JPH06225764A - 水チャネル - Google Patents

水チャネル

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JPH06225764A
JPH06225764A JP4357838A JP35783892A JPH06225764A JP H06225764 A JPH06225764 A JP H06225764A JP 4357838 A JP4357838 A JP 4357838A JP 35783892 A JP35783892 A JP 35783892A JP H06225764 A JPH06225764 A JP H06225764A
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wch
cdna
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water channel
mrna
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Kiyohide Fushimi
清秀 伏見
Shinichi Uchida
信一 内田
Shigeru Sasaki
成 佐々木
Fumiaki Marumo
文昭 丸茂
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    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
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Abstract

(57)【要約】 【構成】腎集合管部に偏在する水チャネルを発現させる
mRNA、またはバソプレシン制御水チャネルを発現さ
せるmRNAに特異的であり、かつ前記mRNAに相補
的であるWCH−1cDNAプローブ。 【効果】腎臓の基本的原理の基礎を達成し、様々な腎臓
障害治療の基礎を得るとともに、高水透過性のタンパク
の人工的な合成が可能になり、更には高水透過性の人工
膜を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は腎臓の集合管部に偏在す
るバソプレシン制御水チャネル(WCH−1)を形成す
る遺伝子及びタンパク分子に関するものである。
【0002】これらを用いて水利尿剤のスクリーニング
方法の確立、WCH−1タンパクを組み込んだ高水透過
性人工膜及びリポソームが製造できる。
【0003】
【従来技術】身体の水分の喪失を防止するには、大部分
の哺乳動物にとって、尿の濃縮が不可欠である。濃縮尿
は、バソプレシンに応答して、腎臓の集合管の内腔から
の水を、水透過性の高い膜を通って上皮経由で回収する
ことによってつくり出される(Orloff,J.& Handler,J.S.
Am.J.Med.42,757-768 (1967).; Knepper,M.A.& Rector,
F.C.Jr.in The Kidney(eds Brenner,B.M.& Rector,F.C.
Jr.)445-482(W.B.Saunders,Philadelphia,(1991).)。こ
のネフロン区画において、バソプレシンは水チャネルの
管腔側膜から、又は管腔側膜へのエンドサイトーシス又
はエキソサイトーシスにより水の透過性を制御している
(Handler,J.S.Am.J.Physiol.255,F375-F382 (1988).; H
arris,H.W.Jr.,Strange,K.& Zeidel,M.L.J.Clin.Inves
t.88,1-8(1991).)。
【0004】最近になってCHIP28が、腎臓の近位
尿細管及び赤血球膜(以下RBCと略記する)における
水チャネルであることが示された(Preston,G.M.,Carro
l,T.P.,Guggino,W.B.& Agre,P.Science256,385-387 (19
92).)。しかしCHIP28は集合管において発現して
いない(Denker,B.M.,Smith,B.L.,Kuhajda,F.P.& Agre,
P.J.Biol.Chem.263,15634-15642 (1988).)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】腎臓の集合管の水チャ
ネルの存在は現在まで立証されていない。この水チャネ
ルの存在が明確に立証され、また単離され、かつ同定さ
れることにより、腎臓の基本的原理の解明の基礎が達成
されるとともに、様々な腎臓障害治療の基礎が得られ
る。
【0006】本発明はかかる問題点の解明に基づき、腎
臓の集合管の水チャネルを単離したものとして得るこ
と、さらにその複製物、複製の手段を得ることを目的と
する。また本発明の水チャネルを組み込んだ人工膜を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば単
離されたWCH−1 cDNAプローブを入手すること
ができ、WCH−1タンパク分子を生産する大腸菌、該
大腸菌により生成されたWCH−1タンパク分子及び、
該WCH−1タンパク分子の製造方法により、上記目的
を達成できる。更に、WCH−1タンパクを組み込んだ
脂質膜を得る。
【0008】具体的手段について以下に述べる。
【0009】腎集合管部に偏在する水チャネルを発現さ
せるmRNAに特異的であり、かつ前記mRNAに相補
的であるWCH−1 cDNAプローブ。またはバソプ
レシン制御水チャネルを発現させるmRNAに特異的で
あり、かつ前記mRNAに相補的であるWCH−1 c
DNAプローブ。
【0010】哺乳類の腎髄質mRNAより作成した一本
鎖cDNAについて 5’−(T/C)T(T/C/A/G)AA(T/C)
CC(T/C/A/G)GC(T/C/A/G)GT
(T/C/A/G)AC−3’ 及び 5’−AA(T/C/A/G)(G/C)(T/A)
(T/C/A/G)C(G/T)(T/C/A/G)G
C(T/C/A/G)GG(A/G)TT−3’ をディジェネレートプライマーとしてPCRにかけ、前
記PCR生成物をプローブとして前記哺乳類の腎cDN
Aライブラリーをスクリーニングして単離される前記W
CH−1 cDNAクローン。腎提供者はラットが好ま
しい。
【0011】配列番号1に示す前記WCH−1 cDN
Aの塩基配列。
【0012】前記WCH−1 cDNAプローブを鋳型
として得られるWCH−1 mRNAプローブ。
【0013】腎集合管部に偏在する水チャネルを構成す
るWCH−1タンパク分子、またはバソプレシン制御水
チャネルを構成するWCH−1タンパク分子。
【0014】配列番号1に示す塩基配列によってコード
される前記WCH−1タンパク分子をあらわすアミノ酸
配列。
【0015】発現ベクターに配列番号1に示す塩基配列
であらわされるWCH−1遺伝子を組み込んだ組み替え
プラスミド。
【0016】好ましくは前記発現ベクターがpSPOR
Tであり、前記pSPORTのNot−I及びSal−
Iとの切断部位に前記WCH−1遺伝子を挿入した組み
替えプラスミド。
【0017】WCH−1遺伝子による、ラット腎集合管
に偏在する水チャネルを構成するタンパク分子を生産す
る大腸菌。またはWCH−1遺伝子による、バソプレシ
ン制御水チャネルを構成するタンパク分子を生産する大
腸菌。(この大腸菌は、工業技術院微生物工業研究所に
識別のための表示を「Eschelichia Coli.rWCH-1」とし
て寄託されており、その受託番号は「微工研菌寄第1317
1号(FERM P-13171)」である。)
【0018】前記大腸菌により生成されたWCH−1タ
ンパク分子。
【0019】前記大腸菌を用いてWCH−1タンパク分
子を採取することを特徴とするWCH−1タンパク分子
の製造方法。
【0020】前記大腸菌は、好ましくは、WCH−1遺
伝子を発現ベクターpSPORTに挿入して得られた組
み替えプラスミドを大腸菌DH10αに導入し、形質転
換して得られた大腸菌であり、より好ましくは、pSP
ORTのNot−I及びSal−Iとの切断部位にWC
H−1遺伝子を挿入したプラスミドを含む大腸菌、また
はイソプロピルβ−D−チオガラクトシド(以下IPT
Gと略記する。)添加により発現誘導可能なベクター
(pSPORT)、宿主(DH10α)系を用いた前記
プラスミドを持った大腸菌である。
【0021】WCH−1タンパク分子を含有することを
特徴とする脂質膜。
【0022】WCH−1タンパク分子を含有する脂質膜
からなることを特徴とするリポソーム。
【0023】
【発明の概要】われわれはここで、腎臓の集合管の新し
い水チャネルであるWCH−1のクローニングについて
報告する。WCH−1は、アミノ酸配列において、42
%まで、CHIP28と同一である。WCH−1トラン
スクリプトは腎臓の集合管のみにおいて検知される。免
疫組織化学的にはWCH−1は腎臓の集合管部の細胞の
管腔側領域に局在している。アフリカツメガエルの卵母
細胞中のWCH−1の発現は、卵母細胞膜の浸透圧水透
過性を著しく高くした。興味深いことに、脱水は、ラッ
トの腎臓においてWCH−1 mRNAを著しく誘発さ
せたが、CHIP28 mRNAは誘発しなかった。W
CH−1の機能の発現と腎の集合管の管腔側膜のWCH
−1の局在化はWCH−1がバソプレシン制御水チャネ
ルであることを示している。
【0024】<定義>本発明でWCH−1とは腎集合管
に偏在するバソプレシン制御水チャネルをいうものと
し、前記水チャネルを発現させ得る遺伝子をWCH−1
遺伝子というものとする。
【0025】
【好適な実施態様】
<WCH−1mRNAの単離、塩基配列の決定>ラット
の腎臓髄質ポリ(A)+RNAは、MIP系列の保存さ
れたアミノ酸配列(Leu−Asn−Pro−Ala−
Val−Thr, Asn−Pro−Ala−Arg−
Ser−Phe)(Wistow,G.J.Pisano,M.M.&Chepelinsk
y,A.B.Trends Biochem. Sci.16,170-171(1991).)に基づ
いて合成された、2つのディジェネレートプライマー(d
egenerate primers)、即ち5′−(T/C)T(T/C
/A/G)AA(T/C)CC(T/C/A/G)GC
(T/C/A/G)GT(T/C/A/G)AC−3′
及び5′−AA(T/C/A/G)(G/C)(T/
A)(T/C/A/G)C(G/T)(T/C/A/
G)GC(T/C/A/G)GG(A/G)TT−3′
各5μMによる30サイクルのPCR及び逆転写に付し
た。このサイクルは、94℃においての1分間の変性、
50℃においての1分間のアニーリング、72℃におい
ての3分間のエクステンション及びそれに続く7分間の
最終的エクステンションから成るものとした。
【0026】〜370bp PCR生成物のバンドをゲル
電気泳動によって単離し、プラスミドベクターPCR1
000にサブクローニングした。−21M13及びM1
3Rけい光プライマーによって、けい光DNAシーケン
サー373A(Applied Biosystems)を用いて、24個の
クローンの配列を定めた。
【0027】ヒトCHIP28との58%のヌクレオチ
ド配列の同一性及び45%の推定されたアミノ酸配列の
同一性の369bpインサートをもって、クローン(pM
WC41)を得た。
【0028】別の1つのクローン(prCHIP28)
は、ヒトCHIP28との88%のヌクレオチド配列の
同一性及び95%の推定されたアミノ酸配列の同一性の
369bpインサートであった。
【0029】クローンpMWC41は、λgt22ベク
ター(BRL)のNot−I/Sal−I部位に構成さ
れた2×107組換えラット腎臓cDNAライブラリー
をスクリーニングするために使用した。厳密な条件(6
×SSPE、50%ホルムアルデヒド、42℃において
のプローブ結合(hybridization);2×SSC、0.5
% SDC、42℃においての洗浄)の下に、〜1.4
kbインサートをもって、陽性のクローン(WCH−1)
を単離した。
【0030】cDNAインサートをpSPORTベクタ
ー(BRL)のNOT−I/Sal−I部位にサブクロ
ーニングし、シークエナーゼ(Sequenase)(USB)を
用いて、サンガー(Sanger)ジデオキシヌクレオチド鎖終
止法によって塩基配列を定め、更にアミノ酸配列を定め
た。
【0031】図10にWCH−1の配列を示す。図10
は、WCH−1 cDNAのヌクレオチド配列、並び
に、その推定されたアミノ酸配列とヒトCHIP28(P
reston,G.M.& Agre,P.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.88,1111
0-11114 (1991).)との整合を示す。保存された残基は、
囲って示し、推定された膜横断領域(Kyte,J.& Doolittl
e,R.F. J.Mol.Biol.157,105-132 (1982).)は下線によっ
て示す。
【0032】*は潜在的なNリンクされたグリコシル化
部位(Kornfeld,R.& Kornfeld,S.Ann.Rev.Biochem.54,63
1-664 (1985).のコンセンサス連鎖を示し、▽はcAM
P−依存性プロテインキナーゼによる、◆はプロテイン
キナーゼCによる、●はカゼインキナーゼIIによる、そ
れぞれのリン酸化部位(Kennelly,P.J.& Krebs,E.G. J.B
iol.Chem.266,15555-15558 (1991).)を示す。cDNA
の終点のポリ(A)+トラックは、AATAAA分離及
びポリアデニル化配列の後14ntにおいて開始される。
【0033】最初のATGは、位置−3においてのコザ
ック(Kozak)のコンセンサスA(Kozak,M.Nucl.Acid Res.
15,8127-8146(1987).)及び最初の7個のアミノ酸配列が
ヒトMIPと同一であること(Pisano,M.M.& Chepelinsk
y,A.B.Genomics 11,981-990(1991).)に基づいて、開始
コドンとした。
【0034】最長の読み枠は、ヒトのCHIP28との
42.7%の配列の同一及びラットのMIPとの59.
1%の配列の同一(Kent N.A.,Shiels,A.Nucl.Acid Res.
18,4256 (1990).)と共に、271個のアミノ酸による蛋
白質をコードする(Mr28928)。MIP系列の各
メンバー(Pao,G.M.et al.Mol.Microbiol.5,33-37 (199
1).)及びWCH−1の保存される残基と、WCH−1の
配列における内部的な配列の繰返し(Wistow,G.J.,Pisan
o,M.M.& Chepelinsky,A.B.Trends Biochem.Sci.16,170-
171 (1991).)は、WCH−1がMIP系列の新しいメン
バーであることを示している。
【0035】図1は、WCH−1の推定されたアミノ酸
配列のヒドロパシープロフィルを示す。平均疎水度指数
は、12個の残基の窓によって、カイト(Kyte)及びドゥ
ーリトル(Doolittle)のアルゴリズム(Kyte,J.& Doolitt
le,R.F. J.Mol.Biol.157,105-132 (1982).)に従って計
算し、CHIP28に類似した6個の膜横断領域の存在
が示された。推定された膜スパン領域(membrane-spanni
ng domain)には、I〜IVの番号を付した。
【0036】本発明ではラットについて実験を行なった
が、哺乳類であれば他の動物種についても、上記作業に
より該動物種のWCH−1cDNAが得られることは明
白であり、塩基配列及びアミノ酸配列においても、かな
りの部分で同一性を有するであろうことは容易に推測さ
れる。(例えばCHIP28ではヒトとラットの間での
塩基配列の相同性は88%であった。)
【0037】<WCH−1の存在組織の探索>ノーザン
ブロット分析については、数個の組織から抽出したRN
Aを、ポリ(A)+トラクトについて富化し、1レーン
当り10μgを、ホルムアルデヒド含有アガロースゲル
上において電気泳動させた。臭化エチジウムによる染色
によって、等量及び変性の不在をチェックした。ナイロ
ン膜に移した後、32Pの標識を付したWCH−1 cD
NAによって高度の厳密さでブロットを交雑させ、24
〜120時間オートラジオグラフィー写真撮影した。
【0038】単離したネフロン区画のRT−PCRを記
述のようにして行った(Moriyama,T.,Murphy,H.R.,Marti
n,B.M.& Garcia-Perez,A. Am.J.Physiol.258,F1470-F14
74 (1990).;Terada,Y.et al.Am.J.Physiol.261,F1080-F
1087 (1991).)。簡単に説明すると、単離されたネフロ
ンの区画の2mmを、ランダムなプライマーによって逆転
写に付した。WCH−1(5′−TGGGATCTAT
TTCACCGG−3′、塩基522〜539、及び
5′−ACAGGCACTCGGGATCAC−3′、
塩基1216〜1233)のための特異の18ntプライ
マーとのPCR反応(1分間94℃、1分間60℃及び
3分間72℃)40サイクルのために、合成cDNAを
使用した。
【0039】PCR生成物は、2%アガロースにおいて
電気泳動させ、臭化エチジウムにて染色し、写真撮影し
た。サザンブロット分析のためには、DNAを変性さ
せ、ナイロン膜に移し、32Pの標識を付したWCH−1
cDNAと交雑させた。
【0040】図2は、WCH−1の局在を示すノーザン
ブロット分析の写真である。図2aは、種々のラットの
組織においてのWCH−1のノーザンブロット分析であ
り、ラット腎臓mRNAを含むレーンのみにおいて検出
されるWCH−1トランスクリプトを示す。WCH−1
トランスクリプトは、120時間以内の長いオートラジ
オグラフィーによっても、腎臓mRNA以外のレーンに
は検出されなかった(データは示さない)。
【0041】図2bは、ラット腎臓の皮質及び髄質のス
ライスされた区画においてのWCH−1のノーザンブロ
ット分析である。主要なトランスクリプト〜1.5kbの
他に、比較的大きな2.8kb及び 4.4kbのトランス
クリプトが検出された。これらは交互のスプライシング
又はポリアデニル化変種を表わしうる。
【0042】以上のノーザンブロット分析により、WC
H−1が排他的に腎臓中に、そして腎臓の髄質中に主
に、腎臓の皮質中に劣勢に表わされていることが明らか
になった。
【0043】図3は、単離したネフロン区画についての
WCH−1 mRNAのためのRT−PCR生成物のア
ガロースゲル電気泳動である。WCH−1の712bpバ
ンドが、CCD、OMCD及びIMCDのレーンにおい
て検出された。
【0044】サザンブロット分析によって、PCRバン
ドにプローブが特異的に結合されることが、各生成物の
同一性を証明した(データは示さない)。
【0045】略称は次の通りである。PCT;近位尿細
管曲部。TDL;ヘンレのループの細い下行脚。TA
L;ヘンレのループの細い上行脚。MAL;髄質の太い
上行脚。CCD;皮質集合管。OMCD;外側髄質集合
管。IMCD;内側髄質集合管。RT(−);逆転写酵
素なしの反応。
【0046】WCH−1に特異の712bpのPCR生成
物は、皮質及び外側と内側の髄質集合管区画のみにおい
て検出され、WCH−1mRNAが集合管部に局在的に
発現していることが示された。
【0047】次に免疫組織化学的にラット腎におけるWC
H−1の局在性を調べた。NH2-末端がチロシンで、WCH−
1のCOOH-末端側の15個のアミノ酸に相当するぺプチ
ド(Val-Glu-Leu-His-Ser-Pro-Gln-Ser-Leu-Pro-Arg-Gl
y-Ser-Lys-Ala)を合成し、Skowsky,W.R. & Fischer,D.
A.J.Lab.Clin.Med.80,134-144(1972).の記載に従い牛の
サイログロブリン(thyroglobulin)に共役させた(以
下、コンジュゲ−トという)。フレウンドの完全アジュ
バントに混合させたコンジュゲート0.5mL(ぺプチド
0.2mg)をニュージーランド ホワイト ラビットに免
疫し、ウサギ抗血清(以下、抗-WCH1/Cという)を得
た。
【0048】2日間水の摂取が制限されたラットの固定
した腎臓の4μm切片をスライド上に置き、非免疫ヤギ
血清でプレインキューベートした後洗浄する。スライド
は500:1に希釈された抗-WCH1/Cと、4℃、一晩インキ
ューベートされ、洗浄後スライドはFITC-ヤギ-抗-ウサ
ギ イムノグロブリンの1:100希釈液と、25℃、1時
間、インキューベートされた。染色されたスライドを洗
浄し、写真撮影した(図4〜図7)。免疫されたウサギ
の5羽中3羽の抗血清(抗-WCH1/C)による免疫染色は
同様の結果を生じた。
【0049】上記操作により、ラット腎髄質部分が抗-W
CH1/Cとインキューベートされたものを図4に示す(×1
00倍率)。また、ラット腎髄質部分が前もって相当する
ぺプチド抗原とプレインキューベートされた抗-WCH1/C
と、インキューベートされたものを図5に示す(×100
倍率)。集合管の細胞の管腔側ドメインで観察された染
色(図4)はぺプチド抗原とのプレインキューベーショ
ンによって消失した(図5)ので、抗体の特異性が確認
された。
【0050】図6はラット腎髄質部分が抗-WCH1/Cとイ
ンキューベートされたものを高倍率(×400倍率)で示
したものであり、図7はラット腎皮質部分が抗-WCH1/C
とインキューベートされたものを示す(×100倍率)。
【0051】蛍光抗体法による染色は皮質と髄質の集合
管にのみ観察されて、近位尿細管や細い下行脚及び細い
上行脚を含めた他のネフロンセグメントでは観察されな
かった(図4、7)。抗血清と相当するペプチド抗原と
がプレインキューベートされた時に切片が染色されなか
ったので、抗体の特異性が確認された(図5)。近位尿
細管及びヘンレの係蹄の細い下行脚部分に発現している
CHIP28(Denker,B.M.,Smith,B.L.,Kuhajda,F.P.&
Agre,P.J.Biol.Chem.263,15634-15642(1988).)とは対照
的な免疫学的局在性はWCH−1 mRNAのRT-PCRの局在性と
共に、WCH−1が集合管部に特長的に発現していること
を示している。
【0052】皮質集合管の細胞の中には染色されないも
のも少しあり、これらの細胞は、水チャネルが発現しな
いことが知られている(Handler,J.S.Am.J.Physiol.255,
F375-F382(1988).)介在細胞であると考えられる。高倍
率で観察した細胞内の免疫化学的局在性では集合管部の
細胞の管腔側膜が濃く染色していたが、細胞の血管側は
殆ど染色されていなかった(図6)。その結果、WCH−
1は集合管の細胞の管腔側膜に局在していることが立証
された。興味深いことに管腔側膜の強い染色に加えて、
細胞の管腔側膜下領域にも染色が観察された。解像度は
十分ではないけれども、このことは管腔下のエンドソー
ムに余備の水チャネルの存在を示唆している。
【0053】<WCH−1が水チャネルであることの証
明>WCH−1トランスクリプトを注入した卵母細胞の
水透過性を測定するために、ビデオ顕微鏡を用いて、浸
透勾配によって誘起された溶積の増大を測定した(Zhan
g,R.& Verkman,A.S.Am.J.Physiol.260,C26-C34 (199
1).)。
【0054】pSPORTベクターを線状化した後、T
7RNAポリメラーゼを用いて、前記ベクター中WCH
−1から、キャップ構造のcRNAを合成した。雌のア
フリカツメガエルの卵から、卵母細胞を得て、Dascal,
N.CRC Crit.Rev.Biochem.22,317-373 (1987).の記述に
従って調整し、水20ng又はWCH−1RNA 20
ng(1μg/μL)を注入し、18℃において培養し
た。24時間培養した後に卵母細胞を200 mOsmから
70 mOsm Barth緩衝液に移し、ビデオ顕微鏡によって
24℃にて浸透による容積の増大を観察した(Zhang,R.&
Verkman,A.S.Am.J.Physiol.260,C26-C34 (1991).)。卵
母細胞は、オリンパス位相差顕微鏡において透過光によ
って観察し、ARGUS−200像処理システムに接続したH
amamatsu SITカメラによって撮像した。20秒間隔で像
を撮像し保存した。
【0055】卵母細胞の像を、(Zhang,R.& Verkman,A.
S.Am.J.Physiol.260,C26-C34 (1991).)の記述に従って
処理し、卵母細胞の投影面積を、自動加算によって計算
した。容量比(V/V0)を、時間0の面積(A0)及び
時間tの面積(A)から計算した。
【0056】V/V0=(A/A03/2
【0057】V/V0の時間曲線の最初の勾配(dV/
0/dt)、最初の卵母細胞の容積(V0=9×10-4
cm3)、最初の卵母細胞の表面積(S=0.045c
m2)、水のモル容積(Vw=18cm3/モル)から、浸透
による水の透過性(Pf)を定めた。
【0058】Pf=[V0×d(V/V0)/dt]/[S×
w×(osmin−osmout)]
【0059】水銀スルヒドリル試薬の効果を検討するた
めに、Pfの測定に先立って、0.3mM HgCl2
有Barth緩衝液中において5分間卵母細胞を培養した。
HgCl2中の5分間の培養に続いて、5mM β−メル
カプトエタノール含有Barth緩衝液中において15分間
培養することによって、還元剤による抑制の回復につい
て検討した。
【0060】図8は、WCH−1 RNAを注入したア
フリカツメガエル卵母細胞の浸透圧水透過性の増大を示
し、図8aに、20ng WCH−1 RNA(WCH
−1)、水(比較対照)を注入した卵母細胞の時間依存
の容積の増大を示す。 図8bは、WCH−1 RNA又
は水を注入した卵母細胞の顕微鏡写真である。20秒間
隔で写真撮影したものを左から右及び上から下の順序で
示してある。
【0061】浸透による水透過度(Pf)は、水を注入
した卵母細胞の場合、25.1±1.7(平均±SEM)×1
-4cm/秒、WCH−1を注入した卵母細胞において
は、83.9±18.2×10-4cm/秒であり、WCH
−1を注入した卵母細胞中の浸透圧水透過係数(Pf)
は、水を注入した卵母細胞中のPfの3.5倍であっ
た。
【0062】更に、WCH−1RNAを注入した11個
の卵母細胞のうち10個は、低張液中に移した後10分
以内に破裂したが、水を注入した卵母細胞は、60分以
上に亘って、1個も破裂しなかった。
【0063】WCH−1を注入した卵母細胞中のPfは
83.9±18.2×10-4cm/秒であったのが、0.
3mM HgCl2中において5分間培養した後は、W
CH−1水チャネルの活性は部分的に抑制され、Pfは
44.5±3.6×10-4cm/秒まで低下した。 0.
3mM HgCl2中の培養後、5mM β−メルカプト
エタノール中に15分間の培養をすることによって、H
gCl2 による抑制が回復された (Pf=63.1±
25.8×10-4cm/秒)。
【0064】WCH−1 cRNA注入卵母細胞の浸透
圧水透過性の活性化エネルギー(Ea)は10〜28℃
で測定されたアレニウスプロットから評価され、Eaは
3.6±0.8Kcal/mol(n=12)であっ
た。この値はRBC及び腎臓の近位尿細管及び集合管に
存在する水チャネルについて報告されている活性化エネ
ルギー(Verkman,A.S.Annu.Rev.Physiol.54,97-108 (199
2).)と類似している。
【0065】チャネルによって媒介される水の透過性の
特徴である、スルヒドリル試薬による抑制(阻止)及び
還元剤による回復を伴う高い浸透圧水透過性の出現(Ver
kman,A.S.Annu.Rev.Physiol.54,97-108 (1992).)及び低
い活性化エネルギーは、WCH−1を注入した卵母細胞
中に表わされた蛋白質が水チャネルであることを強く示
している。
【0066】われわれの観察した、WCH−1注入卵母
細胞中のPf値は、CHIP28を注入した卵母細胞に
おいて報告された値よりも低かった。おそらく、このこ
とはアフリカツメガエルのβ−グロビンのキメラベクタ
ー(Preston,G.M.,Carroll,T.P.,Guggino,W.B.& Agre,P.
Science 256,385-387 (1992).)を使用しない場合には、
WCH−1タンパクの翻訳が減少するため、あるいは管
腔下の貯蔵小胞(subapical resorvoir vesicles)から
管腔側膜へ水チャネルを輸送する(Handler,J.S.Am.J.Ph
ysiol.255,F375-F382 (1988).)ために必要であるバソプ
レシン−制御膜輸送系の欠如のために卵母細胞における
WCH−1の膜表面への発現が減少するためと考えられ
る。さらにアフリカツメガエルの卵母細胞において、エ
ンドソームの水チャネルタンパクは外来タンパクの非特
異的輸送機構のため、細胞膜表面への発現が少ない可能
性もある。
【0067】水除去の効果を検討するために、水の摂取
制限の0.2及び5日後のラットの全腎臓からのRNA
50μgを用いた。RNAは、アガロース−ホルムア
ルデヒドゲル電気泳動により、大きさに従って分画し
た。臭化エチジウムによる染色と、32P標識β−アクチ
ンとの交雑とによって、等量及び変性の不在をチェック
した。ナイロン膜に移した後、WCH−1発現のための
WCH−1 cDNA及び32P標識CHIP28表現の
ためのprCHIP28のインサートと、高度の厳密さ
で交雑し、オートラジオグラフィー写真撮像した。
【0068】図9は、長期間の脱水後のラットの腎臓中
におけるWCH−1及びCHIP28 mRNAの量の
変化を示すノーザンブロット分析である。
【0069】長期間の脱水の後にラットの腎臓中にCH
IP28 mRNAでなくWCH−1 mRNAが際立っ
て誘発されたことは、長期の抗利尿において集合管の水
チャネルのタンパク質の増大が水透過の増大に寄与しう
ることを示している。
【0070】バソプレシンの抗利尿作用は、管腔側膜に
水チャネルを挿入することによる集合管の透水性の急激
な増大(Ganote,C.E.et al.J.Cell Biol.36,355-367(196
8).;Kuwahara,M.,Berry,C.A.& Verkman,A.S.Biophys.J.
54,595-602(1988).;Verkman,A.S.Annu.Rev.Physiol.54,
97-108(1992).)と、対向流増幅系及び皮質−髄質間の浸
透圧勾配の増大による尿濃縮力の増大(Knepper,M.A.& R
ector,F.C.Jr.in The Kidney (eds Brenner,B.M.& Rect
or,F.C.Jr.)445-482(W.B.Saunders,Philadelphia,199
1).;Kirk,K.L.& Schafer,J.A.in The Kidney:Physiolog
h and Pathophysiology (eds Seldin,D.W.& Giebisch,
G.)1693-1725(Raven Press,New York,1992).)を含む。
【0071】われわれの結果は、バソプレシンが、集合
管中の水チャネルの合成を増大させることによっても、
最大水透過性を増大させうる可能性を示した。
【0072】バソプレシンは集合管の管腔側膜の浸透圧
水透過性を、水チャネルを含有しない他の膜の浸透圧透
過性と同程度より(Verkman,A.S.Annu.Rev.Physiol.54,9
7-108 (1992).;Kuwahara,M.,Berry,C.A.& Verkman,A.S.
Biophys.J.54,595-602 (1988).)大いなる増加へと導く
ので、管腔側膜にある水チャネルの全て、あるいは少な
くとも大多数はバソプレシンに制御されていると推測さ
れる。集合管の細胞の管腔側ドメインでの選択的なWC
H−1の存在および卵母細胞における水チャネルの機能
発現は、WCH−1が集合管の管腔側及びエンドソーム
の膜のバソプレシン制御水チャネルであることを強く示
唆している。
【0073】本発明により管腔側膜の水チャネルが分子
学的に同定されたので、集合管の細胞でのバソプレシン
制御水透過性の機序の細胞レベルでの研究が直接できる
ようになるであろう。
【0074】<WCH−1タンパク質の複製手段>環状
プラスミドpSPORTを制限酵素Not−I及びSa
l−Iで切って、切断された部位にWCH−1 cDN
Aを挿入する。WCH−1遺伝子を組み込んだプラスミ
ドは大腸菌10DHα株に導入して形質転換させる。
【0075】上記組み替えDNA法による宿主の形質転
換は、公知の方法(Cohen,S.N.et al.,Proc.Natl.Acad.S
ci.,USA.,69,2110(1972).)もしくは、それに準ずる方法
により行なうことができる。
【0076】このようにして、得られた形質転換体(組
換え体)を公知の培地、例えば L−Broth (アンピシリ
ン含有)培地で培養する。培養に際して、菌体増殖後の
一定時期にプロモーターをより効率よく働かせるため
に、IPTGを添加する。添加後の培養は通常37℃で
3〜4時間行なう。培養後、公知の方法で菌体を集め、
緩衝液に懸濁し、菌体を破砕し、カラムクロマトグラフ
ィー等の公知の方法によりWCH−1タンパクを精製す
る。
【0077】<産業上の利用例>本発明でWCH−1の
単離、同定、複製が可能になったことにより、産業上次
のような利用価値が得られる。
【0078】WCH−1タンパクを発現させた物質を利
用した水利尿剤のスクリーニング法が確立できる。例え
ば以下に示す水利尿剤のスクリーニング法が挙げられ
る。
【0079】1)WCH−1のアミノ酸配列から、いく
つかの活性中心と思われるペプタイドを人工合成し、該
ペプタイドと特異的に結合する物質をスクリーニングす
る。
【0080】2)WCH−1組み替えプラスミドを有す
る本発明の大腸菌からWCH−1タンパクを大量に製造
させ、該タンパクに特異的に結合する物質をスクリーニ
ングする。
【0081】3)WCH−1 cDNAから人工的に作
成したmRNAをアフリカツメガエルの卵へ注入し、卵
膜上にWCH−1タンパクを発現させる。外液の浸透圧
が低下すると卵は膨張するので、低張液に卵を培養し膨
張をモニターし、膨張が抑制される物質をスクリーニン
グする。
【0082】4)WCH−1タンパクの細胞外ドメイン
に対する抗体を作成し、該抗体がWCH−1タンパクと
結合するのを阻害する物質をスクリーニングする。
【0083】5)WCH−1 cDNAを組み込んだベ
クターを適当な培養細胞(例えばCOS−7細胞)に移
植する。移植された細胞は水透過性がよくなるので、外
液の浸透圧を低下させると、水が細胞内に流入し、膨張
して破裂する。そこでこの破裂を抑制する物質をスクリ
ーニングする。
【0084】WCH−1タンパクを組み込んだ人工膜(B
ear,C.E.,et al.Cell,68,809-818(1992).)は、高水透過
性を示し利用価値が多く、例えば以下に示す利用法があ
る。
【0085】1)限外瀘過膜として純水製造に用いる。
【0086】2)塩の濃縮
【0087】3)浸透圧センサー
【0088】4)水利尿剤のスクリーニング
【0089】特にWCH−1タンパクを脂質膜の一種で
あるリポソームに組み込んだものは利用価値が幅広く、
例えば以下に示す利用法がある。
【0090】1)人工血球
【0091】 2)薬物を内部に包含させた上記リポソーム 血液中での薬物の放出が緩やかなので持続性徐方性製剤
に適する。
【0092】3)水利尿剤抵抗性の患者、及び著しい浮
腫の患者への治療薬 高浸透圧物質を包含させたリポソームを経口摂取させる
と、リポソーム中へ体内の水分が取り込まれ、最終的に
便として排出される。即ち、便への水排出が増加するこ
ととなる。
【0093】4)水吸着剤 高浸透圧物質を包含させた上記小胞は水の吸収力が大き
い。従って、紙等の間に多量の該小胞を入れておけば水
吸着能が著しく上昇するので、おしめ、生理用ナプキン
等に使用できる。
【0094】WCH−1タンパクを組み込んだリポソー
ムは公知の方法で製造でき、比較的一般的なのは凍結融
解法(M.Kasahara,P.C.Hinkle,J.Biol.Chem.,252,7384(1
977).)、オクチルグルコシドによる希釈法(M.J.Newman,
T.H.Wilson,J.Biol.Chem.,255,10583(1980).)及び透析
法(Y.Kagawa,A.Kandrach,E.Racker,J.Biol.Chem.,248,6
76(1973).)である。
【0095】リポソームの大きさ、性状(単層または多
重層)は脂質の種類によって適宜選択する。
【0096】例えばWCH−1タンパクと脂質(リン脂
質との混合が好ましい。)と界面活性剤(例えばデオキ
シコール酸塩)を加えて、超音波によりよく攪拌混合す
る。次に透析またはゲル瀘過により界面活性剤を除け
ば、WCH−1タンパクが組み込まれたリポソームがで
きる。
【0097】凍結融解法によるリポソームの調製例を以
下に示す。
【0098】
【調製例】100mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.
5),50mM MgCl2、アセトン処理したアゾレク
チン(ダイズ粗脂質)22.5mgに10mMトリス−
塩酸緩衝液(pH7.5)0.5mLを加え、窒素ガス
を吹き込んだ後水浴型の超音波発振装置で約20分、ほ
ぼ透明になるまで超音波処理する。
【0099】このリポソーム167μL、精製WCH−
1タンパク質20μg、及び10mMトリス−塩酸緩衝
液(pH7.5)を加え0.5mLとする。窒素ガスを
吹き込んだ後−70℃に冷やしたアセトン中で凍結す
る。室温で融解した後、水浴型の超音波発振装置を用い
て超音波処理を15秒行なう。50mM MgCl2−1
00mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)及び水で希
釈し、8mg脂質/mL−2mM MgCl2−10mM
トリス−塩酸緩衝液として、WCH−1タンパク質を組
み込んだリポソームを得る。
【0100】また、本発明によりWCH−1cDNAの
複製が可能となり、かつ人工的にWCH−1mRNAを
合成することができるようになったので、公知の技術
(M.Mishina,et al.Nature(London),307,604(1984).)を
利用して生体膜上にWCH−1タンパク質を発現させる
ことができる。
【0101】例えば上述の例示にあるようにWCH−1
cDNAを組み込んだプラスミドを細胞培養に移植し、
あるいはWCH−1mRNAを卵母細胞に注入して、細
胞膜上にWCH−1タンパク質を発現させることができ
る。
【0102】
【発明の効果】本発明により次のような効果が期待でき
る。
【0103】腎臓の集合管の水チャネルの存在が明確
に立証され、また単離され、かつ同定されたので、腎臓
の基本的原理の解明の基礎が達成される。
【0104】更に腎臓の基本的原理が解明されるの
で、腎臓障害診断に新たな指針が得られる。
【0105】また腎臓の基本的原理が解明されるの
で、腎臓障害治療または治療のための材料に新たな指針
が得られる。
【0106】WCH−1cDNAあるいはmRNAを
細胞内に導入することにより、生体膜にWCH−1水チ
ャネルを発現させることができる。
【0107】本発明の遺伝子操作大腸菌により高水透
過性のWCH−1タンパクが容易に大量に入手できる。
【0108】水利尿剤のスクリーニング法が確立され
る。
【0109】WCH−1タンパク質を組み込んだ高水
透過性の人工膜が得られる。
【0110】WCH−1タンパク質を組み込んだ高水
透過性のリポソームが得られる。
【0111】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1408 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物:Sprague-Dawley rat 単離クローン名:WCHー1 組織の種類:腎臓 直接の起源 クローン名:pMWC41 配列 AGAGAGAAGA GAAAGAGAGA GGGAGGGAGG AAGAGCCACC CCCGTGGCCC AGACCCCTGG 60 CCAGCGCGCA GAAGTCGGAG CAGC ATG TGG GAA CTC AGA TCC ATA GCC TTC 111 Met Trp Glu Leu Arg Ser Ile Ala Phe 1 5 TCC CGA GCA GTG CTG GCT GAG TTC TTG GCC ACG CTC CTT TTT GTC TTC 159 Ser Arg Ala Val Leu Ala Glu Phe Leu Ala Thr Leu Leu Phe Val Phe 10 15 20 25 TTT GGC CTT GGC TCA GCC CTC CAG TGG GCC AGC TCC CCA CCC TCT GTG 207 Phe Gly Leu Gly Ser Ala Leu Gln Trp Ala Ser Ser Pro Pro Ser Val 30 35 40 CTC CAG ATC GCC GTG GCC TTT GGT CTG GGC ATC GGC ATC CTG GTT CAG 255 Leu Gln Ile Ala Val Ala Phe Gly Leu Gly Ile Gly Ile Leu Val Gln 45 50 55 GCT CTG GGC CAT GTC AGC GGG GCA CAC ATC AAC CCC GCC GTG ACT GTG 303 Ala Leu Gly His Val Ser Gly Ala His Ile Asn Pro Ala Val Thr Val 60 65 70 GCA TGC CTG GTG GGT TGC CAT GTC TCC TTC CTT CGA GCT GCC TTC TAT 351 Ala Cys Leu Val Gly Cys His Val Ser Phe Leu Arg Ala Ala Phe Tyr 75 80 85 GTG GCT GCC CAG CTG CTG GGC GCC GTG GCT GGG GCT GCC ATC CTC CAT 399 Val Ala Ala Gln Leu Leu Gly Ala Val Ala Gly Ala Ala Ile Leu His 90 95 100 105 GAG ATT ACT CCA GTA GAA ATC CGT GGG GAC CTG GCT GTC AAT GCT CTC 447 Glu Ile Thr Pro Val Glu Ile Arg Gly Asp Leu Ala Val Asn Ala Leu 110 115 120 CAC AAC AAC GCC ACA GCT GGC CAG GCT GTG ACT GTA GAG CTC TTC CTG 495 His Asn Asn Ala Thr Ala Gly Gln Ala Val Thr Val Glu Leu Phe Leu 125 130 135 ACC ATG CAG CTG GTG CTG TGC ATC TTT GCC TCC ACC GAC GAG CGC CGC 543 Thr Met Gln Leu Val Leu Cys Ile Phe Ala Ser Thr Asp Glu Arg Arg 140 145 150 GGT GAC AAC CTG GGT AGC CCT GCC CTC TCC ATT GGT TTC TCT GTT ACC 591 Gly Asp Asn Leu Gly Ser Pro Ala Leu Ser Ile Gly Phe Ser Val Thr 155 160 165 CTG GGC CAC CTC CTT GGG ATC TAT TTC ACC GGT TGC TCC ATG AAT CCA 639 Leu Gly His Leu Leu Gly Ile Tyr Phe Thr Gly Cys Ser Met Asn Pro 170 175 180 185 GCC CGC TCC CTG GCT CCA GCA GTT GTC ACT GGC AAG TTT GAT GAT CAC 687 Ala Arg Ser Leu Ala Pro Ala Val Val Thr Gly Lys Phe Asp Asp His 190 195 200 TGG GTC TTC TGG ATC GGA CCC CTG GTG GGC GCC ATC ATC GGC TCC CTC 735 Trp Val Phe Trp Ile Gly Pro Leu Val Gly Ala Ile Ile Gly Ser Leu 205 210 215 CTC TAC AAC TAC CTG CTG TTC CCC TCG GCA AAG AGC CTG CAG GAG CGC 783 Leu Tyr Asn Tyr Leu Leu Phe Pro Ser Ala Lys Ser Leu Gln Glu Arg 220 225 230 TTG GCA GTG CTC AAG GGC CTG GAG CCC GAC ACC GAC TGG GAG GAA CGT 831 Leu Ala Val Leu Lys Gly Leu Glu Pro Asp Thr Asp Trp Glu Glu Arg 235 240 245 GAA GTG CGG CGG CGG CAG TCG GTG GAG CTC CAC TCT CCT CAG AGC CTG 879 Glu Val Arg Arg Arg Gln Ser Val Glu Leu His Ser Pro Gln Ser Leu 250 255 260 265 CCT CGC GGC AGC AAG GCC TGAGCTCCCC TGCAGCGCAC CGCAGCTCAG 927 Pro Arg Gly Ser Lys Ala 270 271 CCGACCGACG GCTCGCCCCC TCCTTCCCCC TGACCCGTCG TCGGTTCCCA GTGCAGAGTA 987 GCTGCTCCAG CGAGTGCAGT GAGCCTCAAG AAGGGGCTCG CCGGGAGCTG ACAGTACCTC 1047 CGCCCGGAAG CCTTGAGCTA CCCTCGAGCT CGCCCCTTGC AGGAACCAGA CACTTGGGGA 1107 CCGAGGCGTG GGGAGGGAAG GCAGGCCGGC GAGAGACGGA GAGCTCTGGA GAGCCCGCTC 1167 TGGTGCCTGG GGAGAAGTGC ATAGACTCCT TCTGGGGGAC TGTGCTTAGT GCATCTCATT 1227 TTATTAGGTT GTAAAAGTGC TCGTCTCCGC GTATTTCTTT TCCTCACGAA CAGAGTTTGC 1287 ATGATCCTGA GCGTGATCCC GAGTGCCTGT GGTGATACAG AGCCGGGGAC TGTCATTCCC 1347 GCTTTGGCCT TCTTCTCCTG TACCTGCAAT AAATCCACTA TCTCTGAAAA AAAAAAAAAA 1407 A 1408
【図面の簡単な説明】
【図1】WCH−1の推定されたアミノ酸配列のヒドロ
パシープロフィルを示すチャート図である。
【図2】(a)は種々のラットの組織においてのWCH
−1のノーザンブロット分析を示す写真である。(b)
はラット腎臓の皮質及び髄質のスライスされた区画にお
いてのWCH−1のノーザンブロット分析を示す写真で
ある。 kidney medulla;腎髄質、 kidney corte
x;腎皮質。cerebrum;大脳、 c
erebellum;小脳、atrium;心房、
ventricle;心室、aorta;大動脈、
lung;肺、stomach;胃、
intestine;腸、liver;肝、
spleen;脾臓、pancreas;すい臓
kidney;腎 adrenal gland;副腎、 testis;精
巣、ovary;卵巣、 bladde
r;膀胱。
【図3】分離したネフロン区画についてのWCH−1
mRNAのためのRT−PCR生成物のアガロースゲル
電気泳動を示す写真である。英語表記、略称は次の通り
である。 PCT;近位尿細管曲部。 TDL;ヘンレ
のループの細い下行脚。TAL;ヘンレのループの細い
上行脚。MAL;髄質の太い上行脚。CCD;皮質集合
管。 OMCD;外側髄質集合管。IM
CD;内側髄質集合管。 RT(−);逆転写
酵素なしの反応。
【図4】抗−WCH1/Cを用いた蛍光抗体法によるラ
ット腎髄質部分の染色組織を示す顕微鏡写真(×100
倍率)。
【図5】あらかじめ相当するペプチド抗原とプレインキ
ューベーションした抗−WCH1/Cを用いた蛍光抗体
法による染色組織を示す顕微鏡写真(×100倍率)。
【図6】抗−WCH1/Cを用いた蛍光抗体法によるラ
ット腎臓質部分の染色組織を示す顕微鏡写真(×400
倍率)。
【図7】抗−WCH1/Cを用いた蛍光抗体法によるラ
ット腎皮質部分の染色組織を示す顕微鏡写真(×100
倍率)。
【図8】(a)は20ng WCH−1 RNA(WC
H−1)、水(比較対照)を注入した卵母細胞の時間依
存の容積の増大を示すグラフである。(b)はWCH−
1 RNA又は水を注入した卵母細胞の顕微鏡写真であ
る。
【図9】長期間の脱水後のラットの腎臓中におけるWC
H−1及びCHIP28 mRNAの量の変化を示すノ
ーザンブロット分析を示す写真である。
【図10】WCH−1 cDNAのヌクレオチド配列、
並びに、その推定されたアミノ酸配列とヒトCHIP2
8との整合を示す配列図である。アミノ酸の略号は次の
通りである。 A;アラニン(Ala)、 C;システイン
(Cys)、D;アスパラギン酸(Asp)、 E;
グルタミン酸(Glu)、F;フェニルアラニン(Ph
e)、 G;グリシン(Gly)、H;ヒスチジン(H
is)、 I;イソロイシン(Ile)、K;リ
ジン(Lys)、 L;ロイシン(Le
u)、M;メチオニン(Met)、 N;アスパ
ラギン(Asn)、P;プロリン(Pro)、
Q;グルタミン(Gln)、R;アルギニン(Ar
g)、 S;セリン(Ser)、T;トレオニン
(Thr)、 V;バリン(Val)、W;トリ
プトファン(Trp)、 Y;チロシン(Tyr)。
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】(a)は種々のラットの組織においてのWCH
−1のノーザンブロット分析を示す写真である。(b)
はラット腎臓の皮質及び髄質のスライスされた区画にお
いてのWCH−1のノーザンブロット分折を示す写真で
ある。ここで、ノーザンブロットとはRNA断片を電気
泳動で分離し、特殊な紙(ここではナイロン膜)に移し
た後、放射性の一本鎖DNA又はRNA(ここでは32
Pの標識を付したWCH−1 cDNA)をプローブと
してハイブリッド形成を行ない位置決定する方法のこと
であり、電気泳動法の一種である。 英語表記の説明 kidney medulla;腎髄質、 kid
ney cortex;腎皮質。cerebrum;大
脳、 cerebellum;小
脳、atrium;心房、 v
entricle;心室、aorta;大動脈、
lung;肺、stomach;
胃、 intestine;
腸、liver;肝、 s
pleen;脾臓、pancreas;すい臓
kidney;腎 adrenal gland;副腎、 tes
tis;精巣、ovary;卵巣、
bladder;膀胱。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】ラット腎髄質部分の細胞組織形態を表わしたも
のであり、抗−WCH1/Cを用いた蛍光抗体法による
染色を示す顕微鏡写真(×100倍率)である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】ラット腎髄質部分の細胞組織形態を表わしたも
のであり、あらかじめ相当するペプチド抗原とプレイン
キューベーションした抗−WCH1/Cを用いた蛍光抗
体法による染色を示す顕微鏡写真(×100倍率)であ
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】ラット腎髄質部分の細胞組織形態を表わしたも
のであり、抗−WCH1/Cを用いた蛍光抗体法による
染色を示す顕微鏡写真(×400倍率)である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】ラット腎皮質部分の細胞組織形態を表わしたも
のであり、抗−WCH1/Cを用いた蛍光抗体法による
染色を示す顕微鏡写真(×100倍率)である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】(a)は20ng WCH−1 RNA(WC
H−1)、水(比較対照)を注入した卵母細胞の時間依
存の容積の増大を示すグラフである。(b)はWCH−
1 RNA又は水を注入した卵母細胞の形態を表わす顕
微鏡写真である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】長期間の脱水後のラットの腎臓中におけるWC
H−1及びCHIP28 mRNAの量の変化を示すノ
ーザンブロット分折を示す写真である。ここで、ノーザ
ンブロットとは前述したようにRNA断片の電気泳動法
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】腎集合管部に偏在する水チャネルを発現さ
    せるmRNAに特異的であり、かつ前記mRNAに相補
    的であるWCH−1 cDNAプローブ。
  2. 【請求項2】バソプレシン制御水チャネルを発現させる
    mRNAに特異的であり、かつ前記mRNAに相補的で
    あるWCH−1 cDNAプローブ。
  3. 【請求項3】配列番号1に示す塩基配列であらわされる
    請求項1記載のWCH−1 cDNA配列。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載のWCH−1 cDN
    Aプローブを鋳型として得られることを特徴とするWC
    H−1 mRNAプローブ。
  5. 【請求項5】a)哺乳類の腎髄質mRNAより作成した
    一本鎖cDNAについて 5’−(T/C)T(T/C/A/G)AA(T/C)
    CC(T/C/A/G)GC(T/C/A/G)GT
    (T/C/A/G)AC−3’ 及び 5’−AA(T/C/A/G)(G/C)(T/A)
    (T/C/A/G)C(G/T)(T/C/A/G)G
    C(T/C/A/G)GG(A/G)TT−3’ をディジェネレートプライマーとしてPCRにかける、 b)前記PCR生成物をプローブとして前記哺乳類の腎
    cDNAライブラリーをスクリーニングして得られる、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載のWCH−1
    cDNA。
  6. 【請求項6】請求項5における哺乳類がラットであるこ
    とを特徴とする請求項5に記載のWCH−1 cDN
    A。
  7. 【請求項7】腎集合管部に偏在する水チャネルを構成す
    るWCH−1タンパク分子。
  8. 【請求項8】バソプレシン制御水チャネルを構成するW
    CH−1タンパク分子。
  9. 【請求項9】配列番号1の塩基配列によってコードされ
    る請求項7又は8記載のWCH−1タンパク分子のアミ
    ノ酸配列。
  10. 【請求項10】発現ベクターに配列番号1に示す塩基配
    列であらわされるWCH−1遺伝子を組み込んだことを
    特徴とする組み替えプラスミド。
  11. 【請求項11】前記発現ベクターがpSPORTであ
    り、前記pSPORTのNot−I及びSal−Iとの
    切断部位に前記WCH−1遺伝子を挿入したことを特徴
    とする請求項10記載の組み替えプラスミド。
  12. 【請求項12】請求項6に記載のWCH−1 cDNA
    による、 腎集合管部に偏在する水チャネルを構成するタンパク分
    子を生産する大腸菌。
  13. 【請求項13】請求項6に記載のWCH−1 cDNA
    による、 バソプレシン制御水チャネルを構成するタンパク分子を
    生産する大腸菌。
  14. 【請求項14】配列番号1に示す塩基配列であらわされ
    るWCH−1遺伝子による、 腎集合管部に偏在する水チャネルを構成するタンパク分
    子を生産する大腸菌。
  15. 【請求項15】配列番号1に示す塩基配列であらわされ
    るWCH−1遺伝子による、 バソプレシン制御水チャネルを構成するタンパク分子を
    生産する大腸菌。
  16. 【請求項16】前記WCH−1遺伝子を発現ベクターp
    SPORTに挿入して得られた組み替えプラスミドを大
    腸菌DH10αに導入し、形質転換して得られた請求項
    12〜15の一に記載の大腸菌。
  17. 【請求項17】pSPORTのNot−I及びSal−
    Iとの切断部位に前記WCH−1遺伝子を挿入したプラ
    スミドを含む請求項16記載の大腸菌。
  18. 【請求項18】イソプロピルβ−D−チオガラクトシド
    添加により発現誘導可能なベクター(pSPORT)、
    宿主(DH10α)系を用いた請求項17記載のプラス
    ミドを持った大腸菌。
  19. 【請求項19】請求項12〜18の一に記載の大腸菌に
    より生成されたWCH−1タンパク分子。
  20. 【請求項20】請求項12〜18の一に記載の大腸菌を
    用いてWCH−1タンパク分子を採取することを特徴と
    するWCH−1タンパク分子の製造方法。
  21. 【請求項21】腎集合管部に偏在する水チャネルを構成
    するWCH−1タンパク分子を含有することを特徴とす
    る脂質膜。
  22. 【請求項22】バソプレシン制御水チャネルを構成する
    WCH−1タンパク分子を含有することを特徴とする脂
    質膜。
  23. 【請求項23】腎集合管部に偏在する水チャネルを構成
    するWCH−1タンパク分子を含有する脂質膜からなる
    ことを特徴とするリポソーム。
  24. 【請求項24】バソプレシン制御水チャネルを構成する
    WCH−1タンパク分子を含有する脂質膜からなること
    を特徴とするリポソーム。
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