JPH06222421A

JPH06222421A - フラッシュ同調速度切替装置を有するカメラ

Info

Publication number: JPH06222421A
Application number: JP22252991A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Kurei; 博榑井
Original assignee: Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Current assignee: Pentax Corp
Priority date: 1991-05-24
Filing date: 1991-05-24
Publication date: 1994-08-12

Abstract

(57)【要約】【目的】画面サイズ変更可能なカメラにおいて、画面サ
イズに応じてフラッシュ同調速度を変更すること。【構成】フォーカルプレーンシャッタの走行方向に画面
サイズを変更する画面サイズ変更手段と、画面サイズが
縮小方向に変更されたときには、フラッシュ同調速度を
高速に切り替える同調速度切替手段とを有するフラッシ
ュ同調速度切替装置を備えたカメラ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フラッシュ同調速度切
替装置を備えたカメラに係り、より詳細には、画面サイ
ズ切替装置を備えたカメラにおいて、画面サイズに応じ
てフラッシュ同調シャッタ速度を変更する同調速度切替
装置を備えたカメラに関する。

【０００２】

【従来技術およびその問題点】一眼レフカメラにおい
て、フラッシュを発光させるフラッシュ発光モードにな
ると、シャッタ速度を自動的にフラッシュと同調する速
度に切替えるものが知られている。ここで、フラッシュ
同調シャッタ速度は、フラッシュの発光開始から発光終
了までに要する時間に基づいて定められる時間であっ
て、通常一定の規定時間が定められている。つまり、シ
ャッタの全開時間が規定時間と同じかこれよりも長けれ
ば、フラッシュから発光されたフラッシュ光が撮影画面
の全域に入射し得る。そこで従来は、この規定時間をＴ
_Ｃとすると、シャッタが規定時間Ｔ_Ｃ以上全開可能なシ
ャッタ速度を同調速度としていた。

【０００３】シャッタの走行と撮影画面の開放状態との
関係を図６に示した。図６において、縦軸は画面の上下
方向、横軸は時間を表わしている。そして符号５１は、
先幕の後端縁部、符号５３は後幕の先端縁部の走行軌
跡、つまり走行特性曲線を表し、符号６１、６３はそれ
ぞれ通常撮影画面（フルサイズ）の上辺及び下辺の位置
を示している。この図において、先幕走行特性曲線５１
と後幕走行特性曲線５３とで挟まれた領域が、撮影画面
の開放領域である。ここでシャッタ速度をＴ_Ａ、全開時
間をＴ_Ｃとすると、全開時間Ｔ_Ｃは、先幕走行特性曲線
５１が下辺６３を横切る時刻ｔ_Ｘから後幕走行特性曲線
５３が上辺６１を横切る時刻ｔ_Ａまでの時間（ｔ_Ａ−ｔ
_Ｘ）となる。なお、従来のカメラは、先幕の走行と連動
して上記時刻ｔ_Ｘ時にオンするＸ接点スイッチを備えて
いて、Ｘ接点のオンによりフラッシュを発光させてい
た。

【０００４】以上より、フォーカルプレーンシャッタに
おけるフラッシュ同調シャッタ速度（以下「同調速度」
という）の上限（最高シャッタ速度）は、先幕が撮影画
面を全開してから後幕が撮影画面の遮蔽を開始するまで
の時間、つまりシャッタが全開している時間Ｔ_Ｃに依存
していることが分かる。

【０００５】また近年、通常の画面サイズでの撮影のほ
かに、例えば、画面の上下方向のサイズを縮小してパノ
ラマ効果を得るパノラマ画面サイズに画面サイズ切替が
可能なカメラが開発されている。このように画面サイズ
を縮小すると、図６において、有効画面の上辺６１およ
び下辺６３の間隔が狭まるので、標準画面のときと同じ
シャッタ速度でも、画面が全開される時間が長くなる。
ここで同調速度は、特に日中シンクロ撮影時にはできる
だけ速いことが望まれている。しかし従来のカメラで
は、画面サイズにかかわらず、フラッシュ同調シャッタ
速度は一定であった。

【０００６】

【発明の目的】本発明は、画面サイズの変更が可能なカ
メラでは、画面サイズに応じてフラッシュ同調シャッタ
速度を変更できるカメラを提供することを目的とする。

【０００７】

【発明の概要】本発明は、画面サイズを縮小したときに
は、その縮小方向がシャッタ幕の走行方向のときは縮小
画面が全開される時間が長くなることに着目してなされ
たもので、上記フォーカルプレーンシャッタのシャッタ
幕走行方向の画面サイズを変更する画面サイズ切替手段
と、この画面サイズ切替手段により切替られた画面サイ
ズに応じたフラッシュ同調シャッタ速度を選択する同調
速度制御手段と、フォーカルプレーンシャッタと、上記
フォーカルプレーンシャッタのシャッタ幕走行方向の画
面サイズを変更する画面サイズ切替手段と、この画面サ
イズ切替手段により切替られた画面サイズに応じた同調
速度を選択する同調速度制御手段と、を備えたことに特
徴を有する。

【０００８】この構成によれば、撮影画面サイズに応じ
てフラッシュ同調速度が変更されるので、撮影画面サイ
ズに応じた適切なフラッシュ撮影が可能になる。

【０００９】

【実施例】以下図示実施例に基づいて本発明を説明す
る。図１は、本発明を標準画面サイズとパノラマ画面サ
イズとに変更可能な画面サイズ切替手段を備えたカメラ
に適用した実施例のシャッタ動作特性を示すグラフであ
る。このグラフにおいて、符号６１、６３は標準画面の
上辺および下辺位置を示しており、この間の破線は、そ
れぞれパノラマ画面の上辺６５および下辺６７を示して
いる。符号５１は、先幕１７の後端縁部の走行特性曲
線、符号５３は後幕１９の先端縁部の走行特性曲線であ
って、これらの走行特性曲線５１、５３及び辺６１、６
３または辺６５、６７で挟まれた部分がシャッタ開放部
分である。

【００１０】この図から明らかなように、後幕走行特性
曲線５３がパノラマ画面の上辺６５を横切る時刻をｔ_Ａ
とし、全開時間Ｔ_ＣをＸ接点オン時刻ｔ_Ｘから計測する
と、Ｔ_Ｃ≧ｔ_Ａ−ｔ_Ｘが成立すればフラッシュ同調速度
として適していることが分かる。したがって、パノラマ
サイズのときのフラッシュ同調最高速シャッタ速度は、
Ｔ_Ｃ＝ｔ_Ａ−ｔ_Ｘを満足するときの値であることが分か
る。本実施例では、上記式を満足するシャッタ速度をパ
ノラマ同調速度Ｔ_Ｂとしている。パノラマ同調速度Ｔ_Ｂ
は、上記グラフにおいて、パノラマ画面の上辺６５を時
刻ｔ_Ａに横切る後幕走行曲線５３が標準画面の上辺６１
を横切る時刻をｔ_Ｂとすると、式、Ｔ_Ｂ＝ｔ_Ｂ−ｔ_Ｏに
より求まる。したがってパノラマ同調速度Ｔ_Ｂは、標準
同調速度Ｔ_Ａよりもｔ_Ａ−ｔ_Ｂ、つまり、シャッタ後幕
が標準画面の上辺６１からパノラマ画面の上辺６５を通
過する時間だけ速くなることがわかる。

【００１１】次に、フラッシュ同調速度を、上記標準同
調速度Ｔ_Ａとパノラマ同調速度Ｔ_Ｂとの間で切替可能な
フラッシュ同調速度切替装置の実施例の構成について、
図２および図３を参照して説明する。同調速度制御手段
１１は、同調速度選択手段１３と、同調速度設定手段１
５とを備えている。標準同調速度Ｔ_Ａメモリ手段１７お
よびパノラマ同調速度Ｔ_Ｂメモリ手段１９にメモリされ
た同調速度Ｔ_Ａ、Ｔ_Ｂは、一方が択一的に同調速度選択
手段１３により読出され、同調速度設定手段１５に同調
速度として設定（メモり）される。

【００１２】また、画面サイズ切替手段２１は、通常画
面（フルサイズ画面）とパノラマ画面（縮小画面）とを
切替えることが可能である。同調速度設定手段１５は、
画面サイズ切替手段２１により設定された画面サイズに
応じて同調速度の設定を実行する。つまり、通常画面の
ときには標準同調速度Ｔ_Ａを設定し、パノラマ画面のと
きにはパノラマ同調速度Ｔ_Ｂを設定するのである。

【００１３】同調速度設定手段１５に設定された同調速
度Ｔ_Ａ、Ｔ_Ｂは、カメラがフラッシュ発光モードになっ
たときに露出制御手段３１により読出され、その同調速
度Ｔ_Ａ、Ｔ_Ｂでシャッタが制御される。

【００１４】また、このカメラは、露出に関する演算、
制御などを実行する露出制御手段３１と、フォーカルプ
レーンシャッタを構成するシャッタ先幕３３およびシャ
ッタ後幕３５と、これらのシャッタ幕３３、３５の駆動
を制御するドライバ３７、３９と、Ｘ接点４１と、フラ
ッシュ４５を発光させる発光制御装置４３を備えてい
る。なお、カメラは通常撮影レンズ、絞り、測光装置、
レリーズボタン、フィルム巻上げ機構などを備えている
が、本発明の理解には不要なので省略した。

【００１５】上記実施例の動作について、図１を参照し
て説明する。このシャッタ装置は上下走行式のフォーカ
ルプレーンシャッタであって、シャッタ幕３３、３５は
上下方向に走行する。また、シャッタ幕３３、３５は、
レリーズに際して、図示しないシャッタチャージスプリ
ングにより駆動される。シャッタチャージスプリング
は、フィルムの巻上げに連動してチャージされ、機械的
係止手段（図示せず）により係止される。この機械的係
止は、レリーズ時に、設定されたシャッタ速度に応じて
シーケンシャルにドライバ３７、３９により解放され、
チャージスプリングの弾性復元力によりシャッタ幕３
３、３５が走行する。Ｘ接点４１は、先幕３３と連動
し、先幕３３が標準画面を完全に開放した時にオンする
スイッチで、Ｘ接点４１がオンしたことを条件に発光制
御回路４３は、フラッシュ４５を発光させる。

【００１６】画面サイズ切替手段２１としては、撮影画
面の上下部分を遮光板によって覆って感光しないように
するか、あるいは画面の上下辺部分をフィルム巻上げに
際してライトによって感光させるか、あるいは縮小画面
であることを識別する情報を感光させるなどの方法があ
る。図４には、撮影画面の上下部分を遮光板で覆う実施
例を示してある。

【００１７】フルサイズ画面を規制するアパーチャ枠２
０３の上下辺よりも外側に、アパーチャ枠２０３の幅よ
りも長い一対の遮光板２０４、２０５が配設されてい
る。一対の遮光板２０４、２０５は一端部が、画面の短
手方向に延設されたガイド板２０６に摺動自在にガイド
されている。遮光板２０４、２０５の他端部には、逆ね
じが切られた一対のナット２０７、２０８が固定されて
いる。これらのナット２０７、２０８は、アパーチャ枠
２０３の他の短辺の外側に、この短辺と平行に設けられ
た軸２０９の逆ねじ部２０９ａ、２０９ｂにそれぞれ螺
合されている。したがって遮光板２０４、２０５は、軸
２０９が回転すると、その回転方向に応じて互いに接近
するパノラマサイズ形成方向、または離反する通常画面
形成方向に平行移動する。

【００１８】また、この軸２０９は、減速歯車機構２１
０、２１１および２１２を介してモータ２１３により回
転駆動される。モータ２１３は、画面サイズ切替スイッ
チ２１４の切替を受けて駆動制御回路２１５により駆動
され、遮光板２０４、２０５を通常画面サイズ位置また
はパノラマサイズ位置まで駆動する。パノラマサイズ位
置において遮光板２０４、２０５は、これらの縁部２０
４ａ、２０５ｂによりパノラマサイズ画面の上辺および
下辺を規制する。また、遮光板２０４、２０５が通常画
面サイズ位置またはパノラマサイズ位置に達したこと
は、リミットスイッチ２１６、２１７により検出され、
この検出により駆動制御回路２１５は停止する。また、
リミットスイッチ２１６、２１７は、ストッパとしての
作用も果たしている。

【００１９】上記構成からなるフラッシュ同調速度制御
手段１１は、図５のフローチャートに示したように、以
下のように切替動作をする。先ず、画面サイズ切替手段
２１がどの画面サイズに切替わっているかをチェックす
る。通常撮影画面に切替わっていれば標準同調速度Ｔ_Ａ
をメモリ手段１７から読み出して同調速度設定手段１５
に設定し、パノラマ画面に切替わっていればパノラマ同
調速度Ｔ_Ｂをメモリ手Ｑ段１７から読出して同調速度設
定手段１５に設定する。

【００２０】このようにして選択された同調速度Ｔ_Ａ、
Ｔ_Ｂは、カメラの通常の撮影処理において利用される。
例えば、フラッシュ強制発光モードが選択されたとき、
または自動発光モードにおいて測光値（被写体輝度）が
低くてフラッシュ発光モードとなったときに読出され、
露出用シャッタ速度として強制設定される。そして露出
制御手段３１は、上記設定された同調速度Ｔ_ＡまたはＴ
_Ｂでシャッタ幕３３、３５を走行させて露出を開始し、
Ｘ接点４１がオンしたときにフラッシュ４５を発光させ
る。

【００２１】以上、図示実施例ではフラッシュ同調速度
制御手段１１および露出制御手段３１を別個の部材とし
て説明したが、これらは同一のマイクロコンピュータで
構成することができる。

【００２２】以上の通り本実施例では、撮影画面がシャ
ッタ幕の走行方向に向かって変化するときには、特にそ
の撮影画面が縮小され、シャッタ全開時間が長くなると
きには、その全開時間に応じてフラッシュ同調速度を高
速に変更するので、標準画面サイズでの撮影時よりも明
るい被写体に対してフラッシュ同調撮影が可能になる。

【００２３】以上本実施例の説明では、撮影画面を遮光
板によって覆う機械的な画面サイズ変更手段を備えたカ
メラについて説明したが、本発明はこれに限定されな
い。例えば、パノラマ撮影が選択されたときには、撮影
時には何ら機械的に画面サイズを規制しないで、フィル
ムの巻上げに際して、フィルムＦの上下位置に配設した
一対の光源７１により上下部分を感光させてパノラマ画
面を形成したり（図７参照）、パノラマ撮影であること
を識別する識別マーク７４を光源７３によってフィルム
に感光させて、プリントの際にこの識別マーク７４を検
出してパノラマサイズにプリントする構成にしてもよい
（図８参照）。

【００２４】また、本発明はハーフサイズのカメラであ
って、シャッタ幕走行方向に撮影画面のサイズ変更がで
きるものにも適用できる。撮影画面サイズの変更はパノ
ラマサイズに限定されず、要するに、シャッタ幕の走行
方向のサイズを変更するものであれば適用できる。

【００２５】

【発明の効果】以上の通り本発明は、シャッタ幕の走行
方向の画面サイズに応じて、フラッシュ同調速度を変更
できる。上記画面サイズが縮小されたときには、同調速
度を高速に変えることにより、より明るい被写体に対し
ての日中シンクロ撮影が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のフラッシュ同調速度切替装置の一実施
例のシャッタ動作特性を説明するグラフである。

【図２】同フラッシュ同調速度切替装置の要部を示すブ
ロック図である。

【図３】同フラッシュ同調速度切替装置を適用したカメ
ラの露出装置の要部を示す図である。

【図４】同カメラの画面サイズ切換手段の一例の構成を
示す図である。

【図５】同フラッシュ同調速度切替装置の切替動作を示
すフローチャートである。

【図６】シャッタ幕の走行と画面の開放との関係を示す
グラフである。

【図７】別の画面サイズ切換え手段によりパノラマ撮影
したときのフィルムの様子を示す図である。

【図８】さらに別の画面サイズ切換え手段によりパノラ
マ撮影したときのフィルムの様子を示す図である。

【符号の説明】

１１同調速度制御手段１３同調速度選択手段１５同調速度設定手段１７標準同調速度Ｔ_Ａメモリ手段１９パノラマ同調速度Ｔ_Ｂメモリ手段２１画面サイズ切替手段

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】フォーカルプレーンシャッタと、上記フォーカルプレーンシャッタのシャッタ幕走行方向
の画面サイズを変更する画面サイズ切替手段と、この画面サイズ切替手段により切替られた画面サイズに
応じたフラッシュ同調シャッタ速度を選択する同調速度
制御手段と、を備えたことを特徴とするフラッシュ同調
速度切替装置を有するカメラ。
【請求項２】請求項１に記載のカメラは、フラッシュ
の発光を開始させるＸ接点を備え、上記フラッシュ同調
シャッタ速度は、上記Ｘ接点がオンしてから上記選択さ
れた画面が全開している時間に応じて設定されているこ
とを特徴とするフラッシュ同調速度切替装置を有するカ
メラ。
【請求項３】請求項１または２において、上記画面サ
イズ切替手段は、標準画面サイズとシャッタ幕走行方向
のサイズを縮小するパノラマ画面サイズとの間で画面サ
イズを変更し、上記同調速度制御手段は、上記画面サイ
ズがパノラマ画面サイズに切替られたときのフラッシュ
同調シャッタ速度を、上記標準画面サイズのときの上記
フラッシュ同調シャッタ速度よりも高速に変更すること
を特徴とするフラッシュ同調速度切替装置を有するカメ
ラ。