクスクリ
ーン印刷により行われているが、シルクスクリーンにお
いては必要十分な導電性(表面抵抗値)を得るための印
刷制御が比較的困難でありオーバースペックになりがち
でありまた印刷スピードも遅いため印刷コストの点で不
利である。
刷物においては、通常、導電性部の印刷がシルクスクリ
ーン印刷により行われているが、シルクスクリーンにお
いては必要十分な導電性(表面抵抗値)を得るための印
刷制御が比較的困難でありオーバースペックになりがち
でありまた印刷スピードも遅いため印刷コストの点で不
利である。
【0005】この点、グラビア印刷はコスト的に有利で
あるといわれており、たとえば、導電性インキにさらに
顔料を添加して多色印刷のための基本4色のインキを作
成し、グラビア印刷により導電性能を有する絵柄を形成
することが可能である。しかしながら、この方法では、
各色の導電性インキを調製し用意する必要があり、また
比較的変化しやすい導電特性やインキ品質を安定に維持
すべくこれを管理することは繁雑であり、製造工程上不
利である。さらに調子物を印刷する場合にあっては、絵
柄を網点によって構成する必要があるが、網点印刷では
導電特性が不安定になるという新たな問題が生じる。
あるといわれており、たとえば、導電性インキにさらに
顔料を添加して多色印刷のための基本4色のインキを作
成し、グラビア印刷により導電性能を有する絵柄を形成
することが可能である。しかしながら、この方法では、
各色の導電性インキを調製し用意する必要があり、また
比較的変化しやすい導電特性やインキ品質を安定に維持
すべくこれを管理することは繁雑であり、製造工程上不
利である。さらに調子物を印刷する場合にあっては、絵
柄を網点によって構成する必要があるが、網点印刷では
導電特性が不安定になるという新たな問題が生じる。
【0006】本発明は、上述した問題点に鑑みてなされ
たものであって、印刷絵柄選択の自由度を増大させると
ともに製造工程上も有利な導電性印刷物を提供すること
を目的とするものである。
たものであって、印刷絵柄選択の自由度を増大させると
ともに製造工程上も有利な導電性印刷物を提供すること
を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による導電性印刷
物は、基材上に導電性部ならびに必要に応じて非導電性
部が設けられ、かつ、前記導電性部の表面または前記導
電性部と非導電性部の双方の表面に重ねてさらに所望の
絵柄ないし色彩からなる印刷を施してなることを特徴と
するものである。
物は、基材上に導電性部ならびに必要に応じて非導電性
部が設けられ、かつ、前記導電性部の表面または前記導
電性部と非導電性部の双方の表面に重ねてさらに所望の
絵柄ないし色彩からなる印刷を施してなることを特徴と
するものである。
【0008】このように本発明においては、導電性部の
形成と絵柄印刷とを分離し、かつ、この両者を厚さ方向
に重ねて形成することによって、導電性を確保するとと
もに色彩・絵柄形成の自由度を著しく高めることができ
たものである。すなわち、本発明者らの知見によれば、
導電性インキ層の表面に重ねて絵柄印刷層を形成した場
合においても良好な導電性が得られるという予想外の結
果を得、この知見に基づいて本発明が完成されたもので
ある。
形成と絵柄印刷とを分離し、かつ、この両者を厚さ方向
に重ねて形成することによって、導電性を確保するとと
もに色彩・絵柄形成の自由度を著しく高めることができ
たものである。すなわち、本発明者らの知見によれば、
導電性インキ層の表面に重ねて絵柄印刷層を形成した場
合においても良好な導電性が得られるという予想外の結
果を得、この知見に基づいて本発明が完成されたもので
ある。
【0009】以下、本発明をさらに詳細に説明する。図
1は、本発明の実施例による導電性印刷物の断面図であ
る。すなわち、本発明による導電性印刷物は、基材1上
に導電性部2と非導電性部3とがパターン状に塗り分け
て形成されており、さらにその表面に絵柄印刷層4が形
成されている。表示ペン5は接触子を有し電流の導通の
有無によって導電性部と非導電性部との識別を表示する
ものであって、このような印刷物の表面をこの表示ペン
5で押圧することによって、たとえば正解(導電性部)
と不正解(非導電性部)とを識別される。
1は、本発明の実施例による導電性印刷物の断面図であ
る。すなわち、本発明による導電性印刷物は、基材1上
に導電性部2と非導電性部3とがパターン状に塗り分け
て形成されており、さらにその表面に絵柄印刷層4が形
成されている。表示ペン5は接触子を有し電流の導通の
有無によって導電性部と非導電性部との識別を表示する
ものであって、このような印刷物の表面をこの表示ペン
5で押圧することによって、たとえば正解(導電性部)
と不正解(非導電性部)とを識別される。
【0010】印刷を施す基材1は特に限定されず、従来
から使用されている印刷用基材である紙、合成紙、プラ
スチックフィルムなどが用いられ得る。
から使用されている印刷用基材である紙、合成紙、プラ
スチックフィルムなどが用いられ得る。
【0011】導電部2の形成は、導電性成分およびバイ
ンダー(ビヒクル)を必須成分として含有する導電性イ
ンキ組成物によって行われる。導電性成分としては、銀
粉末、金粉末、ニッケル粉末、銅粉末などの金属粉末の
他、特定の粉体粒子表面が金属によって被覆された微粉
末などが適宜用いられ得る。これらの導電性粉末は、目
的とする印刷形態に応じて適宜選択され得るが、粒子形
状としては、粒径0.1〜50μmの範囲、さらに好ま
しくは粒径0.1〜20μmの範囲のものが用いられ
る。
ンダー(ビヒクル)を必須成分として含有する導電性イ
ンキ組成物によって行われる。導電性成分としては、銀
粉末、金粉末、ニッケル粉末、銅粉末などの金属粉末の
他、特定の粉体粒子表面が金属によって被覆された微粉
末などが適宜用いられ得る。これらの導電性粉末は、目
的とする印刷形態に応じて適宜選択され得るが、粒子形
状としては、粒径0.1〜50μmの範囲、さらに好ま
しくは粒径0.1〜20μmの範囲のものが用いられ
る。
【0012】さらに粒径分布条件としては、上記平均粒
径の範囲を有しかつ粒径1μm以上のものが10%以上
であるような導電性粉末を用いることが良好な導電特性
を得る上で好ましい。
径の範囲を有しかつ粒径1μm以上のものが10%以上
であるような導電性粉末を用いることが良好な導電特性
を得る上で好ましい。
【0013】バインダーとしては、たとえば、アクリル
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リイミド系樹脂、エポキシ系樹脂ならびにビニル系樹脂
から選ばれた1種または2種以上からなる。このうち、
たとえば積層印刷する絵柄印刷層をUV硬化型オフセッ
ト印刷により行う場合にあっては、アクリル系樹脂また
は塩化ビニル/酢酸ビニル系樹脂をバインダーとして用
いることが好ましい。
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リイミド系樹脂、エポキシ系樹脂ならびにビニル系樹脂
から選ばれた1種または2種以上からなる。このうち、
たとえば積層印刷する絵柄印刷層をUV硬化型オフセッ
ト印刷により行う場合にあっては、アクリル系樹脂また
は塩化ビニル/酢酸ビニル系樹脂をバインダーとして用
いることが好ましい。
【0014】導電性インキ組成物における上記導電性粉
末の含有量としては、使用する導電性粉末の種類によっ
ても異なるが、銀粉末を用いた場合、60〜95重量
%、さらに好ましくは65〜85重量%の範囲が望まし
い。一方、バインダーの含有量としては、40〜5重量
%、さらには35〜15重量%が好ましい。
末の含有量としては、使用する導電性粉末の種類によっ
ても異なるが、銀粉末を用いた場合、60〜95重量
%、さらに好ましくは65〜85重量%の範囲が望まし
い。一方、バインダーの含有量としては、40〜5重量
%、さらには35〜15重量%が好ましい。
【0015】上記成分の他に、たとえば導電性インキの
貯蔵安定性を維持する目的で沈降防止剤を添加すること
ができる。このような沈降防止剤としては、脂肪酸ポリ
アミド、ポリエチレンワックス、微粉シリカ、有機ベン
トナイト系の添加剤を用いることができる。
貯蔵安定性を維持する目的で沈降防止剤を添加すること
ができる。このような沈降防止剤としては、脂肪酸ポリ
アミド、ポリエチレンワックス、微粉シリカ、有機ベン
トナイト系の添加剤を用いることができる。
【0016】さらに必要に応じて、導電性インキ自体を
所望の色に着色することを目的として、着色剤を添加す
ることもできる。このような着色剤としては、その目的
に応じてシアニングリーン、シアニンブルー、カーボン
ブラック、酸化チタンなどが用いられ得る。このような
着色剤の使用は、特に導電性部の表面に塗り重ねるイン
キと共色にして色彩効果を高めることを目的とする場合
に有効である。
所望の色に着色することを目的として、着色剤を添加す
ることもできる。このような着色剤としては、その目的
に応じてシアニングリーン、シアニンブルー、カーボン
ブラック、酸化チタンなどが用いられ得る。このような
着色剤の使用は、特に導電性部の表面に塗り重ねるイン
キと共色にして色彩効果を高めることを目的とする場合
に有効である。
【0017】上記のような導電性インキ組成物によって
形成される導電性部は、常法に従ってグラビア印刷法に
よって形成することが特に好ましい。また、導電性部は
通常、酸化チタンなどを併用して白色にすることが、絵
柄印刷をその表面に施す上で望ましい。導電性部は、厚
さ1〜10μm、さらに好ましくは2〜5μmの塗膜と
なるように形成することが望ましく、これによって表面
抵抗値100Ω/□以下の導電性が確保される。
形成される導電性部は、常法に従ってグラビア印刷法に
よって形成することが特に好ましい。また、導電性部は
通常、酸化チタンなどを併用して白色にすることが、絵
柄印刷をその表面に施す上で望ましい。導電性部は、厚
さ1〜10μm、さらに好ましくは2〜5μmの塗膜と
なるように形成することが望ましく、これによって表面
抵抗値100Ω/□以下の導電性が確保される。
【0018】一方、本発明において、非導電性部3は必
要に応じて形成することができるが、非導電性のインキ
組成物である限りにおいて制限されるものではなく、従
来公知の方法、たとえばオフセット印刷やグラビア印刷
法によって、たとえば0.5〜10μm程度の厚さに形
成され得る。
要に応じて形成することができるが、非導電性のインキ
組成物である限りにおいて制限されるものではなく、従
来公知の方法、たとえばオフセット印刷やグラビア印刷
法によって、たとえば0.5〜10μm程度の厚さに形
成され得る。
【0019】本発明においては、上記のようにして形成
された導電性部(さらに必要に応じて非導電性部)の表
面に重ねてさらに所望の絵柄ないし色彩からなる印刷を
施す。このような絵柄印刷層4は、図1に示すようにベ
タ印刷で設けることもでき、さらに図2に示すように網
点印刷によって設けることもできる。
された導電性部(さらに必要に応じて非導電性部)の表
面に重ねてさらに所望の絵柄ないし色彩からなる印刷を
施す。このような絵柄印刷層4は、図1に示すようにベ
タ印刷で設けることもでき、さらに図2に示すように網
点印刷によって設けることもできる。
【0020】絵柄印刷層4の形成は従来公知の方法によ
り常法に従って形成することが可能であり、この点で色
彩や絵柄選択の自由度が飛躍的に向上する。絵柄印刷の
形成は、オフセット印刷、特にUVオフセット印刷によ
って行うことが好ましい。絵柄印刷層の厚さは1〜3μ
mが適当であり、この範囲内においては、導電性部上で
の絵柄印刷表面の導電性(表面抵抗値)を200Ω/□
以下に制御することができる。
り常法に従って形成することが可能であり、この点で色
彩や絵柄選択の自由度が飛躍的に向上する。絵柄印刷の
形成は、オフセット印刷、特にUVオフセット印刷によ
って行うことが好ましい。絵柄印刷層の厚さは1〜3μ
mが適当であり、この範囲内においては、導電性部上で
の絵柄印刷表面の導電性(表面抵抗値)を200Ω/□
以下に制御することができる。
【0021】前述したように、このような導電性印刷物
を使用する場合においては、印刷物の表面をこの表示ペ
ン5で押圧することによって、たとえば正解(導電性
部)と不正解(非導電性部)とを識別することができ
る。この場合、導電性部2が存在する絵柄印刷の表面を
表示ペンで押圧すると接触子間で導通が生じて点灯ない
し音声によって正解が表示される。本発明においては、
図2に示すような網点印刷の場合のみならず、図1のよ
うにベタ印刷によって絵柄印刷を施した場合においても
導通状態が生じることが確認されている。この理由は必
ずしも明らかではないが、導電性インキを構成する導電
性粉末のうちの比較的粒径の大きなものが絵柄印刷層4
の表面に肉眼では判別し難い程度にわずかに突出し、こ
の突出した導電性粉末粒子が導電性の発現に効果的に寄
与しているものと考えられる。
を使用する場合においては、印刷物の表面をこの表示ペ
ン5で押圧することによって、たとえば正解(導電性
部)と不正解(非導電性部)とを識別することができ
る。この場合、導電性部2が存在する絵柄印刷の表面を
表示ペンで押圧すると接触子間で導通が生じて点灯ない
し音声によって正解が表示される。本発明においては、
図2に示すような網点印刷の場合のみならず、図1のよ
うにベタ印刷によって絵柄印刷を施した場合においても
導通状態が生じることが確認されている。この理由は必
ずしも明らかではないが、導電性インキを構成する導電
性粉末のうちの比較的粒径の大きなものが絵柄印刷層4
の表面に肉眼では判別し難い程度にわずかに突出し、こ
の突出した導電性粉末粒子が導電性の発現に効果的に寄
与しているものと考えられる。
【0022】本発明によれば、図4に示すように、導電
性部に重ねて通常の印刷を施すことができるので、図3
に示す従来の印刷物のように導電性部と印刷部とを分離
して印刷する必要はない。図4に示す例の場合、正解を
示す印刷数字の部分に導電性部が重ねて形成されてお
り、不正解の印刷数字の部分には非導電性部が形成され
ている。
性部に重ねて通常の印刷を施すことができるので、図3
に示す従来の印刷物のように導電性部と印刷部とを分離
して印刷する必要はない。図4に示す例の場合、正解を
示す印刷数字の部分に導電性部が重ねて形成されてお
り、不正解の印刷数字の部分には非導電性部が形成され
ている。
【0023】
【実施例】実施例1 導電性部を形成するために下記の組成物を調製した。 アクリル系樹脂(メタクリル酸メチル樹脂を主体とする固形分45%の熱可塑 性樹脂、残部溶剤) 100重量部 銀粉末(シルコートAGC−B、福田金属箔粉製) 180重量部 トルエン 10重量部 沈降防止剤(脂肪酸ポリアミド) 1重量部 着色顔料(酸化チタン) 5重量部 上記の導電性部形成用の組成物を調製するにあたって
は、まず上記アクリル系樹脂とトルエンとの混合物を高
速ミキサーによって攪拌しながら銀粉を投入して得た混
合物100gを、トルエン/メチルエチルケトン混合液
(1:1重量比)50gで希釈し、導電性部形成用組成
物とした。
は、まず上記アクリル系樹脂とトルエンとの混合物を高
速ミキサーによって攪拌しながら銀粉を投入して得た混
合物100gを、トルエン/メチルエチルケトン混合液
(1:1重量比)50gで希釈し、導電性部形成用組成
物とした。
【0024】上記銀粉末の粒径分布は、0.2〜9μm
であり、1μm以上のものは95%含有されていた。
であり、1μm以上のものは95%含有されていた。
【0025】上記組成物をグラビア印刷機によってコー
トボール紙上に塗工し、乾燥炉中において乾燥して、試
験片1を得た。この試験片1の導電性塗膜の膜厚は3μ
mであり、表面抵抗値は10〜20Ω/□であった。
トボール紙上に塗工し、乾燥炉中において乾燥して、試
験片1を得た。この試験片1の導電性塗膜の膜厚は3μ
mであり、表面抵抗値は10〜20Ω/□であった。
【0026】次いで、このようにして得られた試験片1
に、該導電性部と同じ色に調製したインキを用いてオフ
セット印刷によって非導電性部に相当する部位を形成
し、さらにオフセット印刷によってマゼンタ色をベタ印
刷して試験片2を得た。試験片2の導電性部における表
面抵抗値は20〜30Ω/□であった。この場合、予
め、オフセット印刷する前にUVアンカーラッカーを塗
工することも可能である。実施例2 導電性部を形成するために下記の組成物を調製した。 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体系樹脂(塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体を 主体とする固形分20%の熱可塑性樹脂、残部溶剤) 100重量部 銀粉末(シルコートAGC−B、福田金属箔粉製) 80重量部 トルエン 10重量部 沈降防止剤 1重量部 上記の導電性部形成用の組成物を調製するにあたって
は、まず上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体系樹脂と
トルエンとの混合物を高速ミキサーによって攪拌しなが
ら銀粉を投入して得た混合物100gを、トルエン/M
IBK混合液(1:1重量比)50gで希釈し、導電性
部形成用組成物とした。
に、該導電性部と同じ色に調製したインキを用いてオフ
セット印刷によって非導電性部に相当する部位を形成
し、さらにオフセット印刷によってマゼンタ色をベタ印
刷して試験片2を得た。試験片2の導電性部における表
面抵抗値は20〜30Ω/□であった。この場合、予
め、オフセット印刷する前にUVアンカーラッカーを塗
工することも可能である。実施例2 導電性部を形成するために下記の組成物を調製した。 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体系樹脂(塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体を 主体とする固形分20%の熱可塑性樹脂、残部溶剤) 100重量部 銀粉末(シルコートAGC−B、福田金属箔粉製) 80重量部 トルエン 10重量部 沈降防止剤 1重量部 上記の導電性部形成用の組成物を調製するにあたって
は、まず上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体系樹脂と
トルエンとの混合物を高速ミキサーによって攪拌しなが
ら銀粉を投入して得た混合物100gを、トルエン/M
IBK混合液(1:1重量比)50gで希釈し、導電性
部形成用組成物とした。
【0027】上記銀粉末の粒径分布は、0.2〜9μm
であり、1μm以上のものは95%含有されていた。
であり、1μm以上のものは95%含有されていた。
【0028】上記組成物をグラビア印刷機によってコー
トボール紙上に塗工し、乾燥炉中において乾燥して、試
験片1を得た。この試験片1の導電性塗膜の膜厚は4μ
mであり、表面抵抗値は10〜20Ω/□であった。
トボール紙上に塗工し、乾燥炉中において乾燥して、試
験片1を得た。この試験片1の導電性塗膜の膜厚は4μ
mであり、表面抵抗値は10〜20Ω/□であった。
【0029】次いで、このようにして得られた試験片1
に、該導電性部と同じ色に調製したインキを用いてオフ
セット印刷によって非導電性部に相当する部位を形成
し、さらにオフセット印刷によってマゼンタ色をベタ印
刷して試験片2を得た。試験片2の導電性部における表
面抵抗値は30〜40Ω/□であった。この場合、ベタ
印刷ではなく網点印刷によって印刷することも可能であ
る。なお、非導電性部を形成したのち、一旦、白色イン
キを全面ベタで刷り、これによって印刷表面の白色度を
向上させることも可能である。実施例 3 実施例1の銀粉末に代えて、粒径分布0.6〜1.2μ
m、1.0μm以上の粉末が5%の銀粉末(Metz社
製、C−200)を使用した以外は実施例1と同様の方
法によって試験片1および2を作成した。
に、該導電性部と同じ色に調製したインキを用いてオフ
セット印刷によって非導電性部に相当する部位を形成
し、さらにオフセット印刷によってマゼンタ色をベタ印
刷して試験片2を得た。試験片2の導電性部における表
面抵抗値は30〜40Ω/□であった。この場合、ベタ
印刷ではなく網点印刷によって印刷することも可能であ
る。なお、非導電性部を形成したのち、一旦、白色イン
キを全面ベタで刷り、これによって印刷表面の白色度を
向上させることも可能である。実施例 3 実施例1の銀粉末に代えて、粒径分布0.6〜1.2μ
m、1.0μm以上の粉末が5%の銀粉末(Metz社
製、C−200)を使用した以外は実施例1と同様の方
法によって試験片1および2を作成した。
【0030】試験片1および2の導電性部における表面
抵抗値は、夫々、10Ω/□および106Ω/□であっ
た。
抵抗値は、夫々、10Ω/□および106Ω/□であっ
た。
【0031】
【発明の効果】本発明による導電性印刷物においては、
基材上に設けた導電性部上に重ねて所望の絵柄印刷を施
すようにしたので、導電性部の形成と絵柄の形成とを分
離して設けることができ、したがって導電性能を有する
絵柄パターンを自由に設けることが可能となる。よっ
て、印刷絵柄選択の自由度が飛躍的に増大するとともに
製造工程が経済的になる点においてもすぐれている。
基材上に設けた導電性部上に重ねて所望の絵柄印刷を施
すようにしたので、導電性部の形成と絵柄の形成とを分
離して設けることができ、したがって導電性能を有する
絵柄パターンを自由に設けることが可能となる。よっ
て、印刷絵柄選択の自由度が飛躍的に増大するとともに
製造工程が経済的になる点においてもすぐれている。
【図1】本発明の実施例に係る導電性印刷物の概念断面
図(ベタ印刷の場合)。
図(ベタ印刷の場合)。
【図2】本発明の実施例に係る導電性印刷物の概念断面
図(網点印刷の場合)。
図(網点印刷の場合)。
【図3】従来の学習用教材の平面図。
【図4】本発明の実施例に係る学習用教材の平面図
1 基材 2 導電性部 3 非導電性部 4 絵柄印刷 5 表示ペン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G09F 1/02 E 7028−5G (72)発明者 小 沢 充 也 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 谷 口 正 允 千葉県習志野市実籾町4丁目1096番94 (72)発明者 野 村 恭 司 千葉県習志野市東習志野1丁目11番21号
Claims (7)
- 【請求項1】基材上に導電性部ならびに必要に応じて非
導電性部が設けられ、かつ、前記導電性部の表面または
前記導電性部と非導電性部の双方の表面に重ねてさらに
所望の絵柄ないし色彩からなる印刷を施してなることを
特徴とする、導電性印刷物。 - 【請求項2】前記導電性部が、粒径0.1〜50μmで
あって粒径1μm以上のものが10%以上である導電性
粉末を含有してなる導電性インキ組成物によって形成さ
れている、請求項1に記載の導電性印刷物。 - 【請求項3】粒径0.1〜50μmであって粒径1μm
以上のものが10%以上である導電性粉末を含有し、1
〜10μmの厚さを有し、塗布・乾燥後における導電性
部の導電性が表面抵抗値100Ω/□以下であり、導電
性部の表面に非導電性のインキ組成物を1〜5μmの厚
さ範囲で塗り重ねたのちの導電性が表面抵抗値200Ω
/□以下となるような導電性インキ組成物を用いて導電
性部の形成が行われてなる、請求項1に記載の導電性印
刷物。 - 【請求項4】前記導電性インキ組成物が、アクリル系樹
脂または塩化ビニル/酢酸ビニル系樹脂を含有する、請
求項3に記載の導電性印刷物。 - 【請求項5】前記導電性部が白色系である、請求項1に
記載の導電性印刷物。 - 【請求項6】前記導電性部の形成をグラビア印刷により
行い、さらにこれに重ねて行う前記所望の絵柄ないし色
彩からなる印刷をオフセット印刷により行う、請求項1
に記載の導電性印刷物。 - 【請求項7】前記絵柄ないし色彩からなる印刷が、UV
硬化型オフセット印刷により行われる、請求項1に記載
の導電性印刷物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1363593A JPH06227181A (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 導電性印刷物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1363593A JPH06227181A (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 導電性印刷物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06227181A true JPH06227181A (ja) | 1994-08-16 |
Family
ID=11838698
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1363593A Pending JPH06227181A (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 導電性印刷物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06227181A (ja) |
-
1993
- 1993-01-29 JP JP1363593A patent/JPH06227181A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6084007A (en) | Transparent conductive ink | |
US20100295881A1 (en) | Method for simulating, fabricating, or duplicating an oil painting | |
EP0381725A4 (en) | Transferring a creative design to a fabric | |
US4943088A (en) | Picture book with a pen containing water-soluble ink | |
JPH06227181A (ja) | 導電性印刷物 | |
JP3433329B2 (ja) | 透明導電性印刷物 | |
JPH0716461Y2 (ja) | 隠し絵柄の印刷物 | |
US20070159493A1 (en) | Computer System for Converting Pictures and Designs into Line Drawings and Reproducing the Drawings on Substrates | |
JP2002029200A (ja) | 金属調外観を有する装飾フィルム | |
KR20000047031A (ko) | 신규의인쇄용전사조성물,이를이용한인쇄방법및장치 | |
US20100258018A1 (en) | Overprint stamp and method thereof | |
JPH03234587A (ja) | 熱転写インクシート | |
JPH0876675A (ja) | 導電性印刷物 | |
JP2005205616A (ja) | 高輝度印刷物 | |
KR100462511B1 (ko) | 투명도전성잉크 | |
US20040139881A1 (en) | Technology for printing luminescent pictorial images | |
JP2005178221A (ja) | 高輝度印刷物 | |
JPH11305645A (ja) | 導電性印刷物 | |
JP2567863B2 (ja) | オフセツト多色印刷による日本画のカラ−印刷方法 | |
EP0309106B1 (en) | A book | |
Parraman | Colour printing techniques | |
JPS5919192A (ja) | 多色感圧複写材 | |
JPH07257080A (ja) | 特殊印刷物 | |
JPH11115391A (ja) | 転写フィルム | |
JPS63295687A (ja) | 彩色用組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040323 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |