JPH0622218A - エネルギーサブトラクション画像生成方法 - Google Patents

エネルギーサブトラクション画像生成方法

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JPH0622218A
JPH0622218A JP4172601A JP17260192A JPH0622218A JP H0622218 A JPH0622218 A JP H0622218A JP 4172601 A JP4172601 A JP 4172601A JP 17260192 A JP17260192 A JP 17260192A JP H0622218 A JPH0622218 A JP H0622218A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エネルギーサブトラクション画像生成方法に
おいて、ビームハードニングの影響を低減させて高画質
のサブトラクション画像を得る。 【構成】 第一および第二のX線画像信号SO1 ,SO
2 は、画像処理表示装置内の内部メモリから読み出さ
れ、例えば一方に周波数処理が施される。超低空間周波
数に対応する非鮮鋭マスク信号Susを求め、原画像デー
タをSorg 、強調係数をβ、再生画像データをS′とし
たときに、 S′=Sorg +β(Sorg −Sus) で表わせる周波数処理の演算式を用いて、強調係数βを
X線画像信号SO1 の低濃度域では正、それ以外では0
として、X線画像信号SO1 に対して演算を行ない、X
線画像信号SO1 ′,SO2 ′が得られる。次いで、画
像信号SO1 ′,SO2 ′がそれぞれ担持する各X線画
像41,42の相対的な位置合わせが画像信号上で行なわ
れ、各画素毎にサブトラクション処理が行なわれて軟部
画像43が求められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像全面に亘ってより
正確にサブトラクション処理の施された画像を生成する
方法に関し、さらに詳しくは、原画像の空間周波数を補
正することにより場所に依存しない一定のエネルギーサ
ブトラクション係数を使用するエネルギーサブトラクシ
ョン画像生成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】記録された放射線画像を読み取って画像
データを得、この画像データに適切な画像処理を施した
後、画像を再生記録することが種々の分野で行われてい
る。たとえば、後の画像処理に適合するように設計され
たガンマ値の低いX線フイルムを用いてX線画像を記録
し、このX線画像が記録されたフイルムからX線画像を
読み取って電気信号に変換し、この電気信号(画像デー
タ)に画像処理を施した後コピー写真等に可視像として
再生することにより、コントラスト,シャープネス,粒
状性等の画質性能の良好な再生画像を得ることの出来る
システムが開発されている(特公昭61−5193号公報参
照)。
【0003】また本出願人により、放射線(X線,α
線,β線,γ線,電子線,紫外線等)を照射するとこの
放射線エネルギーの一部が蓄積され、その後可視光等の
励起光を照射すると蓄積されたエネルギーに応じた光量
の輝尽発光光を放射する蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)
を利用して、人体等の被写体の放射線画像を一旦シート
状の蓄積性蛍光体に撮影記録し、蓄積性蛍光体シートを
レーザ光等の励起光で走査して輝尽発光光を生ぜしめ、
得られた輝尽発光光を光電的に読み取って画像信号を
得、この画像信号に基づいて被写体の放射線画像を写真
感光材料等の記録材料、CRT等に可視像として出力さ
せる放射線記録再生システムがすでに提案されている
(特開昭55-12429号,同56-11395号,同55-0163472号,
同56-164645 号,同55-116340 号等)。
【0004】このシステムは、従来の銀塩写真を用いる
放射線写真システムと比較して極めて広い放射線露光域
にわたって画像を記録し得るという実用的な利点を有し
ている。すなわち、放射線露光量に対する、蓄積後に励
起によって発光する輝尽発光光の光量が極めて広い範囲
に渡って比例することが認められており、従って種々の
撮影条件により放射線露光量がかなり大幅に変動して
も、蓄積性蛍光体シートより放射される輝尽発光光を読
取りゲインを適当な値に設定して光電変換手段により読
み取って電気信号(画像データ)に変換し、この画像デ
ータを用いて写真感光材料、CRT等の表示装置に放射
線画像を可視像として出力することによって、放射線露
光量の変動に影響されない放射線画像を得ることができ
る。
【0005】上記のようにX線フイルムや蓄積性蛍光体
シート等を用いるシステムにおいて、記録された複数の
放射線画像を読み取って複数の画像データを得た後、こ
れらの画像データに基づいて上記放射線画像のサブトラ
クション処理を施すことがある。
【0006】ここで、放射線画像のサブトラクション処
理とは、互いに異なった条件で撮影された複数の放射線
画像の差に対応する画像を得る処理をいい、具体的には
これら複数の放射線画像を所定のサンプリング間隔で読
み取って各放射線画像に対応する複数のディジタルの画
像信号を得、これら複数のディジタルの画像信号の各対
応するサンプリング点毎に減算処理を施すことにより、
放射線画像中の特定の被写体部分のみを強調または抽出
した放射線画像を得る処理をいう。
【0007】このサブトラクション処理には基本的には
次の二つがある。すなわち、造影剤の注入により被写体
の特定の部分(たとえば人体を被写体としたときの血管
等)が強調された放射線画像から造影剤が注入されてい
ない放射線画像を引き算(サブトラクト)することによ
って被写体の特定の部分(たとえば血管等)を抽出する
いわゆる時間サブトラクションと、被写体の特定の部分
が互いに異なるエネルギーを有する放射線に対して異な
る放射線吸収率を有することを利用して、同一の被写体
に対して互いに異なるエネルギーを有する放射線を照射
してこれら互いに異なるエネルギーを有する各放射線に
よる複数の放射線画像を得、これら複数の放射線画像を
適当に重み付けしてその差を演算することによって被写
体の特定部分を抽出するいわゆるエネルギーサブトラク
ションとがある。さらに、このエネルギーサブトラクシ
ョン処理は次の2種類のものがある。1つは、被写体を
透過した放射線のエネルギー分布を変化させ、変化させ
る前の放射線画像と、変化させた後の放射線画像との間
でサブトラクトを行なう、いわゆるワンショットエネル
ギーサブトラクションと、もう1つは、被写体をそれぞ
れ別々に透過した、互いにエネルギー分布のことなる複
数の放射線の放射線画像間でサブトラクトを行なう、い
わゆるツーショットエネルギーサブトラクションであ
る。例えば前者は、蓄積性蛍光体シートを銅板等の放射
線分離フィルタを間に介して少なくとも2枚積層させ
て、あるいは互いに放射線吸収特性の異なる蓄積性蛍光
体シートを少なくとも2枚積層させて撮影を行ないそれ
ぞれ異なる放射線画像を蓄積性蛍光体シートに記録する
方法により行なわれ、また後者は、撮影位置の蓄積性蛍
光体シートを高速で交換するとともに、被写体に高エネ
ルギー、低エネルギーの放射線をX線管の管電圧を高速
で切り換えることにより照射し、各放射線による放射線
画像をそれぞれのシートに記録する方法により行なわれ
る。本出願人も蓄積性蛍光体シートを用いたエネルギー
サブトラクションについて提案している(特開昭59-834
86号公報,特開昭60-225541 号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記エネルギーサブト
ラクション処理に関し、被写体の放射線撮影を行なう
際、所定のエネルギー分布を有する放射線を被写体に照
射すると、被写体の各部分毎に放射線透過率が異なり、
しかも低エネルギーの放射線ほど透過率が低いため、放
射線が被写体と透過するにしたがって放射線のエネルギ
ー分布が全体として高エネルギー側に片寄るいわゆるビ
ームハードニングの現象が生じ、しかもこの片寄りの程
度は被写体の各部分毎に異なることとなる。
【0009】一方、上記エネルギーサブトラクション処
理は、互いにエネルギーの異なる放射線に対する被写体
を構成する各組織の放射線透過率の相違を利用して該被
写体の所望とする組織の陰影が抽出もしくは強調された
画像を得るものであるため、被写体の各部分毎に互いに
程度の異なるビームハードニングが生じると、画像のあ
る一部領域では不要な組織がきれいに消去されて所望と
する組織のみを抽出すことができても、画像の他の一部
領域では不要な組織の陰影が残ってしまうという現象が
生じ、このことがサブトラクション処理後の画像の画質
を低下させる一因となっていた。
【0010】また、上記エネルギーサブトラクション処
理後の画像は処理前の複数の放射線画像(以下エネルギ
ーサブトラクション処理前の放射線画像を「原画像」と
称する。)を減算処理することにより得られた画像であ
るため、原画像と比べS/N比が低下し見にくい画像と
なってしまうという問題がある。
【0011】本出願人は、エネルギーサブトラクション
を行なう複数の画像データに基づいて求められた複数の
放射線画像の平均的な画像(いわゆるボケ画像)を表わ
す画像データに応じて、各画素毎にパラメータを変更し
ながら該各画素のサブトラクション処理を行なうことに
より、被写体の各部分毎に異なるビームハードニングの
影響を十分に低減させ、高画質のサブトラクション画像
を得ることのできるエネルギーサブトラクション画像生
成方法を提案している(特開平3-289277号公報参照)。
【0012】しかしながら、上述したようなボケ画像を
表わす画像データを用いてサブトラクション処理を行な
うには、場所ごとに異なるエネルギーサブトラクション
係数を用いなければならず、その係数を最適に設定する
ことが非常に困難である。
【0013】したがって、本発明は、上記事情に鑑み、
エネルギーサブトラクション係数を容易に設定でき、か
つ、被写体の各部分毎にビームハードニングの程度が異
なっても、その影響を十分に低減させることができ、し
たがって高画質のサブトラクション画像を得ることので
きるエネルギーサブトラクション画像生成方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0014】また、本発明のもう一つの目的は、上述し
た目的を達成しつつ、サブトラクション処理前の原画像
とほぼ同程度にまでノイズを低減した観察適性の優れた
サブトラクション画像を生成する方法を提供することに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のエネルギーサブ
トラクション画像生成方法は、互いに放射線吸収率の異
なる複数の組織から構成される被写体を透過した、エネ
ルギー分布が互いに異なる放射線を記録して得られた複
数の放射線画像のそれぞれを表わす複数の原画像データ
のうち少なくとも一つの原画像データに対して、超低空
間周波数に対応する非鮮鋭マスク信号Susを求め、該原
画像データをSorg 、強調係数をβ、再生画像データを
S′としたときに、演算式 S′=Sorg +β(Sorg −Sus) で表わせる周波数処理の演算を行ない、この周波数処理
により得られた画像データと該周波数処理の行なわれて
いない前記原画像データに応じて、もしくは、該周波数
処理により得られた複数の画像データに応じてサブトラ
クション処理を行なうことにより、前記被写体中の所望
とする組織の陰影が抽出もしくは強調されたサブトラク
ション画像データを求めるエネルギーサブトラクション
画像生成方法であって、前記強調係数βを、前記原画像
データが比較的高エネルギーによる画像である場合には
該原画像データの低濃度域においては負、それ以外にお
いては0となり、該原画像データが比較的低エネルギー
による画像である場合には該画像データの低濃度域にお
いて正、それ以外では0となるように該原画像データの
濃度に応じて変化させることを特徴とするものである。
【0016】また、本発明の第二のエネルギーサブトラ
クション画像生成方法は、互いに放射線吸収率の異なる
複数の組織から構成される被写体を透過した、エネルギ
ー分布が互いに異なる放射線を記録して得られた複数の
放射線画像のそれぞれを表わす複数の原画像データのう
ち少なくとも一つの原画像データに対して、超低空間周
波数に対応する非鮮鋭マスク信号Susを求め、該原画像
データをSorg 、強調係数をβ、再生画像データをS′
としたときに、演算式 S′=Sorg +β(Sorg −Sus) で表わせる周波数処理の演算を行ない、この周波数処理
により得られた画像データと該周波数処理の行なわれて
いない前記原画像データに基づいて、もしくは、該周波
数処理により得られた複数の画像データに基づいて、前
記被写体中の主として第一の組織が記録された第一の画
像を表わす第一の画像データを求め、前記第一の画像デ
ータを処理することにより前記第一の画像のノイズ成分
が低減または除去された第一の平滑化画像を表わす第一
の平滑化画像データを求め、前記原画像データから前記
平滑化画像データを減算処理することにより、前記被写
体の主として第二の組織が記録された第二の画像を表わ
す第二の画像データを求めるエネルギーサブトラクショ
ン画像生成方法であって、前記強調係数βを、前記原画
像データが比較的高エネルギーによる画像である場合に
は該原画像データの低濃度域においては負、それ以外に
おいては0となり、該原画像データが比較的低エネルギ
ーによる画像である場合には該画像データの低濃度域に
おいて正、それ以外では0となるように該原画像データ
の濃度に応じて変化させることを特徴とするものであ
る。
【0017】ここで、上記第二の方法を実施するに際
し、上記第二の方法をさらに細かなステップに分解する
ことや演算の順序を変更すること等表面的には各種変形
した方法を採用して上記第二の方法と実質的同一の方法
を実現することができる態様もあり、本発明は実質的同
一の各種方法を包含する概念として把握されるものであ
る。
【0018】また、本発明の第三のエネルギーサブトラ
クション画像生成方法は、互いに放射線吸収率の異なる
複数の組織から構成される被写体を透過した、エネルギ
ー分布が互いに異なる放射線を記録して得られた複数の
放射線画像のそれぞれを表わす複数の原画像データのう
ち少なくとも一つの原画像データに対して、超低空間周
波数に対応する非鮮鋭マスク信号Susを求め、該原画像
データをSorg 、強調係数をβ、再生画像データをS′
としたときに、演算式 S′=Sorg +β(Sorg −Sus) で表わせる周波数処理の演算を行ない、この周波数処理
により得られた画像データと該周波数処理の行なわれて
いない前記原画像データに基づいて、もしくは、該周波
数処理により得られた複数の画像データに基づいて、前
記被写体中の主として第一の組織が記録された第一の画
像を表わす第一の画像データを求める第一の処理を行な
った後、前記第一の画像データを処理することにより前
記第一の画像のノイズ成分が低減された第一の平滑化画
像を表わす第一の平滑化画像データを求めて、前記原画
像データから該第一の平滑化画像データを減算処理する
ことにより、前記被写体の主として第二の組織が記録さ
れた第二の画像を表わす第二の画像データを求める第二
の処理を行ない、該第二の処理の後、前記第二の画像デ
ータを処理することにより前記第二の画像のノイズ成分
が低減された第二の平滑化画像を表わす第二の平滑化画
像データを求めて、前記原画像データから該第二の平滑
化画像データを減算処理することにより、前記被写体の
主として第一の組織が記録された新たな第一の画像を表
わす新たな第一の画像データを求める第三の処理を行な
うエネルギーサブトラクション画像生成方法であって、
前記強調係数βを、前記原画像データが比較的高エネル
ギーによる画像である場合には該原画像データの低濃度
域においては負、それ以外においては0となり、該原画
像データが比較的低エネルギーによる画像である場合に
は該画像データの低濃度域において正、それ以外では0
となるように該原画像データの濃度に応じて変化させる
ことを特徴とするものである。
【0019】ここで前記第三のエネルギーサブトラクシ
ョン画像生成方法における前記第二の処理、第三の処理
を繰り返し行ない、これによりさらに画質性能の良好な
画像を得ることも可能である。すなわち、本発明の第四
のエネルギーサブトラクション画像生成方法は、前記第
三のエネルギーサブトラクション画像生成方法における
各処理を行なった後、前記第三の処理により求められた
前記新たな第一の画像データを前記第二の処理における
前記第一の画像データとして再度前記第二の処理を行な
うことにより、前記被写体の主として前記第二の組織が
記録された新たな第二の画像を表わす新たな第二の画像
データを求める新たな第二の処理と、該新たな第二の画
像データを前記第三の処理における前記第二の画像デー
タとして再度前記第三の処理を行なうことにより、前記
被写体の主として前記第一の組織が記録された新たな第
一の画像を表わす新たな第一の画像データを求める新た
な第三の処理とを一回または複数回繰り返すことを特徴
とするものである。
【0020】また、前記第三もしくは第四のエネルギー
サブトラクション画像生成方法を適用して、最終的に被
写体の第二の画像データを求めることも可能である。す
なわち、本発明の第五のエネルギーサブトラクション画
像生成方法は、前記第三もしくは第四のエネルギーサブ
トラクション画像生成方法における処理を行なった後、
前記第三の処理もしくは前記新たな第三の処理により求
められた前記新たな第一の画像データを前記第二の処理
もしくは前記新たな第二の処理における前記第一の画像
データとして再度前記第二の処理もしくは前記新たな第
二の処理を行なうことにより、前記被写体の主として前
記第二の組織が記録された新たな第二の画像を表わす新
たな第二の画像データを求めることを特徴とするもので
ある。
【0021】ここで上記第三〜第五のエネルギーサブト
ラクション画像生成方法には、上記第二のエネルギーサ
ブトラクション画像生成方法と同様なステップが含まれ
ており、したがって上記第二のエネルギーサブトラクシ
ョン画像生成方法について説明したのと同様に、上記第
三〜第五のエネルギーサブトラクション画像生成方法も
実質同一の各種の態様を包含する概念として把握される
ものである。また、実質同一を含めた上記各方法を含み
さえすれば本発明に含まれることは当然であり、例えば
本発明を実施する前に他の方法によるノイズ低減化処理
等のステップが含まれていてもよく、本発明を実施した
後にさらにノイズを低減化させるための他のステップが
含まれていてもよい。
【0022】なお、上記各エネルギーサブトラクション
画像生成方法における「第一の画像」(上記「新たな第
一の画像」を含む)と上記「第二の画像」(上記「新た
な第二の画像」を含む)はエネルギーサブトラクション
処理により得られた、同一被写体の互いに異なる組織の
陰影が強調もしくは抽出された2つの画像をいい、特定
のものに限定されるものではないが、例えば前述した軟
部画像と骨部画像や、人体の乳房を被写体とした場合
の、乳房が強調された画像と悪性腫瘍が強調された画像
等をいう。
【0023】
【作用】ビームハードニングは放射線が入射する被写体
の前面と該被写体から射出する背面との間の、被写体の
厚み方向のトータルとしての透過率により定まり、した
がってビームハードニングの各部分毎の差は、放射線画
像上で濃度(画像データの値)と相関がある。そこで本
発明は、少なくとも一つの原画像データに対して、超低
空間周波数に対応する非鮮鋭マスク信号Susを求め、該
原画像データをSorg 、強調係数をβ、再生画像データ
をS′としたときに、演算式 S′=Sorg +β(Sorg −Sus) で表わせる周波数処理の演算を行ない、この後に、各画
素のサブトラクション処理を施すようにしたものであ
る。なお、この周波数処理において特徴的なことは、前
記強調係数βを、前記原画像データが比較的高エネルギ
ーによる画像である場合には該原画像データの低濃度域
においては負、それ以外においては0となり、該原画像
データが比較的低エネルギーによる画像である場合には
該画像データの低濃度域において正、それ以外では0と
なるように該原画像データの濃度に応じて変化させるこ
とである。
【0024】ここで原画像データを上述のように低濃度
域において高空間周波数を補正することにより、骨部の
コントラストを強調して前述したようなビームハードニ
ングの影響を低減でき、したがって高画質のサブトラク
ション画像を得ることができる。また、本発明において
は、場所ごとに依存する係数を用いたボケ画像とは異な
り、アーチファクトの生じることはない。
【0025】なお、前記低濃度域とそれ以外の濃度との
しきい値および強調係数βの大きさは、通常実験的、経
験的に定められる。
【0026】また、通常エネルギーサブトラクション処
理により得られた画像は、サブトラクション処理を行な
ったためにS/N比が低下したものである。本発明の第
二のエネルギーサブトラクション画像生成方法は、この
点に注目して検討されたものである。
【0027】すなわち、この方法は、上述したような周
波数処理の後にサブトラクション処理により得られる2
つの画像(第一の画像および第二の画像)のうちの一方
の第一の画像を求め、この画像にノイズ部分が低減また
は除去された第一の平滑化画像を求め、原画像からこの
第一の平滑化画像を減算処理するようにしたため、もと
の原画像と同程度まで、ノイズが低減され観察適性の優
れた第二の画像が生成される。
【0028】ここで、高画質の第二の画像を得るために
は、上記第一の平滑化画像を求めるに際して被写体の第
一の組織の陰影は保存したままノイズ成分のみを削除す
る必要がある。ところが第一の組織の陰影とノイズ成分
とはその空間周波数成分の一部が互いに異なっており、
このため極力ノイズ成分のみを取り除くような非線形フ
ィルタを用いたとしても第一の組織の陰影とノイズ成分
との完全な分離にはおのずから限界がある。
【0029】そこで、本発明の第三〜第五のエネルギー
サブトラクション画像生成方法は、一回のノイズ低減化
処理でノイズを完全に分離することを放棄し、ノイズ低
減化処理を繰り返し行なうことにより、ノイズが低減化
された観察適性の優れた画像を生成するものである。
【0030】すなわち、本発明の第三のエネルギーサブ
トラクション画像生成方法は、第一の画像データを処理
することによりノイズ成分を低減し、その後第二の画像
データを求めて該第二の画像データを処理することによ
りさらにノイズ成分を低減することにより新たな第一の
画像データを求めるようにしたものであり、上記2回の
ノイズ低減化処理においてそれぞれ得意とするノイズ成
分の低減化を行なうことができ、上記第二のエネルギー
サブトラクション画像生成方法よりもさらにノイズが低
減された、さらに観察適性の優れた画像が生成される。
【0031】また、本発明の第四のエネルギーサブトラ
クション画像生成方法は、上記第三のエネルギーサブト
ラクション画像生成方法を繰り返すことによりさらにノ
イズ低減化を図るものであり、各ノイズ低減化処理にお
いて互いに得意とするノイズ低減化処理を分担させるこ
とができ、さらにノイズが低減された画像が生成され
る。
【0032】また、本発明の第五のエネルギーサブトラ
クション画像生成方法は、上記第三もしくは第四のエネ
ルギーサブトラクション画像生成方法を行なった後、こ
の第三もしくは第四のエネルギーサブトラクション画像
生成方法により得られた新たな第一の画像データについ
てノイズ低減化処理を行なって原画像との減算処理を行
なうようにしたため、ノイズ成分の低減化された新たな
第二の画像が生成される。
【0033】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を
詳細に説明する。なお、ここでは前述した蓄積性蛍光体
シートを用いる例について説明する。
【0034】図1は、X線撮影装置の概略図である。
【0035】このX線撮影装置1のX線管2から発せら
れたX線3により被写体(人体の胸部)4が照射され
る。被写体4を透過したX線3aは第一の蓄積性蛍光体シ
ート5に照射され、X線3aのエネルギーのうち比較的低
エネルギーのX線が該第一の蓄積性蛍光体シート5に蓄
積され、これにより該シート5に被写体4のX線画像が
蓄積記録される。シート5を透過したX線3bはさらに低
エネルギーのX線をカットするフィルタ6を透過し、該
フィルタ6を透過した高エネルギーX線3cが第二の蓄積
性蛍光体シート7に照射される。これにより該シート7
にも被写体4のX線画像が蓄積記録される。被写体4に
は、サブトラクション処理を行なうにあたって2つのX
線画像の位置合わせを行なうための基準となる2つのマ
ーク8が付されている。
【0036】なお、上記X線撮影装置は一回の撮影で2
つのシート5,7にX線画像を蓄積記録するものである
が、時間的に相前後した2つのタイミングでそれぞれ1
枚ずつ撮影を行なってもよい。
【0037】図2は、X線画像読取装置と本発明のエネ
ルギーサブトラクション画像生成方法を実施する画像処
理表示装置の一例を示す斜視図である。
【0038】図1に示すX線撮影装置1で撮影が行なわ
れた後、第一および第二の蓄積性蛍光体シート5,7が
一枚ずつX線画像読取装置10の所定位置にセットされ
る。ここでは、第一の蓄積性蛍光体シート5に蓄積記録
された第一のX線画像の読取りの場合について説明す
る。
【0039】所定位置にセットされた、第一のX線画像
が蓄積記録された蓄積性蛍光体シート5は、図示しない
駆動手段により駆動されるエンドレスベルト等のシート
搬送手段15により、矢印Y方向に搬送(副走査)され
る。一方、レーザ光源16から発せられた光ビーム17はモ
ータ18により駆動され矢印Z方向に高速回転する回転多
面鏡19によって反射偏向され、fθレンズ等の集束レン
ズ20を通過した後、ミラー21により光路をかえて蓄積性
蛍光体シート14に入射し、副走査の方向(矢印Y方向)
と略直角な矢印X方向に主走査する。蓄積性蛍光体シー
ト14の、光ビーム17が照射された箇所からは、蓄積記録
されているX線画像情報に応じた光量の輝尽発光光22が
発せられ、この輝尽発光光22は光ガイド23によって導か
れ、フォトマルチプライヤ(光電子増倍管)24によって
光電的に検出される。光ガイド23はアクリル板等の導光
性材料を成形して作られたものであり、直線状をなす入
射端面23a が蓄積性蛍光体シート14上の主走査線にそっ
て延びるように配され、円環状に形成された射出端面23
b にフォトマルチプライヤ24の受光面が結合されてい
る。入射端面23a から光ガイド23内に入射した輝尽発光
光22は、該光ガイド23の内部を全反射を繰り返して進
み、射出端面23b から射出してフォトマルチプライヤ24
に受光され、放射線画像を表わす輝尽発光光22がフォト
マルチプライヤ24によって電気信号に変換される。
【0040】フォトマルチプライヤ24から出力されたア
ナログ信号Sは、ログアンプ25で対数的に増幅された
後、A/D変換器26に入力され、サンプリングされて、
デジタルの画像信号S0が得られる。この画像信号S0
は第一の蓄積性蛍光体シート5に蓄積記録された第一の
X線画像を表わすものであり、第一の画像信号S01
呼ぶ。この第一の画像信号S01 は画像処理表示装置30
内の内部メモリに一旦記憶される。
【0041】この画像処理表示装置30には、種々の指示
を入力するキーボード31、指示のための補助情報や画像
信号に基づく可視画像を表示するCRTディスプレイ3
2、補助記憶媒体としてのフロッピィディスクが装填さ
れ駆動されるフロッピィディスクドライブ部33、および
CPUや内部メモリが内蔵された本体部34が備えられて
いる。
【0042】次に上記と同様にして、第二の蓄積性蛍光
体シート7に蓄積記録された第二のX線画像を表わす第
二の画像信号S02 が得られ、この第二の画像信号S0
2 も画像処理表示装置30内の内部メモリに一旦記憶され
る。
【0043】図3は、画像処理表示装置内の内部メモリ
に記憶された第一および第二のX線画像を表わす2つの
画像信号SO1 ,SO2 に基づいて、該画像処理表示装
置内で行なわれる処理の流れを表わした図である。
【0044】画像処理表示装置内の内部メモリに記憶さ
れた、第一および第二のX線画像信号SO1 ,SO
2 は、図3に示すそれぞれ第一のX線画像41、第二のX
線画像42を担持する信号である。第一のX線画像41は比
較的低エネルギーX線による画像であり、第二のX線画
像42は比較的高エネルギーX線による画像であるが、互
いに軟部および骨部の濃度は異なるものの両者ともこれ
ら軟部および骨部の双方が記録された原画像である。
【0045】これら第一および第二のX線画像信号SO
1 ,SO2 は、図2に示す画像処理表示装置30内の内部
メモリから読み出され、少なくとも一方の画像信号に以
下に示すような周波数処理が施される。すなわち、超低
空間周波数に対応する非鮮鋭マスク信号Susを求め、原
画像データをSorg 、強調係数をβ、再生画像データを
S′としたときに、 S′=Sorg +β(Sorg −Sus) で表わせる周波数処理の演算式を用いて、(1)前記強
調係数βを前記X線画像信号SO1 の低濃度域において
は正、それ以外では0として、該X線画像信号SO1
対して演算を行なう;(2)前記強調係数βを前記X線
画像信号SO2 の低濃度域において負、それ以外では0
として、該X線画像信号SO2 に対して演算を行なう;
(3)前記強調係数βを前記X線画像信号SO1 の低濃
度域においては正、それ以外では0として、該X線画像
信号SO1 に対して演算を行ない、さらに前記強調係数
βを前記X線画像信号SO2 の低濃度域において負、そ
れ以外では0として、該X線画像信号SO2 に対して演
算を行なう、のいずれかの周波数処理が施される。図4
は、上述した周波数処理を行なう演算式における強調係
数を示すグラフであり、比較的高エネルギーによる画像
の周波数処理を行なう演算式における強調係数を(a)
に、比較的低エネルギーによる画像の周波数処理を行な
う演算式における強調係数を(b)に示す。このような
周波数処理は、前述したようなビームハードニングによ
り高エネルギー側に片寄った、すなわち、比較的低エネ
ルギーによるX線画像の低濃度域が高濃度となったX線
画像による、サブトラクション処理の際の影響を補正す
ることができる。このように、周波数処理の施されたX
線画像信号SO1 ′,SO2 ′が得られる(いずれか一
方のみに周波数処理が施された場合、もう一方は周波数
処理が施されずにそのまま用いられるが、ここでは便宜
上X線画像信号SO1 ′,SO2 ′により両者を表わす
ものとする)。
【0046】次いで、これら2つの画像信号SO1 ′,
SO2 ′がそれぞれ担持する各X線画像41,42の相対的
な位置合わせが画像信号上で行なわれる(特開昭58-163
338号公報参照)。この位置合わせは、図1に示す2つ
のマーク8が重なるように2つのX線画像を相対的に直
線的な移動および回転移動を行なうことにより行なわれ
る。なお、前述した階調処理により各画像内の相対的な
位置関係は実質的に変化がなく、濃度だけの変更である
ので、この位置合わせを前記周波数処理の前に行なって
もよい。
【0047】このように、周波数処理が施されて画像信
号SO1 ′,SO2 ′が得られ、位置合わせも行なわれ
た後に、各画素毎に式
【0048】
【数1】
【0049】に従ってサブトラクション処理が行なわ
れ、被写体4の骨部の陰影が消去されるとともに軟部の
陰影のみが抽出された軟部画像43(図3参照)が求めら
れる。ここで、Ka,Kbは2つの画像信号SO1 ′,
SO2 ′の重み付けを定めるパラメータ、Kcはバイア
ス分を定めるパラメータであり、本実施例では各パラメ
ータKa,Kb,Kcとも定数となる。
【0050】これらの定数があらかじめ画像処理表示装
置30内のメモリ(本発明にいうパラメータ記憶手段)に
記憶されており、上記(1)式に従ってサブトラクショ
ン処理を行なう際に参照される。
【0051】上記(1)式に従って求められた軟部画像
信号S1は画像処理表示装置30のCRTディスプレイ32
に送られ、この軟部画像信号S1に基づく可視画像がC
RTディスプレイ32に再生表示される。
【0052】また、上記実施例は軟部画像信号S1を求
める例であるが骨部画像44(図3参照)を観察対象とす
る場合は、骨部画像用のパラメータを用いて骨部画像信
号S2を求めればよい。
【0053】続いて本発明の第二のエネルギーサブトラ
クション画像生成方法を実施例を参照しながら説明す
る。なおこの実施例は、上述した本発明の第一のエネル
ギーサブトラクション画像生成方法の実施例と同様に、
図1に示すX線撮影装置および、図2に示すX線画像読
取装置と画像処理表示装置を用いて説明される。
【0054】図5は、画像処理表示装置内の内部メモリ
に記憶された第一および第二のX線画像を表わす2つの
画像信号S011,S012に基づいて、該画像処理表示装
置内で行なわれる処理の流れの一例を表わした図であ
る。
【0055】画像処理表示装置内の内部メモリに記憶さ
れた、第一および第二のX線画像信号S011,S0
12は、図5に示すそれぞれ第一のX線画像51,第二のX
線画像52を担持する信号である。第一のX線画像51は比
較的低エネルギーX線による画像であり、第二のX線画
像52は比較的高エネルギーX線による画像であるが、互
いに軟部および骨部の濃度は異なるものの両者ともこれ
ら軟部および骨部の双方が記録された原画像である。
【0056】これら第一および第二のX線画像信号SO
11,SO12は、図2に示す画像処理表示装置30内の内部
メモリから読み出され、少なくとも一方の画像信号に上
述した実施例と同様な周波数処理が施される。このよう
に、周波数処理の施されたX線画像信号SO11′,SO
12′が得られる(いずれか一方のみに周波数処理が施さ
れた場合、もう一方は周波数処理が施されずにそのまま
用いられるが、ここでは便宜上X線画像信号SO11′,
SO12′により両者を表わすものとする)。
【0057】次いで、これら2つの画像信号SO11′,
SO12′がそれぞれ担持する各X線画像51,52の相対的
な位置合わせが画像信号上で行なわれる(特開昭58-163
338号公報参照)。この位置合わせは、図1に示す2つ
のマーク8が重なるように2つのX線画像を相対的に直
線的な移動および回転移動を行なうことにより行なわれ
る。なお、前述した階調処理により各画像内の相対的な
位置関係は実質的に変化がなく、濃度だけの変更である
ので、この位置合わせを前記階調処理の前に行なっても
よい。
【0058】この後、サブトラクション処理が行なわれ
る。
【0059】ここでX線の吸収係数μを、被写体の軟部
と骨部、および低エネルギーX線と高エネルギーX線と
に分けて次のように定める。
【0060】 μL T :低エネルギーX線による軟部の吸収係数 μH T :高エネルギーX線による軟部の吸収係数 μL B :低エネルギーX線による骨部の吸収係数 μH B :高エネルギーX線による骨部の吸収係数 このとき、2つの画像信号SO11′,SO12′の互いに
対応する画素毎に、式
【0061】
【数2】
【0062】ただしCはバイアス成分を表わすに従って
重み付け引き算を行なうことによって、骨部の陰影が抽
出された骨部画像53(図5参照)を表わす骨部画像信号
S11が求められる。
【0063】また、式
【0064】
【数3】
【0065】ただしC′はバイアス成分を表わすに従っ
て重み付け引き算を行なうことにより軟部画像を表わす
軟部画像信号S12を求めることができるが、本実施例
ではこの演算は不必要である。
【0066】さらに、式
【0067】
【数4】
【0068】に従って互いに対応する各画素毎に加算処
理を行なうことにより2つのX線画像51,52の重ね合わ
せ画像54が生成される。この重ね合わせ画像54も軟部お
よび骨部の双方が記録された原画像である。この重ね合
わせ画像54に代えてX線画像51もしくはX線画像52を用
いることも可能であるが、重ね合わせ画像54は2つのX
線画像51,52を重ね合わたものであるためこれら各X線
画像のいずれと比べてもノイズ成分が低減されており、
したがってその後の処理に有利となる。
【0069】次に骨部画像信号S11を処理することに
より、骨部画像53に含まれるノイズ成分の抽出が行なわ
れる。
【0070】図6は、骨部画像および骨部画像信号を処
理して求めた画像の、空間周波数fに対するスペクトル
を表わした図である。
【0071】図に示すグラフ61が骨部画像53のスペクト
ルを表わしており、ノイズ成分63が含まれている。
【0072】ここで、先ず、骨部画像信号S11に平滑
化処理が行なわれる。この平滑化処理方法としては、例
えば各画素に対し該画素を中心とした所定領域内の各画
素に対応する画像信号の平均を求め、この平均値を中心
の画素の画像信号とする単純な平均化処理方法、上記所
定領域内の画像信号の中央値(メジアン)を中心の画素
の画像信号とするというメジアンフィルタを用いる方
法、上記所定領域内をさらに複数の小領域に分け、各小
領域毎に分散を求めて分散の最も小さい小領域の平均値
を中央の画素の画像信号の値とするエッジ保存フィルタ
(V−フィルタ)を用いる方法、画像信号をフーリエ変
換し、ノイズ成分に対応する高空間周波数成分を取り除
いた後逆フーリエ変換する方法等を用いることができる
が、上記ボケマスク処理方法はエッジがぼけるという欠
点を有し、また上記メジアンフィルタを用いる方法は画
素を入れ替えることになるので等高線状のアーチファク
トが発生する場合があり、さらに上記エッジ保存フィル
タを用いるとハニカム状のアーチファクトが発する場合
があり、フーリエ変換する方法は演算に時間がかかると
いう問題がある。そこで本実施例では、上記いずれの方
法とも異なる以下に示すヒストグラム適応フィルタを用
いた平滑化が行なわれる。この方法を用いると画像情報
として必要なエッジ(互いに異なる2つの組織の陰影の
境界を定めるステップ状の濃度変化)を保存したままか
つ上記アーチファクトなしにノイズを除去することがで
き、また簡単な演算で短時間にノイズを除去することが
できるという長所を有する。
【0073】まず骨部画像の各画素毎に該画素を中心と
した所定領域内の多数の画素の画像信号S11のヒスト
グラムを作成する。
【0074】図7(a),(b)は、上記のようにして
求めた、ある画素(画像信号S11′)を中心とした所
定領域内の多数の画素に対応する画像信号S11の出現
頻度をプロットした、互いに異なる2つのヒストグラム
を表わした図であり、図8は、画像信号S11と中央の
画素の画像信号S11′との差を変数とした関数の一例
を表わした図である。
【0075】図7(a),(b)に示すようなヒストグ
ラムを表わす関数を一般にh(S11)で表わし、絶対
値|S11−S11′|が増加するに従って単調減少す
る、例えば図8に示すような関数をf(S11−S1
1′)とする。このとき、式
【0076】
【数5】
【0077】に従って処理後の頻度を表わす関数g(S
11)を求める。この関数g(S11)は、関数h(S
11)が図7(a)に示すように複数の山を有する場合
は中央の画素の画像信号S11′が属する山のみを抽出
する作用を有する。
【0078】上記(5)式に従って関数g(S11)を
求めた後、該関数g(S11)で重みづけをした画像信
号S11の平均的な値〈S11〉を求める。すなわち、
具体的には例えば関数g(S11)の一次モーメントが
次式に従って求められる。
【0079】
【数6】
【0080】骨部画像の各画素をそれぞれ中心の画素と
して上記(5),(6)式に従う処理が行なわれ、これ
により平滑化画像信号〈S11〉(簡単のため、各画素
に対応する画像信号と画像全体を表わす画像信号とで同
一の記号を用いている。)が求められる。この平滑化画
像信号〈S11〉は図6のグラフ62に示すように、主と
してもとの骨部画像信号S11の高空間周波数成分を取
り除いた信号であるが、エッジ近傍の画素については図
7(a)に示すようにその画素の属する山のみを抽出し
た後の平均的な値を求めた信号であるため、もとの骨部
画像中のエッジはぼけることなく保存されている。
【0081】次に各画素毎に重ね合わせ画像44を表わす
重ね合わせ画像信号S0(上記(4)式参照)から平滑
化画像信号S11を重みづけ引き算、すなわち
【0082】
【数7】
【0083】但しC″はバイアス分を表わす。
【0084】を行なうことにより、画像情報としては上
記(3)式で表わされる軟部画像と略同一の情報を担持
するとともに上記(3)式で表わされる軟部画像よりも
ノイズ成分が低減された処理済軟部画像56(図5参照)
が求められる。
【0085】(7)式に従って求められた画像信号S1
2′は画像処理表示装置30のCRTディスプレイ32に送
られ、この画像信号S12′に基づく可視画像がCRT
ディスプレイ32に再生表示される。
【0086】なお上記実施例は骨部画像信号S11を平
滑化して原画像から引くことにより軟部画像信号S1
2′を求める例であるが、骨部画像を観察対象とする場
合は、上記(3)式に基づいて軟部画像信号S12を求
め、この軟部画像信号S12を平滑化して原画像から引
くことによりノイズ成分が低減された骨部画像を求めれ
ばよい。
【0087】次に図9を参照して説明した上記実施例と
実質同一の処理であり、したがって本発明に包含される
他の実施例について説明する。
【0088】図9は、この実質同一の実施例を説明する
ために、画像処理表示装置内の内部メモリに記憶された
第一および第二のX線画像を表わす2つの画像信号S0
11,S012に基づいて、該画像処理表示装置内で行なわ
れる処理の流れの他の例を示した図である。図5と同一
の要素には図5に付した番号,記号を付し、図5を用い
て説明した箇所については重複説明を避けるために、こ
こでの説明は省略する。
【0089】2つのX線画像51,52から上記(2)式,
(3)式に基づいて骨部画像53(骨部画像信号S11)
と軟部画像57(軟部画像信号S12)が求められる。
【0090】次に前述した実施例と同様にして骨部画像
信号S11を上記(5)式,(6)式に基づいて処理す
ることにより、骨部画像53に含まれるノイズ成分が低減
化された平滑化画像信号〈S11〉が求められ、その後
各画素毎に骨部画像信号S11から平滑化画像信号〈S
11〉を引き算することにより、ノイズ成分のみが抽出
されたノイズ画像48(ノイズ信号SN )が求められる。
【0091】
【数8】
【0092】このノイズ信号SN は図6のグラフ63に示
すように骨部画像のノイズ成分を抽出した信号である。
ここで平滑化画像信号〈S11〉は骨部画像のエッジの
情報はたとえノイズ成分と同程度の高空間周波数であっ
ても保存されているため、上記(8)式に従って骨部画
像信号S11と平滑化画像信号〈S11〉との差を求め
ることによりエッジの情報はきれいにキャンセルされ、
したがってエッジの情報を失わせるような平滑化処理を
行なった場合と比べ、ノイズ信号SN はより純粋に骨部
画像のノイズ成分のみを担持した信号となる。
【0093】次にこのようにして求められたノイズ信号
N と軟部画像57(図9参照)を表わす軟部画像信号S
12とが各画素毎に重み付け足し算され、これにより画
像情報とては上記軟部画像57と略同一の情報を担持する
とともに該軟部画像57よりもノイズ成分が低る。本実施
例ではこの重み付け足し算は、式
【0094】
【数9】
【0095】に従って行なわれ、これによりノイズ成分
の一層の低減が図られる。
【0096】ここで図5を参照して説明した実施例と図
9を参照して説明した実施例とは実質同一であることを
説明する。
【0097】上記(9)式に上記(3)式で示される軟
部画像信号S12および上記(8)式で示されるノイズ
信号SN を代入する。尚、バイアス分(上記(3)式に
おけるC′等)は最終的に求められた画像全体の濃度
(CRTディスプレイ表示装置等に表示する場合の輝度
を含む)を調整するものであるため、ここでは省略す
る。
【0098】(9)式に(3)式,(7)式を代入する
と、
【0099】
【数10】
【0100】この(10)式にさらに上記(2)式で表わ
される骨部画像信号S11を代入すると(バイアス分C
は無視する)、
【0101】
【数11】
【0102】この(11)式を変形して整理すると、
【0103】
【数12】
【0104】となり、さらに上記(3)式を代入する
と、
【0105】
【数13】
【0106】となる。この(13)式はバイアス分を除き
上記(6)式と同一の式となる。すなわち、図5を参照
して説明した実施例と図9を参照して説明した実施例と
では実質的に全く同一の処理を行なっていることにな
る。
【0107】図10は、本発明の他の実施例の処理の流
れを表わした図、図11は、図10に示す各画像の所定
の一方向についてのプロファイルを模式的に示した図で
ある。
【0108】図10において、図5もしくは図9と対応
する要素にはこれら図5,図9と同一の番号,記号を付
し重複説明は省略する。
【0109】図11(a),(b)はそれぞれX線画像
(原画像)51,52を模式的に表わした図であり、X線画
像51,52上の所定の一方向(x方向)に沿った画像信号
S011′,S012′の値をプロットしたものであり、こ
れらの画像信号S011′,S012′には互いにその値は
異なるものの一様な軟部(図に斜線を施した部分)を表
わす信号成分とステップ状に変化した骨部を表わす信号
成分とが重畳され、かつランダムなノイズ成分が重畳さ
れている。
【0110】2つのX線画像(原画像)51,52を表わす
これら2つの画像信号S011′,S012′に基づき上記
(3)式に基づいて重みづけ減算処理(記号−で表わ
す)を行なうことにより軟部画像57を表わす軟部画像信
号S12が求められ、また2つの画像信号S011′,S
12′に基づき上記(4)式に基づいて加算処理(記号
+で表わす)を行なうことにより重ね合わせ画像54を表
わす重ね合わせ画像信号S0が求められる。
【0111】図11(c)は重ね合わせ画像信号S0を
模式的に表わした図であり、図11(a),(b)と同
様に、軟部を表わす一様な信号成分(図に斜線を施した
部分)とステップ的に変化した骨部を表わす信号成分
と、さらにランダムなノイズ成分とが重畳されている
が、このノイズ成分は図11(a),(b)に示す2つ
のX線画像51,52と比べ低減化されている。
【0112】また図11(d)は、上記(3)式に基づ
いて求められた軟部画像信号S12を表わした図であ
る。一様な軟部を表わす信号成分のみが抽出されている
が、ランダムなノイズ成分は上記2つのX線画像51,52
(図11(a),(b))のいずれよりも増加してい
る。
【0113】また本実施例では求める必要はないが、仮
に上記(2)式に基づいて骨部画像信号S11を求めた
とした場合の該骨部画像信号S11を表わした図であ
る。ステップ状に変化した骨部を表わす信号成分が抽出
されているが、軟部画像信号S12(図11(d))と
同様に、ランダムなノイズ成分は上記2つのX線画像5
1,52(図11(a),(b))のいずれよりも増加し
ている。
【0114】ここで軟部画像57(軟部画像信号S12,
図11(d))に平滑化処理71(図10参照)が施さ
れ、平滑化軟部画像81を表わす平滑化軟部画像信号〈S
12〉(図11(f))が求められる。この平滑化処理
81では、軟部画像57の例えば1.0 サイクル/nm以上の
高空間周波数成分がカットされる。
【0115】次に重ね合わせ画像信号S0から平滑化軟
部画像信号〈S12〉が重みづけ減算され、これにより
骨部画像82を表わす骨部画像信号S11′が求められ
る。この骨部画像信号S11′は図11(g)に示され
るように、骨部画像信号S11(図11(e))と比べ
ランダムなノイズ成分が低減化されているが、軟部画像
57を平滑化処理した影響が表われ、軟部画像の高空間周
波数成分が若干混入している。
【0116】次に上記のようにして求められた骨部画像
信号S11′に平滑化処理82が施される。ここで施され
る平滑化処理82では、骨部画像62の例えば0.5 サイクル
/mm以上の空間周波数帯にある低コントラストの陰影
(骨部画像信号S11′の変化の小さいもの)のみがカ
ットされる。この処理方法としては、例えば所定の画素
O に対して0.5 サイクル/mmに対応する面積のウィ
ンドウを考え、このウィンドウ内の各画素にそれぞれ対
応する各信号S11′のうち、所定の画素PO に対応す
る信号S11′の値±所定値内にある信号S11′の平
均値を求めて該平均値を所定の画素PO の新たな信号S
O ′とするフィルタを用いて骨部画像82上を走査する
方法等が採用される。この平滑化処理72により、平滑化
骨部画像83を表わす平滑化骨部画像信号〈S11′〉が
求められる。この平滑化骨部画像信号〈S11′〉は、
図11(i)に示すようにノイズ成分および混入した軟
部画像の高周波成分は低減されているものの立ち上がり
部分も鈍ってしまっている。
【0117】次に重ね合わせ画像信号S0から平滑化骨
部画像信号〈S11′〉が重みづけ引き算され、軟部画
像84を表わす軟部画像信号S12′が求められる。この
軟部画像84は図11(h)に示すように、軟部画像57
(図11(d))よりもノイズ成分は低減されている
が、平滑化骨部画像信号〈S11′〉(図11(i))
の立ち上がり部分が鈍っている分、その部分の骨部画像
の情報がノイズとして重畳されている。ただしランダム
なノイズ部分およびノイズとしての骨部画像の情報はか
なり小さく、したがってこの段階で一連の処理を停止
し、軟部画像信号S12′を画像処理表示装置30のCR
Tディスプレイ32(図2参照)に送って、この軟部画像
信号S12′に基づく可視画像をCRTディスプレイに
再生表示し、観察するようにしてもよい。
【0118】ただし本実施例では、上記と同様な処理を
さらに繰り返し、さらに画質の改善が図られている。
【0119】軟部画像84を表わす軟部画像信号S12′
を求めた後、該軟部画像信号S12′に平滑化処理73が
施され、平滑化軟部画像85を表わす平滑化軟部画像信号
〈S12′〉(図11(j))が求められる。この平滑
化処理73としては、例えば1.5 サイクル/mm以上の空
間周波数成分をカットする処理が施される。
【0120】この平滑化軟部画像信号〈S12′〉は重
ね合わせ画像信号S0から重みづけ減算処理され、骨部
画像86を表わす骨部画像信号S11″が求められる。こ
の骨部画像86は、図11(k)に示すように、骨部画像
82(図11(g))と比べランダムノイズおよびノイズ
として混入する軟部画像の情報も減少している。骨部画
像を観察対象とする場合はこの骨部画像信号S11″に
基づく可視画像をCRTディスプレイ32上に再生表示し
てもよい。
【0121】本実施例では、上記のようにして求められ
た骨部画像信号S11″にさらに平滑化処理74が施され
平滑化骨部画像87を表わす平滑化骨部画像信号〈S1
1″〉(図11(m))が求められる。この平滑化処理
74としては例えば1.0 サイクル/mm以上の低コントラ
スト成分のカットが行なわれる。
【0122】次に重ね合わせ画像信号S0からこの平滑
化骨部画像信号〈S11″〉が重みづけ引き算され、軟
部画像信号S12″が求められる。この軟部画像信号S
12″は図11(l)に示すように、前回求めた軟部画
像信号S12′(図11(h))と比べ、ランダムノイ
ズおよびノイズとしての骨部画像の情報の双方ともさら
に低減化された信号となる。
【0123】このようにして平滑化処理と重ね合わせ画
像(原画像)との重みづけ引き算を繰り返すことによ
り、ノイズが順次低減化された骨部画像と軟部画像とを
交互に得ることができる。
【0124】図12は、図10を参照して説明した実施
例と実質同一の他の処理の流れを表わした図である。図
10等と同一の要素には該図10等と同一の番号,記号
を付し説明は省略する。
【0125】図12に示す処理は、図10に示す骨部画
像82を求めるまでの処理(図5を参照して説明した処理
(但し図5とは骨部画像と軟部画像が入れ替ってい
る))を、図6を参照して説明した処理(但し図6とは
骨部画像と軟部画像とが入れ替っている)に置き換えた
ものであって、前述したようにこれらは互いに実質同一
の処理である。
【0126】なお、図12に示した処理では最初の段階
のみ、図6を参照して説明した処理方法に置き換えた
が、この置き換えは繰り返し行なわれる処理の任意の段
階について行なうことができいずれも実質同一の処理で
あり、本発明にはこれら任意の1つもしくは複数の段階
について変更された全ての実質同一の処理態様が包含さ
れるものである。
【0127】以上の各実施例はいずれも人体の胸部のX
線画像に基づいて軟部画像もしくは骨部画像を求める例
であるが、また、本発明は軟部画像もしくは骨部画像を
求めるものに限られるものではなく、例えば、乳腺が強
調された画像もしくは悪性腫瘍が強調された画像でもよ
く、一般に被写体中の互いに異なる2つの組織がそれぞ
れ強調もしくは抽出された2つの画像のうちの一方もし
くは双方を求める際に広く適用することができるもので
ある。
【0128】さらに、上記実施例は、蓄積性蛍光体シー
トを用いた例であるが、本発明は蓄積性蛍光体シートを
用いたものに限られるものではなくX線フイルム(撮影
に際して一般に増感スクリーンと組合わされる)等を用
いたものにも適用することができる。
【0129】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のエ
ネルギーサブトラクション画像生成方法は、少なくとも
一つの原画像データに対して、超低空間周波数に対応す
る非鮮鋭マスク信号Susを求め、該原画像データをSor
g 、強調係数をβ、再生画像データをS′としたとき
に、 S′=Sorg +β(Sorg −Sus) で表わせる周波数処理の演算式を用いて、前記強調係数
βを、前記原画像データが比較的高エネルギーによる画
像である場合には該原画像データの低濃度域においては
負、それ以外においては0となり、該原画像データが比
較的低エネルギーによる画像である場合には該画像デー
タの低濃度域において正、それ以外では0となるように
該原画像データの濃度に応じて変化させてこの周波数処
理を行ない、この後に、各画素のサブトラクション処理
を施すようにしたので、低空間周波数による画像のコン
トラストを変えずに、高空間周波数による画像のコント
ラストを強調でき、またボケ画像を用いた場合に生じる
アーチファクトが生じることなく、被写体の部分毎に異
なるビームハードニングの悪影響を十分に低減させ、高
画質のサブトラクション画像を得ることができる。
【0130】また、本発明の別のエネルギーサブトラク
ション画像生成方法は、上述のエネルギーサブトラクシ
ョン画像生成方法による周波数処理を施した後に、被写
体中の主として第一の組織が記録された第一の画像を表
わす第一の画像データを求め、この第一の画像データの
ノイズ成分を低減又は除去して第一の平滑化画像データ
を求め、原画像データからこの第一の平滑化画像データ
を減算処理して第二の画像データを求めるようにしたた
め、ノイズ成分が低減された、観察適性の優れた画像が
生成される。
【0131】また第一の画像と第二の画像に対し交互に
平滑化、原画像からの減算処理を繰り返すことによりノ
イズ成分がさらに低減化された第一の画像,第二の画像
を生成することができる。
【0132】なお、上述した本発明は、特に、ビームハ
ードニングが大きく影響するワンショットエネサブに対
して著しい効果がみられるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線撮影装置の概略図
【図2】X線画像読取装置と本発明のエネルギーサブト
ラクション画像生成方法を実施する画像処理表示装置の
一例を示す斜視図
【図3】画像処理表示装置内で行なわれる処理の流れを
表わした図
【図4】本発明のエネルギーサブトラクション画像生成
方法における周波数処理を説明する図
【図5】画像処理表示装置内で行なわれる別の処理の流
れを表わした図
【図6】骨部画像および骨部画像信号を処理して求めた
画像の、空間周波数fに対するスペクトルを表わした図
【図7】ある画素(画像信号S11′)を中心とした所
定領域内の多数の画素に対応する画像信号S11の出現
頻度をプロットした、互いに異なる2つのヒストグラム
を表わした図
【図8】画像信号S11と中央の画素の画像信号S1
1′との差を変数とした関数の一例を表わした図
【図9】画像処理表示装置内の内部メモリに記憶された
第一および第二のX線画像を表わす2つの画像信号S0
11,S012に基づいて、該画像処理表示装置内で行なわ
れる処理の流れの他の例を示した図
【図10】本発明の他の実施例の処理の流れを表わした
【図11】図10に示す各画像の所定の一方向について
のプロファイルを模式的に表わした図
【図12】図10に示した処理と実質同一の他の処理の
流れを表わした図
【符号の説明】
1 X線撮影装置 2 X線管 3 X線 4 被写体 5 第一の蓄積性蛍光体シート 6 フィルタ 7 第二の蓄積性蛍光体シート 8 マーク 16 レーザ光源 19 回転多面鏡 22 輝尽発光光 23 光ガイド 24 フォトマルチプライヤ 25 ログアンプ 26 A/D変換器 30 画像表示装置 41,42,71,72 X線画像(原画像) 43,82,86 骨部画像 44 重ね合わせ画像(原画像) 45,83,87 平滑化骨部画像 46,47,84 軟部画像 48 ノイズ画像 71,72,73,74 平滑化処理 81,85 平滑化軟部画像

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに放射線吸収率の異なる複数の組織
    から構成される被写体を透過した、エネルギー分布が互
    いに異なる放射線を記録して得られた複数の放射線画像
    のそれぞれを表わす複数の原画像データのうち少なくと
    も一つの原画像データに対して、超低空間周波数に対応
    する非鮮鋭マスク信号Susを求め、該原画像データをS
    org 、強調係数をβ、再生画像データをS′としたとき
    に、演算式 S′=Sorg +β(Sorg −Sus) で表わせる周波数処理の演算を行ない、この周波数処理
    により得られた画像データと該周波数処理の行なわれて
    いない前記原画像データに応じて、もしくは、該周波数
    処理により得られた複数の画像データに応じてサブトラ
    クション処理を行なうことにより、前記被写体中の所望
    とする組織の陰影が抽出もしくは強調されたサブトラク
    ション画像データを求めるエネルギーサブトラクション
    画像生成方法であって、前記強調係数βを、前記原画像
    データが比較的高エネルギーによる画像である場合には
    該原画像データの低濃度域においては負、それ以外にお
    いては0となり、該原画像データが比較的低エネルギー
    による画像である場合には該画像データの低濃度域にお
    いて正、それ以外では0となるように該原画像データの
    濃度に応じて変化させることを特徴とするエネルギーサ
    ブトラクション画像生成方法。
  2. 【請求項2】 互いに放射線吸収率の異なる複数の組織
    から構成される被写体を透過した、エネルギー分布が互
    いに異なる放射線を記録して得られた複数の放射線画像
    のそれぞれを表わす複数の原画像データのうち少なくと
    も一つの原画像データに対して、超低空間周波数に対応
    する非鮮鋭マスク信号Susを求め、該原画像データをS
    org 、強調係数をβ、再生画像データをS′としたとき
    に、演算式 S′=Sorg +β(Sorg −Sus) で表わせる周波数処理の演算を行ない、この周波数処理
    により得られた画像データと該周波数処理の行なわれて
    いない前記原画像データに基づいて、もしくは、該周波
    数処理により得られた複数の画像データに基づいて、前
    記被写体中の主として第一の組織が記録された第一の画
    像を表わす第一の画像データを求め、 前記第一の画像データを処理することにより前記第一の
    画像のノイズ成分が低減または除去された第一の平滑化
    画像を表わす第一の平滑化画像データを求め、前記原画
    像データから前記平滑化画像データを減算処理すること
    により、前記被写体の主として第二の組織が記録された
    第二の画像を表わす第二の画像データを求めるエネルギ
    ーサブトラクション画像生成方法であって、前記強調係
    数βを、前記原画像データが比較的高エネルギーによる
    画像である場合には該原画像データの低濃度域において
    は負、それ以外においては0となり、該原画像データが
    比較的低エネルギーによる画像である場合には該画像デ
    ータの低濃度域において正、それ以外では0となるよう
    に該原画像データの濃度に応じて変化させることを特徴
    とするエネルギーサブトラクション画像生成方法。
  3. 【請求項3】 互いに放射線吸収率の異なる複数の組織
    から構成される被写体を透過した、エネルギー分布が互
    いに異なる放射線を記録して得られた複数の放射線画像
    のそれぞれを表わす複数の原画像データのうち少なくと
    も一つの原画像データに対して、超低空間周波数に対応
    する非鮮鋭マスク信号Susを求め、該原画像データをS
    org 、強調係数をβ、再生画像データをS′としたとき
    に、演算式 S′=Sorg +β(Sorg −Sus) で表わせる周波数処理の演算を行ない、この周波数処理
    により得られた画像データと該周波数処理の行なわれて
    いない前記原画像データに基づいて、もしくは、該周波
    数処理により得られた複数の画像データに基づいて、前
    記被写体中の主として第一の組織が記録された第一の画
    像を表わす第一の画像データを求める第一の処理を行な
    った後、 前記第一の画像データを処理することにより前記第一の
    画像のノイズ成分が低減された第一の平滑化画像を表わ
    す第一の平滑化画像データを求めて、前記原画像データ
    から該第一の平滑化画像データを減算処理することによ
    り、前記被写体の主として第二の組織が記録された第二
    の画像を表わす第二の画像データを求める第二の処理を
    行ない、該第二の処理の後、 前記第二の画像データを処理することにより前記第二の
    画像のノイズ成分が低減された第二の平滑化画像を表わ
    す第二の平滑化画像データを求めて、前記原画像データ
    から該第二の平滑化画像データを減算処理することによ
    り、前記被写体の主として第一の組織が記録された新た
    な第一の画像を表わす新たな第一の画像データを求める
    第三の処理を行なうエネルギーサブトラクション画像生
    成方法であって、前記強調係数βを、前記原画像データ
    が比較的高エネルギーによる画像である場合には該原画
    像データの低濃度域においては負、それ以外においては
    0となり、該原画像データが比較的低エネルギーによる
    画像である場合には該画像データの低濃度域において
    正、それ以外では0となるように該原画像データの濃度
    に応じて変化させることを特徴とするエネルギーサブト
    ラクション画像生成方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の処理を行なった後、前記
    第三の処理により求められた前記新たな第一の画像デー
    タを前記第二の処理における前記第一の画像データとし
    て再度前記第二の処理を行なうことにより、前記被写体
    の主として前記第二の組織が記録された新たな第二の画
    像を表わす新たな第二の画像データを求める新たな第二
    の処理と、該新たな第二の画像データを前記第三の処理
    における前記第二の画像データとして再度前記第三の処
    理を行なうことにより、前記被写体の主として前記第一
    の組織が記録された新たな第一の画像を表わす新たな第
    一の画像データを求める新たな第三の処理とを一回また
    は複数回繰り返すことを特徴とするエネルギーサブトラ
    クション画像生成方法。
  5. 【請求項5】 請求項2もしくは3記載の処理を行なっ
    た後、前記第三の処理もしくは前記新たな第三の処理に
    より求められた前記新たな第一の画像データを前記第二
    の処理もしくは前記新たな第二の処理における前記第一
    の画像データとして再度前記第二の処理もしくは前記新
    たな第二の処理を行なうことにより、前記被写体の主と
    して前記第二の組織が記録された新たな第二の画像を表
    わす新たな第二の画像データを求めることを特徴とする
    エネルギーサブトラクション画像生成方法。
  6. 【請求項6】 前記放射線が、単一の放射線を前記被写
    体に透過させた後、エネルギー分布が互いに異なる成分
    に分離せしめられることにより得られた複数の放射線で
    あることを特徴とする請求項1、2または3記載のエネ
    ルギーサブトラクション画像生成方法。
  7. 【請求項7】 前記複数の放射線画像が、記録するエネ
    ルギー分布が互いに異なる記録材料により前記放射線を
    各別に記録して得られるものであることを特徴とする請
    求項1、2または3記載のエネルギーサブトラクション
    画像生成方法。
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