JPH06214273A - 有機非線形光学材料 - Google Patents
有機非線形光学材料Info
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- JPH06214273A JPH06214273A JP534293A JP534293A JPH06214273A JP H06214273 A JPH06214273 A JP H06214273A JP 534293 A JP534293 A JP 534293A JP 534293 A JP534293 A JP 534293A JP H06214273 A JPH06214273 A JP H06214273A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 下記式(I)、(II)及び(III) で示される構
造単位からなり、単位(I)を5〜100モル%、単位
(II)を0〜50モル%、及び単位(III) を0〜50モル
%含み、分子量が1万〜200万の共重合体である有機
非線形光学材料。 【化18】 【化19】 【化20】 【効果】 非線形光学効果が大きく、かつ成形加工性に
優れているので、光加工の分野で幅広く応用できる。
造単位からなり、単位(I)を5〜100モル%、単位
(II)を0〜50モル%、及び単位(III) を0〜50モル
%含み、分子量が1万〜200万の共重合体である有機
非線形光学材料。 【化18】 【化19】 【化20】 【効果】 非線形光学効果が大きく、かつ成形加工性に
優れているので、光加工の分野で幅広く応用できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信及び光情報処理
分野等に用いられる光学素子に有用な光学材料に関し、
特に、非線形光学効果を有し、かつ機械的強度や成形性
が優れた有機非線形光学材料に関する。
分野等に用いられる光学素子に有用な光学材料に関し、
特に、非線形光学効果を有し、かつ機械的強度や成形性
が優れた有機非線形光学材料に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザを光通信、光情報処理及び光加工
等に応用するためには、偏向、変調あるいは波長変換等
の種々の機能を有する光学素子が必要となる。このよう
な光学素子の中核的な役割を果たすものとして、非線形
光学効果を有する光学材料が知られている。
等に応用するためには、偏向、変調あるいは波長変換等
の種々の機能を有する光学素子が必要となる。このよう
な光学素子の中核的な役割を果たすものとして、非線形
光学効果を有する光学材料が知られている。
【0003】従来、非線形光学材料としてはLiNbO
3 、LiIO、KH2 PO4 、GaAs等の無機系結晶
体が中心に研究されてきた。
3 、LiIO、KH2 PO4 、GaAs等の無機系結晶
体が中心に研究されてきた。
【0004】しかしながら、これらの無機系結晶体は、
原子、イオン間の化学結合にかかわる電子が、光に応答
して格子振動を伴うので、ピコ秒より高速の応答が困難
であるという欠点があるとともに、強力レーザ光に対す
る破壊しきい値が低く、MW/cm2オーダーであるという欠
点があった。また、これらの無機系結晶体は、一般に単
結晶として用いるので、機械的強度、特に衝撃強度が小
さく、例えば成形加工性が悪い等、実用上さまざまな欠
点があった。
原子、イオン間の化学結合にかかわる電子が、光に応答
して格子振動を伴うので、ピコ秒より高速の応答が困難
であるという欠点があるとともに、強力レーザ光に対す
る破壊しきい値が低く、MW/cm2オーダーであるという欠
点があった。また、これらの無機系結晶体は、一般に単
結晶として用いるので、機械的強度、特に衝撃強度が小
さく、例えば成形加工性が悪い等、実用上さまざまな欠
点があった。
【0005】また、非線形光学材料としては、尿素、p
−ニトロアニリン(p−NA)、2−メチル−4−ニト
ロアニリン(MNA)等の有機分子性結晶体が知られて
いる。これらの有機分子性結晶体は、分子内の非局在π
電子に起因する大きな非線形光学効果を有しており、こ
の電子分極のために格子振動の影響を受けないので、無
機系結晶体より速い応答や高い光学破壊しきい値を示
す。
−ニトロアニリン(p−NA)、2−メチル−4−ニト
ロアニリン(MNA)等の有機分子性結晶体が知られて
いる。これらの有機分子性結晶体は、分子内の非局在π
電子に起因する大きな非線形光学効果を有しており、こ
の電子分極のために格子振動の影響を受けないので、無
機系結晶体より速い応答や高い光学破壊しきい値を示
す。
【0006】しかしながら、これらの有機分子性結晶体
は、無機系結晶体と同様に、単結晶であることが大きな
非線形光学効果を得るための条件となっているので、高
性能なものは機械的強度及び熱的安定性が不十分であ
り、その取扱いがきわめて困難であるとともに、例えば
オプティカルファイバやフィルム等に成形するのにその
加工性が悪いという欠点があった。
は、無機系結晶体と同様に、単結晶であることが大きな
非線形光学効果を得るための条件となっているので、高
性能なものは機械的強度及び熱的安定性が不十分であ
り、その取扱いがきわめて困難であるとともに、例えば
オプティカルファイバやフィルム等に成形するのにその
加工性が悪いという欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、非線
形光学効果が大きく、かつ成形加工性に優れた有機非線
形光学材料を提供することにある。
形光学効果が大きく、かつ成形加工性に優れた有機非線
形光学材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の有機非線形光学
材料は、下記一般式(I)、(II)及び(III) で示される
構造単位からなり、式(I)の単位が0〜100モル
%、式(II)の単位が0〜50モル%、式(III) の単位が
0〜50モル%であって、分子量が1万〜200万の共
重合体であることを特徴とする。
材料は、下記一般式(I)、(II)及び(III) で示される
構造単位からなり、式(I)の単位が0〜100モル
%、式(II)の単位が0〜50モル%、式(III) の単位が
0〜50モル%であって、分子量が1万〜200万の共
重合体であることを特徴とする。
【0009】
【化5】
【0010】(式(I)中、mは1〜10の整数を表わ
し、nは0又は1を表わし、R1 はメチル基又はフェニ
ル基を表わし、Xは−NR2 −又は−O−を表わし、R
2 は水素原子、メチル基又はエチル基を表わし、Aは−
NO2 、−CN又は−CF3 を表わし、Yは
し、nは0又は1を表わし、R1 はメチル基又はフェニ
ル基を表わし、Xは−NR2 −又は−O−を表わし、R
2 は水素原子、メチル基又はエチル基を表わし、Aは−
NO2 、−CN又は−CF3 を表わし、Yは
【0011】
【化6】
【0012】を表わし、R3 は水素原子又はAと同意義
の基を表わす)
の基を表わす)
【0013】
【化7】
【0014】(式(II)中、R4 はアルキル基を表わす)
【0015】
【化8】
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いる共重合体は、単位(I)が5〜100モル%、好
ましくは、50〜100モル%であり、単位(II)が0〜
50モル%、好ましくは、0〜20モル%であり、単位
(III) が0〜50モル%、好ましくは、0〜20モル%
である。特に好ましくは式(I)が60〜98モル%、
式(II)が0.5〜20モル%、式(III) が0.5〜20
モル%の割合のものが用いられる。
用いる共重合体は、単位(I)が5〜100モル%、好
ましくは、50〜100モル%であり、単位(II)が0〜
50モル%、好ましくは、0〜20モル%であり、単位
(III) が0〜50モル%、好ましくは、0〜20モル%
である。特に好ましくは式(I)が60〜98モル%、
式(II)が0.5〜20モル%、式(III) が0.5〜20
モル%の割合のものが用いられる。
【0017】本発明に用いる重合体の分子量は、1万〜
200万、好ましくは50万〜100万である。次に本
発明に用いる重合体の製造方法について説明する。
200万、好ましくは50万〜100万である。次に本
発明に用いる重合体の製造方法について説明する。
【0018】重合体の製造方法 本発明に用いる重合体は、例えば、次に示す重合工
程、加水分解工程、酸クロリド化工程及び光官能
基導入工程の4工程を経て合成することができる。また
の酸クロリド化工程を省略した合成経路も可能であ
る。
程、加水分解工程、酸クロリド化工程及び光官能
基導入工程の4工程を経て合成することができる。また
の酸クロリド化工程を省略した合成経路も可能であ
る。
【0019】重合工程
【0020】
【化9】
【0021】(前記反応式中、R1 はアルキル基又はフ
ェニル基を表わし、R4 はアルキル基を表わす)
ェニル基を表わし、R4 はアルキル基を表わす)
【0022】置換シアン化ビニリデンとp−アルカノイ
ルオキシ安息香酸ビニルとを、ラジカル開始剤の存在下
に共重合させて、置換シアン化ビニリデン−p−アルカ
ノイルオキシ安息香酸ビニル共重合体を合成する。重合
反応は、常法により行うことができる。
ルオキシ安息香酸ビニルとを、ラジカル開始剤の存在下
に共重合させて、置換シアン化ビニリデン−p−アルカ
ノイルオキシ安息香酸ビニル共重合体を合成する。重合
反応は、常法により行うことができる。
【0023】本発明に用いる共重合体の原料である置換
シアン化ビニリデン−p−アルカノイルオキシ安息香酸
ビニル共重合体は、交互共重合体でもランダム共重合体
でもよいが、好ましくは1対1の交互共重合体である。
シアン化ビニリデン−p−アルカノイルオキシ安息香酸
ビニル共重合体は、交互共重合体でもランダム共重合体
でもよいが、好ましくは1対1の交互共重合体である。
【0024】置換シアン化ビニリデン−p−アルカノイ
ルオキシ安息香酸ビニル共重合体の分子量は、1万〜2
00万、好ましくは10万〜100万である。
ルオキシ安息香酸ビニル共重合体の分子量は、1万〜2
00万、好ましくは10万〜100万である。
【0025】加水分解工程
【0026】
【化10】
【0027】(反応式中、R1 及びR4 は前記に同
じ。)
じ。)
【0028】で得られた置換シアン化ビニリデン−p
−アルカノイルオキシ安息香酸ビニル共重合体を、酸又
は触媒で加水分解してカルボン酸にする。ここで使用す
る酸としては、例えば塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ
酢酸等を挙げることができる。これらの酸は単独又は2
種以上を組み合わせて用いてもよい。
−アルカノイルオキシ安息香酸ビニル共重合体を、酸又
は触媒で加水分解してカルボン酸にする。ここで使用す
る酸としては、例えば塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ
酢酸等を挙げることができる。これらの酸は単独又は2
種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】これらの酸は、例えばスルホラン、メタノ
ール、エタノール等のアルコール類や水等の溶媒と混合
して用いることができる。前記触媒としては、例えばフ
ェニルシラン等のシラン化合物、スズの化合物等を挙げ
ることができる。
ール、エタノール等のアルコール類や水等の溶媒と混合
して用いることができる。前記触媒としては、例えばフ
ェニルシラン等のシラン化合物、スズの化合物等を挙げ
ることができる。
【0030】加水分解の反応温度は60〜100℃であ
り、反応時間は数時間〜数十時間である。加水分解率
は、5〜100%、好ましくは、50〜100%であ
る。
り、反応時間は数時間〜数十時間である。加水分解率
は、5〜100%、好ましくは、50〜100%であ
る。
【0031】酸クロリド化工程
【0032】
【化11】
【0033】(反応式中、R1 は前記と同じ。)
【0034】で得られたカルボン酸を有機溶媒に溶解
し、塩素化物の存在下に、数時間加熱して酸クロリドに
変換する。使用する有機溶媒としては、カルボン酸を完
全に溶解し、塩素化物又は生成してくる酸クロリドと全
く反応しない溶媒が好ましく、例えばスルホラン等を挙
げることができる。
し、塩素化物の存在下に、数時間加熱して酸クロリドに
変換する。使用する有機溶媒としては、カルボン酸を完
全に溶解し、塩素化物又は生成してくる酸クロリドと全
く反応しない溶媒が好ましく、例えばスルホラン等を挙
げることができる。
【0035】使用する塩素化物としては、シュウ酸クロ
リド、塩化チオニル、五塩化リンなどの一般的な酸クロ
リド化試薬を挙げることができる。加熱温度は、30〜
100℃が好ましい。
リド、塩化チオニル、五塩化リンなどの一般的な酸クロ
リド化試薬を挙げることができる。加熱温度は、30〜
100℃が好ましい。
【0036】次に、数時間の反応終了後、貧溶媒を用い
て過剰の塩素化物を完全に除去し、酸クロリド化処理し
た共重合体を単離精製する。用いる貧溶媒としては、酸
クロリド化された共重合体と反応しないものであれば特
に制限はなく、例えばトルエン、ベンゼン、ヘキサン等
の有機溶媒を挙げることができる。
て過剰の塩素化物を完全に除去し、酸クロリド化処理し
た共重合体を単離精製する。用いる貧溶媒としては、酸
クロリド化された共重合体と反応しないものであれば特
に制限はなく、例えばトルエン、ベンゼン、ヘキサン等
の有機溶媒を挙げることができる。
【0037】光官能基導入工程
【0038】
【化12】
【0039】(式中、m、n、R1 、X、Y及びAは、
前記に同じ)
前記に同じ)
【0040】本発明に用いる共重合体は、得られた酸ク
ロリド化処理した共重合体をスルホラン等の有機溶媒に
再溶解し、次いで導入する非線形光学化合物とともに加
熱して得ることができる。導入する非線形光学化合物と
しては、次式で表される。
ロリド化処理した共重合体をスルホラン等の有機溶媒に
再溶解し、次いで導入する非線形光学化合物とともに加
熱して得ることができる。導入する非線形光学化合物と
しては、次式で表される。
【0041】
【化13】
【0042】(式中、m、n、X、Y及びAは、前記に
同じ)、例えば、p−ニトロアニリン及びその誘導体、
4−ヒドロキシ−4′−ビフェニル及びその誘導体、4
−ヒドロキシ−4′−ニトロスチルベン及びその誘導
体、4−アミノ−4′−ニトロスチルベン及びその誘導
体、ならびに「ディスパーズレッド1」(Disperse Red
1[Aldrich 社製])及びその誘導体等を挙げることが
できる。
同じ)、例えば、p−ニトロアニリン及びその誘導体、
4−ヒドロキシ−4′−ビフェニル及びその誘導体、4
−ヒドロキシ−4′−ニトロスチルベン及びその誘導
体、4−アミノ−4′−ニトロスチルベン及びその誘導
体、ならびに「ディスパーズレッド1」(Disperse Red
1[Aldrich 社製])及びその誘導体等を挙げることが
できる。
【0043】酸クロリド化処理した共重合体中への非線
形光学化合物の導入割合は、該共重合体中のカルボン酸
又はその誘導体(酸クロリド)に対して、5〜100
%、好ましくは50〜100%である。
形光学化合物の導入割合は、該共重合体中のカルボン酸
又はその誘導体(酸クロリド)に対して、5〜100
%、好ましくは50〜100%である。
【0044】加熱温度は、50〜100℃が好ましい。
【0045】有機非線形光学材料の製造 本発明の有機非線形光学材料は、このようにして得られ
た重合体を、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の単一
溶媒又はこれらを二種以上混合した溶媒に溶解し、これ
を成形して得ることができる。
た重合体を、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の単一
溶媒又はこれらを二種以上混合した溶媒に溶解し、これ
を成形して得ることができる。
【0046】成形法としては、例えば溶媒キャスト法、
スピンコート法、湿式紡糸法等の公知の成形法を採用す
ることができる。また、本発明の有機非線形光学材料
は、得られた重合体をパウダーの状態で、例えば、プレ
ス成形法、押出成形法等を採用して成形することができ
る。
スピンコート法、湿式紡糸法等の公知の成形法を採用す
ることができる。また、本発明の有機非線形光学材料
は、得られた重合体をパウダーの状態で、例えば、プレ
ス成形法、押出成形法等を採用して成形することができ
る。
【0047】本発明の有機非線形光学材料は、厚さ又は
径が0.1〜1000μm 、特に1〜500μm のフィ
ルム状又はファイバ状に成形加工して用いることができ
る。
径が0.1〜1000μm 、特に1〜500μm のフィ
ルム状又はファイバ状に成形加工して用いることができ
る。
【0048】また、本発明の有機非線形光学材料がフィ
ルム又はシートであるときには、その配向性を高めるた
めに、2〜6倍に延伸したものが好ましく、その場合の
延伸方法としては、機械的な一軸延伸又は二軸延伸が好
ましい。
ルム又はシートであるときには、その配向性を高めるた
めに、2〜6倍に延伸したものが好ましく、その場合の
延伸方法としては、機械的な一軸延伸又は二軸延伸が好
ましい。
【0049】本発明の有機非線形光学材料は、フィル
ム、シート、ファイバ等の所望形状に成形したものを、
電気的に分極することにより、その非線形光学効果を増
大させることができる。電気的に分極する方法として
は、例えば、有機非線形光学材料がフィルム状又はシー
ト状である場合には、その両面に電極としての金属塗膜
を密着させ、これに電圧を印加する方法を挙げることが
できる。
ム、シート、ファイバ等の所望形状に成形したものを、
電気的に分極することにより、その非線形光学効果を増
大させることができる。電気的に分極する方法として
は、例えば、有機非線形光学材料がフィルム状又はシー
ト状である場合には、その両面に電極としての金属塗膜
を密着させ、これに電圧を印加する方法を挙げることが
できる。
【0050】有機非線形光学材料に設ける電極として
は、金属箔、金属板、もしくは導電ペースト又は化学メ
ッキ、真空蒸着もしくはスパッタリングにより形成した
金属塗膜等を挙げることができる。
は、金属箔、金属板、もしくは導電ペースト又は化学メ
ッキ、真空蒸着もしくはスパッタリングにより形成した
金属塗膜等を挙げることができる。
【0051】電極に印加する電圧は、10kV/cm 以上で
あって絶縁破壊を生じない程度の電界強度であり、好ま
しくは100〜1500kV/cm である。
あって絶縁破壊を生じない程度の電界強度であり、好ま
しくは100〜1500kV/cm である。
【0052】分極処理の時間は、特に制限はなく、10
分〜5時間、好ましくは10分〜2時間である。分極処
理の温度は、処理する有機非線形光学材料のガラス転移
温度をTg℃とすると、Tg−20℃〜Tg+20℃、
好ましくはTg−5℃〜Tg+5℃である。また、有機
非線形光学材料をスピンコートで成形する場合には、前
記ポリマーをジメチルスルホキシド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の単一
溶媒あるいは上記溶媒とアセトニトリル、メタノール等
の混合溶媒に溶解し、この溶液をネサガラス上にスピン
コートし、次いで減圧乾燥して得られた有機非線形光学
材料を、通常のコロナ放電を用いて分極する方法を採用
することができる。コロナ放電を用いた分極処理の条件
は、前述のフィルム状又はシート状の有機非線形光学材
料の場合と同様である。
分〜5時間、好ましくは10分〜2時間である。分極処
理の温度は、処理する有機非線形光学材料のガラス転移
温度をTg℃とすると、Tg−20℃〜Tg+20℃、
好ましくはTg−5℃〜Tg+5℃である。また、有機
非線形光学材料をスピンコートで成形する場合には、前
記ポリマーをジメチルスルホキシド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の単一
溶媒あるいは上記溶媒とアセトニトリル、メタノール等
の混合溶媒に溶解し、この溶液をネサガラス上にスピン
コートし、次いで減圧乾燥して得られた有機非線形光学
材料を、通常のコロナ放電を用いて分極する方法を採用
することができる。コロナ放電を用いた分極処理の条件
は、前述のフィルム状又はシート状の有機非線形光学材
料の場合と同様である。
【0053】
【実施例】次に実施例を示し本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定され
るものではない。
明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定され
るものではない。
【0054】実施例1 有機非線形光学材料に用いる重合体の合成 メチルシアン化ビニリデン−p−アセトキシ安息香酸
共重合体の加水分解 常法によって製造したメチルシアン化ビニリデン−p−
アセトキシ安息香酸ビニル共重合体10 gをトリフオロ
酢酸200ml、塩酸300mlの混合液中に懸濁し、80
℃で10時間撹拌した。
共重合体の加水分解 常法によって製造したメチルシアン化ビニリデン−p−
アセトキシ安息香酸ビニル共重合体10 gをトリフオロ
酢酸200ml、塩酸300mlの混合液中に懸濁し、80
℃で10時間撹拌した。
【0055】反応終了後、反応液を水中に投入すること
によって析出してきた加水分解物をろ別し、洗液が中性
になるまで水洗をくり返した。次に、70〜80℃で減
圧乾燥を行ない、下記構造式で示される加水分解物7.
9gを白色パウダーとして得た。
によって析出してきた加水分解物をろ別し、洗液が中性
になるまで水洗をくり返した。次に、70〜80℃で減
圧乾燥を行ない、下記構造式で示される加水分解物7.
9gを白色パウダーとして得た。
【0056】
【化14】
【0057】なお、使用したシアン化ビニリデン−p−
アセトキシ安息香酸ビニル共重合体の平均分子量は12
万であった。得られた加水分解物の同定は、 1H−NM
R(400MHz 、DNSo−d6 )により行った。その
結果から、安息香酸ビニル部分のエステル結合の加水分
解率が、95%であることが判明した。
アセトキシ安息香酸ビニル共重合体の平均分子量は12
万であった。得られた加水分解物の同定は、 1H−NM
R(400MHz 、DNSo−d6 )により行った。その
結果から、安息香酸ビニル部分のエステル結合の加水分
解率が、95%であることが判明した。
【0058】加水分解物への光官能基の導入 加水分解物1gをスルホラン50mlに溶解させた。この
混合物にシュウ酸クロリド2mlを加え、80℃で2時間
加熱撹拌した。トルエンを加え、数回トリチュレイトす
ることにより過剰のシュウ酸クロリドを除去した。これ
を再度スルホラン50mlに溶解し、パラニトロアニリン
1gを加え、80℃で8時間加熱撹拌することにより、
側鎖にパラニトロアニリンが導入されたポリマー480
mgを得た。
混合物にシュウ酸クロリド2mlを加え、80℃で2時間
加熱撹拌した。トルエンを加え、数回トリチュレイトす
ることにより過剰のシュウ酸クロリドを除去した。これ
を再度スルホラン50mlに溶解し、パラニトロアニリン
1gを加え、80℃で8時間加熱撹拌することにより、
側鎖にパラニトロアニリンが導入されたポリマー480
mgを得た。
【0059】このポリマーのガラス転移温度は、215
℃であった。
℃であった。
【0060】得られたポリマーの 1H−NMRチャート
を図1に示す。その結果に基づいて決定したポリマーの
構造式を下記に示す。
を図1に示す。その結果に基づいて決定したポリマーの
構造式を下記に示す。
【0061】
【化15】
【0062】溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド
を使用したGPCによって分子量を測定した結果、得ら
れたポリマーの分子量(MW )は15万であった。
を使用したGPCによって分子量を測定した結果、得ら
れたポリマーの分子量(MW )は15万であった。
【0063】実施例2 パラニトロアニリン1gに代えて4−(6−ヒドロキシ
ヘキシロキシ)−4′−ニトロビフェニル2gを用いた
ほかは、実施例1と同様にしてポリマー480mgを得
た。
ヘキシロキシ)−4′−ニトロビフェニル2gを用いた
ほかは、実施例1と同様にしてポリマー480mgを得
た。
【0064】このポリマーのガラス転移温度は、193
℃であった。 1H−NMRの結果に基づいて決定したポ
リマーの構造式を下記に示す。
℃であった。 1H−NMRの結果に基づいて決定したポ
リマーの構造式を下記に示す。
【0065】
【化16】
【0066】得られたポリマーの分子量を実施例1と同
様にして測定した。得られたポリマーの分子量(MW )
は14万であった。
様にして測定した。得られたポリマーの分子量(MW )
は14万であった。
【0067】実施例3 パラニトロアニリン1gに代えてディスパースレッド1
(Disperse Red 1)[Aldrich 社製]2gを用いたほか
は、実施例1と同様にして、ポリマー350mgを得た。
(Disperse Red 1)[Aldrich 社製]2gを用いたほか
は、実施例1と同様にして、ポリマー350mgを得た。
【0068】このポリマーのガラス転移温度は、218
℃であった。 1H−NMRの結果に基づいて決定したポ
リマーの構造式を下記に示す。
℃であった。 1H−NMRの結果に基づいて決定したポ
リマーの構造式を下記に示す。
【0069】
【化17】
【0070】得られたポリマーの分子量を実施例1と同
様にして測定した。得られたポリマーの分子量(MW )
は13万であった。
様にして測定した。得られたポリマーの分子量(MW )
は13万であった。
【0071】実施例4 実施例1〜3で合成したポリマーをそれぞれジメチルス
ルホキシドに溶解し、ネサガラス上にスピンコートした
後に、減圧乾燥して薄膜を得た。このスピンコート膜に
コロナ分極を施した。
ルホキシドに溶解し、ネサガラス上にスピンコートした
後に、減圧乾燥して薄膜を得た。このスピンコート膜に
コロナ分極を施した。
【0072】このように分極処理したスピンコート膜に
ついて、Jerphagnonらの方法[J. Appl. Phys., 41, 19
67(1970)]に準拠し、二次非線形光学定数(d33)の測
定を行なった。その結果を表1に示す。
ついて、Jerphagnonらの方法[J. Appl. Phys., 41, 19
67(1970)]に準拠し、二次非線形光学定数(d33)の測
定を行なった。その結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【発明の効果】本発明の有機非線形光学材料は、非線形
光学効果が大きく、しかも成形加工性に優れているの
で、光波長変換素子、光シャッター、光偏光素子、光強
度、位相変調素子、高速光スイッチング素子等の光学材
料に有用であり、光通信、光情報処理、光加工の分野に
幅広く応用することができる。また、本発明の有機非線
形光学材料は、波長変換や電気光学効果ばかりでなく、
圧電、焦電効果においても優れているので、スピーカ、
ヘッドホン、超音波素子、衝撃センサ、加速度センサ等
の各種センサ及び赤外線センサ、防犯センサ、温度セン
サ、火災検知等の各種検知器に幅広く応用できる。
光学効果が大きく、しかも成形加工性に優れているの
で、光波長変換素子、光シャッター、光偏光素子、光強
度、位相変調素子、高速光スイッチング素子等の光学材
料に有用であり、光通信、光情報処理、光加工の分野に
幅広く応用することができる。また、本発明の有機非線
形光学材料は、波長変換や電気光学効果ばかりでなく、
圧電、焦電効果においても優れているので、スピーカ、
ヘッドホン、超音波素子、衝撃センサ、加速度センサ等
の各種センサ及び赤外線センサ、防犯センサ、温度セン
サ、火災検知等の各種検知器に幅広く応用できる。
【図1】実施例1で得られたポリマーの 1H−NMRチ
ャートである。
ャートである。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式(I)、(II)及び(III) で示
される構造単位からなり、式(I)の単位が5〜100
モル%、式(II)の単位が0〜50モル%、式(III) の単
位が0〜50モル%であって、分子量が1万〜200万
の共重合体であることを特徴とする有機非線形光学材
料。 【化1】 (式(I)中、mは1〜10の整数を表わし、nは0又
は1を表わし、R1 はメチル基又はフェニル基を表わ
し、Xは−NR2 −又は−O−を表わし、R2 は水素原
子、メチル基又はエチル基を表わし、Aは−NO2 、−
CN又は−CF3 を表わし、Yは 【化2】 を表わし、R3 は水素原子又はAと同意義の基を表わ
す) 【化3】 (式(II)中、R4 はアルキル基を表わす) 【化4】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP534293A JPH06214273A (ja) | 1993-01-14 | 1993-01-14 | 有機非線形光学材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP534293A JPH06214273A (ja) | 1993-01-14 | 1993-01-14 | 有機非線形光学材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06214273A true JPH06214273A (ja) | 1994-08-05 |
Family
ID=11608553
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP534293A Pending JPH06214273A (ja) | 1993-01-14 | 1993-01-14 | 有機非線形光学材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06214273A (ja) |
-
1993
- 1993-01-14 JP JP534293A patent/JPH06214273A/ja active Pending
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