JPH0622431Y2 - 定量供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、例えば、育苗用の床土と肥料、および、燻
炭，籾殻，ビートモスなどの土質改良材を均等に混合す
る混合機などに使用して好適な定量供給装置に関する。

［従来技術］ 従来この種の定量供給装置としては、ホッパーの下底部
に略水平姿勢のベルトコンベアを設け、該ベルトコンベ
アの搬送下流側上部に臨むホッパー壁の下部にスリット
状の開口を形成し、この開口の上端縁を搬送供給物のス
リ切り縁としたものや、第６図の仮想線で示すような側
面形状が」形の規制シャッターを開口部に設けたものが
使用されていた。

［考案が解決しようとする課題］ 上述したような従来技術にあっては、次のような課題が
ある。

(a)スリ切り縁によって定量的に供給される部位より上
方の搬送供給物は、ホッパー壁内面、または、垂直状の
規制シャッター面に押圧停滞し、最後までとり残され
る。

(b)このように、とり残された搬送供給物が順次成長す
ることにより、ベルトコンベアに大きな負荷を担架さ
せ、ベルトコンベアの搬送能力を大巾に低減し、遂には
駆動モータなどの焼損を来すことがある。

(c)更に、ベルトコンベアの搬送抗力がホッパー壁や規
制シャッターに印加されることによってこれらを変形さ
せ、搬送供給物の通過間隙に変化を与え、定量供給がで
きなくなる。

本考案の目的は、搬送物の通過間隙を一定に保ち、定量
供給の安定化を図るとともに、スリ切りされた残りの搬
送供給物をベルトコンベアの搬送上流側方向に向け自動
的に反転させることにより、従来技術の課題が合理的に
解消しうる定量供給装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 従来技術の課題を解決する本考案の構成は、ホッパーの
下底部に略水平姿勢のベルトコンベアを設け、該ベルト
コンベアの搬送下流側上部に臨む上記ホッパー壁の下部
にスリット状の開口を形成し、この開口部に、下部をベ
ルトコンベアの搬送上流側方向に向けて屈曲した搬送供
給物反転部をもち、かつ、上記ベルトコンベア上面との
間に搬送供給物の通過間隙を形成した規制シャッターを
とりつけたものである。

［実施例］ 図面について本考案実施例の詳細を説明する。

第１図は一部切欠側面図，第２図は第１図Ａ−Ａ線の断
面図，第３図は第１図Ｂ−Ｂ線の断面図，第４図は肥
料，土質改良機材のホッパー部の平面図，第５図は肥料
ホッパー部の要部の断面図，第６図は土質改良材ホッパ
ー部の要部の断面図，第７図はスクリュー移送体の別例
を示す要部の側面図，第８図は撹拌円盤の別例を示す正
面図である。

１は機枠であって、該機枠１の前端部両側には、下端に
転輪２を軸支した脚杆３が設けてあり、また、機枠１の
後端部両側には、脚杆４が設けてある。また、上記機枠
１の後部には、第１，２図で示すように、底部に断面形
状がＵ字形（図示略）で、かつ、水平状の搬送筒部5aを
形成した育苗用の床土を容れる大容積の床土ホッパー５
が搭載されている。そして、この床土ホッパー５の上記
搬送筒部5aには搬送量の大きなスクリュー移送体６が軸
架してあり、このスクリュー移送体６の径と上記搬送筒
部5aの径とが略適合し、加えて、上記床土ホッパー５の
前壁に設けた円形孔７をスクリュー移送体６の径に適合
させることにより、床土ホッパー５中の砕土が上記円形
孔７によってスリ切られながら定量の床土が搬送される
ようにしてある。また、上記スクリュー移送体６の後端
軸部6aにはプーリー８を設け、このプーリー８と、上記
機枠１に搭載したモータ９のプーリー10とがベルト11に
より連結され、スクリュー移送体６に回転駆動が与えら
れるように構成されている。5bは補助ホッパーである。

12は、前面に開口12aを形成した略水平姿勢の回転撹拌
筒で、該回転撹拌筒12の後面には窓12bが形成してあ
り、この窓12bを介して上記スクリュー移送体６の送出
端部、および、搬送筒部5aの前端部が上記回転撹拌筒12
内に挿入されている。上記回転撹拌筒12の前端部外周
は、第１，２図に示すように機枠１に軸支した複数の案
内輪13に支持され、また、上記スクリュー移送体６の先
端軸部6bは、回転撹拌筒12の内部に設けた支持杆14の先
端に固定されており、スクリュー移送体６と一緒に回転
撹拌筒12が回動するように構成してある。図中12cは遮
蔽板，12dは撹拌板である。

15は、上記機枠１の前部側、詳しくは、上記回転撹拌筒
12の上方に設けたホッパーで、このホッパー15は仕切壁
16によって、第２図に示すように、肥料を収容する比較
的小容積の肥料用ホッパー部15aと、籾殻を焼いた燻
炭，堆肥状の籾殻，ピートモスなどの土質改良材を収容
する大容積の土質改良材用ホッパー部15bに区劃されて
いる。17は、上記ホッパー15の下底部に設けたベルトコ
ンベアであって、このベルトコンベア17は上記両ホッパ
ー15a,15bの下部に共通的に配設されているとともに、
このベルトコンベア17の搬送方向は、上記スクリュー移
送体６の搬送方向と逆方向である。また、上記土質改良
用ホッパー部15bに臨むベルトコンベア17の表面全域に
は、第４図で示すようにイボ状突起17aが基盤目状に形
成されている。尚、図中18は、ベルトコンベア17の搬送
駆動用のロールであって、運転中、ベルトコンベア17の
上面が常に緊張されるようにしてある。19は、上記ロー
ル18の軸端に設けたプーリーで、このプーリー19はベル
ト伝達機構（図示略）を介して上記機枠１に搭載したモ
ータ９に接続されている。また、20は、ベルトコンベア
17のガイドロールで、このガイドロール20の軸端は上記
ホッパー15の側壁にモータ設けた案内長孔21に挿通軸支
されており、この案内長孔21にそって上記ガイドロール
20が移動調節できるようにし、ベルトコンベア17の緊張
度を調整可能としたものである。また、上記駆動用のロ
ール18の一部にリング状の凹溝22を形成し、この凹溝22
に適嵌する突条23を上記ベルトコンベア17の裏側にエン
ドレス状に形成することにより、ベルトコンベア17の位
置決めと、横ズレ防止が図れるようにしてある。

第１，２図から明らかなように、上記両ホッパー15a,15
bの仕切壁16にタテ方向の案内長孔24を形成し、これに
軸25を上下動調節、かつ、回転可能に挿通させるととも
に、上記肥料用ホッパー部15a内に介入した上記軸25端
には、ベルトコンベア17の上面に圧接される撹拌円盤26
を固定し、また、上記土質改良材用ホッパー部15b内に
介入した軸25端には、ベルトコンベア17に接しない小径
の撹拌円盤27を固定し、ベルトコンベア17の移動に伴っ
て両撹拌円盤26,27が回転し、両ホッパー部15a,15b内の
肥料，土質改良材のブリッジ現像の発生を防止するよう
にしたものである。尚、上記軸25の上下動調節手段は、
仕切壁16に対して上下動可能にとりつけた取付板28に軸
25を回動可能に軸支したもので、取付板28の仕切壁16に
対する固定手段は、上記案内長孔24に挿通し、かつ、取
付板28にとりつけたボルトナット29などの公知手段が適
用しうるものである。尚、上記撹拌円盤26,27の周縁
に、第８図に示すように細かいギヤ状の凹凸を付設する
こともある。

上記ホッパー15を構成する肥料用ホッパー部15aと、土
質改良材用ホッパー部15bの後側のホッパー壁下部には
夫々開口30a,30bが設けてあり、上記開口30aには第５図
に示すように、下部をベルトコンベア17の搬送上流側方
向に向け屈曲した円弧状の反転部31aを有する規制シャ
ッター31が上下動可能にとりつけられており、この規制
シャッター31の下端部と上記ベルトコンベア17の送出端
上面との間には、肥料通過用の間隙が形成されるととも
に、規制シャッター31の下端にはスリ切り用のナイフエ
ッジ部31bが形成してある。図中32は案内長孔，33は蝶
ナットである。

また、上記開口30bには第６図に示すように、下部をベ
ルトコンベア17の搬送上流側方向に屈曲した傾斜状の反
転部34aを有する規制シャッター34が上下動可能に設け
てあり、この規制シャッター34の下端部と上記ベルトコ
ンベア17の上面との間には、土質改良材通過用の間隙が
形成されるとともに、規制シャッター31の下端にはスリ
切り用のナイフエッジ部34bが形成してある。図中35は
案内長孔，36は蝶ナットである。

上記ベルトコンベア17の搬送下流側と、上記スクリュー
移送体６の送出端とを略垂直姿勢の落下流路37にて連通
させ、大量に搬送される床土中に少量の肥料、および／
または、土質改良材を落下供給し、床土と混合するよう
にしたものである。また、床土と肥料，土質改良材の混
合を良くするために、第１，３図に示すように、上記ス
クリュー移送体６の送出端に、ピッチが同じで、径の大
きなスクリュー部6cを形成し、上記搬送筒部5aから送り
出された床土が上記スクリュー部6cによって崩壊し、肥
料などとの均一混合が円滑になしうるようにしたもので
ある。また、上記スクリュー部6cに代え、第７図に示す
ように、翼径が同じでピッチを大きくしたスクリュー部
6dを設けることによっても同様な効果が得られる。

［考案の効果］ 上述のように本考案の構成によれば、次のような効果が
得られる。

(a)規制シャッターの下端部が搬送供給物のスリ切り作
用をなし、この規制シャッターの下端部とベルトコンベ
アの送出端上面間に形成された間隙により搬送供給量の
定量化が図れる。

(b)規制シャッターの下端部に、ベルトコンベアの搬送
上流側方向に向け屈曲した反転部が形成されているの
で、上記間隙を通過しない上層部の搬送供給物はこの反
転部によって搬送上手側方向に反転され、従来技術のよ
うに、最後まで残る搬送供給物は全くなくなるととも
に、停滞する搬送供給物の抗力によってホッパー側壁が
変形して定量化を阻害したり、モータを焼損することが
完全に解消される。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部切欠側面図，第２図は第１図Ａ−Ａ線の断
面図，第３図は第１図Ｂ−Ｂ線の断面図，第４図は肥
料，土質改良機材のホッパー部の平面図，第５図は肥料
ホッパー部の要部の断面図，第６図は土質改良材ホッパ
ー部の要部の断面図，第７図はスクリュー移送体の別例
を示す要部の側面図，第８図は撹拌円盤の別例を示す正
面図である。 15……ホッパー，15a……肥料用ホッパー部，15b……土
質改良材用ホッパー部，16……仕切壁，17……ベルトコ
ンベア，30a,30b……開口，31……規制シャッター，31a
……反転部，31b……ナイフエッジ部，34……規制シャ
ッター，34a……反転部，34b……ナイフエッジ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ホッパーの下底部に略水平姿勢のベルトコ
   ンベアを設け、該ベルトコンベアの搬送下流側上部に臨
   む上記ホッパー壁の下部にスリット状の開口を形成し、
   この開口部に、下部をベルトコンベアの搬送上流側方向
   に向けて屈曲した搬送供給物反転部をもち、かつ、上記
   ベルトコンベア上面との間に搬送供給物の通過間隙を形
   成した規制シャッターをとりつけたことを特徴とする定
   量供給装置。