JPH0621426A - 光センサ素子 - Google Patents

光センサ素子

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JPH0621426A
JPH0621426A JP4197623A JP19762392A JPH0621426A JP H0621426 A JPH0621426 A JP H0621426A JP 4197623 A JP4197623 A JP 4197623A JP 19762392 A JP19762392 A JP 19762392A JP H0621426 A JPH0621426 A JP H0621426A
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JP
Japan
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optical sensor
deposited
transparent conductive
lower electrode
sensor element
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP4197623A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichiro Kurata
愼一郎 倉田
Kenji Kobayashi
健二 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Priority to PCT/JP1993/000794 priority patent/WO1993026046A1/ja
Priority to EP19930913518 priority patent/EP0601200A4/en
Publication of JPH0621426A publication Critical patent/JPH0621426A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フォトダイオードとブロッキングダイオード
とから構成される光センサ素子に伴う逆方向電流を低減
することにより、正確な信号出力が得られるようにする
とともに、そのスイッチング速度を向上させる。 【構成】 フォトダイオード14とブロッキングダイオ
ード16とから構成される光センサ素子10において、
これらの下部電極14a,16aを、クロムなどの金属
層14a1 ,16a1 と、ITOなどの透明導電層14
2 ,16a2 とから構成される二層構造とし、半導体
層14b,16bと透明導電層14a2 ,16a2 との
界面を形成した。この界面に形成されると考えられる電
位障壁などによって逆方向電流を阻止し、スイッチング
速度を向上させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光センサ素子に関し、さ
らに詳しくは、光電変換素子とスイッチング素子とから
構成される光センサ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ファクシミリやイメージセンサ
などの画像読み取り部には、縮小光学系の必要なCCD
型の原稿読み取り装置に代わって、密着型イメージセン
サと呼ばれる原稿読み取り装置が広く採用されていて、
これには多数の光センサ素子が使用されている。
【0003】たとえば図4に示すように、従来の原稿読
み取り装置1は、ガラス基板2上に、光電変換素子であ
るフォトダイオード3と、スイッチング素子であるブロ
ッキングダイオード4と、フォトダイオード3からの電
気信号を読み出すためのチャンネル配線C1,2,...
n とが形成されて構成されていて、光センサ素子はこれ
らフォトダイオード3とブロッキングダイオード4とか
ら構成されている。
【0004】フォトダイオード3及びブロッキングダイ
オード4は、ともに金属から成る不透明な下部電極3
a,4aと、アモルファスシリコンから成るpin構造
の半導体層3b,4bと、ITO(Indium Tin Oxide)
から成る透明な上部電極3c,4cとが、順に堆積され
て構成されている。また、フォトダイオード3及びブロ
ッキングダイオード4は SiOx から成る透明な層間絶縁
膜5により覆われていて、この層間絶縁膜5に形成され
たコンタクトホール6を介して接続配線7によって互い
に逆極性で直列接続されている。
【0005】なお、フォトダイオード3を構成する下部
電極3aは、層間絶縁膜5に形成されたコンタクトホー
ル8を介してチャンネル配線C1,2,... n に接続さ
れ、さらにこれら全体は保護膜9によって覆われてい
る。
【0006】これらフォトダイオード3及びブロッキン
グダイオード4は、図5に示すように一次元にm×n個
配列され、n個ごとにm個のブロックB1,2,... m
に区分されていて、ブロッキングダイオード4のアノー
ド電極はブロックB1,2,... m 内で共通に接続さ
れ、フォトダイオード3のアノード電極はチャンネル配
線C1,2,... n によってブロックB1,2,... m
間で相対的に同一位置にあるもの同士で共通に接続され
ている。
【0007】この原稿読み取り装置1は電荷蓄積方式で
動作するもので、図6のタイムチャートに示すように、
駆動パルスVp1,Vp2,... Vpm がブロックB1,2,...
m ごとに順番に周期Tで印加される。この駆動パルスVp
1,Vp2,... Vpm が印加されているときは、そのブロック
1,2,... m 内のブロッキングダイオード4は順バ
イアスとなり、フォトダイオード3は逆バイアスとな
る。このため、フォトダイオード3の並列容量は速やか
に充電される。この状態が読出状態である。一方、駆動
パルスVp1,Vp2,... Vpm が印加されていないときは、そ
のブロックB1,2,... m 内のブロッキングダイオー
ド4は逆バイアスとなる。したがって、この間にフォト
ダイオード3に光が入射すると、その光量に応じて生じ
た光電流によってフォトダイオード3の並列容量は放電
される。この状態が蓄積状態である。
【0008】要するに各ブロックB1,2,... m は、
時間tの読出状態と、時間T−tの蓄積状態とを繰り返
すのである。読出状態になったブロックB1,2,...
m からは、それまでの蓄積状態の間に入射した光量に相
当する出力電流Iout1,Iout2,... Ioutn がチャンネル配
線C1,2,... n を経て流れ出す。たとえば第1ブロ
ックB1 が読出状態になると、第1ブロックB1 から出
力電流Iout1,Iout2,.. . Ioutn が流れ出し、次いで第1
ブロックB1 が蓄積状態になって第2ブロックB2 が読
出状態になると、第2ブロックB2 から出力電流Iout1,
Iout2,... Ioutn が流れ出す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら実際は、
ブロックB1,2,... m が読出状態から蓄積状態に切
り換わった直後には、出力電流Iout1,Iout2,... Ioutn
と逆方向に電流(以下「逆方向電流」という。)Ir1,Ir
2,... Irn が流れる。この逆方向電流Ir1,Ir2,... Irn
の大きさは正常な出力電流Iout1,Iout2,... Ioutn の1
0〜20%に達し、その収束時間Tr は10-3秒のオー
ダーにも達する。このため、たとえば第1ブロックB1
と第2ブロックB2 とで白が読み取られ、第3ブロック
3 で黒が読み取られた場合には、第2ブロックB2
読出状態になったときに流れる出力電流Iout1,Iout
2,... Ioutn は通常よりも小さくなり、さらに第3ブロ
ックB3が読出状態になったときには流れないはずの出
力電流Iout1,Iout2,... Ioutn が逆方向電流Ir1,Ir
2,... Irn の分だけ逆方向に流れることになる。
【0010】この逆方向電流Ir1,Ir2,... Irn の原因
は、ブロッキングダイオード4にかかる電圧が順バイア
スから逆バイアスに変化させられても、順バイアス時に
注入されたキャリアは瞬時には消失せず、一定時間だけ
逆方向に流れるためと考えられる。
【0011】そこで本発明者らは、一般に光センサ素子
に伴う逆方向電流を低減することにより、その光センサ
素子から正確な信号出力が得られるようにするととも
に、そのスイッチング速度を向上させるため、鋭意研究
を重ねた結果、本発明に至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光センサ素
子の要旨とするところは、基板上に、下部電極と、該下
部電極上に堆積される半導体層と、該半導体層上に堆積
される透明な上部電極とから成る光電変換素子と、下部
電極と、該下部電極上に堆積される半導体層と、該半導
体層上に堆積される上部電極とから成るスイッチング素
子とが形成されていて、前記光電変換素子と前記スイッ
チング素子とが直列接続されて構成される光センサ素子
おいて、少なくとも前記スイッチング素子を構成する下
部電極が、1層以上の金属層と、該金属層上に堆積され
る透明導電層とから構成されたことにある。
【0013】また、かかる光センサ素子において、前記
透明導電層がITOから成ることにある。
【0014】また、かかる光センサ素子において、前記
金属層がクロムから成ることにある。
【0015】また、かかる光センサ素子において、少な
くとも前記光電変換素子を構成する上部電極がITOか
ら成ることにある。
【0016】また、かかる光センサ素子において、前記
光電変換素子と前記スイッチング素子とはそれぞれダイ
オード特性を備え、互いに逆極性で直列接続されている
ことにある。
【0017】また、かかる光センサ素子において、前記
光電変換素子及び前記スイッチング素子を構成するそれ
ぞれの半導体層はプラズマCVD法で連続的に堆積され
たアモルファスシリコンから成り、かつ、pin構造に
されていることにある。
【0018】また、かかる光センサ素子において、前記
光電変換素子及び前記スイッチング素子を構成するそれ
ぞれの下部電極、半導体層及び上部電極は、それぞれ同
時に堆積されたものであることにある。
【0019】さらに、かかる光センサ素子において、前
記基板が光学的に透明であることにある。
【0020】
【作用】かかる光センサ素子によれば、スイッチング素
子を構成する下部電極が、クロムなどから成る金属層
と、ITOなどから成る透明導電層とから構成されてい
て、半導体層と透明導電層との界面が形成されている。
この界面には、電位障壁や、透明導電層を構成する物質
が半導体層に拡散して生じたトラップ準位などのバリア
が形成されていると考えられる。したがって、スイッチ
ング素子にかかる電圧が順バイアスから逆バイアスに変
化させられたときでも、順バイアス時に注入されたキャ
リアのほとんどはこのバリアによって阻止されると考え
られる。これにより、逆方向電流は急速に収束させら
れ、かつ、そのピーク値も小さくなる。よって、この光
センサ素子からは正確な信号出力が得られるとともに、
そのスイッチング速度も向上させられる。
【0021】
【実施例】次に、本発明に係る光センサ素子の実施例に
ついて図面に基づき詳しく説明する。
【0022】図1に示すように、本発明に係る光センサ
素子10は、ガラスなどから成る光学的に透明な基板1
2上に、光電変換素子であるフォトダイオード14と、
スイッチング素子であるブロッキングダイオード16と
が形成されて構成されている。
【0023】これらフォトダイオード14及びブロッキ
ングダイオード16は、ともに、二層構造の下部電極1
4a,16aと、アモルファスシリコンなどから成るp
in構造の半導体層14b,16bと、ITO(Indium
Tin Oxide)などから成る透明な上部電極14c,16
cとが順に堆積されて構成されている。これら下部電極
14a,16aは、クロムCrなどから成る金属層14a
1 ,16a1 と、この金属層14a1 ,16a1 上に堆
積されるITOなどから成る透明導電層14a 2 ,16
2 とから構成されている。この点が本実施例の最大の
特徴である。
【0024】また、フォトダイオード14及びブロッキ
ングダイオード16は SiOx や SiNx などから成る透明
な層間絶縁膜18により覆われていて、この層間絶縁膜
18に形成されたコンタクトホール20を介して接続配
線22により互いに逆極性で直列接続されている。すな
わち、フォトダイオード14とブロッキングダイオード
16とはカソード電極同士で接続されている。
【0025】この光センサ素子10を製造するには、ま
ず基板12上に、電子ビームや抵抗加熱による真空蒸着
法、あるいはDCやRFによるスパッタリング法などに
よってクロムCrなどの金属膜を堆積する。次いでこの上
に、真空蒸着法やスパッタリング法などによってITO
などの透明導電膜を堆積する。たとえばDCスパッタリ
ング法によって金属膜と透明導電膜とを堆積する場合
は、まず基板12をチャンバー内にセットし、そのチャ
ンバー内を10-5Torr以下まで排気した後、その基板1
2を100〜250℃に保持しながら、圧力0.1〜
1.0Pa、DC電力0.1〜1.0W/cm2 の下
で、アルゴンガスと酸素ガスとを一定の割合で導入し、
金属膜と透明導電膜とを順番に堆積すればよい。
【0026】さらにこの上に、プラズマCVD法などに
よって、正孔が多数キャリアとなるp型アモルファスシ
リコン膜と、真性半導体となるi型アモルファスシリコ
ン膜と、電子が多数キャリアとなるn型アモルファスシ
リコン膜とを連続的に堆積する。
【0027】そして再度この上に、真空蒸着法やスパッ
タリング法などによってITOなどの透明導電膜を堆積
する。なお、金属膜及び透明導電膜の膜厚はそれぞれ数
百〜数千Å程度が好ましいが、これらの膜の特性や、ア
モルファスシリコン膜の性能などを考慮して適宜決定さ
れるものである。たとえば金属膜としてクロムCrを用
い、透明導電膜としてITOを用いた場合であれば、金
属膜の膜厚は1500〜2000Å程度が好ましく、透
明導電膜の膜厚は下層が1200Å程度、上層が600
Å程度が好ましい。
【0028】次いで、上層の透明導電膜と、3層から成
るアモルファスシリコン膜と、下層の透明導電膜とを順
に所定形状にパターン化し、上部電極14c,16c
と、半導体層14b,16bと、下部電極14a,16
aの一部である透明導電層14a2 ,16a2 とを形成
する。たとえばフォトリソグラフィ法によってパターン
化する場合は、まず上層の透明導電膜上にレジスト液を
塗布し、プリベークをした後、所定のパターンが刻まれ
たマスクを用いて露光を行なう。そして、現像及びポス
トベークを行なった後、上層の透明導電膜をエッチング
して上部電極14c,16cを形成する。次いで、平行
平板型のエッチング装置を用いてアモルファスシリコン
膜をエッチングする。具体的には、チャンバー内を10
-3Torr以下まで排気した後、CF4 ガスと O2 ガスを導入
し、圧力を5.0Paに保持しながら13.56MHz
の高周波電源を用いて電極に0.1〜0.7W/cm2
の電力を供給する。これにより、アモルファスシリコン
膜をエッチングして半導体層14b,16bを形成す
る。そして上層の透明導電膜と同様に、下層の透明導電
膜をエッチングして透明導電層14a2 ,16a2 を形
成する。ここで、透明導電膜としてITOを用いた場合
であれば、塩酸と硝酸の混合液などによってエッチング
をすればよい。
【0029】次いで、パターニングに用いたレジストを
一旦除去した後、再びフォトリソグラフィ法などによっ
て金属膜を別の所定形状にパターン化し、下部電極14
a,16aの一部である金属層14a1 ,16a1 を形
成する。これにより、フォトダイオード14とブロッキ
ングダイオード16とが形成される。ここで、金属膜と
してクロムCrを用いた場合であれば、硝酸第2セリウム
アンモニウムなどによってエッチングをすればよい。
【0030】次いで、これらフォトダイオード14とブ
ロッキングダイオード16の上に、熱CVD法,常圧C
VD法,プラズマCVD法,スパッタリング法などによ
ってSiOx や SiNx などを堆積した後、これをフォトリ
ソグラフィ法などによって所定形状にパターン化し、層
間絶縁膜18を形成する。たとえばプラズマCVD法で
シリコン酸化膜を堆積する場合は、チャンバー内を10
-2Torr以下まで排気した後、基板12を所定温度に加熱
保持しながら、シランガス20〜60sccmと亜酸化窒素
ガス150〜300sccmを導入し、0.3〜1.2Torr
の圧力に保持する。ここで、必要に応じて水素ガスや窒
素ガスを導入してもよい。その後、圧力が安定するのを
待って、13.56MHzの高周波電源を用いて基板1
2と対面する電極に0.01〜0.5W/cm2 の電力
を供給すればよい。ここで、供給する電力は装置の構造
や堆積する膜質に依存する。また、シリコン酸化膜の場
合は平行平板型のエッチング装置を用いることができ、
これによりシリコン酸化膜をパターン化して層間絶縁膜
18を形成すればよい。なお、フォトダイオード14と
ブロッキングダイオード16上のコンタクトホール20
は、このとき形成すればよい。
【0031】さらにこれらの上に、真空蒸着法やスパッ
タリング法などによってCr,Ni,Pd,Ti,Mo,Ta,Alな
どの金属を単層又は多層に、さらに好ましくは500Å
厚のCrと1.5μm厚のAlとの2層に堆積する。次いで
これをフォトリソグラフィ法などによって所定形状にパ
ターン化し、接続配線22を形成する。これにより、上
部電極14c,16c同士が接続配線22により電気的
に接続され、フォトダイオード14とブロッキングダイ
オード16とから構成される光センサ素子が製造される
ことになる。ここで、AlとCrとの2層膜の場合、Alのエ
ッチングは燐酸、硝酸及び酢酸の混合液で行なえばよ
く、Crのエッチングは硝酸第2セリウムアンモニウムで
行なえばよい。また、これらの材料は電気的接続が可能
であれば金属でなくてもよく、特に限定されるものでは
ない。
【0032】ここでは、金属膜と透明導電膜とをブラン
ケット状態で堆積した後、アモルファスシリコン膜を堆
積しているが、このアモルファスシリコン膜を堆積する
前に、透明導電膜だけを先にパターン化して透明導電層
14a2 ,16a2 を形成しておいてもよい。この場合
は、上部電極14c,16cと半導体層14b,16b
とを形成した後、ブランケット状態の金属膜をパターン
化して金属層14a1,16a1 を形成すれば、前述し
た光センサ素子10と同じ構成となる。また、金属層と
透明導電層との堆積は真空を破らずに連続的に行なって
もよいし、一度、真空を破って不連続的に行なってもよ
い。さらにここでは、主としてフォトリソグラフィ法に
よってパターン化する方法を例示したが、マスク法など
によって最初から不必要な部分には膜が堆積されないよ
うにして形成してもよく、その製造方法は何ら限定され
るものではない。
【0033】次に、この光センサ素子10の動作につい
て説明する。
【0034】図2(a) に示すように、ブロッキングダイ
オード16のアノード電極(下部電極16a)がフォト
ダイオード14のアノード電極(下部電極14a)に対
して正電位Vpにされると、ブロッキングダイオード16
は順バイアスとなり、フォトダイオード14は逆バイア
スとなる。これにより、フォトダイオード14の並列容
量24は充電され、フォトダイオード14とブロッキン
グダイオード16との接続部の電位が高くなる。次いで
図2(b) に示すように、ブロッキングダイオード16の
アノード電極が接地されると、ブロッキングダイオード
16は逆バイアスになる。この状態でフォトダイオード
14に光が入射すると、フォトダイオード14の並列容
量24はそこに生じた光電流Ipによって放電される。そ
の後、再びブロッキングダイオード16のアノード電極
が正電位Vpにされると、ブロッキングダイオード16は
順バイアスとなり、フォトダイオード14の並列容量2
4は再び充電される。このとき流れる充電電流が光電流
Ipに相当し、出力電流として流れるのである。したがっ
て、この出力電流を検出すればフォトダイオード14に
入射した光量を検出することができる。
【0035】本例では、下部電極14a,16aが金属
層14a1 ,16a1 と透明導電層14a2 ,16a2
とから構成されているため、半導体層14b,16bと
透明導電層14a2 ,16a2 との界面が形成されてい
る。この界面には、電位障壁や、透明導電層14a2
16a2 を構成する物質が半導体層14b,16bに拡
散して生じたトラップ準位などのバリアが形成されてい
ると考えられる。したがって、ブロッキングダイオード
16にかかる電圧が順バイアスから逆バイアスに変化さ
せられたときでも、順バイアス時に注入されたキャリア
のほとんどは、このバリアによって阻止されると考えら
れる。これにより、逆方向電流は10-5〜10-6秒のオ
ーダーで収束させられ、かつ、そのピーク値も小さくな
る。よって、この光センサ素子10からは正確な信号出
力が得られるとともに、そのスイッチング速度も向上さ
せられる。さらに、この光センサ素子10を原稿読み取
り装置に使用すれば、より正確な信号出力を得ることが
でき、さらに信号読み出し速度を速めることも可能であ
る。
【0036】以上、本発明に係る光センサ素子の一実施
例を詳述したが、本発明は上述した実施例に限定される
ことなく、その他の態様でも実施し得るものである。
【0037】たとえば上述した実施例では、フォトダイ
オード14を構成する上部電極14cと、ブロッキング
ダイオード16を構成する上部電極16cとが接続配線
22によって接続されているが、図3に示すように、フ
ォトダイオード14を構成する下部電極26と、ブロッ
キングダイオード16を構成する下部電極26とが共通
になっていて、この下部電極26によってフォトダイオ
ード14とブロッキングダイオード16とが接続されて
成る光センサ素子28でもよい。この場合は、金属層3
0と透明導電層32,34とを順に堆積して下部電極2
6を構成し、半導体層14b,16bと透明導電層3
2,34との界面が形成されるようにすればよい。ま
た、フォトダイオード14の上部電極14cと、ブロッ
キングダイオード16の上部電極16cとは、それぞれ
引出配線36,38によって外部に取り出しておけばよ
い。本例では、フォトダイオード14とブロッキングダ
イオード16とはアノード電極同士で接続され、互いに
逆極性で直列接続されていることになる。
【0038】また上述した実施例では、金属層14
1 ,16a1 ,30と透明導電層14a2 ,16
2 ,32,34とを異なる形状にしているが、同一形
状にしてもよい。
【0039】また上述した実施例では、製造工程の簡素
化などの理由から、フォトダイオード14及びブロッキ
ングダイオード16を構成するそれぞれの下部電極14
a,16a、半導体層14b,16b及び上部電極14
c,16cは、それぞれ同時に堆積されたもので、それ
ぞれ同じ材料から構成されている。このフォトダイオー
ド14を構成する上部電極14cは透明でなければなら
ないが、ブロッキングダイオード16を構成する上部電
極16cは透明でなくてもよい。また、フォトダイオー
ド14を構成する下部電極14aは、金属層と透明導電
層とから構成されていなくてもよく、少なくともブロッ
キングダイオード(スイッチング素子)16を構成する
下部電極16aが、金属層16a1 と透明導電層16a
2 とから構成されていればよい。要するに本発明は、ス
イッチング素子を構成する半導体層に透明導電層との界
面を形成することによって、スイッチング素子に生じる
逆方向電流を阻止するようにすればよいのである。
【0040】また、上述した半導体層14b,16bは
いずれも基板12側からpinの順に積層されている
が、これとは逆にnipの順に積層され、pin構造に
されていてもよい。また、上述したpin型以外に、n
i型、pi型、pn型、MIS型、ヘテロ接合型、ホモ
接合型、ショットキーバリアー型あるいはこれらを組み
合わせた型などに単層又は多層に堆積したものでもよ
い。さらに、半導体層を構成するアモルファスシリコン
としては、水素化アモルファスシリコンa-Si:H、水素化
アモルファスシリコンカーバイドa-SiC:H 、アモルファ
スシリコンナイトライドなどの他、単なるアモルファス
シリコンa-Siなどが好ましいが、シリコンと炭素、ゲル
マニウム、スズなどの他の元素との合金から成るアモル
ファスシリコン系半導体の非晶質あるいは微結晶を堆積
したものでもよいなど、これらの構造は何ら限定される
ものではない。
【0041】その他、透明導電層の材料としてはITO
以外に SnO2 や TiO2 などを用いてもよい。また、金属
層の材料としてはCr以外にNi,Pd,Ti,Mo,Ta,Alなど
を用いてもよく、さらに金属層は1層でもよいが、2層
以上でもよいなど、本発明はその主旨を逸脱しない範囲
内で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を
加えた態様で実施し得るものである。
【0042】
【発明の効果】本発明に係る光センサ素子は、少なくと
もスイッチング素子を構成する下部電極が、1層以上の
金属層と、その金属層上に堆積される透明導電層とから
構成され、半導体層と透明導電層との界面が形成されて
いるため、逆方向電流はこの界面に形成されたバリアに
よって急速に収束させられ、かつ、そのピーク値も小さ
くなる。このため、より正確な信号出力が得られるとと
もに、スイッチング速度も向上させられる。さらに、本
発明に係る光センサ素子を原稿読み取り装置に使用すれ
ば、より正確な信号出力を得ることができるとともに、
信号読み出し速度を速めることも可能であるなど、本発
明は種々の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光センサ素子の一実施例を示す断
面模式図である。
【図2】図1に示した光センサ素子の動作を説明するた
めの回路図である。
【図3】本発明に係る光センサ素子の他の実施例を示す
断面模式図である。
【図4】従来の原稿読み取り装置の一例を示す断面模式
図である。
【図5】図4に示した原稿読み取り装置の回路図であ
る。
【図6】図4及び図5に示した原稿読み取り装置の動作
を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
10,28;光センサ素子 12;基板 14;フォトダイオード(光電変換素子) 16;ブロッキングダイオード(スイッチング素子) 14a,16a,26;下部電極 14a1 ,16a1 ,30;金属層 14a2 ,16a2 ,32,34;透明導電層 14b,16b;半導体層 14c,16c;上部電極

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、 下部電極と、該下部電極上に堆積される半導体層と、該
    半導体層上に堆積される透明な上部電極とから成る光電
    変換素子と、 下部電極と、該下部電極上に堆積される半導体層と、該
    半導体層上に堆積される上部電極とから成るスイッチン
    グ素子とが形成されていて、 前記光電変換素子と前記スイッチング素子とが直列接続
    されて構成される光センサ素子おいて、 少なくとも前記スイッチング素子を構成する下部電極
    が、1層以上の金属層と、該金属層上に堆積される透明
    導電層とから構成されたことを特徴とする光センサ素
    子。
  2. 【請求項2】 前記透明導電層がITOから成ることを
    特徴とする請求項1に記載の光センサ素子。
  3. 【請求項3】 前記金属層がクロムから成ることを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載の光センサ素子。
  4. 【請求項4】 少なくとも前記光電変換素子を構成する
    上部電極がITOから成ることを特徴とする請求項1乃
    至請求項3のいずれかに記載の光センサ素子。
  5. 【請求項5】 前記光電変換素子と前記スイッチング素
    子とはそれぞれダイオード特性を備え、互いに逆極性で
    直列接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求
    項4のいずれかに記載の光センサ素子。
  6. 【請求項6】 前記光電変換素子及び前記スイッチング
    素子を構成するそれぞれの半導体層はプラズマCVD法
    で連続的に堆積されたアモルファスシリコンから成り、
    かつ、pin構造にされていることを特徴とする請求項
    1乃至請求項5のいずれかに記載の光センサ素子。
  7. 【請求項7】 前記光電変換素子及び前記スイッチング
    素子を構成するそれぞれの下部電極、半導体層及び上部
    電極は、それぞれ同時に堆積されたものであることを特
    徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光セ
    ンサ素子。
  8. 【請求項8】 前記基板が光学的に透明であることを特
    徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の光セ
    ンサ素子。
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