JP3221068B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
ポリプロピレン系樹脂組成物Info
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- JP3221068B2 JP3221068B2 JP17368692A JP17368692A JP3221068B2 JP 3221068 B2 JP3221068 B2 JP 3221068B2 JP 17368692 A JP17368692 A JP 17368692A JP 17368692 A JP17368692 A JP 17368692A JP 3221068 B2 JP3221068 B2 JP 3221068B2
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- Japan
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- acid
- groups
- polypropylene resin
- benzoic acid
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリプロピレン系樹脂組
成物に関する。更に詳しくは剛性あるいは透明性の著し
く改良された成形物を得ることが可能なポリプロピレン
系樹脂組成物に関する。
成物に関する。更に詳しくは剛性あるいは透明性の著し
く改良された成形物を得ることが可能なポリプロピレン
系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンはその優れた成形性、機
械的特性、電気的特性、耐溶剤性などの特徴を生かし様
々な分野に使用されている。しかしながら、ポリプロピ
レンの使用分野が広がる中で、市場から要求される性能
は高く、そのため種々の観点から改良がなされている。
特に近年、ポリプロピレンの高性能化が進み、剛性や本
来劣っている透明性の点での改良が盛んである。このよ
うな物性面での改良を行なう方法の一つとして、ポリプ
ロピレンに造核剤を添加する方法があり、この方法は従
来より広く行なわれている。しかしながら現状において
も、剛性あるいは透明性の点で優れた成形物を得るには
至っていない。
械的特性、電気的特性、耐溶剤性などの特徴を生かし様
々な分野に使用されている。しかしながら、ポリプロピ
レンの使用分野が広がる中で、市場から要求される性能
は高く、そのため種々の観点から改良がなされている。
特に近年、ポリプロピレンの高性能化が進み、剛性や本
来劣っている透明性の点での改良が盛んである。このよ
うな物性面での改良を行なう方法の一つとして、ポリプ
ロピレンに造核剤を添加する方法があり、この方法は従
来より広く行なわれている。しかしながら現状において
も、剛性あるいは透明性の点で優れた成形物を得るには
至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は剛性あ
るいは透明性の優れたポリプロピレン系樹脂組成物を提
供するものである。
るいは透明性の優れたポリプロピレン系樹脂組成物を提
供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の様な現状に鑑み、
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ポリプロピレン系
樹脂に安息香酸系化合物もしくは安息香酸系化合物の酸
無水物を添加することにより、ポリプロピレン系樹脂の
剛性あるいは透明性を著しく向上させることが可能とな
り、本発明を完成するに至った。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ポリプロピレン系
樹脂に安息香酸系化合物もしくは安息香酸系化合物の酸
無水物を添加することにより、ポリプロピレン系樹脂の
剛性あるいは透明性を著しく向上させることが可能とな
り、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、ポリプロピレン系樹脂
100重量部に対し、下記の一般式、
100重量部に対し、下記の一般式、
【0006】
【化3】 で示される安息香酸系化合物(ただし置換基R1〜R5
の内、少なくとも2つ以上が、炭素数1〜8のアルキル
基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン基、水酸
基、アミノ基、ニトロ基、フェニル基の中から選ばれる
同種もしくは異種の基であり、残りが水素原子であ
る。)および下記の一般式、
の内、少なくとも2つ以上が、炭素数1〜8のアルキル
基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン基、水酸
基、アミノ基、ニトロ基、フェニル基の中から選ばれる
同種もしくは異種の基であり、残りが水素原子であ
る。)および下記の一般式、
【0007】
【化4】 で示される安息香酸系化合物の酸無水物(ただし置換基
R6〜R15の内、少なくとも3つ以上が、炭素数1〜
8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロ
ゲン基、水酸基、アミノ基、ニトロ基、フェニル基の中
から選ばれる同種もしくは異種の基であり、残りが水素
原子である。)からなる群から選ばれた少なくとも一種
類以上の化合物を0.001〜10.0重量部含有する
ことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物に関す
る。以下本発明を詳細に説明する。
R6〜R15の内、少なくとも3つ以上が、炭素数1〜
8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロ
ゲン基、水酸基、アミノ基、ニトロ基、フェニル基の中
から選ばれる同種もしくは異種の基であり、残りが水素
原子である。)からなる群から選ばれた少なくとも一種
類以上の化合物を0.001〜10.0重量部含有する
ことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物に関す
る。以下本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂
としては、特に制限はないが230℃、2.16kg荷
重で測定されるメルトフロ−レイト(MFR)が0.1
〜100g/10min程度で、結晶性のものが好まし
く、このような重合体において本発明の効果が顕著に発
揮される。また、ポリプロピレン系樹脂はプロピレンの
単独重合体のみならずプロピレンと他の1種もしくはそ
れ以上のオレフィンとのランダム共重合体またはプロピ
レンと他の1種もしくはそれ以上のオレフィンとのブロ
ック共重合体等の共重合物を使用しても差し支えない。
プロピレンと共重合させる他のオレフィンとしては、エ
チレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−
ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1
−オクテン、1−デセン等の炭素数10以下の1−オレ
フィンを挙げることができる。この様なプロピレンと共
重合させるべき成分は、ランダム共重合体において通常
30モル%以下、好ましくは15モル%以下、ブロック
共重合体においては通常50モル%以下、好ましくは3
0モル%以下の量で使用される。
としては、特に制限はないが230℃、2.16kg荷
重で測定されるメルトフロ−レイト(MFR)が0.1
〜100g/10min程度で、結晶性のものが好まし
く、このような重合体において本発明の効果が顕著に発
揮される。また、ポリプロピレン系樹脂はプロピレンの
単独重合体のみならずプロピレンと他の1種もしくはそ
れ以上のオレフィンとのランダム共重合体またはプロピ
レンと他の1種もしくはそれ以上のオレフィンとのブロ
ック共重合体等の共重合物を使用しても差し支えない。
プロピレンと共重合させる他のオレフィンとしては、エ
チレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−
ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1
−オクテン、1−デセン等の炭素数10以下の1−オレ
フィンを挙げることができる。この様なプロピレンと共
重合させるべき成分は、ランダム共重合体において通常
30モル%以下、好ましくは15モル%以下、ブロック
共重合体においては通常50モル%以下、好ましくは3
0モル%以下の量で使用される。
【0009】これらの重合体の製造は1つの重合器だけ
で行なわれる場合だけでなく、MFRやプロピレンと共
重合されるべき成分の共重合比等の製造条件を変え2つ
以上の重合器で連続して重合される場合もある。
で行なわれる場合だけでなく、MFRやプロピレンと共
重合されるべき成分の共重合比等の製造条件を変え2つ
以上の重合器で連続して重合される場合もある。
【0010】ポリプロピレン系樹脂を重合する方法とし
てはスラリ−重合、バルク重合、気相重合等が挙げられ
るが、これらのいずれの方法によって重合された樹脂で
あっても本発明の効果は十分発揮される。また一般に重
合にはチ−グラ系触媒である三塩化チタン還元型触媒や
マグネシウム担持型触媒等が使用されるが、これらいず
れの触媒系で重合されたポリマ−であっても本発明の効
果は発揮される。さらに樹脂を重合した後に、主に触媒
に起因するチタンやアルミニウム等の金属成分の脱灰工
程や、低立体規則性成分や低分子重合物等の抽出工程等
を有するプロセスもあるが、これらの後処理工程の有無
にかかわらず本発明の効果は発揮される。
てはスラリ−重合、バルク重合、気相重合等が挙げられ
るが、これらのいずれの方法によって重合された樹脂で
あっても本発明の効果は十分発揮される。また一般に重
合にはチ−グラ系触媒である三塩化チタン還元型触媒や
マグネシウム担持型触媒等が使用されるが、これらいず
れの触媒系で重合されたポリマ−であっても本発明の効
果は発揮される。さらに樹脂を重合した後に、主に触媒
に起因するチタンやアルミニウム等の金属成分の脱灰工
程や、低立体規則性成分や低分子重合物等の抽出工程等
を有するプロセスもあるが、これらの後処理工程の有無
にかかわらず本発明の効果は発揮される。
【0011】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は上
記のポリプロピレン系樹脂に下記の一般式、
記のポリプロピレン系樹脂に下記の一般式、
【0012】
【化5】 で示される安息香酸系化合物(ただし置換基R1〜R5
の内、少なくとも2つ以上が、炭素数1〜8のアルキル
基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン基、水酸
基、アミノ基、ニトロ基、フェニル基の中から選ばれる
同種もしくは異種の基であり、残りが水素原子であ
る。)および下記の一般式、
の内、少なくとも2つ以上が、炭素数1〜8のアルキル
基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン基、水酸
基、アミノ基、ニトロ基、フェニル基の中から選ばれる
同種もしくは異種の基であり、残りが水素原子であ
る。)および下記の一般式、
【0013】
【化6】 で示される安息香酸系化合物の酸無水物(ただし置換基
R6〜R15の内、少なくとも3つ以上が、炭素数1〜
8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロ
ゲン基、水酸基、アミノ基、ニトロ基、フェニル基の中
から選ばれる同種もしくは異種の基であり、残りが水素
原子である。)からなる群から選ばれた少なくとも一種
類以上の化合物含有せしめたものである。
R6〜R15の内、少なくとも3つ以上が、炭素数1〜
8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロ
ゲン基、水酸基、アミノ基、ニトロ基、フェニル基の中
から選ばれる同種もしくは異種の基であり、残りが水素
原子である。)からなる群から選ばれた少なくとも一種
類以上の化合物含有せしめたものである。
【0014】ここで上記一般式における炭素数1〜8の
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オ
クチル基等の直鎖状アルキル基および、i−プロピル
基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、3−メチル
アミル基、2−エチルヘキシル基、2,4−ジメチルヘ
キシル基等の分岐を有するアルキル基も含まれる。炭素
数1〜8のアルコキシル基としては、メトキシ基、エト
キシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキ
シ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチル
オキシ基等の直鎖状アルコキシル基および、i−プロピ
ルオキシ基、t−ブトキシ基、3−エチルブトキシ基、
4−エチルヘキシルオキシ基等の分岐を有するアルコキ
シル基も含まれる。またハロゲン基としては、フルオロ
基、クロロ基、ブロモ基、ヨ−ド基等を挙げることがで
きる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オ
クチル基等の直鎖状アルキル基および、i−プロピル
基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、3−メチル
アミル基、2−エチルヘキシル基、2,4−ジメチルヘ
キシル基等の分岐を有するアルキル基も含まれる。炭素
数1〜8のアルコキシル基としては、メトキシ基、エト
キシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキ
シ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチル
オキシ基等の直鎖状アルコキシル基および、i−プロピ
ルオキシ基、t−ブトキシ基、3−エチルブトキシ基、
4−エチルヘキシルオキシ基等の分岐を有するアルコキ
シル基も含まれる。またハロゲン基としては、フルオロ
基、クロロ基、ブロモ基、ヨ−ド基等を挙げることがで
きる。
【0015】安息香酸系化合物の具体例としては、2−
メチル−3−エチル安息香酸、2,4−ジ−t−ブチル
安息香酸、2,6−ジメチル安息香酸、2−プロピル−
6−アミル安息香酸、2,6−ジ−i−プロピル安息香
酸、3,4−ジエチル安息香酸、3,5−ジメチル安息
香酸、3,5−ジブチル安息香酸、2,4,6−トリメ
チル安息香酸、4−t−ブチル−2,6−ジメチル安息
香酸、2,4,5,6−テトラエチル安息香酸、ペンタ
プロピル安息香酸、2,3−ジプロピルオキシ安息香
酸、2,6−ジメトキシ安息香酸、2,4,6−トリメ
トキシ安息香酸、2,4,5,6−テトラブトキシ安息
香酸、2,3−ジフルオロ安息香酸、2,6−ジフルオ
ロ安息香酸、2,6−ジクロロ安息香酸、2−フルオロ
−3−ブロモ−6−クロロ安息香酸、2,4,6−トリ
フルオロ安息香酸、4−クロロ−2,6−ジフルオロ安
息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、2,4−ジアミノ安
息香酸、2,5−ジフェニル安息香酸、2,6−ジヒド
ロキシ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、2,3,
4−トリヒドロキシ安息香酸、2,4,5−トリアミノ
安息香酸、2,4,5,6−テトラヒドロキシ安息香
酸、2−メチル−3−エトキシ安息香酸、2−メチル−
6−フルオロ安息香酸、2−プロピル−3−クロロ−5
−ヒドロキシ安息香酸、4−フェニル−2,5−ジ−t
−ブチル安息香酸、2,4−ジブトキシ−6−アミノ安
息香酸、2,5−ジエチル−4−ニトロ−6−メトキシ
安息香酸等を挙げることができる。
メチル−3−エチル安息香酸、2,4−ジ−t−ブチル
安息香酸、2,6−ジメチル安息香酸、2−プロピル−
6−アミル安息香酸、2,6−ジ−i−プロピル安息香
酸、3,4−ジエチル安息香酸、3,5−ジメチル安息
香酸、3,5−ジブチル安息香酸、2,4,6−トリメ
チル安息香酸、4−t−ブチル−2,6−ジメチル安息
香酸、2,4,5,6−テトラエチル安息香酸、ペンタ
プロピル安息香酸、2,3−ジプロピルオキシ安息香
酸、2,6−ジメトキシ安息香酸、2,4,6−トリメ
トキシ安息香酸、2,4,5,6−テトラブトキシ安息
香酸、2,3−ジフルオロ安息香酸、2,6−ジフルオ
ロ安息香酸、2,6−ジクロロ安息香酸、2−フルオロ
−3−ブロモ−6−クロロ安息香酸、2,4,6−トリ
フルオロ安息香酸、4−クロロ−2,6−ジフルオロ安
息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、2,4−ジアミノ安
息香酸、2,5−ジフェニル安息香酸、2,6−ジヒド
ロキシ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、2,3,
4−トリヒドロキシ安息香酸、2,4,5−トリアミノ
安息香酸、2,4,5,6−テトラヒドロキシ安息香
酸、2−メチル−3−エトキシ安息香酸、2−メチル−
6−フルオロ安息香酸、2−プロピル−3−クロロ−5
−ヒドロキシ安息香酸、4−フェニル−2,5−ジ−t
−ブチル安息香酸、2,4−ジブトキシ−6−アミノ安
息香酸、2,5−ジエチル−4−ニトロ−6−メトキシ
安息香酸等を挙げることができる。
【0016】また安息香酸系化合物の酸無水物の具体例
としては無水2−メチル−3−エチル安息香酸、無水
2,4−ジ−t−ブチル安息香酸、無水2,6−ジメチ
ル安息香酸、無水2,4,6−トリメチル安息香酸、無
水2−メチル−4,6−ジエチル安息香酸、無水2,4
−ジ−t−ブチル−5−メチル−6−i−プロピル安息
香酸、無水2−メチル−4−プロピル−3,5,6−ト
リブチル安息香酸、無水2,4−ジエトキシ安息香酸、
無水2,4,6−トリメトキシ安息香酸、無水2,6−
ジフルオロ安息香酸、無水2,4,5,6−テトラヨ−
ド安息香酸、無水2,5−ジフェニル安息香酸、無水
2,3,4−トリヒドロキシ安息香酸、無水2−メチル
−6−フルオロ安息香酸、無水2,4−ジブトキシ−6
−アミノ安息香酸等の他に、2,3−ジメチル安息香酸
と2−メトキシ−4−プロピルオキシ−5−エトキシ安
息香酸の縮合物や2,3,4−トリフルオロ安息香酸と
2−アミノ−4,6−ジヒドロキシ安息香酸の縮合物等
のように置換基の異なる安息香酸系化合物同士の縮合物
も含まれる。
としては無水2−メチル−3−エチル安息香酸、無水
2,4−ジ−t−ブチル安息香酸、無水2,6−ジメチ
ル安息香酸、無水2,4,6−トリメチル安息香酸、無
水2−メチル−4,6−ジエチル安息香酸、無水2,4
−ジ−t−ブチル−5−メチル−6−i−プロピル安息
香酸、無水2−メチル−4−プロピル−3,5,6−ト
リブチル安息香酸、無水2,4−ジエトキシ安息香酸、
無水2,4,6−トリメトキシ安息香酸、無水2,6−
ジフルオロ安息香酸、無水2,4,5,6−テトラヨ−
ド安息香酸、無水2,5−ジフェニル安息香酸、無水
2,3,4−トリヒドロキシ安息香酸、無水2−メチル
−6−フルオロ安息香酸、無水2,4−ジブトキシ−6
−アミノ安息香酸等の他に、2,3−ジメチル安息香酸
と2−メトキシ−4−プロピルオキシ−5−エトキシ安
息香酸の縮合物や2,3,4−トリフルオロ安息香酸と
2−アミノ−4,6−ジヒドロキシ安息香酸の縮合物等
のように置換基の異なる安息香酸系化合物同士の縮合物
も含まれる。
【0017】このような安息香酸系化合物もしくは安息
香酸系化合物の酸無水物の中でも剛性あるいは透明性改
良効果の点で特に2,6−ジメチル安息香酸が好まし
い。
香酸系化合物の酸無水物の中でも剛性あるいは透明性改
良効果の点で特に2,6−ジメチル安息香酸が好まし
い。
【0018】ポリプロピレン系樹脂に添加する安息香酸
系化合物もしくは安息香酸系化合物の酸無水物の量は
0.001〜10.0重量部、好ましくは0.05〜
1.0重量部である。添加量が0.001重量部未満の
場合には剛性あるいは透明性の改良効果に乏しく、添加
量が10.0重量部を越えた場合にはべた付き等の問題
が生じ商品価値を低下させる原因となる。
系化合物もしくは安息香酸系化合物の酸無水物の量は
0.001〜10.0重量部、好ましくは0.05〜
1.0重量部である。添加量が0.001重量部未満の
場合には剛性あるいは透明性の改良効果に乏しく、添加
量が10.0重量部を越えた場合にはべた付き等の問題
が生じ商品価値を低下させる原因となる。
【0019】また、本発明の組成物には、更に一般に使
用されるポリオレフィン用の各種添加剤として、フェノ
−ル系、亜リン酸エステル系、チオエ−テル系の各種酸
化防止剤、脂肪酸の金属塩、ヒドロキシ脂肪酸の金属
塩、アルキル乳酸の金属塩、ハイドロタルサイト等の中
和剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ−ル系、サリ
シレ−ト系等の紫外線吸収剤、ヒンダ−ドアミン系光安
定剤、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、有機酸
の金属塩やソルビト−ル系等の核剤、分散剤、過酸化
物、顔料等を添加することができる。さらには成形物の
物性を改良させる目的等により、本発明の組成物に加え
てポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル等の樹脂
をブレンドすることも可能である。
用されるポリオレフィン用の各種添加剤として、フェノ
−ル系、亜リン酸エステル系、チオエ−テル系の各種酸
化防止剤、脂肪酸の金属塩、ヒドロキシ脂肪酸の金属
塩、アルキル乳酸の金属塩、ハイドロタルサイト等の中
和剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ−ル系、サリ
シレ−ト系等の紫外線吸収剤、ヒンダ−ドアミン系光安
定剤、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、有機酸
の金属塩やソルビト−ル系等の核剤、分散剤、過酸化
物、顔料等を添加することができる。さらには成形物の
物性を改良させる目的等により、本発明の組成物に加え
てポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル等の樹脂
をブレンドすることも可能である。
【0020】本発明の組成物を調製するにはポリプロピ
レン系樹脂100重量部に対し、安息香酸系化合物、も
しくは安息香酸系化合物の酸無水物を0.001〜1
0.0重量部、好ましくは0.05〜1.0重量部配合
し、通常使用される安定剤、たとえばペンタエリスリチ
ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]、トリス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ステア
リン酸カルシウムを特に制限はないがそれぞれ0.00
1〜1.0重量部程度加え、これらの組成物をロ−ル、
プラストミル、押出機等の適当な混練機を使いポリプロ
ピレン系樹脂の融点以上で加熱混練すればよい。このよ
うにして得られた樹脂組成物は射出成形、押出成形、圧
縮成形など通常の成形法に適用される高分子成形用素材
として使用される。また本発明に用いられる組成物の高
充填樹脂を前もって調製し、これらを成形時や再造粒時
に添加するような方法、すなわちマスタ−バッチでの添
加によっても目的の成形物を得ることが可能である。
レン系樹脂100重量部に対し、安息香酸系化合物、も
しくは安息香酸系化合物の酸無水物を0.001〜1
0.0重量部、好ましくは0.05〜1.0重量部配合
し、通常使用される安定剤、たとえばペンタエリスリチ
ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]、トリス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ステア
リン酸カルシウムを特に制限はないがそれぞれ0.00
1〜1.0重量部程度加え、これらの組成物をロ−ル、
プラストミル、押出機等の適当な混練機を使いポリプロ
ピレン系樹脂の融点以上で加熱混練すればよい。このよ
うにして得られた樹脂組成物は射出成形、押出成形、圧
縮成形など通常の成形法に適用される高分子成形用素材
として使用される。また本発明に用いられる組成物の高
充填樹脂を前もって調製し、これらを成形時や再造粒時
に添加するような方法、すなわちマスタ−バッチでの添
加によっても目的の成形物を得ることが可能である。
【0021】
【実施例】次に本発明を以下の実施例により説明する
が、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
が、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0022】実施例1〜3 特開昭64−105号公報の実施例1に記載された方法
によって調製されたマグネシウム担持型触媒を用い、気
相法によりエチレン−プロピレンランダム共重合体(エ
チレン含有量6.7モル%、MFR5.3g/10mi
n)を得た。この樹脂にイルガノックス1010:チバ
・ガイギ−社製、ペンタエリスリチル−テトラキス[3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネ−ト]を0.05重量部、イルガフォス
168:チバ・ガイギ−社製、トリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)フォスファイトを0.1重量部、カ
ルシウムステアレ−トS:日本油脂社製、ステアリン酸
カルシウムを0.1重量部、および表1に示す重量部で
以下の市販の安息香酸系化合物、 2,6−CH3 :2,6−ジメチル安息香酸(A
ldrichChem.社製) 2,4,6−CH3 :2,4,6−トリメチル安息香
酸(AldrichChem.社製) 2,6−F :2,6−ジフルオロ安息香酸
(東京化成工業社製) を添加し、25mmφ単軸押出機を用い、240℃で造
粒した。造粒された樹脂は230℃に加熱されたプレス
成形機で厚さ1mmのシ−トに成形され、物性の評価に
用いられた。物性の評価項目および評価方法は以下の通
りである。 ヘ−ズ:JIS K−7105 オルゼン曲げ剛性率:JIS K−7106 評価結果を表1に示す。
によって調製されたマグネシウム担持型触媒を用い、気
相法によりエチレン−プロピレンランダム共重合体(エ
チレン含有量6.7モル%、MFR5.3g/10mi
n)を得た。この樹脂にイルガノックス1010:チバ
・ガイギ−社製、ペンタエリスリチル−テトラキス[3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネ−ト]を0.05重量部、イルガフォス
168:チバ・ガイギ−社製、トリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)フォスファイトを0.1重量部、カ
ルシウムステアレ−トS:日本油脂社製、ステアリン酸
カルシウムを0.1重量部、および表1に示す重量部で
以下の市販の安息香酸系化合物、 2,6−CH3 :2,6−ジメチル安息香酸(A
ldrichChem.社製) 2,4,6−CH3 :2,4,6−トリメチル安息香
酸(AldrichChem.社製) 2,6−F :2,6−ジフルオロ安息香酸
(東京化成工業社製) を添加し、25mmφ単軸押出機を用い、240℃で造
粒した。造粒された樹脂は230℃に加熱されたプレス
成形機で厚さ1mmのシ−トに成形され、物性の評価に
用いられた。物性の評価項目および評価方法は以下の通
りである。 ヘ−ズ:JIS K−7105 オルゼン曲げ剛性率:JIS K−7106 評価結果を表1に示す。
【0023】実施例4〜5 Journal of American Chemi
cal Society,74,4110,(195
2)に記載されている方法に従い、市販の安息香酸系化
合物を用いて以下の安息香酸系化合物の酸無水物を調製
した。 2,6−CH3ah :無水2,6−ジメチル安息香
酸 2,4,6−CH3ah:無水2,4,6−トリメチル
安息香酸 これらの化合物を実施例1と同様の方法で調製されたマ
グネシウム担持型触媒を用い、気相重合されたエチレン
−プロピレンランダム共重合体(エチレン含有量5.3
モル%、MFR9.2g/10min)に、実施例1の
2,6−ジメチル安息香酸に代えて、表2に示す重量部
で添加した以外は実施例1と同様の方法で評価した。結
果を表2に示す。
cal Society,74,4110,(195
2)に記載されている方法に従い、市販の安息香酸系化
合物を用いて以下の安息香酸系化合物の酸無水物を調製
した。 2,6−CH3ah :無水2,6−ジメチル安息香
酸 2,4,6−CH3ah:無水2,4,6−トリメチル
安息香酸 これらの化合物を実施例1と同様の方法で調製されたマ
グネシウム担持型触媒を用い、気相重合されたエチレン
−プロピレンランダム共重合体(エチレン含有量5.3
モル%、MFR9.2g/10min)に、実施例1の
2,6−ジメチル安息香酸に代えて、表2に示す重量部
で添加した以外は実施例1と同様の方法で評価した。結
果を表2に示す。
【0024】比較例1 2,6−ジメチル安息香酸を添加しなかった以外は実施
例1と同一の樹脂を用い、同様の方法で評価した。結果
を表1に示す。
例1と同一の樹脂を用い、同様の方法で評価した。結果
を表1に示す。
【0025】比較例2 無水2,6−ジメチル安息香酸を添加しなかった以外は
実施例4と同一の樹脂を用い、同様の方法で評価した。
結果を表2に示す。
実施例4と同一の樹脂を用い、同様の方法で評価した。
結果を表2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】 表1、2の実施例から種々の安息香酸系化合物もしくは
安息香酸系化合物の酸無水物をポリプロピレン系樹脂に
添加した場合、成形物の剛性あるいは透明性、もしくは
それらの両方が著しく改良されていることがわかる。
安息香酸系化合物の酸無水物をポリプロピレン系樹脂に
添加した場合、成形物の剛性あるいは透明性、もしくは
それらの両方が著しく改良されていることがわかる。
【0028】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は
成形物の剛性あるいは透明性を著しく向上させることが
可能である。従って剛性あるいは透明性が要求されるよ
うな製品、例えば、キャップや衣装ケ−スのような射出
成形物、ボトルに代表されるブロ−製品、またバインダ
−やビデオカセットケ−ス等のシ−ト成形物、包装用フ
ィルムに代表される延伸もしくは無延伸フィルム成形物
等を製造するのに適する。
成形物の剛性あるいは透明性を著しく向上させることが
可能である。従って剛性あるいは透明性が要求されるよ
うな製品、例えば、キャップや衣装ケ−スのような射出
成形物、ボトルに代表されるブロ−製品、またバインダ
−やビデオカセットケ−ス等のシ−ト成形物、包装用フ
ィルムに代表される延伸もしくは無延伸フィルム成形物
等を製造するのに適する。
Claims (1)
- 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂100重量部に対
し、下記の一般式、 【化1】 で示される安息香酸系化合物(ただし置換基R1〜R5
の内、少なくとも2つ以上が、炭素数1〜8のアルキル
基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン基、水酸
基、アミノ基、ニトロ基、フェニル基の中から選ばれる
同種もしくは異種の基であり、残りが水素原子であ
る。)および下記の一般式、 【化2】 で示される安息香酸系化合物の酸無水物(ただし置換基
R6〜R15の内、少なくとも3つ以上が、炭素数1〜
8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロ
ゲン基、水酸基、アミノ基、ニトロ基、フェニル基の中
から選ばれる同種もしくは異種の基であり、残りが水素
原子である。)からなる群から選ばれた少なくとも一種
類以上の化合物を0.001〜10.0重量部含有する
ことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17368692A JP3221068B2 (ja) | 1991-06-19 | 1992-06-09 | ポリプロピレン系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-173329 | 1991-06-19 | ||
JP17332991 | 1991-06-19 | ||
JP17368692A JP3221068B2 (ja) | 1991-06-19 | 1992-06-09 | ポリプロピレン系樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05186646A JPH05186646A (ja) | 1993-07-27 |
JP3221068B2 true JP3221068B2 (ja) | 2001-10-22 |
Family
ID=26495347
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17368692A Expired - Fee Related JP3221068B2 (ja) | 1991-06-19 | 1992-06-09 | ポリプロピレン系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3221068B2 (ja) |
-
1992
- 1992-06-09 JP JP17368692A patent/JP3221068B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05186646A (ja) | 1993-07-27 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |