JP2011504393A - Ｋエッジ造影を実行する医療用ｘ線検査装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、Ｋエッジ造影を実行する医療用Ｘ線検査装置１に関する。医療用Ｘ線検査装置１は、Ｘ線吸収スペクトルをスペクトル分解して前記Ｘ線吸収スペクトルを従来のＸ線吸収画像２３ａ及びＫエッジ吸収画像２３ｂとして画像化するように構成されたイメージングユニット２１を有する。従来のＸ線吸収画像２３ａは、関心対象の解剖学的背景を表すデータ要素を含む。Ｋエッジ吸収画像２３ｂは、前記関心対象内のＫエッジ吸収を示す物質の局所密度の定量的情報を表すデータ要素を含む。イメージングユニット２１は、本発明による医療用Ｘ線検査装置を用いて、既知の医療用Ｘ線検査装置のＫエッジ吸収画像の選択的造影の感度と比較してＫエッジ吸収画像の選択的造影の増大された感度が達成されるように、前記Ｋエッジ吸収画像の空間分解能を減少させる空間分解能リデューサを有する。

Description

本発明は、Ｘ線吸収スペクトルをスペクトル分解して前記Ｘ線吸収スペクトルを、
−関心対象の解剖学的背景を表すデータ要素を含む従来のＸ線吸収画像、及び
−前記関心対象内のＫエッジ吸収を示す物質の局所密度の定量的情報を表すデータ要素を含むＫエッジ吸収画像、
として画像化するように構成されたイメージングユニットを有する、Ｋエッジ造影を実行する医療用Ｘ線検査装置に関する。

このような医療用Ｘ線検査装置は、科学論文"K-edge imaging in X-ray computed tomography using multi-bin photon counting detectors"(Phys. Med. Biol. 52, (2007) 4679-4696)から既知である。この既知の医療用Ｘ線検査装置は、マルチビンＸ線光子計数検出器を持つイメージングユニットを有するコンピュータ断層撮影（ＣＴ）スキャナである。このイメージングユニットは、Ｘ線吸収スペクトルをスペクトル分解して前記Ｘ線吸収スペクトルを従来のＸ線吸収画像及びＫエッジ吸収画像として画像化することを可能にする。

前記従来のＸ線吸収画像は、従来の電流積分Ｘ線検出器を有するイメージングユニットで取得された従来のＸ線吸収スペクトルの画像に等しい。前記従来のＸ線吸収画像は、関心対象の解剖学的背景を表すデータ要素を含む。前記Ｋエッジ吸収画像は、前記関心対象内の物質のＸ線吸収画像であり、前記物質は、前記既知の医療用Ｘ線検査装置のエネルギ範囲内のＫエッジ吸収を持つ。前記Ｋエッジ吸収画像は、前記関心対象内のＫエッジ吸収を示す物質の局所密度の定量的情報を表すデータ要素を含む。

前記既知の医療用Ｘ線検査装置は、前記解剖学的背景の従来の撮像に加えて、前記既知の医療用Ｘ線検査装置のエネルギ範囲内のＫエッジ吸収を持つ物質（例えばガドリニウムベースの標的造影剤）の選択的造影を可能にする。

前記既知の医療用Ｘ線検査装置の不利点は、Ｋエッジ吸収画像の選択的造影の感度が比較的低いことである。前記既知の医療用Ｘ線検査装置を使用する場合、多数の潜在的な臨床的応用は、この制限された感度に悩まされるか又は低い感度のため完全に不可能であるかのいずれかである。

本発明の目的は、Ｋエッジ吸収画像の選択的造影の増大された感度を持つ冒頭の段落で述べられた種類の医療用Ｘ線検査装置を提供することであり、本発明による医療用Ｘ線検査装置は、前記既知の医療用Ｘ線検査装置より多くの臨床的応用に対して使用されることができる。

この目的は、イメージングユニットがＫエッジ吸収画像の空間分解能を減少させる空間分解能リデューサを有することを特徴とする本発明による医療用Ｘ線検査装置により達成される。

前記Ｋエッジ吸収画像の空間分解能を減少させる空間リデューサを使用することにより、前記Ｋエッジ吸収画像の画像情報を含む複数の相互接続されたデータ要素が結合される。これらのデータ要素を結合することにより、前記Ｋエッジ吸収画像の信号対雑音比（ＳＮＲ）は、向上される。Ｋエッジ吸収画像の選択的造影の感度は、少なくとも部分的に前記Ｋエッジ吸収画像のＳＮＲにより決定されるので、向上されたＳＮＲは、Ｋエッジ吸収画像の選択的造影のより良好な感度に直接的に寄与する。Ｋエッジ吸収画像の選択的造影の増大された感度により、本発明による医療用Ｘ線検査装置は、既知の医療用Ｘ線検査装置より多くの臨床的応用に対して使用されることができる。

本発明による医療用Ｘ線検査装置の更なる利点は、前記Ｋエッジ吸収画像のＳＮＲが向上される場合に、関心対象に結合したＫエッジ物質の局所密度の定量的情報が、より正確になる（すなわち、前記Ｋエッジ吸収画像のＳＮＲが向上される場合に、関心対象（例えば、腫瘍、冠状動脈内のソフトプラーク、病変等）に結合したガドリニウムベースの標的造影剤のようなＫエッジ物質のペイロードを持つ標的造影剤の局所密度の定量的情報がより正確になる）ことである。これは、どれだけのＫエッジ物質が関心対象に結合しているかについて医師に情報を与える定量的測定に対する臨床的要求に向けた臨床的発展に想到する。

本発明による医療用Ｘ線検査装置の好適な実施例は、前記空間分解能リデューサが、前記Ｋエッジ吸収画像において相互接続されている複数の個別のデータ要素のクラスタを規定するクラスタ規定ユニットを有し、前記個別のデータ要素により表される定量的情報を前記データ要素のクラスタにより表される定量的情報で置き換える置換ユニットを有することを特徴とする。Ｋエッジ吸収のＳＮＲ及びＫエッジ吸収画像の選択的造影の感度の向上を保証するために、前記クラスタ規定ユニットは、全ての個別のデータ要素が画像情報を含む、すなわち、全ての個別のデータ要素が前記Ｋエッジ物質の局所密度の定量的情報を表すクラスタを規定する。前記個別のデータ要素により表される定量的情報を前記データ要素のクラスタにより表される定量的情報で置き換える前記置換ユニットは、どれだけのＫエッジ物質が関心対象に結合しているかのクラスタ毎の単一の定量的測定を提供する。このクラスタ毎の定量的測定と一緒に、各クラスタに対して、前記解剖学的背景内の前記クラスタの位置及び形状が、前記従来のＸ線吸収画像内に示される。

本発明による医療用Ｘ線検査装置の他の好適な実施例は、前記置換ユニットが、前記個別のデータ要素により表される定量的情報を前記データ要素のクラスタにより表される定量的情報で置き換えるフィルタを有することを特徴とする。この実施例の利点は、フィルタが、前記個別のデータ要素により表される定量的情報を前記データ要素のクラスタにより表される定量的情報で置き換える比較的単純な解決法であることである。前記個別のデータ要素のクラスタにより表される定量的情報は、前記クラスタの個別のデータ要素により表される定量的情報の合計又は平均であることができるが、他のフィルタアルゴリズムも可能である。

本発明による医療用Ｘ線検査装置の他の好適な実施例は、前記空間分解能リデューサが、前記個別のデータ要素のクラスタにより表される定量的情報を単一の定量的測定値に結合する置換結合器ユニットを有することを特徴とする。前記置換結合器ユニットは、関心対象内の全てのクラスタにより表される定量的情報を単一の定量的測定値に結合し、これは、臨床的出力を減少させる。前記減少された臨床的出力、すなわち、前記従来のＸ線吸収画像内に示される前記解剖的背景内の前記クラスタの位置及び前記クラスタの形状の情報と一緒の前記単一の定量的測定値により、医師は、前記既知の医療用Ｘ線検査装置より効率的に診断的決定に至ることができる。

本発明による医療用Ｘ線検査装置の更に他の好適な実施例は、前記クラスタ規定ユニットが、モデル制約に基づいて、前記Ｋエッジ吸収画像において相互接続されている複数の個別のデータ要素のクラスタを規定するように構成されていることを特徴とする。クラスタが、現実の解剖学的対象（例えば、腫瘍、冠状動脈内のソフトプラーク、病変等）（の一部）を表すように前記クラスタを規定するプロセスを最適化するために、前記クラスタ規定ユニットは、モデル制約に基づいてクラスタを規定するように構成され、多数の異なるモデル又はヒューリスティックスが、良好なクラスタリング結果を提供するために使用されることができる。

本発明による医療用検査装置の他の実施例は、前記医療用Ｘ線検査装置がＣＴスキャナであることを特徴とする。

本発明のこれら及び他の態様は、図面を参照して説明される。

本発明によるＣＴスキャナの概略図である。

図１は、本発明によるＣＴスキャナ１の概略図である。ＣＴスキャナ１は、検査領域７を規定する静止ガントリ３及び回転ガントリ５を含む。回転ガントリ５は、検査領域７の周りを回転するように静止ガントリ３からつるされている。Ｘ線管のような放射線源９は、回転ガントリ５とともに回転するように回転ガントリ５上に配置される。放射線源９は、回転ガントリ５が検査領域７の長手軸の周りを外部モータ（図示されない）により回転されているときに、検査領域７を通過する貫通放射線のビームを生成する。コリメータ及びシャッタアセンブリ１１は、前記貫通放射線のビームを円錐形状に形成し、前記ビームをオン及びオフに選択的にゲートする。代替的には、前記放射線ビームは、線源９において電子的にオン及びオフにゲートされる。患者支持台１３は、対象又は検査されるべき患者を支持する。患者支持台１３は、前記対象又は前記検査されるべき患者が少なくとも部分的に検査領域７内に配置されるように配置される。前記放射線の円錐形状ビームは、時間期間にわたり繰り返し撮像される前記対象又は検査されるべき患者を通る体積を規定する。

本発明によるＣＴスキャナを用いてＫエッジ造影を実行する場合、通常、Ｋエッジ物質のペイロードを持つ標的造影剤が、前記対象又は前記検査されるべき患者に供給される。このような標的造影剤の例は、ガドリニウムベースの標的造影剤であるが、金、ビスマス又は同様の元素に基づく他の標的造影剤も可能である。前記Ｋエッジ物質のペイロードは、関心対象（例えば腫瘍、冠状動脈内のソフトプラーク、病変等）に結合する。本発明によるＣＴスキャナは、回転ガントリ５上の前記線源の向かい側周辺に取り付けられた放射線検出器のアレイ１５、又は静止ガントリ３の周りに取り付けられた放射線検出器の静止リング１７のいずれかを有する。放射線検出器のアレイ１５又は放射線検出器の静止リング１７のいずれも、放射線源９により発せられた貫通放射線及び少なくとも部分的に検査領域７内に配置された対象又は検査されるべき患者によるこの放射線の吸収に起因するＸ線吸収スペクトルを測定する。データ線１９を介して、前記測定されたＸ線吸収スペクトルは、イメージングユニット２１に供給される。イメージングユニット２１は、前記測定されたＸ線吸収スペクトルが、前記関心対象の解剖学的背景を表すデータ要素を含む従来のＸ線吸収画像２３ａ及び前記関心対象内のＫエッジ吸収を示す物質の局所密度の定量的情報を表すデータ要素を含むＫエッジ吸収画像２３ｂとしてディスプレイ２３上で画像化されるように前記測定されたＸ線吸収スペクトルをスペクトル分解する。前記イメージングユニットは、本発明によるＣＴスキャナを用いて、既知の医療用Ｘ線検査装置のＫエッジ吸収画像の選択的造影の感度と比較してＫエッジ吸収画像の選択的造影の増大された感度が達成されるように前記Ｋエッジ吸収画像の空間分解能を減少させる空間分解能リデューサ（図示されない）を有する。

Claims (6)

1. Ｘ線吸収スペクトルをスペクトル分解して前記Ｘ線吸収スペクトルを、
   −関心対象の解剖学的背景を表すデータ要素を含む従来のＸ線吸収画像、及び
   −前記関心対象内のＫエッジ吸収を示す物質の局所密度の定量的情報を表すデータ要素を含むＫエッジ吸収画像、
   として画像化するイメージングユニットを有する、Ｋエッジ造影を実行する医療用Ｘ線検査装置において、
   前記イメージングユニットが、前記Ｋエッジ吸収画像の空間分解能を減少させる空間分解能リデューサを有することを特徴とする、医療用Ｘ線検査装置。
2. 前記空間分解能リデューサが、前記Ｋエッジ吸収画像において相互接続されている複数の個別のデータ要素のクラスタを規定するクラスタ規定ユニットを有し、前記個別のデータ要素により表される定量的情報を前記データ要素のクラスタにより表される定量的情報で置き換える置換ユニットを有することを特徴とする、請求項１に記載の医療用Ｘ線検査装置。
3. 前記置換ユニットが、前記個別のデータ要素により表される定量的情報を前記データ要素のクラスタにより表される定量的情報で置き換えるフィルタを有することを特徴とする、請求項２に記載の医療用Ｘ線検査装置。
4. 前記空間分解能リデューサが、前記個別のデータ要素のクラスタにより表される定量的情報を単一の定量的測定値に結合する置換結合器ユニットを有することを特徴とする、請求項２又は３に記載の医療用Ｘ線検査装置。
5. 前記クラスタ規定ユニットが、モデル制約に基づいて、前記Ｋエッジ吸収画像において相互接続されている複数の個別のデータ要素のクラスタを規定することを特徴とする、請求項２、３又は４に記載の医療用Ｘ線検査装置。
6. 前記医療用Ｘ線検査装置がＣＴスキャナである、請求項１ないし５のいずれか一項に記載の医療用Ｘ線検査装置。

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