JPH06220267A - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物

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JPH06220267A
JPH06220267A JP17333091A JP17333091A JPH06220267A JP H06220267 A JPH06220267 A JP H06220267A JP 17333091 A JP17333091 A JP 17333091A JP 17333091 A JP17333091 A JP 17333091A JP H06220267 A JPH06220267 A JP H06220267A
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昌弘 藤谷
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、下
記の一般式、 【化1】 で示されるアミノ安息香酸系化合物、およびその無水物
からなる群から選ばれた少なくとも一種類以上の化合物
を0.001〜10.0重量部含有することを特徴とす
るポリプロピレン樹脂組成物。(R、Rは水素、炭
素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル
基、ハロゲン基、水酸基、ニトロ基、フェニル基の中か
ら選ばれる同種もしくは異種の基である。ただしR
が共に水素である場合を除く。) 【効果】剛性あるいは透明性の著しく改良された成形物
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリプロピレン系樹脂組
成物に関する。更に詳しくは剛性あるいは透明性の著し
く改良された成形物を得ることが可能なポリプロピレン
系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンはその優れた成形性、機
械的特性、電気的特性、耐溶剤性などの特徴を生かし様
々な分野に使用されている。しかしながら、ポリプロピ
レンの使用分野が広がる中で、市場から要求される性能
は高く、そのため種々の観点から改良がなされている。
特に近年、ポリプロピレンの高性能化が進み、剛性や本
来劣っている透明性の点での改良が盛んである。このよ
うな物性面での改良を行なう方法の一つとして、ポリプ
ロピレンに造核剤を添加する方法があり、この方法は従
来より広く行なわれている。しかしながら現状において
も、剛性や透明性の点で優れた成形物を得るには至って
いない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は剛性あ
るいは透明性の優れたポリプロピレン系樹脂組成物を提
供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の様な現状に鑑み、
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ポリプロピレン系
樹脂にアミノ安息香酸系化合物を添加することにより、
ポリプロピレン系樹脂の剛性あるいは透明性を著しく向
上させることが可能となり、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】すなわち本発明は、ポリプロピレン系樹脂
100重量部に対し、下記の一般式
【0006】、
【化2】 で示されるアミノ安息香酸系化合物、およびその無水物
からなる群から選ばれた少なくとも一種類以上の化合物
を0.001〜10.0重量部含有することを特徴とす
るポリプロピレン系樹脂組成物に関する。(R、R
は水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のア
ルコキシル基、ハロゲン基、水酸基、ニトロ基、フェニ
ル基の中から選ばれる同種もしくは異種の基である。た
だしR、Rが共に水素である場合を除く。)以下、
本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂
としては、特に制限はないが230℃、2.16Kg荷
重で測定されるメルトフロ−レイト(MFR)が0.1
〜100g/10min程度で、結晶性のものが好まし
く、このような重合体において本発明の効果が顕著に発
揮される。また、ポリプロピレン系樹脂はプロピレンの
単独重合体、あるいはプロピレンと他の1種もしくはそ
れ以上のオレフィンとのランダム共重合体やプロピレン
と他の1種もしくはそれ以上のオレフィンとのブロック
共重合体等の共重合体を使用しても差し支えない。プロ
ピレンと重合させる他のオレフィンとしては、エチレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オ
クテン、1−デセン等の炭素数10以下の1−オレフィ
ンをあげることができる。このようなプロピレンと共重
合させるべき成分は、たとえばランダム共重合体におい
て通常30モル%以下、好ましくは15モル%以下、ブ
ロック共重合体においては50モル%以下、好ましくは
30モル%以下の量で使用される。
【0008】これらの重合体の製造は1つの重合器だけ
で行なわれる場合だけでなく、MFRやプロピレンと共
重合されるべき成分の共重合比等の製造条件を変え2つ
以上の重合器で連続して重合される場合もある。ポリプ
ロピレン系樹脂を重合する方法としてはスラリ−重合、
バルク重合、気相重合等が挙げられるが、これらのいず
れの方法によって重合された樹脂であっても本発明の効
果は十分発揮される。また一般に重合にはチ−グラ系触
媒である三塩化チタン還元型触媒やマグネシウム担持型
触媒等が使用されるが、これらいずれの触媒系で重合さ
れたポリマ−であっても本発明の効果には何等問題はな
い。さら樹脂を重合した後に、主に触媒に起因するチタ
ンやアルミニウム等の金属成分の脱灰工程や、低立体規
則性成分や低分子重合物等の抽出工程等を有するプロセ
スもあるが、これらの後処理工程の有無によって本発明
の効果は何等影響されない。
【0009】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物には
上記のポリプロピレン系樹脂に下記の一般式、
【0010】
【化3】 で示されるアミノ安息香酸系化合物、およびその無水物
からなる群から選ばれた少なくとも一種類以上の化合物
を含有せしめたものである。(R、Rは水素、炭素
数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル
基、ハロゲン基、水酸基、ニトロ基、フェニル基の中か
ら選ばれる同種もしくは異種の基である。ただしR
が共に水素である場合を除く。)ここで上記一般式
における炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキ
シル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖状アルキル基
および、i−プロピル基、1−メチルプロピル基、t−
ブチル基、3−メチルアミル基、2−エチルヘキシル
基、2,4−ジメチルヘキシル基等の分岐を有するアル
キル基も含まれる。炭素数1〜8のアルコキシル基とし
ては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブ
トキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプ
チルオキシ基、オクチルオキシ基等の直鎖状アルキル基
および、i−プロピルオキシ基、1−メチルプロピルオ
キシ基、t−ブトキシ基、3−メチルペンチルオキシ
基、2−エチルヘキシルオキシ基、2,4−ジメチルヘ
キシルオキシ基等の分岐を有するアルコキシル基も含ま
れる。またハロゲン基としては、フルオロ基、クロロ
基、ブロモ基、ヨ−ド基等を挙げることができる。また
置換基の位置は安息香酸のオルト位、メタ位、パラ位の
いずれでも良い。
【0011】化合物の具体例としては、p−ジメチルア
ミノ安息香酸、m−ジ−t−ブチルアミノ安息香酸、p
−ジオクチルアミノ安息香酸、p−メチルプロピルアミ
ノ安息香酸、o−ジエトキシ安息香酸、m−ジペンチル
オキシ安息香酸、p−ジフルオロアミノ安息香酸、p−
ジブロモアミノ安息香酸、m−フルオロクロロアミノ安
息香酸、p−ジニトロアミノ安息香酸、p−ジヒドロキ
シアミノ安息香酸、m−ジフェニルアミノ安息香酸、o
−エチルアミノ安息香酸、p−i−プロピルオキシアミ
ノ安息香酸、p−クロロアミノ安息香酸、m−ヒドロキ
シアミノ安息香酸、p−ヘプチルクロロアミノ安息香
酸、m−オクチルフェニルアミノ安息香酸、p−メトキ
シニトロアミノ安息香酸、等を挙げることができる。
【0012】またこれらの無水物の具体例としては、p
−ジメチルアミノ安息香酸無水物、p−メチルプロピル
アミノ安息香酸無水物、p−ジフルオロアミノ安息香酸
無水物、p−ヒドロキシアミノ安息香酸無水物、o−エ
チルアミノ安息香酸無水物、p−フルオロアミノ安息香
酸無水物、m−メチルフェニルアミノ安息香酸無水物等
の他にp−ジオクチルアミノ安息香酸とp−ジブロモア
ミノ安息香酸の縮合物やm−ジフェニルアミノ安息香酸
とm−オクチルフェニルアミノ安息香酸の縮合物等のよ
うに異なるアミノ安息香酸系化合物同士の縮合物も含ま
れる。このような安息香酸系化合物の中でも剛性あるい
は透明性の改良効果の点で特にp−ジメチルアミノ安息
香酸が好ましい。
【0013】ポリプロピレン系樹脂に添加するアミノ安
息香酸系化合物の量は0.001〜10.0重量部、好
ましくは0.01〜10.0重量部である。添加量が
0.001重量部未満の場合には剛性、透明性の改良効
果に乏しく、添加量が10.0重量部を越えた場合には
べた付き等の問題が生じ商品価値を低下させる原因とな
る。
【0014】また、本発明の組成物には、更に一般に使
用されるポリオレフィン用の各種添加剤として、酸化防
止剤、中和剤、紫外線吸収剤、ヒンダ−ドアミン系光安
定剤、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、核剤、
分散剤、過酸化物、顔料等を添加することができる。さ
らには成形物の物性を改良させる目的等により、本発明
の組成物に加えてポリオレフィン、ポリアミド、ポリエ
ステル等の樹脂をブレンドすることも可能である。
【0015】本発明の組成物を調製するにはポリプロピ
レン系樹脂100重量部に対し、アミノ安息香酸系化合
物を0.001〜10.0重量部、好ましくは0.01
〜10.0重量部配合し、通常使用される安定剤、たと
えばペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
−ト]、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フ
ォスファイト、ステアリン酸カルシウムを特に制限はな
いがそれぞれ0.001〜1.0重量部程度加え、これ
らの組成物をロ−ル、プラストミル、押出機等の適当な
混練機を使いポリプロピレン系樹脂の融点以上で加熱混
練すればよい。この様にして得られた樹脂組成物は射出
成形、押出成形、圧縮成形など通常の成形法に適用され
る高分子成形用素材として使用される。また本発明の組
成物の高充填組成物を前もって調製し、これらを成形時
や再造粒時に添加するような方法、すなわちマスタ−バ
ッチでの添加によっても目的の成形物を得ることが可能
である。
【0016】
【実施例】次に本発明を以下の実施例により説明する
が、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0017】実施例1〜3 マグネシウム担持型触媒を用い、気相重合されたエチレ
ン−プロピレンランダム共重合体(エチレン含有量6.
6モル%、MFR5.3g/10min)にペンタエリ
スリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]0.05
重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フ
ォスファイト0.1重量部、ステアリン酸カルシウム
0.1重量部、および表1に示す重量部でp−ジメチル
アミノ安息香酸を添加し、25mmφ単軸押出機を用
い、240℃で造粒した。造粒された樹脂は230℃に
加熱されたプレス成形機で厚さ1mmのシ−トに成形さ
れた。このシ−トを用いヘ−ズ(JIS K−671
4)および剛性(JIS K−7106)の測定を行い
評価した。結果を表1に示す。
【0018】比較例1 p−ジメチルアミノ安息香酸を添加しなかった以外は実
施例1と同一の樹脂を用い、同様の方法で評価した。結
果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は
成形物の剛性あるいは透明性を著しく向上させることが
可能である。従って剛性あるいは透明性が要求されるよ
うな製品、例えば、キャップや衣装ケ−スのような射出
成形物、ボトルに代表されるブロ−製品、またバインダ
−やビデオカセットケ−ス等の押出成形物を製造するの
に適する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂100重量部に対
    し、下記の一般式、 【化1】 で示されるアミノ安息香酸系化合物、およびその無水物
    からなる群から選ばれた少なくとも一種類以上の化合物
    を0.001〜10.0重量部含有することを特徴とす
    るポリプロピレン樹脂組成物。(R1、R2は水素、炭素
    数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル
    基、ハロゲン基、水酸基、ニトロ基、フェニル基の中か
    ら選ばれる同種もしくは異種の基である。ただしR1
    2が共に水素である場合を除く。)
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