JP3092709B2 - 物品の受け渡し装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、間欠移動機と連続移動機の間で物品を受け
渡す、物品の受け渡し装置に関する。

［従来の技術］ 従来、連続移動機と連続移動機との間で物品を受け渡
す受け渡し装置が、特公昭57−27827号公報にて提案さ
れている。この受け渡し装置は、送り渡し側及び受け取
り側の各連続回転機の回転軌跡上互いの接触部分を線的
範囲にし、物品の受け渡し範囲を拡大することにより、
物品の受け渡しに必要かつ十分な時間的余裕を確保でき
るようにしたものである。

然るに、間欠移動機と連続移動機との間で物品を受け
渡す際に、上述の従来技術を利用し、第６図の如くの受
け渡し装置１を考えることができる。この受け渡し装置
１は、送り渡し側のフリーフローコンベア２の一部に間
欠回転機３を設けるとともに、他の一部にタイミングス
クリュ4Aとスターホイール4Bとを始端とする連続移動範
囲４を設け、受け取り側の連続回転機５の回転軌跡上に
定めた受け渡し範囲に上記連続移動範囲４を沿う如くに
設定し、フリーフローコンベア２の送り渡し部と連続回
転機５の受け取り部とを上記受け渡し範囲にて同一速度
で並走させるものである。これによれば、間欠移動機と
連続移動機との間の物品の受け渡し範囲を線的範囲に拡
大し、物品の受け渡しに必要かつ十分な時間的余裕を確
保できる。

尚、上記第６図の受け渡し装置１にあっては、間欠回
転機３を用いることにより、外部の物品供給源から供給
される物品を、間欠回転機３において停止状態にある送
り渡し部に確実かつ容易に移載できる。

［発明が解決しようとする課題］ 然しながら、上記第６図の受け渡し装置１にあって
は、間欠回転機３と連続回転機５の他に、フリーフロー
コンベア２、タイミングスクリュ4A、スターホイール4B
等を用いて、フリーフローコンベア２の送り渡し部を間
欠回転機３により間欠移動し、かつこの送り渡し部が連
続回転機５の受け取り部に同一速度で並走するようにこ
の送り渡し部をタイミングスクリュー4A、スターホイー
ル4Bにより連続移動開始させる必要があり、結果として
装置構成が複雑かつ大型とならざるを得ない。

本発明は、単純かつ小型な装置構成により、間欠移動
機と連続移動機との間で物品を受け渡す受け渡し装置を
提供すること目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、物品の移動と停止を交互にくり返す間欠移
動機と、物品を連続して移動する連続移動機との間で物
品を受け渡す物品の受け渡し装置において、間欠移動機
と連続移動機の一方が備える物品送り渡し部の移動軌跡
と他方が備える物品受け取り部の移動軌跡とが一定長さ
範囲に渡って相互に合致する受け渡し範囲を、間欠移動
機側の物品送り渡し部又は物品受け取り部の１回当りの
間欠移動範囲内に少なくとも設け、間欠移動機側の移動
速度を制御することにより、間欠移動機側の物品送り渡
し部又は物品受け取り部が連続移動機側の対応する物品
受け取り部又は物品送り渡し部に対し同一速度で並走す
るものとなる同速範囲を、上記受け渡し範囲内の少なく
とも一部に定めるようにしたものである。

［作用］ 本発明によれば、間欠移動機側の物品送り渡し部又は
物品受け取り部はその間欠移動領域にて移動と停止をく
り返し、連続移動機側の物品受け取り部又は物品送り渡
し部はその連続移動領域にて連続して移動する。然る
に、間欠移動機側の送り渡し部又は受け取り部は、その
１回当りの間欠移動範囲内に少なくとも設けられた受け
渡し範囲内での移動時に、該受け渡し範囲内の少なくと
も一部に定めた同速範囲にて、連続移動機側の対応する
受け取り部又は送り渡し部に対し同一速度で並走するこ
とになる。即ち、上記受け渡し範囲内の同速範囲におい
て、間欠移動機側の送り渡し部又は受け取り部と、連続
移動機側の受け取り部又は送り渡し部とは相対移動なく
並走するから、この並走期間中に送り渡し部と受け取り
部との間で必要かつ十分な時間的余裕をもって物品の受
け渡しを行なうことができる。

本発明にあっては、上述の如く、間欠移動機の１回当
りの間欠移動範囲に連続移動機と一定長さ範囲をもって
これを共有する受け渡し範囲を少なくとも設け、その受
け渡し範囲内に送り渡し部と受け取り部とが同一速度で
並走する同速範囲を設けたことにより、間欠移動機と連
続移動機以外にフリーコンベア等の受け渡し調整装置を
付帯する必要なく、単純かつ小型な装置構成により、間
欠移動機と連続移動機との間で物品を受け渡すことがで
きる。

［実施例］ 第１図は本発明の一実施例を示す模式図、第２図は間
欠移動機の停止状態を示す模式図、第３図は間欠移動機
の移動状態を示す模式図、第４図は間欠移動機の備える
送り渡しヘッドを示す模式図、第５図は第４図のＶ−Ｖ
線に沿う断面図である。

第１図の受け渡し装置10は、容器への蓋紙装着ライン
に設置されたものであり、間欠回転機11と連続回転機12
にて構成されている。

間欠回転機11は、公知の例えばバレルカム駆動方式に
より360度の全移動領域を間欠回転せしめられる旋回テ
ーブル13を有し、旋回テーブル13の周方向の８位置に送
り渡しヘッド14を備え、間欠回転機11の全移動領域を８
分割した45度の各間欠回転角度範囲にて各送り渡しヘッ
ド14を移動し、その後停止するサイクルをくり返す。旋
回テーブル13の移動過程をＡ、停止過程をＢとすると、
停止過程Ｂから移動過程Ａに入り、移動過程Ａにあって
は、加速過程A1、一定速過程A2、減速過程A3を経て、そ
の後再び停止過程Ｂに入る。

尚、この実施例において、間欠回転機11の第１ステー
ション（No.1）には蓋紙フィーダ15が設けられ、蓋紙フ
ィーダ15はこのステーションにおいて停止過程Ｂにある
送り渡しヘッド14に対し容器の蓋紙16を供給する。

連続回転機12は、公知の例えばチェーン駆動方式によ
り360度の全移動領域を連続して回転せしめられる回転
テーブル17を有し、テーブル17の周方向の複数位置にバ
キュームヘッドからなる受け取りヘッド18を備えてい
る。この時、連続回転機12の隣り合う受け取りヘッド18
の配設間隔は、間欠回転機11の隣り合う送り渡しヘッド
14の配設間隔と同一である。

尚、この実施例において、連続回転機12は各受け取り
ヘッド18に対応する回転テーブル17の周方向各位置に容
器保持部19を備えるとともに、その第１ステーション
（No.1）には容器フィーダ20が設けられており、このス
テーションを通過する各容器保持部19に内容物の充填さ
れた容器21を投入する。連続回転機12の連続移動状態下
で、対応する受け取りヘッド18と容器保持部19は上下に
相対して連続回転機12の移動領域を同一速度で移動す
る。この時、連続回転機12の各受け取りヘッド18は上記
第１ステーションの前段階で間欠回転機11の送り渡しヘ
ッド14から後述する受け渡し動作により受け取った蓋紙
16を、該第１ステーション通過段階で上記容器保持部19
に投入された容器21に対し封着せしめる。蓋紙16を封着
された各容器21（完成品）は、第８ステーション（No.
8）にて、払い出し機22により容器保持部19から払い出
され、排出コンベア23にて後工程へ排出される。

然るに、受け渡し装置10は、間欠回転機11と連続回転
機12の間で蓋紙16を受け渡すため、以下の〜の如く
の構成を有している。

間欠回転機11の移動領域の一部と連続回転機12の移動
領域の一部とを相互に重複させて、重複移動領域を設け
ている。尚この実施例における重複移動領域は、間欠回
転機11の１回当りの間欠回転移動範囲を含むように設定
されている。

間欠回転機11の１回当りの間欠回転移動範囲を含む上
記重複移動領域内に、間欠回転機11が備える送り渡しヘ
ッド14の移動軌跡と、連続回転機12が備える受け取りヘ
ッド18の移動軌跡とが一定長さ範囲に渡って相互に合致
する受け渡し範囲Ｌを設ける。尚この実施例における受
け渡し範囲Ｌは、間欠回転機11の１回当りの間欠回転移
動範囲に一致されている。

尚、この実施例にあっては、第４図、第５図に示す如
くに、送り渡しヘッド14を間欠回転機11の旋回テーブル
13における半径方向に設けた長孔状のガイド孔24の長手
方向に移動可能に、かつばね24Aにて半径方向の外方側
に弾発させて装着している。更に、連続回転機12の回転
軸を曲率中心とするカム面25Aを備えたカム25を上記受
け渡し範囲Ｌに沿う位置に設置し、間欠回転機11の間欠
回転に伴って受け渡し範囲Ｌに進入してくる上記送り渡
しヘッド14の下フランジ14Aをばね24Aの弾発力に抗して
ガイド孔24の内方に押し込み、結果としてこの受け渡し
範囲Ｌにおける送り渡しヘッド14の移動軌跡を受け取り
ヘッド18の移動軌跡に合致せしめ得ることとしている。
14Bは上フランジ、14Cは蓋紙保持凹部である。

上記受け渡し範囲Ｌの少なくとも一部、この実施例で
は、間欠回転機11を構成する旋回テーブル13の間欠回転
角度範囲における前述した一定速過程A2に相当する部分
を同速範囲Ｋとして定める。この同速範囲Ｋにおいて、
旋回テーブル13の一定速過程A2を実現することになる旋
回テーブル13の等速状態の速度は連続回転機12の連続回
転速度に一致するように設定される。これにより、受け
渡し範囲Ｌにおいて、送り渡しヘッド14は加速過程A1に
おいて受け取りヘッド18の連続移動速度まで加速され、
同速範囲Ｋを構成する一定速過程A2にて上記連続移動速
度を保ち、その後減速過程A3にて減速され、停止状態と
なる。即ち、この同速範囲Ｋにおいて、間欠回転機11の
送り渡しヘッド14と連続回転機12の受け取りヘッド18と
は同一速度で並走せしめられる。送り渡しヘッド14と受
け取りヘッド18の上記並走状態は、送り渡しヘッド14が
保持している蓋紙16を受け取りヘッド18に確実かつ安定
的に吸着せしめ得る受け渡し状態を構成するものとな
る。

尚、第２図は送り渡しヘッド14と受け取りヘッド18に
より上記蓋紙16を受け渡し作業する前後の状態、第３図
は送り渡し作業中の状態である。

次に、上記実施例の作用について説明する。

上記実施例によれば、間欠回転機11側の送り渡しヘッ
ド14はその間欠移動領域にて移動と停止をくり返し、連
続回転機12側の受け取りヘッド18はその連続移動領域に
て連続して移動する。然るに、間欠移動機11側の送り渡
しヘッド14は、その１回当りの間欠回転移動範囲に設け
られた受け渡し範囲Ｌ内での移動時に、該受け渡し範囲
Ｌ内の少なくとも一部に定めた同速範囲Ｋにて、連続回
転機12側の対応する受け取りヘッド18に対し同一速度で
並走することになる。即ち、上記受け渡し範囲Ｌ内の同
速範囲Ｋにおいて、間欠移動機11側の送り渡しヘッド14
と、連続回転機12側の受け取りヘッド18とは相対移動な
く並走するから、この並走期間中に送り渡しヘッド14と
受け取りヘッド18との間で必要かつ十分な時間的余裕を
もって蓋紙16の受け渡しを行なうことができる。

上記実施例にあっては、上述の如く、間欠移動機11の
１回当りの間欠回転移動範囲内に連続回転機12と一定長
さ範囲をもってこれを共有する受け渡し範囲Ｌを設け、
その受け渡し範囲Ｌ内に送り渡しヘッド14と受け取りヘ
ッド18とが同一速度で並走する同速範囲を設けたことに
より、間欠回転機11と連続回転機12以外にフリーコンベ
ア等の受け渡し調整装置を付帯する必要なく、単純かつ
小型な装置構成により、間欠移動機11と連続移動機12と
の間で蓋紙16を受け渡すことができる 尚、本発明の実施にあっては、連続移動機の側に送り
渡し部を備え、間欠移動機の側に受け取り部を備えるも
のであっても良い。

又、本発明の実施において、送り渡し部と受け取り部
の移動軌跡を合致させるための、上記実施例におけるガ
イド孔24に相当する構成は、間欠移動機の側でなく、連
続移動機の側に設けるものであっても良いし、両機に設
けても良い。

又、本発明の実施において、受け渡し範囲（Ｌ）を間
欠回転機11の１つの間欠回転角度範囲（θ）に一致させ
る必要はなく、受け渡し範囲（Ｌ）が１つの間欠回転角
度範囲（θ）より小さくても、又、大きくても良い。

又、本発明の実施において、間欠回転機の移動軌跡、
及び連続移動機の移動軌跡は、それぞれ直線状部分を有
するものであっても良い。

［発明の効果］ 以上のように本発明によれば、単純かつ小型な装置構
成により、間欠移動機と連続移動機との間で物品を受け
渡すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す模式図、第２図は間欠
移動機の停止状態を示す模式図、第３図は間欠移動機の
移動状態を示す模式図、第４図は間欠移動機の備える送
り渡しヘッドを示す模式図、第５図は第４図のＶ−Ｖ線
に沿う断面図、第６図は従来例を示す模式図である。 10……受け渡し装置、 11……間欠回転機、 12……連続回転機、 14……送り渡しヘッド、 16……蓋紙、 18……受け取りヘッド、 Ｌ……受け渡し範囲、 Ｋ……同速範囲。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】物品の移動と停止を交互にくり返す間欠移
   動機と、物品を連続して移動する連続移動機との間で物
   品を受け渡す物品の受け渡し装置において、 間欠移動機と連続移動機の一方が備える物品送り渡し部
   の移動軌跡と他方が備える物品受け取り部の移動軌跡と
   が一定長さ範囲に渡って相互に合致する受け渡し範囲
   を、間欠移動機側の物品送り渡し部又は物品受け取り部
   の１回当りの間欠移動範囲内に少なくとも設け、 間欠移動機側の移動速度を制御することにより、間欠移
   動機側の物品送り渡し部又は物品受け取り部が連続移動
   機側の対応する物品受け取り部又は物品送り渡し部に対
   し同一速度で並走するものとなる同速範囲を、上記受け
   渡し範囲内の少なくとも一部に定めたことを特徴とする
   物品の受け渡し装置。