JPH06215151A - 画像データ処理方法及び装置 - Google Patents

画像データ処理方法及び装置

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JPH06215151A
JPH06215151A JP5248370A JP24837093A JPH06215151A JP H06215151 A JPH06215151 A JP H06215151A JP 5248370 A JP5248370 A JP 5248370A JP 24837093 A JP24837093 A JP 24837093A JP H06215151 A JPH06215151 A JP H06215151A
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Adamu Maikeru Biruyaado
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    • G06T15/10Geometric effects
    • G06T15/30Clipping

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】電算機の経費を節減する画像データを処理する
ための装置と方法を提供することである。特に、更なる
処理を必要としないデータを無視出来るような、ある程
度の選択性のある改善されたシステムを提供することが
本発明の目的である。 【構成】多次元対象物を表現する画像データを処理する
装置において、光源の位置,視点位置,対象物を定義す
る多角形の配置,そして前記対象物を可視3次元空間内
に変換するための局所変換を定義するデータが記憶され
る。処理手段は、対象物の各次元における点の範囲を定
義し、前記点での前記局所変換を実行し、前記点が視野
空間内に変換される範囲を決定する。従って、多角形が
変換される前に、視野空間内のどこに対象物があるかに
関して評価が実行される。それで、多角形単位よりはむ
しろ対象物単位で選別除去が実行される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像データを処理するた
めの画像データ処理装置及び方法に関し、特に、対話型
の3次元画像環境で使用するための画像データ処理装置
及び方法に関する。又、本発明は、3次元対象物を2次
元で表現するための画像データ処理装置及び方法、それ
から生じる画像信号とその記録にも関するものである。
【0002】
【従来の技術】3次元空間内の要素を定義するデータに
応じて2次元画像を合成出来るシステムが知られてい
る。最終の2次元結果は、モニタ上で見られたり或は画
像伝達媒体上に印刷されたりする彩色された画素(以下
ピクセル)から成る。3次元空間を表すデータを発生す
るために配置された対話型システムにおいて、対象物は
入力命令に応じて3次元空間内で動くように見える。従
って、そのようなシステムにおいて、マシンは3次元空
間を表すデータから2次元画像を表現することが要求さ
れる。更に、そのマシンは、対象物,光源,視点などの
位置及び/又は方向が入力命令に応じて変化すると、こ
の動作を反復的に実行することが要求される。典型的に
は、対話型環境において、マシンは毎秒5から15の出
力画像を生成することが要求される。もっと強化された
環境においては、出力画像はビデオ速度(毎秒60フレ
ーム)で生成され、そのようなマシンはリアルタイムで
動作すると言われる。
【0003】既知のマシンにおいて、その詳細例が後述
される、許容可能な画像が対話型速度で生成されるに
は、大量のハードウエアが必要となる。従って、電算機
への要求は3次元対話法に重大な制約を与え、それによ
り対話型3次元画像が採用される範囲が限定される。境
界容積を利用することは当技術の種々の書類から知られ
ることに留意されてよい。例えば、IBM社のGB−A
−2194656において、ワールド空間はボックスに
分割され、そしてワールド空間の与えられた容積がその
基本面のどこかの部分を包含するかどうかを発見するた
めにソリッド基本面の局所空間に変換される。他方、E
P−A−0152741では、対象物は最初に空間内に
投影される、それから、境界ボックスが視野空間内の対
象物の投影の周辺に描かれる、そしてテストがこの境界
ボックス上の視野空間内で実行される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電算
機の経費を節減する画像データを処理するための装置と
方法を提供することである。本発明の更なる目的は、対
話的速度で、且つ低電算機的要求において許容可能な画
像を生成することが出来る装置と方法を提供することで
ある。
【0005】既知の3次元画像処理システムにおいて
は、最終の出力画像に寄与しない大量のデータが不必要
に処理される、なぜならば、ぞのようなシステムは固定
的であり且つ選択的処理が出来ないからである。本発明
の目的は、改善されたシステムを提供することがであ
る。特に、更なる処理を必要としないデータを無視出来
るような、ある程度の選択性のある改善されたシステム
を提供することが本発明の目的である。
【0006】本発明は3次元対象物を表現する2次元画
像の発生のための画像データを処理する方法を更に提供
する。本発明は更に、本発明の方法を利用して発生され
た何等かの形の画像信号と画像記録とを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの態様によ
れば、境界容積はそれ自身の空間内で各対象物を囲むよ
うに定義され、この境界容積は可視3次元空間に変換さ
れる。境界容積の部分が可視空間の可視部分の節囲内に
ある場合にのみ、更なる処理のための対象物が選択され
る。この方法により、対象物の部分が空間の可視部分の
範囲内に無いことが境界容積により決定されるならば、
複雑な対象物を構成する全ての基本面を変換する必要性
が回避される。他の実施例においては、対象物の基本面
を可視空間内に変換する必要性があるかも知れないが、
例えば、それらの照明計算を実行する必要はない。
【0008】特定の実施例において、本発明は多次元対
象物を表現する画像データを処理するための装置を提供
する。前記装置は処理手段とデータ記憶手段とを包含す
る。ここで、前記記憶手段は次のものを定義する:光源
の位置;視点位置;局所空間内の前記対象物の1つを定
義する基本面の配置;そして可視3次元空間内に前記対
象物を変換するための局所変換とである。前記処理手段
は:対象物の境界容積を定義するための手段;前記境界
容積で前記局所変換を実行する手段と;前記境界容積が
前記可視空間の可視部分に変換される範囲を決定する手
段と;前記決定の結果により、更なる処理のための対象
物を選択する手段とを備えることを特徴とする。
【0009】例えば、境界空間は前記局所空間内の対象
物の3次元の範囲により定義された球体又は立方形境界
ボックスであっても良い。可視空間は有限距推にある視
点からの透視図を考慮する球体であっても良い。
【0010】
【実施例】
<従来の対話型画像処理システム>3次元データを合成
し、前記3次元データから得られた2次元データを観察
し、前記3次元データを対話的に修正するための環境
が、図1に示されている。メモリ装置16へのデータの
書込み及びそれからのデータの読み取りをするためのプ
ロセッサ15が配置される。メモリ装置16内に記憶さ
れるデータとしては、3次元画像データ,2次元画像デ
ータ,プロセッサ15への命令や,対話型3次元画像処
理に関連するか又はしないかの他の形式のデータを定義
しても良い。更に、プロセッサ15は、入力装置17か
ら入力データを受け取る。前記入力装置17は、手動操
作可能キーボードやマウス,トラッカボール、或は尖筆
などを有する離散化タブレットなどの位置検出装置から
構成される。
【0011】フレームバッファ19をラスタ走査するこ
とにより、ビデオ速度で出力画像データを受け取るディ
スプレーユニット(VDU)18上に2次元画像が表示
される。ディスプレーユニット18は、各ライン上に1
000ピクセルを有する1000ラインの解像度を有
し、百万のピクセルロケーションを含むためにフレーム
バッファ19を必要とする。
【0012】プログラムデータや画像データの一括転送
のために、ハード磁気ディスク,光学デイスク,或はテ
ープドライブ等の大容量記憶装置20が提供される。プ
ロセッサ15,メモリ装置16,大容量記憶装置20,
フレームバッファ19,そしてディスプレーユニット1
8の組み合わせは、完成したシステムとして一般市場で
入手可能である。例えば、その構成は米国のサンマイク
ロシステム社から供給されるスパーク(Sparc)ワ
ークステーションから構成されても良い。
【0013】入力装置17からの入力命令に応じて、画
像データは仮想3次元空間内の位置を定義してメモリ装
置16に書込まれる。複数の3次元空間が提供され、そ
して変換がそれらの間で行われる。それらの特徴は詳細
に後述される。プロセッサ15は、メモリ装置16から
のコントロールデータに応じて、3次元空間を表すデー
タから2次元画像を生成するように配置される。このタ
イプの2次元画像はメモリ装置16内で組み立てられ、
そして毎秒5から15フレームの速度でフレームバッフ
ァ19に供給される。バッファに供給されたデータが2
度以上読み取られて安定画像を維持することが出来るよ
うに、フレームバッファ19がビデオ速度で読み取られ
る。
【0014】対話型3次元画像処理の従来型のシステム
が図2に示されている。3次元対象物は複数の多角形に
よって定義される。各多角形は、ここで頂点として言及
される複数の接続点として定義される。このように、対
象物は、両多角形に共通のエッジに沿ってー致する頂点
を有する多角形を結合させることにより作られる。3次
元対象物はそれ自身の対象空間内で定義される、つま
り、多角形の頂点は対象物それ自身の座標軸に関して位
置決めされる。
【0015】この種の対象空間が図3に示されている。
慣習によれば、X,Y,Z軸の原点は後方最下部左側に
位置決めされ、多角形の頂点はこの原点に関するx,
y,zデカルト座標で与えられる。図3には、5個の多
角形から成る単純な対象物が示されている。データは各
多角形の各々の頂点の位置を定義してメモリ内に記憶さ
れる。例えば、多角形32は、4個の頂点34,35,
36,37を有し、その座標はテーブル内にリストされ
る。慣習により、多角形の頂点は多角形の回りを反時計
方向に回転することにより得られる順に定義される。
【0016】この位置情報に加えて、多角形に関する追
加情報が記憶される。これは、多角形の中心から垂直、
即ち多角形の面に垂直な方向にその前面から離れるよう
に、そして座標基準フレーム内の一単位に等しい長さで
伸びる単位標準ベクトル38の定義を含む。更に、多角
形の表面の性質に関するデータも記憶され、特に、多角
形がその上に入射するモデル化された光でいかに反応す
るかを定義するパラメータが記憶される。
【0017】モデル化された空間内で、対象物に加えて
光源が提供され、視点位置が選択される。光源は多角形
上に入射する光をモデル化し、光は照明特性を有する。
つまり、多角形はその上に落ちる光量やそれらの表面の
性質に感応する色と輝度とを有する。従って、図3に示
された対象物の多角形を定義するテーブル内に、周辺光
の係数K(a)、乱反射光の係数K(d)、そして正反
射光の係数K(s)に関連してデータが記憶される。周
辺光の係数は、局所光源が提供されない場合に、多角形
がどれだけ明るいかを効果的に定義する。乱反射光の係
数は、局所光源に応じた乱反射光に関連する多角形の特
性を定義するパラメータである。同様に、K(s)は正
反射ハイライトに関連する特性を定義する。従って、ハ
イライトがあると、多角形がいかに輝くかを効果的に表
し、現実感を向上させる。
【0018】図2に詳述されたシステムに戻り、ステッ
プ21において図3に示されるように、対象空間内の3
次元画像データは対象物をモデル化空間に変換する局所
変換を経る。ステツプ22において、多角形表面は、モ
デル化空間内の光源位置と各多角形の照明パラメータと
に関するデータを処理することにより照らされる。それ
から、ステツプ23では、モデル化空間は視野空間に変
換される。視野空間の幾何学的様式は、等角画法か透視
画法かの要求により異なる。視野変換では、通常、モデ
ル化空間全体よりも狭い特定視野を同定する。従って、
ステップ24では、視野外の多角形を除去するためにク
リッピング操作が実行される。この段階まで、メモリか
ら読み取られプロセッサにより処理されたデータは3次
元座標位置を定義する。
【0019】ステップ25において、投影された画像は
2次元画像を定義するために分析される。等角画法にお
いてはz次元は無視され、そして透視画法ではxとy次
元が無視されたz次元を考慮して縮尺される。ステップ
25での画像の2次元投影後、後方面が前方面により覆
い隠されて、それらが実際に見ることが出来ない場合に
ステップ26で後方面を除去できるように、多角形の前
方面と後方面との違いを同定する必要がある。従って、
この段階において、可視多角形の前方面を同定する頂点
が2次元で定義される。
【0020】ステップ27において、多角形位置に関す
る2次元データは、前もって計算されたように、各多角
形の色を定義するデータを考慮して走査変換され、カラ
ーピクセルを生成する。ステップ28において、ピクセ
ルは多角形毎にフレームバッファに書込まれ、それによ
り完全な2次元画像を構築する。オペレータに、そのシ
ステムが命令の入力に対話的に反応すると感じさせるた
めに、画像は毎秒10から15フレームの速度でフレー
ムバッファに書込まれなければならない。
【0021】モデル化空間の表現が図4に示される。ワ
ールド座標軸X,Y,Zは,図3に示されるような対象
空間で提供された軸と同様の方向性を有するが、各軸は
異なった拡大縮小をされるかも知れない。例えば、複数
の対象物がモデル化空間内で組み立てることができるよ
うに、対象空間においては比較文的大きくモデル化空間
においては小さくなるように対象物を定義することは、
デフォルト条件の下では適切であるかも知れない。
【0022】図4に示されるモデル化空間の実例におい
て、図3の自身の対象空間内に描かれた対象物がモデル
化空間に3回例示されている。更に、対象物のあるもの
は回転されているので、多角形32の中心から延びる法
線38は正のz方向を示すが、対象空間においてはそれ
らは正のx方向を示していた。図3に示されるような対
象空間から、図4に示されるようなモデル化空間への変
換は、マトリックス処理により実行される。従って、座
標位置、例えば、点34,35,36,37に、図3の
対象空間内の座標を図4のモデル化空間の座標に置換す
る変換マトリックスが乗じられる。対象物の3つの例示
が3つの異なるマトリックス変換を利用することにより
モデル化空間内に配置される。更に、自身の対象空間で
定義される他の対象物に変換を実行することにより、追
加的対象物がモデル化空間内に配置されても良い。
【0023】位置を有することに加えて方向性をも有す
るモデル化空間内に、光源が導入されても良い。更に、
太陽により生成される光と同様の無限遠に移された光源
から生じる光の効果を表現する平行光が、モデル化空間
内に導入されても良い。各光源の効果が考慮され、そし
て各光源の照明効果は多角形毎に共に追加される。光源
の位置に加えて、目のシンボルで示されるように、視点
位置42も選択される。視点位置は、図4に示されるよ
うなモデル化空間からの変換が、対象物を異なる組の軸
を有する新空間に変換することから成り立つと仮定する
と、択ー的に一組のx,y,z軸43により表現されて
も良い。特に、モデル化空間においては、原点は後方最
下部左側にあるのに対して、視野空間においては、原点
は前方最下部左側、或は前方最上部左側則にある。従っ
て、z方向は視点位置から測定された距離を表す。
【0024】図2に示されるように、照明の計算は、視
野変換がステップ23で達成される前にステップ22で
実行される。多角形32bの照明計算は、図5を参考に
して検討される。照明計算は、カラーシステムにおいて
は、色成分RGBから成る照度係数Iを生成する。多角
形の全照度係数を表す値I(RGB)は、周辺光からの
照度係数I(a)、光源からの乱反射照明の成分I
(d)、そして前記光源からの正反射照明の成分I
(s)から成る。
【0025】 I(RGB)=I(a)+I(d)+I(s) I(a)は背景周辺照明B(a)から得られ、そして図
5に示されるように、この値に周辺係数K(a)を乗じ
ることにより得られる。 I(a)=B(a)×K(a) I(d)とI(s)とは光源41の位置と強さとに依存
し、そしてフォン(Phong)モデルに従いI(s)
は観察者の位置42に依存する。他のモデルが知られて
いるけれども、フォンモデルがこのタイプのシステムに
おいては便利である。このモデルでは、乱反射成分I
(d)は、光源41に向って指し示すベクトルと面に垂
直なベクトルとの間の角度θのコサインから得られる。
その値は単位標準べクトルNと光源41の方向を指す単
位ベクトルLとの外積、又は内積により計算される。従
って、成分I(d)は、光源41により発せられた輝度
を同定する値I(1)に係数K(d)によりベクトルN
とLの内積を乗じることにより得られる。
【0026】I(d)=I(1)×K(d)N・L フォンモデルによれば、正反射ハイライトの輝度は観察
者42の位置に依存する。単位ベクトルLと観察者42
の位置に方向付けられた単位ベクトルEの間の中間にあ
る単位ベクトルHが計算される。それで、内積は単位標
準ベクトルNと単位中間ベクトルHとの内積が計算され
る。ベクトルEとLが面36,37に対して同角度とな
る時、つまりベクトルNとHがー致する時に、正反射ハ
イライトがより大きくなるように、モデルが配置され
る。この位置から離れるように移動すると、正反射ハイ
ライトの輝度は急速に低下する。モデル内でこれを表現
するために、HとNとの内積は、典型的には15から2
0、或はそれ以上の高い範囲内にある数値で累乗され
る。この値に係数K(s)と輝度値I(1)とが乗じら
れる。
【0027】 I(s)=I(1)×K(s)(N・N)n 前述のごとく、RGB空間内の多角形の合計輝軍度値
は、I(a),I(d),そしてI(s)を合計するこ
とにより計算される。HとNとの内積を累乗すること
は、電算機には高価なプロセスとなる。従って、正反射
ハイライトを計算するための手段を含むことは非常に大
きな負担となり、多くのシステムには含まれない。但
し、正反射ハイライトは非常に対象物の現実性を高め
て、光沢のある表面と無い面との間の区別を可能にす
る。
【0028】図5に示された照明計算は、図2のステッ
プ22において各多角形毎に反復される。前述のごと
く、ステップ23において、視野変換が、視点位置42
を考慮して実行される。対話的入力に応じて、視点位置
42は対話的に修正されても良い。局所変換や表面の照
明が対話的速度で実行されるのと同様に、視野変換も対
話的速度で実行されることに留意すべきである。大抵の
視点位置は観察されているモデル化空間の一部分とな
り、必ず視野変換は可視空間を定義することと軸を移動
させることとから成る。
【0029】図4に示されるようなモデル化空間の、等
角視野空間への変換の表現は図6に示される。図に示さ
れるように、各ベクトルは前方正視基準面61の最下部
左側から測られ、そして観察者はその正視面に垂直のマ
イナスz方向に位置決めされる。透視変換は2段階で実
行されても良い。図7に示されるように、モデル化空間
の可視部分は、前方正視基準面71,後方正視基準面7
2、そして傾斜側面73,74,75,76で境界付け
られた錐台と成るように考慮される。対象物がそれらの
原型を維持されて錐台内に位置決めされるようにするた
めに、その空間自体は実際上に非デカルト座標系とな
る。従って、視野空間自体がデカルト座標で表現される
ように、更なる変換が要求される。
【0030】これは図8に示されたタイプの更なる変換
となる。ここで、錐台自体は、その下で負の拡大の大き
さがz軸に沿って増加するような変換により、平行六面
体に変換されている。これは空間内の対象物に対して負
の拡大となるので、平行であったエッジ部は、それらが
正のz方向に移動するにつれて消点に向って先細りとな
る。このように、図6に示されたタイプの等角変換の下
で生成されたデータは、図8で示されたタイプの透視変
換の下で生成されたデータと同様の方法で処理されても
よい。
【0031】図2に戻り、3次元視野変換が実行された
後に、可視空間内に包含されない多角形が無視されて、
更なる処理を行わないようにするために、ステップ24
におけるクリッピング操作を実行する必要がある。図8
において、多角形は可視空間の外側にあるのが分かる。
これらの多角形は、更なる処理を必要とする多角形のリ
ストとなるx,y,z軸を可視空間の座標と比較するこ
とにより同定される。
【0032】図2において、この更なる処理の第1段階
は、前方境界面61/81において見える画像を考慮す
ることにより、3次元データの2次元投影を得ることで
ある(ステップ25)。図8に示される中央対象物を見
ると、4つの多角形は図9に見られるように視点位置か
ら見ることが可能である。頂点94,95,96は、図
8に示されるように、透視変換のため大きさが低減され
ている対象物の後方面の頂点を表す。局所及び視野変換
の下での頂点の変換に加えて、単位標準ベクトルが変換
される。従って、前方多角形は視野座標の負のz方向に
延びる単位標準べクトルを有する一方、後方面は正のz
方向に延びする標準ベクトルを有する。従って、ステッ
プ26において、後方面の選別除去は、正のz成分を有
する単位標準ベクトルを有する全ての多角形を無視する
ことにより実行される。
【0033】従って、単位標準ベクトルは、照明を計算
するステップ22と後方面を選別除去するステップ26
との両ステップにおいて使用されることが理解される。
その結果、単位ベクトルは、ステップ21における局所
変換とステツプ23における視野変換との下で変換され
る。更に、これらの変換は、もはや単位長のものではな
い標準ベクトルをしばしば生成する。その結果、使用さ
れる座標系に従い、これらのベクトルが単位長の標準ベ
クトルとして回復されるように、これらのベクトルを再
標準化する必要がある。再び、全単位長を有する変換べ
クトルのx,y,z成分を計算するために、2乗根を各
多角形毎に計算しなければならないと仮定すると、これ
は電算機処理にとって高価となる。
【0034】図2において、後方面が選別除去された
後、ステップ27はピクセルを生成するために多角形を
走査変換することからなる。2次元xーy面に役影され
ている不規則な多角形が図10に示される。多角形は、
その前方面を見せているので選別除去されていない。従
って、データ座標のリストを下っていくと、多角形の回
りを反時計方向に回ることとなる。2次元投影面内のx
ーy座標は、フレームバッファ内のピクセル位置を定義
する。従って、xとy座標位置は、最上部左角の原点か
らxとyの両次元において典型的には0から1000の
範囲上にある。
【0035】走査変換は、多角形のどの頂点が最小y値
を有するか、この場合は頂点101を同定することによ
り開始される。従って、多角形内のピクセルは、各々の
位置(1,8)と(12,6)にある頂点102と10
3への勾配を計算することにより、点101から開始し
て塗りつぶされる。従って、既知のごとく、多角形内の
どのピクセルが多角形色で塗られるべきかを計算するこ
とが可能である。それで、このデータはステップ28に
おいてフレームバッファに書込まれる。
【0036】データがフレームバッファに書込まれる前
に、フレームパツファ内にあるビット数、典型的にはピ
クセルロケーション当り8ビットが限定されているなら
ば慣習的にデータの切捨てを実行する必要がある。従っ
て、カラーエイリアスの度合は、使用されている出力の
タイプに依存する程度に許容されなければならない。 <本実施例の対話型画像処理システム>前述のプロセス
は対話型3次元画像処理システムにうまく適用される、
ここで、3次元画像データは入力命令に応じて修正さ
れ、そして出力2次元画像データがオペレータにフィー
ドバックを提供するのに十分な速度で発生され、それに
より対話型環境を完成させることが出来る。
【0037】対話型3次元画像処理システムにまつわる
最も重大な問題は、非常に大量なデータを扱うことであ
る。前述の各プロセスは、困難なしに実施可能であり、
どの操作も一度だけ実施するなら電算機の要件も非常に
適度である。しかし、処理を何度も反復されなければな
らない場合には問題が起こる。そのような状況はハード
ウエア・パイプライン内での処理に向いている。そこで
は適度の量の処理がパイプラインの各段階で実行され、
その後、データは次段階に記録され、大量の並列処理が
実行されることとなる。従って、図2に示されたシステ
ムは、21から28の各プロセスがそれ自身の専用のハ
ードウエア構成要素で実行されるハードウエア・パイプ
ラインとして実施されても良い。
【0038】処理されているデータ量は、段階を経るに
従い、特に表面内の全ピクセルの色を表すデータを形成
するのに、表面を定義する頂点の位置を表すデータが処
理されなければならないとすれば、劇的に増加する傾向
がある。従って、ステップ28で非常に大量のデータが
発生され、ピクセルデータがフレームバッファに書込ま
れる。
【0039】ハードウェアの節約は、可能な限りデータ
移動とデータ処理とのレベルを低減することにより実行
可能である。適度な量の処理が大量のデータに実行され
ている場合、あるロケーションから他のロケーションへ
のデータの移動、或は記憶された値を他の値と比較する
適度のプロセスでさえ、考慮中の全てのデータがこのよ
うに移動されなければならないならば、重大な経費とな
る。
【0040】経済性を達成することによる目的は、必要
な処理ステップを実行するのに必要とされる物理的プロ
セッサ数を低減することである。各々の節約は重要であ
り、そしてもし十分な数の節約が実行されるならば、全
プロセスは共有のシリアルプロセッサで実行可能であ
る。本発明を実現する画像データを処理するための画像
データ処理装置により実行される操作段階が図11に示
されている。図11のシステムを図2に示される従来型
のシステムと比較すると、両システムにおいて、対象空
間を定義する3次元画像データは開始時に読み取られ、
そして2次元ビデオ画像データが終了時に発生される。
しかし、データ転送とデータ処理との節約を行うのに全
力を注いでおり、データが処理される方法において重要
な相違が在る。
【0041】ステップ111において、対象物の選別除
去が、局所変換と視野変換との後に対象物が実際に見る
ことが出来る範囲を決定することにより実行される。範
囲は対象物の各次元に対して定義される。つまり、最大
値及び最小値が対象物の各X,Y,Z次元に対して決定
される。このプロセスでは、一定のX,Y,Zの大きさ
の面からなる立方形の境界ボックスの形式で境界容積を
効果的に定義する。勿論、他の形状の境界容積が採用さ
れても良い。特に境界球は、その中心の座標(X,Y,
Z)とその半径の大きさとのみを参考にする非常に経済
的な定義が可能となる。
【0042】境界ボックス上を照明する必要はない。従
って、局所及び視野マトリツクスを結合することによ
り、局所変換と視野変換とが共通の操作として実行され
る。それにより、対象物の境界ボックスを視野空間内に
配置することが出来る。それから、変換された境界ボッ
クスの位置が考慮され、それが完全に可視空間内に在る
か、可視空間外に在るか、或は可視空間と交差するかを
決定する。
【0043】もし対象物が完全に視野空間外に在るなら
ば、そのような対象物を定義する多角形への更なる処理
は実行されない。それによって処理時間をかなり節滅す
ることが可能となる。完全に視野空間内に在る対象物に
対しては、これらの多角形への処理は継続して、何の節
減も行われない。しかし、境界ボックスを変換するため
の処理経費は、少なくとも多数の多角形から構成される
対象物を変換するのに比べて、かなり適切である。視野
空間内に部分的に在り、且つ視野空間外に部分的に在る
対象物に対しては、交差面を定義するデータが、多角形
のクリッピングを伴うステップ115における再考のた
め記憶される。
【0044】図2に示されるプロセスにおいて、照明計
算はそれらが実祭に必要であるかどうかに関わりなく、
各反復(対話型シーケンスでの各新画像)に対して実行
される。しかし、本実施例においては、各反復に特有の
タイムスタンプを効果的に与えるクロックが採用され
る。このタイムスタンプは照明が移動される度に、そし
て表面が移動される度に適用される。従って、もし現在
の反復において、最後の反復から照明の位置又は方向、
或は多角形の位置に何の変化も生じていないことが解る
ならば、以前の反復で計算された照明計算が再利用され
ても良い。それにより処理時間をかなり節滅することが
出来る。
【0045】ステップ113において、必要な場合に多
角形の照明が実行される。図2に示されるプロセスにお
いては、局所変換がステップ21において実行され、表
面はステップ22において照らされる。そして視野変換
はステップ23において行われる。前述のように、局所
変換と視野変換とは数学上類似しており、マトリックス
乗算により実行されるなら、変換を定義するマトリック
スは共通のマトリックスに結合されても良い。従って、
局所変換と視野変換とは、対象空間から視野空間への1
つの変換として実行されるので、再び電算機の経費をか
なり低減することが出来る。
【0046】視野変換が行われる前に照明計算を実行す
ることが必要である。本実施例においては、これは局所
変換に対する逆を計算することにより行われ、光源の位
置における逆変換をもたらす。それにより光源を対象空
間に効果的に変換することが出来る。それから、照明計
算が対象空間内で実行され、そして対象物は結合マトリ
ックスを利用して対象空間から視野空間に直接的に変換
される。従って、ステップ11lにおいて、対象物の選
別除去中に境界ボックスを変換するために使用された結
合マトリックスは、ステップ114において実際の対象
多角形を対象空間から視野空間に変換するために再び使
用される。
【0047】ステップ115は図2のステップ24に実
質的には類似しており、視野空間の範囲内には無い多角
形のクリッピングを扱う。しかし、前述のごとく、対象
物が交差する視野空間の面を同定する追加的情報が、対
象物の選別除去プロセス中にステップ11lにおいて発
生される。この情報はステップ115における多角形の
クリッピングプロセスを容易にする。それにより再び、
この部分のプロセスを実行するための電算機の経費を低
減することができる。
【0048】ステップ116における2次元画像への投
影は、ステップ25において実行された投影プロセスと
実質的に同じである。図2のステップ26において要求
されたように、ステップ117において後方面の選別除
去が実行されるが、このプロセスは、実施例では対象空
間内においてのみ使用され、他の空間には変換されない
多角形の法線を参照せずに実行されるので、再び、電算
機の経費を低減することが出来る。従って、後述される
ように、ステツプ117における後方面の選別除去を実
行するために他の方法が提供されなければならない。
【0049】ステップ118は走査変換を提供し、この
プロセスのための電算機の経費は、典型的にはピクセル
ロケーション当り8ビットしか持たない大抵のフレーム
バッファの限定的深さを考慮することにより低減され
る。それから、2次元ビデオ画像は、ビデオ速度でフレ
ームバッファをラスタ走査することにより、図2に示さ
れたプロセスと同様の方法で生成される。
【0050】図2のシステムにおいて実行されたプロセ
スとかなり異なる図11に示されたシステムの各態様
が、以下に詳細に説明される。 (対象物の選別除去)動作の好適な実施例が、従来のシ
ステムに対して説明されたのと同様の例を参考にして説
明される。
【0051】対象物は、図3に示されるように、自身の
対象空間内で最初に定義される。メモリ内に記憶された
データは、実際にはX,Y,Z座標を参考にして定義さ
れた頂点のテーブルから成る。ステップ111における
対象物の選別除去のプロセスは、対象物の各次元におけ
る頂点の範囲を同定出来るように、X,Y,Z座標を調
べることから成る。つまり各次元における最大値と最小
値とが決定される。これらの範囲から、ボックス形の境
界容積が図12に示されるように定義される。従って、
面121はX方向の最大範囲を表し、面121の正反対
の面はX方向の最小範囲を表す。同様に、面122はY
方向の最大範囲を表し、面123はZ方向の最大範囲を
表す。
【0052】前述の例においては、対象空間内の多角形
はモデル化空間内に3回例示され、それからその3つの
例示は視野空間に変換された。本実施例においては、対
象物は対象空間から視野空間へと直接的に変換される。
その変換は、図12に示される境界ボックスで行われ
る。従って、透視図が生成されると、図12に示される
境界ボックスは、図13に示されるような視野空間に変
換される。
【0053】図13において、対象物32bは完全に可
視エリアの範囲内にある。対象物32aは完全に可視エ
リア外にあり、そして対象物32cは部分的にその内部
と外部とにある。対象物32bを構成する多角形は完全
に処理されなければならないので、いかなる節減も行わ
れない。しかし、対象物32aを構成する多角形は全て
可視空間外である境界ボックスの外に存在するので、考
慮中の特定の反復において、これら全ての多角形は効果
的に無視され、それらに対する更なる処理は実行されな
い。
【0054】対象物32cは部分的に視野空間内にあ
り、且つ部分的に視野空間外にある状態で、境界ボック
スの内に在る。この対象物に関する限り、選別除去が多
角形に関して実行されなければならない。この対象物が
多角形の選別除去を必要とするという事実が、ステップ
115における多角形クリッピング処理に送られる。更
に、情報は、対象物が面x=+clip(x)と交差す
ることを記述するステップ115に供給される。従っ
て、多角形のクリッピングプロセスにおいて比較を行う
と、正のx方向のクリッピングしか実行する必要が無
い。それでclip(x)より大きなX座標を有する多
角形は無視される一方、clip(x)よりも小さいか
又はそれに等しいX座標を有する多角形は保持される。
【0055】従って、境界ボックスを定義する点で変換
を実行することにより、前記点が視野空間に変換され、
それにより視野空間外にあるいかなる対象物も全て無視
する範囲を決定することが可能となる。更に、部分的に
視野空間の内にある対象物の次の多角形クリッピングを
容易にすることが可能となる。上述のように、説明され
た実施例では立方体のボックスを採用したが、他のいか
なる境界形状を使用しても良い。例えば、対象物は他の
見える対象物上に影を落すように求められるので、それ
らがモデル化空間の可視部分外にある時、それらをその
空間に変換する前に無視することは常に望ましいとは限
らないことも留意すべきである。境界容積テストは、例
えば対象物自身の照明特性を計算するための努力が浪費
されるのを防ぐための更なる処理の他の態様の前に、無
視する対象物を選択するのに有用である。
【0056】 (照明計算を回避するためのタイムスタンピング)ステ
ツプ112において、光源パラメータに変化が見られ、
対象物位置にも変化が見られる。もし光源パラメータや
対象物の方向又は位置に変化が無ければ、特定の対象物
に対する照明特性を再計算する必要はない。従って、以
前に計算された照明特性は保持され再使用される。
【0057】照明位置,対象物の位置,そして対象物の
方向の変化は、そのプロセスの各反復に特有のタイムス
タンプを適用することにより同定される。従って、対話
型操作に応じて対象物又は光源が修正されるならば、前
記対象物又は光源は特定反復に対して特有の参照をして
再スタンプされる。ステップ112において、これらの
対象物と光源とのタイムスタンプが以前の反復の以前の
値に対して調ベられる。それにより位置又は方向が変化
したという効果に対する条件を同定することが出来る。
【0058】この条件を同定することで、照明特性は再
計算されるので、何の節減も実行されない。しかし、も
し1つの対象物が複数の対象物を包含する空間内で移動
されるならば、その特定の対象物を構成する多角形のみ
が再計算された照明特性を必要とするので、特定の反復
に対してかなりの節減が実行できる。 (対象空間での多角形の照明) a)光源の変換 対話型システムにおいては、光源の位置,視点位置,そ
して対象物を定義する多角形の配置を定義するデータが
記憶される。更に、局所変換では、それ自身の対象空間
内に位置決めされた対象物がいかに可視3次元空間に変
換されるかが定義される。これはモデル化空間として参
照されても良く、そしてそのシステムはこのモデル化空
間内を動き回る錯覚を観察者に与えることが出来るよう
に配置される。
【0059】本実施例において、局所変換の逆が計算さ
れ、そしてこの逆変換は光源の位置と方向或はその何れ
かをモデル化空間から対象物自身の空間に戻るように変
換するのに使用される。それから、それら自身の対象空
間内の非変換多角形の照明特性は、変換された1つ又は
複数の光源に応じて決定される。それから、本実施例で
は、局所変換と視野変換とを結合する操作の下で、自身
の対象空間内で照らされた対象物を変換する。従って、
2つの変換が1つの共通の変換で置き代えられることに
おいて、かなりの節減が実行出来る。
【0060】更に、図5を参考に説明されたように、照
明特性を計算する時には各多角形の単位標準ベクトルを
考慮する必要がある。本実施例においては、各多角形の
標準ベクトルはそれ自身の対象空間内で有効であり、こ
の単位ベクトルを利用する計算は対象空間の内で実行さ
れる。従って、一度照明特性が計算されると、もうそれ
以上単位ベクトルを利用することはなく、前記ベクトル
は変換されない。それにより電算機の能力を節減するこ
とが出来る。
【0061】モデル化空間内への単位標準ベクトルの変
換により、前記ベクトルは通常もはや単位長を有さない
ものとなる。その結果、前記ベクトルを再標準化する必
要がある。それはかなりの電算機の経費を占める。標準
ベクトルがある対象空間で照明計算を実行することによ
り、前記ベクトルは照明を計算する目的のためにモデル
化空間に変換されることを必要としない。従って、この
変換を実行することに関する経費が再標準化プロセスを
実行するそれより大きな経費と共に失われる。以下に説
明されるように、本実施例では、投影表面の標準ベクト
ルを必要とすること無く、視野空間内への投影後に後方
の多角形の選別除去を可能にする。
【0062】図14は、対象空間軸X,Yの2次元表現
を、重なった同モデル化空間軸と共に示す。自身の対象
空間内の多角形の位置を表す多角形141が示される対
象空間内の頂点の位置を表すデータは、多角形の単位標
準ベクトル142を表すデータと一緒に記憶される。多
角形141をモデル化空間へ変換する局所変換の操作の
下で、多角形143がモデル化空間で生成される。この
変換に影響する局所変換は、正のXとY方向の、係数2
の拡大と反時計方向の回転とによる変換から成りること
に留意すべきである。
【0063】モデル化空間において、光源144が存在
し、そして多角形143の照明特性は単位標準ベクトル
Nと単位光ベクトルLとを参考にして計算されていた。
単位ベクトルNは単位ベクトル142を変換することに
より得られており、それは1単位よりも大きな長さを有
するベクトルを生成する。その結果、真の標準単位ベク
トルNを計算するために、再標準化のプロセスを実行す
る必要があった。
【0064】本実施例においては、照明計算は変換され
た多角形143を参考にして実行されない。従って、単
位標準ベクトル142を変換する必要がない。前述のご
とく、局所変換への逆変換が計算され、この逆変換が対
象空間内の位置145への光源144の変換をもたらす
ために使用される。従って、逆に変換された光源145
と非変換多角形141との間の関係は、変換された多角
形143と非変換光源144との間の関係に等しい。
【0065】単位ベクトルLは対象空間内で計算され、
照明特性はNとLとの内積から計算される。必要なら
ば、正反射照明などの他の照明特性も、対象空間の内で
計算可能である。必要なら、視点位置に対しても逆変換
が実行可能であるので、視点位置を対象空間内に持って
来ることも可能である。従って、フォン(Phong)
モデルの正反射照明が対象空間内で計算可能である。但
し、後述されるように、そのような照明効果は、本実施
例におけるフォンモデルにおいては計算されない。
【0066】前述のごとく、照明特性を計算できるよう
に多角形をモデル化空間に変換することによるよりも、
光源に局所変換を実行することによる方がかなりの電算
機の節減が実現できる。単位標準ベクトルをモデル化空
間内に変換する必要性は回避され、そして局所変換と視
野変換とは結合されるので、多角形を対象空間から視野
空間へ直接的に変換するために1つの操作しか要求とさ
れない。
【0067】b)正反射ハイライトのリステイング 図5を参考に説明されたように、移動が最高強度の位置
から行われるにつれて正反射ハイライトが急速に落下す
るよう表現出来るように、値が通常累乗となるので、正
反射ハイライトにより造られた照明特性の計算は電算機
的に厳しいものになる。
【0068】大多数の応用例においては、通常対象物は
ほとんど正反射ハイライトを有さないが、そのようなハ
イライトは最終画像の品質にかなり影響する。ある多角
形は数多くの小さな正反射を有しているかも知れない。
しかし、もしそのような小さい些細なハイライトが無視
されるならば、画像の品質に対する非常に小さな損傷と
なる。このように、多くの対象物において、全ての多角
形がかなりのレベルの正反射を有しているわけではな
い。大抵の場合、多角形の大多数は重要なレベルの正反
射を有してはいない。本実施例においては、重要なレベ
ルの正反射を有する多角形はそれらを持たないものから
分離してグループ化され、第1アルゴリズムに従って処
理され、他の多角形は第2アルゴリズムに従って処理さ
れる。
【0069】本実施例において、多角形データは、重大
なレベルの正反射を有する多角形が共にグループ化され
るようにリストに配列されるので、第1(高価)アルゴ
リズムを要求する全ての多角形は共に処理され、そして
第2(安価)アルゴリズムを要求する全ての多角形も又
共に処理される。この方法によって多角形を編成するこ
とにより、正反射を計算するためのアルゴリズム又はプ
ロセスはかなりの量の正反射を有する多角形のためにの
み採用される。ここで使用されるように、正反射はこの
タイプのかなりの量の処理を要求する全てのタイプの反
射に関係があり、計算されるべき照明特性、主として乱
反射照明特性のために線型計算のみを要求する多角形と
から分離されても良い。
【0070】画像順序を対話的に生成或は動画順序を記
録する場合に、この方法により特別の節減が起こる。既
知のシステムは、高価な正反射計算が要求されるかどう
かを決定しようとする度に各多角形をテストするのに対
して、本実施例は、正反射特性が不変のままである限り
各多角形に対してこのテストを一度しか実行する必要が
ない。対象物の表面反射特性は、通常対話型シーケンス
の行程を変更するのには必要とされないことが理解され
る。
【0071】本実施例では、各多角形と各反復とにおい
て、多角形の正反射係数を読み取ることを要求するメモ
リアクセスと、正反射のレベルが重要であるかどうかを
決定するための比較操作とが回避される。多数の多角形
が対話的速度で再生される必要がある場合に、メモリア
クセスと比較操作とを排除することが電算機の経費の重
要な低減となることは当業者には理解されよう。
【0072】それらの正反射特性による多角形のグルー
プ化は、隠れた表面を除去するために多角形を深さ順に
分類するしばしば要求されるいかなる要件とも対立しな
いことに留意すべきである。多角形データそれ自身は順
序付けを実行するため物理的に移動されることはない。
むしろ、個々の多角形への参照リストは保持され、別の
リストが書込み計算と隠れ面の除去の目的のために保持
される。
【0073】c)ハイライト値の計算 正反射を計算するためのフォンモデルでは、図5に詳細
に示されるように、光源41に向って方向付けられたベ
クトルLと視点位置42に向って方向付けられたベクト
ルEとの間の中間に位置決めされた単位ベクトルHと、
単位標準ベクトルNとの内積を計算することが必要であ
る。従って、Hベクトルが計算されなければならず、そ
れからNとHとの内積が累乗されなければならないの
で、フォンモデルは計算機の経費が高い。
【0074】本実施例において、前述のごとく、照明計
算は対象空間内で実行される、従って、Hベクトルの計
算は視点位置の対象空間への変換と、前記ベクトルの位
置を決定するための追加的計算の実行とを伴う。厳密に
言えば、正反射ハイライトは視点位置に依存するハイラ
イトを参照する。従って、フォンモデルでは、視点位置
が変ると正反射ハイライトの位置も変る。そのようなハ
イライトの性質は、視点位置が光源の反射と一直線で合
う場合に比較的高い強度を有するが、その強度は他の方
向においては急速に低減する。正反射ハイライトはそれ
に現実感を与えることにより最終画像の品質を非常に高
める。しかし、実験の結果として、これらのハイライト
が非線型特性であることは立証されており、高強度のピ
ークから非常に急速に低減するという事実が、効果を創
り出すための主要な要因である。更に、色は光源の色に
対して不飽和となる傾向がある。従って、観察者はしば
しば、視点位置と光源間の関係の特徴としてではなく対
象物それ自身の特徴として、ハイライトに気付いてい
る。
【0075】本実施例はこの観察の結果を利用する。照
明特性は、視点位置に関わり無く、表面の照明パラメー
タと光源のパラメータとに応じて計算される。従って、
照明パラメータは、視点位置に関係なく、ハイライト特
性をシュミレートするために非線型的に処理される。本
実施例においてはHベクトルは計算されない。そして正
反射ハイライトは、乱反射特性を計算するために必要と
する場合に、NとLとの内積を考えることによりシミュ
レートされる。
【0076】そのようなハイライトの非線型的性質をシ
ュミレートするために、正反射特性がNとLとの内積を
n乗することにより計算される。ここで、nは考慮中の
多角形の光輝又は光沢を表す。非線型項の計算後に、前
記項は正反射係数K(s)と光源の強度を表す因子I
(1)とで乗算される(図15)。
【0077】 I(s)=I(l)×K(s)(N・L)n 前述のごとく、本実施例においては、正反射計算は重要
な正反射要素を有する多角形に対してしか実行されな
い。従って、K(s)が特定のスレッショルド以下に降
下すると、正反射計算を実行する必要がなくなる。 d)精度の計算 モデル化空間内の対象物32a,32b,32c、光源
41、そして視点位置42を示す図4において、この空
間の範囲内の対象物の位置は、浮動小数点演算を利用し
て、高レベルの精度で計算される。多くの操作が実行さ
れると、量子化誤差が増加して出力画像に顕著な影響を
与えることになるので、高レベルの精度が要求される。
更に、浮動小数点演算を用いると、非常に大きな範囲に
渡って対象物を拡大縮小することが出来るので、画像の
一部を形成する多角形は(全視界を十分に取り入れる)
極端な場合においても、非常に小さな対象物内でほとん
ど見えない他の極端な場合においても見ることが出来
る。
【0078】前述したような従来のシステムにおいて
は、照明計算を含む全ての計算はこのタイプの浮動小数
点演算を利用して実行される。しかし、非常に高レベル
の精度が照明を計算するために提供されるけれども、フ
レームバッファが限定された深さ、典型的にはピクセル
ロケーション当り8ビットを有する場合に、これらの精
度はデータが前記フレームバッファ19に供給されると
大抵切り捨てられる。全ての計算が固定小数点演算で実
行される他のシステムが知られているが、高精度を得る
ためには非常に大量のビット数が必要である。これらの
システムは一般に、拡大縮小するための有限ワールドサ
イズや限定された範囲のためには不都合である。
【0079】本実施例においては、前述のごとく、高精
度の浮動小数点演算で空間内の対象物の位置を計算する
ための手段が提供される。しかし、照明特性は低精度の
固定小数点演算を使用して計算される。フレームバッフ
ァに供給される値よりも更に高い精度の結果がなおも生
成されるので、固定小数点演算の制限は黙認される。従
って、切捨てがなおも要求される。しかし、固定小数点
演算が実行される速度は、浮動小数点演算を実行する速
度よりも十分に速いので、電算機への要求を低減するこ
とが出来る。
【0080】本実施例において、固定小数点演算はその
16ビットが整数部に割り当てられ、他の16ビットが
小数部に割り当てられる32ビットを使用して実行され
る。採用されるこのタイプの演算はしばしば整数演算と
して言及されるが、理解される如く、演算装置により整
数と見なされた値は前述のように実際は小数部を表す。
本実施例においては、全てのマトリックスと位置の計算
は浮動小数点演算で行われる。従って、多角形の頂点の
位置、ワールド内の光源のロケーション、そして局所変
換を含むマトリックスは、浮動小数点演算で計算され
る。浮動小数点から固定小数点への移行は、以下で説明
されるように、2ケ所でのみ行われる。
【0081】事前の計算段階において、浮動小数点から
固定小数点への変換が要求される第1時点は、多角形
(頂点)への法線が事前に計算される時である。ここで
のアルゴリズムは簡単である:最終値が記憶のために準
備出来るまで、全ての計算を浮動小数点で実行し、その
時(その時のみ)にその値を固定小数点数に変換する。
ある実施例においては、このことはこのように扱われる
3次元ワールドの座標形に制限を課すことになる。つま
り、いかなる座標も選ばれた固定小数点の数値範囲内で
表示可能な最大数を超えることが出来ない。
【0082】第2に、照明が再計算されなければならな
い時に、対象物の局所変換に関して、光ベクトル(照明
方向)の逆変換が浮動小数点で計算され、浮動小数点の
3ベクトルを生成する。点又は円錐形光源(つまり、無
限遠に配置されていないもの)に対して、光の逆変換さ
れた位置も(浮動小数点演算を使用して)計算される。
それで、逆変換された方向ベクトルは浮動小数点から固
定小数点に変換される。位置と同様に、点と円錐形光に
対しても行われる。
【0083】多角形への法線(面陰影の場合の)或は頂
点への法線(頂点陰影の場合の)は、固定小数点で既に
計算されている。これは伝統的方法で変換された照明ベ
クトルと組み合わされて、照度の固定小数点係数を生成
する。面陰影の場合において、照度の係数は色値(パレ
ットインデックス又はRGB3部分)に変換され、多角
形の色として記憶される。頂点陰影の場合においては、
頂点に対する照度係数は整数として記憶される。従っ
て、ピクセル毎の色値を得るための捕間が、固定小数点
又は整数演算で実行でき、重要な節減が達成される。両
方の場合に要求される最終段階の変換は、固定小数点数
から整数へのものだけで、比較的簡単な操作である。
【0084】(2次元後方面の選別除去)従来のシステ
ムにおいては、前述のごとく、後方面の選別除去は画像
が一旦2次元に投影されたならば必要である。つまり、
3次元の点を表すデータは2次元の点を表すデータに変
換される。2次元においては、複数の多角形が同じロケ
ーションに存在しても良い。しかし、後方面を表す多角
形は実際には見えない。それで、前記多角形は更なる処
理により選別除去されなければならない。
【0085】従来のシステムにおいては、各多角形の単
位標準ベクトルを表すデータも変換を経る。前述のよう
に、単位標準ベクトルの対象空間からモデル化空間への
変換は、このベクトルが照明特性を計算するために使用
されるので、従来のシステムにおいては必要である。し
かしながら、本実施例においては、光が対象空間内に戻
るように変換されるので、照明の目的のために単位標準
ベクトルを変換する必要がない。従って、これらのベク
トルは、視野空間内の点を表すデータとしてまだ有効で
もなく、2次元への多角形の投影前でも有効では無い。
【0086】本実施例においても、後向きの多角形の選
別除去が出来るように、2次元多角形が前向きか後向き
であるかを決定することは必要である。本実施例におい
ては、多角形のエッジを定義する投影ベクトルは、多角
形が前向きか後向きかが決定できるように、視野空間内
で処理される。比較されたベクトルは共通の頂点を共有
しなければならない、従って、共通の頂点が選択され
る。図10を参考にして説明されたように、走査変換の
プロセスは、最小のy座標を有する頂点101、つまり
視野画面の最上部に最近接の頂点の選択を伴う。走査プ
ロセスの一部として、前述のように、点101と点10
2を接続するベクトルの勾配を計算することと、点10
1と点103を接続するベクトルの勾配を計算すること
が必要である。データテーブルにおいて、反時計方向の
順序付けの規定のため、点103は点101に先だって
リストされ、点101は点102に先だってリストされ
る。従って、前向きの多角形については、3次元空間内
のその変換に関わりなく、多角形が前向きである時は、
点101と点102とを接続するベクトルは常に点10
1と点103とを接続するベクトルの左にあるべきであ
る。
【0087】従って、勾配、つまりxがyと共に変化す
るその割合は、多角形が前向きである時には、常に頂点
101と102とを結ぶベクトルに対する勾配よりも頂
点101と103とを結ぶベクトルに対する方がより大
きい(より正である)。従って、もし最高(最小のy
値)頂点とその前の頂点とを接続するベクトルの勾配
が、前記最高頂点とその次の頂点とを接続する勾記より
も小さいか又は等しいならば、その多角形は選別除去さ
れるべきである。その多角形が後向きか或はエッジ上に
あるかのいずれかであるので、そのいずれも表現されな
い。
【0088】数値的例として、頂点101,102,1
03のx,y座標として、座標(6,2)、(1,
8)、(12,6)が図10に示されている。頂点10
1から始って、頂点101を102に接続するベクトル
は、yの値の“6”の増加に対してxの値の“5”の減
少を表す。これはー5/6の勾配に相当する。他方、頂
点101を103に接続するベクトルは、yの値の
“4”の増加に対してxの値の“6”の増加を表す。こ
れはー6/ー4又は3/2の勾配と解釈する。これは先
の勾配ー5/6よりも大きく、その多角形は前向きであ
ることが確認出来る。
【0089】従って、そのように計算された勾配は、以
下で説明される走査変換の操作に有用であるので、無駄
にされないことに留意すべきである。更に、ベクトルが
考慮されるべき2つの多角形間にエッジ部を形成すると
ころでは、計算された勾配が記憶され、両多角形のため
に使用される。図10の平几な場合は、頂点101から
102へxの値が減少し、しかも頂点101から103
のxの値は増加することを観察することにより、勾配を
計算すること無く前向きの多角形として確認できること
に留意すべきである。これは、ある勾配はゼロ以下で他
の勾配はゼロ以上であるので、ー方は他方よりも大きく
なければならないというように確認される。両勾配が同
符号のものである時にのみ、除算を実行して勾配を計算
する必要がある。他方、勾配がどうしても走査変換のた
めに要求される例においては、符号によるこの事前のテ
ストだけではいかなる電算機の演算も節減できない。
【0090】別の実施例として、勾配比較の代りに、点
103と101、そして101と102とを結ぶベクト
ルのz成分又はベクトルの外積が計算される。その方法
は、前述のような標準ベクトルの変換と同じである。し
かし、ベクトルの大きさは無関係でz次元のその方向の
みが要求される。それにより、再標準化に要求されたも
のよりも少ない負担で計算を行うことが出来る。
【0091】このように、部分外積が計算されて、画面
空間内の標準ベクトルのz成分を同定する。そしてもし
このように計算されたベクトルが画面内を指示するなら
ば、その多角形は選別除去される。再度図10の例を用
いて、頂点103,101,102の順序に従うと、第
1ベクトルは成分(−6,−4)を有し、そして第2ベ
クトルは成分(−5,6)を有する。(x1,y1)そ
して(x2,y2)として各々これらを表し、外積のz
成分は(x1×y2−x2×y1)として定義される。
本例においては、これは−56に等しい(−36−2
0)となる。これは画面外を指示する負のz値であるの
で、その多角形は前向きである。
【0092】多くの場合、もし最初のテストが4つの成
分の符号において実行されるならば、ベクトル成分の乗
算は不必要となることに再度留意すべきである。例え
ば、もしx1とy2とが両方とも正であるか又は負であ
るならば、そしてもしx2とy1とが反対符号のもので
あるならば、その結果のz成分は常に正の値となる。2
つの項(x1×y2)と(x2×y1)が同符号のもの
である場合においてのみ、外積の符号を決定するために
乗算と減算操作を実際に実行する必要がある。
【0093】既知のシステムにおいてしばしば遭遇する
問題と比較して、本実施例に採用された投影ベクトルを
基礎とする後方指向テストは、視野変換に包含された透
視効果を自動的に考慮に入れることにも留意すべきであ
る。例えば、図8と図9との対象物32bにおいて、対
象物の側面は視野空間内で後向きとして明確に同定され
るが、透視補正無しのモデル化空間(図6)において
は、これらの面は視野方向と平行となる。
【0094】(走査変換)図11のステップ116にお
いて、3次元図が2次元の画像を定義するために投影さ
れる。ここで、各頂点には2次元座標位置が与えられ
る。前述のごとく、ステップ117において後方面の選
別除去が実行されるので、画面のどの位置においても1
つの多角形しか示されない、従って、その位置の特性を
単一的に定義することが出来る。
【0095】ステツプ118は走査変換から成り、それ
は特定の多角形を定義するために、そして追加的にこれ
らの特定ピクセルの色を指定するために、修飾されるこ
とを必要とするピクセルを指定する処理を含む。好適な
実施例において、どの特定ピクセルが多角形内に包含さ
れるべきかを同定するためのプロセスは、従来のシステ
ムにおいて採用され、図10を参考にして説明されたよ
うなプロセスと実質的に同じである。このプロセスは、
本開示の一部としてここに参考として包含された出願人
の同時継続の欧州出願、EP−A−0531157(本
優先日には公表されていない)において説明される。
【0096】前述のように、yが走査ライン毎に変化す
る時にxがいかに変化するかを指定する。それには、各
ラインを横切るスパンである勾配を決定することが必要
である。従って、従来xに関するyの変化として参照さ
れる勾配は、本実施例ではyに関するxの変化を参照す
る。従って、前述されたように、走査ラインの下降を示
すようにyが増分されると、色修正を必要とする多角形
内のピクセルロケーションを同定することが可能とな
る。
【0097】本実施例においては、フレームバッファ1
9の内の各ピクセルロケーションには8ビットを記憶
し、そして前述のように、照明特性は固定小数点演算を
用いて計算される。だがこれらの固定小数点値は、フレ
ームバッファ19に書込まれる前に、なおも更なる切捨
てを必要とする。本実施例において、2次元画像データ
が生成され、ここで2次元領域内のピクセルは前記領域
の色を表している計算された照明特性に応じて彩色され
る。ピクセル色は、フレームバッファから読み取られた
値によりアドレス指定されるルックアップテーブル内に
記憶される。
【0098】第1実施例においては、フレームバッファ
内に記憶された値は、色合いを表す所定のビット数と選
択された色の他の特性を表す所定のビット数とを有す
る。この第1タイプの実施例においては、フレームバッ
ファから順次読み出されルックアツプテーブルへの8ビ
ットアドレスは、3ビットが色合いを同定し、残りの5
ビットが選択された色合いの他の特性を表すことが出来
るように配置される。従って、有効な3ビットを用い
て、ディスプレーユニット18により現実化される全範
囲の色から選択される合計8個の色合いが提供される。
従って、例えば、ブルー,レッド,グリーン,マゼン
タ,シアン,そしてイエローなどの色合いが選択され、
そしてそのシステムは前記選択可能な色合いの各々に対
する別の5ビットのルックアップテーブルを有すると見
なされても良い。
【0099】システム設計者又はユーザの意向により、
種々のカラーランプが可能である。一例において、前記
の5ビットの各ルックアップテーブル内で変化する他の
特性としては、線型に変化する輝度がある。原理として
既知であるこの配置は図16に図示される。ルックアッ
プテーブルから読み取られた値の3ビットは色を表し、
色C1からC8の1つが選択される。
【0100】残りの5ビットは32の輝度レベルの1つ
を定義する。従って、色間の線型補間は不可能となり、
そしてカラーエイリアスが起こる。しかし、もし人の目
が輝度エイリアスに対してより敏感であるならば、輝度
は許容範囲内の品質の結果をもたらす32ビットで制御
可能である。他例のカラーランプが図17に示される。
このカラーランプは、選択可能な各色に対して1回、図
16と同様に、8回反復されることに留意されるべきで
ある。図17において、輝度は追加5ビットに応じて変
更されるが、フレームバッファ19から読み取られた値
の輝度の変化はガンマ補正を与えるために非線型であ
る。それにより、色変換とガンマ補正のためのルックア
ップテーブルを共有のルツクアップテーブル内に組み合
すようにすることが出来る。これも原則として既知であ
る。
【0101】他の色の傾斜が図18に示され、図16に
示されるように8回反復される。図18において、選択
された色の他の特性は飽和である。従って、カラーラン
プは、所定量の輝度で完全に飽和した色値において始ま
る。そして入力値が増加すると飽和が減少するので、出
力色は明確な色から白色に向って色褪せていく。図18
に示される色マッピングの目的は、彩色された対象物上
でさえも、実質的に白(白色光源を仮定して)に見える
正反射ハイライトの効果をシュミレートすることであ
る。再び、正反射ハイライトの非線型性の計算を容易に
するこの応答が非線型でなされる。従って、前述のよう
に、正反射ハイライトはNとLとの内積を累乗すること
により計算されても良い。本実施例においては、フレー
ムバッファ内に記憶されたピクセル値が実色信号に変換
される時に、非線型な累乗はルックアップテーブルによ
り実行されるので、累乗すること無く内積を計算するこ
とが唯一必要である。また、正反射ハイライトのプロセ
スは、ルックアップテーブルにより更にもたらされる非
線型性により、実施される累乗(例えば16乗)を容易
に行う。
【0102】図18の飽和特性と図17の輝度特性とを
組み合わせるカラーランプの更なる実施例が図19に示
される。前述のように、3つのビットが8個の有効な色
合いの内の1つを選択する。残りの5ビットは表面に適
用される照明レベルを表す。最初に、輝度値はゼロで始
まり、対象物はブラックとして表される。照明値が増加
すると輝度値は増加して、飽和が高いまま維持されるの
で、ほぼ中間に或は好適にはそれ以上において、輝度が
その最大値に達するまでレッド領域は乱反射の効果を表
して、より明るくなるが赤色のままである。
【0103】照明レベルが増加するにつれ、この増加は
正反射のためであると推定される。従って、高入力値は
飽和の減少となるので、レツドハイライトはホワイトに
変化する。従って、各ランプはブラックからホワイトま
での全色の変化を経験する。ここで異なる色が各傾斜へ
提供される。輝度範囲はガンマ補正を考慮して非線型的
に変化し、飽和は非線型的に変化して正反射を表す。ま
た、これらのランプの何れか又は両方ともが線型的であ
っても良い。
【0104】図20は、カラーランプの1つのカラール
ックアップテーブル内に記憶されたグリーン(G),ブ
ルー(B),そしてレッド(R)の構成要素を別々に例
示する。特に、図20に例示されたカラーランプはほと
んど又は全くレッドを含まない、主にグリーンとブルー
との構成要素から成る色シアンに相当する。3つのグラ
フ内の水平軸に沿って見られるように、シアンの色の傾
斜上のルックアップテーブルのインデックスが増加する
と、ポイントKにおけるブラック色から変化し、増加的
に発光シアン陰影を経由して、知覚される輝度が継続的
に増加するのに伴い飽和の減少が引き続いて起こるポイ
ントCにおけるシアン陰影の最大輝度になり、ポイント
Wにおける明るいホワイトに到達する。
【0105】これは、ポイントKからポイントCにおい
て、グリーンとブルーの両構成要素が急激に高くまで、
しかし最大値ではないところまで上昇するが、レッド構
成要素は僅かしか上昇しないことで達成される。従っ
て、ポイントCにおいて、大量且つ等しい割合のグリー
ンとブルーとが小量のレッドと混合されて、所望の高強
度飽和シアン色を実現する。それで、ポイントCからポ
イントWの範囲の部分において、レッド構成要素は指数
関数的に上昇し、しかもグリーンとブルーの構成要素も
最大値まで顕著に上昇する。従って、その色はホワイト
に向って飽和せず、色の知覚される輝度は増加し続け
る。
【0106】多くのシステムにおいて、例えば、オペレ
ーションシステムが一定の色を永久的に割り当てられる
ように要求するので、カラールックアップテーブル値の
全範囲は有効では無い。例えば、Microsoft社
のWindows(TM)の下で動作する例において、
カラールックアップテーブル内の最初の10かそれぐら
いの値は、デイスプレーの縁,メニュー,そして他のメ
ッセージのために永久に割り当てられる。そのような場
合、インデックス値の有効なレンジを、正確に2の累乗
のサイズではないサブレンジに分割することが望まし
い。例えば、28値の8サブレンジは、各々がルックア
ップテーブル内の224エントリーを占め、システムの
ための22エントリーを残すように提供可能である。そ
のような例においては、色合い選択や輝度レベルインデ
ックスのための分離ビットフィールドを有し、最終テー
ブルインデックスを発生するためにこれらを結合するよ
りも、各色合いに対する基礎インデックスを記憶し、ル
ックアップテーブルのサブレンジの範囲内で個々の陰影
をアドレス指定するために、基礎インデックスを適切な
レンジ内のレベル値に追加する方が望ましい。この変更
に関連して性能における損失はほとんど無く、大抵のプ
ロセッサはOR操作と同速度で加算操作を実行すること
が出来る。
【0107】例えば、照明計算は多角形に対して0.0
から1.0の範囲の照度係数を生成すると仮定すると、
それは、その特定照度における多角形の色を再生するた
めに整数のカラールックアップテーブル・インデックス
に変換されべきである。多角形の基本色(色合い)を定
義できるように、その多角形と共に適切なカラーランプ
の基礎インデックスを記憶することは簡単なことであ
る。システム内に記憶される大きさは、各サイズ(上記
例では28)である。照度係数からのルックアップテー
ブル・インデックスの計算は以下の通りである。
【0108】最初に、ランプサイズで乗算して、照度係
数が適正に拡大縮小される。それから、照度が表示可能
最大値を超えないことを確認するためにチェックが行わ
れる。最後に、所望のインデックス値が多角形の色の基
礎インデックスを拡大縮小された照度値に加えることに
より簡単に計算される。図21は、上記のように、色イ
ンデックスを得るのに伴う操作を概略的に例示する。ま
ず照明特性が、例えば、周辺照度係数I(a),拡散照
度係数I(d),、そして正反射照度係数I(s)を含
む0.0から1.0の範囲の照度係数の形で計算され
る。これらは210において単一照度係数ITOTとし
て組み合わされる。212において、これはランプサイ
ズに従って拡大縮小される。それは、ランプサイズの範
囲内の最大値を超えないことを確認するためのチェック
が行われることを条件とする。換言すれば、28のラン
プサイズに対して、拡大縮小後に27を超える値は27
に設定される。214において、多角形の色合いを決定
する基礎インデックスはオリジナルの多角形データから
受けとられ、そして拡大縮小された照度係数ITOTに
加えられる。これは、関連の多角形の範囲内にあるピク
セルの画面アドレスx,yに相当するロケーションにお
けるフレーム記憶装置内に記憶される。
【0109】画像を表示するために、インデックス値は
ラスタシーケンスでフレーム記憶装置から読み出され、
カラールックアップテーブル218に送られる。ここ
で、それらは最後に24ビット色値(例えば、各r,
g,bに8ビット)に変換されて、それからモニタ上へ
のデイスプレーのためのビデオ信号に変換される。同様
に、その値は静止画像、或はビデオ画像として記録され
ても良い。
【0110】数値例として、シアン多角形が表示され、
03の照度係数ITOTで照らされると仮定する。更
に、ランプサイズは28、そしてシアンカラーランプを
形成する28エントリーは、カラールックアップテーブ
ル(基礎インデックス=150)内のエントリー番号1
50から開始すると仮定する。最初のステップは照度係
数を拡大縮小することであり、それは0.3にランプサ
イズ28を乗算することである。これは拡大縮小された
照度レベルITOTを8.4に設定する。シアンカラー
ランプは、番号150から番号(150+27)のエン
トリーを占有するので、何れの場合でもITOTが27
に戻るように低減されるが、拡大縮小が27を超える照
度値まで増加していないことを確認するためのチェック
が実行される。最後に、拡大縮小された照度レベル0.
4はシアンカラーランプの基硅インデックス150に加
えられ、そして整数演算を利用して丸められて、158
のカラールツクアツプテーブル・インデックスを与え
る。
【0111】乱反射の係数を比較的低く設定し、そして
正反射照度の計算においてn乗の非線型性を活用するこ
とにより、たとえ幾つかの乱反射照度(幾つかの光源か
らの)がルックアップテーブル・インデックスを生成す
るための単ー値に組み合わされる時でさえも、乱反射効
果は照度値がカラーランプの不飽和部分に到達させる原
因とはならないことを確認することが比較的容易とな
る。更に、レベルの全範囲は知覚される輝度の安定な増
加を提供するので、たとえ乱反射照度がランプの不飽和
部分内のレベル値に導びく時でさえも、見かけはそれほ
ど深刻には悪くはならない。
【0112】インデックス値は多角形上で一定であるか
又は多角形上の補間により推論されても良いので、イン
デックス値はピクセル毎に計算される必要がないことに
も留意すべきである。後者の場合、補間後に整数への切
捨てを実行することが望ましい。説明された第2のタイ
プの実施例では、インデックス値がカラー選択ビットと
レベルビットとに厳正に分割される時には不可能となる
方法であり、カラールックアップテーブル値の動的割当
とランプサイズの動的設定とを可能にする。
【0113】好適な実施例の数多くの特徴は、3次元対
話型画像処理装置における電算機への要求を低減する。
共に利用されると、それらは事実上特別に構築されるハ
ードウエアを要求とすること無く、プログラマブルな共
有中央演箕処理ユニットを利用して、対話型3次元画像
を生成させることが出来る。但し、必要とされる特別に
構築されるハードウエアの量を低減することが出来るよ
うに、数多くの補助的組み合わせが選択される。それに
より重要な利益が提供出来ることも理解されるべきであ
る。
【0114】ここで開示された技術は対話型画像処理環
境に特に道している。但し、この技術は、対話速度が瞬
間的であると知覚される非対話型環境、又はリアルタイ
ム環境などの他の画像処理環境で採用されても良い。
【0115】
【発明の効果】本発明により、電算機の経費を節減する
画像データを処理するための装置と方法を提供できる。
特に、更なる処理を必要としないデータを無視出来るよ
うな、ある程度の選択性のある改善されたシステムを提
供できる。本発明は更に、本発明の方法を利用して発生
された何等かの形の画像信号と画像記録とを提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のシステム環境を示す図である。
【図2】対話型3次元図形処理を行う従来のシステムを
示す図である。
【図3】多角形から構成された対象物が自身の対象空間
内にある状態を表す図である。
【図4】光源と視点とを含むモデル空間に操り返し変換
される対象物を表す図である。
【図5】光源データ,視点データ,表面パラメータから
照明特性を計算するための技術を示す図である。
【図6】等角投影のための視覚空間を示す図である。
【図7】透視図のための視野変換の第1段階を提供する
錐台を示す図である。
【図8】透視図を生成するための図7の錐台から得られ
る視野空間を示す図である。
【図9】多角形の2次元への投影を示す図である。
【図10】走査変換のための投影多角形を示す図であ
る。
【図11】対話型3次元画像生成を容易にし、且つ本実
施例のシステムのプロセスを示す図である。
【図12】自身の対象空間内で限定された対象物の範囲
を限定する境界ボックスを示す図である。
【図13】図12に示された境界ボックスの視野空間へ
の変換を示す図である。
【図14】図11のプロセスにおける照明特性の計算を
示す図である。
【図15】図11のプロセスでの乱反射及び正反射を計
算するために使用されるアルゴリズムを示す図である。
【図16】8ビットカラー値をデイスプレーユニット上
に、複数のカラーランプを含むフルカラー値に変換する
ためのカラールツクアップテーブルを示す図である。
【図17】輝度値のガンマ補正した他のカラーランプを
示す図である。
【図18】非線形飽和値で択一的に形成されたカラーラ
ンプを示す図である。
【図19】非線形輝度と飽和値とを結合する他のカラー
ランプを概賂的に示す図である。
【図20】図19のランプを実施するために適切な3原
色ランプを示す図である。
【図21】他のカラールツクアップテーブルを利用する
ピクセルカラー値の計算を示す図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多次元対象物を表す画像データを処理す
    るための装置であって、 処理手段とデータ記憶手段とを備え、 前記記憶手段は: (a)光源の位置と、 (b)視点位置と、 (c)局所空間内の前記対象物の1つを定義する基本面
    の配置と、 (d)前記対象物を可視3次元空間内に変換するための
    局所変換とを定義するデータを記憶し、 前記処理手段は:対象物の境界容積を定義する手段と、 前記境界容積上で前記局所変換を実行する手段と、 前記境界容積が前記可視空間の可視部分に変換される範
    囲を決定手段と、 前記決定の結果により、更なる処理のための対象物を選
    択する手段とを備えることを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】 更なる処理のために選択された対象物が
    前記可視空間内に変換されることを特徴とする請求項1
    に記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記境界容積は前記局所空間内の対象物
    の3次元の範囲により定義された立方形境界ボックスで
    あることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記可視空間は透視図を考慮する形状を
    有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  5. 【請求項5】 多次元対象物を表す画像データを処理す
    るための方法であって、 (a)光源の位置と、 (b)視点位置と、 (c)局所空間内の対象物を定義する基本面の配置と、 (d)前記対象物を可視3次元空間内に変換するための
    局所変換とに関するデータを記憶するステップと、 (e)対象物の境界容積を定義するステップと、 (f)前記境界容積上で前記局所変換を実行するステッ
    プと、 (g)前記境界容積が前記可視空間の可視部分に変換さ
    れる範囲を決定するステップと、 (h)前記決定の結果により更なる処理のための対象物
    を選択するステップとを備えることを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 更なる処理のための選択された対象物が
    前記可視空間内で変換されることを特徴とする請求項5
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記境界容積は前記局所空間内の対象物
    の3次元の範囲により定義された立方形境界ボックスで
    あることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記可視空間は透視図法を考慮する形状
    を有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載された方法で発生された
    画像信号又は記録。
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