JPH0622486Y2 - 長尺材料の搬出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えば最終圧延機の後段に配置された剪断機
によって所要長さに切断された長尺材料を滑走制動しな
がら高速で搬出する装置に関するものである。

（従来の技術） 熱間あるいは冷間圧延材は、第２図のレイアウト図に示
すように、最終圧延機１で所要の形状に成形された後、
ローラテーブル２上を走行して剪断機３で所定の長さに
連続的に切断される。

そして、該切断された長尺材料は、ローラテーブル２で
加速され、圧延ラインから横方向に搬出され次工程の設
備へと移動される。

ところで、前記切断された長尺材料を次工程に移動すべ
くスキッドテーブル４に排出する装置として、従来は、
第３図に示すような構造のものを採用していた。

すなわち、ローラテーブル２の下方に配置され、偏心カ
ム５の作用によって蹴出し板６に、第３図に矢印に示す
ような楕円運動を行わしめて所定の長さに切断された長
尺材料７を蹴出すロータリーキッカー８と、該ロータリ
ーキッカー８によって蹴出された長尺材料７を順次スキ
ッドテーブル４迄搬送するバーセパレータ９及びステー
ショナリーラック１０とから構成されている。

なお、前記ロータリーキッカー８に代えて、第４図に示
すようなリフティングエプロン１１を採用したものもあ
る。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記したような構成の搬出装置にあって
は、装置全体の慣性モーメントが大きくなり、搬出速度
の高速化が図れなかった。

なお、この搬出速度の高速化はステンレス鋼製のアング
ル材等の場合には不可欠である。すなわち、ステンレス
鋼製のアングル材は500〜600℃になると冷え方が異なる
ことにより曲がってしまい、後工程における処理に不都
合をきたすからである。

本考案はかかる問題点を解決すべく成されたものであ
り、搬出速度の高速化が可能な搬出装置を提供すること
を目的としている。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために本考案に係る長尺材料の搬出
装置は、所要長さに切断され長手方向に搬送される長尺
材料を横方向に間欠的に蹴出すロータリーキッカーと、
該ロータリーキッカーによって蹴出された前記長尺材料
を受け取って次のスキッドテーブルに渡すためのロータ
リーベッドを具備した長尺材料の搬出装置であって、前
記ロータリーベッドはロータリーキッカーによる長尺材
料の蹴出し動作と同期して間欠運転する回転体と、該回
転体の外周に突設した複数の突出受部材を備えたもので
あり、一定時間毎に前記突出受部材の数に適合する角度
宛回動するように装置全体の慣性モーメントを大幅に小
さくなるように構成している。

（作用） 本考案に係る長尺材料の搬出装置は、所要長さに切断さ
れ長手方向に搬送される長尺材料を横方向に間欠的に蹴
出すロータリーキッカーと、該ロータリーキッカーによ
って蹴出された前記長尺材料を受け取って次のスキッド
テーブルに渡すためのロータリーベッドを具備した長尺
材料の搬出装置であって、前記ロータリーベッドはロー
タリーキッカーによる長尺材料の蹴出し動作と同期して
間欠運転する回転体と、該回転体の外周に突設した複数
の突出受部材を備えた構成であり、ロータリーキッカー
及びロータリーベッドの運動が間欠的な回転運動であ
り、また長尺材料は回動中のロータリーベッド上を滑走
制動しながら搬出される為、搬出速度の高速化が図れ
る。

（実施例） 以下本考案を第１図に示す一実施例に基づいて説明す
る。

なお第１図中第３図と同一番号は同一部分あるいは相当
部分を示し、詳細な説明を省略する。

第１図において、２１はロータリーキッカー８によって
ローラテーブル２上から蹴り出された長尺材料７一旦受
け取って、スキッドテーブルに排出するロータリーベッ
ドであり、次の如く構成されている。

すなわち、このロータリーベッド２１は、モータ（図示
せず）によって回転せしめられる回転体２２の外周に適
数（本実施例では９個）の突出受部材２３を等角度のピ
ッチで突設し、剪断機によって切断され搬送されてきた
長尺材料７の搬送ピッチに合わせて一定時間毎に前記突
出受部材２３の数に適合する角度、例えば本実施例の如
く９個であれば360/9＝40゜宛回動するように制御すべく
構成したものである。

次に上記したように構成した本考案に係る搬出装置の動
作を説明する。

剪断機によって所定の長さに切断された長尺材料がロー
ラテーブル２上を搬送され、ロータリーキッカー８のと
ころまでくると、ロータリーキッカー８の偏心カム５が
回動し、ロータリーキッカー８の蹴出し板６によって長
尺材料７がロータリーベッド２１に向けて蹴出される。

長尺材料７が突出受部材２３上に蹴出されると同時にロ
ータリーベッド２１が４０°回動する。すると長尺材料
は長手方向に搬送されながらロータリーベッド２１の突
出受部材２３上を横走する。

つまり、ロータリーキッカー８は長尺材料７の長さ及び
搬送速度より求まるサイクルタイムに基づいて、加速・
等速・減速・停止の動作を間欠的に行い、ロータリーベ
ッド２１は前記ロータリーキッカー８と同期してロータ
リーキッカー８の加速が完了した時点で加速・等速・減
速・停止の動作を行う。このため、長尺材料７は突出受
部材２３上を長手方向に滑走しながら摩擦により順次停
止する。

以上の動作を繰返し行うことにより、順次切断された長
尺材料がローラテーブル２からスキッドテーブルに排出
される。

（考案の効果） 以上説明したように本考案は、所要長さに切断され長手
方向に搬送される長尺材料を横方向に間欠的に蹴出すロ
ータリーキッカーと、該ロータリーキッカーによって蹴
出された前記長尺材料を受け取って次のスキッドテーブ
ルに渡すためのロータリーベッドを具備した長尺材料の
搬出装置であって、前記ロータリーベッドはロータリー
キッカーによる長尺材料の蹴出し動作と同期して間欠運
転する回転体と、該回転体の外周に突設した複数の突出
受部材を備えた構成であるので、次のような効果を有す
る。

本考案装置を構成するロータリーキッカー及びロータ
リーベッドの運動が間欠的な回転運動であるため、低慣
性化によりサイクルタイムの短縮化が図れる。

長尺材料は回動するロータリーベッド上を搬送方向に
滑走しながら摩擦により制動がかかり順次停止するた
め、サイクルタイムの短縮化が図れる。

又、慣性モーメントが小さいため、回転に必要な駆動
装置も小容量ですむ。

被圧延材等の搬送においては、長尺材料が熱間であっ
たり、長尺材料の先端形状が曲がっていたりするので、
従来の装置では突掛けや曲がり等が心配されるが、本考
案では特に問題とならない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例を示す正面図、第２図は
レイアウト図、第３図及び第４図は従来装置の説明図で
ある。 ４はスキッドテーブル、８はロータリーキッカー、２１
はロータリーベッド、２２は回転体、２３は突出受部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】所要長さに切断され長手方向に搬送される
   長尺材料を横方向に間欠的に蹴出すロータリーキッカー
   と、該ロータリーキッカーによって蹴出された前記長尺
   材料を受け取って次のスキッドテーブルに渡すためのロ
   ータリーベッドを具備した長尺材料の搬出装置であっ
   て、前記ロータリーベッドはロータリーキッカーによる
   長尺材料の蹴出し動作と同期して間欠運転する回転体
   と、該回転体の外周に突設した複数の突出受部材を備え
   ていることを特徴とする長尺材料の搬出装置。