JPH0622326Y2 - 健康管理可能な入浴設備 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、建造部の入浴用部とか入浴ユニットにあっ
て、その浴槽自体ではなく、入浴する際に通過すること
となる入浴通路にて、忘れることなく体重や身長などを
測知できるようにし、これにより望ましい健康管理を労
せずして実現可能とした入浴設備に関するものである。

《従来の技術》 近年、健康管理に対する関心が高まってきており、一般
家庭にあっても、体重を測定するための体重計が普及さ
れるに至ったが、当該体重計は、脱衣場等の片隅等邪魔
にならないところに収置しておき、気付いたときに、こ
れを用いて測定しているのが一般的である。

このため、どうしても定期的な体重測定が億劫となった
り、忘れてしまったりして定期的な測定結果の比較とい
った健康管理上の重要な事項が、実現困難となってい
る。

さらに、身長の測定に至っては、身長計自体が、あまり
一般家庭に用意されておらず、従って体重と身長とによ
り算出される肥満度を自ら知るといった健康管理は別途
に、それ専用の機器を購入しなければ、できないという
のが現況となっている。

そこで、上記の問題を解決するため、サウナ内にあって
体重を測定できるようにしたもの（実開昭６３−１９７
５３６号）や、バスタブの底面に体重測定用のマットを
敷設（実開昭６１−１４３４８４号）したり、浴槽を内
槽と外槽とにより構成し、当該内外両槽間に荷重感圧素
子を介装することで、浴槽内での入浴中に体重を測知で
きるようにしたもの（実開昭６２−１５５６８９号）
が、既に提案されている。

しかし、上記のものにあっては、入浴する際不自然なマ
ット上に身体を置くこととなるため入浴感が阻害された
り、浴槽の構成自体が複雑化してしまったり、所要機器
等に充分な耐水性をもたせなくてはならないなど製造上
の問題もある。

《考案が解決しようとする課題》 本考案は、上記従来の難点に解決を与えようとするもの
で、人が定期的に入浴し、かつ入浴時には必ず裸になる
こと、そして裸になったならば、バスタブに至るまで、
所定の浴用通路を歩くこととなる点に着目し、バスダブ
自体ではなく、この浴用通路に、体重測定装置とか身長
測定装置を適切に設けておくことで、当該浴用通路の浴
室出入口とか、浴室内等にて、入浴者が一旦停止するな
どの極めて簡易な挙動だけで、体重、身長の一方または
双方を労せずして、忘れることなく測知しるようにし、
入浴中に不快感や違和感を与えることなく、かつ耐久
性、精度、修理点検の点でも満足が得られるようにする
のが、その目的である。

《課題を解決するための手段》 本考案は、上記の目的を達成するため、請求項(1)の健
康管理可能な入浴設備では、入浴用の設備構成体におけ
る浴用通路にあって、その床面に臨設した体重測定装
置、側壁または天井面に臨設した身長測定装置の一方ま
たは双方が具備されていることを内容としている。

請求項(2)〜(4)は請求項(1)において、その請求項(2)で
は、体重測定装置が、弾性体の荷重変形やロードセル等
の感圧素子などによる体重測定器を具備し、請求項(3)
では、身長測定装置が、発光素子と受光素子、発振子と
受振子などの身長測定用センサを有する身長測定装置を
具備し、さらに、請求項(4)では、体重測定装置、身長
測定装置の一方または双方には、測定結果を示す表示部
付きの電気的コントローラが具備されている。

次に、請求項(5)にあっては、これまた請求項１におい
て、体重測定装置と身長測定装置とには、その各測定結
果が導入されて演算される肥満度の算出結果を示す表示
部付きの電気的コントローラが具備されている。

《作用》 請求項(1)の入浴設備では、裸になり、バスタブまで歩
いて行くと、浴用通路の途中である床面に、体重測定装
置が設けられているので、少しだけ停止、または歩度を
ゆるめれば、この間に体重が測定でき、また側壁か天井
面に身長測定器が臨設されているので、身長の測定が入
浴前または入浴後に、労せずして行い得ることとなる。

請求項(2)では、体重測定装置の体重測定器が、弾性体
の荷重変形により体重を測知したり、またロードセル、
感圧素子を用いるようにしたことで、測定結果の精度も
高く、その表示処理も迅速に行われる。

請求項(3)では、身長測定装置が発光素子と受光素子、
発振子と受振子を具備しているので、光や電波を利用し
て、人体に接触することなしに、身長の高精度な測定が
できることとなる。

請求項(4)では、体重や身長の測定結果が、体重測定器
や身長測定器自体の指針読みとりして示されるのではな
く、入浴者の最も見易いところに設置された表示器に指
示されるので、確認し易くなる。

請求項(5)では、体重測定装置、身長測定装置により得
られた測定結果が、表示部付きの電気的コントローラに
よって演算され、肥満度をも表示し得る。

《実施例》 本考案を図示の実施例によって詳記すれば、第１図乃至
第４図は、建造物にセットされる入浴ユニットを入浴用
の設備構成体１とした場合の実施例で、本考案では、浴
槽ではなく、その浴用通路２、すなわち、脱衣後入浴者
Ａがバスタブ３まで歩く道程またはバズタブ３から着衣
の場所まで帰る道程にあって、体重測定装置４、身長測
定装置５の一方または双方を臨設するのである。

ここで、体重測定装置４は、浴用通路２の底面１ｃに設
けるのであり、図示例では体重測定器４ａが、浴室１ａ
への出入口１ｂにあって設けられており、この際当該体
重測定器４ａは、埋設状態として、その上面を底面１ｃ
と、略同じ高さにしておくのがよい。

上記体重測定器４ａは、普通の汎用体重計を埋設固定し
たものであってもよいが、これでは、その指針による体
重表示が読みにくくなるので、出入口１ｂを形成してい
る側壁１ｄにあって、所望高さに設置した第１図の表示
器６に、その数値が明示されるようにするのがよく、こ
れには、体重測定器４ａを以下に示す具体例の如く構成
し、これと接続した図示されていない電気的コントロー
ラの出力により、上記の表示器６に当該数値が表わされ
るようにするのがよい。

第４図に示した体重測定器４ａは、底面１ｃの下に、ロ
ードセル若しくはその他の感圧素子４ｂが設けられた昇
降板４ｃが埋装され、このワードセル等からの出力によ
って、前記電気的コントローラを介して表示器６に測定
結果が示されるようになっている。

これに対し、第７図に示されている体重測定器４ａは、
昇降板４ｃがコイルスプリング等による弾性体4dにより
支承されていて、当該昇降板４ｃの昇降動による高さの
変動を、底面１ｃ下に設けた発光素子と受光素子等によ
る距離センサ４ｅによって測知し、これにより体重を測
定し得るよう構成されている。

次に、身長測定装置５は、浴用通路２における側壁１ｄ
とか天井面ｅに臨設するが、通常の接触式身長計を用い
るよりも、図示のように、前記底面１ｃと相対向する天
井面１ｅとか、これに臨設の側壁１ｄに身長測定器５ａ
を設け、その身長測定用センサ５ｂ，５ｃとして超音波
による発振子と受振子とか発光素子と受光素子とを用い
るのがよい。

ここで、第１図乃至第４図に示した超音波による実施例
によるときは、所定位置にあって入浴者Ａが立つと、発
振子から発せられた超音波が、人体により反射し、これ
が受振子に到達するまでの時間を計測することで、身長
を測定することができ、この場合も、身長測定用センサ
５ｂ，５ｃに接続された図示しない電気的コントローラ
により測定結果を得、これを表示部６により表示するの
がよい。

尚、ここで第４図の１ｆは、側壁１ｄに凹設した隔離空
所を示し、ここには身長測定用補正装置７が設けられ、
図中７ａ，７ｂがその補正用センサを示し、これによっ
て、前記身長測定用センサ５ｂ，５ｃによる測定に際
し、浴用通路２における温度や湿度等の環境変化に伴う
超音波伝播速度の変化につき、これを補正し得るように
して、絶対精度の向上を計るようにしている。

また、当該身長測定装置５を始動させるため、入浴者Ａ
の移動に伴う超音波周波数のシフト、すなわちドップラ
効果の検知機構を付加しておき、これにより、当該領域
への人体の進入を感知して、測定を自動的に開始させる
ようにしたり、また、この際、歩行中の入浴者に静止を
促す指示を出すようにするなどの配慮も望ましい。

もちろん、人体の移動感知には、オートドアなどに多用
されている焦電型赤外線検出素子を使用することもでき
る。

次に、第５図乃至第７図に示した実施例では、身長測定
に際し、何れも光（可視光線、赤外線等）を利用するよ
うにしており、第５図にあっては、設備構成体１の側壁
１ｄにあって、透光板８ａを介して透光空所１ｇを凹設
し、ここに、リニアモータ等の動力源８ｂによって、破
線で示す如く昇降動自在とした身長測定用センサ５ｂ，
５ｃを設けるが、この場合の当該センサ５ｂ，５ｃに
は、発光素子と受光素子とが用いられている。

従って、上記の身長測定装置５によるときは、身長測定
用センサ５ｂ，５ｃの昇降時にあって、人体の存在によ
る反射光量が、人体の頭部先端にて変化することを検知
し、この時の身長測定用センサ５ｂ，５ｃの位置より、
入浴者の身長が測定し得ることとなる。

また、第６図の実施例では、第５図の場合、身長測定用
センサ５ｂ，５ｃを昇降動させたのに対し、横向軸８ｃ
により上下方向へ首振り自在となるよう構成されている
と共に、身長測定用センサ５ｂ，５ｃを設けた透光空所
１ｇの反対側における側壁１ｄには、回帰反射板８ｄが
取り付けられている。

このような身長測定装置５によるときは、身長測定用セ
ンサ５ｂ，５ｃが実線で示すように傾動していないとき
は、入浴者Ａの頭上を透過した光が反射して、この場受
光素子に入射されるが、上記身長測定用センサ５ｂ，５
ｃが、下向きに回動して破線のように入浴者Ａに照射さ
れるようになると、入射光が人体により乱反射されるに
至る。

ここで、上記の回帰反射板８ｄは、これに光が直交状に
入射された場合だけでなく、入射光の角度如何に拘らず
常に略１８０°の反転反射となるよう形成されているの
で、入浴者Ａの頭部にて、乱反射が生ずる寸前までは、
受光素子に大きな反射光が入来することとなり、従って
受光素子への入射光が減少した時点における身長測定用
センサ５ｂ，５ｃの下向角度θによって、身長を算出す
ることができることとなる。

次に第７図に示した身長測定装置５の実施例では、一方
の側壁１ｄに１ケ以上の発光素子である身長測定用セン
サ５ｂが設けられ、この際複数個設置するのであれば、
相互に高低位をけるようにし、その反対側における側壁
１ｄには、これまた１ケ以上の集光レンズ９を設けると
共に、その背後に、身長測定用センサ５ｃとしての受光
素子を臨設させておくのであり、図中１０、１１は夫々
発光素子、受光素子用の対物レンズを示している。

従って、当該実施例によるときは、発光素子から発せら
れた対物レンズ１０によって光ビームとなり、これが集
光レンズ９によって集光された後、対物レンズ11を介し
て受光素子に入射されるから、当該受光素子への到達光
量をアナログ的に判断することができる。

このため、当該両素子間に入浴者Ａが入来すれば、身長
の大小により遮光量が決定され、受光素子への到達光量
により身長を知ることができる。

次に、請求項５に係る入浴設備にあっては、第８図に例
示する如く、前記の如き体重測定装置４と身長測定装置
５とを兼備させると共に、これら両装置４，５の出力側
には、表示部６付きの電気的コントローラ１２を接続
し、この表示部６に上記各装置４，５により測知された
体重値と、身長値とによって演算された肥満度が、表示
されるようになっている。

ここで、図示の電気的コントローラ１２にあっては、演
算部１２ａに、ロードセルなどにより体重測定装置４か
らの出力が、増幅器１２ｂ、Ａ／Ｄコンバータ１２ｃを
介して入力され、身長測定装置５の超音波による身長測
定用センサ５ｂ，５ｃとしての発振子、受振子側には、
超音波発振器１２ｄより変調部１２ｅを介して発振子が
起振され、受振子には、復調部１２ｆを介して発振器１
２ｇより入力を受けるカウンタ１２ｈのストップ側が接
続されていると共に、前記演算部１２ａは、変調部１２
ｅのゲートと、カウンタ１２ｈのストップ側および当該
カウンタ１２ｈの出力側とに、夫々接続された構成とな
っている。

ここで、第８図(b)に示されているＷ_１〜Ｗ_６は、同図
(a)にあって、同一符号で示された矢印の位置における
波形を示している。

従って、当該実施例によるときは、演算機１２ａによ
り、身長測定用センサ5bから超音波が発せられると共
に、Ｗ_５によりカウンタ１２ｈのカウントが開始され、
超音波が入浴者Ａにより反射され、これが、カウンタ１
２ｈに入力Ｗ_４されることで、カウントが停止されるこ
ととなり、この間に、カウントされたＷ_６の数によっ
て、身長が測定され、この身長値と、前記体重測定器４
ａからの体重値が演算部１２ａにて演算され、表示器６
に肥満度が表示される。

尚、実施上は、入浴に際し、先ず表示部付きの電気コン
トローラに自分のコードナンバーを入力した後、体重、
身長を測定することで、表示部に肥満度、体重、身長の
測定値が表示されるようにすると共に、当該コントロー
ラにて各人の測定データが蓄積され、必要に応じ定期的
な測定データの比較表示を行ったり、これをプリントア
ウトできるようにするのが望ましい。

また、体重と身長の測定位置は、同じにするのがよい
が、もちろん別箇所にて夫々測定してもよい。

《考案の効果》 本考案は、上記のように構成されているから、請求項
(1)による入浴設備によるときは、誰もが裸になる入浴
用の設備構成体にあって、その浴用通路における床面や
側壁、天井面に、夫々体重、身長の測定装置を臨設した
ことで、定期的な測定が労せずに、しかも忘れることな
く測知され、特に家庭にあって、最も望ましい健康管理
を、生活の中で、自然に行うことができる。

しかも、本考案は浴槽に体重や身長を測定するための装
置を施すのではないから、入浴中に当該装置が入浴者に
違和感を与えることなく、また浴槽自体を特別な構成と
したり、装置の諸部材につき耐水星の要求を満たすとい
ったこともないので、施工も比較的安価に仕上げること
ができると共に、耐久性の点でも望ましい結果が得られ
る。

請求項(2)にあっては、体重測定装置に弾性体やロード
セルを用いるので、体重測定器により精度の高い測定を
保証でき、請求項(3)では、身長測定用センサにより非
接触下の測定ができるので、入浴者の特別な挙動をなし
に、その測定結果が得られ、さらに請求項(4)では、表
示部付きの電気的コントローラにより、測定結果の読み
とりが容易となり、必要に応じ、プリンタによる印刷表
示も可能となる。

さらに請求項(4)にあっては、単に体重、身長のみでな
く、一般には知ることが困難である肥満度をも認識する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は、本考案に係る入浴設備の一実施例
を示し、第１図はその要部を示す斜視図、第２図は当該
要部を有する入浴ユニットの正面図、第３図は同上ユニ
ットの右側面図、第４図は同上要部の縦断正面図、第５
図、第６図、第７図は夫々異種実施例による同上要部の
縦断正面図、第８図(a)(b)は、夫々請求項(5)に係る入
浴設備の電気的構成説明図と、同説明図の各所における
波形一覧図である。 １……入浴用の設備構成体 １ａ……浴室 １ｂ……出入口 １ｃ……底面 １ｄ……側壁 １ｅ……天井面 ２……浴用通路 ４……体重測定装置 ４ａ……体重測定器 ５……身長測定装置 ５ａ……身長測定器 ５ｂ，５ｃ……身長測定用センサ ６……表示部 １２……電気的コントローラ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】入浴用の設備構成体における浴用通路にあ
   って、その床面に臨設した体重測定装置、側壁または天
   井面に臨設した身長測定装置の一方または双方が具備さ
   れていることを特徴とする健康管理可能な入浴設備。
2. 【請求項２】体重測定装置が、弾性体の荷重変形やロー
   ドセル等の感圧素子などによる体重測定器を具備してい
   る請求項(1)記載の健康管理可能な入浴設備。
3. 【請求項３】身長測定装置が、発光素子と受光素子、発
   振子と受振子などの身長測定用センサを有する身長測定
   器を具備している請求項１記載の健康管理可能な入浴設
   備。
4. 【請求項４】体重測定装置、身長測定装置の一方または
   双方には、測定結果を示す表示部付きの電気的コントロ
   ーラが具備されている請求項(1)記載の健康管理可能な
   入浴設備。
5. 【請求項５】体重測定装置と身長測定装置とには、その
   各測定結果が導入されて演算される肥満度の算出結果を
   示す表示部付きの電気的コントローラが具備されている
   請求項１記載の健康管理可能な入浴設備。