JPH0622375U - ドラフトローラのクリーニング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドラフトローラの表面に付着した風綿を確実
にクリーニングすることのできる、ドラフトローラのク
リーニング装置を得ることを目的とする。 【構成】 ドラフトローラの夫々に、回転式クリーナー
を当設したドラフト装置において、駆動軸から前記複数
の回転式クリーナーに順次ベルトを装架し該クリーナー
を駆動する構成とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はドラフトローラのクリーニング装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のドラフト装置においては、トップローラやトップエプロンバンドに付着 した風綿等を除去する手段として、互に隣接するトップローラの双方にまたがっ て接触するクリヤラーローラを載置し、或いは全トップローラに亘って延びる無 端ベルトからなるクリヤラーベルトを接触させ、該クリヤラーローラやクリヤラ ーベルト表面に風綿等を付着せしめ除去していた。

【０００３】 然しながらドラフト装置が４線式，５線式等の如くドラフトローラの数が増加 すると、前記したクリヤラーローラ或いはクリヤラーベルトによってはトップロ ーラのクリーニングを完全に行うことはできにくかった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この考案はドラフトローラの表面に付着した風綿を確実にクリーニングするこ とのできる、ドラフトローラのクリーニング装置を得ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

ドラフトローラの夫々に、回転式クリーナーを当設したドラフト装置において 、駆動軸から前記複数の回転式クリーナーに順次ベルトを装架し該クリーナーを 駆動する構成とした。

【０００６】

【作用】

ドラフトローラの夫々に設けたクリーナーにより、トップローラ上に付着した 風綿を掻きまたははたき落し、掻きまたははたき落された風綿はスライバ上に落 とされる。スライバ上に落された風綿は、まだ塊状に生長しておらず、風綿繊維 はそのままスライバを構成する繊維の一部としてドラフトされ紡績されて、スラ ブのない糸を形成する。

【０００７】

【実施例】

以下図面と共にこの考案の実施例を説明する。

【０００８】 図１は、この考案のクリーニング装置１を備えた紡績装置の側面図であって、 紡績機の機台２上には本考案のクリーニング装置１を備えた５線式のドラフト装 置３と、その下流側に位置して空気紡績ノズル４及び送り出しローラ５が設けら れ、機台前面下方には紡出された糸Ｙの巻取装置６が配置されている。７は送り 出しローラ５と巻取装置６の間に設けられたスラックチューブ、８はスラブキャ ッチャ、９は糸継台車である。ドラフト装置３の上縁側にはケンス１０から引き 出されたスライバＳを案内するスライバガイド１１、及びトランペットガイド１ ２が設けられている。

【０００９】 従って、今、ケンス１０から引出されたスライバＳは、スライバガイド１１か らトランペットガイド１２を経てドラフト装置３に導入され、ドラフトを加えら れた後空気紡績ノズル４により仮撚を与えられて糸Ｙを形成し、送り出しローラ ５を通過して巻取装置６に巻取られる。

【００１０】 然して、図１に示す本考案のクリーニング装置１は、図２乃至図４に当該部分 を拡大して示すように、バックトップローラ１３ａ，バックボトムローラ１３ｂ からなるバックローラ対１３、第４トップローラ１４ａ，第４ボトムローラ１４ ｂからなる第４ローラ対１４，第３トップローラ１５ａ，第３ボトムローラ１５ ｂからなる第３ローラ対１５、エプロンバンドを装架したミドルトップローラ１ ６ａ，ミトルボトムローラ１６ｂからなるミドルローラ対１６、及びフロントト ップローラ１７ａ，フロントボトムローラ１７ｂからなるフロントローラ対１７ で構成された５線式ドラフト装置３上部に配置され、次の構成から成立っている 。

【００１１】 即ち、該クリーニング装置１は、ドラフト装置３のクレードル１８側面にとり つけられた支持部材１９に回転自在に支持され、フロントトップローラ１７ａを 除く各トップローラ１３ａ，１４ａ，１５ａ，１６ａの上方に置かれた２０ａ， ２０ｂ，２０ｃ，２０ｄからなる複数のクリーナー２０を備えている。

【００１２】 該クリーナー２０は、軸２１端にホイール２２を有し、軸２１上には断面が二 等辺三角形のゴム製の翼２３が複数枚（図では４枚）、放射状に等間隔で配置さ れており、然も翼２３の先端はクリーナー２０が支持部材１９に支持されたとき 、各トップローラ１３ａ，１４ａ，１５ａの表面或いは、エプロンベルト１６ｃ を装架したトップローラ１６ａにあってはエプロンベルト１６ｃの表面に圧接状 態で接触している。各クリーナー２０ａ，２０ｂ，２０ｃ，２０ｄは互いに隣り 合ったクリーナーのホイールに装架されたベルト２４ａ，２４ｂ，２４ｃにより 連結され、更にクリーナー２０ａは、中間プーリー２５との間に装架されたベル ト２６、及び中間プーリー２５とドライビングプーリー２７との間に装架された ベルト２８によりラインシャフト（回転動力源）２９と連結されている。なお、 このラインシャフトは、バックボトムローラ１３ｂ，第４ベトムローラ１４ｂ， 第３ボトムローラ１５ｂの駆動源となっている。

【００１３】 そして前記ドライビングプーリー２７の回転により走行するベルト２８、２６ 、２４ａ，２４ｂ，２４ｃは、各クリーナー２０ａ，２０ｂ，２０ｃ，をトップ ローラ１３ａ，１４ａ，１５ａの回転方向（時計方向）と同方向に回転し、クリ ーナー２０ｄをトップローラ１６ａの回転方向（時計方向）と逆方向に回転する よう装架されている。

【００１４】 バックトップローラ１３ａの回転周速度Ｖ１ ，第４トップローラ１４ａの回 転周速度Ｖ２ ，第３トップローラ１５ａの回転周速度Ｖ３ ，ミドルトップロ ーラ１６ａの回転周速度Ｖ４ ，バックトップローラ１３ａ上のクリーナ２０ａ の回転周速度Ｖ５ ，第４トップローラ１４ａ上のクリーナ２０ｂの回転周速度 Ｖ６ ，第３トップローラ１５ａ上のクリーナ２０ｃの回転周速度Ｖ７ ，ミド ルトップローラ１６ａ上のクリーナ２０ｄの回転周速度Ｖ８ は、およそＶ１ ：Ｖ２ ：Ｖ３ ：Ｖ４ ：Ｖ５ ：Ｖ６ ：Ｖ７ ：Ｖ８ ＝１：２：４：９ ：３：３：３：−３の関係になっている。

【００１５】 なお、クリーナー２０ｄの回転をトップローラ１６ａの回転方向（時計方向） と逆方向とした理由は、ドラフト装置におけるミドルローラ１６の回転が他のド ラフトローラに比し極めて高速であるために、クリーナー２０ｄをトップローラ １６ａと同方向に回転したときは、トップローラ１６ａに装架されたエプロンバ ンド上の風綿の掻きまたははたき落し効果を充分得ることができないからである 。使用されるベルトとしては平ベルト、丸ベルト、Ｖベルト等適宜断面を持つベ ルトが使用される。

【００１６】 該クリーナー２０は支持部材１９に支持されたとき、翼２３先端は図５に示す ようにトップローラに圧接する。そこで今翼２３先端がえがく仮想円の径をＤ、 クリーナー２０の軸芯から、翼２３とトップローラとの接触部位迄の径をｄとす ると、クリーナー２０による風綿の掻きまたははたき落し速度△ｖは、△ｖ＝（ Ｄ−ｄ）πＮで表わすことができるから、クリーナー２０の翼２３をトップロー ラに接触回転せしめることにより生ずる前記速度差△ｖと各トップローラと各ク リーナとの間の速度差として、トップローラ表面に付着した風綿を掻きまたはは たき落すこととなり、掻きまたははたき落された風綿はスライバ上に落されて、 スラブのない糸を形成するのである。

【００１７】 なお上記実施例においては、５線式ドラフト装置の場合につき説明したが３線 式、４線式或いは５線式以上のドラフト装置に対しても適用することができ、又 クリーナー２０は翼２３を軸２１上に４枚設けた場合を図示したが、これに限る ものでなく必要に応じて任意の数を設けても、或いは軸２１の軸方向と角度を保 って螺線状に設けても差支えない。更に翼２３の断面も二等辺三角形に限らず、 長方形等とすることもできる。

【００１８】 更に当該クリーナー２０は、第２の実施例として図６に示すように軸２１の周 面全面に、刷毛部材３０を密接植毛したクリーナー２０であっても、軸２１上に 部分的に植毛したクリーナー２０であっても、任意に使用することができる。

【００１９】

【考案の効果】

以上詳細に述べた通りこの考案のドラフトローラクリーニング装置は、ドラフ トローラの夫々に、回転式クリーナーを当設したドラフト装置において、駆動軸 から前記複数の回転式クリーナーに順次ベルトを装架し該クリーナーを駆動する 構成としたものであるから、各ドラフトローラに接触回転するクリーナーにより トップローラ上に付着した風綿を掻きまたははたき落し、掻きまたははたき落さ れた風綿はスライバ上に落されてスラブのない糸を形成し、かつ空気紡績ノズル のノズル詰まりも完全に防止することができる。又、ベルトのプーリに対する接 触距離を充分に確保でき、動力伝達が確実にできるようになる。更にクリーナの 正逆回転を選択することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のドラフトローラクリーニング装置を備
えた紡績装置の概略側面図である。

【図２】本考案のドラフトローラクリーニング装置を備
えたドラフト装置の側面図である。

【図３】同上平面図である。

【図４】本考案で使用されるクリーナー部分の斜視図で
ある。

【図５】クリーナーの翼先端がトップローラに圧接した
状態を示す側面図である。

【図６】本考案で使用されるクリーナーの第二の実施例
を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ クリーニング装置 １３ バックローラ対 １４ 第４ローラ対 １５ 第３ローラ対 １６ ミドルローラ対 １７ フロントローラ対 １８ クレードル １９ 支持部材 ２０，２０ａ，２０ｂ，２０ｃ，２０ｄ クリーナー ２２ ホイール ２３ 翼 ２４ａ，２４ｂ，２４ｃ，２６，２８ ベルト ２７ ドライビングプーリー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドラフトローラの夫々に、回転式クリー
   ナーを当設したドラフト装置において、駆動軸から前記
   複数の回転式クリーナーに順次ベルトを装架し該クリー
   ナーを駆動する構成としたドラフトローラのクリーニン
   グ装置。