JPH06218946A - インクカートリッジ - Google Patents

インクカートリッジ

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JPH06218946A
JPH06218946A JP5031394A JP3139493A JPH06218946A JP H06218946 A JPH06218946 A JP H06218946A JP 5031394 A JP5031394 A JP 5031394A JP 3139493 A JP3139493 A JP 3139493A JP H06218946 A JPH06218946 A JP H06218946A
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JP
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ink
recording
cartridge
ink cartridge
ejection
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Application number
JP5031394A
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English (en)
Inventor
Kenji Kawano
兼資 川野
Yoshifumi Hattori
能史 服部
Etsuro Suzuki
悦郎 鈴木
Mitsuji Kitani
充志 木谷
Masami Kojima
政己 小島
Koichi Tanno
幸一 丹野
Hideo Saikawa
英男 才川
Kenji Aono
賢治 青野
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】保護テープを添着することなく、簡単かつ安価
な構成で、あらゆる環境変動の下でも常にインクを所定
の負圧範囲内に安定的に保持することを可能にし、長期
放置した場合でも、インクの固着や増粘による吐出不良
や、圧力変動によるメニスカスの後退を無くして、常に
安定したインク供給を可能にする。 【構成】インク収納部8から大気に通じるとともに該イ
ンク収納部内のインクを介して記録ヘッド部41の吐出
口82に連通する毛管部17を形成し、該毛管部の毛管
力を前記吐出口82の毛管力より小さく設定し、該毛管
部17と該吐出口82を大気から同時に遮断する吐出口
キャップ10を装着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録手段から被記録材
へインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録装
置に用いられるインクカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】プリンター、複写機、ファクシミリ等の
機能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワー
ドプロセッサ等を含む複合機やワークステーションの出
力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づい
て用紙やプラスチック薄板(OHPなど)等の被記録材
(記録媒体)に画像(文字や記号なども含む)を記録し
ていくように構成されている。前記記録装置は、使用す
る記録手段の記録方式により、インクジェット式、ワイ
ヤドット式、感熱式、熱転写式、レーザービーム式等に
分けることができる。
【0003】被記録材の搬送方向(副走査方向)と交叉
する方向に主走査する記録方式を採るシリアルタイプの
記録装置においては、被記録材を所定の記録位置にセッ
トした後、被記録材に沿って移動(主走査)するキャリ
ッジ上に搭載した記録手段(記録ヘッド)によって画像
(文字や記号等を含む)を記録し、1行分の記録を終了
した後に所定量の紙送り(副走査)を行ない、その後に
次の行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返
すことにより、被記録材の所望範囲に画像が記録され
る。一方、被記録材を搬送方向に送る副走査のみで記録
するラインタイプの記録装置においては、被記録材を所
定の記録位置にセットし、一括して1行分の記録を連続
的に行ないながら所定量の紙送り(ピッチ送り)を行な
い、被記録材の全体に画像が記録される。
【0004】そのうち、インクジェット式(インクジェ
ット記録装置)は、記録手段(記録ヘッド)から被記録
材にインクを吐出して記録を行なうものであり、記録手
段のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で
記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせず
に記録することができ、ランニングコストが安く、ノン
インパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多色
のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であ
るなどの利点を有している。
【0005】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、
エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体、電極、
液路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路
配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造すること
ができ、一層のコンパクト化を図ることができる。ま
た、IC技術やマイクロ加工技術の長所を活用すること
により、記録手段の長尺化や面状化(2次元化)が容易
であり、記録手段のフルマルチ化および高密度実装化も
容易である。
【0006】上記インクジェット記録装置においては、
インクの補充の簡便さからカートリッジ式インクタンク
(インクカートリッジ)が多く用いられている。このイ
ンクカートリッジは、通常、インク吐出部を構成する記
録手段と該インク吐出部にインクを供給するためのイン
ク収納部(インクタンク部)とで構成されている。そし
て、この種のインクカートリッジとして、インク収納部
全体を記録手段と一体化した形態の他に、ヘッドカート
リッジ(記録手段)に対して着脱可能なインク容器と該
ヘッドカートリッジ内部に形成したインク一時溜め部と
から成る分割構造のインク収納部を有する形態のものが
使用されている。
【0007】前記インクカートリッジは、インクの補充
がカートリッジまたはインク容器の交換だけでできるこ
とや、補充量の判断が不要であること、補充に際しての
インクによる汚染がほとんど起きないこと等の利点があ
る。従来のこの種のインクカートリッジの構成として
は、多くの場合、インク収納部が大気連通口を介して大
気に開放され、インク収納部に設けられたウレタンスポ
ンジ等の多孔質の吸収体にインクを吸収させて負圧を発
生させインク保持する構成が採られている。
【0008】図7は従来のインクカートリッジの要部構
造を例示する縦断面図である。図7において、インクカ
ートリッジは、カートリッジ本体1と、該カートリッジ
本体1の前部に設けられた記録手段(インク吐出部)4
1と、該カートリッジ本体1の内部に形成されたインク
収納部42と、該インク収納部42内に挿入されたイン
ク吸収体2と、蓋部材3とで構成されている。インク収
納部42には大気連通口4が設けられている。この大気
連通口4は、インク収納部42と大気を連通し、該イン
ク収納部42の負圧力を所定の一定範囲に維持するため
のものである。
【0009】図7において、インクカートリッジには、
保護テープ5および保護キャップ6が装着されている。
前記保護テープ5は、インクカートリッジ単体での運搬
時や放置状態において、記録手段41の吐出口並びにイ
ンク収納部42の大気連通口4を遮蔽することによりイ
ンク漏れやインク蒸発を防止するためのものである。前
記保護キャップ6は記録手段41の吐出口面を損傷や汚
染から保護するためのものである。そして、インクカー
トリッジを記録装置に装着する際に、これらの保護テー
プ5および保護キャップ6を取り外してセッティングを
行なう。
【0010】記録装置にインクカートリッジが装着され
ると、記録装置の電源が遮断されている時には、記録装
置側のキャップ部材(キャッピング手段)によって記録
手段41の吐出口を常時塞ぐ(キャッピングする)よう
に構成されている。このキャッピングによって、インク
カートリッジからのインクの蒸発や増粘が防止される。
記録装置の電源を投入し記録モードを指定すると、前記
キャッピング手段が解除され、入力データに基づいてイ
ンクが吐出され記録が行なわれる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のインク
カートリッジにおいては、インクを保持するための負圧
発生手段はインク収納部の内部に挿入されたウレタンス
ポンジ等の多孔質のインク吸収体2により形成され、該
インク吸収体2によるインクの負圧を一定範囲に維持す
るために前記大気連通口4が大気に開放されている。そ
のため、前記保護テープ5および前記保護キャップ6を
使用しても、振動、落下、環境条件の変動などが生じる
場合にインク収納部42内の負圧力を一定範囲に管理す
ることが非常に難しく、インクカートリッジの生産工程
が複雑化し、品質管理が非常に難しくなるという課題が
あった。
【0012】また、前記保護テープ5や前記保護キャッ
プを必要とするためにコストが高くなるという課題もあ
った。さらに、インクカートリッジを長期放置しておく
場合には、記録手段の吐出口面の乾燥によるインク液の
固着や増粘の問題、インク収納部に対する圧力条件の変
動による吐出口のインクメニスカスの後退に起因する記
録時のインク不吐出の問題などが生じることもあった。
【0013】本発明はこのような従来技術に鑑みてなさ
れたものであり、本発明の目的は、簡単かつ安価な構成
で、あらゆる環境変動の下でも常にインクを安定に保持
することができ、長期放置した場合でも吐出口面の乾燥
によるインクの固着や増粘を防止するとともに、圧力条
件の変動によるメニスカスの後退を防止することがで
き、記録手段に対し常にインクを安定的に供給し得るイ
ンクカートリッジを提供することである。
【0014】
【課題解決のための手段】請求項1の発明は、被記録材
へインクを吐出して記録を行なうための記録手段と該記
録手段へインクを供給するためのインク収納部とを有す
るインクカートリッジにおいて、前記インク収納部から
大気に通じるとともに該インク収納部でインクによって
前記記録手段の吐出口に連通する毛管部が形成され、該
毛管部と前記吐出口とを大気から同時に遮断するキャッ
プ手段を有する構成とすることにより、上記目的を達成
するものである。また、請求項2の発明は、上記構成に
加えて、前記毛管部の毛管力が前記吐出口の毛管力より
小さい構成とすることにより、一層効率よく上記目的を
達成するものである。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明を適用したインクカートリッジを装
着したインクジェット記録装置の一実施例を示す斜視図
である。図1において、駆動モータ20の正逆回転に連
動して駆動力伝達ギア21、22を介して回転駆動され
るリードスクリュー23が軸支されている。キャリッジ
25は、前記リードスクリュー23の螺施溝24に係合
するピン(不図示)を有し、該リードスクリュー23の
正逆回転により矢印aおよび矢印b方向の方向に往復移
動する。
【0016】前記キャリッジ25には、インクカートリ
ッジ50が着脱(交換)可能に搭載されている。このイ
ンクカートリッジ50の前端部には、被記録材27にイ
ンクを吐出して記録を行なうための記録手段(記録ヘッ
ド部=インク吐出部)41が設けられている。この記録
手段41は、熱エネルギーを利用してインクを吐出する
インクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生
するための電気熱変換体を備えたものである。また、前
記記録手段41は、前記電気熱変換体によって印加され
る熱エネルギーにより生じる膜沸騰により気泡の成長、
収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりイ
ンクを吐出させ、記録を行なうものである。
【0017】図2は前記インクカートリッジ50のイン
ク吐出部41の構造を模式的に示す部分斜視図である。
図2において、被記録材27と所定の隙間(例えば、約
0.5〜2.0 ミリ程度) をおいて対面する吐出口面81に
は、所定のピッチで複数の吐出口82が形成され、共通
液室83と各吐出口82とを連通する各液路84の壁面
に沿ってインク吐出用のエネルギーを発生するための電
気熱変換体(発熱抵抗体など)85が配設されている。
本例においては、インクカートリッジ50は、前記吐出
口82がキャリッジ25の走査方向と交叉する方向に並
ぶような位置関係で、該キャリッジ25に搭載されてい
る。こうして、画像信号または吐出信号に基づいて対応
する電気熱変換体85を駆動(通電)して、液路84内
のインクを膜沸騰させ、その時に発生する圧力によって
吐出口82からインクを吐出させる記録手段41が構成
されている。
【0018】図1において、前記インクカートリッジ5
0と対向する位置には、前記リードスクリュー23と平
行に、紙送りローラ(被記録材搬送ローラ)を兼ねたプ
ラテン28が軸支されている。該紙送りローラ28は搬
送モータ45により回転駆動される。前記被記録材27
は、紙押え板26により、キャリッジ25の移動(主走
査)方向にわたって前記プラテン28に押圧されてい
る。
【0019】記録領域外の所定位置(図示左側の位置)
に設定されたキャリッジ25のホームポジションの近傍
にはフォトカプラー29、30が配設されており、キャ
リッジ25に設けられたレバー31の到達を前記フォト
カプラー29、30で検知することにより、該キャリッ
ジ25がホームポジションに到達したことを検出する。
前記フォトカプラー29、30は、キャリッジ25がホ
ームポジションに到達した時に前記駆動モータ20の回
転方向を切り換えてキャリッジ移動方向を反転させな
ど、記録装置の動作を制御するためのセンサとして使用
される。
【0020】前記ホームポジションには、インクカート
リッジ50の記録手段41の吐出口面81を被う(密閉
する)ためのキャップ33が設けられている。該キャッ
プ33は、キャップホルダー32により、吐出口面81
に対して密着および離隔する方向に移動可能に支持され
ている。また、前記キャップ33の内部は開口35を介
して吸引ポンプ34に接続されており、キャップ33を
吐出口面81に密着させた状態(キャッピング状態)で
吸引ポンプ34を駆動することにより、吐出口82から
インクとともに固着インク、増粘インク、ゴミ、気泡な
どの異物を吸い出す動作、すなわち吐出不良またはその
原因を解消するための回復動作を行なうように構成され
ている。
【0021】前記キャップ33と記録領域との間には、
吐出口面81を拭き取り清掃(クリーニング)するため
のブレード36が配設されている。このブレード36
は、本体支持板38に支持されたホルダー37により、
吐出口面81を拭き取り可能な前進位置と吐出口面81
に接触しない後退位置との間で移動可能に保持されてい
る。なお、吐出口面81のクリーニング手段としては、
前記ブレード36の形態の他、異物を除去できる部材で
あれば種々の形態のものを使用することができる。ま
た、キャリッジ25と係合するカム40の移動に伴って
移動し、駆動モータ20からの駆動力をクラッチ切換等
の公知の伝達手段へ伝達することにより、前記吸引回復
動作を開始するためのレバー39が設けられている。
【0022】上記吐出口面81のキャッピング、上記吐
出口82の吸引回復、吐出口面81のクリーニングなど
の動作は、キャリッジ25がホームポジション側の領域
に来た時、前記リードスクリュー23の作用によりキャ
リッジ25をそれらの対応位置に所定のタイミングで停
止または移動させながら実行される。
【0023】図3は本発明を適用したインクカートリッ
ジの第1実施例のインク容器装着前の状態を示す縦断面
図であり、図4は図1のインクカートリッジのインク容
器装着時の状態を示す側面図であり、図5は図4のイン
クカートリッジの正面図である。図3〜図5において、
インクカートリッジ50は、互いに着脱可能なカートリ
ッジ本体7とインク容器11とで構成されている。カー
トリッジ本体7には、インク一時溜め部8と記録手段4
1とが設けられている。記録手段(インク吐出部)41
の吐出口面81には、吐出口キャップ部材10を保持し
たキャップ支持部材9が嵌合装着されている。このキャ
ップ支持部材9を嵌合装着することにより、全ての吐出
口82は前記吐出口キャップ部材10により密封されて
いる。
【0024】一方、前記インク容器11は、容器本体1
6内にインク収納袋12を保持した構造をしている。補
充用のインクが収納される前記インク収納袋12はゴム
袋等の可撓性材料で形成されている。そして、このイン
ク容器11は、前記カートリッジ本体7の前記インク一
時溜め部8に対して着脱可能になっている。すなわち、
図4および図5に示すようにインク容器11をカートリ
ッジ本体7に装着すると、前記容器本体16のインク取
り出し側(インク収納袋12の開口部側)に設けられた
連結部13が前記インク一時溜め部8に設けられた連結
部14に接続され、インク収納袋12内のインクが該イ
ンク一時溜め部8へ導出されるようになっている。した
がって、本実施例では、インクカートリッジ50のイン
ク収納部42は前記インク収納袋12とインク一時溜め
部8で構成されている。
【0025】前記インク収納袋12は、インク溜め容積
の関数としての減圧変化を最小限にするため、丸型に近
い形状にされている。また、容器本体16内のインク収
納袋12の周囲は、大気連通口15を介して大気に通じ
ている。なお、本実施例では、インク容器11がカート
リッジ本体7に対して着脱可能なため、該カートリッジ
本体7内にインク一時溜め部8が設けられているが、カ
ートリッジ本体内に記録手段と全てのインク収納部とを
一体的に構成したインクカートリッジに対しても本発明
は同様に適用できるものである。
【0026】前記インク収納袋12の内部は、初期状態
において大気よりもわずかに低い圧力に維持され、イン
ク保持が行なわれている。そこで、インクが使用され減
少してくるとインク収納袋12の内部は徐々に減圧され
負圧が次第に高まってくる。これに対しては、インク収
納袋12の内部のインクを全て使い切った時の最大負圧
力の状態でも吐出口82からインクを吐出させることが
できるように、予め記録手段41の吐出特性を設定する
ことによりインクを常に吐出口82から正常に吐出させ
ることが可能となっている。
【0027】図3〜図5において、前記カートリッジ本
体7には、前記インク収納部(図示の例ではインク一時
溜め部)8から記録手段41の各吐出口82へインクを
導くための流路46(前記インク吐出部の液路84を含
む)が形成されている。さらに、前記カートリッジ本体
7には、前記インク収納部8から大気に通じるととも
に、該インク収納部8内のインクを介して前記流路46
および前記吐出口82に連通する毛管部17が形成され
ており、常時毛管部17内部には前記インク収納部8よ
りインクが充填された状態となっている。なお、図3中
の符号18は、インク吐出エネルギーを発生するための
前記電気熱変換体85が配設されたヒーター部を示す。
【0028】この毛管部17の大気側は前記吐出口面8
1またはこれに連続した前面で開口している。そして、
前記毛管部17は、吐出口面81に嵌合装着される前記
キャップ支持部材9に保持された前記吐出口キャップ1
0により、各吐出口82とともに密封されている。すな
わち、前記毛管部17と前記吐出口82は、前記吐出口
キャップ10を装着することにより同時に大気から遮断
され、該吐出口キャップ10を取り外すことにより同時
に大気に連通するようになっている。前記吐出口キャッ
プ10が装着された状態では、前記毛管部17と前記吐
出口82は同一気体雰囲気中にあるために、該吐出口8
2のインクの固着および増粘を防止することが可能とな
る。
【0029】ここで、各吐出口82の形状および寸法
は、該吐出口82のメニスカスによるインク保持力が、
インク収納部(インク収納袋12およびインク一時溜め
部8)の内部に発生する負圧力よりも大きくなるように
設定されている。そのため、該吐出口82からのインク
吐出に伴うインクの体積減少により負圧が発生すると、
インク収納部8、12から該吐出口82へのインク補充
(インクのリフィル)が円滑に行われる。また、前記毛
管部17の形状および寸法は、その毛管力が、各吐出口
82へ通じる流路84の毛管力より小さくなるように設
定されており、これによって、吐出口82より常時安定
したインク吐出を行なうことができる。
【0030】図3〜図5のインクカートリッジ50は、
単体で保管したり運搬する場合や長期放置の場合には前
記吐出口キャップ10により吐出口82および毛管部1
7を密封しておくが、記録装置に装着する際には該吐出
口キャップ10を取り外して使用される。
【0031】上記構成のインクカートリッジによれば、
環境条件に変化が生じた場合、例えば常温より高温多湿
へと移行した場合には、インク収納部8、12の内部の
インクが熱膨張して一時的に増圧するが、インク容器1
1内のインク収納袋12は減圧する方向へ膨張するの
で、インク収納部8、12の内部負圧は常に所定範囲内
に維持される。また、逆に常温より低温へと移行した場
合には、インク収納部8、12内のインクが収縮して一
時的に減圧されるが、インク収納袋12は増圧する方向
へ収縮するので、この場合もインク収納部8、12の内
部負圧は常に所定範囲内に維持される。
【0032】インクジェット記録手段においては、イン
ク流路系に気泡が侵入してインク吐出不良(不吐出を含
む)になる場合があるが、本実施例では、インク容器1
1とインク一時溜め部8との結合部13、14のインク
導出体としてポリエステルの繊維状集合体からなる繊維
収束体を使用することにより、気泡対策が採られてい
る。すなわち、この繊維収束体は細い管の集合体であ
り、気泡が侵入し難い性質を有しており、これによっ
て、インク一時溜め部8への気泡侵入が防止されてい
る。なお、前記インク導出体の材質としてウレタンスポ
ンジ等の多孔質体の吸収体を使用することによっても、
前述と同様、気泡侵入防止の効果を達成することができ
る。
【0033】以上説明した実施例によれば、インク収納
部(インク一時溜め部)8から大気に通じるとともに該
インク収納部8でインクによって吐出口82に連通する
毛管部17を形成し、該毛管部17の毛管力を吐出口8
2の毛管力より小さく設定し、吐出口キャップ10によ
って前記吐出口82と前記毛管部17を同時に遮断およ
び開放するように構成したので、簡単かつ安価な構成
で、あらゆる環境変動の下でも常にインクを安定に保持
することができ、長期放置した場合でも吐出口面81の
乾燥によるインクの固着や増粘を防止するとともに、圧
力変動条件の変動によるメニスカスの後退を防止するこ
とができ、常に安定した品質を維持することが可能なイ
ンクカートリッジが得られた。また、従来のように吐出
口や大気連通口を保護テープで密封する必要もないの
で、この面でのコストダウンを図ることもできた。
【0034】図6は本発明を適用したインクカートリッ
ジの第2実施例のインク容器装着前の状態を示す縦断面
図である。本実施例では、図3中のインク収納袋12を
用いずに、容器本体16の内部に直接的にインクが収納
されており、また、該容器本発明16の内部には、イン
クの使用による容積変化を吸収するための、大気連通口
15に通じた大気開放袋19が配設されている。本実施
例では、インクカートリッジ50のインク収納部42は
インク一時溜め部8とこれに着脱可能な容器本体16
(インク容器11)とで構成されている。本実施例は、
この点で図3の第1実施例と相違するが、その他の部分
では図3の第1実施例と実質上同じ構成をしており、そ
れぞれ対応する部分を同一符号で示し、それらの詳細説
明は省略する。
【0035】図6の第2実施例の構成においても、初期
状態では、インク容器11の内部が大気よりもわずかに
低い圧力に維持され、これによってインクの保持が行な
われている。そして、インクの減少に伴いインク容器1
1の内部は徐々に減圧され、負圧が高まってくる。そこ
で、本実施例においても、記録手段41の吐出特性は、
インク容器11内のインクを全て使い切った時の最大負
圧力の状態でも、常に吐出口82からインクを正常に吐
出させ得るように予め設定されている。図6の第2実施
例によれば、前述の第1実施例の場合と同様の効果が得
られる他に、インク容器11の形状が何の制約も受け
ず、インク容器11の形状をインク収納容積の大きい形
状に自由に選定することができるという効果が得られ
た。
【0036】なお、前述の各実施例では、インクカート
リッジ50のインク収納部42をインク容器11とイン
ク一時溜め部8とから成る分割構造にしたが、本発明
は、インク収納部全体を記録手段41と一体化した単体
構成のインクカートリッジに対しても同様に適用でき、
同様の効果が得られるものである。
【0037】また、前述の実施例では、キャリッジ25
に搭載されるシリアル記録用のインクカートリッジの場
合を例に挙げて説明したが、本発明は、キャリッジを使
用せず、副走査(紙送り)のみで記録するライン記録用
のインクカートリッジに対しても同様に適用でき、同様
の効果が得られるものである。
【0038】なお、本発明は、インクジェット記録装置
で用いるインクカートリッジであれば、例えば、ピエゾ
素子等の電気機械変換体等を用いる記録ヘッドを使用す
るものに適用できるが、中でも、熱エネルギーを利用し
てインクを吐出する方式のインクジェット記録ヘッドを
用いるものにおいて優れた効果をもたらすものである。
かかる方式によれば、記録の高密度化、高精細化が達成
できるからである。
【0039】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うのが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド型、
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速
な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加す
ることによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せ
しめ、記録手段(記録ヘッド)の熱作用面に膜沸騰させ
て、結果的にこの駆動信号に一対一対に応し液体(イン
ク)内の気泡を形成出来るので有効である。
【0040】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。尚、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第43131
24号明細書に記載されている条件を採用すると、更に
優れた記録を行なうことができる。
【0041】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換対
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。すなわち、記録ヘッ
ドの形態がどのようなものであっても、本発明によれ
ば、記録を確実に効率よく行うことができるようになる
からである。
【0042】さらに、記録装置が記録できる被記録材
(記録媒体)の最大幅に対応した長さを有するフルライ
ンタイプのヘッドカートリッジに対しても、本発明は有
効に適用できる。そのようなヘッドカートリッジとして
は、複数ヘッドカートリッジの組み合わせによってその
長さを満たす構成や、一体的に形成された1個のヘッド
カートリッジとしての構成のいずれでもよい。加えて、
上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体に固
定されたヘッドカートリッジ、あるいは装置本体に装着
されることで装置本体との電気的な接続や装置本体から
のインクの供給が可能になる交換自在のヘッドカートリ
ッジを用いた場合にも本発明は有効である。
【0043】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる記録ヘッドに対しての回復手段や予備的な補助手
段等を付加することは、本発明の効果を一層安定化でき
るので好ましいみのである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリー
ニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれ
とは別の加熱素子或いはこれらの組み合わせによる予備
熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備モードを行うこ
とも安定した記録を行うために有効である。
【0044】また、搭載されるヘッドカートリッジの種
類ないし個数についても、例えば、単色のインクに対応
して1個のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異
にする複数のインクに対応して複数個数設けられるもの
であってもよい。すなわち、例えば、記録装置の記録モ
ードとしては、黒色等の主流色のみの記録モードだけで
はなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み
合わせによるか、いずれでもよいが、異なる色の複数カ
ラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0045】さらに加えて、以上説明した本発明の実施
例においては、インクを液体として説明しているが、室
温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化も
しくは液化するもの、あるいは、インクジェット方式で
は、インク自わ30℃以上70℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与
時にインクが液状をなすものであればよい。
【0046】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、または、イ
ンクの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインク
を用いるかして、いずれにしても、熱エネルギーの記録
信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インク
が吐出されるものや、記録媒体に到達する時点ではすで
に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって
初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は
適用可能である。本発明においては、上述した各インク
に対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行
するものである。
【0047】さらに加えて、本発明によるインクカート
リッジを用いる記録装置の形態としては、コンピュータ
等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるもの
の他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受
信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等で
あってもよい。
【0048】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、請求項
1の発明によれば、被記録材へインクを吐出して記録を
行なうための記録手段と該記録手段へインクを供給する
ためのインク収納部とを有するインクカートリッジにお
いて、前記インク収納部から大気に通じるとともに該イ
ンク収納部でインクによって前記記録手段の吐出口に連
通する毛管部が形成され、該毛管部と前記吐出口とを大
気から同時に遮断するキャップ手段を有する構成とした
ので、簡単かつ安価な構成で、あらゆる環境変動の下で
も常にインクを安定に保持することができ、長期放置し
た場合でも吐出口面の乾燥によるインクの固着や増粘を
防止するとともに、圧力条件の変動によるメニスカスの
後退を防止することができ、記録手段に対し常にインク
を安定的に供給し得るインクカートリッジが提供され
る。
【0049】請求項2の発明によれば、上記構成に加え
て、前記毛管部の毛管力が前記吐出口の毛管力より小さ
い構成としたので、簡単かつ安価な構成で、一層効率よ
く、あらゆる環境変動の下でも常にインクを安定に保持
することができ、長期放置した場合でも吐出口面の乾燥
によるインクの固着や増粘を防止するとともに、圧力条
件の変動によるメニスカスの後退を防止することがで
き、記録手段に対し常にインクを安定的に供給し得るイ
ンクカートリッジが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクカートリッジを備えた
インクジェット記録装置の一実施例を示す模式的斜視図
である。
【図2】図1中のインクカートリッジの記録手段のイン
ク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図である。
【図3】本発明を適用したインクカートリッジの第1実
施例のインク容器装着前の状態を示す縦断面図である。
【図4】図3のインクカートリッジの組み立てた状態を
示す側面図である。
【図5】図4のインクカートリッジの正面図である。
【図6】本発明を適用したインクカートリッジの第2実
施例のインク容器装着前の状態を示す縦断面図である。
【図7】従来のインクカートリッジの構成例を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
7 カートリッジ本体 8 インク一時溜め部 9 キャップ支持部材 10 吐出口キャップ 11 インク容器 12 インク収納袋 13 連結部 14 連結部 15 大気連通口 17 毛管部 19 大気開放袋 20 駆動モータ 23 リードスクリュー 25 キャリッジ 27 被記録材 28 搬送ローラ(プラテン) 33 キャップ 34 吸引ポンプ 36 ブレード 41 記録手段(インク吐出部=記録ヘッド部) 42 インク収納部 45 搬送モータ 46 インク流路 50 インクカートリッジ 81 吐出口面 82 吐出口 84 液路 85 電気熱変換体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木谷 充志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小島 政己 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 丹野 幸一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 才川 英男 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 青野 賢治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録材へインクを吐出して記録を行
    なうための記録手段と該記録手段へインクを供給するた
    めのインク収納部とを有するインクカートリッジにおい
    て、前記インク収納部から大気に通じるとともに該イン
    ク収納部でインクによって前記記録手段の吐出口に連通
    する毛管部が形成され、該毛管部と前記吐出口とを大気
    から同時に遮断するキャップ手段を有することを特徴と
    するインクカートリッジ。
  2. 【請求項2】 前記毛管部の毛管力が前記吐出口の毛
    管力より小さいことを特徴とする請求項1のインクカー
    トリッジ。
  3. 【請求項3】 前記記録手段が、インクを吐出するた
    めに利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を
    備えているインクジェット記録手段であることを特徴と
    する請求項1のインクカートリッジ。
  4. 【請求項4】 前記記録手段が、前記電気熱変換体が
    発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利
    用して、吐出口よりインクを吐出させることを特徴とす
    る請求項3のインクカートリッジ。
JP5031394A 1993-01-27 1993-01-27 インクカートリッジ Pending JPH06218946A (ja)

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