JPH06225888A - 前装冠の金属面と前装材との接合方法 - Google Patents
前装冠の金属面と前装材との接合方法Info
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- JPH06225888A JPH06225888A JP21095893A JP21095893A JPH06225888A JP H06225888 A JPH06225888 A JP H06225888A JP 21095893 A JP21095893 A JP 21095893A JP 21095893 A JP21095893 A JP 21095893A JP H06225888 A JPH06225888 A JP H06225888A
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- metal frame
- wax
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 この発明は、義歯用のメタルフレームの前面
に、例えばオペークレジンやボデーレジンまたは陶材を
築盛する硬質材前装冠の製作に当たり、金属面とレジン
もしくは、陶材の強力な化学的または/および機械的接
合を得ることを目的とした前装冠の金属面と前装材との
接合方法である。 【構成】 常法で得られた義歯用のワックスパターンの
所要部分に、直接または液状接着剤もしくは純度の高い
10μm以下の金粉ペーストを介して50〜300μm
のセラミック粒子または酸化アルミ等の粒子を均等に付
着乃至は埋入させ、このワックスパターンを用いてロス
トワックス法などによって上記セラミック粒子等の表着
したメタルフレームを鋳造し、その前面に常法に倣って
前装材を築盛乃至は焼成することを特徴としたものであ
る。
に、例えばオペークレジンやボデーレジンまたは陶材を
築盛する硬質材前装冠の製作に当たり、金属面とレジン
もしくは、陶材の強力な化学的または/および機械的接
合を得ることを目的とした前装冠の金属面と前装材との
接合方法である。 【構成】 常法で得られた義歯用のワックスパターンの
所要部分に、直接または液状接着剤もしくは純度の高い
10μm以下の金粉ペーストを介して50〜300μm
のセラミック粒子または酸化アルミ等の粒子を均等に付
着乃至は埋入させ、このワックスパターンを用いてロス
トワックス法などによって上記セラミック粒子等の表着
したメタルフレームを鋳造し、その前面に常法に倣って
前装材を築盛乃至は焼成することを特徴としたものであ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、義歯用のメタルフレ
ームの前面に、例えばオペークレジンやボデーレジンま
たは陶材を築盛する硬質材前装冠の製作に当たり、金属
面とレジンもしくは陶材との強力な化学的または/およ
び機械的接合を得ることを目的とした前装冠における金
属面と前装材との接合方法に関するものである。
ームの前面に、例えばオペークレジンやボデーレジンま
たは陶材を築盛する硬質材前装冠の製作に当たり、金属
面とレジンもしくは陶材との強力な化学的または/およ
び機械的接合を得ることを目的とした前装冠における金
属面と前装材との接合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の義歯用メタルフレームは、印象材
で歯型の陰型を採り、これに石膏を流し込んで模型を作
成し、該模型上でワックスを盛り付けるなどしてワック
スパターンを作製した後、これを耐火性埋没材に埋入し
てロストワックス法により、目的のメタルフレームを鋳
造するというのが一般的な手法であった。
で歯型の陰型を採り、これに石膏を流し込んで模型を作
成し、該模型上でワックスを盛り付けるなどしてワック
スパターンを作製した後、これを耐火性埋没材に埋入し
てロストワックス法により、目的のメタルフレームを鋳
造するというのが一般的な手法であった。
【0003】又、このようにして得られたメタルフレー
ムの前面には硬質レジンまたは陶材などの前装材を築盛
乃至は焼成する必要があるが、特にメタルフレームが低
カラット合金この場合、上記硬質レジンや陶材は平滑な
金属面との直接的な結合は不可能であるため、予めメタ
ルフレームの表面に適宜な粗面加工を施しておくのが通
例であった。
ムの前面には硬質レジンまたは陶材などの前装材を築盛
乃至は焼成する必要があるが、特にメタルフレームが低
カラット合金この場合、上記硬質レジンや陶材は平滑な
金属面との直接的な結合は不可能であるため、予めメタ
ルフレームの表面に適宜な粗面加工を施しておくのが通
例であった。
【0004】而して上記メタルフレーム表面の粗面加工
法としては、鋳造されたメタルフレームの表面に酸化ア
ルミ等の微細粒をサンドブラストして、細かい凹凸を形
成する方法や、開窓後の前記ワックスパターンの表面に
適宜な接着剤を介して微細な樹脂ビーズなどを振りかけ
た上で、メタルフレームを鋳造し、機械的に凹凸を付す
るという手法が広く用いられていた。
法としては、鋳造されたメタルフレームの表面に酸化ア
ルミ等の微細粒をサンドブラストして、細かい凹凸を形
成する方法や、開窓後の前記ワックスパターンの表面に
適宜な接着剤を介して微細な樹脂ビーズなどを振りかけ
た上で、メタルフレームを鋳造し、機械的に凹凸を付す
るという手法が広く用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術にお
いて、前者即ちメタルフレームの表面に直接サンドブラ
ストして凹凸を付する方法は、屡々メタルフレーム自体
に変形を起こさせる他、特に前装材がレジンである場合
には、その築盛に先立って表面酸化、金属電析またはシ
リカ層の焼付け等々の前処理が必要となり、これらに高
価な機械装置や材料を要するという課題があった。また
後者による場合は、ワックスパターンの細かな溝や複雑
な形状部分にはビーズの付着が困難である上、ビーズの
付着にむらが生じ易く、メタルフレーム面に均一な粗面
を形成することは期待できず、従って築盛されるレジン
等の維持力が均等に得られないという欠点が見られた。
更にこの方法では、微細なビーズをパターン開窓後のワ
ックス面に付着させるので、これで鋳造されたメタルフ
レーム表面がビーズの径分だけ突出することになり、築
盛される前装材の厚みが減少し、それだけオペーク効果
が低下して義歯の審美感を阻害するという課題もあっ
た。
いて、前者即ちメタルフレームの表面に直接サンドブラ
ストして凹凸を付する方法は、屡々メタルフレーム自体
に変形を起こさせる他、特に前装材がレジンである場合
には、その築盛に先立って表面酸化、金属電析またはシ
リカ層の焼付け等々の前処理が必要となり、これらに高
価な機械装置や材料を要するという課題があった。また
後者による場合は、ワックスパターンの細かな溝や複雑
な形状部分にはビーズの付着が困難である上、ビーズの
付着にむらが生じ易く、メタルフレーム面に均一な粗面
を形成することは期待できず、従って築盛されるレジン
等の維持力が均等に得られないという欠点が見られた。
更にこの方法では、微細なビーズをパターン開窓後のワ
ックス面に付着させるので、これで鋳造されたメタルフ
レーム表面がビーズの径分だけ突出することになり、築
盛される前装材の厚みが減少し、それだけオペーク効果
が低下して義歯の審美感を阻害するという課題もあっ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような実情に鑑み、
本発明者は鋭意実験・研究を重ねた結果、ワックスパタ
ーンの表面に微細な凹凸が簡単に形成でき、しかも前装
材との化学的または/および機械的な結合が期待し得る
結合層の造成に成功したものである。
本発明者は鋭意実験・研究を重ねた結果、ワックスパタ
ーンの表面に微細な凹凸が簡単に形成でき、しかも前装
材との化学的または/および機械的な結合が期待し得る
結合層の造成に成功したものである。
【0007】即ち、50〜300μmのセラミックまた
は酸化アルミなどの微細な粒子を適当な手段でワックス
パターンの表面に均等に付着させ、このワックスパター
ンを耐火性埋没材に埋入してロストワックス法によって
セラミック粒子等の表着したメタルフレームを鋳造し、
その前面に常法に倣って前装材を築盛乃至は焼成すると
いう手段を用いた。
は酸化アルミなどの微細な粒子を適当な手段でワックス
パターンの表面に均等に付着させ、このワックスパター
ンを耐火性埋没材に埋入してロストワックス法によって
セラミック粒子等の表着したメタルフレームを鋳造し、
その前面に常法に倣って前装材を築盛乃至は焼成すると
いう手段を用いた。
【0008】又、純度の高い10μm以下、好ましくは
3〜1μmの金粉を、上記耐火性埋設材とは親和しない
例えばテンペノールもしくはグリセリンに縺和して金粉
ペーストとし、^れをワックスパターンの表面に薄く塗
布した上、該面に50〜300μmのセラミック又は酸
化アルミの粒子を均等に付着させ、このワックスパター
を耐火性埋没材に埋入してロストワックス法によってセ
ラミック粒子等が表着したメタルフレームを鋳造し、そ
の前面に常法に倣って前装材を築盛乃至は焼成するとい
う手段も用いた。
3〜1μmの金粉を、上記耐火性埋設材とは親和しない
例えばテンペノールもしくはグリセリンに縺和して金粉
ペーストとし、^れをワックスパターンの表面に薄く塗
布した上、該面に50〜300μmのセラミック又は酸
化アルミの粒子を均等に付着させ、このワックスパター
を耐火性埋没材に埋入してロストワックス法によってセ
ラミック粒子等が表着したメタルフレームを鋳造し、そ
の前面に常法に倣って前装材を築盛乃至は焼成するとい
う手段も用いた。
【0009】
【作用】本発明は、150μm前後のセラミックまたは
酸化アルミ粒子をワックスパターン表面に均等に付着も
しくは粒子の一部が露出するように埋入し、この状態で
常法のロストワックス法により、メタルフレームを鋳造
するものであるから、そのメタルフレームの表面には上
記セラミック粒子等がそのまま埋設されることとなり、
その表着は物理的に強固であるだけでなく、金属とセラ
ミックまたは酸化アルミ粒子に含まれる一部の元素の酸
化還元反応による結合効果を齎らすという化学的作用を
も併有するものである。
酸化アルミ粒子をワックスパターン表面に均等に付着も
しくは粒子の一部が露出するように埋入し、この状態で
常法のロストワックス法により、メタルフレームを鋳造
するものであるから、そのメタルフレームの表面には上
記セラミック粒子等がそのまま埋設されることとなり、
その表着は物理的に強固であるだけでなく、金属とセラ
ミックまたは酸化アルミ粒子に含まれる一部の元素の酸
化還元反応による結合効果を齎らすという化学的作用を
も併有するものである。
【0010】更に高純度の金粉ペーストを使用したもの
は、メタルフレームの鋳造前に行われる上記埋没材硬化
時の熱(700〜800℃)によってペースト材が揮散
し、残った金粉はその熱で溶融して埋没材の内面に層状
となって付着し、セラミック粒子等のバインダーとして
の作用を奏するのである。
は、メタルフレームの鋳造前に行われる上記埋没材硬化
時の熱(700〜800℃)によってペースト材が揮散
し、残った金粉はその熱で溶融して埋没材の内面に層状
となって付着し、セラミック粒子等のバインダーとして
の作用を奏するのである。
【0011】従って、この発明方法によれば、上記メタ
ルフレーム面に対する前装材の築盛又はその焼成が確
実、強固で、理想的な前装冠が効率よく得られるという
格別の作用を奏する。
ルフレーム面に対する前装材の築盛又はその焼成が確
実、強固で、理想的な前装冠が効率よく得られるという
格別の作用を奏する。
【0012】又、上記粒径範囲のセラミック等の粒子
は、予め歯牙色に着色されたものを使用することによ
り、メタルフレーム面のオペーク効果の向上に寄与する
という作用が得られる他、特に金粉ペーストを使用した
場合は、鋳込み時の金属の冷やし金効果によって金属の
表面組成を向上させ得るし、更に金特有の深層反射効果
によって一層の審美感が醸成されるという独特の作用も
得られるのである。
は、予め歯牙色に着色されたものを使用することによ
り、メタルフレーム面のオペーク効果の向上に寄与する
という作用が得られる他、特に金粉ペーストを使用した
場合は、鋳込み時の金属の冷やし金効果によって金属の
表面組成を向上させ得るし、更に金特有の深層反射効果
によって一層の審美感が醸成されるという独特の作用も
得られるのである。
【0013】
【実施例】以下、本発明の方法を1〜2の実施例に基い
て更に評述すると、先ず常法で作成されたワックスパタ
ーンの所望の表面に、粒径が220μm(±20μm)
で、その形態が鋭利な角状のセラミック粒子を、0. 5
mm径のハンドノズルを有するサンドブラスターによって
エアー圧2気圧で噴射させ、1.0mm2 当たり70粒を
目途に均等に漂着させたものである。尚、この場合の各
セラミック粒子は、その粒径の1/2前後が確実にワッ
クスパターン表面に埋入しているのが確認された。
て更に評述すると、先ず常法で作成されたワックスパタ
ーンの所望の表面に、粒径が220μm(±20μm)
で、その形態が鋭利な角状のセラミック粒子を、0. 5
mm径のハンドノズルを有するサンドブラスターによって
エアー圧2気圧で噴射させ、1.0mm2 当たり70粒を
目途に均等に漂着させたものである。尚、この場合の各
セラミック粒子は、その粒径の1/2前後が確実にワッ
クスパターン表面に埋入しているのが確認された。
【0014】上述したようなサンドブラストによる場合
に、上記ワックスパターンの表面が硬化しているとき
は、セラミック粒子自体若しくはエアーを100〜20
0℃の範囲に加熱しておくことで、ワックス面への埋入
が確実に行えるのである。
に、上記ワックスパターンの表面が硬化しているとき
は、セラミック粒子自体若しくはエアーを100〜20
0℃の範囲に加熱しておくことで、ワックス面への埋入
が確実に行えるのである。
【0015】いづれにしても、この実施例ではワックス
パターンの所望の表面に粒径が50μm〜300μmの
セラミック粒子を一部露出させた状態で埋入することが
技術的要件であるから、その手段としてのセラミック粒
子の加熱温度や吹き付け圧などは特定されるものではな
く、その都度、条件に応じて適宜に選択されるべきもの
である。
パターンの所望の表面に粒径が50μm〜300μmの
セラミック粒子を一部露出させた状態で埋入することが
技術的要件であるから、その手段としてのセラミック粒
子の加熱温度や吹き付け圧などは特定されるものではな
く、その都度、条件に応じて適宜に選択されるべきもの
である。
【0016】而して、上記のワックスパターンは、耐火
性埋没材に埋入されて公知のロストワックス法によりメ
タルフレームを鋳造するのであるが、既にワックス部分
が焼却・除去された鋳型内は、上記セラミック粒子が所
望の埋没材面に埋入保持されているので、この鋳型内に
12%金銀パラジウム合金を鋳型に流し込めば、セラミ
ック粒子の一部が表出したメタルフレームが得られるの
である。
性埋没材に埋入されて公知のロストワックス法によりメ
タルフレームを鋳造するのであるが、既にワックス部分
が焼却・除去された鋳型内は、上記セラミック粒子が所
望の埋没材面に埋入保持されているので、この鋳型内に
12%金銀パラジウム合金を鋳型に流し込めば、セラミ
ック粒子の一部が表出したメタルフレームが得られるの
である。
【0017】このようにして鋳造されたメタルフレーム
の表面に50μmのガラスビーズを軽く噴射して凹凸表
面に付着した残砂等を除去し、更に表面の酸化膜と汚れ
等を除去する目的で酸洗浄材を用いて超音波洗浄した
後、常法とされているシランカップリング剤(接着剤の
一種)を塗布・乾燥し、その上にオペークレジン・ボデ
ーレジンを順次築盛・重合して目的の義歯を得たもので
ある。
の表面に50μmのガラスビーズを軽く噴射して凹凸表
面に付着した残砂等を除去し、更に表面の酸化膜と汚れ
等を除去する目的で酸洗浄材を用いて超音波洗浄した
後、常法とされているシランカップリング剤(接着剤の
一種)を塗布・乾燥し、その上にオペークレジン・ボデ
ーレジンを順次築盛・重合して目的の義歯を得たもので
ある。
【0018】この点について更に詳しく述べると、鋳造
後のメタルフレームを部分的に切断して観察したとこ
ろ、金属表面には下半部が強固に埋設されたセラミック
粒子の付着が認められた。又、このメタルフレームに常
法に従って硬質レジンを築盛・重合して得た義歯につい
て、金属とレジンの接合状態を確認する目的で行った剪
断引張り試験においても、従来方法による場合が40.
0kg/cm2前後であったものが、それよりも遥かに高い5
7.7(±6.1)kg/cm2の値を示した。
後のメタルフレームを部分的に切断して観察したとこ
ろ、金属表面には下半部が強固に埋設されたセラミック
粒子の付着が認められた。又、このメタルフレームに常
法に従って硬質レジンを築盛・重合して得た義歯につい
て、金属とレジンの接合状態を確認する目的で行った剪
断引張り試験においても、従来方法による場合が40.
0kg/cm2前後であったものが、それよりも遥かに高い5
7.7(±6.1)kg/cm2の値を示した。
【0019】次に本発明の他の実施例として常法で作製
したワックスパターンの所要部分に液状接着剤を100
μm厚で塗布し、該面に粒径200μmの酸化アルミの
微細な粒子を上から散布したところ、上記各酸化アルミ
粒子は下半部が上記接着剤中に確実に埋没した状態で表
着されていることが確認された。
したワックスパターンの所要部分に液状接着剤を100
μm厚で塗布し、該面に粒径200μmの酸化アルミの
微細な粒子を上から散布したところ、上記各酸化アルミ
粒子は下半部が上記接着剤中に確実に埋没した状態で表
着されていることが確認された。
【0020】このワックスパターンを用いて上述したよ
うにロストワックス法によりメタルボンド用合金でメタ
ルフレームを鋳造し、そのメタルフレームの表面に直接
陶材を盛り付けて950℃で焼成して得られた義歯につ
いて、金属・陶材焼付け断面を観察した結果、気泡の発
生は全く認められず、又焼成後の曲げテストにおいても
金属と陶材の結合は極めて良好であることが確認できた
のである。
うにロストワックス法によりメタルボンド用合金でメタ
ルフレームを鋳造し、そのメタルフレームの表面に直接
陶材を盛り付けて950℃で焼成して得られた義歯につ
いて、金属・陶材焼付け断面を観察した結果、気泡の発
生は全く認められず、又焼成後の曲げテストにおいても
金属と陶材の結合は極めて良好であることが確認できた
のである。
【0021】更に本発明の他の実施例として、常法で作
製されたワックスパターンの表面に1μmの高純度金粉
をテンペトールもしくはグリセリンに混入してペースト
状としたものを薄く塗布した上、この面に100〜15
0μmのセラミック微粒子を吹き付けてロストワックス
法により、貴金属系又はセミプレシャス合金のメタルフ
レームを鋳造し、これにレジンまたは陶材等の前装材を
築盛したところ、剪断・引張り試験並びに曲げテストに
おいて上例のものよりも一層機械的強度が高く、しかも
表着した金の深層反射による審美感に優れた理想的な義
歯が得られたものである。
製されたワックスパターンの表面に1μmの高純度金粉
をテンペトールもしくはグリセリンに混入してペースト
状としたものを薄く塗布した上、この面に100〜15
0μmのセラミック微粒子を吹き付けてロストワックス
法により、貴金属系又はセミプレシャス合金のメタルフ
レームを鋳造し、これにレジンまたは陶材等の前装材を
築盛したところ、剪断・引張り試験並びに曲げテストに
おいて上例のものよりも一層機械的強度が高く、しかも
表着した金の深層反射による審美感に優れた理想的な義
歯が得られたものである。
【0022】この他、本発明においては、先に例示した
セラミック粒子又は酸化アルミ粒子以外にもメタルフレ
ームの鋳造温度よりも高い溶融温度を持ち、且つ熱によ
る酸化その他の反応を起こさない化学的安定性のある微
粒状物質であれば、随意に置換して利用することが可能
である。
セラミック粒子又は酸化アルミ粒子以外にもメタルフレ
ームの鋳造温度よりも高い溶融温度を持ち、且つ熱によ
る酸化その他の反応を起こさない化学的安定性のある微
粒状物質であれば、随意に置換して利用することが可能
である。
【0023】尚、本発明で使用するセラミック粒子等の
粒径を50〜300μmとした理由は、それが50μm
以下では粒子が重なり合ったり、ワックスパターンの表
面に対する刺さり込みが不充分であるなど理想的な表着
状態が得難く、又300μm以上ではオペーク効果を活
かす上で余り意味がないところから、この粒度範囲とし
たものであり、また金粉ペーストに使用する金粉を10
μm以下としたのは、その大きさが10μmを越える
と、埋没材の硬化時の熱(700〜800℃)では溶け
難く、また1μm以下では溶融が早くて流れ易くなり、
いづれにしても良好な層の形成が得られなかったためで
ある。
粒径を50〜300μmとした理由は、それが50μm
以下では粒子が重なり合ったり、ワックスパターンの表
面に対する刺さり込みが不充分であるなど理想的な表着
状態が得難く、又300μm以上ではオペーク効果を活
かす上で余り意味がないところから、この粒度範囲とし
たものであり、また金粉ペーストに使用する金粉を10
μm以下としたのは、その大きさが10μmを越える
と、埋没材の硬化時の熱(700〜800℃)では溶け
難く、また1μm以下では溶融が早くて流れ易くなり、
いづれにしても良好な層の形成が得られなかったためで
ある。
【0024】
【発明の効果】以上評述したところから既に明らかであ
る通り、本発明の前装冠における前装材と金属との結合
方法によれば、ワックスパターンの表面に微細なセラミ
ック粒または酸化アルミ粒を埋入乃至は付着させ、又、
このワックスパターンをロストワックス法等によって鋳
造するものであるから、セラミック等の細粒は金属表面
に一部露出した状態で埋設できて、その後の前装材の築
盛乃至は焼成が確実・容易に行え、各部均等な前装材の
維持力が得られる等の優れた効果が期待できるのであ
る。
る通り、本発明の前装冠における前装材と金属との結合
方法によれば、ワックスパターンの表面に微細なセラミ
ック粒または酸化アルミ粒を埋入乃至は付着させ、又、
このワックスパターンをロストワックス法等によって鋳
造するものであるから、セラミック等の細粒は金属表面
に一部露出した状態で埋設できて、その後の前装材の築
盛乃至は焼成が確実・容易に行え、各部均等な前装材の
維持力が得られる等の優れた効果が期待できるのであ
る。
【0025】又、上記セラミック粒子に、予め歯牙色な
どを着色したものを使用することにより、優れたオペー
ク効果が得られ、より天然歯に近い風合いの義歯とする
ことができるし、特に金粉ペーストを使用したものは、
セラミック粒子等の結合強度がより強固に得られる上、
鋳込み時の金属の冷やし金効果によって金属の表面組成
を向上させ得るので、この種の前装冠金属の反復利用に
も適し、更にメタルフレーム表面の金の深層反射によっ
て審美感に優れた義歯が得られるという顕著な効果が期
待できるのである。
どを着色したものを使用することにより、優れたオペー
ク効果が得られ、より天然歯に近い風合いの義歯とする
ことができるし、特に金粉ペーストを使用したものは、
セラミック粒子等の結合強度がより強固に得られる上、
鋳込み時の金属の冷やし金効果によって金属の表面組成
を向上させ得るので、この種の前装冠金属の反復利用に
も適し、更にメタルフレーム表面の金の深層反射によっ
て審美感に優れた義歯が得られるという顕著な効果が期
待できるのである。
【0026】この他、上記ワックスパターンの開窓後に
その表面に接着剤を介してビーズ等を付着させる従来の
手法とは異なり、前装材の築盛厚が正確に判断でき、そ
の厚みも充分に保つことができるので、外観が極めて良
好な製品が得られるという効果もある。
その表面に接着剤を介してビーズ等を付着させる従来の
手法とは異なり、前装材の築盛厚が正確に判断でき、そ
の厚みも充分に保つことができるので、外観が極めて良
好な製品が得られるという効果もある。
【0027】更に本発明の方法によれば、特に陶材を焼
成する場合に、その結合層は化学的結合も可能となり、
金属面と陶材間に一層強大な維持力が期待できる等々、
多岐に亘って顕著な効果が齎されるものである。
成する場合に、その結合層は化学的結合も可能となり、
金属面と陶材間に一層強大な維持力が期待できる等々、
多岐に亘って顕著な効果が齎されるものである。
Claims (3)
- 【請求項1】常法で得られた義歯用のワックスパターン
の所要部分に50〜300μmのセラミック粒子を均等
に付着乃至は埋入させ、このワックスパターンを用いて
ロストワックス法などによってセラミック微粒子の表着
したメタルフレームを鋳造し、その前面に常法に倣って
前装材を築盛乃至は焼成することを特徴とした前装冠の
金属面と前装材との接合方法。 - 【請求項2】純度の高い10μm以下の金粉ペーストを
ワックスパターンの表面に塗布した上、該面に50〜3
00μmのセラミック粒子を均等に付着させ、このワッ
クスパターをロストワックス法によってセラミック粒子
の表着したメタルフレームを鋳造し、その前面に常法に
倣って前装材を築盛乃至は焼成することを特徴とした前
装冠の金属面と前装材との接合方法。 - 【請求項3】請求項1または2記載のセラミック粒子に
代えて50〜300μmの酸化アルミ粒子またはこれに
代わる金属粒子を使用した前装冠の金属面と前装材との
接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21095893A JPH06225888A (ja) | 1992-12-08 | 1993-08-02 | 前装冠の金属面と前装材との接合方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35212192 | 1992-12-08 | ||
JP4-352121 | 1992-12-08 | ||
JP21095893A JPH06225888A (ja) | 1992-12-08 | 1993-08-02 | 前装冠の金属面と前装材との接合方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06225888A true JPH06225888A (ja) | 1994-08-16 |
Family
ID=26518355
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21095893A Pending JPH06225888A (ja) | 1992-12-08 | 1993-08-02 | 前装冠の金属面と前装材との接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06225888A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008031232A1 (fr) * | 2006-09-11 | 2008-03-20 | Timesa S.A. | Dispositif de poudrage d’un objet sur un support et contenant pour ce dispositif |
JP2013533377A (ja) * | 2010-05-27 | 2013-08-22 | ヒュン‐ソク パク | 歯科陶材焼付用金属合金及び歯科補綴物 |
-
1993
- 1993-08-02 JP JP21095893A patent/JPH06225888A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008031232A1 (fr) * | 2006-09-11 | 2008-03-20 | Timesa S.A. | Dispositif de poudrage d’un objet sur un support et contenant pour ce dispositif |
JP2013533377A (ja) * | 2010-05-27 | 2013-08-22 | ヒュン‐ソク パク | 歯科陶材焼付用金属合金及び歯科補綴物 |
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