JPH06223926A - 配線器具取付けアダプタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気的絶縁性及び部品加工性に優れた配線器
具取付けアダプタを提供する。 【構成】 配線器具をねじ止め固定する複数の固定ねじ
孔２ｅが刻設され且つＤＩＮレール１０の一方の端縁１
０ａに係合する係合片２ａ，２ａを有する絶縁性樹脂か
ら成るプレート部２と、ＤＩＮレールの他方の端縁１０
ａに係合する係合片３ａ，３ａを有し且つ前記ボディ部
２にスライド自在に嵌合する絶縁樹脂性のスライド部３
と、前記ボディ部２と前記スライド部３とを弾性連結す
る弾性手段４とを有して構成した。該配線器具取付けア
ダプタ１をＤＩＮレール１０に取付け固定した状態にお
いては、前記係合片２ａ，２ａ及び該係合片３ａにより
ＤＩＮレール１０が弾性挟持された状態となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンセントやスイッチ
等の配線器具を、制御盤等の盤内や壁面に取付け固定す
るための配線器具取付けアダプタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、制御盤等の盤の内面や壁面等（以
下、「取付け面」ともいう）に、配線器具を取付け固定
するための配線器具取付けアダプタが提案されている。
該配線器具取付けアダプタは、配線器具を捻子止め固定
すると共に、取付け面に固定配設されたＤＩＮレールに
取付け固定するものであり、前記配線器具の取付け又は
取外し作業を容易せしめるものである。

【０００３】図８は、前記配線器具取付けアダプタの一
従来例を示す図であり、ＤＩＮレール１０に取付け固定
した状態を示す図である。該配線器具取付けアダプタ２
１は、配線器具（図示せず）をねじ止め固定する固定ね
じ孔及びＤＩＮレール１０の一方の端縁１０ａに係合す
る係合片２２ａ，２２ａを有する鉄板製のプレート部２
２と、ＤＩＮレール１０の他方の端縁１０ａに係合する
係合片２３ａ，２３ａを有し且つ前記プレート部２２に
スライド自在に嵌合する棒状且つ鉄板製のスライド部２
３と、前記プレート部２２と前記スライド部２３とを連
結するコイルスプリングばね等の弾性手段２４とを有し
て構成されており、該配線器具取付けアダプタ２１をＤ
ＩＮレール１０に取付け固定した状態においては、前記
係合片２２ａ，２２ａ及び該係合片２３ａ，２３ａによ
りＤＩＮレール１０が弾性挟持された状態となる。

【０００４】図９は、取付け固定前における前記配線器
具取付けアダプタ２１と配線器具１３とＤＩＮレール１
０とを示す図であるが、上記構成の従来例の配線器具取
付けアダプタ２１に配線器具１３を取付ける際には、配
線器具１３の取付けベース部１３ｂを、固定ねじ１４，
１４により前記プレート部２２の固定ねじ孔２２ｅ，２
２ｅにねじ止めした後、該配線器具１３の本体部１３ａ
を前記取付けベース部１３ｂにねじ止めする。又、前記
配線器具取付けアダプタ２１をＤＩＮレール１０に取付
け固定ずる場合には、前記スライド部２３を引っ張っ
て、前記プレート部２２に対して相対的に手動スライド
させた状態で、前記係合片２２ａと前記係合片２３ａと
の間に前記ＤＩＮレール１０を介入させた後、前記スラ
イド部２３から手を離して該スライド部２３を復帰させ
ることにより成される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】然しながら従来の構成
においては、配線器具取付けアダプタ２１自体が鉄板で
できているため、電気的絶縁性などに問題があるため、
確実な安全性が得られていなかった。又、従来の配線器
具取付けアダプタ２１は、その各部品を折り曲げ加工し
て作成しなければならず、その作成に多額の加工費用を
要していた。

【０００６】本発明は上記課題に鑑みて成されたもので
あり、その目的とするところは、電気的絶縁性及び部品
加工性に優れた配線器具取付けアダプタを提供すること
にある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された請求項１に記載の本発明は、配線器具をねじ
止め固定する絶縁性樹脂から成るボディ部と、該ボディ
部にスライド自在に嵌合するスライド部とから成り、前
記ボディ部及び前記スライド部夫々に、ＤＩＮレールの
端縁に係合する係合片を設けると共に、前記ボディ部と
前記スライド部とを弾性手段により弾性連結し、前記ボ
ディ部の係合片と前記スライド部の係合片とにより、前
記ＤＩＮレールを弾性挟持するようにしたことを特徴と
する配線器具取付けアダプタである。又、請求項２に記
載の本発明は、請求項１に記載の本発明において、複数
種類の配線器具のねじ止め固定に対応するよう複数の固
定ねじ穴を設けて成ることを特徴とするものである。
又、請求項３に記載の本発明は、請求項１に記載の本発
明において、配線器具と前記ボディ部とをタッピングね
じにより固定することを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】請求項１に記載の本発明によれば、電気的絶縁
性に優れていると共に、作成における各部品の加工が非
常に容易で、部品加工にかかる費用を安価に抑えること
が出来る。又、請求項２に記載の本発明によれば、請求
項１に記載の本発明の作用に加えて、複数種類の異なる
配線器具をＤＩＮレールに取付け固定することが出来
る。又、請求項３に記載の本発明によれば、請求項１に
記載の本発明の作用に加えて、複数種類の異なる配線器
具をＤＩＮレールに取付け固定することが出来ると共
に、配線器具をねじ止め固定するための固定ねじ穴を設
ける必要が無く、ボディ部の加工費用を更に安価に抑え
ることが出来る。

【０００９】

【実施例】以下に本発明を、その一実施例を示す図面を
用いて説明する。

【００１０】図１は、本発明一実施例の配線器具取付け
アダプタ１をＤＩＮレール１０に取付け固定した状態を
示す斜視図であり、図４は、同配線器具取付けアダプタ
の一部分解斜視図であり、図５は、同配線器具取付けア
ダプタの側断面図及び一部破断正面図である。

【００１１】又、図３は、同配線器具取付けアダプタ１
に配線器具１３をねじ止め固定し且つ該配線器具取付け
アダプタ１をＤＩＮレール１０に取付け固定した状態を
示す側面図である。又、図２は、取付け固定前の状態の
配線器具取付けアダプタ１と配線器具１３とＤＩＮレー
ル１０を示す斜視図である。前記ＤＩＮレール１０は、
制御盤等の盤内面や壁面等の取付け面に固定配設されて
いるものである。

【００１２】本実施例の配線器具取付けアダプタ１は、
制御盤等の盤内面や壁面等の取付け面に固定配設された
ＤＩＮレールに取付け固定するものであり、配線器具を
ねじ止め固定する複数の固定ねじ穴２ｅが刻設されたボ
ディ部２と、該ボディ部２にスライド自在に嵌合するス
ライド部３とを有して構成されている。該ボディ部２及
び該スライド部３は、共にプラスチック等の絶縁性樹脂
で金型成型により作成されたものである。尚、前記複数
の固定ねじ穴２ｅは、図１の如くボディ部２の裏側まで
貫通している必要は無く、図２の如くボディ部２の表側
のみに開口していればよい。

【００１３】又、前記ボディ部２には、図４に示す如
く、前記スライド部３をスライド自在に挿入嵌合するス
ライド筒部２ｆが形成されている。又、前記スライド部
３には、コイルスプリングばね等の弾性手段４を介入さ
せる介入孔３ｃが設けられており、該介入孔３ｃの内縁
には、前記弾性手段４の端部それぞれに挿入固定される
固定片３ｂ，３ｂが互いに対向するよう設けられてい
る。前記構成のスライド部３を前記スライド筒部２ｆに
嵌合した状態において、図５に示す如く、前記介入孔３
ｃに前記弾性手段４が介入され、且つ前記固定片３ｂ，
３ｂが前記弾性手段４の端部それぞれに挿入されてい
る。このとき、前記弾性手段４の一端が、前記スライド
部３の介入穴３ｃの内縁に当接すると共に、該弾性手段
４の他端が、前記スライド筒部２ｆの下側部２ｇ，２ｈ
に当接しており、前記ボディ部２と前記スライド部３と
が弾性的に連結されている。更に、前記ボディ部２に
は、電線を挿入するための電線挿入孔２ｂか設けられて
いる。

【００１４】前記ボディ部２には、図１に示すごとく、
ＤＩＮレール１０の一端縁１０ａに係合する係合片２
ａ，２ａが設けられており、前記スライド部３の先端に
は、ＤＩＮレールの他端縁１０ａに係合する係合片３ａ
が設けられている。ボディ部２の係合片２ａ，２ａとス
ライド部３の係合片３ａとは、互いに対向するように設
けられており、前記スライド部３をボディ部２に対して
相対的にスライドさせることにより、該係合片２ａ，２
ａと該係合片３ａとの間のギャップが変化するようにな
っている。

【００１５】上記の如く、前記スライド部３は、ボディ
部２に対して相対的にスライドさせることが出来るよう
になっている。３ｂはスライドつまみであり、該スライ
ドつまみ３ｂを引っ張ることにより、スライド部３自体
がスライド移動し、ボディ部２の係合片２ａ，２ａとス
ライド部３の該係合片３ａとの間のギャップが広がるよ
うになっている。又、前記スライドつまみ３ｂへの引張
力を除去すれば、弾性手段４のばね力によりスライド部
３は自動的に復帰し、ボディ部２の係合片２ａ，２ａと
スライド部３の該係合片３ａとの間のギャップは元の状
態に戻る。

【００１６】上記構成の配線器具取付けアダプタ１に配
線器具１３を取付ける際には、図２に示す如く、配線器
具１３の取付けベース部１３ｂを、固定ねじ１４，１４
により前記ボディ部２の固定ねじ穴２ｅ，２ｅにねじ止
めした後、該配線器具１３の本体部１３ａを前記取付け
ベース部１３ｂにねじ止めする。又、前記配線器具取付
けアダプタ１をＤＩＮレール１０に取付け固定する場合
には、前記スライド部３を引っ張って、前記ボディ部２
に対して相対的に手動スライドさせた状態で、前記係合
片２ａと前記係合片３ａとの間に前記ＤＩＮレール１０
を介入させた後、前記スライド部３から手を離して該ス
ライド部３を復帰させる。

【００１７】図１及び図３に示すように、本実施例の配
線器具取付けアダプタ１をＤＩＮレール１０に取付け固
定した状態においては、前記係合片２ａ，２ａが一方の
端縁１０ａに係合され、前記係合片３ａが他方の端縁１
０ａに係合され、前記係合片２ａ，２ａ及び該係合片３
ａによりＤＩＮレール１０が弾性挟持された状態とな
る。又、図３に示すように、外部電源等からの電線２０
は、前記ボディ部２と取付け面との間に生じた隙間か
ら、ボディ部２に設けた前記電線挿入孔２ｂを介して、
配線器具１３内部に誘導されている。即ち、本実施例の
如く、前記ボディ部２と取付け面との間に隙間が生じる
ような構成の配線器具取付けアダプタ１であるならば、
前記ボディ部２に電線挿入孔２ｂを設け、取付け面の表
面側から電線２０を配線器具１３に結線することが出来
る。又、取付け面の裏面側から電線２０を配線器具１３
に結線する場合にも、前記電線挿入孔２ｂを介して電線
２０を配線器具１３に結線することが出来る。

【００１８】上記のように、本実施例の配線器具取付け
アダプタ１は、少なくとも配線器具１３に直接接する前
記ボディ部２が絶縁性樹脂により形成されているので、
配線器具１３の電気により感電する恐れもなく、電線短
絡等の電気的トラブルを起こす可能性も極めて少ない。

【００１９】又、本実施例の配線器具取付けアダプタ１
には、前記固定ねじ穴２ｅが８箇所設けられている。８
箇所の固定ねじ穴２ｅは、複数種類の異なるモジュール
の配線器具のねじ止め固定に対応するような位置に配設
されている。図６は、上記構成の配線器具取付けアダプ
タ１に、夫々異なる配線器具１１，１２，１３を取り付
けた状態を示す図である。但し、図６にかかれた「ね
じ」は、実際は外方からは見えないようになっている。

【００２０】図６において、（ａ）は、接地２Ｐコンセ
ント１１を配線器具取付けアダプタ１に取り付けた状態
を示す図であり、該接地２Ｐコンセント１１は、２段目
の固定ねじ穴２ｅと４段目の固定ねじ穴２ｅとにおいて
対角にねじ止めされる。（ｂ）は、スイッチ１２を配線
器具取付けアダプタ１に取り付けた状態を示す図であ
り、該スイッチ１２は、３段目両方の固定ねじ穴２ｅ，
２ｅにおいてねじ止めされる。又、（ｃ）は、接地２Ｐ
ダブルコンセント１３（平板型コンセント、引掛型コン
セント、抜け止め型コンセント等）を配線器具取付けア
ダプタ１に取り付けた状態を示す図であり、該接地２Ｐ
ダブルコンセント１３は、最上段両方の固定ねじ穴２
ｅ，２ｅと最下段両方の固定ねじ穴２ｅ，２ｅにおいて
ねじ止めされる。尚、上記配線器具のモジュールは一例
であり、無論、固定ねじ穴２ｅを他箇所に配設すれば、
上記配線器具以外のモジュールを有する配線器具を、配
線器具取付けアダプタ１に取り付けることが可能であ
る。

【００２１】又、図７は、本発明の配線器具取付けアダ
プタの他の実施例を示す図であり、配線器具取付けアダ
プタ１のボディ部２に前記実施例のような固定ねじ穴２
２ｅが設けられておらず、前記固定ねじ１４がタッピン
グねじで構成されたものである。前記ボディ部２が樹脂
で構成されているため、本実施例においては、タッピン
グねじ１４で簡単にねじ穴が形成出来る。故に、本実施
例の配線器具取付けアダプタ１に配線器具１３を取付け
る際には、図７に示す如く、配線器具１３の取付けベー
ス部１３ｂを、タッピングねじ１４，１４により前記ボ
ディ部２に直接ねじ込み固定すると共に、該配線器具１
３の本体部１３ａを前記取付けベース部１３ｂにねじ止
めする。故に、本実施例の配線器具取付けアダプタ１に
よれば、任意のモジュールの配線器具１３を取付け固定
することが出来る。又、前記実施例の如く、ボディ部２
に固定ねじ穴を刻設（穴空け及びタップ加工）する必要
がないので、ボディ部２の加工費用が固定ねじ穴の刻設
費用の分だけ低減出来、加工費用を安価に抑えることが
出来る。

【００２２】

【発明の効果】以上の如く構成した請求項１に記載の本
発明によれば、電気的絶縁性に優れているので電気的ト
ラブルを起こす可能性が極めて少なくなると共に、作成
における各部品の加工が非常に容易で、部品加工にかか
る費用を安価に抑えることが出来る。又、請求項２に記
載の本発明によれば、請求項１に記載の本発明におい
て、複数種類の異なる配線器具をＤＩＮレールに取付け
固定することが出来る。又、請求項３に記載の本発明に
よれば、請求項１に記載の本発明において、請求項２の
ものより更に複数種類の異なる配線器具をＤＩＮレール
に取付け固定することが出来ると共に、配線器具をねじ
止め固定するための固定ねじ穴を設ける必要が無く、加
工費用を更に安価に抑えることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明一実施例の配線器具取付けアダプタ１を
ＤＩＮレール１０に取付け固定した状態を示す斜視図。

【図２】取付け固定前の状態の本発明一実施例の配線器
具取付けアダプタ１と配線器具１３とＤＩＮレール１０
を示す斜視図。

【図３】本発明一実施例の配線器具取付けアダプタ１に
配線器具１３をねじ止め固定し且つ該配線器具取付けア
ダプタ１をＤＩＮレール１０に取付け固定した状態を示
す側面図。

【図４】本発明一実施例の配線器具取付けアダプタ１を
示す一部分解斜視図。

【図５】本発明一実施例の配線器具取付けアダプタを示
す側断面図及び一部破断正面図。

【図６】本発明一実施例の配線器具取付けアダプタ１
に、夫々異なる配線器具１１，１２，１３を取り付けた
状態を示す図。

【図７】本発明に係る他の実施例を示す斜視図。

【図８】従来の配線器具取付けアダプタ２１を示す斜視
図。

【図９】取付け固定前における従来の配線器具取付けア
ダプタ２１と配線器具１３とＤＩＮレール１０とを示す
図。

【符号の説明】

１ 配線器具取付けアダプタ ２ ボディ部 ２ａ 係合片 ２ｂ 電線挿入孔 ２ｅ 固定ねじ穴 ３ スライド部 ３ａ 係合片 ４ 弾性手段 １０ ＤＩＮレール １０ａ ＤＩＮレールの端縁 １４ 固定ねじ（タッピングねじ）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 配線器具をねじ止め固定する絶縁性樹脂
   から成るボディ部と、該ボディ部にスライド自在に嵌合
   するスライド部とから成り、前記ボディ部及び前記スラ
   イド部夫々に、ＤＩＮレールの端縁に係合する係合片を
   設けると共に、前記ボディ部と前記スライド部とを弾性
   手段により弾性連結し、前記ボディ部の係合片と前記ス
   ライド部の係合片とにより、前記ＤＩＮレールを弾性挟
   持するようにしたことを特徴とする配線器具取付けアダ
   プタ。
2. 【請求項２】 複数種類の配線器具のねじ止め固定に対
   応するよう複数の固定ねじ穴を設けて成ることを特徴と
   する請求項１に記載の配線器具取付けアダプタ。
3. 【請求項３】 配線器具と前記ボディ部とをタッピング
   ねじにより固定することを特徴とする請求項１に記載の
   配線器具取付けアダプタ。