JPH0621680Y2 - ウォータージェット加工装置用ワーク加工テーブル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はウォータジェット加工装置用ワーク加工テーブ
ルに関する。

［従来の技術］ 数値制御のウォータジェット加工装置は、ウォータジェ
ット噴射機を例えば５軸制御方式のガントリロボット又
はＮＣ加工機等に取付けて、ノズルから高圧ウォータジ
ェットを母材に噴射して任意の形状の製品を高精度で切
断加工する。母材が炭素繊維強化プラスチック等使用の
複合材やチタンなどの難削材である場合には、水にアブ
レシブ剤を混入したアブレシブウォータジェットが使用
される。このようなウォータジェット加工装置では、ワ
ークを載置するテーブルはウォータジェットによる損傷
を防ぐために水槽の上に設置した格子状のテーブルが使
用される（実開昭６１−１１２９００号公報参照）。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、従来のアブレシブウォータジェット加工装置
では、アブレシブウォータジェットが高圧（約４、００
０kg/cm²）かつ高速（約音速の４倍）で噴射され、極め
て強力であるため格子状のテーブルが損傷を受けること
があり、また、水槽の底に沈澱したアブレシブ剤を排出
するのに非常に手間がかかるといった問題があった。更
に、格子状のテーブルではガントリロボット又はＮＣ加
工機等の原点とワークの原点との位置決めが極めて困難
であり、高精度が要求される航空機等の部品加工には使
用できないといった問題もあった。

そこで、本考案の目的はテーブルの損傷を防止し、加工
機の原点とワークの原点との位置合せが非常に容易にで
き、かつ水槽の底に沈降したアブレシブ剤を自動的に排
出することのできるアブレシブウォータジェット加工装
置用ワーク加工テーブルを提供することにある。

［課題を解決するための手段］ この目的を達成するために、本考案は、ウォータジェッ
ト加工装置によって加工されるワークを加工治具を介し
て保持するウォータジェット加工装置用ワーク加工テー
ブルにおいて、水槽と，この水槽内にほぼ水平に固着さ
れ、複数箇所に取付部を有するポール取付部材と，上記
水槽内に直立するように上記ポール取付部材の取付部に
取付けられ、上面に上記加工治具の位置決めを行う位置
決め孔を有する複数個の加工治具取付ポールと，上記水
槽の底部に設置され、上記水槽底部に滞留したアブレシ
ブ剤を上記水槽の外に自動的に排出するスクリュウコン
ベアとを具備することを特徴とするものである。

スクリュウコンベアは、上記水槽底部に位置する直線部
と上記水槽の外部に位置する傾斜上昇部とから構成する
ことが望ましい。

また、ポール取付部材は互いに平行かつ所定間隔離間し
て延在した複数本のポール取付板から構成し、上記取付
部の位置は等ピッチとなるように定めることが望まし
い。

［作用］ ワーク及び加工治具の寸法に応じて必要数の加工治具取
付ポールをポール取付部材の取付部に取付ける。ワーク
を固定する加工治具はこれらの加工治具取付ポールの上
面に位置決め孔によって取付けられる。このように、加
工治具取付ポールはポール取付部材の取付部に取付けら
れかつ加工治具は加工治具取付ポールの位置決め孔を利
用して固定されるので、アブレシブウォータジェット加
工装置の原点と加工治具、即ちワークの原点との位置合
せを正確に行うことがでいる。治具取付けポールは、上
面が加工治具の下に位置しているため、アブレシブウォ
ータジェットによって損傷を受けることはない。水槽の
底に沈降したアブレシブ剤はスクリュウコンベアによっ
て自動的に水槽外に搬送される。

［実施例］ 以下に、本考案によるアブレシブウォータジェット加工
装置用ワーク加工テーブルの実施例を図面を参照して説
明する。

第１図乃至第３図は、アブレシブウォータジェット加工
装置とそのワーク加工テーブルとの配置関係を示したも
ので、数値制御のアブレシブウォータジェット加工装置
１は、ガントリーロボット２とアブレシブウォータジェ
ット噴射機３（第２図では省略されている。）とから構
成され、このアブレシブウォータジェット噴射機３はガ
ントリーロボット２にＸ軸、Ｙ軸及びＺ軸の３方向に移
動可能に取付けられている。ワーク加工テーブル４は水
槽５として構成され、この水槽５の底面６は長軸である
Ｘ軸に沿った溝部６ａとこの溝部６ａに向かって傾斜し
た傾斜面６ｂとから構成されている。

この傾斜面６ｂの上方には複数のポール取付部材７がワ
ーク加工テーブル４の本体に固定されている。これらの
ポール取付部材７は互いに平行かつ一定間隔離間してＹ
軸に沿って延在しており、各ポール取付け部材７には上
面に一定間隔位置にポール取付部７ａ（＋印で示されて
いる）が形成されている。これらのポール取付部７ａは
Ｘ軸及びＹ軸方向に互いに等ピッチとなるように定めら
れている。

ポール取付部材７は、第４図および第５図に明示したよ
うにワーク加工テーブル本体に両端で固定されたビーム
８と、このビーム８の上面に固着され一定間隔毎に貫通
孔９ａが穿設されている厚板９と、この厚板９の貫通孔
９ａに挿入されたポール固定具１０とから構成されてい
る。ポール固定具１０は、中央に貫通孔を有し、不図示
のボルト・ナット及びノックピンによって厚板９に固着
されている。これらのポール固定具１０はポール取付け
部材７のポール取付部７ａを構成している。

ポール固定具１０に取付けられる加工治具取付ポール１
１は、管形状であり、下端がポール固定具１０の貫通孔
に挿入され、上端には治具固定用ブッシュ１２を有して
いる。この治具固定用ブッシュ１２は中央に位置決め用
貫通孔１２ａが穿孔されている。取付ポール１１の長さ
は少なくとも治具固定用ブッシュ１２が水槽５の水面よ
りも突出するように定められている。

再び第１図において、溝部６ａにはその全長に亙ってス
クリュウコンベア１３が配置され、このスクリュウコン
ベア１３は溝部６ａに延在する直線１３ａと水槽５の側
壁を貫通して水槽外に延在する傾斜上昇部１３ｂとから
構成されている。

次にこの実施例の作用を説明する。

加工治具取付ポール１１は、不図示のワーク及び加工治
具の寸法に応じて必要数だけポール取付部材７の取付部
７ａ，具体的にはポール固定具１０の貫通孔に取付けら
れる。これらの加工治具取付ポール上端の治具固定用ブ
ッシュ１２に加工治具を介してワークを固定する。この
時、加工治具は位置決め孔１２ａを利用して治具固定用
ブッシュ１２に取付けられるので、非常に高精度に行わ
れる。このように取付ポール１１は等ピッチの取付部７
ａに取付けられ、かつ加工治具は位置決め孔１２ａの利
用により取付ポール１１に固定されるので、アブレシブ
ウォータジェット加工装置１の原点と加工治具、即ちワ
ークの原点との位置合せを高精度に行うことができる。

このようにテーブル４に固定されたワークは、数値制御
されたアブレシブウォータジェット噴射機３によって加
工される。この時、治具取付ポール１１とブッシュ１２
は、加工治具の下に位置しているため、アブレシブウォ
ータジェットによって損傷を受けることはない。噴射機
３から噴射されたアブレシブウォータジェットは、ワー
クで仕事をした後に水槽５内の水中に落下し、アブレシ
ブ剤は水中を降下し水槽底面６の傾斜面６ｂに沿って滑
動し溝部６ａに集積する。スクリュウコンベア１３は、
不図示のモータによって回転駆動され直線部１３ａが溝
部６ａ内の集積アブレシブ剤を傾斜上昇部１３ｂに移送
し水槽外に自動的に排出する。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように、本考案によれば、水槽
内に複数個のポール取付部材の取付部に取付けその上面
に加工治具の位置決めを行う位置決め孔を有する加工治
具取付ポールを直立して設けると共に上記水槽底部に滞
留したアブレシブ剤を上記水槽の外に自動的に排出する
スクリュウコンベアを設けたから、加工治具の下に位置
する加工治具取付ポールはアブレシブウォータジェット
による損傷を受けることなく、従って加工ベットの損傷
を防止できる。また加工治具取付ポールが所定の位置の
取付部に取付けられ、かつ加工治具が加工治具取付ポー
ルの位置決め孔により位置決めを行われるので、アブレ
シブウォータジェット加工装置の原点と加工治具、即ち
ワークの原点との位置合せが高精度に行うことができ
る。更にスクリュウコンベアによってアブレシブ剤を水
槽外に自動的に排出することができる。

また、取付部を互いに等ピッチと定めることによりアブ
レシブウォータジェット加工装置の原点と加工治具、即
ちワークの原点との位置合せが一層高精度に行うことが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案によるアブレシブウォータジェット加
工装置用ワーク加工テーブルの実施例を夫々概略的に示
した正面図、第２図は同平面図、第３図は同側面図、第
４図は第１図の加工治具取付ポールを取付法を夫々示し
た平面図、第５図は一部断面で示した正面図である。 １……アブレシブウォータジェット加工装置、４……ワ
ーク加工テーブル、５……水槽、６……水槽底面、７…
…ポール取付部材、７ａ……取付部，１１……加工治具
取付ポール、１２ａ……位置決め孔。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】アブレシブウォータジェット加工装置によ
   って加工されるワークを加工治具を介して保持するアブ
   レシブウォータジェット加工装置用ワーク加工テーブル
   において、水槽と，この水槽内にほぼ水平に固着され、
   複数箇所に取付部を有するポール取付部材と，上記水槽
   内に直立するように上記ポール取付部材の取付部に取付
   けられ、上面に上記加工治具の位置決めを行う位置決め
   孔を有する複数個の加工治具取付ポールと，上記水槽の
   底部に設置され、上記水槽底部に滞留したアブレシブ剤
   を上記水槽の外に自動的に排出するスクリュウコンベア
   とを具備したことを特徴とするウォータジェット加工装
   置用ワーク加工テーブル。
2. 【請求項２】スクリュウコンベアは、上記水槽底部に位
   置する直線部と上記水槽の外部に位置する傾斜上昇部と
   を有することを特徴とする請求項１記載のウォータジェ
   ット加工装置用ワーク加工テーブル。
3. 【請求項３】ポール取付部材は互いに平行かつ所定間隔
   離間して延在した複数本のポール取付板から構成され、
   上記取付部の位置は等ピッチとなるように定められてい
   ることを特徴とする請求項２に記載のウォータジェット
   加工装置用ワーク加工テーブル。